以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技機用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ(演出実行手段(発光手段))16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(演出実行手段(音出力手段))17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(演出実行手段(表示手段))Hを備えた表示装置20が配設されている。可変表示器Hでは、画像表示(又は変動画像)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、複数種類の図柄を変動させて図柄組み合わせを表示する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせ形成する各列の図柄の種類を8種類としている。
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示(確定停止表示)された図柄組み合わせ(表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに確定停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄組み合わせゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器Hに確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄組み合わせゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示(一旦停止表示)されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。
また、表示装置20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉23の開動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
次に、パチンコ機10の制御構成を図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31、表示制御基板(演出制御手段)32、音・ランプ制御基板33が装着されている。
統括制御基板31は、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33に対して制御信号(制御コマンド)を入力し得るように信号線を介して表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33と接続されている。そして、統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、音・ランプ制御基板33を統括的に制御する。表示制御基板32は、統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器Hの表示内容(図柄、背景、文字、キャラクタなどの表示画像)を制御する。音・ランプ制御基板33は、統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。本実施形態のパチンコ機10では、統括制御基板31が演出指示手段となり、表示制御基板32、音・ランプ制御基板33が演出制御手段となる。そして、表示制御基板32、音・ランプ制御基板33は、各種の演出装置(可変表示器H、装飾ランプ16、スピーカ17等の演出実行手段)を専門的に制御する。なお、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33は、交換可能に装着されている。また、パチンコ機10の機裏側には、遊技場の電源(例えば、AC24V)を、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板29が装着されている。
以下、電源基板29、主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33の具体的な構成を図2に基づき説明する。
電源基板29には、遊技場の電源をパチンコ機10への供給電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路29aが設けられている。電源回路29aには、主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33が接続されている。そして、各制御基板30〜33には、電源回路29aから変換後の電圧が供給されるようになっている。また、電源基板29には、リセット信号を出力するリセット信号回路29bが設けられており、リセット信号回路29bは電源回路29aに接続されている。リセット信号を出力するとは、リセット信号の信号レベルをLレベル(ローレベル)からHレベル(ハイレベル)に立ち上げることである。リセット信号回路29bは、各制御基板30〜33に供給される電圧が安定動作電圧に達したことを契機にリセット信号を、予め定めた出力時間T1(例えば、400ms〜1800ms程度)の間、継続出力するようになっている。リセット信号は、各制御基板30〜33に対して起動の開始を指示する信号である。本実施形態では、リセット信号回路29bが起動指示手段として機能する。
主制御基板30には、メインCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。メインCPU30aは、大当り判定に使用される大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムと、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が確定停止表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出のベースとなるパターンを示すものである。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
