JP5007931B2 - 燃料タンクの支持装置 - Google Patents

燃料タンクの支持装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5007931B2
JP5007931B2 JP2006335910A JP2006335910A JP5007931B2 JP 5007931 B2 JP5007931 B2 JP 5007931B2 JP 2006335910 A JP2006335910 A JP 2006335910A JP 2006335910 A JP2006335910 A JP 2006335910A JP 5007931 B2 JP5007931 B2 JP 5007931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
fuel
fuel tank
frame
support device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006335910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008143464A (ja
Inventor
圭一 近藤
敏和 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006335910A priority Critical patent/JP5007931B2/ja
Publication of JP2008143464A publication Critical patent/JP2008143464A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5007931B2 publication Critical patent/JP5007931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

本発明は、燃料タンクの支持装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、燃料電池車両における衝突安全性の改良に関する。
近年、発電装置としての燃料電池を搭載した車両に関する研究や開発が多く行われるようになっている。このように車両等の動力源として用いられる燃料電池としては例えば高分子電解質形燃料電池が搭載され、さらに該燃料電池に燃料ガス(例えば水素ガス)を供給するための燃料タンクが搭載されている。
このような燃料電池車両としては、従来、複数の燃料タンクを車両の前後方向へと並列に配置したものが知られている。この場合、走行可能距離をできるだけ延ばすという観点からは相当量の燃料ガスを積んでいる必要があり、一般には当該燃料タンクをいわゆるクラッシャブルゾーン(衝突時に潰れることによって車両衝突時の衝撃を吸収し緩和するようにした構造部分)に搭載していることが多い(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−112112号公報
しかしながら、車両衝突時、高圧である燃料タンクに過大な荷重が作用すると、当該燃料タンクが損傷する可能性がある。この場合、該車両衝突に起因してガス漏れやバーストといった事態が生じることは避けられなければならない。
そこで、本発明は、車両衝突時に燃料タンクに損傷が生じるのを極力回避できるようにした燃料タンクの支持装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。燃料電池車両のクラッシャブルゾーンに燃料タンクを搭載する場合、上述のように複数のタンクを車両前後方向に並列に配置したり、このような複数の燃料タンクをさらに上下方向にオフセットさせて配置したりしている(図4、図5参照)。このような構造の燃料電池車両において、衝突時の衝撃による燃料タンクへの影響をいかに低減させるかという観点から検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
本発明はかかる知見に基づくものであり、燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池へ供給される前記燃料ガスが充填された複数の燃料タンクとを搭載した燃料電池車両における前記燃料タンクの支持装置において、当該車両の衝突時に変形して前記複数の燃料タンクのうち少なくとも車両前方寄りに位置するものを脱落させる脱落部を備えていることを特徴とするものである。
例えば後方を走る車両に追突されるいわゆる後突が生じたような場合、衝撃を受けることにより支持装置のうちの脱落部がまず変形し、車両前方寄りに位置する燃料タンクを脱落させる。例えば複数の燃料タンクが並列に配置されている場合、このように車両前方寄りの燃料タンクが脱落することにより、これら複数の燃料タンクが上下方向に大きくオフセットした状態になるから、車両後方寄りの燃料タンクが前方に勢いよく飛び出してきてもタンクどうしが強く衝突し合うのを抑制することが可能である。したがって、これによれば車両衝突時に過大な荷重が作用して燃料タンクが損傷するのを極力回避することができる。しかも、このような支持装置は従前の構造を利用して形成することが可能であるからコストの面でも有利である。
このような燃料タンクの支持装置において、例えば前記支持装置は前記燃料タンクを懸架するための懸架用フレームを有するものであり、前記脱絡部は、該懸架用フレームのうち当該車両の衝突時に変形するように構成された前側フレームで構成されている。
また、前記前側フレームがパイプで形成されていることも好ましい。パイプからなる前側フレームは、通常時において車両前方寄りの燃料タンクを支持しつつ、車両衝突時には変形(例えば破断)しやすいことから当該車両前方寄りの燃料タンクを脱落させてオフセットした状態としやすい。
さらに、このような燃料タンクの支持装置において、前記燃料タンクがバンドによって前記懸架用フレームに取り付けられていることも好ましい。
