JP2008258294A - 導体層の形成方法、回路基板の製造方法および回路基板 - Google Patents

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康史 松村
Hidemi Nawafune
秀美 縄舟
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Abstract

【課題】無電解めっき工程を必要とせずに、絶縁基材との密着強度に優れた導体層を形成することが可能な導体層の形成方法を提供する。
【解決手段】導体層の形成方法は、ポリイミド前駆体樹脂と、金属化合物とを含有する塗布液を絶縁基材表面に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する塗布膜形成工程(S1)と、前記絶縁基材を、還元剤を含有する溶液に浸漬して前記塗布膜に粒子状金属を析出させる第1の還元工程(S2)と、前記絶縁基材を金属化合物を含有する溶液に浸漬する浸漬工程(S3)と、前記浸漬工程後に前記絶縁基材を再度前記還元剤を含有する溶液に浸漬し、前記塗布膜に粒子状金属を析出させて導体層となる金属析出層を形成する第2の還元工程(S4)と、熱処理を行って前記塗布膜中の前記ポリイミド前駆体樹脂をイミド化してポリイミド樹脂層を形成するイミド化工程(S5)と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品に用いられる絶縁基材に配線等となる導体層を形成する導体層の形成方法、この導体層を備えた回路基板の製造方法および回路基板に関する。
近年の電子部品の小型化や信号伝達速度の高速化に伴い、フレキシブルプリント基板などの回路基板において高密度配線が必要になっている。高密度配線を実現するには、パターン形成された導体層を微細加工することが不可欠である。しかし、導体層を微細加工すると、基材との密着性が低下するという欠点がある。従って、電子部品の信頼性と歩留まりの向上を図るためには、微細加工に耐え得るように導体層と基材との密着性を高めることが重要になってきている。
回路基板に微細なパターンで基材との密着性に優れた導体層を形成する方法として、特許文献1には、パラジウムイオン含有化合物とポリイミド前駆体樹脂と低分子有機化合物を含有するポリイミド前駆体樹脂溶液を用いる電子部品用基材の製造方法が記載されている。この特許文献1の方法では、前記ポリイミド前駆体樹脂溶液をポリイミド基材に塗布した後、塗布膜を乾燥させてポリイミド前駆体金属錯体層を形成する。次いで、このポリイミド前駆体金属錯体層に、水素供与体の存在下において紫外線を照射し、めっき下地核を形成した後、無電解めっき処理によりめっき下地金属層を形成する。さらに、このめっき下地金属層の上に、電気めっきにより電気めっき層を形成した後または形成する前にポリイミド前駆体樹脂を加熱イミド化してポリイミド樹脂層を形成する。
特開2005−154880号公報
上記特許文献1に記載された技術では、ポリイミド基材上のポリイミド前駆体金属錯体層に紫外線を照射してめっき下地核を形成した後、無電解めっきにより次の電気めっき工程のめっき下地層を形成している。つまり、この方法では、電気めっき工程に先立って無電解めっき工程を必須としている。しかし、無電解めっきは、めっき液の管理や廃液の処理が煩雑であるという問題があり、最近では無電解めっきを使用せずに基材表面に導体層を形成できる技術の開発が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、無電解めっき工程を必要とせずに、絶縁基材との密着強度に優れた導体層を形成することが可能な導体層の形成方法を提供することにある。
本発明の導体層の形成方法は、
ポリイミド前駆体樹脂と、金属化合物とを含有する塗布液を、絶縁基材表面に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
前記塗布膜を有する前記絶縁基材を、還元剤を含有する溶液に浸漬して前記塗布膜に粒子状金属を析出させる第1の還元工程と、
前記粒子状金属が析出した前記塗布膜を有する前記絶縁基材を、金属化合物を含有する溶液に浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程後に、前記塗布膜を有する前記絶縁基材を、再度前記還元剤を含有する溶液に浸漬し、前記塗布膜に粒子状金属を析出させて導体層となる金属析出層を形成する第2の還元工程と、
熱処理を行って前記塗布膜中の前記ポリイミド前駆体樹脂をイミド化してポリイミド樹脂層を形成するイミド化工程と、
を備えている。