また、主制御基板30には、リセット入力回路(遅延手段、遅延回路)30dが設けられている。リセット入力回路30dは、電源基板29のリセット信号回路29bに接続されており、該リセット信号回路29bが出力したリセット信号を入力するようになっている。また、リセット入力回路30dは、メインCPU30aと接続されており、リセット信号を入力すると、該リセット信号を予め定めた出力時間T2の間、メインCPU30aに継続出力するようになっている。本実施形態において出力時間T2は、電源基板29のリセット信号回路29bがリセット信号を出力している出力時間T1に所定の遅延時間T3(本実施形態では5秒)を加算した時間に設定されている。そして、メインCPU30aは、リセット信号の信号レベルがHレベルからLレベルになると、起動を開始するようになっている。即ち、メインCPU30aは、リセット信号の信号レベルがHレベルとなっている間、動作(制御処理)の実行が規制されるようになっている。
そして、主制御基板30のメインCPU30aは、電源投入後、起動を開始すると、ROM30bに記憶されたメイン制御プログラムに基づき、各種処理を実行する。起動開始後、最初にメインCPU30aは、初期設定を行う。すなわち、メインCPU30aは、RAM30cの記憶内容をクリアして、初期値を設定する。本実施形態において、メインCPU30aによる主制御基板30の初期設定が完了するまでにかかる時間は、時間T2(時間T1+遅延時間T3)を含めて電源投入時から6秒である。そして、メインCPU30aは、初期設定の終了後、通常処理に移行する。具体的には、メインCPU30aは、所定の周期毎(例えば、4ms毎)にタイマ割込み処理(図示しない)を実行する。
そして、メインCPU30aは、通常処理に移行した後、始動入賞口22に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、RAM30cに記憶(設定)されている始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)が予め定められた上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。この判定結果が肯定(上限数未満である)の場合、メインCPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、書き換える。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数の値をRAM30cから読み出し、RAM30cの所定の格納領域に順次格納(記憶)する。保留記憶数は、保留中の図柄組み合わせゲームの回数を示すものである。なお、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの開始時に保留記憶数を1減算(−1)し、書き換える。
また、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM30cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定(大当り判定)する。そして、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU30aは、大当り図柄と大当り演出用の変動パターンを決定する。大当り図柄は、最終的に確定停止表示される大当りの図柄組み合わせを形成する図柄である。また、大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。
一方、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれ(リーチはずれも含む)を決定する。はずれを決定したメインCPU30aは、はずれ図柄とはずれ演出(はずれリーチ演出も含む)用の変動パターンを決定する。はずれ図柄は、最終的に確定停止表示されるはずれの図柄組み合わせを形成する図柄である。また、はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。
図柄及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄組み合わせゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各列の図柄を指示する図柄指定コマンドを出力する。その後、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、各列の図柄の停止(確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。なお、本実施形態おいて、主制御基板30(メインCPU30a)と統括制御基板31(統括CPU31a)は、不正防止のため、統括CPU31aからメインCPU30aへのコマンド(信号)入力が制限され、メインCPU30aから統括CPU31aへのコマンドのみが許可されるように構成されている。
また、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの終了後(全図柄停止コマンドの出力後)、保留記憶数が「0(零)」であるか否かを判定する。そして、メインCPU30aは、保留記憶数が「0(零)」でない場合(保留記憶数>0)、当該保留記憶数に基づき、次の図柄組み合わせゲームを開始させる。一方、メインCPU30aは、保留記憶数が「0(零)」の場合、待機状態に移行させる。待機状態とは、図柄組み合わせゲームが変動停止となった状態(図柄組み合わせゲームが行われていない状態)である。パチンコ機10において待機状態は、遊技者が遊技球を発射させて遊技を行っている時に遊技球が始動入賞口22に入賞せずに発生する場合と、遊技者が遊技を行っていなくて発生する場合とがある。そして、メインCPU30aは、待機状態に移行させる場合、当該待機状態の開始(待機期間の開始)を指示するコマンド(以下、「デモコマンドI」と示す)を統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。この待機状態は、予め定めた終了条件が成立する迄の間、継続される。本実施形態において待機状態の終了条件は、始動入賞口22に遊技球が入賞すること、すなわち、図柄組み合わせゲームが開始することとしている。
