JP2008258308A - マルチビーム走査装置の光出力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マルチビーム走査装置の小型化、低コスト化、APC時間の短縮を図り、描画の高速化に対応したAPC装置を提供する。
【解決手段】 複数のLD1,LD2(レーザ光源)と、各レーザ光を受光するPD(受光手段)と、PDの受光出力に基づいてLD1,LD2の発光出力を制御するAPC回路110,120とを備え、PDの受光出力を分配して各APC回路に入力する受光出力分配手段130を備える。受光出力分配手段130は、PDが各レーザ光を受光したときの個別受光出力の相対比を求め、この相対比に基づきPDで複数のレーザ光を同時に受光したときの合一受光出力を分配する。LD1,LD2を同時に発光した状態で各LD1,LD2のAPCを個別に行うことができ、走査速度の高速化を図る一方でPDの数を低減し走査装置の小型化、低コスト化を実現する。
【選択図】 図3A
【解決手段】 複数のLD1,LD2(レーザ光源)と、各レーザ光を受光するPD(受光手段)と、PDの受光出力に基づいてLD1,LD2の発光出力を制御するAPC回路110,120とを備え、PDの受光出力を分配して各APC回路に入力する受光出力分配手段130を備える。受光出力分配手段130は、PDが各レーザ光を受光したときの個別受光出力の相対比を求め、この相対比に基づきPDで複数のレーザ光を同時に受光したときの合一受光出力を分配する。LD1,LD2を同時に発光した状態で各LD1,LD2のAPCを個別に行うことができ、走査速度の高速化を図る一方でPDの数を低減し走査装置の小型化、低コスト化を実現する。
【選択図】 図3A
Description
本発明は複数のレーザ光源から出射されるレーザ光(レーザビーム)を走査して所望の描画を行うマルチビーム走査装置に関し、特に各レーザ光源の光出力を所定の出力に制御する光出力制御装置に関するものである。
レーザ走査装置は、レーザダイオード等の半導体レーザ素子をレーザ光源とし、このレーザ光源から出射されたビーム状のレーザ光をレーザ走査光学系によって偏向させ、偏向したレーザ光を感光ドラム等の感光面に投射して主走査及び副走査を行うことにより所望の描画を行っている。近年、複数個のレーザ光源を同時に発光させ、各レーザ光源から出射されるレーザ光を同時に偏向走査して描画速度の高速化を図ったマルチビーム走査装置が提案されている。このマルチビーム走査装置では、各レーザ光により描画される画像の濃度を所定の濃度に制御するために、各レーザ光源のそれぞれについて発光出力を予め設定した所定の出力に制御するための自動光出力制御(APC)を行っている。このAPCは、レーザ光源、例えばレーザダイオードに電流を供給して発光したときに出射されるレーザ光をフォトダイオード等からなるモニタ用受光素子により検出し、このモニタ用受光素子の検出出力が所定の出力となるようにレーザダイオードに供給する電流をフィードバック制御する方式が採用されている。
このようなAPCをマルチビーム走査装置において実現するために2つの技術が提案されている。第1の技術は、複数のレーザダイオードのそれぞれに対応する複数のモニタ用受光素子と、各モニタ用受光素子の検出出力に基づいてレーザダイオードに供給する電流を制御するための複数の制御回路を備えてAPC装置を構成し、複数のモニタ用受光素子はそれぞれ対応するレーザダイオードから出射されるレーザ光を受光してその光出力を検出し、複数の制御回路は対応する各モニタ用受光素子の検出出力に基づいて対応するレーザダイオードに供給する電流を制御する。これにより、各レーザダイオードに対してそれぞれ独立したAPCを実行し、各レーザダイオードの光出力を制御する技術である。
第2の技術は、複数のレーザダイオードに対して共通のモニタ用受光素子と共通する制御回路を設け、1つのレーザダイオードを所定のタイミングで発光させ、発光されたレーザダイオードから出射されるレーザ光を共通のモニタ用受光素子で受光して光出力を検出し、当該発光されたレーザダイオードに供給する電流を制御してAPCを実行する。1つのレーザダイオードのAPCが完了した後は、別の1つのレーザダイオードを発光させて同様なAPCを実行し、このようにして複数のレーザダイオードに対するAPCを時分割した異なるタイミングで行う技術である。この技術としては、例えば特許文献1に記載の技術があり、特に特許文献1では複数のレーザダイオードに対して優先順位を付してAPCを行うことによりAPC装置の回路構成を簡略化している。
特開平10−81033号公報
第1の技術では、複数のレーザダイオードについてそれぞれ独立してAPCが実行できるため、各レーザダイオードのAPCを同じタイミングで行うことができ、マルチビームレーザ走査装置の全体のAPC時間を短縮できる。しかし、複数のレーザダイオードのそれぞれに対応して複数のモニタ用受光素子と制御回路が必要であるため、APC装置の構成が複雑になり、APC装置ないしはマルチビームレーザ走査装置の小型化、低コスト化を図る上での障害になる。特に、制御回路は回路を集積化する等の工夫によって小型化を図ることは不可能ではないが、レーザ光源を構成するために複数のレーザダイオードと複数のモニタ用受光素子を配設した場合には当該レーザ光源が大型化し、レーザ走査装置への組み込みが困難になり、レーザ走査装置の小型化が極めて難しいものとなる。
特許文献1に記載したような第2の技術では、複数のレーザダイオードに対して最少1つのモニタ用受光素子と制御回路でAPC装置が構成できるため、APC装置ないしはビームレーザ走査装置の小型化、低コスト化を図るのに有利である。しかしながら、複数のレーザダイオードのAPCを異なるタイミングで行う必要があるため、全てのレーザダイオードに対するAPCを完了するまでのトータルの時間が長くなる。通常、APCはレーザ走査装置の走査周期中の描画期間と次の描画期間との間の非描画期間において行っているが、レーザ走査装置の高速化に伴ってこの非描画期間も短くなる傾向にあるため、この第2の技術により複数のレーザダイオードに対するAPCを実現することは困難な状況にある。
本発明の目的は、マルチビーム走査装置の小型化、低コスト化を図るとともに、APC時間の短縮を図り、描画の高速化に対応したマルチビーム走査装置の光出力制御装置を提供するものである。
本発明は、複数のレーザ光源と、複数のレーザ光源からそれぞれ出射される複数のレーザ光を走査して描画を行う光走査手段と、複数のレーザ光を受光する受光手段と、受光手段の受光出力に基づいて各レーザ光源の発光出力をそれぞれ制御する複数の光出力制御回路(APC回路)とを備えるマルチビーム走査装置において、受光手段の受光出力を分配して複数のAPC回路に入力する受光出力分配手段とを備え、受光出力分配手段は、受光手段において複数のレーザ光をそれぞれ個別に受光したときの個別受光出力の相対比を求め、求めた相対比に基づいて当該受光手段で複数のレーザ光を同時に受光したときの合一受光出力を分配することを特徴とする。