なお、本発明において、「導体層」とは、絶縁基材に形成された金属析出層を含む導体層を意味する場合と、絶縁基材に形成された金属析出層および電気めっき層を含む導体層を意味する場合と、の両方の意味で用いる。
本発明の導体層の形成方法において、前記浸漬工程と前記第2の還元工程とを繰り返し行うこともできる。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記塗布膜形成工程および前記浸漬工程で用いる前記金属化合物が、Cu、Ni、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、FeまたはCoから選ばれる金属の塩もしくは有機カルボニル錯体であってもよい。この場合、前記浸漬工程で用いる前記金属化合物を含有する溶液は、前記金属化合物を30〜300mM(ミリ・モル/L;以下同様である。)の範囲内の濃度で含有することができる。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記第1の還元工程および前記第2の還元工程では、前記塗布膜を有する前記絶縁基材を0.005〜0.5mol/Lの範囲内の濃度のホウ素化合物の溶液に浸漬してもよい。この場合、前記ホウ素化合物が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムまたはジメチルアミンボランであってもよい。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記イミド化工程では、前記塗布膜を有する前記絶縁基材を150〜400℃の範囲内の温度で加熱処理するものであってもよい。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記塗布膜形成工程の前に、さらに前記絶縁基材の表面をシランカップリング剤で処理する表面処理工程を備えていてもよく、あるいは、前記塗布膜形成工程の前に、さらに前記絶縁基材の表面をプラズマで処理する表面処理工程を備えていてもよい。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記イミド化工程の前または後に、さらに前記金属析出層を核として電気めっきを行って電気めっき層を形成する電気めっき工程を備えていてもよい。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記塗布膜形成工程では、液状物を細線状に吐出するディスペンサーを用いて前記絶縁基材上に所定のパターンで前記塗布液を塗布してもよいし、あるいは、微小液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を用いて前記絶縁基材上に所定のパターンで前記塗布液を塗布してもよい。これらの場合、前記所定のパターンの塗布膜の線幅が10〜400μmの範囲内であってもよい。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記塗布液は、さらに、粘度調節剤を含有するものであってもよい。この場合、前記塗布液は、ポリイミド前駆体樹脂、金属化合物及び粘度調整剤の合計の重量部100に対して、前記金属化合物を5〜60重量部の範囲内で含有することが好ましい。さらに、前記粘度調整剤が、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルであってもよい。
また、本発明の導体層の形成方法において、前記塗布液の粘度が10〜100,000cpsの範囲内であってもよい。
本発明の回路基板の製造方法は、
絶縁基材と、該絶縁基材に形成された導体層とを備えた回路基板の製造方法であって、
前記導体層を、上記導体層の形成方法により形成した。
本発明の回路基板は、上記回路基板の製造方法により製造された回路基板である。
本発明の導体層の形成方法では、絶縁基材に塗布膜を形成した後、この塗布膜を有する絶縁基材を、還元剤を含有する溶液に浸漬して塗布膜に粒子状金属を析出させる第1の還元工程と、第1の還元工程後の絶縁基材を金属化合物を含有する溶液に浸漬する浸漬工程と、浸漬工程後の絶縁基材を再度還元剤を含有する溶液に浸漬して塗布膜に粒子状金属を析出させる第2の還元工程と、を備えた構成とした。このように、第1の還元工程後に、さらに浸漬工程および第2の還元工程を行うことによって、絶縁基材に形成された塗布膜(好ましくはその表面)に密な状態で粒子状金属を析出させて金属析出層を作り、電気的な導通を図ることができる。このように密な状態で粒子状金属が析出した金属析出層は、そのまま電気めっきの核(下地)にすることができる。従って、従来技術で必要だった無電解めっき工程は不要になり、めっき液の管理や廃液処理の問題を生じることなく、基材との密着性に優れた導体層を形成することができるという効果を奏する。