待機状態中は、待機演出又はデモンストレーション演出(以下、「デモ演出」という)が実行されるようになっている。そして、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲームの終了後の保留記憶数が「0(零)」の場合に、デモコマンドIの出力によって待機状態の開始を指示し、待機状態中は統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33により待機演出又はデモ演出の実行制御が行われる。デモコマンドIは、メインCPU30aにより、図柄組み合わせゲームの終了後の保留記憶数が「0(零)」の場合に当該ゲームの終了直後に1回のみ出力される。
本実施形態における待機演出とデモ演出は、その演出内容が異なっている。具体的に言えば、待機演出は、図柄組み合わせゲームの終了時に可変表示器Hに確定停止表示された演出画像要素(図柄や背景画像など)を所定の動作パターンで動作させる演出内容であり、表示演出で行われるようになっている。また、待機演出実行中に、表示演出に対応した装飾ランプ16による発光演出や、スピーカ17による音声演出が実行される場合もある。待機演出では、図柄組み合わせゲームの終了時に確定停止表示された図柄の種類や表示位置を代えることなく、例えば、図柄がキャラクタ図柄である場合には当該キャラクタの表情を変化させるなどの内容で実行される。
また、本実施形態においてデモ演出は、可変表示器Hにパチンコ機10の機種名と当該パチンコ機10を製造販売したメーカ名が表示される演出内容である。これらの待機演出及びデモ演出は、遊技者の興味を惹き付けたり、宣伝したりするなどの目的で行われる。なお、本実施形態においてデモ演出は、1回につき10秒間行われるようになっており、待機演出の後に実行されるように構成されている。
次に、統括制御基板31について図2にしたがって説明する。
統括制御基板31は、統括CPU31aと、ROM31bと、RAM31cとが設けられている。ROM31bには、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
また、統括制御基板31には、リセット入力回路31dが設けられている。リセット入力回路31dは、電源基板29のリセット信号回路29bに接続されており、該リセット信号回路29bが出力したリセット信号を入力するようになっている。このリセット入力回路31dは、統括CPU31aに接続されており、リセット信号を入力すると、該リセット信号を予め定めた出力時間T1の間、統括CPU31aに継続出力するようになっている。統括CPU31aは、リセット信号の信号レベルがHレベルとなっている間、動作(制御処理)の実行が規制され、信号レベルがLレベルになると、起動を開始する。本実施形態では、リセット入力回路31dにおけるリセット信号の出力時間T1が、主制御基板30のリセット入力回路30dにおけるリセット信号の出力時間T2(出力時間T1+遅延時間T3)よりも短く設定されている。このため、統括CPU31aは、メインCPU30aよりも遅延時間T3の分だけ早く起動を開始することとなる。
そして、統括制御基板31の統括CPU31aは、起動を開始すると、初期設定を行う。この初期設定において、統括CPU31aは、RAM31cの記憶内容の初期化などの処理を行う。なお、統括CPU31aが実行する初期設定にかかる時間は、主制御基板30のリセット入力回路30dが作り出す所定の遅延時間T3以下である。つまり、所定の遅延時間T3は、統括CPU31aが実行する初期設定にかかる時間以上に設定されている。
そして、統括CPU31aは、初期設定終了後、通常処理に移行する。統括CPU31aは、通常処理に移行した後、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、これらの各種コマンドを各制御基板32,33に出力する。なお、統括制御基板31は、入力した変動パターン指定コマンドに応じて遊技演出の内容を細かく指定する演出内容指定コマンドを出力して遊技演出の演出内容を多彩にすると共に、主制御基板30の負担軽減させるために設けられている。また、統括制御基板31は、可変表示器Hの表示内容と、装飾ランプ16の発光態様、スピーカ17の音声出力内容を対応させる(同期させる)ために設けられている。
また、統括CPU31aは、メインCPU30aからデモコマンドIを入力すると、待機状態を開始させるとともに待機演出及びデモ演出を実行させるための制御を開始する。待機状態を開始させた統括CPU31aは、メインCPU30aからデモコマンドIを入力したことを契機に待機演出の実行を指示するデモコマンド(以下、「デモコマンドa」と示す)を作成する。そして、統括CPU31aは、当該デモコマンドaを表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33に所定の出力間隔(本実施形態では、10秒間隔)で複数回(本実施形態では6回)出力する。従って、本実施形態のデモコマンドaは、待機演出制御コマンドとして機能する。
また、統括CPU31aは、デモコマンドaを所定の出力間隔で複数回出力し終える毎に、デモ演出の実行を指示するデモ演出実行制御コマンドとしてのデモコマンド(以下、「デモコマンドb」と示す)を表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33に出力する。本実施形態では、デモコマンドaを10秒間隔で6回出力し終えた後、デモコマンドbを出力するように設定されている。すなわち、統括CPU31aは、1分経過しても、待機状態の終了条件が成立しなかった場合(変動パターン指定コマンドを入力しなかった場合)、デモコマンドbを出力する。その後(本実施形態ではデモコマンドbの出力の10秒後)、統括CPU31aは、デモコマンドaを所定の出力間隔で複数回出力する。以降同様にして、統括CPU31aは、待機状態が継続している間(変動パターン指定コマンドを入力する迄の間)、デモコマンドa及びデモコマンドbを表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33に繰り返し出力する。
