JP2008263459A - 外部音知覚装置 - Google Patents

外部音知覚装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008263459A
JP2008263459A JP2007105394A JP2007105394A JP2008263459A JP 2008263459 A JP2008263459 A JP 2008263459A JP 2007105394 A JP2007105394 A JP 2007105394A JP 2007105394 A JP2007105394 A JP 2007105394A JP 2008263459 A JP2008263459 A JP 2008263459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
external sound
signal
unit
vibration
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007105394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4423398B2 (ja
Inventor
Seiji Nakagawa
誠司 中川
Takuya Hotehama
拓也 保手浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2007105394A priority Critical patent/JP4423398B2/ja
Publication of JP2008263459A publication Critical patent/JP2008263459A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4423398B2 publication Critical patent/JP4423398B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】 超音波振動子の特性や使用状態に拘わらず、外部音を明瞭に知覚することができる外部音知覚装置を提供する。
【解決手段】 外部音を超音波振動により知覚するための外部音知覚装置であって、外部音が入力されるマイクロフォン10と、入力された音信号に基づいてキャリア信号を変調することにより振動信号を生成すると共に振動信号に対して平滑化フィルタリング処理を施す平滑化フィルタ部28を有する振動信号生成手段20と、平滑化フィルタ部28のフィルタ係数を設定するフィルタ生成部50と、平滑化フィルタ部28を通過した振動信号に基づいて生体に超音波振動を伝達する振動子30とを備える外部音知覚装置である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、外部音を超音波振動により知覚するための外部音知覚装置に関する。
音声(言語音)や環境音などの外部音を知覚するための外部音知覚装置として、難聴者用の補聴器が知られている。補聴器には、音の振動が鼓膜を介して脳の聴覚器官に伝達される気導型の補聴器と、音の振動が鼓膜を介さずに頭蓋骨などから直接人体に伝わる骨導型の補聴器とがあり、振動子を人体の所定部位に取り付けて使用する。
最近では、超音波振動子を介して超音波振動を脳の聴覚器官に伝達することにより、外部音を知覚可能にした構成が知られている。例えば、特許文献1には、マイクロフォンに入力された外部音に基づいて、複数の超音波振動子から超音波信号が伝達されるように構成された外部音知覚装置が開示されている。
特開2004−343302号公報
ところが、超音波振動子による外部音の伝達においては、超音波振動子が呈示する周波数帯域において共振周波数を有している等の理由から、出力振動の周波数特性が歪むおそれがあり、音声や環境音といった周波数の広い帯域にわたる音響情報を明瞭に伝達する上で更に改良の余地があった。
また、超音波振動子の周波数特性は、個体差によって相違するだけでなく、人体に密着させた際の押圧力によっても変化する。例えば、スイープ波による周波数−インピーダンス特性を、超音波振動子を無負荷の状態と、人体(乳様突起)に5.1Nの押圧力で押し付けた状態とで比較すると、前者の場合は、図10(a)に示すように、共振周波数が約40kHzであるのに対し、後者の場合は、図10(b)に示すように、共振周波数が約30kHzへと大きく低下する。このように、上述した周波数特性の歪みを改善する上では、各超音波振動子の特性や取り付け状態などを考慮する必要がある。
