JP2008258454A - スピンドル装置 - Google Patents

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勝広 須藤
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Abstract

【課題】ターレットを回転させることでボビンの交換作業と巻線処理とを効率的に並行して行えるスピンドル駆動装置を提供する。
【解決手段】ターレット3を、長ベルト11が係合していた方の従動プーリ6Aが、駆動プーリ10に接近する方向に回転させることで、反対側の従動プーリ6Bが回転してくるまでの間に、更に上昇したローラ14が図5(d)に示す退避位置まで移動させると、長ベルト11が従動プーリ6Bの変位を邪魔することがない。
【選択図】図5

Description

本発明は、巻線用のスピンドル装置に関に関する。
ボビンに線材を巻き付けてコイルを製造する巻線機が知られている。近年においては、巻線の効率化のために、巻軸ユニットとノズルユニットとを複数対備えた多軸巻線機も開発されている(特許文献1)。ここで、巻線が終了して得られたコイルを空のボビンに交換する間は、巻線機が停止してしまうため、巻線処理を効率的に行えないという問題がある。
これに対し、複数のスピンドルを対称的に配置したターレットを回動可能に設け、一方の側のスピンドルにおいてボビンの交換作業を行っている間に、他方の側では巻線処理を行い、これが完了した時点で、スピンドルをターレットごと反転させ、同様な交換作業と巻線処理とをターレットの両側で並行して行う技術が知られている。
例えば特許文献2に開示された技術は、複数の巻線用スピンドルを方向変換可能なターレットに対称に配置する一方、ターレットに配設したスピンドル 回動軸を介して該スピンドルに巻線機本体側のモータから回転を伝達するようにしており、モータに原動プーリを、各スピンドル回動軸に従動プーリを装着し、ターレットの所定方向変換側にて該従動プーリを原動プーリに連結するベルトならびにベルト張力を調整する調整機構を設けると共に、連結側の従動プーリに対向する位置に仮置きプーリを配置し、従動プーリと仮置きプーリとの間でベルトを移動可能なベルト掛替え機構を設けるものである。
特開平10−163057号公報 特開平05−267087号公報
しかるに、特許文献2の技術によれば、ベルト掛替え機構の爪部材でベルトを挟んで従動プーリから仮置きプーリに移送するので、ベルトが傷みやすいという問題がある。又、仮置きプーリの外周には歯が形成されているため、これにベルトの歯を係合させる際に引っ掛かりが生じる恐れがある。また、ベルト張力調整機構は、高速回転するプーリ間に掛かっているベルトを望ましくない方向からテンションローラーで締め付けている為、ベルトに掛かる負担は大きいと言わざるを得ない。さらには、ターレットの回転をより早く行いたいという要請もある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、ターレットを回転させることでボビンの交換作業と巻線処理とを効率的に並行して行えるスピンドル駆動装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成すべく、
フレームと、
前記フレームに対して回動軸線回りに回動可能となっているターレットと、
前記ターレット上に前記回動軸線に対して互いに対称的に配置され、それぞれ回転可能となっている第1の巻線用スピンドル及び第2の巻線用スピンドルと、
前記ターレット上に配置され、前記第1の巻線用スピンドルを回転駆動するための回転力を入力する第1従動プーリと、
前記ターレット上に前記第1従動プーリに対して前記回動軸線を挟んで対称的に配置され、前記第2の巻線用スピンドルを回転駆動するための回転力を入力する第2従動プーリと、
前記フレームに対して可動となっている可動台と、
前記可動台に設置され、駆動プーリを回転駆動するモータと、
前記駆動プーリと、前記第1従動プーリ又は前記第2従動プーリとの間に選択的に掛け渡されたベルトと、
前記ベルトの内側に配置された一対のクラッチ部材と、
前記クラッチ部材を駆動するクラッチ駆動手段とを有し、
前記ターレットを回動させるときは、前記クラッチ手段により前記クラッチ部材を変位させ前記ベルトを内側から付勢して前記従動プーリから係脱させると共に、前記クラッチ部材に応じて前記可動台を移動させることを特徴とする。
本発明のスピンドル駆動装置によれば、前記ターレットを回動させるときは、前記クラッチ手段により前記クラッチ部材を変位させ前記ベルトを内側から付勢して前記従動プーリから係脱させると共に、前記クラッチ部材に応じて前記稼働台を移動させるので、前記ベルトを破損する恐れは低く、スムーズに前記ターレットを回動させることができる。
前記ターレットは、前記ベルトに係合していた従動プーリが前記駆動プーリ側に向かって変位するように回動を開始するようになっていると、迅速な可動を行える。
以下、本発明による実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるスピンドル駆動装置の斜視図である。図2は、本実施の形態のスピンドル駆動装置に用いられるクラッチ機構の斜視図である。図3は、ターレットを図1の矢印III方向に見た図である。図4は、図3の構成をIV-IV線で切断して矢印方向に見た図である。
図1において、ベース1上に一対の柱部2が立設されている。一対の柱部2の上部間には、角筒状のターレット3が架橋配置されている。ターレット3は、回動軸線X回りに、柱部2に対して回動するようになっている。ベース1と柱部2とでフレームを構成する。
図4において、ターレット3から、ここでは両側に6本(但し本数は任意)ずつのスピンドル4A、4Bが、ターレット3の回動軸線Xに対して対称的に(但し、図3に示すようにスピンドルの回転軸線がシフトした状態で)且つ回転可能に配置されている。隣接するスピンドル4A,4B間には短ベルト5A,5Bが掛け渡されている。ターレット3において、図4で最も左のスピンドル4A,4Bに隣接して、それぞれ従動プーリ6A、6Bが回転可能に配置されており、同様に隣接するスピンドル4A、4Bに対して短ベルト5A,5Bが掛け渡されている。従って、従動プーリ6Aが回転すると、同じ側のスピンドル4Aは、短ベルト5Aを介して回転駆動され、従動プーリ6Bが回転すると、同じ側のスピンドル4Bは、短ベルト5Bを介して回転駆動されるようになっている。尚、一方の側の従動プーリ6Aを第1従動プーリとし、他方の側の従動プーリ6Bを第2従動プーリとし、一方の側のスピンドル4Aを第1の巻線用スピンドルとし、他方の側のスピンドル4Bを第2の巻線用スピンドルとする。