また、本発明の導体層の形成方法を利用した回路基板の製造方法により、絶縁基材と導体層との密着性が高く、信頼性に優れた電子部品を高歩留まりで製造できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る回路基板の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1の回路基板の要部断面を拡大して示す説明図である。
まず、図1および図2を参照しながら本発明の実施の形態に係る回路基板1について説明する。回路基板1は、絶縁基材3と該絶縁基材3上で配線となるパターン化導体層5とを備えている。絶縁基材3としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、セラミックス基板などの無機基板や、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂基板を用いることができる。
パターン化導体層5は、図2に示すように、絶縁基材3上のポリイミド樹脂層7の上層に形成された金属析出層9と、この金属析出層9を覆うように形成された電気めっき層11とを有している。なお、本実施の形態では、金属析出層9のみ、または金属析出層9および電気めっき層11を、それぞれ「パターン化導体層5」とする。なお、パターン化導体層5は、上記各層の間に介在する任意の層を有していてもよい。
ポリイミド樹脂層7は、ポリイミド前駆体樹脂であるポリアミック酸を加熱して脱水・環化反応させてイミド化したポリイミド樹脂を主体とするものである。ポリイミド樹脂は、他の合成樹脂例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂に比べて、耐熱性および寸法安定性に優れた性質を有しているため好ましく用いられる。本実施の形態のポリイミド樹脂層7は、パターン形成後にポリイミド前駆体をイミド化して形成されたものであり、絶縁基材3に対して高い密着性を有している。このようなポリイミド樹脂層7は、絶縁基材3と金属析出層9との間に介在してバインダーの役割を果たしている。
金属析出層9は、金属イオンを還元することにより析出した粒子状金属よりなる金属被膜である。この金属析出層9における金属の種類は問わないが、電気めっき層11を構成する金属とは異なる金属種を用いることが、電気めっき層11との間で高い密着性が得られるので好ましい。金属析出層9を構成する金属としては例えばNi、Cu、Cr、Au、Pd、Sn、Rh、Ruなどが好ましく、これらの中でもNi、Cu、Cr、Pdなどが特に好ましい。
また、電気めっき層11は、例えばCu、Au、Ni、Sn、Pd、Sn-Cuなどを主体とする金属被膜である。これらの金属の中でも特にCu、Auなどが好ましく挙げられる。
[第1の実施の形態]
次に、図3〜図9を参照しながら本発明の第1の実施の形態に係る導体層の形成方法について説明する。本実施の形態における導体層はパターン化された導体層である。図3は、本実施の形態に係る導体層の形成方法における主要な工程の概要を示すフロー図である。図4ないし図9は、本実施の形態に係る導体層の形成方法の主要な工程を説明するための説明図である。
図3に示すように、本実施の形態の導体層の形成方法は、主要な工程としてステップS1〜ステップS6までの工程を備えている。
ステップS1では、ポリイミド前駆体樹脂と、金属化合物と、粘度調整剤とを含有する塗布液20を、図4に示すようにディスペンサー30を用いて絶縁基材3に所定のパターンで塗布し、乾燥させて塗布膜を形成する(塗布膜形成工程)。ステップS1の塗布膜形成工程で、絶縁基材3上に塗布された塗布膜40の断面形状を図5に示した。
塗布液20に用いられるポリイミド前駆体樹脂としては、ポリイミド樹脂と同じモノマーで成分から得られたポリアミック酸や、分子中に感光性基、例えばエチレン性不飽和炭化水素基を含有するポリアミック酸が用いられる。このようなポリイミド前駆体樹脂は、公知のジアミン化合物と酸無水物とを溶媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
ここで、ポリイミド前駆体樹脂の製造に用いられるジアミン化合物としては、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。
また、上記以外のジアミン化合物として、例えば、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4''-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン等を使用することもできる。
