JP2008260483A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】漏洩等により車両内空間に溜まってしまった空気より軽い燃料ガスの拡散を促進させ、燃料ガスの滞留を防止する。
【解決手段】燃料電池車10の制御ユニット60は、上方に向かって凸であり、水素が滞留しやすい車両内空間となっている動力室92に設置された水素濃度検知器72bで検知された水素濃度HS2が所定の閾値濃度Th2以上であるか否かを判断する。その結果、閾値濃度Th2以上であれば、フード開放エアバック82dを膨張させてフード93を持ち上げることにより、動力室92の上部に大気への拡散流路を開き、滞留する水素を大気拡散させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、所定形状の車体を有する車両に関し、特に、空気より軽い燃料ガスの漏洩時等における燃料ガスの滞留防止技術に関する。
近年、燃料電池を動力源として搭載した燃料電池車が注目されている。この燃料電池車は、水素などの燃料ガスを空気などの酸化ガスと反応させ、電気化学反応により電気エネルギーを取り出し、それを車両の動力源とするものであり、クリーンでエネルギー効率の高い走行を行うことができる。一方で、燃料ガスとして用いられる水素は、燃えやすい、爆発限界が広い、軽く拡散しやすい(漏れやすい)などの性質を有している。そのため、燃料電池車においては、水素漏れを防止する種々の対策が講じられる。こうした水素漏れ防止技術として、例えば、下記特許文献1に記載の技術が知られている。
特開2004−127748号公報
この特許文献1では、水素漏れを検出したときに、水素タンクのシャット弁を閉じるとともに、燃料電池での発電をしばらく継続させて、シャット弁の下流側に残留する水素を問題のないレベルまで消費させる技術を開示している。
しかし、一旦漏れてしまった水素は、軽く、拡散しやすいという性質を有してはいるものの、上方に向かって凸である空間、例えば、燃料電池を設置する動力室(内燃機関を動力源とする車両のエンジンルームに相当)に移動した場合には拡散に時間がかかることが問題となっていた。このような問題は、燃料電池を搭載した車両に限らず、空気より軽い燃料ガスを利用した動力源を有する車両に共通した問題であった。
上述した問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、漏洩等により車両内空間に溜まってしまった、空気より軽い燃料ガスの拡散を促進させ、燃料ガスの滞留を防止することである。
上記課題を解決する本発明の車両は、
車両であって、
前記車両の車体の一部により構成され、少なくとも上方へ向かって凸であり、所定容積を有する車両内空間における空気より軽い燃料ガスの滞留を、該燃料ガスの性状に基づいて検知する燃料ガス検知手段と、
前記燃料ガス検知手段が前記燃料ガスの滞留を検知した場合に、前記車両内空間の上部に、前記燃料ガスが大気へ流通可能な流路を開く流路確保手段と
を備えたことを要旨とする。
かかる構成の車両は、上方へ向かって凸である車両内空間おける空気より軽い燃料ガスの滞留を検知すると、当該車両内空間の上部に燃料ガスが大気へ流通可能な流路を開ける。したがって、燃料ガスの空気より軽い性質を利用して、滞留している燃料ガスを車両内空間の上部に開いた流路から拡散させ、車両内空間での滞留を防止することができる。
また、かかる構成の車両において、車両内空間は、少なくとも車両の動力源またはバッテリを設置するための空間としてもよい。このような構成とすれば、動力源又はバッテリを設置するための空間が、上方へ向かって凸であり、空気より軽い燃料ガスが滞留しやすい空間となっても、燃料ガスの滞留を防止することができる。
また、かかる構成の車両において、流路確保手段は、エアバックを膨張させ、膨張したエアバックが車両内空間を構成する車体の少なくとも一部分を移動して、流路を開くエアバック装置としてもよい。このような構成とすれば、簡単な機構で瞬時に流路を開いて車両内空間の燃料ガスを大気に拡散させ、滞留を防止することができる。
また、かかる構成の車両において、燃料ガスは水素であり、燃料ガス検知手段は、水素濃度センサとしてもよい。このような構成とすれば、燃えやすく、爆発限界の広い水素が車両内空間に滞留した場合であっても、水素濃度センサで確実に水素の滞留を検知して、滞留する水素を大気に拡散させることができる。