また、本発明において、前記支持装置は前記燃料タンクが載置される載置用フレームを有するものであり、前記脱絡部は、該載置用フレームが当該車両に取り付けられている取付部のうち衝突時に変形するように構成された車両前側の取付部によって構成されている。
この場合において、当該車両の後側に位置する前記取付部は、前記車両前側の取付部における取付強度を上回る強度にて当該車両のフレームに取り付けられている。このような支持装置においては、車両衝突時、前側の取付部が変形する一方、後側の取付部は比較的変形し難いため当該後側の取付部において載置用フレームは外れ難い。この場合、載置用フレームが車両前側に向かって傾斜した状態となり、複数の燃料タンクのうち車両前寄りのものを脱落させた状態とする。
また、本発明にかかる支持装置の場合、前記脱落部は、車両衝突時に所定値を超える衝撃を受けた場合に少なくともその一部または当該車両のフレームへの取付部が破断するように構成された部分を含むものとなっている。車両衝突が生じた場合、脱落部はその一部が破断することにより、それまで支持していた車両前方寄りの燃料タンクを脱落させることができる。
このような支持装置を備えた燃料電池車両において、前記複数の燃料タンクの少なくとも一部は、車両の後部側のクラッシャブルゾーンに配置されたものとなっている。このような燃料電池車両は、その後方を走る車両から追突されるいわゆる後突が生じた場合に燃料タンクが損傷するのを極力抑えうるという点で好ましい。
さらに、前記複数の燃料タンクが上下方向にオフセットして配置されていることも好ましい。
本発明によれば、車両衝突時に過大な荷重が作用して燃料タンクが損傷するのを極力回避することが可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に本発明の実施形態を示す。本発明にかかる燃料タンク21の支持装置10は、燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池へ供給される燃料ガスが充填された複数の燃料タンク21とを搭載した燃料電池車両Vにおいて燃料タンク21を支持するための装置として設けられているものである。本実施形態にかかる支持装置10は、当該燃料電池車両Vの衝突時に変形して複数の燃料タンク21のうち少なくとも車両前方寄りに位置するものを脱落させる脱落部を備えている(図2等参照)。
図1に本実施形態における燃料電池システム1の概略構成を示す。ここでは、燃料電池システム1を燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)Vの車載発電システムとして用いる例を示すが、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システムとしても用いることが可能である。
本実施形態における燃料電池システム1は、反応ガス(酸化ガスおよび燃料ガス)の供給を受けて電気化学反応により電力を発生する燃料電池2と、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、燃料電池2に冷媒を供給して当該燃料電池2を冷却する冷媒配管系5と、システムの電力を充放電する電力系6と、システム全体を統括制御する制御部7と、を備えている。
燃料電池2は例えば高分子電解質形燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極および燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有した構造となっている。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、さらにこれら各反応ガスが化学反応を生じることによって電力が発生する。この燃料電池2には、発電中の電流を検出する電流センサ2aが取り付けられている。
酸化ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる空気供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排気流路12と、を有している。空気供給流路11には、フィルタ13を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧送される酸化ガスを加湿する加湿器15と、が設けられている。コンプレッサ14は、図示されていないモータの駆動により大気中の酸化ガスを取り込む。また、排気流路12を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁16を通って加湿器15で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
燃料ガス配管系4は、水素供給源としての燃料タンク21と、燃料タンク21から燃料電池2に供給される水素ガスが流れる水素供給流路22と、燃料電池2から排出された水素オフガス(燃料オフガス)を水素供給流路22の合流点A1に戻すための循環流路23と、循環流路23内の水素オフガスを水素供給流路22に圧送する水素ポンプ24と、循環流路23に分岐接続された排気排水流路25と、を有している。
燃料タンク21は例えば高圧タンクや水素吸蔵合金などで構成されて本実施形態における燃料電池車両Vに複数搭載されているものであり、例えば35MPaまたは70MPaの水素ガスを貯留可能に構成されている。後述する遮断弁26を開くと、燃料タンク21から水素供給流路22へと水素ガスが流出する。水素ガスは、後述するレギュレータ27やインジェクタ28により最終的に例えば200kPa程度まで減圧され、燃料電池2に供給される。なお、本実施形態ではこのような燃料タンク21を水素供給源としているが、この他、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、によって水素供給源を構成することも可能である。