次に、表示制御基板32と音・ランプ制御基板33の構成を説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aと、ROM32bと、RAM32cとが設けられている。サブCPU32aには、ROM32bと、RAM32cとが接続されている。ROM32bには、表示演出を制御するための表示演出制御プログラムや各種画像情報などが記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各種制御フラグ、各種タイマの値など)が記憶(設定)されるようになっている。
また、表示制御基板32には、リセット入力回路32dが設けられている。リセット入力回路32dは、電源基板29のリセット信号回路29bに接続されており、該リセット信号回路29bが出力したリセット信号を入力するようになっている。また、リセット入力回路32dは、サブCPU32aに接続されており、リセット信号を入力すると、統括制御基板31のリセット入力回路31dと同様にリセット信号を予め定めた出力時間T1の間、サブCPU32aに継続出力するようになっている。従って、サブCPU32aは、メインCPU30aよりも遅延時間T3の分だけ早く起動を開始することとなる。そして、表示制御基板32のサブCPU32aは、起動を開始すると、初期設定を行う。より詳しくは、サブCPU32aは、RAM32cの記憶内容の初期化等を行う。なお、サブCPU32aが実行する表示制御基板32の初期設定にかかる時間は、可変表示器Hの初期設定にかかる時間と密接に関係しており、可変表示器Hの初期設定にかかる時間が長ければ、表示制御基板32の初期設定にかかる時間も長くなるようになっている。すなわち、可変表示器Hが高画質であり、可変表示器Hの初期設定にかかる時間が長ければ、表示制御基板32の初期設定にかかる時間も長くなるようになっている。本実施形態において、表示制御基板32の初期設定にかかる時間は、主制御基板30のリセット入力回路30dが作り出す所定の遅延時間T3以上である。具体的には、高画質の液晶を可変表示器Hに使用するため、表示制御基板32の初期設定は、電源投入開始から22秒かかる。この22秒は、規格上の理論値であり、実際は表示制御基板32の個体差により22秒前後の時間がかかる。
そして、サブCPU32aは、初期設定終了後、通常処理に移行する。この通常処理において、サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示演出制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンに基づき、図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器Hに表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。この制御により、可変表示器Hでは図柄組み合わせゲームが行われる。
また、サブCPU32aは、デモコマンドを入力すると、待機演出又はデモ演出用の表示画像を画像表示させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。具体的に言えば、サブCPU32aは、デモコマンドaを入力すると、待機演出(演出画像要素を動作させる演出)に対応する表示画像を表示させる。また、サブCPU32aは、デモコマンドbを入力すると、デモ演出(機種名、メーカ名を表示する演出)に対応する表示画像を表示させる。
本実施形態においてサブCPU32aは、デモコマンドaを入力すると、可変表示器Hの表示内容を待機演出に対応する表示画像に切り換え、デモコマンドbを入力する迄の間、待機演出を実行させる。すなわち、サブCPU32aは、統括制御基板31から繰り返し出力されるデモコマンドa又はデモコマンドbを入力することを契機に、待機演出とデモ演出とを繰り返し実行させる。この制御により、本実施形態のパチンコ機10では、待機状態の終了条件が成立する迄の間(図柄組み合わせゲームの変動停止の状態が継続している間)、待機演出とデモ演出とが繰り返し実行されるようになっている。そして、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、実行中の待機演出又はデモ演出を終了させ、図柄組み合わせゲームを実行させる。
音・ランプ制御基板33には、サブCPU33aと、ROM33bと、RAM33cとが設けられている。サブCPU33aには、ROM33bと、RAM33cとが接続されている。ROM33bには、音声演出と発光演出を制御するための音・発光演出制御プログラムが記憶されている。また、RAM33cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各種制御フラグ、各種タイマの値など)が記憶(設定)されるようになっている。
また、音・ランプ制御基板33には、リセット入力回路33dが設けられている。リセット入力回路33dは、電源基板29のリセット信号回路29bに接続されており、該リセット信号回路29bが出力したリセット信号を入力するようになっている。また、リセット入力回路33dは、サブCPU33aに接続されており、リセット信号を入力すると、統括制御基板31のリセット入力回路31dと同様にリセット信号を予め定めた出力時間T1の間、サブCPU33aに継続出力するようになっている。従って、サブCPU32aは、メインCPU30aよりも遅延時間T3の分だけ早く起動を開始することとなる。そして、音・ランプ制御基板33のサブCPU33aは、起動を開始すると、初期設定を行う。具体的には、サブCPU33aは、RAM33cの記憶内容の初期化等を行う。なお、サブCPU33aが実行する初期設定にかかる時間は、主制御基板30のリセット入力回路30dが作り出す所定の遅延時間T3以下である。つまり、所定の遅延時間T3は、サブCPU33aが実行する初期設定にかかる時間以上に設定されている。また、音・ランプ制御基板33において初期設定にかかる時間は、統括制御基板31、表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33の中で一番短くなっている。
