JP2008262857A - ヒューズ筒作成補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒューズ筒を作成する際に必要となる可動部分の所定位置への保持状態を維持することでヒューズの接触不良をなくし、また、作業者や経験によって接触状態のばらつきを無くすことが可能なヒューズ筒作成補助具を提供する。
【解決手段】ヒューズの一端を一方の電極に接続し、ヒューズに接続されたリード線をスプリングによって付勢された可動部材により張設された状態で他方の電極に接続されるヒューズ筒を作成するために用いる補助具において、可動部材(ヘッド16)とスプリングを受ける固定側部材(ブッシュ17)とを可動部材の変位方向で挟み込む挟持機構(載置台51、係止体52、連結軸53)と、可動部材をスプリングのばね力に抗して所定位置に変位させた状態で保持する保持機構(引張りスプリング54、レバー56、係止爪59)とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、商用電源から電力供給する負荷装置側の前段に配置されるカットアウト装置等に用いられるヒューズ筒を作成するために利用可能な補助具に関する。
商用電源側電線には、負荷装置に応じた電圧を供給するために変圧器が設置されているが、落雷等により変圧器容量を超える過大な電流が変圧器に流れ込むことを防ぐために、ヒューズを内臓したカットアウト装置が変圧器の商用電源側に介在されている。
このカットアウト装置としては、例えば、図5に示されるような箱型のものや、図8に示されるような円筒型のものが多用されている(特許文献1,2参照)。
このうち、図5に示される箱型のカットアウト装置1は、一面側が開放された箱型に形成されている磁器製の本体部2と、この本体部2の開放面を閉塞可能な蓋状に形成された磁器製の蓋体部3とを有している。
本体部2は、取付金具4により電柱の変圧器の近傍に設置されており、商用電源の配電線から分岐させた引き下げ線を接続する電源接続部5と、負荷装置の前段に設置されている変圧器からの電線を接続する負荷接続部6とを備えている。
蓋体部3は、本体部2の開放面の一側辺側に設けられた回動軸2aにより回動自在に連結軸支され、また、本体部2の電源接続部5および負荷接続部6に導通刃7,8を導通接触させて電力供給を確保するヒューズ筒を着脱できるようになっている。
尚、図中の10は、負荷接続部6に一端を導通接続させているバリスタ(ZnO)素子であり、11は、取付金具4に導通するとともにバリスタ素子10の他端部の端子との間にエアーギャップを形成し、配電線に落雷等があった場合に、バリスタ素子10との間で放電を発生させて落雷を地面に逃がすとともに、その放電電圧をバリスタ素子10により高く維持して商用電源からの電力により続流が生じることを防止する対向電極プレートである。
ヒューズ筒9は、図6に示されるように、筒形状本体15の周面に前記電源接続部5および負荷接続部6に接続する導通刃7,8が立設されており、これら導通刃7,8の間を筒形状本体15に収容される後述するヒューズ25により導通させている。この筒形状本体15の先端部にはヘッド16が取り付けられている。このヘッド16は、筒形状本体15の延在方向に進退して筒形状本体15に固定されたブッシュ17に伸縮可能に内装されている。
ブッシュ17は、筒形状本体15の側面に固装された小径部17aと、筒形状本体15に外装された圧縮スプリング18を収容するよう径が拡大された大径部17bとを有し、小径部17aから大径部17bへ移行する部分に段部17cが形成されている。そして、ヘッド16は、ブッシュ17の大径部17b内に収容された圧縮スプリング18により伸張方向に付勢されている。
筒形状本体15のヘッド16が設けられた側と反対側の端部には、筒形状本体15の軸孔15aと整合する通孔20aが形成された導通金具20が取り付けられ、この導通金具20に導通刃7が導通接続されると共に、通孔20aの開口端をキャップ21により閉塞している。また、ブッシュ17の側面には、導通刃8に導通接続され、後述するヒューズのリード線を締付座金22を介して締付ける締付ねじ23が取り付けられた導電金具24が取り付けられている。