そこで、本発明は、超音波振動子の特性や使用状態に拘わらず、外部音を明瞭に知覚することができる外部音知覚装置の提供を目的とする。
本発明の前記目的は、外部音を超音波振動により知覚するための外部音知覚装置であって、外部音が入力されるマイクロフォンと、入力された音信号に基づいてキャリア信号を変調することにより振動信号を生成すると共に、前記振動信号に対して平滑化フィルタリング処理を施す平滑化フィルタ部を有する振動信号生成手段と、前記平滑化フィルタ部のフィルタ係数を設定するフィルタ生成部と、前記平滑化フィルタ部を通過した前記振動信号に基づいて生体に超音波振動を伝達する振動子とを備える外部音知覚装置により達成される。
この外部音知覚装置において、前記マイクロフォン及び振動子は、互いに対応付けられてそれぞれ複数設けられ、前記各マイクロフォンに入力された外部音に基づいて、対応する前記各振動子からそれぞれ超音波振動が伝達されるように構成されており、前記振動信号生成手段は、前記各指向性マイクロフォンから入力された外部音毎に固有の変調を行うことができると共に、前記平滑化フィルタ部が、前記各マイクロフォンに対応して複数設
けられており、前記フィルタ生成部は、前記各平滑化フィルタ部のフィルタ係数を個別に設定することが好ましい。
また、前記フィルタ生成部は、周波数掃引された正弦波信号を出力する正弦波信号発生部と、周波数掃引正弦波信号を前記振動子に印加することにより該振動子の端子間におけるインピーダンスの周波数特性を測定するインピーダンス測定部と、測定したインピーダンス特性に基づいて前記平滑化フィルタ部のフィルタ係数を設定する演算処理部とを備える構成にすることができる。
本発明によれば、超音波振動子の特性や使用状態に拘わらず、外部音を明瞭に知覚することができる外部音知覚装置を提供することができる。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る外部音知覚装置の概略構成を示す正面図であり、図2は、そのブロック図である。図1及び図2に示すように、この外部音知覚装置は、外部音が入力される複数の指向性マイクロフォン10,10と、入力された音信号に基づいて振動信号を生成する振動信号生成部20と、前記振動信号に基づく機械的振動を伝達する複数の振動伝達部30,30とを備える。
複数の指向性マイクロフォン10,10は、振動信号生成部20が収容されたケーシング20aにそれぞれ取り付けられている。指向性マイクロフォン10,10の取り付けは、本実施形態においてはそれぞれの指向性の主軸方向が相違するように固定しているが、各主軸方向を調整可能に取り付けてもよい。各指向性マイクロフォン10,10に入力された外部音は、増幅処理が行われた後、振動信号生成部20に入力される。
振動信号生成部20は、キャリア信号の発生指示に基づいてキャリア信号を生成するキャリア信号発生部22,22と、キャリア信号の発生指示や、キャリア信号の周波数、振幅、タイミング(位相)、変調方式を入力可能な入力部24,24と、指向性マイクロフォン10,10から入力された音信号に基づいてキャリア信号を変調することにより振動信号を生成するキャリア信号変調部26,26と、生成された振動信号に対して平滑化フィルタリング処理を施す平滑化フィルタ部28,28とを備えており、各指向性マイクロフォン10,10の入力音毎に個別に振動信号を生成する。
入力部24は、キャリア信号の周波数、振幅、位相をそれぞれ連続的に変化させることができるように、個別に調整可能なボリュームスイッチ24aを備え、更に、変調方式を選択するためのダイヤル式スイッチ24bを備えている。選択可能な変調方式としては、周波数変調、振幅変調、位相変調などが挙げられ、更に、振幅変調の種類として、例えば、両側波帯(DSB)、単側波帯(抑圧搬送波)(SSB)等を選択することができる。また、入力部24は、設定されたキャリア信号の周波数、振幅及び位相によりキャリア信号の発生を指示するためのキャリア信号発生スイッチ24cを備えている。