本発明によれば、複数のレーザ光源を同時に発光したときに受光手段で受光されたときの合一受光電流を、複数のレーザ光源を個々に発光したときに受光して得られる受光出力の比に応じて複数のAPC回路に分配し、この分配された受光出力に基づいて各光出力制御回路でのAPCを実行するので、複数のレーザ光源を同時に発光した状態で複数のレーザ光源に対するAPCを行うことができる。したがって、マルチビーム走査装置の複数のレーザ光源に対するAPCを1つのレーザ光源で構成されるモノビーム走査装置と同じAPC時間で行うことができ、走査装置における走査速度の高速化が可能になる。その一方で複数のレーザ光源のそれぞれに対してAPC回路を設けることは必要であるが、複数のレーザ光源に対するそれよりも少ない、少なくとも1つの受光手段を設けるのみでよく、レーザ光源の小型化、低コスト化を図り、APC装置の小型化、低コスト化が実現できる。
本発明の分配手段の第1の実施形態として、分配手段は、個別受光出力をそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶した個別受光出力の相対比を求める第1の演算手段と、演算された前記相対比を前記合一受光出力に乗算して各レーザ光に対応する分配受光出力を求め、求めた分配受光出力を各レーザ光に対応するAPC回路にそれぞれ入力する第2の演算手段とを備える構成とする。
本発明の分配手段の第2の実施形態として、分配手段は、各個別受光出力から得られる個別電圧を測定するための手段と、合一受光出力から得られる合一電圧を個別電圧に分圧し、分圧した各個別電圧を各レーザ光に対応するAPC回路にそれぞれ入力する分圧手段とを備える構成とする。この場合、分圧手段は、合一電圧をそれぞれ異なる分圧比で分圧する並列接続された複数の抵抗列で構成され、各抵抗列はそれぞれ対応する個別電圧に設定できるように分圧比が調整可能に構成する。あるいは、分圧手段は、合一電圧を複数の個別電圧に分圧する直列接続された複数の抵抗で構成され、各抵抗の少なくとも一部はそれぞれ対応する個別電圧に設定できるように抵抗値が調整可能に構成する。
本発明の第1及び第2の実施形態においては、APC回路は、受光出力分配手段から出力された分配された受光出力に対応する出力をホールドする手段と、ホールドした受光出力に基づいてレーザ光源の駆動電力を生成する駆動電力生成手段と、生成された駆動電力を描画信号に基づいてレーザ光源に供給するスイッチング手段とを含む構成を備える。さらに、APC回路は、受光手段での個別受光出力を得るために各レーザ光源を所定の発光出力で発光させるための基準発光手段を備える。
次に、本発明の実施例1を図面を参照して説明する。図1は実施例1のマルチビーム走査装置の概略構成を示す斜視図であり、実施例1では2つのレーザ光を同時に偏向走査するマルチビーム走査装置として構成した例を示している。マルチビーム走査装置のハウジング1は異形状をした浅皿状に形成され、このハウジング1の側壁1aの一側部に複数のレーザビームを出射するレーザ光源ブロック2が取着されている。また、側壁1aの反対側の他側部にレーザ光を受光して同期信号生成用の信号を出力する同期信号ブロック3が取着されている。前記ハウジング1内には前記レーザ光源ブロック2から出射されたレーザ光を偏向走査させるためのレーザ走査光学系が構築されており、このレーザ走査光学系として、水平方向に偏向走査するための高速回転するポリゴンミラー4と、前記ポリゴンミラー4によって偏向走査されたレーザ光を水平方向に等速走査させるためのfθレンズ5と、このfθレンズ5を透過したレーザ光を前記ハウジング1の底壁1bに開口したスリット1cを通してハウジング1の下側に配置される図には表れない感光ドラムの感光面に向けて反射させるために反射面が約45度の角度で斜め下方に向けられた走査用反射ミラー6と、偏向走査されるレーザ光を前記同期信号ブロック3に向けて反射させるための同期用反射ミラー7とが配設されている。
前記レーザ光源ブロック2にはレーザ光源として基板21に搭載されたマルチレーザダイオード22が設けられ、このマルチレーザダイオード22から出射されるレーザ光はコリメータレンズ23によって所要のビーム形状となるように整形される。また、前記同期信号ブロック3は基板31に受光手段として同期用フォトダイオード32を搭載しており、同期用反射ミラー7で反射されたレーザ光を受光したときに所要の信号を出力する。前記レーザ光源ブロック2と同期信号ブロック3はハウジング1の側壁1aの外面に沿って延長されて止め金8aで支持された電気コード8により相互に電気接続されるとともに、後述するAPC回路を構成しているAPC装置に電気接続されている。
前記レーザ光源ブロック2に搭載されたマルチレーザダイオード22は、図2に模式的な斜視図を示すように、それぞれレーザ光を発光して出射する第1及び第2の2つのレーザダイオードLD1,LD2がモノリシックに形成されたマルチレーザダイオードチップ221と、モニタ用受光素子としての1つのフォトダイオードPDを形成したフォトダイオードチップ222とを備えており、これらマルチレーザダイオードチップと1つのフォトダイオードチップはステム225に搭載され、パッケージ223により封止されたものである。パッケージ223には4本のリード224が設けられ、前記マルチレーザダイオードチップ221とフォトダイオード222に電気接続されている。前記マルチレーザダイオードチップ221の一方の面では前記第1及び第2の2つのレーザダイオードLD1,LD2のそれぞれから独立してレーザ光が出射され、これらのレーザ光は前記パッケージ223の開口を通して外部に出射され、前記コリメータレンズ23を通過され、前記ポリゴンミラー4に投射される。また、前記マルチレーザダイオードチップ222の他方の面でも前記第1及び第2の2つのレーザダイオードLD1,LD2からそれぞれモニタ用してレーザ光が出射され、これらのモニタ用レーザ光は前記フォトダイオードPDによって受光される。このとき、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2とフォトダイオードPDとの物理的な位置関係の違いにより、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2がそれぞれ同じ出力で発光してもそれぞれのモニタ用レーザ光を受光したときのフォトダイオードPDの出力が同一出力にならない場合が多い。