ヒューズ25は、頭部金具26とリード線27との間に図示しないヒューズ本体を接続し、このヒューズ本体を被覆筒28によって収容するようにしたもので、ヒューズ筒9のキャップ21を外して,ヒューズ筒9の筒形状本体15の軸孔15aに差し込み、図7に示されるように、頭部金具26を導通金具20の開口端周縁とキャップ21との間に挟みこむことで導通刃7に電気的に接続させている。また、リード線27は、軸孔15aを介してヘッド16の先端から引き出され、ヘッド16の先端側から軸方向に形成された切り欠き溝29に引っ掛けて折り返し、ヘッド16をブッシュ17に最も挿入させた状態で導通金具24に締付座金22を介して締付けねじ23によって締付固定されている。このため、リード線27は圧縮スプリング18によって付勢されたヘッド16により緊張状態に保持され、それぞれの導通刃7,8は、ヒューズ25によって導通接続されている。
尚、このカットアウト装置1は、本体部2の開放面側を蓋体部3で閉じた状態にしたときには、本体部2の接続部に導通刃7、8を接続させてヒューズ筒9を介して電源接続部5と負荷接続部6とを導通させることができるようになっている。そして、落雷等により変圧器容量を超える過大な電流が商用電源側から流れ込んだ場合には、ヒューズ筒9のヒューズ25が過電流により溶断してヘッド16が伸長方向へ移動し、その溶断したヒューズ25を導通金具24から離隔させることにより電源接続部5と負荷接続部6との間の導通を遮断し、負荷装置側に落雷などの影響が波及することを防止するようにしている。
また、図8に示される円筒型のカットアウト装置30は、本体碍子31にヒューズ筒32が着脱可能に装着されているもので、ヒューズ筒32は、図9にも示されるように、絶縁筒33の上部に導電性キャップ34を介して上部電極35が螺合され、絶縁筒33の中程に軸方向に移動可能に遊嵌された下部電極36が外装されている。絶縁筒33の下端には表示筒37が螺合されており、従って、表示筒37は絶縁筒33と一体となって下部電極36に対し移動するようになっている。下部電極36と表示筒37との間には、絶縁筒33を下方へ付勢する圧縮スプリング38が弾装されており、ヒューズ40の未装着時には、下部電極36が絶縁筒33の上方へ向かって相対的に変位し、絶縁筒33の中程に形成された係止段部33aに当接されるようになっている。
このヒューズ筒32には、絶縁筒33の軸孔33bにヒューズ40が装填される。このヒューズ40は、箱型のヒューズ筒に用いられるヒューズと同様の構成のもので、頭部金具26とリード線27との間に図示しないヒューズ本体を接続し、このヒューズ本体を被覆筒28によって収容して構成されており、導電性キャップ34に螺合された上部電極35を外して,図10に示されるように、絶縁筒33に形成された軸孔33bに差し込み、頭部金具26を絶縁筒33と上部電極35との間に挟みこむことで上部電極35に電気的に接続させている。
また、リード線27は、軸孔33bを介して表示筒36の先端から引き出され、表示筒36の先端側から軸方向に形成された切り欠き溝41に引っ掛けて折り返し、圧縮スプリング38を圧縮させて下部電極36を表示筒37に最も近づけた状態において先端部分を締付ネジ42により下部電極36に締付固定されている。これにより、絶縁筒33は圧縮スプリング38の弾性力により下部電極36に対して下方へ付勢された状態で保持され、リード線27はこの付勢された絶縁筒33により緊張状態に保持され、上部電極35と下部電極36とは、ヒューズ40によって導通接続されている。
そして、ヒューズ40を装填したヒューズ筒32を本体碍子31に装着することで、ヒューズ筒32の上部電極35及び下部電極36は各々本体碍子31に内装された上部固定電極43及び下部固定電極44に嵌入され、電気的に接続されている。
尚、このカットアウト装置30に落雷等により変圧器容量を超える過大な電流が商用電源側から流れ込んだ場合には、ヒューズ筒32に装填されたヒューズ40が溶断し、リード線27の緊張状態が解除され、絶縁筒33がコイルバネ38の弾性力により下部電極36から離間する下方向に強制移動し、これに伴い、上部固定電極43から上部電極35が外れるとともに、本体碍子71の下端に設けられたはかま部材45に装着されている密閉栓46を表示筒37を突き当てることで落下させる。これにより、カットアウト装置30のヒューズ40が溶断したことが外部に報知される。この際、下部電極36に対する絶縁筒33の下方側への移動は、絶縁筒33の係止段部33aに下部電極36が当接することにより規制される。