図1において、ベース1に対して可動台7が、上下に移動可能に配置されている。可動台7の下方には、油圧機構8が配置され、ベース1に対して可動台7を昇降駆動させるようになっている。可動台7上には、モータ9が配置されている。モータ9の回転軸9aには、駆動プーリ10が取り付けられている。駆動プーリ10と、ターレット3の従動プーリ6Aとの間には、長ベルト11が配置されており、駆動プーリ10の回転力を従動プーリ6Aに伝達するようになっている。長ベルト11に隣接してクラッチ機構が配置されている。
図2において、クラッチ機構は、ベース1に取り付けられたガイド板12(図1では点線で図示)と、角筒状の水平部材13と、長ベルト11(図1参照)の内側に配置された一対のローラ14とを有する。水平部材13の両端は、上下方向に延在する一対のねじ軸15に螺合している。クラッチ駆動源であるねじ軸15は、不図示のモータにより回転させられるようになっている。又、水平部材13には、ガイド板12側の面に直線溝13aが水平に形成されている。直線溝13a内には、各ローラ14の軸14aの一端が挿入されている。各ローラ14の軸14aの他端は、ガイド板12に形成されたガイド溝12aにそれぞれ係合している。軸14aを案内する機能を有するガイド溝12aは、上部が平行であり、下部は下方に向かうにつれて互いに接近する形状となっている。ローラ14がクラッチ部材を構成する。
本実施の形態において、モータ9の回転軸9aを回転させることにより、駆動プーリ10,長ベルト11,従動プーリ6A,及び短ベルト5Aを介して図1で手前側の列のスピンドル4Aが高速で回転するので、不図示のノズルユニットを用いて、スピンドルに装着されたボビン(不図示)に巻線処理を行うことができる。一方、図1で奥側の従動プーリ6Bはフリーな状態であるため、同じ列のスピンドル4Bは、回転力が伝達されないので、巻線処理中にボビンの交換を行うことができ、これにより巻線工程の効率化を図ることができる。
巻線処理が終わった後、ターレット3を回動軸線X回りに180度回動させることで、線材が巻かれたボビンを装着したスピンドル4Aを図1で奥側に移動させ、且つ空のボビンを装着したスピンドル4Bを手前側に移動させることができるが、ターレット3の回転の際には従動プーリ6Aに巻かれた長ベルト11が邪魔となる。そこで、本実施の形態においては、クラッチ機構を用いて長ベルト11を所定の位置まで退避させている。
図5は、クラッチ機構の動作を示す概略図である。図5(a)は、クラッチ機構の動作前の状態であり、ベルト11を介して従動プーリ6Aを駆動可能な状態にあり、ローラ14はベルト11に干渉しない位置にある。ここで、ターレット3を回動させる前に、一対のねじ軸15を回転させる。これにより、水平部材13と一体で一対のローラ14が上昇し始める。ローラ14は、軸14aがガイド板12のガイド溝12aの下部に沿って移動することで、上昇に応じて左右に互いに離れるように変位する。すると、図5(b)に示すように、ローラ14は、長ベルト11の内側に当接し、これを押し広げるようにする。これに同期して油圧機構8を駆動すると、可動台7上のモータ9と共に駆動プーリ10も上昇を開始するので、長ベルト11の張力をほぼ不変にできる。
更に、図5(c)に示すように、ローラ14は、ガイド板12のガイド溝12aの上部に沿って平行に上昇し、従動プーリ6Aの両側を通過するようになる。このとき、ローラ14が従動プーリ6Aと干渉しない位置まで変位すれば、ターレット3の回転を開始して良い。この場合、ターレット3は、長ベルト11が係合していた方の従動プーリ6Aが、駆動プーリ10に接近する方向(図1,3で矢印に示す方向)に回転させると好ましい。これにより、従動プーリ6Aを迅速にベルト11から係脱させることができる。又、反対側の従動プーリ6Bが回転してくるまでの間に、更に上昇したローラ14が図5(d)に示す退避位置まで移動させれば、長ベルト11が従動プーリ6Bの変位を邪魔することがない。ローラ14の上昇距離Δ1は、モータ9の上昇距離Δ2より大きい。
このようにして、新たな従動プーリ6Bが駆動位置に到達した地点で、ターレット3の回動を中止してロックする。その後、上述とは逆にねじ軸15及び油圧機構8を駆動すれば、長ベルト11の張力を不変としつつ、ローラ14と駆動プーリ10とを下降させることができる。最終的に、図5(a)の状態に戻ることで、ローラ14はベルト11から係脱して干渉しない位置になり、新たな従動プーリ6Bに対して長ベルト11が巻き付けられ、駆動プーリ10によって駆動することで、空のボビンを装着したスピンドル4を回転駆動させることが出来、それにより巻線処理を行うことが出来る。その間に、反対側のスピンドル4において、ボビン交換を行うことができる。以上の動作は繰り返される。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、水平部材13は、一対のガイド軸でガイドするようにして、ねじ軸ではなく油圧機構8より弱い力のエアシリンダを用いて上昇させても良い。このとき、ローラ14がベルト11に当接して所定の張力を与え、その後油圧機構8によりモータ9を上昇させることで、所定の張力を維持できる。下降は逆の手順で行う。更に、ローラ14の代わりに一対のフィンガーを用いて、ベルト11を持ち上げるようにしても良い。
、所定の張力を与えつつ
本発明の実施の形態にかかるスピンドル駆動装置の斜視図である。 本実施の形態のスピンドル駆動装置に用いられるクラッチ機構の斜視図である。 ターレットを図1の矢印III方向に見た図である。 図3の構成をIV-IV線で切断して矢印方向に見た図である。 クラッチ機構の動作を示す概略図である。
符号の説明
1 ベース
2 柱部
3 ターレット
4A スピンドル
4B スピンドル
5A 短ベルト
5B 短ベルト
6A 従動プーリ
6B 従動プーリ
7 可動台
8 油圧機構
9 モータ
9a 回転軸
10 駆動プーリ
11 長ベルト
12 ガイド板
12a ガイド溝
13 水平部材
13a 直線溝
14 ローラ
14a 軸
X 回動軸線