図3Aは前記2つのレーザダイオードLD1,LD2と1つのフォトダイオードPDに接続されて各レーザダイオードの光出力制御(APC)を行うためのAPC装置100の回路図である。第1のレーザダイオードLD1には第1のAPC回路110が接続され、第2のレーザダイオードLD2には第2のAPC回路120が接続されており、さらにこれら第1のAPC回路110と第2のAPC回路120は前記フォトダイオードPDに共通に接続される構成となっている。また、このAPC装置100を制御するためのコントロール信号や各種データを出力する制御装置9が設けられている。ここでは制御装置9からは描画する画像に基づいてレーザダイオードLD1,LD2を発光させるための第1及び第2の描画信号VIDEO1,VIDEO2と、レーザダイオードLD1,LD2の発光出力を基準発光出力となるように制御するための第1及び第2の基準電圧Vpcont1,Vpcont2と、後述するAPCフローにおいてフォトダイオードPDの受光出力に対応する出力をサンプル/ホールドするタイミングを制御するための第1及び第2のサンプル/ホールド信号S/H1,S/H2とが出力されるようになっている。さらに、制御装置9には後述する分配部130の設定用スイッチ134を制御するためのスイッチ切替信号PDDATAも出力されるようになっている。なお、前記制御装置9は前記同期信号ブロック3の信号に基づいて同期信号を生成する機能も備えているが、この同期信号を生成するための構成についての説明は省略する。
第1のAPC回路110は、前記第1のレーザダイオードLD1から出射されたモニタ用レーザ光を前記フォトダイオードPDにおいて受光し、その受光電流をI/V変換部140で変換して得られる受光電圧に基いて後述するホールドコンデンサC1の充放電を制御する第1の比較充放電回路(CCD)111と、この第1の比較充放電回路111から出力される電流を前記制御装置9から入力される第1のサンプル/ホールド信号S/H1に基づいてホールドコンデンサC1にホールドする第1のサンプル/ホールド部112と、第1のサンプル/ホールド部112でホールドされた電圧と前記制御装置9から供給される第1の基準電圧Vpcont1とを選択する第1の調整用スイッチ113と、前記第1の調整用スイッチ113で選択された電圧を第1のレーザダイオードLD1を駆動するための電流に変換する第1のV/I変換部114と、前記制御装置9からの第1の描画信号VIDEO1に基づいて第1のV/I変換部114から出力される駆動電流をオン/オフして第1のレーザダイオードLD1に供給するための第1のスイッチング部115とで構成される。前記第1の調整用スイッチ113は制御装置9からのデータ取得信号PDDATAによりAPC設定時にS側に、通常のAPC時にC側に切り替えられる。
前記第1の比較充放電回路111は、図3B(a)に示すように、入力されてくる電圧を基準電圧Vrefと比較する電圧比較器COMPと、この電圧比較器COMPの出力を反転器INVで反転した出力でオンされる充電スイッチSW11と、前記比較器COMPの出力でオンされる放電スイッチSW12と、前記充電スイッチSW11がオンのときに充電電流を出力する充電電流源I11と、前記放電スイッチSW12がオンのときに放電電流を出力する放電電流源I12とで構成されている。すなわち、電圧比較器COMPは入力される電圧が基準電圧Vrefよりも高いときには放電スイッチSW12をオンしてホールドコンデンサC1に放電電流を出力し、入力される電圧が基準電圧Vrefよりも低いときには充電スイッチSW11をオンしてホールドコンデンサC1に充電電流を出力するように構成されている。これにより、フォトダイオードPDの受光電圧に対応した電圧をホールドコンデンサC1にホールドする。
また、前記I/V変換部140は、図3B(b)に示すように、前記フォトダイオードPDに直列接続された可変抵抗器VRの両端の電圧を比較してその差電圧を出力する差動アンプAMPで構成されている。このI/V変換部140は、フォトダイオードPDの電流が「0」のときには差電圧が「0」であるので接地電圧GNDが出力され、フォトダイオードPDに電流が発生すると差電圧が生じ、その差電圧をレベル変換した出力電圧を出力する構成とされている。
第2のAPC回路120も同様であり、前記第2のレーザダイオードLD2から出射されたモニタ用レーザ光を前記フォトダイオードPDにおいて受光し、I/V変換部140で変換して得られる受光電圧に基づいて後述するホールドコンデンサC2の充放電を制御する第2の比較充放電回路(CCD)121と、前記制御装置9から入力される第2のサンプル/ホールド信号S/H2に基づいて第2の比較充放電回路121から出力される電流をホールドコンデンサC2に充放電して受光電圧に対応する電圧をホールドする第2のサンプル/ホールド部122と、第2のサンプル/ホールド部122でホールドされた電圧と前記制御装置9から供給される第2の基準電圧Vpcont2とを選択する第2の調整用スイッチ123と、前記第2の調整用スイッチ123で選択された電圧を第2のレーザダイオードLD2を駆動するための電流に変換する第2のV/I変換部124と、前記制御装置9からの第2の描画信号VIDEO2に基づいて第2のV/I変換部124から出力される駆動電流をオン/オフして第2のレーザダイオードLD2に供給するための第2のスイッチング部125とで構成される。前記第2の調整用スイッチ123は制御装置9からのデータ取得信号PDDATAによりAPC設定時にS側に、通常のAPC時にC側に切り替えられる。前記比較充放電回路121の構成は図3B(a)に示したと同様である。
さらに、前記第1のAPC回路110と第2のAPC回路120が前記フォトダイオードPDに接続されている部位には、フォトダイオードPDの受光電流をI/V変換部140で電圧に変換した受光電圧を所要の比率で分配して第1のAPC回路110と第2のAPC回路120にそれぞれ入力させる分配部130が設けられている。この分配部130は前記制御装置9の一部で構成することも可能であるが、ここでは説明を判りやすくするために制御装置9とは独立した構成の場合を示している。前記分配部130は、それぞれ乗算処理を行う第1のアナログ乗算器131及び第2のアナログ乗算器132と、これらアナログ乗算器に後述する分配データを入力する分配データ生成部133とを備えている。
前記分配データ生成部133は、フォトダイオードPDの受光電圧を電圧データに変換するA/D変換部136と、変換した電圧データをそれぞれ第1の電圧、第2の電圧として一時記憶する電圧ストア部137と、この電圧ストア部137に記憶した第1及び第2の電圧データの比を演算して第1の分配データ、第2の分配データを求め、求めた第1の分配データと第2の分配データをそれぞれ記憶する分配データ演算・記憶部138と、分配データ演算・記憶部138に記憶した分配データをアナログ変換して電圧に変換するD/A変換部139とを備えている。また、前記フォトダイオードPDの受光電圧を前記A/D変換部136と前記第1及び第2の乗算回路131,132の一方の入力に切り替えるための設定用スイッチ134を備えている。この設定用スイッチ134は制御装置9からの前記データ取得信号PDDATAによりAPC設定時にS側に、通常のAPC時にC側に切り替えられる。
前記電圧ストア部137にはそれぞれ異なるタイミング時にフォトダイオードPDで受光して得られた個別受光出力としての受光電圧に対応した第1の電圧データDI1及び第2の電圧データDI2が一時記憶(ストア)される。前記分配データ演算・記憶部138はこれらストアされた第1及び第2の電圧データDI1,DI2に基づいて次式(1),(2)のように演算を行ない、第1の分配データDVDATA1と第2の分配データDVDATA2を得る。
DVDATA1=DI1/(DI1+DI2) …(1)