ポリイミド前駆体樹脂の製造に用いられる酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。また、上記以外の酸無水物として、例えば、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物等が好ましく挙げられる。また、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物等を使用することもできる。
上記ジアミン化合物および酸無水物は、それぞれ1種のみを使用してもよく、あるいは2種以上を併用することもできる。また、上記ジアミン化合物および酸無水物に上記以外のジアミン化合物または酸無水物を併用することもできる。この場合、上記以外のジアミン化合物又は酸無水物の使用割合は90モル%以下、好ましくは50モル%以下とすることができる。ポリイミド前駆体樹脂の製造に際し、ジアミン化合物及び酸無水物の種類や、2種以上のジアミン化合物又は酸無水物を使用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張性、接着性、ガラス転移点(Tg)等を制御することができる。
また、ジアミン化合物と酸無水物との反応は、有機溶媒中で行わせることが好ましい。このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、例えばジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルムアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応よって得られるポリイミド前駆体樹脂(ポリアミック酸)溶液の濃度が、5〜30重量%程度の範囲内になるように調整して用いることが好ましい。このように調整した溶液は、金属化合物および粘度調節剤を添加することにより、塗布液20として利用することができる。
ポリイミド前駆体樹脂は、イミド化後に熱可塑性のポリイミド樹脂を含むように選定することが好ましい。熱可塑性のポリイミド樹脂を用いることで、イミド化後にポリイミド樹脂層7を絶縁基材3と金属析出層9との密着性を高める接着層として機能させることができる。
本実施の形態では、ポリアミック酸を含有するポリアミック酸ワニスをポリイミド前駆体樹脂溶液として用いることができる。ポリアミック酸ワニスとしては、例えば新日鐵化学株式会社製の熱可塑性ポリイミドワニスSPI−200N(商品名)、同SPI−300N(商品名)、同SPI−1000G(商品名)、東レ株式会社製のトレニース#3000(商品名)などを挙げることができる。
塗布液20に用いられる金属化合物は、還元剤の酸化還元電位より高い酸化還元電位を持つ金属種を含む化合物であれば特に制限無く用いることができる。金属化合物としては、例えばCu、Ni、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、Fe、Co等の金属種を含むものを挙げることができる。金属化合物としては、前記金属の塩や有機カルボニル錯体などを用いることができる。金属の塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩などを挙げることができる。金属塩は、前記金属がCu、Ni、Pdである場合に好ましく用いられる。金属化合物の好ましい具体例として、Ni(CHCOO)、Cu(CHCOO)、Pd(CHCOO)、NiSO、CuSO、PdSO、NiCO、CuCO、PdCO、NiCl、CuCl、PdCl、NiBr、CuBr、PdBr、Ni(NO)、NiC、Ni(HPO)、Cu(NH)Cl、CuI、Cu(NO)、Pd(NO)、Ni(CHCOCHCOCH)、Cu(CHCOCHCOCH)、Pd(CHCOCHCOCH)などを挙げることができる。
また、上記金属と有機カルボニル錯体を形成する有機カルボニル化合物としては、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等のβ−ジケトン類、アセト酢酸エチル等のβ−ケトカルボン酸エステルなどを挙げることができる。
金属化合物は、ポリイミド前駆体樹脂、金属化合物及び粘度調整剤の合計の重量部100に対して、5〜60重量部の範囲内、好ましくは10〜40重量部の範囲内となるように配合する。この場合、金属化合物が5重量部未満では還元処理による樹脂表面の金属粒子の析出が少なくなるため、金属析出層9の厚みのムラが生じることとなり、60重量部を超えると塗布液20に溶解できない金属塩が沈殿することとなるからである。