キャリア信号の周波数は、高度の難聴者であっても良好な感音状態が得られるように、超音波領域である20〜100kHzであることが好ましく、20〜50kHzであることがより好ましい。したがって、入力部24は、上記周波数域の一部または全部を含む範囲でキャリア信号の周波数を調整可能であることが好ましい。
平滑化フィルタ部28は、キャリア信号変調部26で生成された振動信号の周波数特性を、呈示する周波数帯域において平滑化する。平滑化フィルタ部28は、各指向性マイク
ロフォン10に対応して複数設けられており、それぞれ個別にフィルタ係数が設定されている。
振動伝達部30は、振動信号を機械的な振動として外部に伝達する振動子をそれぞれ備え、各振動子が複数の指向性マイクロフォン10,10にそれぞれ対応付けられており、いずれかの指向性マイクロフォン10に入力された外部音は、対応する振動子から伝達される。
図3に示すように、各振動伝達部30は、振動子31が収容された円筒状のケース32を備えており、ケース32の開口縁に吸盤34を取り付けて構成されている。
振動子31は、ジンバル機構により、互いに直交する2軸の回りに揺動可能に支持されている。即ち、振動子31は、振動面を露出させるように第1の枠体40に固定されており、第1の枠体40は、第1の支持軸42を介して第2の枠体44に揺動自在に支持されている。そして、第2の枠体44は、第1の支持軸42と直交する第2の支持軸46を介してケース32の内部に揺動自在に支持されている。振動子31の振動面は、ケース32の開口からわずかに突出しており、吸盤34を所定の取付部位に吸着させると、振動子31の振動面が被吸着面に接触して押圧するように構成されている。各ケース32の底部(図の上部)中央には連通孔32aが形成されており、この連通孔32aに球状の袋状体48が結合されている。袋状体48はゴム材などの弾性材からなり、押圧により弾性変形可能に構成されている。袋状体48の内部空間は、連通孔32aを介してケース32の内部と連通している。
また、本実施形態の外部音知覚装置は、平滑化フィルタ部28におけるフィルタ係数を設定するためのフィルタ生成部50を備えている。フィルタ生成部50は、図4に示すように、周波数掃引された正弦波信号を出力する正弦波信号発生部52と、この周波数掃引正弦波信号を振動子31に印加することにより振動子31の端子間におけるインピーダンスの周波数特性を測定するインピーダンス測定部54と、測定したインピーダンス特性に基づいて平滑化フィルタ部28のフィルタ係数を設定する演算処理部56とを備えている。図1に示すように、入力部24は、周波数掃引正弦波信号の発生を指示するための正弦波信号発生スイッチ24dを備えており、正弦波信号発生部52からの出力は、正弦波信号発生スイッチ24dの操作による入力部24からの入力に基づいて行われる。
正弦波信号発生部52から出力される正弦波信号の周波数掃引幅は、振動信号を生成するためのキャリア信号の周波数を考慮して設定すればよく、例えば、20〜100kHzである。演算処理部56は、測定されたインピーダンスの周波数特性に基づいて、逆フィルタのフィルタ係数を推定する。具体的には、測定されたインピーダンスの周波数特性の極大及び極小に対応する周波数を、それぞれ反共振周波数及び共振周波数として求め、反共振・共振周波数から、極座標系における逆フィルタの極、零点の偏角(θp,θz)を設
定する。そして、極、零点の動径(rp,rz)及びゲインkをパラメータとして、仮の逆フィルタを作成し、測定及び平滑度の評価を繰り返すことで逆フィルタの最適値を探索する。探索方法は、線形計画法や遺伝的アルゴリズムなどの最適化手法を挙げることができる。こうして、極、零点及びゲインから、フィルタ係数マトリクスに変換することができ、平滑化フィルタ部28のフィルタ係数を設定することができる。
本実施形態においては、インピーダンス測定部54において振動子31のインピーダンスの周波数特性を測定し、この測定結果に基づいて、演算処理部56で平滑化フィルタ部28のフィルタ係数を設定するようにしているが、インピーダンス測定部54の代わりにレーザードップラ振動計などの振動計測部を設け、この振動計測部において、振動子31の振動面における振動の周波数特性を測定し、その測定データから平滑化フィルタ部28
のフィルタ係数を設定することも可能である。
次に、上記外部音知覚装置の作動について説明する。まず、複数の振動伝達部30,30を、人体の所定部位(例えば、左右の乳様突起の近傍)にそれぞれ取り付ける。各振動子31は、袋状体48を手で摘んだ状態で所定部位に吸盤34を押し付けることにより、ジンバル機構によって人体に確実に接触させることができる。この後、摘んでいた手を離すと、袋状体48の形状復元力によりケース32の内部が負圧になって吸着力が得られるので、振動子31の取り付けを確実にすることができる。