DVDATA2=DI2/(DI1+DI2) …(2)
これらの演算された第1の分配データDVDATA1と第2の分配データDVDATA2は当該分配データ演算・記憶部138に記憶される。
DVDATA1=DI1/(DI1+DI2) …(1)
DVDATA2=DI2/(DI1+DI2) …(2)
これらの演算された第1の分配データDVDATA1と第2の分配データDVDATA2は当該分配データ演算・記憶部138に記憶される。
前記第1のアナログ乗算器131は前記フォトダイオードPDの受光出力と前記分配データ生成部133からの第1分配データDVDATA1のアナログデータが入力され、両者を乗算した第1分配比DV1を前記第1のI/V変換部111に入力する。第2のアナログ乗算器132は前記フォトダイオードPDの受光出力と前記分配データ生成部133からの第2分配データDVDATA2のアナログデータが入力され、両者を乗算した第2分配比DV2を前記第2のI/V変換部121に入力する。すなわち、この分配部130は、フォトダイオードPDが2つのレーザダイオードLD1,LD2の各レーザ光を同時に受光したときの合一受光出力としての受光電圧を第1分配データと第2分配データとで比例分割し、その分割比を出力するものである。
以上の構成のAPC装置100のAPC設定動作、APC動作、描画動作における各信号の状態と各部の動作は図4のタイミング図に示す通りである。これらの動作について図5ないし図7のフローチャートを参照して説明する。先ず、図5のメインフローにおいて、APC設定が行われているか否かを判定し(S101)、設定が行われていないときにはAPC設定フローを実行する(S102)。APC設定が行われているときには、描画期間(描画タイミング)であるか否かを判定し(S103)、非描画期間のときにAPCを実行し(S104)、描画期間のときには描画を実行する(S105)。
前記APC設定フローS102では、図6を参照すると、制御装置9からのデータ取得信号PDDATAにより第1及び第2の調整用スイッチ113,123をS側に切り替え、同時に設定用スイッチ134をS側に切り替える(S201)。そして、先ず第1のAPC回路110に制御装置9から第1の基準電圧Vpcont1に入力する。第1の調整用スイッチ113により第1のV/I変換部114に第1の基準電圧Vpcont1が入力され、この第1の基準電圧Vpcont1に対応した駆動電流が第1のスイッチング部115に入力される。また、制御装置9からの第1の描画信号VIDEO1が入力されると、第1のスイッチング部115は駆動電流を第1のレーザダイオードLD1に供給し、第1のレーザダイオードLD1を発光させる(S202)。このとき第1のレーザダイオードLD1の発光出力が所定の発光出力となるように第1の基準電圧Vpcont1の電圧を調整する。第1のレーザダイオードLD1から出射されるモニタ用レーザ光はフォトダイオードPDで受光され、その受光電流はI/V変換部140で受光電圧に変換され、この受光電圧は設定用スイッチ134により分配データ生成部133に入力される。分配データ生成部133は受光電圧をA/D変換部136においてデジタルの電圧データに変換し、第1の電圧データとして電圧ストア部137に一時記憶する(S203)。
次いで、今度は第2の基準電圧Vpcont2を第2のAPC回路120に入力する。このとき第1の基準電圧Vpcont1の出力は停止される。これにより、第2のAPC回路120では第2のV/I変換部124に第2の基準電圧Vpcont2が入力され、この第2の基準電圧Vpcont2に対応した駆動電流が第2のスイッチング部125に入力される。また、制御装置9からの第2の描画信号VIDEO2が入力されると、第2のスイッチング部125は駆動電流を第2のレーザダイオードLD2に供給し、第2のレーザダイオードLD2を発光させる(S204)。このとき第2のレーザダイオードLD2の発光出力が所定の発光出力となるように第2の基準電圧Vpcont2の電圧を調整する。第2のレーザダイオードLD2から出射されるモニタ用レーザ光はフォトダイオードPDで受光され、その受光電流から得られる受光電圧は設定用スイッチ134により分配データ生成部133に入力される。分配データ生成部133は受光電圧をA/D変換部136においてデジタルの電圧データに変換し、第2の電圧データとして電圧ストア部137に一時記憶する(S205)。しかる後、分配データ演算・記憶部138において電圧ストア部137に記憶された第1及び第2の電圧データを用いて前記(1),(2)式の演算を行ない、第1の分配データDVDATA1と第2の分配データDVDATA2を得るとともに、これらの分配データを記憶する(S206)。以上でAPC設定が完了する。
しかる上で、APCフローS104に移行する。このAPCフローは図7を参照すると、図4に示したマルチビーム走査装置における走査動作の非描画期間内に設けられたAPC期間において実行する。APCフローでは制御装置9のデータ取得信号PDDATAにより第1及び第2の調整用スイッチ113,123と分配部130の設定用スイッチ134をそれぞれC側に切り替える(S301)。そして、第1及び第2の描画信号VIDEO1,VIDEO2を出力し、第1及び第2のAPC回路110,120の第1及び第2のスイッチング部115,125をオン状態とする。第1のAPC回路110では、従前に第1のサンプル/ホールド部112にホールドされていた電圧が第1のV/I変換部114で駆動電流に変換され、オン状態にされた第1のスイッチング部115を通して第1のレーザダイオードLD1に供給され、第1のレーザダイオードLD1は発光する。同時に第2のAPC回路120では、従前に第2のサンプル/ホールド部122にホールドされていた電圧が第2のV/I変換部124で駆動電流に変換され、オン状態にされた第2のスイッチング部125を通して第2のレーザダイオードLD2に供給され、第2のレーザダイオードLD2は発光する。すなわち、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2はいずれも発光する(S302)。このとき各APC回路110,120でのホールド電圧が発光に十分でないときには各レーザダイオードLD1,LD2の発光出力は低く、あるいは発光しない場合がある。
