JP2008259996A - メタルハニカム担体 - Google Patents
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Abstract
【課題】メタルハニカム担体によって浄化性能を向上させる。
【解決手段】触媒成分38を支持するために、波板16と平板15とを重ね、あるいは、これらの波板16と平板15とを多重に巻いて形成されるメタルハニカム担体11において、このメタルハニカム担体11の側面にレーザビーム等によって波板16の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔21を開け、波板16及び平板15を溶融させて溶融粒36を形成するとともに、孔21によって波板16と平板15とで形成される複数の排出ガス通路31を連通させた。
【選択図】図4
【解決手段】触媒成分38を支持するために、波板16と平板15とを重ね、あるいは、これらの波板16と平板15とを多重に巻いて形成されるメタルハニカム担体11において、このメタルハニカム担体11の側面にレーザビーム等によって波板16の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔21を開け、波板16及び平板15を溶融させて溶融粒36を形成するとともに、孔21によって波板16と平板15とで形成される複数の排出ガス通路31を連通させた。
【選択図】図4
Description
本発明は、メタルハニカム担体の改良に関するものである。
従来のメタルハニカム担体として、担体素子を構成する波板及び平板に直交する方向にレーザービームを貫通させ、波板と平板とを相互に溶接するもの(例えば、特許文献1参照。)、ハニカム構造体に外周からレーザビームを照射してハニカム構造体を構成するコルゲートシートと平板とに穴をあけ、コルゲートシートと平板とを溶着するもの(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特開平8−57673号公報
特開昭63−185627号公報
特許文献1の図2を以下の図5で説明する。なお、符号は振り直した。
図5は従来のメタル触媒担体の溶接方法を示す断面図であり、波板101と平板102に直交する方向からレーザービーム103を照射して貫通部104を形成し、貫通部104の縁部の波板101と平板102とを溶融させて溶融部106を形成することで、波板101と平板102とを相互に溶接したことが示されている。
図5は従来のメタル触媒担体の溶接方法を示す断面図であり、波板101と平板102に直交する方向からレーザービーム103を照射して貫通部104を形成し、貫通部104の縁部の波板101と平板102とを溶融させて溶融部106を形成することで、波板101と平板102とを相互に溶接したことが示されている。
特許文献2の第3図を以下の図6で説明する。なお、符号は振り直した。
図6は従来のハニカム構造体の製造方法を示す断面図であり、ハニカム構造体111の中心に向けて側方からレーザビーム112を照射し、コルゲートシート113の山部又は谷部に当たる位置でコルゲートシート113と平板114とを同時に溶融して溶着孔116を開け、コルゲートシート113と平板114とを溶着させることが示されている。
図6は従来のハニカム構造体の製造方法を示す断面図であり、ハニカム構造体111の中心に向けて側方からレーザビーム112を照射し、コルゲートシート113の山部又は谷部に当たる位置でコルゲートシート113と平板114とを同時に溶融して溶着孔116を開け、コルゲートシート113と平板114とを溶着させることが示されている。
メタルハニカム担体において、浄化性能を向上させようとした場合、メタルハニカム担体内の排気ガスの流れを乱して触媒成分に排気ガスを接触しやすくする方法が考えられる。
特許文献1においては、貫通部104を開けることにより、排気ガス通路に直交する貫通部104によって排気ガスの流れが乱れやすくなるが、貫通部104内に流入した排気ガスは単に溶融した溶融部106に接触するだけであり、触媒反応に関与せず、浄化性能向上の効果は小さい。
特許文献2においては、コルゲートシート113の山部又は谷部と平板114とに溶着孔116を開けるので、この溶融孔116によって排気ガスの流れが乱される通路は限られ、浄化性能はそれほど向上しない。
本発明の目的は、メタルハニカム担体によって浄化性能を向上させることにある。
本発明の目的は、メタルハニカム担体によって浄化性能を向上させることにある。
請求項1に係る発明は、触媒の活性成分を支持するために、波板と平板とを重ね、あるいは、これらの波板と平板とを多重に巻いて形成されるメタルハニカム担体において、このメタルハニカム担体の側面にレーザビーム等によって波板の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔を開け、波板及び平板を溶融させて溶融粒を形成するとともに、孔によって波板と平板とで形成される複数の排出ガス通路を連通させたことを特徴とする。
作用として、メタルハニカム担体の側面にレーザビーム等によって波板の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔を開けると、波板と平板とで出来る複数の排気ガス通路が孔によって接続され、各排気ガス通路を流れる排気ガスが孔内で衝突したり拡散したりして乱流が発生しやすくなる。更に、溶融粒によってより一層乱流が発生しやすくなる。