特開2006−114231号公報 特開平10−269926号公報
以上述べたように、いずれのカットアウト装置に用いられるヒューズ筒も、ヒューズのリード線が緊張状態で保持されて取り付けられており、溶断時にヒューズ筒の端子間を確実に遮断するために、また、ヒューズ筒とカットアウト装置本体との接触不良を避けるために、前者の構成にあっては、ヘッドを圧縮スプリングに抗して最も内側へ変位させた状態にしてリード線を締め付けるようにし、また、後者においては、圧縮スプリングに抗して下部電極と表示筒とを最も接近させた状態にしてリード線を締め付けるようにしている。
しかしながら、従来においては、圧縮スプリングに抗してヘッドや下部電極を変位させて、この変位させた状態を片手で保持しつつ他方の手でリード線をネジ止めする作業を行うようにしているので、作業がやりにくく、また、作業者が異なるとリード線の緊張状態にばらつきが生じたり、リード線のネジ止め作業に集中するあまりリード線の緊張状態が緩んだ状態で取り付けられたりする等の不都合がある。このような緊張状態のばらつきや緩みは、ヒューズの溶断時の遮断不良やカットアウト装置への装着時の接触不良を誘発する恐れがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ヒューズ筒を作成するにあたり、
ヒューズ筒の作成作業を容易にすると共にリード線の緊張状態のばらつきを無くすことが可能なヒューズ筒作成補助具を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、この発明に係るヒューズ筒作成補助具は、ヒューズの一端に設けられた金具を一方の電極に接続し、ヒューズの他端から引き出されたリード線を弾性部材によって付勢された可動部材により張設した状態で他方の電極に接続するヒューズ筒を作成するために用いる補助具において、前記可動部材と前記弾性部材を受ける固定側部材とを前記可動部材の変位方向で挟み込む挟持機構と、前記可動部材を前記弾性部材の弾性力に抗して所定位置に変位させた状態で保持する保持機構とを具備することを特徴としている。
したがって、挟持機構によりヒューズ筒の可動部材と弾性部材を受ける固定側部材とを可動部材の変位方向で挟み込み、その上で保持機構により可動部材を弾性部材の弾性力に抗して所定位置に変位させた状態で保持するようにすれば、リード線の締め付け作業において、可動部材がずれてリード線の締め付け状態にばらつきが生じることがなくなる。
ここで、挟持機構は、前記ヒューズ筒の一端を受ける載置台と、前記ヒューズ筒の中程に係止させる係止体と、前記載置台と前記係止体とを連結する連結軸とを有して構成するようにしてもよい。
また、保持機構は、一端が前記係止体に接続されて前記連結軸の周囲に配設された引張りスプリングと、この引張りスプリングの他端を前記載置台に向けて弾性変形させた状態で保持するロック機構とを具備して構成するようにしても、前記連結軸に軸方向に整列されて外方へ突出する複数の突起を設け、前記係止体に前記連結軸を挿通させて前記突起のいずれかに係止させる基部を設けて構成するようにしてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、ヒューズ筒の可動部材と弾性部材を受ける固定側部材とを可動部材の変位方向で挟み込んだ上で、可動部材を弾性部材の弾性力に抗して所定位置に変位させた状態で保持するようにしたので、ヒューズ筒の作成作業が容易となり、また、リード線の締め付け作業時に可動部材が移動してリード線の緊張状態にばらつきが生じることが無くなる。このため、ヒューズの溶断時の遮断不良やカットアウト装置への装着時の接触不良を誘発する不都合がなくなる。
以下、本発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、本発明に係るヒューズ筒作成補助具50の第1の構成例が示されている。
このヒューズ筒作成補助具50は、ヒューズ筒の一端を受ける載置台51と、ヒューズ筒の中程に係止させる係止体52と、これら載置台51と係止体52とを連結する連結軸53とを有して構成されている。