次いで、発光された第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2から出射されたモニタ用レーザ光は合一的にフォトダイオードPDにより受光され、このフォトダイオードPDの合一受光電流はI/V変換部140で電圧に変換され、分配部130の設定用スイッチ134によって第1及び第2のアナログ乗算器131,132にそれぞれ入力される。第1のアナログ乗算器131では合一受光電圧Vtotalを分配データ演算・記憶部138に記憶されている第1の分配データDVDATA1のアナログ値と乗算する。第2のアナログ乗算器132では当該合一受光電圧Vtotal2を分配データ演算・記憶部138に記憶されている第2の分配データDVDATA2のアナログ値と乗算する。これにより、第1及び第2の各アナログ乗算器131,132の出力は合一受光電圧Vtotalを第1及び第2の分配データDVDATA1,DVDATA2で比例配分した電流となる。換言すれば、第1のレーザダイオードLD1が所定出力で発光したときにフォトダイオードPDから得られる個別受光電圧と、これと同じ出力で第2のレーザダイオードLD2が発光したときにフォトダイオードPDから得られる個別受光電圧とが相違して所定の比率関係となっている場合に、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光したときにフォトダイオードPDから得られる合一受光電圧Vtotalを当該比率関係で分配することで、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2が個別に発光したときにそれぞれフォトダイオードPDで得られる電圧と同じ受光電圧を得ることが可能になる(S303)。
第1のアナログ乗算器131の出力電圧は第1の比較充放電回路111に入力され、ここで基準電圧Vrefと比較され、出力電圧が基準電圧Vrefよりも大きいときには放電スイッチSW12をオンして放電電流を出力し、出力電圧が基準電圧Vrefよりも小さいときには充電スイッチSW11をオンして充電電流を出力する。これらの電流は第1のサンプル/ホールド部112に入力され、ここでサンプルのタイミング時(S/H1=HIGH)にサンプルされる。このサンプルされた電圧は第1の調整用スイッチ113を通して第1のV/I変換部114に入力され、前述のように第1のレーザダイオードLD1の駆動電流として出力される。したがって、第1のレーザダイオードLD1はAPC設定フローにおいて設定された第1の電圧データDI1に基づいてPD電圧が分配された電圧によりAPCが実行されることになり、第1のレーザダイオードLD1は第1の基準電圧Vpcont1に対応した発光出力に制御されることになる。また、同様に、これと同時に、第2のアナログ乗算器132の出力電圧は第2の比較充放電回路121に入力され、ここで基準電圧Vrefと比較され、出力電圧が基準電圧Vrefよりも大きいときには放電スイッチSW12をオンして放電電流を出力し、出力電圧が基準電圧Vrefよりも小さいときには充電スイッチSW11をオンして充電電流を出力する。これらの電流は第2のサンプル/ホールド回路122に入力され、ここでサンプルのタイミング時(S/H2=HIGH)にサンプルされる。このサンプルされた電圧は第2の調整用スイッチ123を通して第2のV/I変換部124に入力され、前述のように第2のレーザダイオードLD2の駆動電流として出力される(S304)。したがって、第2のレーザダイオードLD2はAPC設定フローにおいて設定された第2の電圧データDI2に基づいてPD電圧が分配された電圧によりAPCが実行されることになり、第2のレーザダイオードLD2は第2の基準電圧Vpcont2に対応した発光出力に制御されることになる。LD1及びLD2の発光出力がVpcont1及びVpcont2に対応した出力になると、第1のサンプル/ホールド部112及び第2のサンプル/ホールド回路122はホールド(S/H1=S/H2=LOW)状態に切り替えられ各々所定の電圧を維持する。描画期間では、第1及び第2の描画信号VIDEO1,VIDEO2により第1及び第2のスイッチング部115,125がオン・オフ制御され、所要の描画を実行することは詳細に説明するまでもない。
このように、実施例1では第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光したときにフォトダイオードPDで受光されて得られる合一受光電圧Vtotalを、当該第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を個々に発光したときに受光される電圧比に応じて第1及び第2のAPC回路110,120に分配し、各APC回路110,120においてそれぞれAPCを実行しているので、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光した状態でも第1及び第2のAPC回路110,120での個々のAPCを同時に行うことができる。したがって、マルチビーム走査装置の複数のレーザダイオードに対するAPC時間を1つのレーザダイオードで構成されるモノビーム走査装置と同じAPC時間で行うことができ、APC時間の増大を回避して走査速度の高速化が実現できる。この効果は実施例1のような2つのレーザダイオードで構成されるマルチビーム走査装置に限られるものではなく、3つ以上の多数のレーザダイオードで構成されるマルチビーム走査装置においても同様であり、1つのフォトダイオードで受光されるレーザダイオードの数の増加に伴ってAPC時間の短縮効果が増大されることになる。
その一方で実施例1では2つのレーザダイオードLD1,LD2のそれぞれに対してAPC回路110,120を設けることは必要であるが、マルチレーザダイオード22内にはレーザダイオードの数に対応した複数のフォトダイオードを配設する必要はなく1つのフォトダイオードを設けるのみでよい。APC回路は集積回路として小型、低コストに形成できるためAPC装置の小型化、低コスト化の障害にはならない。また、マルチレーザダイオード内に複数のフォトダイオードを配設することはフォトダイオードの受光面積が大きくなることからレーザ光源の小型化、低コスト化に不利となるが、実施例では1つのフォトダイオードで構成できるためレーザ光源の小型化、低コスト化が実現できる。
なお、前述のように実施例1の分配部130を構成している分配データ生成部133を前記制御装置9に内装し、フォトダイオードPDの受光電流を制御装置9に入力させて分配データの生成と記憶を行ない、得られた分配データをAPCフロー時に制御装置9からアナログ乗算器131,132に入力させるように構成してもよい。
実施例1のマルチビーム走査装置に設けられた分配部は他の構成とすることもできる。図8は分配部をマニュアル設定可能に構成した実施例2のAPC装置100Aの構成を示す図である。実施例1(図3)と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。この実施例2では、分配部140は、フォトダイオードPDの出力端に第1の分圧回路141として第1の可変抵抗器VR1と第1の分圧抵抗R1を直列に接続するとともに、第1の可変抵抗器VR1を短絡する第1の設定用スイッチ143を接続している。また、前記フォトダイオードPの同じ出力端に第2の分圧回路142として第2の可変抵抗器VR2と第2の分圧抵抗R2を直列に接続するとともに、第2の可変抵抗器VR2を短絡する第2の設定用スイッチ144を接続している。そして、第1の可変抵抗器VR1と第1の分圧抵抗R1との接続ノードを第1のAPC回路110に接続している。同様に、第2の可変抵抗器VR2と第2の分圧抵抗R2との接続ノードを第2のAPC回路120に接続している。なお、第1及び第2の可変抵抗器VR1,VR2及び第1及び第2の分圧抵抗R1,R2の抵抗値は任意の抵抗値でよい。