また、かかる構成の車両において、燃料ガスは水素であり、燃料ガス検知手段は、予め定められた水素の存在領域の各部における水素の流量または圧力に基づいて検知するものとしてもよい。このような構成とすれば、水素が漏洩し、車両内空間に滞留している可能性が高い場合であっても、水素の流量または圧力に基づいて水素の漏洩を確実に検知し、漏洩する水素を大気に拡散させることができる。
また、かかる構成の車両において、車両の動力源として燃料電池を搭載してもよい。このような構成とすれば、燃料ガスを常時貯留または使用するために、車両内空間に燃料ガスが滞留する蓋然性の大きい燃料電池搭載車両においても、滞留する燃料ガスを安全に大気に拡散させ、滞留を防止することができる。
また、かかる構成の車両は、更に、車両の走行速度を検出する手段を備え、流路確保手段は、検出された走行速度が所定値より小さい場合のみ、流路を開くものとしてもよい。このような構成とすれば、車両の走行速度が遅く、車両の走行により車体内に流入する車速風によって大気拡散が期待できない場合のみ流路を開くので、燃料ガスの滞留に対して、車両の走行の状況に応じて効率的に対応することが可能である。
本発明の実施例について説明する。
A.燃料電池車の概略構造:
図1は、本発明の実施例としての燃料電池車10の概略構成を示す説明図である。燃料電池車10は、燃料電池システム20、電力変換機構30、車両補機40、駆動モータ52、減速ギア54、駆動輪56、制御ユニット60、水素濃度検知器72、滞留防止装置82を備えている。
燃料電池車10は、減速ギア54を介して駆動輪56に連結された駆動モータ52を駆動力源として走行する。駆動モータ52の電源は、燃料電池システム20により発電された電力である。
電力変換機構30は、インバータ、バッテリなどを備えており、燃料電池システム20から出力される直流を三相交流に変換して駆動モータ52に供給したり、余剰電力を蓄電したりする。車両補機40は、燃料電池車10の運転時などに使用される種々の電力機器であり、照明機器、空調機器、油圧ポンプなどが含まれる。
燃料電池システム20は、電気化学反応により、燃料電池車10の動力源としての電気エネルギーを発生させるシステムである。この燃料電池システム20は、燃料電池スタック22、水素供給・排出機構24、空気供給・排出機構28を備えている。
燃料電池スタック22は、アノード、カソード、電解質、セパレータ等からなる積層体アセンブリを複数積層させた燃料電池である。本実施例においては、固形高分子形燃料電池を用いているが、種々の燃料電池を用いることが可能である。
水素供給・排出機構24は、燃料ガスとしての水素を貯留する水素タンク25のほか、図示しないシャットバルブ、レギュレータ、循環ポンプ、配管などによって構成され、水素タンク25に貯蔵された高圧水素を、圧力及び供給量を調整して、燃料電池スタック22のアノードに供給すると共に、アノードからの排ガス(アノードオフガス)を系外に排出させる。なお、本実施例においては、水素の貯蔵方法として水素タンク25を用いたが、これに限るものではない。例えば、水素吸蔵金属を用いてもよい。また、貯留時の状態は気体に限らず、液化水素を用いてもよい。もとより、例えば、アルコール、炭化水素、アルデヒドなどを原料とする改質反応によって水素を生成する水素生成装置を用いるものとしてもよい。
空気供給・排出機構28は、エアクリーナ、エアコンプレッサ、希釈器、配管などによって構成され、酸化ガスとしての空気を燃料電池スタック22のカソードに供給すると共に、カソードからの排ガス(カソードオフガス)を系外に排出させる。
水素濃度検知器72は、燃料電池車10の事故時などに、水素供給・排出機構24や燃料電池スタック22からの水素の漏洩や、衝突車両から燃料電池車10の車体内部に水素が流入することなどを検知するために設置される。本実施例においては、半導体式を用いたが、熱線式、吸蔵合金式、接触燃焼式など種々の方式を用いることができる。また、本実施例においては、この水素濃度検知器72を2箇所に設置しており、その設置箇所については、図2を用いて後述する。
滞留防止装置82は、水素濃度検知器72が水素の漏洩や外部からの流入を検知した場合に、燃料電池車10の車体内部の水素が滞留しやすい車両内空間に漏洩または流入した水素が流入しないように、当該車両内空間への水素の流入経路を遮断すると共に、滞留した水素を大気中へ拡散させるための装置である。本実施例における滞留防止装置82は、4つのエアバック装置により構成され、その設置箇所については、図2を用いて後述する。