そして、サブCPU33aは、初期設定終了後、通常処理に移行する。この通常処理において、サブCPU33aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、音・発光演出制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU33aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンに基づき、表示演出に応じて装飾ランプ16の発光態様及びスピーカ17からの音声出力態様を制御する。これにより、図柄組み合わせゲームに応じて、装飾ランプ16が発光し、また、スピーカ17から音声出力が行われる。
また、サブCPU33aは、デモコマンドを入力すると、装飾ランプ16の発光態様及びスピーカ17からの音声出力態様を待機演出又はデモ演出用に制御する。具体的に言えば、サブCPU33aは、デモコマンドaを入力すると、待機演出に対応する発光態様で装飾ランプ16を発光させ、スピーカ17の音声出力を消音状態にさせる。また、サブCPU33aは、デモコマンドbを入力すると、デモ演出(機種名、メーカ名を表示する演出)に対応する発光態様で装飾ランプ16を発光させ、スピーカ17にデモ演出に対応する機種名・メーカ名等を音声出力させる。
本実施形態においてサブCPU33aは、サブCPU32aと同様に、統括制御基板31から繰り返し出力されるデモコマンドa又はデモコマンドbを入力することを契機に、待機演出とデモ演出とを繰り返し実行させる。そして、サブCPU33aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、実行中の待機演出又はデモ演出を終了させ、図柄組み合わせゲームを実行させる。
そして、本実施形態において、メインCPU30aは、電源投入後、初期設定が完了すると、統括制御基板31(統括CPU31a)にデモコマンドIを出力し、可変表示器Hに待機演出を実行させるようになっている。以下、初期設定完了時において、待機演出を実行させるための処理について説明する。なお、音・ランプ制御基板33(サブCPU33a)は、表示制御基板32(サブCPU32a)と同様の制御を行うので、以下では音・ランプ制御基板33に関する説明を省略する。
メインCPU30aは、電源投入後、初期設定が完了すると、統括制御基板31(統括CPU31a)にデモコマンドIを出力する。具体的には、メインCPU30aは、電源投入後からリセット入力回路30dによるリセット信号の出力時間T2経過後、初期設定を開始し、その初期設定が終了した後、デモコマンドIを出力する。
そして、統括CPU31aは、初期設定終了後、最初のデモコマンドIを入力すると、統括制御プログラムに基づき、所定の出力間隔で複数回デモコマンドaを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する。
より詳しくは、統括CPU31aは、表示制御基板32(サブCPU32a)に対して、サブCPU32aによる表示制御基板32の初期設定が完了する前から完了後に亘ってデモコマンドaを所定の出力間隔で複数回出力するように出力する。前記出力間隔は、統括CPU31aが最初のデモコマンドaを出力する時からサブCPU32aの規格上の初期設定が完了する時までの差分時間以下の間隔であり、かつ、出力回数との積が前記差分時間を超えるように設定されている。具体的には、統括CPU31aが最初のデモコマンドaを出力する時は、電源投入から6秒後(主制御基板30及び統括制御基板31の規格上の初期設定完了時)であり、サブCPU32aの規格上の初期設定が完了する時は、電源投入から22秒後であるので、その差分時間は、16秒である。このため、出力間隔は16秒以下で、出力回数は2回以上にする必要がある。また、本実施形態では、確実にデモコマンドaを入力するため、規格上の初期設定完了後に2回以上デモコマンドaが出力されるように出力回数を設定している。そこで、本実施形態では、出力間隔を10秒にし、出力回数を6回としている。
なお、統括CPU31aは、リセット入力回路31dにより、メインCPU30aよりも所定の遅延時間T3だけ早く初期設定を行い、時間T3内で初期設定を終了するので、電源投入後、メインCPU30aの初期設定が完了したときは、通常処理に移行しており、正常にデモコマンドIを入力することとなる。また、統括CPU31aは、デモコマンドaを10秒間隔で6回出力し終える毎に、デモコマンドbを出力するようになっている。
そして、サブCPU32aは、電源投入後、表示制御基板32の初期設定が完了した後に、デモコマンドaを入力すると、所定の図柄組み合わせ(例えば、[123])を表示させ、待機演出を可変表示器Hに実行させるように制御する。
次に、以上のように示した統括CPU31aによる待機状態(及び初期化処理完了後)における待機処理の流れを図3のフローチャートに基づき具体的に説明する。なお、待機処理は、待機状態中(及び初期化処理完了後)、2ms毎に実行される。
統括CPU31aは、メインCPU30aからデモコマンドIを入力すると(すなわち、待機状態が開始されると又は初期化処理が完了すると)、RAM31cに記憶されているデモタイマを参照し、デモタイマの値を1減算する(ステップ1)。前記デモタイマは、デモコマンドa又はデモコマンドbを出力する出力間隔を計測するためのものである。なお、待機状態開始時又は初期化処理完了時において、デモタイマの値は0に設定されている。
次に、統括CPU31aは、デモタイマの値が0以下であるか否かを判定する(ステップ2)。ステップS2の判定結果が肯定の場合(デモタイマが0以下である場合)、統括CPU31aは、RAM31cに記憶されているデモカウンタの値を更新する(ステップ3)。前記デモカウンタは、デモコマンドaの出力回数を計測するためのものである。具体的には、統括CPU31aは、デモカウンタの値を1加算し、加算後のデモカウンタの値が7である場合には、デモカウンタの値を0に設定し、加算後のデモカウンタの値が7以外である場合には、加算後のデモカウンタの値をデモカウンタの値として設定するようにデモカウンタの値を更新する。なお、待機状態開始時又は初期化処理完了時において、デモカウンタの値は0に設定されている。
