JP2008258922A - 画像処理装置、画像読取装置、制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像読取装置、制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】金属光沢原稿から読み取られた画像データについて金属光沢を正確に反映する。
【解決手段】画像読取装置200において、ベタ画像が形成されている第1および第2基準チャート131・132と金属光沢原稿130とを原稿載置面150上にて主走査方向に沿って並べる。そして、画像読取装置200の制御部180は、金属光沢原稿130と第1および第2基準チャート131・132とに対向させながら原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット140を移動させた場合に得られる金属光沢原稿130の画像データと第1および第2基準チャート131・132の画像データとを入力すると、この入力した第1および第2基準チャート131・132の画像データに基づいて、この入力した金属光沢原稿130の画像データを補正する。
【選択図】図4

Description

本発明は、原稿台上に載置されている原稿から画像データを読み取る方式の画像読取装置、この画像読取装置において読み取られた画像データを処理する画像処理装置に関するものである。
従来から知られているスキャナ(画像読取装置)は、原稿を露光することによって生じる原稿からの反射光を光電変換素子に導き、この反射光に基づいて原稿の画像データを生成するようになっている。
図1(a)は紙原稿の表面を示した図であり、図1(b)は図1(a)の紙原稿の表面を拡大した図である。図1(b)に示すように、紙原稿の表面には微小な凹凸がある。それゆえ、紙原稿の表面を露光すると、紙原稿の表面を反射する反射光は、図1(a)に示すように様々な方向へ拡散し、殆ど正反射しない。
しかし、紙原稿の表面状態(紙質)が、写真等のように光沢性の高いものとなるほど、正反射する反射光の割合が増えることになる。すなわち、紙原稿からの反射光に正反射光が含まれる割合は、原稿の表面状態によって大きく変化する。このため、従来の画像読取装置では、原稿毎の表面状態(光沢性、平面性、表面粗さ)の差異に起因して画像の読取結果が大きくばらつかないように、拡散反射光のみが光電変換素子に導かれるように構成されている。このように構成されたものとしては、例えば、原稿面に垂直な方向に対して約45度傾斜した方向から原稿に光を照射し、原稿面に略垂直な方向への拡散反射光を光電変換素子に導くように構成した0−45度方式の画像読取装置が知られている。
図2は、0−45度方式の画像読取装置の概略構成を表す断面図である。同図に示すように、この画像読取装置100は、透明ガラス製且つ水平な原稿載置面120に対して平行且つ主走査方向に直交する方向に移動する走査ユニット140が構成されている。なお、主走査方向とは、リニアセンサ145(後述する)における光電変換素子の配列方向を意味する。
そして、走査ユニット140には、光源146、ミラー141・142・143、結像レンズ144、リニアセンサ145が構成されている。このような構成において、光源146から照射方向Aに照射される光(原稿面への入射角αが約45度となるような照射光)によって、原稿載置面120に敷かれた原稿130が露光される。この露光によって原稿130から反射される反射光のうち、原稿面に対する垂線方向Cに向けた拡散反射光が走査ユニット140に入射される。走査ユニット140に入射した光は、ミラー141・142・143、および結像レンズ144によってリニアセンサ145へ導かれる。
リニアセンサ145は、多数の光電変換素子をライン状に配列してなるリニアCCD(Charge Coupled Device)である。リニアセンサ145に原稿からの光が入射すると、リニアセンサ145からは赤、緑、青の3つの成分に色分解された各色のアナログ信号が出力され、このアナログ信号が、図示しないA/Dコンバータ(Analog to Digital Converter)にてデジタル信号に変換され、このデジタル信号が原稿の画像データとして出力される。
このような構成では、走査ユニット140に入射する光には、図2における正反射方向Bへ向けた正反射光(正反射角αが約45度の正反射光)は殆ど含まれない。したがって、一般的な紙原稿を用いる限り、原稿ごとの表面状態が異なっても、画像の読み取り結果は大きく異なることがなく、原稿画像を正しく読み取ることができる。
しかしながら、以上の画像読取装置100によって、原稿表面に金属光沢が有る原稿(以下「金属光沢原稿」と称す)から画像データを読み取る場合、金属光沢原稿に照射される光の殆どは正反射光として反射するため、走査ユニット140に入射する拡散反射光の光量が著しく減少することになる。
図3(a)は、鏡面反射を示した模式図であり、図3(b)は、金属光沢原稿を反射する光を示した模式図である。鏡面に対して光を照射する場合、図3(a)に示すように、照射光全てが正反射し、拡散反射は生じない。また、光が照射される物体が、鏡面ではなくても、金属光沢原稿の表面である場合、図3(b)に示すように、多少の散乱はあるがほぼ正反射に近い反射光が形成されることになり、拡散反射光の割合が著しく低くなる。
このため、0−45度方式の画像読取装置100によって金属光沢原稿から画像データを読み取ると、走査ユニット140に入射される光は極めて少なく、光量低下によって暗い(黒っぽい)画像の画像データが生成されるという現象が生じ、金属光沢が正確に反映された画像データを得られないという問題が生じていた。
このような問題を解決するための先行技術として下記特許文献1〜特許文献4が存在するが、中でも特許文献2、3の画像読取装置においては、原稿に対する光の入射角および正反射角を調整可能とし、金属光沢原稿の読み取り時においては前記入射角および正反射角が45度より大幅に小さな角度になるように調整し、金属光沢原稿からの正反射光を走査ユニットに入射するような構成が提案されている。金属光沢原稿から反射される光は正反射光が多いことから、特許文献2、3の構成によれば、金属光沢原稿の読み取り時において、走査ユニット(つまりラインセンサ)へ導かれる光量が不足するといった事が生じず、金属光沢が正確に反映させた画像データを得ることができる。
特開2001−313783号公報(公開日:平成13年11月09日) 特開2004−274298号公報(公開日:平成16年09月30日) 特開2004−274299号公報(公開日:平成16年09月30日) 特開2006−186959号公報(公開日:平成18年07月13日)