この後、使用者が正弦波信号発生スイッチ24dをオンにすると、各フィルタ生成部50において、正弦波信号発生部52から周波数掃引された正弦波信号が出力され、平滑化フィルタ部28のフィルタ係数が設定される。そして、各平滑化フィルタ部28のフィルタ係数が設定されると、設定完了がブザー音や確認ランプなどで報知されると共に、正弦波信号発生スイッチ24dは自動的にオフとなり、正弦波信号発生部52における正弦波信号の出力が停止される。このように、平滑化フィルタ部28は、対応する各振動子31の特性や取付状態などを反映して、フィルタ係数の設定を個別に行う。
ついで、使用者がキャリア信号発生スイッチ24cをオンにして、指向性マイクロフォン10,10に外部音が入力されると、各指向性マイクロフォン10,10から振動信号生成部20に音信号が入力される。各指向性マイクロフォン10,10は、指向性の主軸方向が互いに異なるため、同一の音源に対する入力感度が相違する。図5は、指向性マイクロフォン10に入力された音声信号の時間波形の一例を示しており、「KEISATSU」という音声に対応している。
振動信号生成部20は、キャリア信号発生部22,22が、所定の振幅及び周波数を有するキャリア信号を生成し、キャリア信号変調部26,26が、このキャリア信号を音信号に基づいて変調することにより、各指向性マイクロフォン10,10への入力音に対応した振動信号を生成する。このとき、キャリア信号変調部26,26において、各指向性マイクロフォン10,10への入力音毎にそれぞれ固有の変調が行われるように、入力部24を介して互いに異なる変調条件を入力しておく。例えば、キャリア信号の周波数を各指向性マイクロフォン10,10毎に異なるように設定し、変調方式は同じ両側波帯振幅変調として、それぞれ固有の変調を行うことができる。或いは、キャリア信号は同じ周波数とし、変調方式が互いに異なるようにして(例えば、一方を両側波帯振幅変調とし、他方を抑圧搬送波振幅変調として)、それぞれ固有の変調を行うようにしてもよい。図6は、キャリア信号変調部26において、30kHzのサイン波をキャリア信号として、図5に示す音声信号により両側波帯振幅変調した変調信号の時間波形を示している。
こうして生成された振動信号は、平滑化フィルタ部28において平滑化処理が施された後、対応する各振動伝達部30,30にそれぞれ出力される。振動伝達部30,30は、入力された振動信号に基づいて振動子31,31を振動させる。この結果、各指向性マイクロフォン10,10に入力された外部音に基づいて、対応する各振動伝達部30,30からそれぞれ超音波振動が人体に伝達される。なお、キャリア信号変調部26は、音信号が入力されない期間は、振動信号を出力しないように制御する。
実際の使用においては、超音波振動子の取り付け状態は、毎回の装着時において異なる、あるいは使用中のずれなどにより変化することが想定される。超音波振動子の取り付け状態が変化した場合には、正弦波信号発生スイッチ24dを再度オンにすることで正弦波信号を出力し、平滑化フィルタ部28のフィルタ係数を改めて設定することができる。
本実施形態の外部音知覚装置によれば、外部音の入力に基づいて生成された振動信号が
、平滑化フィルタ部28においてフィルタリングされた後に、振動伝達部30から伝達されるように構成されているので、伝達する超音波振動の周波数特性を、呈示する周波数帯域で平滑化することが可能になる。この結果、音声や環境音などの外部音の歪みを抑制することができ、使用者が外部音を明瞭に知覚することが可能になる。
図7(a)は、図6に示す変調信号を平滑化フィルタ部28により平滑化処理を行った場合の、振動伝達部30からの出力信号の時間波形を示している。この出力信号を、図7(b)に示す平滑化処理を行わない場合の出力信号と比較すると、平滑化処理によって波形の乱れが抑制されていることがわかる。