塗布液20に用いられる粘度調整剤は、塗布液20の粘度を調節する目的で配合される。粘度調整剤の添加によって、塗布液20中の金属イオンがポリイミド前駆体樹脂とキレート錯体を形成する代わりに、粘度調整剤と金属イオンがキレート錯体を形成する。このように、粘度調整剤は、ポリイミド前駆体樹脂と金属イオンのキレート錯体形成による塗布液20の粘度上昇又はゲル化を抑制する作用を有する。
粘度調整剤としては、金属イオンと反応性の高い(つまり、金属錯体を形成しうる)低分子有機化合物を選定することが好ましい。低分子有機化合物の分子量は50〜300の範囲内が好ましい。このような粘度調整剤の具体例としては、例えばアセチルアセトン、アセト酢酸エチルなどを挙げることができる。また、粘度調整剤の添加量は、形成しうるキレート錯体化合物1モルに対して1〜50モルの範囲内、好ましくは2〜20モルの範囲内で添加することが好ましい。
塗布液20の粘度は、10〜100,000cpsの範囲内の粘度とすることが好ましい。塗布液20の粘度が10cps未満では、目的とする線幅の制御が困難となるおそれがある。また、塗布液20の粘度が100,000cpsを超えると、ノズルに塗布液が詰まり、絶縁基材3に塗布できないおそれがある。また、塗布膜40の線幅によって、塗布液20の粘度を調整することができる。例えば、塗布膜40の線幅Lを10〜100μmの範囲内とする場合には、塗布液20の粘度は10〜100cpsの範囲内とすることが好ましい。塗布膜40の線幅Lを100〜200μmの範囲内とする場合には、塗布液20の粘度は100〜500cpsの範囲内とすることが好ましい。塗布膜40の線幅Lを200〜300μmの範囲内とする場合には、塗布液20の粘度は500〜50,000cpsの範囲内とすることが好ましい。塗布膜40の線幅Lを300〜400μmの範囲内とする場合には、塗布液20の粘度は50,000〜70,000cpsの範囲内とすることが好ましい。塗布膜40の線幅Lを400〜500μmの範囲内とする場合には、塗布液20の粘度は70,000〜90,000cpsの範囲内とすることが好ましい。塗布膜40の線幅Lを500〜600μmの範囲内とする場合には、塗布液20の粘度は90,000〜100,000cpsの範囲内とすることが好ましい。
なお、塗布液20中には、ポリイミド前駆体樹脂を5〜20重量%、金属化合物を0.1〜20重量%、粘度調整剤を1〜40重量%の濃度範囲内でそれぞれ含有することが好ましい。
塗布液20には、上記必須成分以外の任意成分として、例えばレベリング剤、消泡剤、密着性付与剤、架橋剤などを配合することができる。
塗布液20は、例えばポリイミド前駆体樹脂、金属化合物、粘度調整剤および上記任意成分を、任意の溶媒例えばピリジン系溶媒、イミダゾール系溶媒などの中で混合することによって調製できる。なお、事前に調製されたポリイミド前駆体樹脂溶液(ポリアミック酸ワニス)に、金属化合物および粘度調整剤を添加して混合することにより塗布液20を調製することもできる。
ステップS1の塗布膜形成工程において、塗布液20を吐出するディスペンサー30としては、既知の構成のものを利用できる。市販品では、例えばCASTPRO II(商品名;ソニー株式会社製)を使用することができる。ディスペンサー30を使用することで、例えば凹凸面や曲面などの立体的な面に対しても直接所定のパターンで塗布液20を塗布することが可能である。従って、従来の2次元(平面)の回路形成にとどまらず、3次元(立体)の回路形成も可能となる。
塗布膜40を形成する際、パターン状の塗布膜40の線幅Lは10〜400μmの範囲内が好ましく、15〜200μmの範囲内がより好ましい。線幅Lは、ディスペンサー30の吐出ノズル30aの径を選択することによって調節することができる。本実施の形態では、前記のように、塗布液20の粘度を10〜100,000cpsの範囲内としたことにより、ディスペンサー30の吐出ノズル30aの目詰まりを防止しながら、所望の線幅で微細なパターンを形成することができる。
ステップS1の塗布膜形成工程では、絶縁基材3上に塗布液20を吐出した後、乾燥させて塗布膜40を形成する。乾燥は、絶縁基材3上に吐出された塗布液20を好ましくは50〜150℃の範囲内、より好ましくは80〜140℃の範囲内、更に好ましくは100〜120℃の範囲内の温度で3〜10分間程度の時間加熱することにより行うことができる。この場合、加熱温度が150℃を超えると、ポリイミド前駆体樹脂のイミド化が進行し、その後の還元工程における粒子状金属の析出が困難になるので、上記範囲内の温度で乾燥することが好ましい。