特許文献2、3の画像読取装置は、各々の文献の図1に示されるように、原稿に対して光を照射する光源を複数個設け、または光源から射出される光を原稿まで導く光路を複数通り設定することによって、原稿に対する光の入射角および正反射角を調整可能とするものである。したがって、既存の画像読取装置において特許文献2、3に係る発明を実施する場合、既存の画像読取装置を改造しなければならず、このような改造は現実的に困難である。
また、特許文献1、4において提案されている技術は光源や導光系を可動式にするものであり、既存の画像読取装置を用いて特許文献1、4の技術を実施する場合、特許文献2、3の技術と同様、既存の画像読取装置を改造しなければ実施できず、このような改造は現実的に困難である。
それゆえ、既存の画像読取装置を用いて、金属光沢原稿から、金属光沢が正確に反映された画像データを得るためには、特許文献1〜4に開示されている手法とは異なる手法が必要になる。
本発明は、画像読取装置において読み取られた画像データを処理する画像処理装置であって、金属光沢原稿から読み取られた画像データについて金属光沢を正確に反映できる画像処理装置を提供することを目的とする。
本願発明者らは、図4に示すように、走査ユニット140の移動方向に対して傾斜していると共に主走査方向に対して平行な原稿載置面150を設置し、さらに、この原稿載置面150に金属光沢原稿130を敷いた状態において、走査ユニット140を移動させることによって金属光沢原稿130の画像データの読み取る試験を行った。
この試験では、原稿載置面150は、走査ユニット140の移動方向に対して傾斜していると共に主走査方向に対して平行であるため、走査ユニット140は、金属光沢原稿130の敷かれた原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に移動しながら、光源146からD方向へ光を照射することによって金属光沢原稿130を露光することになる。
このようにすれば、図4に示すように、金属光沢原稿130への光の入射角αおよび金属光沢原稿130からの正反射角αを45度よりも大幅に小さくでき、0−45度法の場合と対比して、金属光沢原稿130から反射される正反射光の反射方向Eを、金属光沢原稿130から走査ユニット140へ向けた垂線方向Fに近づけることができる。それゆえ、金属光沢原稿130からの正反射光の一部を走査ユニット140へ導けるようになり、走査ユニット140へ導かれる光量が不足することに起因して生じる「金属光沢を正確に反映した画像データが得られない」という問題を解消できる。
しかも、金属光沢原稿130の敷かれた原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット140を移動させる図4のような構成は、例えば、図5に示すように、原稿載置面150が形成されている外付原稿台160を既存の画像読取装置の原稿載置面に載せるだけで簡単に実現でき、既存の画像読取装置を改造する必要がない。
しかしながら、図4のように、金属光沢原稿130の敷かれた原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット(画像読取手段)140を移動させる場合、走査ユニット140の位置に応じて走査ユニット140と金属光沢原稿130との間の距離(以下「スキャン距離」と称することもある)にばらつきが生じ、このばらつきに起因して読み取り画像に各種ムラ(明度ムラ、鮮鋭度ムラ等)が生じることになる。例えば、移動開始位置の走査ユニット140からは適正に画像を読み取れたとしても、移動終了位置の走査ユニット140から読み取られる画像は明るさが不足すると共にピントが甘くなるといった事態が生じる。つまり、図4のような構成を採用する場合、前記スキャン距離のばらつきに起因して「金属光沢を正確に反映した画像データが得られない」という問題が新たに生じることになる。
そこで、この問題を解決するために、本発明の画像処理装置では、原稿載置面上に敷かれた原稿に対向しながら主走査方向と直交する副走査方向に移動することによって前記原稿の画像データを読み取る画像読取手段から得られた前記画像データを処理する画像処理装置において、ベタ画像が形成されている基準チャートと金属光沢を有する金属光沢原稿とが原稿載置面上にて主走査方向に沿って並べられている状態において金属光沢原稿および基準チャートに対向させながら原稿載置面に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に前記画像読取手段を移動させた場合に得られる金属光沢原稿の画像データおよび基準チャートの画像データを入力すると、この入力した基準チャートの画像データに基づいて、この入力した金属光沢原稿の画像データを補正する補正手段を構成した。
前記基準チャートはベタ画像が形成されているものであるため、この基準チャートから読み取られる画像データの画像は、本来、明度や鮮鋭度等が略均一になるはずだが、画像読取手段が原稿載置面から傾斜した方向に移動して前記スキャン距離にばらつきが生じているため、このばらつきに起因した各種ムラ(明度ムラ、鮮鋭度ムラ等)が生じている。そこで、基準チャートから読み取られた画像データを参照して、基準チャートから読み取られた画像データの画像の各種ムラ(明度ムラ、鮮鋭度ムラ等)を補正できるような補正用関数、補正用係数、補正用フィルタ等を決定し、この補正用関数、補正用係数、補正用フィルタ等を用いて金属光沢原稿の画像データを補正すれば、金属光沢原稿の画像データからも、前記スキャン距離のばらつきに起因した各種ムラを取り除くことができる。
それゆえ、前記構成によって、前記基準チャートと共に前記金属光沢原稿を前記画像読取手段に読み取らせ、基準チャートの画像データに基づいて前記金属光沢原稿の画像データを補正すれば、前記スキャン距離のばらつきに起因して生じる「金属光沢を正確に反映した画像データが得られない」という問題を解消できる。
また、本発明の画像処理装置では、前記構成に加えて、前記ベタ画像は濃度均一な白色画像であり、前記補正手段は、基準チャートの画像データに用いた場合にこの基準チャートの画像データに示される白色画像の明度を均一にできるような明度補正関数をこの基準チャートの画像データから決定し、決定した明度補正関数を用いて前記金属光沢原稿の画像データに対して明度補正を行う明度補正手段であることが好ましい。
これにより、前記スキャン距離のバラツキに起因して生じる明度ムラや明度のばらつきを金属光沢原稿の画像データから除外することができる。