図8(a)及び(b)は、それぞれ図7(a)及び(b)に示す出力信号を復調した信号の時間波形を、図5に示す音声信号の時間波形と重ね合わせて示している。平滑化処理を行った場合には、図8(a)に示すように復調信号の時間波形が音声信号の時間波形とほぼ一致しているのに対し、平滑化処理を行わない場合には、図8(b)に示すように復調信号が特に子音部において波形が大きく崩れている。図9(a)及び(b)は、それぞれ図8(a)及び(b)に対応するスペクトル波形を示しており、平滑化処理によって、特に高周波における復調信号と音声信号とのスペクトルとの乖離が抑制されている。このように、平滑化フィルタ部28において平滑化フィルタリング処理を施すことにより、広い周波数帯域において音声情報が明瞭に伝達されていることがわかる。
また、本実施形態の外部音知覚装置は、振動信号生成部20において、各指向性マイクロフォン10,10から入力された外部音毎に固有の変調を行うことができるように構成されているので、各振動伝達部30,30から伝達される超音波振動の「聞こえ(音色)」の相違を認識できるように各変調条件を予め設定し、それぞれの「聞こえ」に対応する指向性マイクロフォン10,10を使用者が把握しておくことにより、知覚した超音波信号がどの指向性マイクロフォン10から入力されたものかを使用者が判別することができる。例えば、変調方式を両側波帯振幅変調とした場合は、キャリア波のピッチと復調された信号波のピッチの両方が同時に知覚される一方、変調方式を抑圧搬送波振幅変調とした場合は、キャリア波のピッチが知覚されず、もとの信号波の周波数の2倍に相当するピッチだけが知覚されるので、それぞれの「聞こえ」の違いを確実に判別することができる。特に、本実施形態においては、各振動伝達部30,30から伝達される超音波振動が、個別に生成された平滑化フィルタ部28,28において平滑化処理が施されたものであるため、各振動子31の個体差や取り付け時の押圧力などに起因する周波数特性のばらつきを抑制することができ、音源定位を良好に行うことができる。この結果、音声や環境音などの音源の方向を使用者が確実に認識することが可能になり、例えば、災害現場や工事現場などにおける作業時や自動車などの車両運転時において、有効である。
本実施形態においては、振動伝達部30の上記構成によって振動子31の経時的な位置ずれを効果的に防止することができるが、頭部内の音圧分布は、各振動子31の取り付け位置の僅かな相違によって大きく変化するため、感音状態が最適となる部位に各振動子31を正確に取り付けることは困難である。そこで、各振動子31を取り付けた後、各振動子31に対応するキャリア信号の周波数、位相および振幅などを入力部24の操作により調整し、超音波の干渉によって生じる腹及び節の位置を制御したり、超音波の焦点を絞って局所的に音圧を高めたりすることで、感音状態を最適化することが好ましい。尚、変調条件として、キャリア信号の周波数が各指向性マイクロフォン10,10毎に異なるように設定した場合には、知覚音の方向感が失われないように、感音状態の調整においてキャリア信号の周波数は変更しないことが好ましい。
感音状態を最適化するための具体的な方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。まず、複数の振動子31から発せられる超音波の振幅
を小さめに設定し、感音状態が概ね良好となるようにそれぞれ乳様突起に対して適当に取り付けていくことで、各振動子31の位置決めを行う。そして、感音状態がより良好となるように、各振動子31の周波数及び位相を調整し、決定する。例えば振動子31を2個取り付けて使用する場合、各振動子31に対応するキャリア信号の周波数を同時に変化させて、感音状態が最も良好になる周波数をそれぞれ設定する。この後、各振動子31に対応するキャリア信号の位相についても同様の方法で設定することにより、キャリア信号の最適な周波数及び位相及を振動子31毎に個別に得ることができ、感音状態を最適化することができる。周波数及び位相の設定は、どちらが先であってもよい。最後に、所望の感音状態が得られるように、振幅を所望の大きさに設定する。