請求項1に係る発明では、メタルハニカム担体の側面にレーザビーム等によって波板の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔を開け、波板及び平板を溶融させて溶融粒を形成するとともに、孔によって波板と平板とで形成される複数の排出ガス通路を連通させたので、波板の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔によって複数の排出ガス通路を連通させることで、複数の排出ガス通路の排気ガス流を衝突・拡散させることにより乱流を発生させることができ、更に、メタルハニカム触媒内の排気ガス通路を通過する排気ガスに溶融粒で乱流をより一層発生させやすくすることができ、排気ガスが触媒の活性成分に接触しやすくなり、浄化性能を向上させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るメタルハニカム担体を備えるメタルハニカム触媒の斜視図であり、メタルハニカム触媒10は、例えば、車両用エンジンの排気通路に設けられ、排出ガス中に含まれるCO、HC、NOxを浄化するものであり、ハニカム状に形成されたメタルハニカム担体11と、このメタルハニカム担体11の表面に付着支持された触媒成分(不図示)と、メタルハニカム担体11の外周を覆う筒体13とからなる。
図1は本発明に係るメタルハニカム担体を備えるメタルハニカム触媒の斜視図であり、メタルハニカム触媒10は、例えば、車両用エンジンの排気通路に設けられ、排出ガス中に含まれるCO、HC、NOxを浄化するものであり、ハニカム状に形成されたメタルハニカム担体11と、このメタルハニカム担体11の表面に付着支持された触媒成分(不図示)と、メタルハニカム担体11の外周を覆う筒体13とからなる。
メタルハニカム担体11は、平板15と波板16とを多重に巻いて形成する、あるいは平板15と波板16とを重ねて形成したものであり、筒体13に圧入される前、あるいは圧入された後に、平板15と波板16とのそれぞれの両端面がレーザ溶接で連続的に、あるいは間欠的に接合される。
図中の複数の18は平板15と波板16とのそれぞれの一端面のレーザ溶接時に出来た溶融部であり、平板15と波板16とのそれぞれの他端面にも同様な溶融部が出来ている。これらの溶融部18は、メタルハニカム担体11内の排出ガス通路内に乱流を発生させる部分であり、浄化性能向上に寄与している。
筒体13は、メタルハニカム担体11が圧入された後で、メタルハニカム担体11の外周部の両端面とレーザ溶接で連続的に、あるいは間欠的に接合された部材である。
筒体13は、メタルハニカム担体11が圧入された後で、メタルハニカム担体11の外周部の両端面とレーザ溶接で連続的に、あるいは間欠的に接合された部材である。
上記のメタルハニカム担体11及び筒体13は、長手方向(図の上下方向)に直交するように中心に向けて且つ周方向に間隔を空けて複数の孔21が開けられている。
孔21は、レーザビームにより開けられたものであり、レーザビームで内部に溶融粒が形成されるとともに、メタルハニカム担体11内の複数の排出ガス通路を連通するためのものであり、メタルハニカム担体11の中心近くまで開けてもよいし、裏側に貫通するように開けてもよい。
孔21は、レーザビームにより開けられたものであり、レーザビームで内部に溶融粒が形成されるとともに、メタルハニカム担体11内の複数の排出ガス通路を連通するためのものであり、メタルハニカム担体11の中心近くまで開けてもよいし、裏側に貫通するように開けてもよい。
図2は本発明に係るメタルハニカム担体の孔開け加工を示す作用図である。
メタルハニカム触媒10を把持治具24で把持し、レーザ加工装置25のヘッド26からメタルハニカム触媒10の外周面10aにレーザビーム27を照射し、孔21を開ける。
一つの孔21の加工が終了したら、メタルハニカム担体11を所定角度回転させ、上記と同様にして円周方向の別の箇所に孔21を複数開ける。
メタルハニカム触媒10を把持治具24で把持し、レーザ加工装置25のヘッド26からメタルハニカム触媒10の外周面10aにレーザビーム27を照射し、孔21を開ける。
一つの孔21の加工が終了したら、メタルハニカム担体11を所定角度回転させ、上記と同様にして円周方向の別の箇所に孔21を複数開ける。
図3(a),(b)は本発明に係るメタルハニカム触媒の要部の横断面図である。
(a)はメタルハニカム触媒10に孔21(図2参照)を開ける前の状態を示している。平板15と波板16との間には、複数の排出ガス通路31が形成されている。
(a)はメタルハニカム触媒10に孔21(図2参照)を開ける前の状態を示している。平板15と波板16との間には、複数の排出ガス通路31が形成されている。
ここで、波板16の山16aから山16bまでの波の1周期を波板16の波のピッチPと呼ぶときに、波の1/2Pは、波板16が半径方向外側の平板15aを離れ始める点33から半径方向内側の平板15bを離れ始める点34までを、点33と点34との円周上の距離の中央とメタルハニカム触媒10の中心とを結ぶ直線35に直交する方向に測った際の直線距離である。
(b)は、メタルハニカム触媒10に孔21を開けた後の状態を示している。
孔21が開けられたときに、孔21の縁の平板15及び波板16に溶融粒36が複数形成される。また、各排出ガス通路31は孔21で連通している。
図中のWは孔21におけるメタルハニカム触媒10の長手方向に直交する方向の最小幅である。
孔21が開けられたときに、孔21の縁の平板15及び波板16に溶融粒36が複数形成される。また、各排出ガス通路31は孔21で連通している。