次に、ステップS2では、塗布膜40を有する絶縁基材3を、還元剤を含む溶液(還元剤溶液)中に浸漬する(第1の還元工程)。これにより、塗布膜40中の金属イオンが還元剤の作用で還元されて金属が粒子状に析出する。図6は、第1の還元工程後の塗布膜40aの状態を示しており、塗布膜40aの表面には粒子状金属41が析出している。本工程では、塗布膜40を有する絶縁基材3を還元剤溶液中に浸漬することで、塗布膜40中に還元剤を十分に浸透させることができる。その結果、第1の還元工程における粒子状金属の析出のムラを抑制することができる。
ステップS2の第1の還元工程で使用する還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素化合物が好ましい。これらのホウ素化合物は、例えば次亜燐酸ナトリウム、ホルマリン、ヒドラジン類等の溶液(還元剤溶液)にして用いることができる。還元剤溶液中のホウ素化合物の濃度は、例えば0.005〜0.5mol/Lの範囲内が好ましく、0.01〜0.1mol/Lの範囲内がより好ましい。還元剤溶液中のホウ素化合物の濃度が0.005mol/L未満では、となることがあり、塗布膜40中の金属イオンの還元が不十分になることがあり、0.1mol/Lを超えるとホウ素化合物の作用で塗布膜40中のポリイミド樹脂が溶解してしまうことがある。
また、第1の還元工程の処理条件として、塗布膜40が形成された絶縁基材3を、10〜90℃の範囲内、好ましくは50〜70℃の範囲内の温度の還元剤溶液中に、20秒〜30分、好ましくは30秒〜10分、更に好ましくは1分〜5分の時間で浸漬する。
次に、ステップS3では、ステップS2の第1の還元工程後に、粒子状金属41が析出した塗布膜40aを有する絶縁基材3を、金属化合物を含有する溶液(以下、「金属化合物溶液」と記す)に浸漬させる(浸漬工程)。このステップS3の浸漬工程で使用する金属化合物は、還元剤の酸化還元電位より高い酸化還元電位を持つ金属種を含む化合物であれば特に制限無く用いることができる。金属化合物中に含まれる金属としては、例えばCu、Ni、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、Fe、Co等の金属を挙げることができる。これらの金属を含む金属化合物としては、前記塗布液と同様の金属の塩や有機カルボニル錯体などを用いることができる。金属化合物溶液中に含まれる金属化合物とその金属種は、前記塗布液中に含まれる金属種、金属化合物と同種であっても、異なる種類でもよい。
浸漬工程で用いる金属化合物溶液中には、金属化合物を30〜300mMの範囲内で含有することが好ましく、50〜100mMの範囲内で含有することがより好ましい。金属化合物の濃度が30mM未満では、金属イオンを塗布膜40aの表面に付着させるための時間がかかり過ぎるので好ましくなく、300mM超では、ポリイミド前駆体樹脂表面が腐食(溶解)し、劣化の原因となる。
金属化合物溶液中には、金属化合物のほかに、例えば緩衝液などのpH調整液などの成分を含有してもよい。
浸漬工程は、例えば、上記濃度の金属化合物溶液を20〜40℃の範囲内の温度に調整し、そこに絶縁基材3を5分〜5時間程度浸漬させる。
次に、ステップS4では、塗布膜40を有する絶縁基材3を、再度還元剤を含む溶液(還元剤溶液)中に浸漬する(第2の還元工程)。この第2の還元工程により、塗布膜40中の金属イオンが還元剤の作用で還元されて金属が粒子状に析出し、図7に示したように、塗布膜40aを覆う金属析出層9が形成される。この金属析出層9は、後で行われる電気めっきの核となる。この第2の還元工程で使用する還元剤の種類、還元剤の濃度、処理時間、温度等の条件は、ステップS2の第1の還元工程と同様である。
本実施の形態の導体層の形成方法では、ステップS3の浸漬工程と、ステップS4の第2の還元工程を、必要に応じて複数回例えば2〜10回程度、好ましくは2〜5回程度繰り返すことができる。これにより、粒子状金属41から構成される金属析出層9がより緻密なものとなり、後段の電気めっき工程において十分な導通を確保することができる。
次に、ステップS5では、塗布膜40aを有する絶縁基材3を熱処理して塗布膜40a中のポリイミド前駆体樹脂をイミド化する(イミド化工程)。熱処理により塗布膜40a中のポリアミック酸を脱水・環化させてイミド化させることによって、図8に示すように絶縁基材3との密着性に優れたポリイミド樹脂層7が形成される。イミド化は、所要の温度まで塗布膜40aを加熱できる熱処理装置を用いて、好ましくは窒素などの不活性ガス雰囲気中で行うことができる。熱処理は、例えば150〜400℃の範囲内の温度条件で1〜60分間行うことができる。熱処理温度が150℃未満ではイミド化が十分に進行せず、また熱処理温度が400℃超では、ポリイミド樹脂の熱分解を起こす恐れがある。