水素供給流路22には、燃料タンク21からの水素ガスの供給を遮断または許容する遮断弁26と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ27と、インジェクタ28と、が設けられている。また、インジェクタ28の下流側であって水素供給流路22と循環流路23との合流部A1の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力を検出する圧力センサ29が設けられている。さらに、インジェクタ28の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力および温度を検出する圧力センサおよび温度センサ(図示省略)が設けられている。圧力センサ29等で検出された水素ガスのガス状態(圧力、温度)に関する情報は、後述するインジェクタ28のフィードバック制御やパージ制御に用いられる。
レギュレータ27は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ27として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ28は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ28は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。例えば本実施形態においては、インジェクタ28の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積を2段階、多段階、または無段階に切り替えることができるようになっている。さらに、制御部7から出力される制御信号によって、インジェクタ28のガス噴射時間およびガス噴射時期が制御されることにより、水素ガスの流量および圧力が高精度に制御される。このように、インジェクタ28は、弁(弁体および弁座)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
なお、インジェクタ28の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともに、インジェクタ28の下流に供給されるガス圧力がインジェクタ28上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ28を調圧弁(減圧弁、レギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ28の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。
本実施形態においては、このようなインジェクタ28を、水素供給流路22と循環流路23との合流部A1より上流側に配置している(図1参照)。また、図1に破線で示すように、燃料供給源として複数の燃料タンク21が用いられている場合には、これら燃料タンク21から供給される水素ガスが合流する部分(水素ガス合流部A2)よりも下流側に当該インジェクタ28を配置するようにする。
循環流路23には、気液分離器30および排気排水弁31を介して、排気排水流路25が接続されている。気液分離器30は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁31は、制御部7の指令を受けて作動することにより、気液分離器30で回収した水分と、循環流路23内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)と、を外部に排出(パージ)するものである。この排気排水弁31を開放すると、循環流路23内の水素オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される水素オフガス中の水素濃度が上がる。排気排水弁31の上流位置(循環流路23上)および下流位置(排気排水流路25上)には、各々、水素オフガスの圧力を検出する上流側圧力センサ32および下流側圧力センサ33が設けられている。
また、特に詳しく図示していないが、排気排水弁31および排気排水流路25を介して排出される水素オフガスは、希釈器(図示省略)によって希釈されて排気流路12内の酸化オフガスと合流するようになっている。水素ポンプ24は、モータ(図示省略)の駆動により、循環系内の水素ガスを燃料電池2に循環供給する。水素ガスの循環系は、水素供給流路22の合流点A1の下流側流路と、燃料電池2のセパレータに形成される燃料ガス流路と、循環流路23と、によって構成されることとなる。
冷媒配管系5は、燃料電池2内の冷却流路に連通する冷媒流路41と、冷媒流路41に設けられた冷却ポンプ42と、燃料電池2から排出される冷媒を冷却するラジエータ43と、燃料電池2から排出される冷媒の温度を検出する温度センサ44と、を有している。冷却ポンプ42は、モータ(図示省略)の駆動により、冷媒流路41内の冷媒を燃料電池2に循環供給する。温度センサ44で検出された冷媒の温度(=燃料電池2から排出される水素オフガスの温度)は、後述するパージ制御に用いられる。
電力系6は、高圧DC/DCコンバータ61、バッテリ62、トラクションインバータ63、トラクションモータ64、図示されていない各種の補機インバータ等を備えている。高圧DC/DCコンバータ61は、直流の電圧変換器であり、バッテリ62から入力された直流電圧を調整してトラクションインバータ63側に出力する機能と、燃料電池2またはトラクションモータ64から入力された直流電圧を調整してバッテリ62に出力する機能と、を有する。このような高圧DC/DCコンバータ61の機能により、バッテリ62の充放電が実現される。また、高圧DC/DCコンバータ61により、燃料電池2の出力電圧が制御される。
バッテリ62は、バッテリセルが積層されて一定の高電圧を端子電圧とし、図示しないバッテリコンピュータの制御によって余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。トラクションインバータ63は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ64に供給する。トラクションモータ64は、例えば三相交流モータであり、燃料電池システム1が搭載される燃料電池車両Vの主動力源を構成する。