制御ユニット60は、内部にCPU、RAM、ROMを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することで、滞留防止制御部62として機能するほか、各種センサからの入力信号を受けて、各種負荷への指示信号を送り、燃料電池車10のシステム全体を制御する。
B.滞留防止装置82及び水素濃度検知器72の配置:
燃料電池車10における滞留防止装置82及び水素濃度検知器72の配置について図2に示す。まず、燃料電池車10の車体により構成される主な空間について説明する。燃料電池車10は、図示するように、乗員室98を有している。この乗員室98は、窓やサンルーフを開放しない状態では、上方へ向かって凸である空間であり、エアコン用の外気吸込口96を通じてのみ、外気と通じている。
また、燃料電池車10は、その車体の前方に動力室92を有している。この動力室92は、燃料電池スタック22が収納される空間であり、従来のガソリンエンジンを動力源とする車両のエンジンルームに相当するものである。動力室92は、従来のエンジンルームと同様に、燃料電池車10の整備時などにフード93をリフトアップすることでその上部を開口できるが、通常時には、概ね閉じた状態であり、上方へ向かって凸である車両内空間となっている。なお、動力室92の下部は開放され、大気と接触する状態である。
また、燃料電池車10には、乗員室98の底部によって、上方へ向かって凸である車両内空間である底部空間94が形成されている。この底部空間94は、動力室92と連通する空間であり、下部は開放され、大気と接触する状態である。この底部空間94の車両後方側には、水素タンク25が設置されている。
なお、本実施例においては、燃料電池スタック22を設置する動力室92を車体の前方に配置し、水素タンク25を底部空間94の車体後方部に設置したが、これに限られるものではない。車のタイプや設計思想に応じて、それぞれを前方、中央部、後方などに配置する種々の組合せが考えられる。
次に、滞留防止装置82を構成する4つのエアバック装置の配置について説明する。上述の動力室92の下部には、動力室下エアバック82aが配置されている。一方、動力室92の上部には、フード93の近傍にフード開放エアバック82dが、外気吸込口96の入口の近傍に外気吸込口エアバック82cが配置されている。また、動力室92と底部空間94とが接する箇所には、動力室・タンク間エアバック82bが配置されている。
次に、水素濃度検知器72の配置について説明する。2箇所に設置される水素濃度検知器72の内、一つの水素濃度検知器72aは、底部空間94の上部であって、水素タンク25の近傍に配置され、他の一つの水素濃度検知器72bは、動力室92の上部に配置されている。このように水素濃度検知器72a及び72bを各空間の上部に設置するのは、本実施例において燃料電池スタック22の燃料ガスとして用いる水素が空気と比べて非常に軽いために、例えば、水素の漏洩が起こった場合には、漏洩水素は、動力室92や底部空間94の上部に滞留するためである。
C.水素滞留防止処理:
燃料電池車10における水素滞留防止処理の流れを示すフローチャートを図3に示す。燃料電池車10では、衝突事故などにより、燃料電池システム20の燃料ガスである水素が水素供給・排出機構24や燃料電池スタック22から漏洩したり、衝突した他車が搭載する燃料電池システムなど、燃料電池車10の外部から水素が流入したりすることが想定される。図3の処理は、そのような場合に、燃料電池車10の車体内の水素が滞留しやすい車両内空間に漏洩または流入した水素が流入しないように、当該車両内空間への水素の流入経路を遮断すると共に、車両内空間に滞留する水素を大気中へ拡散させるための処理である。
この処理では、まず、制御ユニット60が、底部空間94に設置された水素濃度検知器72aで検知された水素濃度HS1が所定の閾値濃度Th1以上であるか否かを判断する(ステップS100)。その結果、閾値濃度Th1以上であれば(ステップS100:YES)、水素は非常に軽く、高い位置から低い位置へは移動しにくいことを考え合わせると、水素タンク25の周辺で水素の漏洩があると予測される。そこで、制御ユニット60は、動力室92と底部空間94とが接する箇所に設置された動力室・タンク間エアバック82bに点火信号を送る。動力室・タンク間エアバック82bでは、この点火信号を受けて、インフレータがガスを発生させ、エアバックを膨張させる(ステップS110)。
