JP2008260877A - 共重合ポリエステル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ジカルボン酸成分とアルキレングリコール成分との芳香族ポリエステルからなり芳香族ジカルボン酸成分の50モル%超95モル%未満がテレフタル酸成分であって、芳香族ジカルボン酸成分の5モル%以上50モル%未満が、下記式(1)
【化1】
(Rは炭素数2から10のアルキレン基)
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であり、かつP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0である共重合ポリエステル。
【選択図】なし
Description
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分である共重合ポリエステルである。
で表される。さらに具体的には下記式(1)−2
つぎに、本発明の共重合ポリエステルの製造方法について、詳述する。本発明の共重合ポリエステルは、下記式(2)
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸またはそのエステルと
テレフタル酸、またはそのエステルとアルキレングリコールとを反応させ重合させることにより製造することができる。
ポリエステルの前駆体を製造する反応工程では、公知のエステル化もしくはエステル交換反応触媒を用いてもよい。
本発明の共重合ポリエステルは、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形などの通常の溶融成形に供することができ、繊維、フィルム、三次元成形品、容器、ホース等に加工することができる。本発明の共重合ポリエステルは、結晶性の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を特定量、共重合成分として有することにより、共重合ポリエステルを成形しフィルムを得ようとするときの延伸性、なかでも二軸延伸フィルムを得ようとするときの双方向の延伸性に優れるという特徴を有する。
例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は共重合芳香族ポリエステルのガラス転移
温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜8倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解してポリマー濃度0.5g/dLの溶液を調整し35℃で測定して求めた。
ガラス転移点、融点はDSC(TA Instrument株式会社製、DSC2920)により昇温速度20℃/minで測定した。
末端カルボキシ基量は、600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A-600)によって測定した。
エステル化率は、600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A-600)によって測定した。
共重合は、600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A-600)によって測定した。
XRD測定はリガク製粉末X線回折装置RAD−Bを用いた。サンプルは340℃で一旦溶融させその後氷浴で急冷することによって得た非晶サンプルを用いて測定を行った。
得られた共重合芳香族ポリエステル樹脂を融点+20℃の温度で溶融し、厚さ600μmの未延伸シートとして冷却ドラム上に押出し、これを製膜方向に140℃でロール間で3.4倍延伸した。その後、得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。なお、ヤング率の測定方向が製膜方向である。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
得られたフィルムを、フィルムの幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
得られたフィルムを、フィルムの幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸100重量部、エチレングリコール62重量部、テトラーn−ブチルチタネート0.085重量部を1Lの攪拌機、窒素ガス導入口を供えたオートクレーブに仕込み、窒素置換後、窒素圧0.2MPaを印加し温度230℃で6時間反応を行った。反応後析出した結晶をろ過し、メタノールにて洗浄を行った。洗浄後120℃で真空乾燥しビス(β―ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸115重量部を得た。このもののエステル化度は96%であった。融点は240℃であった。
参考例1で得られたビス(β―ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸100重量部、ビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレート294重量部、テトラーn−ブチルチタネート0.093重量部を精留塔付き反応器に仕込み窒素下230℃にて融解させた。その後減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後重合温度240℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし0.2mmHg到達後約20分攪拌反応させ、テレフタル酸成分が84.2モル%であり、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が15.8モル%である共重合ポリエステルを得た。得られたポリマーの固有粘度0.7、ガラス転移温度84.55℃、融点は212.53℃であった。得られたポリマーの物性を表1中に示す。
得られた共重合ポリエステルについてXRD測定において2θの値5〜10°の範囲にはピークは観察されなかった(図1)。また得られた共重合ポリエステルについてDSC測定において昇温速度20℃/minで320℃まで昇温した後、10℃/minで冷却したときの吸熱ピークは観察されなかった(図2)。
参考例1で得られたビス(β―ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を100重量部、ビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレートを121重量部とした以外は実施例1と同様にして、テレフタル酸成分が68.7モル%であり、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が31.3モル%である共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルについてXRD測定において2θの値5〜10°の範囲にはピークは観察されなかった。また得られた共重合ポリエステルについてDSC測定において昇温速度20℃/minで320℃まで昇温した後、10℃/minで冷却したときの吸熱ピークが141.6℃に1点観察された(図3)。
得られたポリマーの物性を表1中に示す。
参考例1で得られたビス(β―ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を100重量部、ビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレートを78重量部とした以外は実施例1と同様にして、テレフタル酸成分が58.6モル%であり、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が41.4モル%である共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルについてXRD測定において2θの値5〜10°の範囲にはピークは観察されなかった。また得られた共重合ポリエステルについてDSC測定において昇温速度20℃/minで320℃まで昇温した後、10℃/minで冷却したときの吸熱ピークが177.2℃に1点観察された。得られたポリマーの物性を表1中に示す。
参考例1で得られたビス(β―ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を100重量部、ビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレートを96重量部とした以外は実施例1と同様にして、テレフタル酸成分が65モル%であり、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が35モル%である共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルについてXRD測定において2θの値5〜10°の範囲にはピークは観測されなかった。また得られた共重合ポリエステルについてDSC測定において昇温速度20℃/minで320℃まで昇温した後、10℃/minで冷却したときの吸熱ピークが147℃に1点観察された。得られたポリマーの物性を表1中に示す。
実施例4で得られた共重合ポリエステルを、押し出し機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)に4.1倍延伸し、ついで140℃で横方向(幅方向)に4.5倍延伸し厚さ7.6μmのフィルムを得て200℃で10秒間熱固定した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
特開昭60−135428号公報に記載される手法にて実施例1と同種のポリマーを合成した。具体的にはジエチル6.6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエート458重量部とエチレングリコール130重量部、テトラーn−ブチルチタネート0.1重量部を仕込み、200℃〜260℃にて加熱し反応により生じるエタノールを系外に留出せしめた。徐々に反応物が結晶化し固化し始めた。攪拌を一旦中止し、理論量のエタノールが留出してから温度を290℃に上昇させ融解させ、窒素ガス気流中常圧で30分間反応させ、次いで反応温度を310℃に昇温し、かつ系内を徐々に減圧し0.2mmHg到達後更に10分間反応せしめた。得られたポリマーの融点は294℃で、ジエチレングリコール成分が12mol%、アルカリ金属含有量が30ppmであった。
Claims (6)
- 融点が195〜250℃の範囲にある請求項1記載の共重合ポリエステル。
- 340℃で一旦溶融させその後氷浴で急冷することによって得た非晶体についてのXRD測定において2θの5〜10°の範囲にピークが観察されない事を特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル。
- DSC測定において昇温速度20℃/minで320℃まで昇温した後、10℃/minで冷却したときの吸熱ピークが120℃〜220℃の範囲に0〜1点観測されることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル。
- NMRによって測定された末端カルボキシル基量100当量/トン以下である請求項1記載の共重合ポリエステル。
- DSC測定におけるガラス転移温度が75〜105℃の範囲にある請求項1記載の共重合ポリエステル。
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