載置台51は、連結軸53の最下端に固定されているもので、図7に示す箱型のヒューズ筒に用いる場合であれば、ヘッド16が載置され、図10に示す円筒型のヒューズ筒に用いる場合であれば、表示筒37が載置される。この載置台51の上面には、ヒューズ筒の載置箇所を位置決めするための突起や突条を形成するようにしてもよい。
係止体52は、連結軸53に対して軸方向へ移動可能に外装された基部52aと、この基部52aに一体に突出形成され、ヒューズ筒9,32の側面に周方向に沿ってあてがうことが可能な弧状に形成された対をなすアーム部52bとから構成されている。それぞれのアーム部52bは、互いの自由端が間隔を空けて対峙するように固定されており、ヒューズ筒9,32の小径部分を側方から挿入できるようになっており、また、大径部分にアーム部52bを係止できるように互いのアーム部52bの間隔が調整されている。
例えば、図7で示す箱型のヒューズ筒9の場合であれば、ブッシュ17の小径部分17aをアーム部52b間に挿入し、ブッシュ17の大径部分17bへ移行する段部17cにアーム部52bが係止されるようになっている。また、図10で示す円筒型のヒューズ筒であれば、絶縁筒33をアーム部52b間に挿入し、下部電極36の上端部(表示筒37から遠い側の端部)にアーム部52bが係止されるようになっている。
連結軸53には、係止体52の基部52aに一端が固定された引張りスプリング54が外装されている。この引張りスプリング54の他端は連結軸上を摺動する摺動子55に固定され、この摺動子55にレバー56が連結されている。
連結軸53の上端部には、係止体52の基部52aの軸方向への移動量を規制する係合子57が固定され、この係合子57に連結軸53に沿って固定腕58が一体に延設されている。また、固定腕58には、レバー56を所定位置に保持するためにレバーに係止させる係止爪59aを備えたロックアーム59が軸方向に移動可能に設けられている。
レバー56は、所定の間隔を空けて並設されると共に一端側において連接された一対のレバー片60によって構成され、それぞれのレバー片60が中程を固定腕58に設けられたピン58aを支点にして回動可能に支持され、連接された側を指で把持可能な被把持部56aとしている。また、レバー片60の自由端近傍に溝60aを形成し、この溝60aに摺動子55に設けられたピン55aを摺動可能に挿入して、レバー56の自由端側を摺動子55に連結している。
したがって、レバー56の被把持部56bを上下動させることで、それぞれのレバー片60が一体となってピン58aを中心に回動し、摺動子55を把持部56aの動きとは反対に上下動させるようになっており、被把持部56aを所定位置へ持ち上げた状態でロックアーム59の係止爪59aに係止させることでレバー56の位置を保持できるようになっている。
以上の構成において、ヒューズ筒を作成する手順を箱型ヒューズ筒を例にして説明すると、図6(a)に示す筒形状本体15にキャップ21を外して図6(b)に示すヒューズ25を頭部金具26が導通金具20の開口端に当接するまで軸孔15aに挿入し、頭部金具26をキャップ21によって導通金具26との間で締め付ける。また、リード線27をヘッド16から引き出して、ヘッド16を圧縮スプリング18のバネ力に抗して最もブッシュ17に挿入した状態にすると共に、リード線27を切り欠き溝29に引っ掛けて折り返す。
そして、この状態を保持するために、図2(a)に示されるように、ヒューズ筒9のヘッド16を載置台51に押し当てると共に、係止体52を引張りスプリング54のばね力に抗して上方へ引き上げ、ブッシュ17の小径部17aをアーム部52b間に側方から挿入すると共にブッシュ17の段部17cにアーム部52bを係止させる。
この際、引張りスプリング54のバネ定数がチューブ筒9のスプリング18のバネ定数より大きい場合には、図2(a)に示される状態は保持されるが、確実にこの状態を保持するために、レバー56の被把持部56aを上方へ押し上げ、ロックアーム59の係止爪59aを被把持部56aに係止させてレバー56の位置をロックし、摺動子55を下方へ移動させた状態に保持する。ロックアーム59の位置は、係止体52による押し付け力(摺動子55の位置)が十分に得られるように適宜調整すればよい。そして、この状態において、リード線27を張った状態にして締め付けネジ23で導電金具24に締め付ければヒューズ筒9の製作は完了する。