このステップS110における動力室・タンク間エアバック82bの機能については、図4を用いて詳述する。動力室・タンク間エアバック82bは、点火信号を受けると、図示のとおり、動力室92と底部空間94を分断するように膨張する。このように膨張させるのは、上記ステップS100で検知された水素が、水素が滞留しやすい車両内空間である動力室92に流入する流入路を遮断するためである。
そして、動力室・タンク間エアバック82bを膨張させると、あるいは上記ステップS100において、水素濃度検知器72aで検知された水素濃度HS1が所定の閾値濃度Th1未満であれば(ステップS100:NO)、制御ユニット60は、動力室92に設置された水素濃度検知器72bで検知された水素濃度HS2が所定の閾値濃度Th2以上であるか否かを判断する(ステップS120)。
その結果、閾値濃度Th2以上であれば(ステップS120:YES)、燃料電池スタック22周辺での水素漏洩、燃料電池車10の外部からの水素の流入などがあったと推測される。そこで、制御ユニット60は、動力室下エアバック82a、フード開放エアバック82d及び外気吸込口エアバック82cに点火信号を送る。この点火信号を受けて、上述の3つのエアバックでは、インフレータがガスを発生させ、各エアバックを膨張させる(ステップS130)。
このステップS130における各エアバックの機能については、図5を用いて詳述する。動力室下エアバック82aは、点火信号を受けると、図示するように、動力室92の前面下部に沿って膨張する。このように膨張させることで、上記ステップS100で検知された水素が、例えば、燃料電池車10と他の燃料電池車との衝突事故により、燃料電池車10の前方から動力室92に流入したものである場合に、水素が滞留しやすい動力室92へ流入する流入路を遮断して、これ以上水素が流入することを抑制するのである。
また、フード開放エアバック82dは、点火信号を受けると、図示するように、近傍のフード93を持ち上げるように膨張する。このように膨張させることで、フード93を持ち上げ、上方に向かって凸であり、水素が滞留する恐れのある車両内である動力室92において大気に通じる流路を開き、滞留する水素を大気に拡散させるのである。
また、外気吸込口エアバック82cは、点火信号を受けると、図示するように、外気吸込口96の入口を閉じるように膨張する。これは、フード開放エアバック82dの膨張により動力室92の上部に生じた大気への流通流路から大気に拡散される水素が、外気吸込口96を通じて、上方に向かって凸であり、水素が滞留する恐れのある車両内空間である乗員室98に流入する恐れがあるので、その流入路を遮断するのである。
上記ステップS130において、各エアバックを膨張させると、あるいは上記ステップS120において、水素濃度検知器72bで検知された水素濃度HS2が所定の閾値濃度Th2未満であれば(ステップS120:NO)、制御ユニット60は、水素滞留防止処理を完了する。なお、上述の一連の処理は、滞留防止制御部62の処理として制御される。
かかる構成の燃料電池車10は、水素濃度検知器72aで検知された水素濃度HS1が所定の閾値濃度Th1以上であると判断すると、動力室・タンク間エアバック82bを膨張させて、水素の動力室92への流入路を遮断する。同様に、水素濃度検知器72bで検知された水素濃度HS2が所定の閾値濃度Th2以上であると判断すると、動力室下エアバック82a及び外気吸込口エアバック82cを膨張させて、水素の動力室92または乗員室98への流入路を遮断する。このように、動力室92や乗員室98といった、水素が滞留する恐れのある空間に水素が流入することを防ぐので、水素の滞留を防止することができる。
また、かかる構成の燃料電池車10は、水素濃度検知器72bで検知された水素濃度HS2が所定の閾値濃度Th2以上であると判断すると、フード開放エアバック82dを膨張させて、フード93を持ち上げて、動力室92の上部において、大気に通じる流路を開く。したがって、水素が空気より軽い性質を利用して、速やかに当該流路から滞留する水素を大気に拡散させることができる。また、高濃度の水素が燃料電池車10の車両内空間に残存し続けることがなく、安全である。
なお、本実施例においては、動力室92に滞留した水素が大気へ流通可能な流路を開く流路確保手段として、フード開放エアバック82dを用いてフード93を持ち上げる構成としたが、これに限られるものではない。エアバック装置のほか、エアシリンダやソレノイドモータなど種々のアクチュエータを利用して、動力室92を構成する車体の少なくとも一部に流路を開く構成であればよい。なお、ここで用いられるアクチュエータは、防爆に配慮して、リンク機構を用いるなど、水素が滞留する恐れのある空間内またはその近傍で電気を使用しない工夫がされたものが望ましい。