次に、ステップS6では、金属析出層9を核として電気めっきを施し、電気めっき層11を形成する(電気めっき工程)。電気めっきにより、図9に示すように、金属析出層9を覆うように電気めっき層11が形成される。なお、このステップS6の電気めっき工程は任意工程である。電気めっきは、例えば硫酸、硫酸銅、塩酸および光沢剤[例えば、市販品として日本マクダーミット製のマキュスペック(商品名)等]を含有する組成のめっき液中で、絶縁基材3の金属析出層9を陰極とし、Cu等の金属を陽極として実施する。電気めっきにおける電流密度は、例えば1〜3.5A/dmの範囲内とすることが好ましい。なお、電気めっきの陽極としては、例えばCu以外にNi、Co等の金属を用いることができる。
以上のようにして、絶縁基材3の表面に金属配線となるパターン化導体層5が形成された回路基板1を製造することができる。この回路基板1は、例えば硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、TAB(Tape Automated Bonding)材料やCSP(Chip Size Package)材料、COG(Chip on Glass)材料などの用途に好適に使用できる。
以上のように、本実施の形態では、塗布膜40を有する絶縁基材3を、還元剤を含有する溶液に浸漬して塗布膜40に粒子状金属41を析出させる第1の還元工程(ステップS2)と、第1の還元工程後の絶縁基材3を金属化合物溶液に浸漬する浸漬工程(ステップS3)と、浸漬工程後の絶縁基材を再度還元剤を含有する溶液に浸漬して塗布膜に粒子状金属を析出させる第2の還元工程(ステップS4)と、を備えた構成とした。このように、第1の還元工程後に、さらに浸漬工程および第2の還元工程を行うことによって、絶縁基材3に形成された塗布膜40(好ましくはその表面)に密な状態で粒子状金属41を析出させ、電気的な導通を図ることができる。このように密な状態で粒子状金属41が析出して形成された金属析出層9は、そのまま電気めっきの核(下地)にすることができる。従って、従来技術で必要だった無電解めっき工程は不要になり、めっき液の管理や廃液処理の問題を生じることなく、絶縁基材3との密着性に優れた導体層5を形成することができるという効果を奏する。
また、本実施の形態の導体層の形成方法を利用した回路基板の製造方法によれば、絶縁基材と導体層との密着性が高く、信頼性に優れた電子部品を高歩留まりで製造できるという効果を奏する。
また、本実施の形態では、ディスペンサー30を用いて絶縁基材3に所定のパターンで塗布液20を塗布した後、塗布膜40中の金属イオンを還元して粒子状金属41を析出させる構成とした。従って、焼結工程が不要で、パターン化導体層5の導通不良が発生しにくいという効果を奏する。また、ディスペンサー30を用いて所定のパターンで直接塗布液20を塗布することにより、パターン化導体層5の形成過程で、フォトリソグラフィー工程やエッチング工程を省略することができるという効果を奏する。
また、塗布液20の塗布にディスペンサー30を用いることにより、例えば絶縁基材3の凹凸面や曲面などの立体的な面に対しても容易にパターン化導体層5を形成することができるという効果を奏する。
また、本実施の形態の導体層の形成方法を利用した回路基板の製造方法により、少ない工程数で、平板だけでなく立体的な形状の回路基板1についても製造できるという効果を奏する。
[第2の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10は、本実施の形態に係る導体層の形成方法の手順の概要を示すフロー図である。本実施の形態に係る導体層の形成方法は、図10に示すステップS11〜ステップS17の各工程を備えている。本実施の形態では、第1の実施の形態におけるステップS1の塗布膜形成工程に相当するステップS12の塗布膜形成工程の前に、絶縁基材3の表面改質を行うステップS11の表面処理工程を備えている。なお、本実施の形態におけるステップS12〜ステップS17までの工程は、第1の実施の形態のステップS1〜ステップS6までの各工程と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態において、ステップS11の表面処理工程では、絶縁基材3の材質に応じて、表面改質の内容を選択することが好ましい。絶縁基材3がガラス基板、セラミックス基板などの無機材料により構成されている場合には、絶縁基材3の表面をシランカップリング剤により表面処理することが好ましい。