感音状態を最適化する方法としては、これ以外に、一方の振動子31に対応するキャリア信号の周波数、位相及び振幅をそれぞれ所定値に維持したまま、他方の振動子31に対応するキャリア信号の周波数、位相及び振幅を順次変化させて、感音状態を最適化することも可能である。この場合には、少なくとも1つの振動子31に対応するキャリア信号の周波数、位相及び振幅を入力部24において調整可能に構成されていればよい。いずれにしても、「聞こえ」の違いを確実に判別可能な状態で、キャリア信号の周波数、位相及び振幅を調整することで、良好な感音状態及び方向感の双方を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、本実施形態においては、指向性マイクロフォン10,10を2つ使用し、それぞれの入力音に対して固有の変調を行うように構成しているが、指向性マイクロフォン及びこれに対応する振動伝達部の数は、特に限定されない。例えば、この外部音知覚装置を自動車に設置する場合、4つの指向性マイクロフォンを、指向性の主軸がそれぞれ前方向、後方向、右方向、左方向となるように車両に固定し、それぞれの入力音に対して固有の変調を行った上で、対応する4つの振動伝達部を介して人体に伝達されるように構成してもよい。これによって、緊急車両のサイレンなど運転中に認識する必要がある音源の方向を確実に把握することが可能になる。一方、マイクロフォン及び振動伝達部をそれぞれ1つずつ設けた構成にすることも可能であり、この場合も外部音を明瞭に知覚することが可能である。
また、本実施形態においては、入力部24を介して変調条件を入力可能に構成しているが、予め使用者に適した変調条件を決定してそのデータをメモリ等に格納しておくことにより、入力部24を有しない構成にすることも可能である。また、入力部24からの変更条件の入力は、手動操作に限定されず、他の装置で測定、演算した結果が自動的に入力されるように構成してもよい。
本発明の一実施形態に係る外部音知覚装置の概略構成を示す正面図である。 前記外部音知覚装置のブロック図である。 前記外部音知覚装置における振動伝達部の断面図である。 前記外部音知覚装置におけるフィルタ生成部のブロック図である。 前記外部音知覚装置に入力される音声信号の時間波形の一例を示す図である。 前記外部音知覚装置で生成される変調信号の時間波形の一例を示す図である。 前記外部音知覚装置からの出力信号の時間波形の一例を示す図であり、(a)は平滑化処理を行った場合、(b)は平滑化処理を行わない場合を示している。 前記外部音知覚装置からの出力信号を復調した信号の時間波形の一例を示す図であり、(a)は平滑化処理を行った場合、(b)は平滑化処理を行わない場合を示している。 前記外部音知覚装置からの出力信号を復調した信号のスペクトル波形の一例を示す図であり、(a)は平滑化処理を行った場合、(b)は平滑化処理を行わない場合を示している。 振動子の取り付け状態を変えてインピーダンス特性を測定した結果を示す図である。
符号の説明
10 指向性マイクロフォン
20 振動信号生成部
22 キャリア信号発生部
24 入力部
26 キャリア信号変調部
28 平滑化フィルタ部
30 振動伝達部
31 振動子
50 フィルタ生成部
52 正弦波信号発生部
54 インピーダンス測定部
56 演算処理部

Claims (3)

  1. 外部音を超音波振動により知覚するための外部音知覚装置であって、
    外部音が入力されるマイクロフォンと、
    入力された音信号に基づいてキャリア信号を変調することにより振動信号を生成すると共に、前記振動信号に対して平滑化フィルタリング処理を施す平滑化フィルタ部を有する振動信号生成手段と、
    前記平滑化フィルタ部のフィルタ係数を設定するフィルタ生成部と、
    前記平滑化フィルタ部を通過した前記振動信号に基づいて生体に超音波振動を伝達する振動子とを備える外部音知覚装置。
  2. 前記マイクロフォン及び振動子は、互いに対応付けられてそれぞれ複数設けられ、前記各マイクロフォンに入力された外部音に基づいて、対応する前記各振動子からそれぞれ超音波振動が伝達されるように構成されており、
    前記振動信号生成手段は、前記各指向性マイクロフォンから入力された外部音毎に固有の変調を行うことができると共に、前記平滑化フィルタ部が、前記各マイクロフォンに対応して複数設けられており、
    前記フィルタ生成部は、前記各平滑化フィルタ部のフィルタ係数を個別に設定する請求項1に記載の外部音知覚装置。
  3. 前記フィルタ生成部は、周波数掃引された正弦波信号を出力する正弦波信号発生部と、周波数掃引正弦波信号を前記振動子に印加することにより該振動子の端子間におけるインピーダンスの周波数特性を測定するインピーダンス測定部と、測定したインピーダンス特性に基づいて前記平滑化フィルタ部のフィルタ係数を設定する演算処理部とを備える請求項1または2に記載の外部音知覚装置。