さらに、本発明の画像処理装置では、前記構成に加えて、前記ベタ画像は短手方向の幅が均一なライン状画像であり、前記短手方向と主走査方向とが一致するように前記基準チャートが前記原稿載置面に敷かれており、前記補正手段は、基準チャートの画像データに用いた場合にこの基準チャートの画像データに示されるライン状画像の短手方向の幅を均一にできるような鮮鋭化処理用関数をこの基準チャートの画像データから決定し、決定した鮮鋭化処理用関数を用いて前記金属光沢原稿の画像データに対して鮮鋭化処理を行う鮮鋭化手段であることが好ましい。
これにより、前記スキャン距離のバラツキに起因して生じる鮮鋭度のばらつきを金属光沢原稿の画像データから除外することができる。なお、前記ライン状画像は、濃度均一な銀色画像、または濃度均一な白色画像である。
また、本発明の画像処理装置では、前記構成に加えて、前記ベタ画像は濃度均一な銀色画像であり、前記基準チャートの画像データは、濃度が濃いほど値が小さくなる赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値からなり、赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値の全ての値が各々の値に対する閾値以上である画素の有無を判定し、当該画素が無い場合、前記画像読取手段の移動方向と前記原稿載置面とのなす角度の調整が必要であることをオペレータに通知する通知手段を含む構成であってもよい。
さらに、本発明の画像処理装置では、前記構成に加えて、前記ベタ画像は濃度均一な銀色画像であり、前記基準チャートの画像データは、濃度が濃いほど値が小さくなる赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値からなり、前記基準チャートの画像データにおいて、赤色濃度値の代表値,青色濃度値の代表値,緑色濃度値の代表値のうちの少なくともいずれか一つの代表値が当該代表値に対する閾値を下回るか否か判定し、閾値を下回る場合、前記画像読取手段の移動方向と前記原稿載置面とのなす角度の調整が必要であることをオペレータに通知する通知手段を含む構成であってもよい。
これにより、前記画像読取手段の移動方向と前記原稿載置面とのなす角度を調整しなければ金属光沢原稿から読み取られる画像データについて金属光沢を適正に反映できないことを利用者に通知できる。
また、本発明の画像処理装置では、前記構成に加えて、前記補正手段は、前記金属光沢原稿の画像データに示される画像について、当該画像の濃度値の分布範囲の広さを示すパラメータである濃淡レベルコントラストを補正する濃淡レベル補正手段を含む構成であってもよい。
また、本発明を、前記画像読取手段と前記画像処理装置とを備えた画像読取装置と表現してもよい。さらに、本発明は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記補正手段として機能させる制御プログラムが本発明の範疇に入り、また、この制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
本発明の画像処理装置は、以上のように、原稿載置面上に敷かれた原稿に対向しながら主走査方向と直交する副走査方向に移動することによって前記原稿の画像データを読み取る画像読取手段から得られた前記原稿の画像データを処理する画像処理装置において、ベタ画像が形成されている基準チャートと金属光沢を有する金属光沢原稿とが原稿載置面上にて主走査方向に沿って並べられている状態において金属光沢原稿および基準チャートに対向させながら原稿載置面に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に前記画像読取手段を移動させた場合に得られる金属光沢原稿の画像データおよび基準チャートの画像データを入力すると、この入力した基準チャートの画像データに基づいて、この入力した金属光沢原稿の画像データを補正する補正手段を含むことを特徴とする。
それゆえ、前記原稿が金属光沢原稿であっても、金属光沢を正確に反映した画像データが得られないという問題を解消できる。
本発明の一実施形態の画像読取装置を図面に基づいて説明すると以下の通りである。図4は、本実施形態の画像読取装置の概略構成を示した断面図であり、図5は、本実施形態の画像読取装置と、この画像読取装置の外付け部品である外付原稿台とを示した斜視図であり、図6は、本実施形態の画像読取装置の要部を示したブロック図である。なお、以上の各図面において、従来技術の項にて説明した画像読取装置100(図2参照)に含まれる部材と同様の部材については同じ参照符号を付すものとし、当該部材に関しての詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態の画像読取装置(スキャナ)200には、図2の画像読取装置100と同様、原稿載置面120、走査ユニット140が構成されている。そして、走査ユニット140の内部には、光源146、ミラー141・142・143、結像レンズ144、リニアセンサ145が構成されている。
また、画像読取装置200には、図6に示すように、前記したリニアセンサ145、光源146の他、制御部180、駆動モータ181、画像メモリ182、出力部183が含まれている。
制御部180は、画像読取装置200に構成されている各種ハードウェアの動作を統括的に制御する制御装置であり、PC(personal computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、各種ハードウェアの動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。なお、制御部180に含まれる各ブロックについては後に詳述する。
駆動モータ181は、制御部180からの制御信号に基づいて走査ユニット140を移動させる駆動源である。つまり、駆動モータ181から走査ユニット140に駆動力が伝達されると、走査ユニット140は、原稿載置面120と平行な方向であって主走査方向と直交する方向である副走査方向に移動する。
なお、主走査方向とは、リニアセンサ145における光電変換素子の配列方向を意味する。また、副走査方向とは、主走査方向に直交する方向であって、走査ユニット140の移動方向である。
画像メモリ182は、リニアセンサ145によって読み取られる画像データを処理するための制御部180の作業領域である。つまり、リニアセンサ145によって画像データが読み取られると、読み取られた画像データは画像メモリ182に展開され、制御部180は画像処理プログラムに従って画像メモリ182に展開されている画像データに処理を施す。
なお、本実施形態においてリニアセンサ145によって読み取られる画像データとは、赤色の濃度値、青色の濃度値、緑色の濃度値を意味するものとし、各々の濃度値は8ビット(0階調(濃)〜255階調(淡))のデジタルデータであるものとする。