図中のWは孔21におけるメタルハニカム触媒10の長手方向に直交する方向の最小幅である。
以上の(a),(b)において、本発明では、(a)に示した波板16の波の1/2ピッチと、(b)に示した孔21の最小幅Wとの関係を、W>P/2としている。
このように、孔21の最小幅Wを波板16の波の1/2ピッチよりも大きくすることで、メタルハニカム担体11に孔21を開けたときに、孔21によって、メタルハニカム担体11に形成された複数の排出ガス通路31が常に連通するようにしている。
このように、孔21の最小幅Wを波板16の波の1/2ピッチよりも大きくすることで、メタルハニカム担体11に孔21を開けたときに、孔21によって、メタルハニカム担体11に形成された複数の排出ガス通路31が常に連通するようにしている。
図4は本発明に係るメタルハニカム担体の孔の作用を示す作用図であり、メタルハニカム担体11の排出ガス通路31に沿うとともに孔21を横切る断面図で作用を説明する。
排出ガスは、各排出ガス通路31a〜31eを、矢印で示すように上から下に流れるときに、排出ガス通路31b〜31eの孔21の縁に出来た複数の溶融粒36によってそれぞれ乱流が発生し、また、排出ガス通路31b〜31e内に流れていた排出ガスは孔21内で衝突したり拡散したりして、各排出ガス通路31b〜31eの下流に流れていく。
排出ガスは、各排出ガス通路31a〜31eを、矢印で示すように上から下に流れるときに、排出ガス通路31b〜31eの孔21の縁に出来た複数の溶融粒36によってそれぞれ乱流が発生し、また、排出ガス通路31b〜31e内に流れていた排出ガスは孔21内で衝突したり拡散したりして、各排出ガス通路31b〜31eの下流に流れていく。
単に、排出ガスが各排出ガス通路31a〜31eを流れる状態では、メタルハニカム担体11の内面に付着支持された触媒成分38の表面に排出ガスの層が出来て層流となり、一部の排出ガスのみが触媒成分38に接触するに留まるが、本発明では、上記の複数の溶融粒36の存在や各排出ガス通路31b〜31eの連通によって、孔21の下流の排出ガス通路31b〜31eにおいて、触媒成分38の表面の排出ガス層が上記の乱流によって乱され、排出ガスの多くが触媒成分38に接触しやすくなり、排出ガスの浄化を促進させることができる。
以上の図3及び図4に説明したように、本発明は、触媒の活性成分としての触媒成分38を支持するために、波板16と平板15とを重ね、あるいは、これらの波板16と平板15とを多重に巻いて形成されるメタルハニカム担体11において、このメタルハニカム担体11の側面にレーザビーム27(図2参照)等によって波板16の波のP/2よりも内径としての最小幅Wの大きな孔21を開け、波板16及び平板15を溶融させて溶融粒36を形成するとともに、孔21によって波板16と平板15とで形成される複数の排出ガス通路31を連通させたことを特徴とする。
これにより、波板16の波のP/2よりも最小幅Wの大きな孔21によって複数の排出ガス通路31を連通させることで、複数の排出ガス通路31を流れる排気ガスを衝突・拡散させることにより乱流を発生させることができ、更に、メタルハニカム触媒10(図1参照)内の排気ガス通路31を通過する排気ガスに複数の溶融粒36で乱流をより一層発生させやすくすることができ、排気ガスが触媒成分38に接触しやすくなり、浄化性能を向上させることができる。
尚、本実施形態の図2に示した孔21を開けるレーザとしては、半導体レーザが好適である。また、図2で説明したように、メタルハニカム触媒10の外周面10aにレーザビーム27を照射して孔21を開けたが、これに限らず、メタルハニカム触媒10の外周面10aに電子ビームを当てて孔21を開けてもよい。
本発明のメタルハニカム担体は、車両用エンジンの排出ガスの浄化に好適である。
11…メタルハニカム担体、15…平板、16…波板、21…孔、27…レーザビーム、31…排出ガス通路、36…溶融粒、38…触媒の活性成分(触媒成分)、P…波板の波のピッチ、W…孔の内径(孔の最小幅)。
Claims (1)
- 触媒の活性成分を支持するために、波板と平板とを重ね、あるいは、これらの波板と平板とを多重に巻いて形成されるメタルハニカム担体において、
このメタルハニカム担体の側面にレーザビーム等によって前記波板の波の1/2ピッチよりも内径の大きな孔を開け、前記波板及び前記平板を溶融させて溶融粒を形成するとともに、前記孔によって波板と平板とで形成される複数の排出ガス通路を連通させたことを特徴とするメタルハニカム担体。
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JP2007106298A JP2008259996A (ja) | 2007-04-13 | 2007-04-13 | メタルハニカム担体 |
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Cited By (1)
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KR101774498B1 (ko) | 2016-01-15 | 2017-09-05 | 주식회사 동일씨앤이 | 펠릿 촉매 모듈 |
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- 2007-04-13 JP JP2007106298A patent/JP2008259996A/ja active Pending
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