したがって、上述のような補助装置50を用いれば、ヒューズ筒9のヘッド16を終端まで押し縮めた状態を常時保持することが可能となるので、リード線の締め付け作業中にこの状態が変化することがなくなり、作業者によってリード線の緊張状態にばらつきが生じたり、締め付け作業に集中するあまりリード線の緊張状態が緩んだ状態でヒューズが取り付けられたりする等の不都合がなくなる。また、圧縮スプリングを圧縮させてヘッドを押し縮めた状態を手で保持する必要がなくなるので、締め付け作業を容易に行うことが可能となる。
尚、上述においては、箱型のヒューズ筒9を作成する例を示したが、円筒型のヒューズ筒32においても、表示筒37を載置台51に載置し、係止体52のアーム部52bを下部電極36の上端面に係止させて同様の作業を行えばよい。
図3において、本発明に係るヒューズ筒作成補助具50の第2の構成例が示されている。
この例においては、ヒューズ筒の一端を受ける載置台51と、ヒューズ筒に係止させる係止体52と、これら載置台51と係止体52とを連結する連結軸53とを有して構成される点で前記構成例と共通しているが、載置台51は、連結軸53の最下端において側面から延設された対をなすアーム51aを蝶ネジ61で連結軸53に締め付けて固定されている。また、この載置台51の上面には、ヒューズ筒の載置箇所を位置決めするための突起51bが形成されている。
係止体52は、連結軸53に対して軸方向へ移動可能に外装された基部52aと、この基部52aに一体に突出形成され、ヒューズ筒9,32の側面に周方向に沿ってあてがうことが可能な弧状に形成された対をなすアーム部52bとを有し、それぞれのアーム部52bの自由端は、蝶ネ62ジによって互いの間隔が調整可能に連結されている。
連結軸53には、軸方向に整列されて外方へ突出する突起63が複数設けられている。この突起63は、下方へ向かうにつれて突出量が大きくなるよう楔形状に形成されているもので、係止体52の基部52aには、これに対応して連結軸を着脱可能に挿入すると共に突起63を挿通可能として、突起の下面を周縁に係止させることが可能な通孔52cが形成されている。
したがって、係止体52の基部52aは、連結軸53を上端から通孔52cに挿通させて所望の突起63間に位置させた状態で、基部52aの位置をアーム部側に向けてずらすことで突起63の下面が基部52aの通孔52cの縁部に当接し、上方への移動が規制されるようになっている。
以上の構成において、ヒューズ筒を作成する手順を円筒型ヒューズ筒32を例にして説明すると、図9(a)の絶縁筒33に上部電極35を外して図9(b)に示すヒューズ40を頭部金具26が絶縁筒33の開口端に当接するまで挿入し、頭部金具26を上部電極35によって絶縁筒33との間で締め付ける。また、リード線27を表示筒37から引き出して、切り欠き溝41に引っ掛けて折り返すと共に、下部電極36をスプリング38のバネ力に抗して表示筒37に最も近接した状態とする。
この下部電極36と表示筒37との近接状態を保持するために、図3で示す係止体52の蝶ネジ62を外してアーム部52b間にヒューズ筒32の絶縁筒33を側方から嵌め入れることにより、或いは、蝶ネジを緩めてアーム部52b間にヒューズ筒32を挿入することにより絶縁筒33の周囲に係止体52を取り付ける。係止体52を絶縁筒33の周囲に取り付けた後は、蝶ネジ62を締め付けてアーム部52bの間隔を狭めておく。そして、図4に示されるように、ヒューズ筒32の表示筒37を載置台51に押し当てると共に、係止体52の基部52aの通孔52cに連結軸53を挿入し、下部電極36を圧縮スプリング38のばね力に抗して下方へ押しつつ下部電極36の上端面にアーム部52bが当接するまで係止体52を載置台51に向けて移動させる。その後、下部電極36を最も下げた状態(表示筒37に最も近接させた状態)において係止体52をアーム部52b側へずらし、基部52aの直上の突起63の下面に通孔52cの縁部を係止させる。
これにより、下部電極36と表示筒37との最も近接した状態が保持されることになり、この状態において、リード線27を張った状態にして締め付けネジ42で下部電極36に締め付ければ、ヒューズ筒32の製作は完了する。