出力部183は、リニアセンサ145に読み取られ且つ画像メモリ182において画像処理が施された後の画像データを外部装置に送信するための通信インターフェイスである。なお、外部装置としては、画像読取装置200に接続されているプリンタや端末装置、サーバ装置などが挙げられる。なお、前記のプリンタとしては電子写真方式のレーザプリンタであってもよいし、インクジェット方式のプリンタであってもよい。
このような画像読取装置200において、金属光沢の無い通常の原稿(通常の紙原稿)の画像を読み取る場合、この通常の原稿は原稿載置面120に敷かれて、0−45度法によって原稿の画像データが読み取られる(図2参照)。具体的に、図4においては、光源146から光が照射されると、原稿載置面120に敷かれた原稿(不図示)からこの光が反射する。このとき、原稿載置面120に敷かれた原稿から反射する光についての入射角および全反射角は約45度である。そして、原稿載置面120に敷かれた原稿から反射する光のうち、原稿面に対する垂線方向に向けた拡散反射光は走査ユニット140に入射される。走査ユニット140に入射した光は、ミラー141・142・143、および結像レンズ144によってリニアセンサ145へ導かれ、原稿の画像データが読み取られることになる。
さらに、走査ユニット140が、以上のように原稿に対する露光および原稿からの反射光の入射を行いながら、原稿載置面120に対して平行且つ主走査方向に直交する方向に移動することによって、原稿全体の画像データが読み取られることになる。このようにして読み取られた画像データは、図6に示される画像メモリ182に展開され、所定の画像処理が施されてから出力部183によって外部装置に送信される。
また、本実施形態では、原稿表面に金属光沢が有る金属光沢原稿の画像を読み取る場合、以上にて示した0−45度法とは異なる方法によって原稿から画像データの読み取りを行う。以下、本実施形態の画像読取装置200において、金属光沢原稿の画像を読み取る手順について説明する。
画像読取装置200において金属光沢原稿の画像データを読み取る場合、まず、図5に示すような外付原稿台160を用意し、この外付原稿台160を図5に示すように画像読取装置200の原稿載置面120上に載せる。この外付原稿台160は、画像読取装置200の外付け部品であって、図5に示すように原稿載置面120上に載せた場合に原稿載置面120に対して傾斜していると共に主走査方向に平行になる原稿載置面150が構成されている。なお、原稿載置面150は、原稿載置面120と同様、透明ガラスからなる面である。
外付原稿台160は、外周に雄ねじが形成されているボルト部材4・5を支柱として原稿載置面150を支える構成である。また、ボルト部材4・5の各々に螺合されているナットを緩めると、原稿載置面150の辺Aに対向する辺Bを固定しつつ原稿載置面150の辺Aを原稿載置面120から離間または原稿載置面120へ近づくように移動させることができ、これにより、原稿載置面150と原稿載置面120とのなす角度を調整することが可能になる。
図5に示すように、外付原稿台160を画像読取装置200の原稿載置面120上に設置した後、さらに、図5に示すように、原稿載置面150上に、第1基準チャート131と第2基準チャート132と金属光沢原稿130とを主走査方向に沿って順に敷く。
また、図5に示すように、第1および第2基準チャート131・132の各々は、いずれも幅(短手方向の長さ)が均一なライン状画像のチャートであり、金属光沢原稿130は長方形の原稿であるものとする(図8では、金属光沢原稿130は正方形になっているが、実際は長方形であるものとする)。そして、第1および第2基準チャート131・132および金属光沢原稿130は、いずれも、幅方向(短手方向)と主走査方向とが平行になるように原稿載置面150上に敷かれている。また、第1および第2基準チャート131・132、金属光沢原稿130は、各々の先端と後端(長手方向の一端と他端)とが少なくとも走査ユニット140の移動経路に対向するように原稿載置面150上に敷かれている。
なお、本実施形態の金属光沢原稿130としては、試験用画像が用いられ、この試験用画像には、図8に示すように、金属光沢を有する金色パッチ画像および銀色パッチ画像の他、金属光沢を有しない赤色パッチ画像や青色パッチ画像等も含まれている。また、第1基準チャート131は濃度均一な銀色のベタ画像(ライン状の画像)であり、第2基準チャート132は濃度均一な白色のベタ画像(ライン状の画像)である。
このようにして原稿載置面150上に金属光沢原稿130を載せた状態で走査ユニット140を移動させることによって、金属光沢原稿130全体の画像データ、第1基準チャート131全体の画像データ、第2基準チャート132全体の画像データが読み取られ、読み取られた画像データは画像メモリ182に展開される。
本実施形態では、以上のように、図4および図5に示される状態で金属光沢原稿130に対する画像データの読み取りが行われるが、この場合、原稿載置面150は、走査ユニット140の移動方向に対して傾斜していると共に主走査方向に対して平行であるため、走査ユニット140は、金属光沢原稿130の敷かれた原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に移動しながら、光源146からD方向へ光を照射することによって金属光沢原稿130を露光することになる。
このようにすると、図4に示すように、金属光沢原稿130への光の入射角αおよび金属光沢原稿130からの正反射角αを45度よりも大幅に小さくでき、0−45度法の場合と対比して、金属光沢原稿130から反射される正反射光の反射方向Eを、金属光沢原稿130から走査ユニット140へ向けた垂線方向Fに近づけることができる。それゆえ、金属光沢原稿130からの正反射光の一部を走査ユニット140へ導けるようになり、走査ユニット140へ導かれる光量が不足することに起因して生じる従来の問題を解消できる。
しかも、金属光沢原稿130の敷かれた原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット140を移動させる構成は、図5に示すように、原稿載置面150が形成されている外付原稿台160を画像読取装置200の原稿載置面に載せるだけで簡単に実現でき、画像読取装置200の内部構成を改造する必要がない。
しかしながら、図4のように、金属光沢原稿130の敷かれた原稿載置面150に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット(画像読取手段)140を移動させる場合、走査ユニット140の位置に応じて走査ユニット140と金属光沢原稿130との間の距離(「スキャン距離」と称することもある)にばらつきが生じ、このばらつきに起因して読み取り画像に各種ムラ(明度ムラ、鮮鋭度ムラ等)が生じることになる。例えば、移動開始位置の走査ユニット140からは適正に画像を読み取れたとしても、移動終了位置の走査ユニット140から読み取られる画像は明るさが不足すると共にピントが甘くなるといった事態が生じる。つまり、図4のような構成を採用する場合、前記スキャン距離のばらつきに起因して「金属光沢を正確に反映した画像データが得られない」という問題が新たに生じることになる。
この問題について具体的に説明する。本実施形態においては、図5と図8(a)とに示すように、金属光沢原稿130と共に第1および第2基準チャート131・132も原稿載置面150に敷かれているため、原稿載置面150から傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に移動する走査ユニット140によって、金属光沢原稿130の画像データと共に第1および第2基準チャート131・132の画像データも読み取られている。
ここで、0−45度方式の画像読取装置100(図2参照)によって、金属光沢原稿130の画像データと第1および第2基準チャート131・132の画像データとを読み取った場合の読み取り結果を図8(b)に示す。0−45度方式の画像読取装置100の場合、図8(b)に示すように、金属光沢原稿130における金属光沢の無い赤色パッチ画像や青色パッチ画像については画像データの読み取りが正しく行われているが、金属光沢の有る銀色画像が形成されている第1基準チャート131や、金属光沢原稿130における金属光沢の有る金色パッチ画像、銀色パッチ画像については黒っぽい画像の画像データが読み取られることになる。これは、0−45度方式においては、金属光沢から反射される反射光は走査ユニット140に殆ど入射しないことによるものに起因する。
これに対し、図4のように原稿載置面150に金属光沢原稿130と第1および第2基準チャート131・132とを敷いた状態で、金属光沢原稿130の画像データと第1および第2基準チャート131・132とを読み取った場合の読み取り結果を図8(c)に示す。
図8(c)に示すように、金属光沢原稿130に含まれる金色パッチ画像および銀色パッチ画像については、読み取られる画像データの画像において金属光沢が再現されている。ところが、金属光沢原稿130、第1および第2基準チャート131・132共に、走査ユニット140と原稿載置面150との距離(スキャン距離)が長くなるほど読み取られる画像の明度が低くなり(濃度値が低くなる)、スキャン距離が短くなるほど読み取られる画像の明度が高くなる(濃度値が高くなる)ことがわかる。
また、図8(c)からは、スキャン距離が長くなるほど、読み取られる画像のエッジ部分の鮮鋭度が低下している(エッジがぼやける)ことがわかる。具体的に説明すると、金属光沢原稿130の画像データにおいて、スキャン距離が長い位置にて読み取られる赤色パッチ画像のエッジは非常にぼやけており、スキャン距離が短い位置にて読み取られる金色パッチ画像のエッジははっきりとしている。また、第1および第2基準チャート131・132から読み取られる画像データにおいては、図8(c)に示されるように、スキャン距離が長い位置にて読み取られる画像ほど、実際のチャートよりも画像の幅が広がると共にエッジがぼやけていくことがわかる。
このように、外付原稿台160を用いて画像データを読み取る、つまり原稿載置面150から傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット140を移動させることによって原稿載置面150上の金属光沢原稿の画像を読み取る場合、金属光沢部分を読み取るのに必要な量の光を走査ユニット140に入射させることができるため、金属光沢を画像データにおいて再現することができ、金属光沢部分の画像が黒っぽい画像として出力されることを抑制できる。しかしながら、原稿載置面150から傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に走査ユニット140を移動させると、走査ユニット140による画像データの読み取り動作中において前記スキャン距離にばらつきが生じるため、生成される画像データにおいて、本来均一であるべき明度にばらつきやムラが生じ、また、本来均一であるべき鮮鋭度にばらつきやムラが生じ、ひいては画像のコントラストも劣化するという不具合が生じる。
そこで、本実施形態においては、図6の制御部180が、第1および第2基準チャート131・132から読み取られた画像データに基づいて、金属光沢原稿130から読み取られた画像データを補正し、金属光沢原稿130から読み取られた画像データから前記スキャン距離のばらつきに起因して生じる各種不具合を取り除くこととしている。以下では、この補正を実行する制御部180の詳細について説明する。
制御部(画像処理装置)180は、図6に示されるように、明度補正部180a、鮮鋭化処理部180bを備えている。
明度補正部(補正手段、明度補正手段)180aは、白色のベタ画像である第2基準チャート132の画像データに基づいて、金属光沢原稿130の画像データに対して明度補正を行うブロックである。具体的に、明度補正部180aは、第2基準チャート132の画像データに基づいて下記の数1に示される明度補正関数(以下「関数a」と称す)の係数Kを決定し、この関数aを用いて金属光沢原稿130の画像データの濃度値を変換することによって、金属光沢原稿130の画像データに示される画像に対して明度補正を行う。
Figure 2008258922
数1に示される関数aは金属光沢原稿130の画像データの明度補正に用いられるものであるが、関数aを用いて第2基準チャート132の画像データに対して明度補正を行った場合、図10に示すように、第2基準チャート132の画像データの明度(濃度値)を均一にできる(全画素の濃度値を理想値(例えば255)に揃える)。それゆえ、この関数aを金属光沢原稿130の画像データに適用すると、前記スキャン距離のバラツキに起因して生じる明度ムラや明度のばらつきを金属光沢原稿130の画像データから除外することができる。
したがって、原稿載置面150に敷かれた金属光沢原稿130と第1および第2基準チャート131・132とをスキャンすることによって得られる金属光沢原稿130の画像データと第1および第2基準チャート131・132の画像データとに対して明度補正部180aによる明度補正を行った場合、図8(c)に示される画像データの画像が図9(a)に示されるような画像に補正されることになる。
また、数1に示される関数aに従って金属光沢原稿130の画像データの画像に対して明度補正が行われた場合、当該画像データに示される画像の濃淡レベルコントラストも補正されることになる。なお、画像の濃淡レベルコントラストとは、当該画像において表現されている濃度値の分布範囲(ダイナミックレンジ)の広さを示すパラメータであり、下記の数2に示される式bによって導出されるものである。なお、濃淡レベルコントラストの値が大きな画像ほど濃淡の幅が広い傾向にあるため、画像のコントラストも高い傾向にある。
Figure 2008258922
ここで、数1に示される関数aに従って金属光沢原稿130の画像データに対して明度補正を行った場合、当該画像データに示される画像の濃淡レベルコントラストまでもが補正される理由について以下説明する。図10に示すように、スキャン距離が長い地点において読み取られた第2基準チャート132の画像の濃度値は240になり、明度補正後の当該画像の濃度値は255になる。
よって、スキャン距離が長い地点において読み取られる画像においては、明度補正前に表現され得る濃度値の最高値は240になるため、この画像の明度補正前の濃淡レベルコントラストの値は
C=(240−0+1)/256=0.94
となる。
これに対し、スキャン距離が長い地点において読み取られる画像においては、明度補正後に表現され得る濃度値の最高値は255になるため、この画像の明度補正後の濃淡レベルコントラストの値は
C=(255−0+1)/256=1.0
となる。したがって、数1に示される関数aに従って金属光沢原稿130の画像データに示される画像に対して明度補正を行った場合、当該画像データに示される画像の濃淡レベルコントラストの値は高くなるように補正され、当該画像において表現される濃度値の分布範囲が広がることになる。
鮮鋭化処理部(補正手段、鮮鋭化手段)180bは、銀色のベタ画像である第1基準チャート131の画像データに基づいて、明度補正が施された金属光沢原稿130の画像データに対して鮮鋭化処理を行うブロックである。具体的に、鮮鋭化処理部180bは、第1基準チャート131の画像データに基づいて下記の数3に示される鮮鋭化処理用関数(以下「関数c」と称す)における係数kを決定し、この関数cを用いて金属光沢原稿130の画像データに対して鮮鋭化処理を行う。
Figure 2008258922
数3に示される関数cは、金属光沢原稿130の画像データに適用されるものであるが、明度補正の行われた第1基準チャート131の画像データに関数cを適用して鮮鋭化処理を行った場合、図11に示すように、第1基準チャート131の画像データに示される画像の幅を均一にできると共に画像のエッジを均一かつ鮮明にすることができ、画像の鮮鋭度を均一化できる。それゆえ、明度補正の施された金属光沢原稿130の画像データに関数cを適用して鮮鋭化処理を行うと、前記スキャン距離のバラツキに起因して生じる鮮鋭度のバラツキを金属光沢原稿130の画像データから除外することができる。
したがって、原稿載置面150に敷かれた金属光沢原稿130と第1および第2基準チャート131・132とをスキャンすることによって得られる金属光沢原稿130の画像データと第1および第2基準チャート131・132の画像データとに対して、明度補正部180aによる補正を行った後で鮮鋭化処理部180bによる鮮鋭化処理を行った場合、図9(a)に示される画像が図9(b)に示されるような画像に変換されることになる。
以上のように、第1および第2基準チャート131・132はベタ画像が形成されているものであるため、第1および第2基準チャート131・132から読み取られる画像データの画像は、本来、明度や鮮鋭度等が略均一になるはずだが、走査ユニット140が原稿載置面150から傾斜した方向に移動して前記スキャン距離にばらつきが生じているため、第1および第2基準チャート131・132から読み取られる画像データの画像には、前記スキャン距離のばらつきに起因した各種ムラ(明度ムラ、鮮鋭度ムラ等)が生じている。
そこで、第1および第2基準チャート131・132から読み取られた画像データを参照して、第1および第2基準チャート131・132から読み取られた画像データの画像の各種ムラ(明度ムラ、鮮鋭度ムラ等)を補正できるような補正用関数(関数a,関数c)を決定し、関数a,関数cを用いて金属光沢原稿の画像データを補正すれば、金属光沢原稿の画像データから、前記スキャン距離のばらつきに起因した各種ムラを取り除くことができる。
それゆえ、本実施形態では、第1および第2基準チャート131・132と共に金属光沢原稿130を走査ユニット140に読み取らせ、第1および第2基準チャート131・132から決定される関数a,関数cを用いて金属光沢原稿130の画像データを補正し、前記のスキャン距離のばらつきに起因して生じる「金属光沢を正確に反映した画像データが得られない」という問題を解消している。
また、原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度が小さすぎ、またはこの角度が大きすぎる場合、金属光沢部分を読み取るのに必要な量の光を走査ユニット140に入射させることができず、金属光沢を画像データにおいて再現することができず、金属光沢部分の画像が黒っぽい画像として出力されてしまうことがある。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、制御部180において、原稿載置面150に敷かれた第1基準チャート(銀色のベタ画像)131から読み取られる画像データに基づいて前記角度が適正であるか否かを判定する判定部180cを設けることにした。この判定部180cについて以下詳述する。
判定部(通知手段)180cは、原稿載置面150に敷かれた第1基準チャート131の画像データについて、赤色濃度値(R),緑色濃度値(G),青色濃度値(B)の全ての値が閾値以上となっている画素が少なくとも一つあるか否かを判定し、このような画素がない場合、原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度の調整が必要である事を画像読取装置200のオペレータに通知する処理を行うブロックである。また、判定部180cは、以上のような画素がある場合、原稿載置面150に敷かれた金属光沢原稿130から読み取られた画像データに対する明度補正の開始コマンドを明度補正部180aに伝達する。なお、前記判定に用いられる赤色濃度値,緑色濃度値,青色濃度値に対する各々の閾値は、いずれも200であるものとする。