実施例2におけるAPC設定フローでは、図9のフローチャートを参照すると、先ずマニュアル操作で第1の設定用スイッチ143をオンし、第2の設定用スイッチ144はオフする。次いで、第1のAPC回路110の第1の調整用スイッチ113をS側に切り替えて実施例1と同様に第1のレーザダイオードLD1を発光し、この発光出力が所定の出力となるように第1の基準電圧Vpcont1を調整する(S401)。このとき第2のAPC回路120の第2の調整用スイッチ123はC側に切り替えられている。第1のレーザダイオードLD1の発光出力が所定の出力に調整された状態の下でフォトダイオードPDで受光したときの個別受光電圧による第1の分圧抵抗R1の両端の電圧を第1の設定用電圧V1として電圧計等で測定する(S402)。次いで、第1の設定用スイッチ143をオフ、第2の設定用スイッチ144をオンし、今度は第1のAPC回路110の第1の調整用スイッチ113をC側に切り替え、第2のAPC回路120の第2の調整用スイッチ123をS側に切り替えて第2のレーザダイオードLD2を発光し、この発光出力が所定の出力となるように第2の基準電圧Vpcont2を調整する(S403)。第2のレーザダイオードLD2の発光出力が所定の出力に調整された状態の下でフォトダイオードPDで受光したときの個別受光電圧による第2の分圧抵抗R2の両端の電圧を第2の設定用電圧V2として電圧計等で測定する(S404)。
しかる上で、今度は第1の設定用スイッチ143と第2の設定用スイッチ144を両方ともオフした上で、第1の調整用スイッチ113と第2の調整用スイッチ123を両方ともS側に切り替えて調整されている第1の基準電圧Vpcont1と第2の基準電圧Vpcont2とで第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光させる(S405)。そして、第1の分圧抵抗R1の両端の電圧を測定しながら第1の可変抵抗器VR1の抵抗値を調整し、当該測定電圧が先に測定した第1の設定用電圧V1に一致するように調整する(S406)。同様に、第2の分圧抵抗R2の両端の電圧を測定しながら第2の可変抵抗器VR2の抵抗値を調整し、当該測定電圧が先に測定した第2の設定用電圧V2に一致するように調整する(S407)。これにより、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光した場合でも、第1のAPC回路110のサンプル/ホールド部112には、第1のレーザダイオードLD1を単独で発光したときと同じ電圧V1が入力され、第2のAPC回路120のサンプル/ホールド部122には、第2のレーザダイオードLD2を単独で発光したときと同じ電圧V2が入力される。すなわち、第1のレーザダイオードLD1が所定出力で発光したときにフォトダイオードPDから得られる個別受光電圧と、これと同じ出力で第2のレーザダイオードLD2が発光したときにフォトダイオードPDから得られる個別受光電圧とが相違して所定の比率関係となっている場合に、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光したときにフォトダイオードPDから得られる合一受光電圧を当該比率関係で分配することになり、これから前記した第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2が個別に発光したときの個別受光電圧V1,V2を得ることが可能になる。
その後はAPCフローを実行する。これは実施例1のフローと基本的には同じである。図10を参照すると、第1及び第2の調整用スイッチ113,123をC側に切り替える。すなわち、第1及び第2の描画信号VIDEO1,VIDEO2をAPCのタイミング時に連続して出力し、第1及び第2のAPC回路110,120の第1及び第2のスイッチング部115,125をオン状態とする(S501)。第1のAPC回路110では、第1のサンプル/ホールド部112にホールドされた電圧が第1のV/I変換部114で駆動電流に変換され、オン状態にされている第1のスイッチング部115を通して第1のレーザダイオードLD1に供給され、第1のレーザダイオードLD1は発光する。同時に第2のAPC回路120では、第2のサンプル/ホールド部122にホールドされた電圧が第2のV/I変換部124で駆動電流に変換され、オン状態にされている第2のスイッチング部125を通して第2のレーザダイオードLD2に供給され、第2のレーザダイオードLD2は発光する。すなわち、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2がいずれも発光する(S502)。
このようにして第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2から出射されたモニタ用レーザ光は合一的にフォトダイオードPDにより受光され、このフォトダイオードPDの合一受光電圧は分配部140において第1の分圧回路141と第2の分圧回路142に流れ、第1の分圧抵抗R1の両端の電圧が第1のAPC回路110の第1の比較充放電回路111に入力され第1のサンプル/ホールド部112の充放電を行なうことにより所定電圧が出力される(S503)。第1のサンプル/ホールド部112の出力電圧は第1の調整用スイッチ113を通して第1のV/I変換部114に入力され、前述のように第1のレーザダイオードLD1の駆動電流として出力される。したがって、第1のレーザダイオードLD1はAPC設定フローにおいて設定された第1の設定用電圧V1に基づいてAPCが実行されることになり、第1のレーザダイオードLD1は第1の基準電圧Vpcont1に対応した発光出力に制御されることになる(S504)。また、これと同時に、第2の分圧抵抗R2の両端の電圧が第2のAPC回路120の第2の比較充放電回路121に入力され第2のサンプル/ホールド部122の充放電を行うことにより所定電圧が出力される(S503)。第2のサンプル/ホールド部122の電圧は第2の調整用スイッチ123を通して第2のV/I変換部124に入力され、前述のように第2のレーザダイオードLD2の駆動電流として出力される。したがって、第2のレーザダイオードLD2はAPC設定フローにおいて設定された第2の設定用電圧V2に基づいてAPCが実行されることになり、第2のレーザダイオードLD2は第2の基準電圧Vpcont2に対応した発光出力に制御されることになる(S504)。LD1及びLD2の発光出力が基準電圧Vpcont1及びVpcont2に対応した出力となると、第1のサンプル/ホールド部122はホールド(S/H1=S/H2=LOW)状態に切り替えられ各々所定の電圧を維持する。