JP2007105394A 2007-04-13 2007-04-13 外部音知覚装置 Expired - Fee Related JP4423398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007105394A JP4423398B2 (ja) 2007-04-13 2007-04-13 外部音知覚装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007105394A JP4423398B2 (ja) 2007-04-13 2007-04-13 外部音知覚装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008263459A true JP2008263459A (ja) 2008-10-30
JP4423398B2 JP4423398B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=39985613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007105394A Expired - Fee Related JP4423398B2 (ja) 2007-04-13 2007-04-13 外部音知覚装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4423398B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203854A1 (ja) 2013-06-17 2014-12-24 独立行政法人産業技術総合研究所 マルチパス伝搬環境における伝搬遅延特性の測定方法および装置、並びに外部音知覚装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4423398B2 (ja) 2010-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10242657B2 (en) Snoring active noise-cancellation, masking, and suppression
JP3174324B2 (ja) 超音波骨電導補聴器および補聴方法
KR20220113969A (ko) 소리출력장치
WO2015162913A1 (ja) イヤホン
WO2014208085A1 (ja) 測定装置及び測定システム
JP2004158961A (ja) ヘッドホン装置
US9807520B2 (en) Acoustic device and method of using the same
JP2007312367A (ja) 超音波スピーカの出力制御方法及び超音波スピーカシステム
JP4953081B2 (ja) 外部音知覚装置
JP4423398B2 (ja) 外部音知覚装置
WO2014203854A1 (ja) マルチパス伝搬環境における伝搬遅延特性の測定方法および装置、並びに外部音知覚装置
JP4441614B2 (ja) 外部音知覚装置
WO2023087572A1 (zh) 声学装置及其传递函数确定方法
JP2004165895A (ja) 電気音響変換装置
US9786204B2 (en) Visualizing sound with an electro-optical eardrum
JP4143832B2 (ja) 外部音知覚装置
JP4078429B2 (ja) 音声情報伝達装置
CN114630223B (zh) 一种优化听戴式设备功能的方法及听戴式设备
JP6221135B2 (ja) 超音波発音体、超音波素子およびこれを用いたパラメトリックスピーカ
RADIATORS REVIEWS OF ACOUSTICAL PATENTS
JP6234081B2 (ja) 測定装置
JP3155231B2 (ja) 聴覚診察装置
JPH11104165A (ja) 聴覚補助器具
Fulop et al. REVIEWS OF ACOUSTICAL PATENTS
JPH04354300A (ja) 補聴器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4423398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees