JP2008261128A - 電動シャッター開閉機の制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】手動操作時における操作力が小さく、また、ブレーキケースの外側周囲に大きな空間を設ける必要もなくブレーキホイールのロック解除が可能で、かつ部品点数が少なく生産性の向上と低廉化を可能にした電動シャッター開閉機の制動装置を提供する。
【解決手段】アーマチュア14の係合凹部19に係合可能なラチェット31を備え、このラチェット31を捩りコイルばね41によって付勢し、通常係合凹部19に係合させる。停電時等において、手動操作によってシャッターを開くとき、ワイアによってスライドプレート32を下げることにより、ラチェット31をラチェット操作部32Bの上に乗り上げさせる。これにより、ラチェット31が係合凹部19から外れるとアーマチュア14がシャッターの巻上方向に回転可能な状態になってシャッター開閉機用駆動装置のロック状態が解除されるため、手動操作によってシャッターを開くことができる。
【選択図】 図4
【解決手段】アーマチュア14の係合凹部19に係合可能なラチェット31を備え、このラチェット31を捩りコイルばね41によって付勢し、通常係合凹部19に係合させる。停電時等において、手動操作によってシャッターを開くとき、ワイアによってスライドプレート32を下げることにより、ラチェット31をラチェット操作部32Bの上に乗り上げさせる。これにより、ラチェット31が係合凹部19から外れるとアーマチュア14がシャッターの巻上方向に回転可能な状態になってシャッター開閉機用駆動装置のロック状態が解除されるため、手動操作によってシャッターを開くことができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、防災等に用いられる電動シャッター開閉機の制動装置に関するものである。
通常はシャッターを駆動装置で開閉し、非常時(停電時等)においては手動でシャッターを開閉するようにしたこの種の電動シャッター開閉機の制動装置としては、例えば特許文献1〜4に開示されたものが知られている。
前記特許文献1に開示されている電動シャッターにおける制動装置は、停止時に駆動モータの慣性によるブレーキドラムの僅かな回転をチェーンによって止めてシャッターのオーバーランを防止するとともに、停電時等の場合には手動によって容易にシャッターの開閉を行なうことができるようにしたものである。このため、ばねによって起伏するチェーン用の挟み板を設け、この挟み板を介して導出する無端状のチェーンを、その相互間隔が狭くなる方向に挟み込むことによりチェーンホイールの回転が阻止され、これによりブレーキドラムを固定し、モータの慣性によるブレーキドラムの僅かな回転を防止するようにしている。また、導出したチェーンのいずれか一方を引くと、挟み板がばねに抗して引き起こされ、チェーンホイールが自由に回転してブレーキドラムの固定を解除し、これによりシャッターを手動で開閉できるようにしている。上記挟み板は、先端部に内方に向かって漸次狭幅になる斜面を形成した切欠部を有し、この切欠部によってチェーンの相互間隔を狭くするようにしている。
特許文献2に記載されているシャッターのための制動装置は、前述した挟み板の代わりに平面視形状が三角形のチェーン制動部材を用いた点が前記特許文献1に記載の制動装置と異なる。そして、このチェーン制動部材の頂部をチェーン相互間に差し込み、底辺部でチェーンの間を拡開させることによりブレーキドラムを固定するようにしている。
特許文献3に記載されている電動シャッター開閉機の手動装置は、電動機の慣性による回転を停止させるためにチェーンではなく、ブレーキドラムをピンによってロックするようにている。このため、ブレーキドラムとチェーン鎖車の外周面にそれぞれ突起部と凹部を形成し、チェーン鎖車の両側面に切欠部を設けるとともにこれらの切欠部から90度の位置に2本のピンを設け、凹部に係入するローラを設けている。一方、ブレーキドラムには前記切欠部に対応する位置に同じくピンを固着し、このピンとチェーン鎖車のピンとを引張りコイルばねで連結している。また、ブレーキドラムの回転を阻止する固定爪(ラチェット)とロックピンを設け、ロック解除時に前記ローラが凹部から退出するとこれに連動してロックピンをブレーキドラムの凹部から退出させるようにしている。