第1基準チャート131(銀色のベタ画像)から読み取られる画像データについて、赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値の全ての値が200以上となる画素がある場合、この画素は銀色画素であって、走査ユニット140に入射される光量が不足することによって生じる黒色画素ではないものと判定できる。それゆえ、判定部180cでは、逆にこのような画素が一つもない場合、第1基準チャート131から読み取られた画像データにおいて金属光沢を再現することができない状態、つまり原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度が不適正な状態であり、原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度の調整が必要である事をオペレータに通知することとしたものである。
なお、判定部180cは、画像読取装置200の操作パネルに含まれる表示装置(不図示)において、角度調整が必要である事を示す画像を表示することによって前記通知を実現してもよいし、角度調整が必要である事を示す音声案内を出力することによって前記通知を実現してもよい。
そして、この通知を受けた画像読取装置200のオペレータは、図5に示すボルト部材4・5に螺合されているナットを緩め、原稿載置面150と原稿載置面120とのなす角度を調整することによって、原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度の調整を行う。
つぎに、本実施形態の画像読取装置200の制御部180における処理の流れについて、図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、原稿載置面150に敷かれた金属光沢原稿130の画像データと第1および第2基準チャート131〜133の画像データとがリニアセンサ145によって読み取られると、制御部180は、読み取られた画像データを画像メモリ182に書き込む処理を行う(S1)。
次に、判定部180cが、画像メモリ182に展開されている第1基準チャート131の画像データについて、R≧200,G≧200,B≧200となる画素が少なくとも一つ以上あるか否かを判定する(S2)。
R≧200,G≧200,B≧200となる画素が無い場合(S2においてNO)、判定部180cは、例えば、画像読取装置200の操作パネルに含まれる表示装置において角度調整が必要である事を示す画像を表示することによって、角度調整が必要である旨をオペレータに通知し(S5)、処理を終了する。これに対し、オペレータは、図5に示す原稿載置面150と原稿載置面120とのなす角度を調整することによって、原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度の調整を行い、この調整後、原稿載置面150に敷かれた金属光沢原稿130と第1および第2基準チャート131・132とに対する画像の読み取りを画像読取装置200に再度行わせる。
また、S2において、R≧200,G≧200,B≧200となる画素が有る場合(S2においてYES)、明度補正部180aが、第2基準チャート132の画像データを用いて金属光沢原稿130の画像データに対して明度補正を行う(S3)。その後、鮮鋭化処理部180bが、第1基準チャート131の画像データを用いて金属光沢原稿130の画像データに対して鮮鋭化処理を行い(S4)、処理を終了する。
なお、以上示した実施形態において、判定部180cは、原稿載置面150に敷かれた第1基準チャート131の画像データについて、赤色濃度値の代表値,青色濃度値の代表値,緑色濃度値の代表値のうち、少なくとも1つの代表値が閾値以下となっている場合、原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度の調整が必要である事を通知するようにしてもよい。このような場合、第1基準チャート131の画像データにおいて銀色画素が極めて少ないものと考えられ、金属光沢を画像データにおいて適正に再現することができない状態、つまり原稿載置面150と走査ユニット140の移動方向とのなす角度が不適正な状態であるものと考えられるからである。なお、前記の代表値とは、平均値、中央値、最頻値等を意味する。
また、以上示した実施形態において、鮮鋭化処理部180bは、銀色のベタ画像である第1基準チャート131の画像データに基づいて金属光沢原稿130の画像データに対して鮮鋭化処理を行っているが、白色のベタ画像である第2基準チャート132の画像データに基づいて金属光沢原稿130の画像データに対して鮮鋭化処理を行ってもよい。つまり、鮮鋭化処理部180bは、第2基準チャート132の画像データに基づいて数3に示される関数cにおける係数kを決定し、この関数cを用いて金属光沢原稿130の画像データに対して鮮鋭化処理を行う事も可能である。これは、第1基準チャート131・第2基準チャート132はいずれも幅が均一なライン状のベタ画像であるところ、原稿載置面150に敷かれた第1基準チャート131・第2基準チャート132から読み取られる画像データにおいては、図8(c)に示すように、画像の幅が不均一になり、前記スキャン距離のバラツキに起因して生じる鮮鋭度のばらつきが生じており、第1基準チャート131・第2基準チャート132のいずれの画像データを用いても関数cの係数kを決定できるからである。
また、以上の実施形態では、制御部180は画像読取装置200の内部に備えられるコンピュータであるが、この制御部180は、画像読取装置200とデータ通信可能な外部端末、複合機、複写機、プリンタ、サーバ装置等の内部に備えられているコンピュータであってもよい。つまり、制御部180は、画像読取装置200にて読み取られた画像データを処理する画像処理装置としての機能が備わっていれば画像読取装置200以外の外部装置に内蔵されていてもよいのである。
ところで、以上の実施形態において、制御部180に含まれる各ブロックの奏する機能は、プロセッサなどの演算回路が、ROMやRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、各種周辺回路,センサ等を制御することによって実現することができる。したがって、以上の演算回路,周辺回路等を有するコンピュータが、前記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の制御部180に含まれる各ブロックの機能および各種処理を実現することができる。また、前記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で前記の各種機能および各種処理を実現することができる。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の画像読取装置は、原稿台上に載置されている原稿から画像データを読み取る原稿固定方式のスキャナに好適である。