また、本実施例においては、水素が滞留しやすい車両内空間である動力室92や乗員室98に水素が流入しないように、動力室・タンク間エアバック82b、外気吸込口エアバック82c及び動力室下エアバック82aを膨張させることで、水素の流入路を遮断する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、遮断すべき流路にゴムベラなどのエアダムを予め取り付けておく構成、収納されていたエアダムがアクチュエータにより流路を遮断する位置に移動する構成、エアカーテンにより流路を遮断する構成、エアコンダンパを閉じて外気吸込口を遮断する構成など、種々の構成が考えられる。
また、本実施例においては、水素が滞留する恐れのある空間として動力室92及び乗員室98を想定し、動力室92または乗員室98へ水素が流入する流入路として動力室92の下部、外気吸込口96の入口、底部空間94と外気吸込口96が接する空間を遮断すると共に、動力室92の上部に水素を大気拡散させる流路を開く例を示したが、水素が滞留する恐れのある空間、遮断する流入流路及び流路を開く箇所は、これに限られるものではない。例えば、水素が滞留する恐れのある空間として底部空間94やトランクルームなどを想定してもよい。これらの構成は、燃料電池車10の車体形状に応じて、適宜設定すればよい。また、水素濃度検知器の設置数や設置箇所についても、燃料電池車10の車体形状や上述の遮断する流入路、流路を開く箇所などに対応させて適宜設定すればよい。
また、本実施例においては、燃料電池車10における水素の漏洩、または他車からの水素の流入を検知する燃料ガス検知手段として、水素濃度検知器を用いたが、これに限られるものではない。水素の性状に基づいて検知する手段であればよく、例えば、水素供給・排出機構24に水素圧力計や水素流量計を設置し、その検出値から水素の漏洩を検知する構成であってもよい。勿論、上に例示した方法を組み合わせて検知精度を高めるものであってもよい。
なお、本実施例においては、燃料ガスの検知結果に応じて、水素が滞留する恐れのある車両内空間へ移動する流路を遮断すると共に、車両内空間に滞留する水素を大気へ拡散させるための流路を開く例を示したが、必ずしもこれらを組み合わせる必要はなく、流路を開くだけの構成であってもよいことは言うまでもない。
D.変形例:
本発明の変形例について図6を用いて説明する。図6は、変形例としての燃料電池車10における水素滞留防止処理の流れを示すフローチャートである。図3に示した実施例との相違点は、図中のステップS210及びステップS240のみであるので、この点についてのみ説明する。本変形例では、制御ユニット60は、ステップS200において(実施例のステップS100に相当)、底部空間94に設置された水素濃度検知器72aで検知された水素濃度HS1が所定の閾値濃度Th1以上であると判断した場合(ステップS200:YES)には、燃料電池車10が備える車速センサに検出される車速Vが所定の閾値Th3(例えば10km/h)未満であるか否かを判断する(ステップS210)。その結果、車速VがTh3未満である場合(ステップS210:YES)のみ、制御ユニット60は、動力室・タンク間エアバック82bを膨張させる(ステップS220)。
同様に、制御ユニット60は、ステップS230において(実施例のステップS120に相当)、動力室92に設置された水素濃度検知器72bで検知された水素濃度HS2が所定の閾値濃度Th2以上であると判断した場合(ステップS230:YES)、または上記ステップS200において検知した水素濃度HS1が閾値濃度Th1未満であった場合、または、上記ステップS210において車速Vが閾値Th3以上であった場合には、燃料電池車10の車速Vが所定の閾値Th3未満であるか否かを判断する(ステップS240)。そして、車速VがTh3未満である場合(ステップS240:YES)のみ、動力室下エアバック82a、フード開放エアバック82d及び外気吸込口エアバック82cを膨張させる(ステップS250)