補機インバータは、各モータの駆動を制御する電動機制御部であり、直流電流を三相交流に変換して各モータに供給する。補機インバータは、例えばパルス幅変調方式のPWMインバータであり、制御部7からの制御指令に従って燃料電池2またはバッテリ62から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、各モータで発生する回転トルクを制御する。
制御部7は、車両Vに設けられた加速用の操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ64等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置には、トラクションモータ64のほかに、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ14、水素ポンプ24、冷却ポンプ42の各モータ等)、車両Vの走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御部、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置が含まれうる。
このような制御部7は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェースおよびディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することによりフィードバック制御やパージ制御など種々の処理や制御を行う。
続いて、以上のような燃料電池システム1を搭載した燃料電池車両Vにおける燃料タンク21の支持装置10について説明する(図2〜図5参照)。なお、図2〜図5においては当該燃料電池車両Vの進行方向(前方向)を符号Fで示している。
燃料タンク21の支持装置10は、燃料電池車両Vに搭載された複数の燃料タンク21を支持するための装置として設けられている。ここで、本実施形態の支持装置10は、当該車両Vの衝突時に破断して複数の燃料タンク21のうち少なくとも車両前方寄りに位置するものを脱落させる脱落部を備えた構成となっている。
例えば本実施形態においては、燃料電池車両Vの後部クラッシャブルゾーンCZにおいて、燃料タンク21を懸架するための懸架用フレーム8を利用して支持装置10を構成している(図2参照)。この場合、当該懸架用フレーム8のうち前側のフレーム81によって前方寄りの燃料タンク21を支えるとともに、車両衝突時には衝撃により当該前側フレーム81が破断するように構成し、破断することによって前方寄りの燃料タンク21を脱落させる脱落部として機能させている。このように、車両衝突時に破断して前方寄り燃料タンク21を脱落させる前側フレーム81は、高圧である燃料タンク21に過大な荷重が作用するのを抑え、当該燃料タンク21が損傷しないようにしてガス漏れやバーストといった事態が生じるのを回避可能とする。
本実施形態では、例えば並列に配置された2本の燃料タンク(以下、車両前方寄りの燃料タンクを符号21f、後方寄りの燃料タンクを符号21rで示す)を、前側フレーム81、中央フレーム82、後側フレーム83の3つの懸架用フレーム8によって支持している(図2参照)。これら3つのフレーム81〜83はその軸方向が車両幅方向に一致するように横向きに配置されており、互いに平行な状態で例えば車両Vのフレーム等に取り付けられている。このように3つのフレーム81〜83を備えた支持装置10に対し、2本の燃料タンク21f,21rは、例えばバンドB等の紐状部材によって取り付けられ懸架された状態となっている(図2参照)。
ここで、本実施形態では、これら3つの懸架用フレーム8のうち前側フレーム81をパイプで形成している。このようにパイプで形成された前側フレーム81は、パイプ状でないフレーム(中実のフレーム)よりも変形しやすく、車両衝突時に破断に至りやすい。本実施形態では、車両衝突時の衝撃によってこの前側フレーム81が破断に至るようにし、これによって前方寄り燃料タンク21が前のめりに脱落するようにしている(図2参照)。
このような構成の支持装置10においては、車両衝突時に前側フレーム81が破断し、燃料タンク21の重量を支えきれなくなって例えば前方下向きにずり落ちた状態となり(図2中の矢印参照)、これによって前方寄り燃料タンク21が前方下向きに脱落した状態となる。このように脱落した場合、前方寄り燃料タンク21fと後方寄り燃料タンク21rとの間に上下方向のオフセットが生じ(図2中の破線参照)、後方寄り燃料タンク21rが前方に勢いよく飛び出してきてもこれら燃料タンク21f,21rどうしが強く衝突し合うのが抑制される。したがって、本実施形態にかかる支持構造によれば車両衝突時に過大な荷重が作用して燃料タンク21に損傷が生じるのを極力回避し、衝突時の衝撃による燃料タンク21への影響を低減させることが可能である。しかも、ここまで説明した支持装置10は、例えば前側フレーム81の構造のみを変更するといったように従前の構造を利用して形成することが可能なものであるからコストの面でも有利である。加えて、車両衝突が生じた場合に少なくとも後側フレーム83は破断しないように構成する(あるいは車両フレームから外れないように構成する)ことにより、当該後側フレーム83にバンドBを使って取り付けられているが燃料タンク21が車両Vから分離するのを抑止することもできる。
なお、複数の燃料タンク21をあらかじめオフセットさせた状態で配置しておくことも好ましい。本実施形態では前方寄り燃料タンク21fを後方寄り燃料タンク21rよりも僅かに低い位置に配置することにより両タンク21に上下方向のオフセットを設けている(図2参照)。こうした場合、車両衝突時に生じうる損傷をさらに回避しやすくなるという点で好適である。