実施例2では、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光したときにフォトダイオードPDで検出される電圧を、当該第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を個々に発光したときに検出される電圧比に応じて分配して第1及び第2のAPC回路110,120に入力し、各APC回路110,120においてそれぞれAPCを実行しているので、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光して第1及び第2のAPC回路110,120でのAPCを同時に行うことができ、実施例1と同様に1つのレーザダイオードで構成されるモノビーム走査装置と同じAPC時間でAPCを行うことができ、走査速度の高速化が実現できる。
また、マルチレーザダイオード内にはレーザダイオードの数に対応した複数のレーザダイオードを配設する必要はなく1つのフォトダイオードを設けるのみでよいので、レーザ光源の小型化、低コスト化が実現できる。さらに、実施例2では、APC設定をマニュアルで行うのでそのための設定工数が必要になるが、実施例1のような設定用スイッチや分配データ生成部が不要になり、またAPC回路におけるI/V変換部が省略できるので構成を簡略化し、小型化、低コスト化を進めることが可能になる。
図11は実施例2の分配部140を変形した実施例3のAPC装置100Bの構成図である。基本的には実施例2と同様であるが、分配部150は第1及び第2の差動アンプ151,152の入力を直列に接続してフォトダイオードPDの出力に接続する。第1及び第2の差動アンプ151,152は2つの入力の電圧の電圧差を出力するもので、第1の差動アンプ151の出力は第1のAPC回路110の第1の比較充放電回路111に入力し、第2の差動アンプ152の出力は第2のAPC回路120の第2の比較充放電回路121に入力する。第1の差動アンプ151には一方の入力と出力を短絡するための第3の設定用スイッチ153が接続される。また、フォトダイオードPDに接続されているI/V変換部140の出力には第4の設定用スイッチ154が接続され、基準抵抗Rbと分配抵抗列155とに切り替えられる。分配抵抗列155は可変抵抗器VR3とその両端の固定抵抗R3,R4とが直列接続されており、可変抵抗器VR3のワイパーは前記第1及び第2の差動アンプ151,152の入力が互いに接続されたノードに接続されている。前記基準抵抗Rbと可変抵抗器VR3及び固定抵抗R3,R4は任意の抵抗値でよい。
実施例3のAPC設定フローでは、図12にフローチャートを示すように、先ず、第3の設定用スイッチ153をオンし、第4の設定用スイッチ154は基準抵抗Rbに接続する。次いで、第1のAPC回路110の第1の調整用スイッチ113をS側に切り替えて実施例1と同様に第1のレーザダイオードLD1を発光し、この発光出力が所定の出力となるように第1の基準電圧Vpcont1を調整する(S601)。第1のレーザダイオードLD1の発光出力が所定の出力に調整された状態の下でフォトダイオードPDで受光したときの個別受光電流による基準抵抗Rbの両端の電圧を第1の設定用電圧V11として電圧計等で測定する(S602)。次いで、第3の設定用スイッチ153と第4の設定用スイッチ154をそのまま、今度は第2のAPC回路120の第2の調整用スイッチ123をS側に切り替えて第2のレーザダイオードLD2を発光し、この発光出力が所定の出力となるように第2の基準電圧Vpcont2を調整する(S603)。ここでは第2のレーザダイオードLD2のレーザ光をフォトダイオードPDで受光したときの個別受光電圧については測定していない。
しかる上で、今度は第3の設定用スイッチ153をオフし、第4の設定用スイッチ154を分配抵抗列155に接続した上で、第1及び第2のAPC回路110,120の第1及び第2の調整用スイッチ113,123を両方ともC側に切り替え、調整された第1の基準電圧Vpcont1と第2の基準電圧Vpcont2で第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光させる(S604)。そして、フォトダイオードPDで受光して得られる合一受光電圧に基づいて分配抵抗列155で分圧された電圧について第1の差動アンプ151の出力電圧を測定しながら可変抵抗器VR3を調整し、当該出力電圧が先に測定した第1の設定用電圧に一致するように調整する(S605)。これにより、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光した場合でも、第1のAPC回路110の第1の比較充放電回路111での作用により第1のサンプル/ホールド部112には、第1のレーザダイオードLD1を単独で発光したときと同じ電圧が入力される。また、第2の差動アンプ152の出力電圧は、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光してフォトダイオードPDで得られる合一受光電圧から得られる全電圧から第1の設定用電圧を差し引いた電圧であり、この差電圧が第1の比較充放電回路121の作用により第2の設定用電圧として第2のAPC回路120のサンプル/ホールド部122に入力される。すなわち、第1のレーザダイオードLD1が所定出力で発光したときにフォトダイオードPDから得られる個別受光電圧と、これと同じ出力で第2のレーザダイオードLD2が発光したときにフォトダイオードPDから得られる個別受光電圧とが相違して所定の比率関係となっている場合に、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光したときにフォトダイオードPDから得られる合一受光電圧から得られる電圧を当該比率関係で分配し、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2が個別に発光したときと同じ受光電圧を得ることが可能になる。
このようにAPC設定フローを実行した後はAPCを実行することになるが、このAPCは分配部150が前述した動作を行う外は実施例2と全く同じであるので詳細な説明は省略する。実施例3でも、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光したときにフォトダイオードPDで検出される電圧を、当該第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を個々に発光したときに受光して得られる電圧比に応じて分配して第1及び第2のAPC回路110,120に電圧として入力し、各APC回路110,120においてそれぞれAPCを実行しているので、第1及び第2のレーザダイオードLD1,LD2を同時に発光して第1及び第2のAPC回路110,120でのAPCを同時に行うことができ、実施例1,2と同様に1つのレーザダイオードで構成されるモノビーム走査装置と同じAPC時間でAPCを行うことができ、走査速度の高速化が実現できる。
また、マルチレーザダイオード内にはレーザダイオードの数に対応した複数のレーザダイオードを配設する必要はなく1つのフォトダイオードを設けるのみでよいので、レーザ光源の小型化、低コスト化が実現できる。さらに、実施例3でも実施例2と同様に、APC設定をマニュアルで行うのでそのための設定工数が必要になるが、実施例1のような設定用スイッチや分配データ生成部が不要になり、またAPC回路におけるI/V変換部が省略できるので構成を簡略化し、小型化、低コスト化を進めることが可能になる。