次に、統括CPU31aは、デモカウンタの値が0以下であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4の判定結果が肯定の場合(デモカウンタが0以下の場合)、統括CPU31aは、デモコマンドaを表示制御基板32に出力する(ステップS5)。そして、統括CPU31aは、デモタイマの値として5000を設定する(統括CPU31aは、2ms毎にこの待機処理を実行するので、10秒(10000ms)に相当する値をデモタイマに設定する)ようにRAM31cを書き換え(ステップS6)、待機処理を終了する。
一方、ステップS4の判定結果が否定の場合(デモカウンタが0以下でない場合)、統括CPU31aは、デモコマンドbを表示制御基板32に出力する(ステップS7)。そして、統括CPU31aは、デモタイマの値として5000を設定する(統括CPU31aは、2ms毎にこの処理を実行するので、10秒(10000ms)に相当する値をデモタイマに設定する)ようにRAM31cを書き換え(ステップS8)、待機処理を終了する。
また、ステップS2の判定結果が否定の場合(デモコマンドが0以下でない場合)、統括CPU31aは、そのまま待機処理を終了する。
次に、表示制御基板32の初期設定完了時に個体差が生じる場合、どのように最初の待機演出が実行されるかについて説明する。なお、主制御基板30及び統括制御基板31の実際の初期設定完了時は、規格上の初期設定完了時と誤差が生じる場合もある。しかしながら、主制御基板30及び統括制御基板31の規格上の初期設定完了時間は、表示制御基板32に比べて十分早いため、多少の誤差が生じた場合でも、表示制御基板32の初期設定完了前には初期設定が完了されるので、特に不都合は生じることはない。よって、以下の説明では、主制御基板30及び統括制御基板31の初期設定は規格上の初期設定完了時に完了するものとして説明する。
まず、表示制御基板32の規格上の初期設定完了時と、実際の初期設定完了時が同じであった場合について、図4に基づき説明する。
メインCPU30aは、電源投入後、6秒後(主制御基板30の初期設定完了時)に、統括制御基板31(統括CPU31a)にデモコマンドIを出力する(時点A1)。統括CPU31aは、最初のデモコマンドIを入力すると、所定の出力間隔(10秒間隔)で複数回(6回)デモコマンドaを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する(時点A1〜時点A6)。すなわち、統括CPU31aは、電源投入から6秒後から、デモコマンドaを所定の出力間隔(10秒間隔)で複数回(6回)デモコマンドaを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する(時点A1〜時点A6)。
そして、サブCPU32aによる初期設定完了時は、前提により規格上の初期設定完了時と同じ(すなわち、22秒である)ので、サブCPU32aは、3回目に出力されたデモコマンドaを入力し、待機演出を実行させる(時点A3)。すなわち、待機演出は、電源投入時から26秒後に実行されることとなる。
ここで、従来技術のように、デモコマンドaを主制御基板30及び統括制御基板31の初期設定完了時から30秒毎に出力した場合(すなわち、初期設定完了前から初期設定完了後に亘ってデモコマンドaを出力しない場合)、電源投入時から36秒後に待機演出が実行されることとなる。すなわち、本実施形態と比較して、10秒間遅れて待機演出が実行されることとなる。
次に、表示制御基板32の実際の初期設定完了時が、規格上の初期設定完了時より早い場合(具体的には、実際の初期設定完了時が電源投入時から16秒である場合)について、図5に基づき説明する。
統括CPU31aは、前述同様(図4)、電源投入から6秒後から、デモコマンドaを所定の出力間隔(10秒間隔)で複数回(6回)デモコマンドaを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する(時点A1〜時点A6)。
そして、サブCPU32aによる初期設定完了時は、前提により規格上の初期設定完了時より早い(すなわち、16秒である)ので、サブCPU32aは、2回目に出力されたデモコマンドaを入力し、待機演出を実行させる(時点A2)。すなわち、待機演出は、電源投入時から16秒後に実行されることとなる。
ここで、従来技術のように、デモコマンドaを主制御基板30及び統括制御基板31の初期設定完了時から30秒毎に出力する場合、サブCPU32aが規格上の初期設定よりも早く完了したにもかかわらず電源投入時から36秒後に待機演出が実行されることとなる。すなわち、本実施形態と比較して、20秒間遅れて待機演出が実行されることとなる。また、デモコマンドaを規格上の初期設定完了時に出力する場合、電源投入時から22秒後に待機演出が実行されることとなる。すなわち、本実施形態と比較して、6秒間遅れて待機演出が実行されることとなる。
次に、表示制御基板32の実際の初期設定完了時が、規格上の初期設定完了時より遅い場合(具体的には、実際の初期設定完了時が電源投入時から26秒である場合)について、図6に基づき説明する。
統括CPU31aは、前述同様(図4)、電源投入から6秒後から、デモコマンドaを所定の出力間隔(10秒)で複数回(6回)デモコマンドaを表示制御基板32(サブCPU32a)に出力する(時点A1〜時点A6)。
そして、サブCPU32aによる初期設定完了時は、前提により規格上の初期設定完了時より遅い(すなわち、26秒である)ので、サブCPU32aは、3回目に出力されたデモコマンドaを入力し、待機演出を実行させる(時点A3)。すなわち、待機演出は、電源投入時から初期設定完了時(26秒後)に実行されることとなる。
ここで、従来技術のように、デモコマンドaを主制御基板30及び統括制御基板31の初期設定完了時から30秒毎に出力する場合、電源投入時から36秒後に待機演出が実行されることとなる。すなわち、本実施形態と比較して、10秒間遅れて待機演出が実行されることとなる。また、デモコマンドaを規格上の初期設定完了時に出力する場合、規格上の初期設定完了時においては、表示制御基板32の初期設定が完了していないので、デモコマンドaの入力を失敗し、待機演出が行われないこととなる。
以上のように、本実施形態では、表示制御基板32の初期設定完了前から完了後に亘ってデモコマンドaが出力されるように統括制御基板31から表示制御基板32へのデモコマンドaの出力間隔が設定されている。このため、規格上の初期設定完了時にデモコマンドaを出力する場合と比較して、サブCPU32aの初期設定完了時間がずれても確実にデモコマンドaを入力することができる。また、出力間隔を、統括CPU31aが最初のデモコマンドaを出力する時からサブCPU32aの初期設定が完了する時までの差分時間以下の間隔であり、かつ、出力回数との積が前記差分時間を超えるように設定した。このため、実際の初期設定完了時が早まった場合、このような出力間隔でデモコマンドaを出力しない場合と比較して、初期設定完了時に近い時間に待機演出を実行させることができる。また、実際の初期設定完了時が遅くなった場合、このような出力間隔でデモコマンドaを出力しない場合と比較して、実際の初期設定完了時に近い時間に待機演出を実行させることができる。また、規格上の初期設定完了後において複数回出力するようにしているので、デモコマンドaを表示制御基板32に確実に入力させることができる。
また、デモコマンドaの出力間隔をデモコマンドbよりも間隔を短くし、出力間隔が短いデモコマンドaを統括制御基板31の初期設定終了後に複数回出力している。このため、表示制御基板32及び可変表示器Hの機種が変更されて、規格上の初期設定完了時が変更されても、変更された機種における規格上の初期設定完了時又はそれに近い時間にデモコマンドaを入力して、待機演出を実行させることができる。すなわち、統括制御基板31は、パチンコ機10の機種毎に仕様変更される表示制御基板32及び可変表示器Hの構成に依存されることなくデモコマンドaの出力制御(待機処理)が共通化されている。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括制御基板31(統括CPU31a)は、デモコマンドaをサブCPU32aによる表示制御基板32の初期設定完了前から初期設定完了後に亘って、所定の出力間隔で複数回出力するようになっている。このため、サブCPU32aによる初期設定完了直後に出力されたデモコマンドaを入力することで待機演出を実行し、遊技者に対してパチンコ機10が起動した(遊技できる)ことを確実に知らせることができる。また、デモコマンドaの出力間隔は、統括CPU31aが最初のデモコマンドaを出力する時からサブCPU32aによる初期設定が完了する時までの差分時間以下の間隔であり、かつ、出力回数との積が前記差分時間を超えるように設定されている。このため、同種の表示制御基板32において、初期設定の完了時間に個体差が生じ、初期設定の完了時間が早まったり、或いは遅くなったりしても、個体差に応じてデモコマンドaを入力することができる。すなわち、実際の初期設定の完了時間に個体差が生じても実際の初期設定完了時又はそれに近い時間に待機演出を実行させることができる。
(2)統括制御基板31(統括CPU31a)は、表示制御基板32の初期設定完了後に2回以上のデモコマンドaを出力する。このため、表示制御基板32の初期設定完了後に最初に出力したデモコマンドaの入力が失敗した場合でも、確実にデモコマンドaを表示制御基板32(サブCPU32a)に入力させることができる。
(3)統括制御基板31(統括CPU31a)は、デモコマンドaを所定の出力間隔で複数回出力した後、デモコマンドbを出力する。サブCPU32aは、該デモコマンドbを入力することで、図柄組み合わせゲームの変動停止の状態が継続したとき、待機演出とは別のデモ演出を実行させるように可変表示器Hを制御する。このため、初期設定完了後図柄組み合わせゲームが継続して行われていない場合、デモ演出を所定間隔毎に行わせることができる。このため、可変表示器Hの焼き付きを防止できる。また、デモコマンドbの出力間隔は、デモコマンドaの出力間隔と出力回数との積に対応する間隔である。詳しくは、統括CPU31aは、6回目のデモコマンドaを出力後、更に所定間隔が経過したときにデモコマンドbを出力する。このため、デモ演出を所定間隔毎に実行させるとき、当該デモ演出の実行契機を指示するデモコマンドbの出力タイミングを計測するための新たな計測用のカウンタなどを設ける必要がなく、また、表示制御基板32(サブCPU32a)の制御プログラムを開発する際の手間を軽減することができる。
(4)デモ演出は、図柄組み合わせゲームが行われていない状態で、パチンコ機10の製造メーカ名及び遊技機の機種タイトルのうち少なくともいずれか一方を示す宣伝用文字列を表示する演出である。これにより、遊技者に対して、パチンコ機10の製造メーカ又はパチンコ機10の宣伝を行うことができる。
(5)実際の初期設定完了時又はそれに近い時間に待機演出が実行させることができるので、実際の初期設定完了時から長時間待機演出が実行されないパチンコ機10に比べて遊技者に遊技ができることを早く認識させることができる。また、それに伴い、パチンコ機10の稼動が向上するので、遊技店にとって稼動低下による売り上げ減少を防ぐことができる。また、遅くても規格上の初期設定完了時に近い時間に待機演出が実行されるので、遊技店側に、故障又は電源が投入されていないのではないかという疑問を抱かせることが少なくなる。
(6)待機演出は、図柄組み合わせゲームの終了時に演出実行手段に確定停止表示された演出画像要素の種類や表示位置を代えることなく、所定の動作パターンで動作させる演出である。このため、遊技者を惹きつけ、パチンコ機10が正常に動作していることを示すことができる。
(7)また、デモコマンドaの出力間隔をデモコマンドbよりも間隔を短くし、出力間隔が短いデモコマンドaを統括制御基板31の初期設定終了後に複数回出力している。このため、表示制御基板32及び可変表示器Hの機種が変更されて、規格上の初期設定完了時が変更されても、変更された機種における規格上の初期設定完了時又はそれに近い時間にデモコマンドaを入力して、待機演出を実行させることができる。従って、統括制御基板31を表示制御基板32ごとに変更することなく、統括制御基板31を共通化することができる。
(8)予め決められた出力間隔で複数回デモコマンドaを出力するので、表示制御基板32の種類が変更し、規格上の初期設定完了時が変更しても、規格上の初期設定完了時に近い時間に待機演出を実行させることができる。また、デモコマンドaを複数回出力するので、機種にかかわらず確実に待機演出を実行させることができる。このように、機種毎に仕様変更される表示制御基板32及び可変表示器Hの構成に依存されることなくデモコマンドaの出力制御が共通化されているので、機種を変更しても、統括制御手段の制御プログラムを変更することなく、規格上の初期設定完了時又はその近くの時間に、待機演出を確実に実行させることができる。従って、初期設定完了時間が異なる表示制御基板32に対して、共通の統括制御基板31を使用することができる。