このように燃料電池車10の車速Vに応じて各エアバックの膨張の可否を変化させるのは、所定値以上の車速で走行している場合には、走行により生じる車速風が燃料電池車10の車体内部に流入することによって、動力室92や底部空間94に漏洩または流入した水素の拡散が期待できるからである。かかる構成の燃料電池車10は、車速風による水素の拡散が期待できない場合のみ水素の流入路を遮断したり、大気に拡散する流路を開いたりするので、燃料ガスの滞留防止について、燃料電池車10の走行状態に応じて効率的に対応することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした例に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本願においては、水素滞留防止処理を行う燃料電池車10を実施例として示したが、これに限られるものではない。例えば、水素を燃料ガスとして用いる内燃機関を動力源とする車両に適用するものであってもよい。また、燃料ガスは、水素に限らず、天然ガスなど空気より軽い性質のものであればよい。もとより、本発明は、空気より軽い燃料ガスを扱う車両に限るものではなく、空気より軽い燃料ガスを扱う車両との衝突事故時などの対策として、従来のガソリン等の液体燃料を用いる内燃機関を動力源とする車両にも適用できる。
本発明の実施例としての燃料電池車10の概略構成を示す説明図である。 燃料電池車10における滞留防止装置82及び水素濃度検知器72の配置を示す説明図である。 燃料電池車10における水素滞留防止処理の流れを示すフローチャートである。 滞留防止装置82の機能を説明する説明図である。 滞留防止装置82の機能を説明する説明図である。 変形例としての燃料電池車10における水素滞留防止処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10...燃料電池車
20...燃料電池システム
22...燃料電池スタック
24...水素供給・排出機構
25...水素タンク
28...空気供給・排出機構
30...電力変換機構
40...車両補機
52...駆動モータ
54...減速ギア
56...駆動輪
60...制御ユニット
62...滞留防止制御部
72,72a,72b...水素濃度検知器
82...滞留防止装置
82a...動力室下エアバック
82b...動力室下・タンク間エアバック
82c...外気吸込口エアバック
82d...フード開放エアバック
92...動力室
93...フード
94...底部空間
96...外気吸込口
98...乗員室

Claims (7)

  1. 車両であって、
    前記車両の車体の一部により構成され、少なくとも上方へ向かって凸であり、所定容積を有する車両内空間における空気より軽い燃料ガスの滞留を、該燃料ガスの性状に基づいて検知する燃料ガス検知手段と、
    前記燃料ガス検知手段が前記燃料ガスの滞留を検知した場合に、前記車両内空間の上部に、前記燃料ガスが大気へ流通可能な流路を開く流路確保手段と
    を備えた車両。
  2. 請求項1記載の車両であって、
    前記車両内空間は、少なくとも前記車両の動力源またはバッテリを設置するための空間である
    車両。
  3. 請求項1または請求項2記載の車両であって、
    前記流路確保手段は、エアバックを膨張させ、該膨張したエアバックが前記車両内空間を構成する前記車体の少なくとも一部分を移動して、前記流路を開くエアバック装置である
    車両。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載の車両であって、
    前記燃料ガスは水素であり、
    前記燃料ガス検知手段は、水素濃度センサである
    車両。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載の車両であって、
    前記燃料ガスは水素であり、
    前記燃料ガス検知手段は、予め定められた水素の存在領域の各部における水素の流量または圧力に基づいて検知する
    車両。
  6. 前記車両の動力源として燃料電池を搭載した請求項1ないし請求項5のいずれか記載の車両。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか記載の車両であって、
    更に、前記車両の走行速度を検出する手段を備え、
    前記流路確保手段は、該検出された走行速度が所定値より小さい場合のみ、前記流路を開く
    車両。
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