Claims (2)

  1. フレームと、
    前記フレームに対して回動軸線回りに回動可能となっているターレットと、
    前記ターレット上に前記回動軸線に対して互いに対称的に配置され、それぞれ回転可能となっている第1の巻線用スピンドル及び第2の巻線用スピンドルと、
    前記ターレット上に配置され、前記第1の巻線用スピンドルを回転駆動するための回転力を入力する第1従動プーリと、
    前記ターレット上に前記第1従動プーリに対して前記回動軸線を挟んで対称的に配置され、前記第2の巻線用スピンドルを回転駆動するための回転力を入力する第2従動プーリと、
    前記フレームに対して可動となっている可動台と、
    前記可動台に設置され、駆動プーリを回転駆動するモータと、
    前記駆動プーリと、前記第1従動プーリ又は前記第2従動プーリとの間に選択的に掛け渡されたベルトと、
    前記ベルトの内側に配置された一対のクラッチ部材と、
    前記クラッチ部材を駆動するクラッチ駆動手段とを有し、
    前記ターレットを回動させるときは、前記クラッチ手段により前記クラッチ部材を変位させ前記ベルトを内側から付勢して前記従動プーリから係脱させると共に、前記クラッチ部材に応じて前記可動台を移動させることを特徴とするスピンドル駆動装置。
  2. 前記ターレットは、前記ベルトに係合していた従動プーリが前記駆動プーリ側に向かって変位するように回動を開始することを特徴とする請求項1に記載のスピンドル装置。
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