以上の実施例1,2は2つのレーザダイオードで構成されたマルチビーム走査装置に本発明を適用した例を示したが、3つ以上のレーザダイオードで構成されたマルチビーム走査装置についても同様に適用することが可能である。この場合、実施例1の分配部では各レーザダイオードのAPC回路のそれぞれにアナログ乗算器を接続するように構成すればよい。また、実施例2の分配部では各レーザダイオードのAPC回路のそれぞれに設定用スイッチ、可変抵抗器、分圧抵抗器の回路を接続すればよい。
また、本発明はフォトダイオードが1つの場合に限られるものではなく、フォトダイオードの数がレーザダイオードの数よりも少ない構成のマルチビーム走査装置においても複数のレーザ光を合一的に受光するフォトダイオードについて本発明を適用することが可能である。
1 ハウジング
2 レーザ光源ブロック
3 同期信号ブロック
4 ポリゴンミラー
5 fθレンズ
6 走査用反射ミラー
100,100A,10B APC装置
110 第1のAPC回路
120 第2のAPC回路
130,140,150 分配部
111,121 I/V変換部
112,122 サンプル/ホールド部
113,123 調整用スイッチ
114,124 V/I変換部
115,125 スイッチング部
131,132 アナログ乗算器
133 分配データ生成部
141,142 分圧回路
151,152 差動アンプ
155 分圧抵抗列
LD1 第1のレーザダイオード
LD2 第2のレーザダイオード
PD フォトダイオード
2 レーザ光源ブロック
3 同期信号ブロック
4 ポリゴンミラー
5 fθレンズ
6 走査用反射ミラー
100,100A,10B APC装置
110 第1のAPC回路
120 第2のAPC回路
130,140,150 分配部
111,121 I/V変換部
112,122 サンプル/ホールド部
113,123 調整用スイッチ
114,124 V/I変換部
115,125 スイッチング部
131,132 アナログ乗算器
133 分配データ生成部
141,142 分圧回路
151,152 差動アンプ
155 分圧抵抗列
LD1 第1のレーザダイオード
LD2 第2のレーザダイオード
PD フォトダイオード
Claims (7)
- 複数のレーザ光源と、前記レーザ光源からそれぞれ出射される複数のレーザ光を走査して描画を行う光走査手段と、前記複数のレーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光出力に基づいて前記各レーザ光源の発光出力をそれぞれ制御する複数の光出力制御回路とを備えるマルチビーム走査装置において、前記受光手段の受光出力を分配して前記複数の光出力制御回路に入力する受光出力分配手段とを備え、前記受光出力分配手段は、前記受光手段において複数のレーザ光をそれぞれ個別に受光したときの個別受光出力の相対比を求め、求めた相対比に基づいて当該受光手段で複数のレーザ光を同時に受光したときの合一受光出力を分配することを特徴とするマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
- 前記分配手段は、前記個別受光出力をそれぞれ記憶する記憶手段と、記憶した個別受光出力の相対比を求める第1の演算手段と、演算された前記相対比を前記合一受光出力に乗算して各レーザ光に対応する分配受光出力を求め、求めた分配受光出力を各レーザ光に対応する光出力制御回路にそれぞれ入力する第2の演算手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
- 前記分配手段は、前記各個別受光出力から得られる個別電圧を測定するための手段と、前記合一受光出力から得られる合一電圧を前記個別電圧に分圧し、分圧した各個別電圧を各レーザ光に対応する光出力制御回路にそれぞれ入力する分圧手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
- 前記分圧手段は、前記合一電圧をそれぞれ異なる分圧比で分圧する並列接続された複数の抵抗列で構成され、各抵抗列はそれぞれ対応する個別電圧に設定できるように分圧比が調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
- 前記分圧手段は、前記合一電圧を複数の個別電圧に分圧する直列接続された複数の抵抗で構成され、各抵抗の少なくとも一部はそれぞれ対応する個別電圧に設定できるように抵抗値が調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
- 前記光出力制御回路は、前記受光出力分配手段から出力された分配された受光出力に対応する出力をホールドする手段と、ホールドした受光出力に基づいて前記レーザ光源の駆動電力を生成する駆動電力生成手段と、生成された前記駆動電力を描画信号に基づいて前記レーザ光源に供給するスイッチング手段とを含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
- 前記光出力制御回路は、前記受光手段での個別受光出力を得るために前記各レーザ光源を所定の発光出力で発光させるための基準発光手段を備えることを特徴とする請求項6に記載のマルチビーム走査装置の光出力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007097280A JP2008258308A (ja) | 2007-04-03 | 2007-04-03 | マルチビーム走査装置の光出力制御装置 |
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JP2007097280A JP2008258308A (ja) | 2007-04-03 | 2007-04-03 | マルチビーム走査装置の光出力制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8723907B2 (en) | 2010-03-09 | 2014-05-13 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus, with control unit configured to control a value of bias current |
EP2467908A4 (en) * | 2009-08-21 | 2017-10-25 | Ricoh Company Ltd. | Multi-beam laser power control circuit and image forming apparatus using the same |
-
2007
- 2007-04-03 JP JP2007097280A patent/JP2008258308A/ja active Pending
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