以上、ここまでは複数のフレーム(前側フレーム81、中央フレーム82、後側フレーム83の3つの懸架用フレーム8)をいわば横置きにして構成した支持装置10について説明したが、これ以外として、例えば縦型の戴置用フレーム9を用いて支持装置10を構成することもできる。これについて例示すると、例えば図3に示す支持装置10は、車両前後方向に延びる形状の戴置用フレーム9と、この戴置用フレーム9を車両フレームに取り付けるための複数の車両取付部とで構成されているものであり、この縦型の戴置用フレーム9の上に複数の燃料タンク21が載置される構造となっている(図3参照)。図示するように本実施形態の縦型の戴置用フレーム9は側面から見て皿のような形状であり、前端部分の前部取付部91と後端部分の後部取付部92とによって車両フレームに取り付けられている(図3中の実線参照)。
ここで、本実施形態においては、前部取付部91を後部取付部92よりも取付強度の劣る脆弱な構造とし、車両衝突時にはまず当該前端部における車両取付部(前部取付部91)から破断するように構成している。したがって、車両衝突時にはまず前部取付部91が破断し、燃料タンク21の重量を支えきれなくなって前方下向きに傾斜した状態となり、これによって前方寄り燃料タンク21が前方下向きに脱落した状態となる(図3中の矢印と破線参照)。このように脱落した場合、前方寄り燃料タンク21fと後方寄り燃料タンク21rとの間に上下方向のオフセットが生じ(図3中の破線参照)、後方寄り燃料タンク21rが前方に勢いよく飛び出してきてもこれら燃料タンク21f,21rどうしが強く衝突し合うのが抑制される。したがって、図2に示したものと同様、図3に示す形態の支持構造によっても、車両衝突時に燃料タンク21に損傷が生じるのを極力回避し、衝突時の衝撃による燃料タンク21への影響を低減させることが可能である。
しかも、このように縦型の戴置用フレーム9を用いて形成した支持装置10においては、取付強度の大きい後部取付部92は衝撃を受けても破断することなく車両フレームに取り付けられた状態を維持することが可能である。この場合には、車両衝突が起こっても燃料タンク21が車両Vから分離するのを抑止することができる。加えて、縦型の戴置用フレーム9は上述のように縦置きされているから、脱落した燃料タンク21が地面に接して擦れるのを防止しうるという点でも好適である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では支持構造の一部が車両衝突時に破断するようにした場合について説明したが、ここでいう破断は変形の態様の中で好適なものの一例であり、仮に破断に至らないとしても前方寄り燃料タンク21fを通常位置から脱落させて後方寄り燃料タンク21rとの間で上下方向のオフセットを生じさせるものであれば過大な荷重が作用するのを抑えて当該燃料タンク21が損傷しないようにすることが可能である。つまり、上述した実施形態のような破断にまでは至らないとしても、前方寄り燃料タンク21fを脱落させうる程度に支持装置10の一部が効果的に変形するものであればよい。
また、上述した実施形態では燃料タンク21が2本である場合について説明したが3本以上である場合についても本発明を適用することが当然に可能である。すなわち、上述した場合と同様、最も前方寄りに位置する燃料タンク21(21f)を適度に脱落させることによってオフセットを生じさせ、車両衝突時に各燃料タンク21に損傷が生じるのを極力回避することが可能である。あるいは、当該複数の燃料タンク21のうち少なくとも車両前方寄りに位置するものを脱落させるという態様の別形態として、前方寄り燃料タンク21fと後方寄り燃料タンク21rとの中間に位置する燃料タンク(例えば3本であれば真ん中に位置する燃料タンク21)の脱落幅を最も大きくすることとしてもよい。この場合、中間に位置する燃料タンク21の脱落幅が前方寄り燃料タンク21fの脱落幅を超える結果、衝突後における各燃料タンク21の配置が側面からみて略V字形のようになるから、これによってもこれら燃料タンク21に損傷が生じるのを極力回避することが可能である。
燃料電池車両に搭載される燃料電池システムの構成例を示す図である。 本発明にかかる支持装置の構造例を示す側面からの概略図で、図4において破線で囲んだ部分を拡大して示しているものである。 支持装置の別の構造例を示す側面からの概略図である。 複数の燃料タンクを搭載した燃料電池車両の概略図である。 燃料電池車両における後部クラッシャブルゾーンと燃料タンクについて示す概略図である。
符号の説明
2…燃料電池、8…懸架用フレーム、9…戴置用フレーム、10…支持装置、21…燃料タンク、81…前側フレーム(脱落部)、91…前部取付部(脱落部)、B…バンド、V…燃料電池車両、CZ…クラッシャブルゾーン

Claims (3)

  1. 燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応により発電する燃料電池と、該燃料電池へ供給される前記燃料ガスが充填された複数の燃料タンクとを搭載した燃料電池車両における前記燃料タンクの支持装置において、
    当該車両の衝突時、所定値を超える衝撃を受けた場合に少なくともその一部または当該車両のフレームへの取付部が変形するように構成された部分を含み、前記一部または前記取付部が変形することによって前記複数の燃料タンクのうち少なくとも車両前方寄りに位置するものを脱落させる脱落部を備えており
    前記支持装置は前記燃料タンクを懸架するための懸架用フレームを有するものであり、前記脱部は、該懸架用フレームのうち当該車両の衝突時に変形するように構成された前側フレームで構成されており、
    前記前側フレームが、中実フレームよりも変形しやすいパイプで形成され、
    前記燃料タンクがバンドによって前記懸架用フレームに取り付けられており、
    前記複数の燃料タンクの少なくとも一部が、車両の後部側のクラッシャブルゾーンに配置され、
    前記複数の燃料タンクが上下方向にオフセットして配置されている
    ことを特徴とする燃料タンクの支持装置。
  2. 前記支持装置は前記燃料タンクが載置される載置用フレームを有するものであり、前記脱部は、該載置用フレームが当該車両に取り付けられている取付部のうち衝突時に変形するように構成された車両前側の取付部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンクの支持装置。