したがって、上述のような補助装置50を用いた場合においても、下部電極36を表示筒37に最も近接させた状態を常時保持することが可能となるので、リード線27の締め付け作業中にこの状態が変化することがなくなり、作業者によってリード線の緊張状態にばらつきが生じたり、締め付け作業に集中するあまりリード線の緊張状態が緩んだ状態でヒューズが取り付けられたりする等の不都合がなくなる。また、圧縮スプリングを圧縮させて下部電極36を表示筒37に最も近接させた状態を手で保持する必要がなくなるので、締め付け作業を容易に行うことが可能となる。
尚、上述においては、円筒型のヒューズ筒32を作成する例を示したが、箱型のヒューズ筒9においても、ヘッド16を載置台51に載置し、ブッシュ17の小径部17aの周囲に係止体52を取り付けて同様の作業を行えばよい。
図1は、本発明にかかるヒューズ筒作成補助具の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1のヒューズ筒作成補助具にヒューズ筒を取り付けた状態を示す斜視であり、(a)はレバーを操作する前の状態をし示し、(b)はレバーを操作した後の状態を示す。 図3は、図3は、本発明にかかるヒューズ筒作成補助具の他の構成例を示す斜視図である。 図4は、図3のヒューズ筒作成補助具にヒューズ筒を取り付けた状態を示す斜視である。 図5は、箱型のカットアウト装置を示す図であり、(a)はその断面図、(b)は蓋体部側から見た図である。 図6(a)は、箱型カットアウト装置に用いられるヒューズ筒を示す断面図であり、図6(b)は、ヒューズを示す側面図である。 図7は、箱型カットアウト装置に用いるヒューズ筒にヒューズを取り付けた状態を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその側面図、(c)はその断面図である。 図8は、円筒型のカットアウト装置を示断面図である。 図9(a)は、円筒型カットアウト装置に用いられるヒューズ筒を示す断面図であり、図9(b)は、ヒューズを示す側面図である。 図19は、円筒型カットアウト装置に用いるヒューズ筒にヒューズを取り付けた状態を示す図であり、(a)はその断面図、(b)は下部電極と表示筒付近を示す拡大図である。
符号の説明
・ 導通刃
9,32 ヒューズ筒
18,38 スプリング
25,40 ヒューズ
27 リード線
35 上部電極
36 下部電極
50 ヒューズ筒作成補助具
51 載置台
52 係止体
52a 基部
52b アーム部
52c 通孔
53 連結軸
54 引張りスプリング
56 レバー
59 ロックアーム
63 突起

Claims (4)

  1. ヒューズの一端に設けられた金具を一方の電極に接続し、ヒューズの他端から引き出されたリード線を弾性部材によって付勢された可動部材により張設した状態で他方の電極に接続するヒューズ筒を作成するために用いるヒューズ筒作成補助具において、
    前記可動部材と前記弾性部材を受ける固定側部材とを前記可動部材の変位方向で挟み込む挟持機構と、
    前記可動部材を前記弾性部材の弾性力に抗して所定位置に変位させた状態で保持する保持機構と
    を具備することを特徴とするヒューズ筒作成補助具。
  2. 挟持機構は、前記ヒューズ筒の一端を受ける載置台と、前記ヒューズ筒の中程に係止させる係止体と、前記載置台と前記係止体とを連結する連結軸とを有して構成されることを特徴とする請求項1記載のヒューズ筒作成補助具。
  3. 前記保持機構は、一端が前記係止体に接続されて前記連結軸の周囲に配設された引張りスプリングと、この引張りスプリングの他端を前記載置台に向けて弾性変形させた状態で保持するロック機構とを具備して構成されることを特徴とする請求項2記載のヒューズ筒作成補助具。
  4. 前記保持機構は、前記連結軸に軸方向に整列されて外方へ突出する複数の突起を設け、前記係止体に前記連結軸を挿通させて前記突起のいずれかに係止させる基部を設けて構成したことを特徴とする請求項2記載のヒューズ筒作成補助具。
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