(9)統括制御基板31(統括CPU31a)は、デモコマンドbを出力するまでの所定期間内に、デモコマンドaを複数回出力するようになっている。このため、サブCPU32aによる初期設定終了直後に出力されたデモコマンドaを入力することで待機演出を実行し、遊技者に対してパチンコ機10が起動した(遊技できる)ことを確実に知らせることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態では、デモコマンドaの出力間隔及び出力回数を、規格上の理論値を基準として決定していたが、実験値に基づいて決定しても良い。
○上記実施形態では、待機演出とデモ演出を実行させていたがどちらか一方でも良い。
○上記実施形態では、表示制御基板32の規格上の初期設定完了後、統括CPU31aは、デモコマンドaを複数回出力していたが、少なくとも1回出力するようにすれば、任意に変更しても良い。
○上記実施形態では、サブCPU32aは、デモコマンドaを入力すると待機演出を実行させていたが、デモ演出を実行させても良い。
○上記実施形態では、統括制御基板31と音・ランプ制御基板33を別の基板で構成したが、1つの基板で構成しても良い。
○上記実施形態において、図7に示すように、統括制御基板31を省略して、主制御基板30と表示制御基板32及び音・ランプ制御基板33とを接続しても良い。この場合、主制御基板30が統括制御基板31の処理を実行することとなる。具体的には、主制御基板30のメインCPU30aが、待機処理を実行し、デモコマンドaを所定の出力間隔で複数回出力するなどの処理を実行することとなる。そして、この場合、主制御基板30が演出指示手段として機能する。
○上記実施形態において、統括制御基板31から表示制御基板32へのデモコマンドaの出力間隔は、統括CPU31aが最初のデモコマンドaを出力する時からサブCPU32aの初期設定が完了する時までの差分時間以下の間隔であり、かつ、出力回数との積が前記差分時間を超えるならば、任意に変更しても良い。例えば、デモコマンドaを5秒間隔で12回出力するようにしても良い。なお、出力間隔を短くすればするほど、待機演出を規格上の初期設定完了時に近い時間に実行することができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームに係る遊技演出を実行する演出実行手段と、少なくとも電源供給が開始されて初期設定が完了したとき、待機演出を実行させるように前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、前記待機演出の実行契機を指示する待機演出実行制御コマンドを前記演出制御手段に出力する演出指示手段を備え、前記演出指示手段は、電源供給が開始されて前記演出指示手段の初期設定が完了した後、前記演出制御手段の初期設定完了前から初期設定完了後に亘って、前記演出制御手段に対して前記待機演出実行制御コマンドを所定の出力間隔で複数回出力し、前記待機演出実行制御コマンドの出力間隔は、前記演出指示手段が最初の待機演出実行制御コマンドを出力する時から前記演出制御手段の初期設定が完了する時までの差分時間以下の間隔であり、かつ、出力回数との積が前記差分時間を超えるように設定されていることを特徴とする遊技機。
(ロ)前記演出指示手段は、演出制御手段の初期設定完了後に2回以上の前記待機演出実行制御コマンドを出力することを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(ハ)前記演出制御手段は、前記図柄変動ゲームの変動停止の状態が継続したとき、前記待機演出とは別のデモンストレーション演出を実行させるように前記演出実行手段を制御するように構成されており、前記演出指示手段は、前記デモンストレーション演出の実行契機を指示するデモ演出実行制御コマンドを所定の出力間隔で前記演出制御手段に出力するように構成されており、前記デモ演出実行制御コマンドの出力間隔は、前記待機演出実行制御コマンドの出力間隔と出力回数との積に対応する間隔であることを特徴とする技術的思想(イ)又は(ハ)に記載の遊技機。
(ニ)前記デモ演出は、図柄変動ゲームが行われていない状態で、遊技機の製造メーカ名及び遊技機の機種タイトルのうち少なくともいずれか一方を示す宣伝用文字列を表示する演出であることを特徴とする技術的思想(ハ)に記載の遊技機。
(ホ)前記待機演出は、図柄変動ゲームの終了時に演出実行手段に確定停止表示された図柄を図柄の種類や表示位置を代えることなく、所定の動作パターンで動作させる演出であることを特徴とする技術的思想(イ)〜(ハ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ヘ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームに係る遊技演出を実行する演出実行手段と、待機演出の実行契機を指示する待機演出実行制御コマンドの入力を契機として前記待機演出を実行させると共に、該待機演出とは別のデモンストレーション演出の実行契機を指示するデモ演出実行制御コマンドの入力を契機として前記デモンストレーション演出を実行させるように前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、少なくとも電源供給が開始されて初期設定が完了した場合に前記待機演出実行制御コマンドを出力すると共に、前記待機演出が所定期間継続された場合に前記デモ演出実行制御コマンドを出力する演出指示手段と、を備え、前記演出指示手段は、前記待機演出実行制御コマンドを前記所定期間内に複数回出力することを特徴とする遊技機。
(ト)前記演出指示手段は、前記所定期間を等分する間隔で前記待機演出実行制御コマンドを複数回出力することを特徴とする技術的思想(ヘ)に記載の遊技機。
10…パチンコ遊技機(遊技機)、20…表示装置、30…主制御基板(演出指示手段)、30a…メインCPU、31…統括制御基板(演出指示手段)、31a…統括CPU、32…表示制御基板(演出制御手段)、32a…サブCPU、H…可変表示器(演出実行手段)。