(a)は、紙原稿の表面を示した図であり、(b)は、(a)の紙原稿の表面を拡大した図である。 従来の0−45度方式の画像読取装置の概略構成を表す断面図である。 (a)は、鏡面反射を示した模式図であり、(b)は、表面に金属光沢を有する原稿を反射する光の方向を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の画像読取装置と、この画像読取装置の外付け部品である外付原稿台とを示した斜視図である。 本発明の一実施形態の画像読取装置における要部構成を示した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態の画像読取装置に含まれる制御部の処理の流れを示したフローチャートである。 (a)は、金属光沢原稿と第1および第2基準チャートとを示した図である。(b)は、0−45度方式によって(a)の金属光沢原稿と第1および第2基準チャートとから画像データを読み取った場合の読み取り結果を示した図である。(c)は、本実施形態の外付原稿台を用いて(a)の金属光沢原稿と第1および第2基準チャートとから画像データを読み取った場合の読み取り結果を示した図である。 (a)は、図8(c)に示される画像に対して本実施形態の明度補正を行った場合の補正後の画像を示した図である。(b)は、図8(c)に示される画像に対して本実施形態の明度補正処理および鮮鋭化処理を行った場合の処理後の画像を示した図である。 第2基準チャートの画像データに対して本実施形態の明度補正を行った場合の補正前画像と補正後画像とを示した図である。 本実施形態の第1基準チャートの画像データに対して本実施形態の鮮鋭化処理を行った場合の処理前画像と処理後画像とを示した図である。
符号の説明
120 原稿載置面
130 金属光沢原稿
131 第1基準チャート
132 第2基準チャート
140 走査ユニット(画像読取手段)
150 原稿載置面
160 外付原稿台
180 制御部(画像処理装置)
180a 明度補正部(補正手段、明度補正手段)
180b 鮮鋭化処理部(補正手段、鮮鋭化手段)
180c 判定部(通知手段)
200 画像読取装置

Claims (10)

  1. 原稿載置面上に敷かれた原稿に対向しながら主走査方向と直交する副走査方向に移動することによって前記原稿の画像データを読み取る画像読取手段から得られた前記画像データを処理する画像処理装置において、
    ベタ画像が形成されている基準チャートと金属光沢を有する金属光沢原稿とが原稿載置面上にて主走査方向に沿って並べられている状態において金属光沢原稿および基準チャートに対向させながら原稿載置面に対して傾斜した方向且つ主走査方向と直交する方向に前記画像読取手段を移動させた場合に得られる金属光沢原稿の画像データおよび基準チャートの画像データを入力すると、この入力した基準チャートの画像データに基づいて、この入力した金属光沢原稿の画像データを補正する補正手段を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ベタ画像は濃度均一な白色画像であり、
    前記補正手段は、前記基準チャートの画像データに示される白色画像の明度を均一にできるような明度補正関数をこの基準チャートの画像データから決定し、決定した明度補正関数を用いて前記金属光沢原稿の画像データに対して明度補正を行う明度補正手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ベタ画像は短手方向の幅が均一なライン状画像であり、
    前記短手方向と主走査方向とが一致するように前記基準チャートが前記原稿載置面に敷かれており、
    前記補正手段は、前記基準チャートの画像データに示されるライン状画像の短手方向の幅を均一にできるような鮮鋭化処理用関数をこの基準チャートの画像データから決定し、決定した鮮鋭化処理用関数を用いて前記金属光沢原稿の画像データに対して鮮鋭化処理を行う鮮鋭化手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記ライン状画像は、濃度均一な銀色画像、または濃度均一な白色画像であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記ベタ画像は濃度均一な銀色画像であり、前記基準チャートの画像データは、濃度が濃いほど値が小さくなる赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値からなり、
    赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値の全ての値が各々の値に対する閾値以上である画素の有無を判定し、当該画素が無い場合、前記画像読取手段の移動方向と前記原稿載置面とのなす角度の調整が必要であることをオペレータに通知する通知手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記ベタ画像は濃度均一な銀色画像であり、前記基準チャートの画像データは、濃度が濃いほど値が小さくなる赤色濃度値,青色濃度値,緑色濃度値からなり、
    前記基準チャートの画像データにおいて、赤色濃度値の代表値,青色濃度値の代表値,緑色濃度値の代表値のうちの少なくともいずれか一つの代表値が当該代表値に対する閾値を下回るか否か判定し、閾値を下回る場合、前記画像読取手段の移動方向と前記原稿載置面とのなす角度の調整が必要であることをオペレータに通知する通知手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記補正手段は、前記金属光沢原稿の画像データに示される画像について、当該画像の濃度値の分布範囲の広さを示すパラメータである濃淡レベルコントラストを補正する濃淡レベル補正手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 請求項1に記載の画像読取手段と前記画像処理装置とを備えたことを特徴する画像読取装置。
  9. 請求項1に記載の画像処理装置を制御する制御プログラムであって、コンピュータを前記補正手段として機能させる制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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