特許文献4に記載されている電動シャッター開閉機の制動装置は、ブレーキ軸の一端部をブレーキケースの外部に突出させて、その突出端部にチェーンホイールを固定し、外周面に係合凹部が形成されたブレーキディスクと、同じく外周面にカム面が形成されたアーマチュアを複数本の連結ピンによって連結し、ブレーキディスクの係合凹部にラチェット機構の爪部材と係合機構のロック片とを係合させている。各連結ピンは、アーマチュアに突設されており、その先端部がブレーキディスクに設けた貫通穴に挿通されている。また、各連結ピンをそれぞれ2つの復帰用圧縮コイルばねで弾持することにより、ブレーキディスクの係合凹部とアーマチュアのカム面の位置を調整するようにしている。
しかしながら、上述した特許文献1、2に記載されている電動シャッターの制動装置は、チェーンを挟み板によって挟み込むかまたは制動部材によって拡開させるようにしているため、挟み板または制動部材を付勢するばねに抗してチェーンを引かなければならないため、大きな操作力を必要とする。また、挟み板またはチェーン制動部材を開閉させるための空間をブレーキケースの下部に確保しなければならず、そのため制動装置の設置スペースが大きくなるという問題があった。
上述した特許文献3に記載されている電動シャッター機構の制動装置は、ピン、ばね、ローラ、作動板、ロックピン等を必要とするため、構造が複雑で部品点数が多く、このため部品の加工工数、組立工数も増加し、生産性が悪く製造コストが高くなるという問題があった。
上述した特許文献4に記載されている電動シャッター機構の制動装置は、ブレーキディスクとアーマチュアを連結する複数本の連結ピン、各連結ピンを弾持する複数個の復帰用圧縮コイルばね、ブレーキディスクの係合凹部に係合するラチェット機構および係合機構等を必要とするため、特許文献3に記載の制動装置と同様な問題があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、手動操作時における操作力が小さく、また、ブレーキケースの外側周囲に大きな空間を設ける必要もなくブレーキホイールのロック解除が容易で、かつ部品点数が少なく生産性の向上と低廉化を可能にした電動シャッター開閉機の制動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、電動シャッター開閉機用駆動装置の駆動軸を制動する無励磁作動形電磁ブレーキと、手動操作時に前記無励磁作動形電磁ブレーキによる前記駆動軸の制動を解除する手動巻上げ用ロック解除機構とを備え、前記無励磁作動形電磁ブレーキは、前記駆動軸に取付けられたブレーキホイールと、前記駆動軸と同一軸線上に配設されたブレーキ軸と、このブレーキ軸に軸線方向に移動可能に配設され前記ブレーキホイールと対向するアーマチュアと、このアーマチュアを前記ブレーキホイールに圧接し摩擦結合させる制動ばねと、シャッターの電動巻上げ時に前記アーマチュアを磁気吸引して前記ブレーキホイールから離間させる励磁コイルとで構成され、前記手動巻上げ用ロック解除機構は、ガイド部材に回動自在に設けられ、前記アーマチュの外周面に形成された係合凹部と係合することにより前記アーマチュアのシャッター巻上げ方向への回動を阻止するラチェットと、前記ガイド部材にスライド自在に設けられ、ロック解除時に前記ラチェットを回動させることにより前記アーマチュアの係合凹部から離脱させるラチェット作動部を有するスライドプレートと、このスライドプレートを前記ガイド部材に沿って動作させる操作手段とで構成されているものである。
また、本発明は、前記スライドプレートがラチェットガイドにアーマチュアの外周面の接線方向にスライド自在に配設されているものである。
さらに、本発明は、手動操作によるシャッターの巻上げ時に、前記スライドプレートの作動を検知するスイッチを備え、このスイッチの検知信号によって駆動装置の電気回路をOFFにするものである。
本発明においては、制動装置によるブレーキホイールのロック解除時にスライドプレートによってラチェットを回動させることにより、アーマチュアとラチェットとの係合を解除するようにしたので、スライドプレートを小さな操作力で操作することができ、また構造が簡単で部品点数が少なく、生産性を向上させることができ、制動装置の低廉化を可能にする。
また、本発明は、スライドプレートをアーマチュアの外周面の接線方向にスライドさせるようにしているので、ブレーキケースの周囲に手動巻上げ用のロック解除機構を取付けるために大きなスペースを設ける必要もない。
さらに、本発明は、手動操作によるシャッターの巻上げ時にスライドプレートが動作したことをスイッチによって検知し、このスイッチの検知信号によって駆動装置の電気回路をOFFにするように構成したので、誤って駆動装置用のスイッチを操作しても駆動装置が駆動することはなく、操作する者が安全にシャッターを手動で巻上げることができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電動シャッター開閉機構の制動装置の一実施の形態を示す断面図、図2は図1のII−II線矢視図、図3は手動巻上げ用ロック解除機構の正面図、図4は同手動巻上げ用ロック解除機構の一部を破断した右側面図、図5は同手動巻上げ用ロック解除機構の背面図、図6はスライドプレートを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)図のA−A線断面図、(c)は平面図である。これらの図において、参照符号1は電動シャッター開閉機のシャッター(図示せず)を開閉する駆動装置としてのモータ、2はモータ1を収納する箱型のケース、3は電動シャッター開閉機を制動したり制動を解除する制動装置である。
図1は本発明に係る電動シャッター開閉機構の制動装置の一実施の形態を示す断面図、図2は図1のII−II線矢視図、図3は手動巻上げ用ロック解除機構の正面図、図4は同手動巻上げ用ロック解除機構の一部を破断した右側面図、図5は同手動巻上げ用ロック解除機構の背面図、図6はスライドプレートを示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)図のA−A線断面図、(c)は平面図である。これらの図において、参照符号1は電動シャッター開閉機のシャッター(図示せず)を開閉する駆動装置としてのモータ、2はモータ1を収納する箱型のケース、3は電動シャッター開閉機を制動したり制動を解除する制動装置である。
前記制動装置3は、前記ケース2の開口部に結合されたブレーキケース4と、このブレーキケース4内に組み込まれたブレーキ軸5を有する無励磁作動形電磁ブレーキ6とを備えている。
前記ブレーキ軸5は、前記駆動モータ1の駆動軸7と軸線を一致させて配設され、軸受8と、ブレーキケース4の軸受9とによって回転自在に軸支されており、モータ1とは反対側端部が前記ブレーキケース4の外部に突出している。
また、前記無励磁作動形電磁ブレーキ6は、前記駆動軸7の軸端に設けたキー11によって固定されたブレーキホイール10を備えている。ブレーキホイール10は、前記駆動軸7に結合された筒状のボス部10Aと、このボス部10Aの外周に一体に設けられた円板部10Bとからなり、ボス部10Aの穴12に前記軸受8が固定されており、円板部10Bの表面外周縁部にリング状の摩擦板13が固着されている。
一方、前記ブレーキ軸5には、回転を防止され軸線方向にのみ移動自在に配設され、前記ブレーキホイール10に近接して対向するアーマチュア14と、このアーマチュア14を通常ブレーキホイール10に圧接することによりブレーキホイール10とアーマチュア14を摩擦結合させる制動ばね15とが配設されている。そして、ブレーキケース4の内面には、励磁コイル16を収納するフィールコア17がアーマチュア14に対向するように固定されている。
前記アーマチュア14は、外周面に係合凸部18と係合凹部19が周方向に等間隔おいて交互に形成されており、両側面には例えば板厚が0.5〜1.2mm程度の非磁性材製薄板(SPCC)からなるダンパーシート20が粘着テープによってそれぞれ貼着され、かつ図示せぬ複数本のねじによって固定されている。このようなダンパーシート20を貼付けることにより、アーマチュア14が摩擦板13に当接したときの当接音やフィールドコア17に磁気吸着されたときの吸着音、つまりアーマチュア14の作動音が防止できる。また、アーマチュア14は、ブレーキ軸5に打ち込まれた連結ピン21によってブレーキ軸5に対する自由な回転を防止されている。連結ピン21は、ブレーキ軸5を貫通し、両端部がアーマチュア14の軸穴に形成した半径方向に長い長穴22に挿入されている。
前記制動ばね15は、圧縮コイルばねからなり、前記ブレーキ軸5に弾装されて一端側が皿状のばね受け部材23aと平板状のばね受けシート23bとを介してアーマチュア14の軸穴周縁に圧接され、他端側が前記ブレーキケース4の内面に突設した円筒部24に嵌装されブレーキケース4の内面に圧接されている。
前記励磁コイル16は、シャッターの電動巻上げ時にブレーキホイール10とアーマチュア14の摩擦結合を解除するためのもので、後述するリミットスイッチ44とともにモータ1の電気回路に電気的に接続されている。励磁コイル16の非励磁時において、アーマチュア14とフィールドコア17との間には、適宜な磁気ギャップが形成されている。この状態において、励磁コイル16が通電励磁されると、アーマチュア14は制動ばね15に抗してフィールドコア17に磁気吸着されブレーキホイール10との摩擦結合が解除されるように構成されている。
前記フィールドコア17は、前記励磁コイル16を収納する環状凹部25を有する有底二重円筒状に形成されている。
さらに、前記ブレーキケース4には、シャッターを手動で巻上げるとき、前記ブレーキホイール10とアーマチュア14の摩擦結合状態を解除する手動巻上げ用ロック解除機構26と、手動操作時にシャッターが自重により降下するのを防止する自重降下防止手段27が設けられている。
前記手動巻上用ロック解除機構26は、前記アーマチュア14に対応してブレーキケース4の外面に固定されたガイド部材30と、このガイド部材30に回動自在に取付けられたラチェット31と、同じく前記ガイド部材30にスライド自在に取付けられたスライドプレート32と、このスライドプレート32を昇降させる操作手段としての2本のワイヤ33、34等で構成されている。
前記ガイド部材30は、ブレーキケース4の外面に略垂直に、かつブレーキ軸5の軸線と平行になるように固定された板状の本体30A(図4)と、この本体30Aの裏面側に所定の間隔をおいて対設された一対の支持部30Bとを備え、本体30Aの上下両端部には本体30Aをブレーキケース4に固定するためのボルト35が挿通されるボルト用穴36がそれぞれ形成され、また本体30Aの上端寄りには位置決め用穴37が形成されている。前記一対の支持部30B間には、前記ラチェット31が支持軸40に回動自在に軸支されている。また、ラチェット31は、捩りコイルばね41によって図4において時計方向の回動習性が付与されていることにより、通常アーマチュア14の係合凹部19に係合しており、これによりアーマチュア14の図1および図4において反時計方向の回動を規制、言い換えれば手動操作によるシャッターの巻上げ(開放)を阻止している。
前記スライドプレート32は、金属板を折曲加工することによって形成されており、細長い板状の本体32Aと、この本体32Aの裏面側に前記ラチェット31に対応して形成された側面視台形状の凸部からなるラチェット操作部32Bと、本体32Aの下端に表面側に折り曲げ形成されたワイヤ係止部32Cと、本体32Aの一側に表面側に折り曲げ形成されたスイッチ取付部32Dとを一体に備えている。
前記スライドプレート32の本体32Aは、ガイド部材30の本体30Aの裏面側に一対の支持部30Bにより、左右方向の移動が規制された状態で上下方向にスライド自在に配設されており、その表面の上端部寄りには、最上位置に移動すると前記位置決め用孔37に係入する凸部43が突設されている。なお、スライドプレート32のスライド方向(図4矢印41方向)は、アーマチュア14の外周面の接線方向である。
また、前記本体32Aの表面側には、手動巻上げ用ロック解除機構26によってシャッターを巻き上げるとき、前記スライドプレート32が動作したことを検知する検知手段としてのリミットスイッチ44が取付板45を介して取付けられている。リミットスイッチ44は、手動操作によるシャッターの巻上げ時に作業者が誤ってモータ1のスイッチを操作したときにシャッターが巻き上げられる事故を防止するために設けられるものである。すなわち、スライドプレート32が所定量上昇すると、スイッチ操作部32Dに突設した突子46によって操作子47が押圧されることによりONとなってスライドプレート32を検知し、その検知信号が制御部に送られ、これによって制御部がモータ1の電気回路をOFFにするように構成されている。
さらに、本体32Aの上部と下部には、前記ボルト35に対応してボルト逃がし用凹部49と縦方向に長いボルト逃がし用長孔50が形成されている。
前記2本のワイヤ33、34のうち一方のワイヤ33はスライドプレート32を図4に実線で示す状態から二点鎖線で示すように引き下げてラチェット31とアーマチュア14の係合凹部19との係合を解除する解除用ワイヤであり、上端がスライドプレート32のワイヤ係止部32C(図3)に連結されている。このため、ワイヤ係止部32Cには、解除用ワイヤ33が挿通される2つのワイヤ用孔53が形成されている(図6(c))。スライドプレート32を図4に二点鎖線で示すように最下位置に引き下げると、ラチェット31はスイッチ操作部32Bによって捩りコイルばね41に抗して反時計方向に回動し、爪部31aがアーマチュア14の係合凹部19から退出してアーマチュア14を解放する。なお、スライドプレート32を引き下げた状態において、ラチェット32はラチェット操作部32Bの上に乗り上げ、アーマチュア14と非係合状態に保持される。
他方のワイヤ34は、スライドプレート32を図4に二点鎖線で示す状態から実線で示す状態に引き上げてラチェット31をアーマチュア14の係合凹部19に係合させる係合用ワイヤで、ワイヤ係止部32Cに設けたワイヤ用孔54に下方から挿通されて取付板45のワイヤ用孔55(図3)に挿通され、さらに下方に折り返されてワイヤ係止部32Cの他のワイヤ用孔56に挿通されていることにより、ワイヤ係止部32Cに連結されている。スライドプレート32を図4に示す二点鎖線で示す最下位置から実線で示す最上位置に引き下げると、ラチェット31はスイッチ操作部32Bから解放されるため捩りコイルばね41のばね力によって時計方向に回動し、爪部31aがアーマチュア14の係合凹部19に係入しアーマチュア14をロックする。
図2において、前記自重降下防止手段27は、手動操作時に前記手動巻上げ用ロック解除機構26のラチェット31がアーマチュア14の係合凹部19から外れたとき、アーマチュア14が図1において時計方向に回動してシャッターが自重により閉じるのを防止するために設けられたもので、前記ラチェット31と同一形状のラチェットからなり、アーマチュア14を挟んで前記ラチェット31と対向する位置に配設されている。また、この自重降下防止手段27は、取付板57に対接した一対の支持部57A間に支持軸58に回動自在に軸支されて配設されており、図示を省略した捩りコイルばねによって図2において反時計方向の回動習性が付与されていることにより、通常は爪部がアーマチュア14の係合凹部19に係合してアーマチュア14の回転を防止している。
さらに、図1および図2において、前記ブレーキ軸5のブレーキケース4から外部に突出する突出端部5Aには、チェーンホイール60と、手動解放装置61とが設けられている。
チェーンホイール60には、手動操作時にシャッターを開閉する無端状のチェーン(図示せず)が装着されており、これらによって手動操作時のシャッター巻上げ機構62を構成している。
手動解放装置61は、停電時や非常時において制動装置3による駆動軸7のロック状態を解除するための装置で、ブレーキ軸5に図1の矢印64方向に揺動自在に取付けられた手動解放アーム65と、このアーム65を挟んでブレーキ軸5に取付けられた当接板67および支持板68とを備えている。手動解放アーム65の基端部で当接板67と対向する面には、アーム65の作用点部を構成する突起69が突設されている。この突起69は、前記当接板67に接触している。一方、支持板68の手動解放アーム65と対向する面には、アーム65の支点部を構成する突起70が突設されている。この突起70は、作用点部を構成する突起69よりも上方に位置し、前記アーム65に接触している。
さらに、前記ブレーキケース4の下面には、ガイド板71が止めねじ72によって固定されており、このガイド板71には前記手動解放アーム65の先端部が挿通されるガイド溝73と、手動回動用チェーン通し穴74が形成されている。なお、図1において符号75はチェーンホイール60の一部を覆うホィールカバーである。
次に、上記構造からなる制動装置3の動作について説明する。
モータ1が停止し、励磁コイル16が非励磁状態であるときは、制動ばね15がアーマチュア14をブレーキ軸5とともにシャッタ開閉機側へ移動させてアーマチュア14をブレーキホイール10に摩擦板13を介して圧接している。このため、ブレーキホイール10とアーマチュア14とは摩擦係合しており、モータ1の駆動軸7を制動(ロック)している。
モータ1が停止し、励磁コイル16が非励磁状態であるときは、制動ばね15がアーマチュア14をブレーキ軸5とともにシャッタ開閉機側へ移動させてアーマチュア14をブレーキホイール10に摩擦板13を介して圧接している。このため、ブレーキホイール10とアーマチュア14とは摩擦係合しており、モータ1の駆動軸7を制動(ロック)している。
この状態において、モータ1が給電されて電磁コイル16が励磁状態になると、アーマチュア4とフィールドコア17が磁気回路を形成し、これら両部材間の磁束によって制動ばね15の弾発力に抗してアーマチュア14がフィールドコア17に磁気吸着される。これにより、ブレーキホイール10とアーマチュア14との摩擦結合が解除されて駆動軸7が回転しシャッターを開閉する。ここで、本実施の形態では、モータ1の駆動によりシャッター開閉機がシャッターを巻き上げて開くときには、駆動軸7が図1において矢印78で示す方向に回転し、シャッターを閉じるときには矢印78とは反対方向に回転するように構成されているものとする。
シャッターのモータ1による開閉動作が終了すると、モータ1と励磁コイル16への給電が絶たれる。このため、アーマチュア14はフィールドコア17から解放され、制動ばね15の弾撥力によってブレーキホイール10に再び圧接されることにより、ブレーキホイール10と摩擦結合する。このとき、アーマチュア14は、手動巻上用ロック解除機構26のラチェット31と、自重降下防止手段であるラチェット27が係合凹部19に係合していることにより回転不能に保持されている。これによりブレーキホイール10や駆動軸7が、ブレーキホイール10とアーマチュア14との摩擦結合により制動され、シャッター開閉機を再びロック状態とすることができる。
停電時や非常時などにおいて、モータ1および励磁コイル16に給電することができず、閉じているシャッターを手動操作で開く場合には、解除用ワイヤ33によってスライドプレート32を図4に二点鎖線で示すように所定量引き下げる。スライドプレート32を引き下げることにより、スライドプレート32のラチェット操作部32Bを下降させてラチェット31を図4において反時計方向に回動させる。このため、ラチェット31は、ラチェット操作部32Bに乗り上げて爪部31aが係合凹部19から抜け出し、アーマチュア14のシャッター巻上げ方向のロックを解除する。そして、このロック解除後、チェーンホィール60(図1)に掛けられている図示せぬチェーンを引っ張ってブレーキ軸5を図1の矢印79方向に回転させると、ブレーキホイール10とアーマチュア14との摩擦結合により駆動軸7も同方向(矢印78方向)に回転する。このため、駆動軸7も同方向に回転し、シャッターが巻取り軸に巻上げられて開く。なお、シャッターの巻上時において、アーマチュア14を図2において反時計方向に回動させると、自重降下防止手段であるラチェット27は、係合凸部18により支持軸58を中心として時計方向に回動されて爪部が係合凹部19から退出するため、アーマチュア14の回転を阻止することはない。
一方、停電時や非常時などにおいて、開いているシャッターを手動操作で閉じる場合には、解放アーム65を図1において右方に回動させる。すると解放アーム65は、支持板68の突起68に接触している部分を支点として回動し、突起69がてこの作用により当て板67を右方に押圧し移動させる。このためブレーキ軸5が制動ばね15に抗して右方に移動してアーマチュア14とブレーキホイール10との摩擦結合を解除する。この結果、駆動軸7が制動装置3から解放されて自由に回転できるようになり、シャッターが自重によって下降して閉じる。なお、駆動軸7は、シャッターの急激な落下を防止するためにガバナー等(図示せず)によって回転速度が制御される。
このように本発明に係る制動装置3においては、上述した特許文献3、4に記載されている制動装置に比べて簡単で部品点数が少なく、安価に提供することができる。また、スライドプレート32をワイヤ33によって引き下げることにより、ラチェット31が回動してアーマチュア14のロック状態を解除するようにしているので、比較的小さな操作力で操作することができる。
また、スライドプレート32のスライド方向は、アーマチュア14の外周面と接線方向で、かつ上下方向であるため、ブレーキケース4の側方に手動巻上げ用ロック解除機構26を組み付けるための大きなスペースを確保する必要もなく、コンパクトにまとめることができる。
さらに、手動操作によりシャッターを巻上げるとき、リミットスイッチ44によってスライドプレート32が動作したことを検知し、その検知信号によりモータ1の電気回路をOFFにするようにしているので、作業者が誤ってモータ1のスイッチを操作しても、モータ1が駆動してシャッターを巻き上げるおそれがなく、電動シャッター開閉機の安全性を向上させることができる。
なお、上記した実施の形態においては、スライドプレート32を動作させる操作手段としてワイヤ33,34を用いたが、本発明はこれに何ら特定されるものではなく、電磁ソレノイド等を用いてもよい。
1…モータ、3…電動シャッタ開閉機の制動装置、5…ブレーキ軸、6…無励磁作動形電磁ブレーキ、7…駆動軸、10…ブレーキホイール、14…アーマチュア、15…制動ばね、16…励磁コイル、19…係合凹部、26…手動巻上げ用ロック解除機構、30…ガイド部材、31…ラチェット、32…スライドプレート、32B…ラチェット操作部、33、34…ワイヤ、44…リミットスイッチ。
Claims (3)
- 電動シャッター開閉機用駆動装置の駆動軸を制動する無励磁作動形電磁ブレーキと、手動操作時に前記無励磁作動形電磁ブレーキによる前記駆動軸の制動を解除する手動巻上げ用ロック解除機構とを備え、
前記無励磁作動形電磁ブレーキは、前記駆動軸に取付けられたブレーキホイールと、前記駆動軸と同一軸線上に配設されたブレーキ軸と、このブレーキ軸に軸線方向に移動可能に配設され前記ブレーキホイールと対向するアーマチュアと、このアーマチュアを前記ブレーキホイールに圧接し摩擦結合させる制動ばねと、シャッターの電動巻上げ時に前記アーマチュアを磁気吸引して前記ブレーキホイールから離間させる励磁コイルとで構成され、
前記手動巻上げ用ロック解除機構は、ガイド部材に回動自在に設けられ、前記アーマチュの外周面に形成された係合凹部と係合することにより前記アーマチュアのシャッター巻上げ方向への回動を阻止するラチェットと、前記ガイド部材にスライド自在に設けられ、ロック解除時に前記ラチェットを回動させることにより前記アーマチュアの係合凹部から離脱させるラチェット作動部を有するスライドプレートと、このスライドプレートを前記ガイド部材に沿って動作させる操作手段とで構成されていることを特徴とする電動シャッター開閉機の制動装置。 - 前記スライドプレートのスライド方向は、前記アーマチュアの外周面の接線方向であることを特徴とする請求項1記載の電動シャッター開閉機の制動装置。
- 手動操作によるシャッターの巻上げ時に、前記スライドプレートが動作したことを検知するスイッチを備え、このスイッチの検知信号によって駆動装置の電気回路をOFFにすることを特徴とする請求項1または2記載の電動シャッター開閉機の制動装置。
Priority Applications (1)
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2007
- 2007-04-11 JP JP2007103832A patent/JP2008261128A/ja active Pending
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