  3. 当該車両の後側に位置する前記取付部は、前記車両前側の取付部における取付強度を上回る強度にて当該車両のフレームに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃料タンクの支持装置。
JP2006335910A 2006-12-13 2006-12-13 燃料タンクの支持装置 Active JP5007931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006335910A JP5007931B2 (ja) 2006-12-13 2006-12-13 燃料タンクの支持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006335910A JP5007931B2 (ja) 2006-12-13 2006-12-13 燃料タンクの支持装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008143464A JP2008143464A (ja) 2008-06-26
JP5007931B2 true JP5007931B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39604097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006335910A Active JP5007931B2 (ja) 2006-12-13 2006-12-13 燃料タンクの支持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5007931B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5093404B2 (ja) * 2009-06-09 2012-12-12 トヨタ自動車株式会社 燃料電池車両
KR101394025B1 (ko) * 2009-12-03 2014-05-13 기아자동차주식회사 차량의 이중연료공급장치
JP6432541B2 (ja) * 2016-02-18 2018-12-05 トヨタ自動車株式会社 ガスタンク搭載車両
JP7481221B2 (ja) 2020-09-30 2024-05-10 株式会社Subaru 燃料電池車両
DE102021201309B4 (de) 2021-02-11 2024-08-14 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren zum Trennen eines Energiebereitstellungssystems von einer Haltevorrichtung, Halterungsanordnung dazu sowie Fahrzeug oder Tanklager

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10102636A1 (de) * 2001-01-20 2002-08-29 Daimler Chrysler Ag Fahrzeug mit Brennstofftank

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008143464A (ja) 2008-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2911325C (en) Fuel cell system and method for discharging fluid in the system
JP4993293B2 (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP5224082B2 (ja) 燃料電池システム及びその排水制御方法
JP5446023B2 (ja) 燃料電池システム
JP5007931B2 (ja) 燃料タンクの支持装置
WO2015163024A1 (ja) 電動車両
JP5093749B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008130447A (ja) 燃料電池システム
JP5168821B2 (ja) 燃料電池システム
JP5077636B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008084603A (ja) 燃料電池システム及びそのパージ方法
WO2010070881A1 (ja) 燃料電池システム、およびその起動時における開弁動作の制御方法
JP5136874B2 (ja) 燃料電池システム及び排気弁の異常判定方法
JP2008143463A (ja) 燃料タンクの支持装置
JP4998695B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008196596A (ja) 電磁弁
JP5151185B2 (ja) 燃料電池システムおよびその掃気処理方法
JP4941641B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008143465A (ja) 燃料タンクの支持装置
JP4962863B2 (ja) 燃料タンク用衝撃記録体および衝撃記録方法
JP5041215B2 (ja) 燃料電池システムおよびその起動完了度表示方法
JP5164020B2 (ja) 燃料電池システムおよびその始動方法
JP2017155806A (ja) タンクシステム
JP2008204711A (ja) 燃料電池システム
JP2008171675A (ja) 気液分離器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5007931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120520

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3