シランカップリング剤による表面処理によって、無機材料の絶縁基材3の表面が疎水化され、塗布液20を塗布した後の液の流動を抑制し、線幅の広がりを抑制できる。また、塗布膜40と絶縁基材3との密着性も向上させることができる。従って、塗布膜40により形成されるパターンの精度を維持するとともに、絶縁基材3からパターン化導体層5が剥離する不良の発生を少なくすることができる。この場合の表面処理は、水との接触角が例えば20〜110°の範囲内となるように行うことが好ましく、より好ましくは30〜100°の範囲内となるように行うことがよい。この場合、水との接触角が20°未満では、塗布液20を塗布した後の液の流動を抑制することが困難となり、また110°超では、塗布膜40と絶縁基材3との密着性が低下する恐れがある。
シランカップリング剤としては、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
また、絶縁基材3がポリイミド基板、PET基板などの合成樹脂材料により構成されている場合、絶縁基材3の表面をプラズマにより表面処理することが好ましい。このプラズマによる表面処理によって、絶縁基材3の表面を粗化させるか、又は表面の化学構造を変化させることができる。これによって、絶縁基材3の表面の濡れ性が向上し、塗布液20との親和性が高まり、該表面上に塗布液20を所定形状で安定的に保持できるようになる。従って、塗布膜40により形成されるパターンの精度を維持することができる。
プラズマとしては、例えば大気圧方式のプラズマ処理装置を用い、真空処理室内でアルゴン、ヘリウム、窒素又はこれらの混合ガスのプラズマを生成させる。この際の処理圧力は5000〜200000Paの範囲内、処理温度は10〜40℃の範囲内、高周波(あるいはマイクロ波)出力は50〜400Wの範囲内とすることが好ましい。なお、絶縁基材3の材質がポリイミド樹脂の場合、アルカリ処理によるポリイミドの加水分解も塗布膜40と絶縁基材3との密着性を向上させることができるので有効である。ここで、アルカリとしては、例えばLiOH、KOH、NaOH等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、好ましくはKOHまたはNaOHから選ばれる1種以上を用いることができる。
以上のように、ステップS11の表面処理工程を行うことにより、塗布液20を塗布した後の液の流動を抑制し、線幅の広がりを抑制できる。また、表面処理によって、塗布膜40と絶縁基材3との密着性も向上させることができる。従って、塗布膜40により形成されるパターンの精度を維持するとともに、絶縁基材3からパターン化導体層5が剥離する不良の発生を少なくすることができる。
本実施の形態のその他の作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図11および図12を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態に係る導体層の形成方法の手順の概要を示すフロー図である。本実施の形態に係る導体層の形成方法は、図11に示すステップS21〜ステップS26の各工程を備えている。第1の実施の形態におけるステップS1の塗布膜形成工程では、ディスペンサー30を使用したが、本実施の形態では、ステップS21の塗布膜形成工程において、微小液滴を吐出する液滴吐出装置を用いる。なお、本実施の形態におけるステップS22〜ステップS26までの工程は、第1の実施の形態のステップS2〜ステップS6までの各工程と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態においては、図12(a)に示すように、液滴吐出装置50を使用して絶縁基材3上に塗布液を所定のパターンで塗布する。液滴吐出装置50は、絶縁基材3に対してXY方向に相対移動可能な液滴吐出ヘッド52を備えている。この液滴吐出ヘッド52は、インクジェットプリンタ技術を利用した吐出機構(図示省略)を備え、図12(b)に示すように、絶縁基材3に向けて塗布液20を微小液滴として吐出する。すなわち、液滴吐出ヘッド52は、例えば多数の微細なノズル孔52aと、図示は省略するが、該ノズル孔52aに連通し、ピエゾ素子の収縮・伸長によって内部容積を増減可能に構成された圧力発生室とを備えている。そして、図示しない制御部からの電気的な駆動信号でピエゾ素子を駆動させて圧力発生室の容積を変化させ、その際に生じる内部圧力の上昇を利用して各ノズル孔52aから塗布液20を数ピコリットル〜数マイクロリットル程度の微小な液滴として絶縁基材3へ向けて噴射できるように構成されている。
塗布液20としては、第1の実施の形態の塗布液20とほぼ同様の組成のものを使用できる。ただし、液滴吐出装置50を用いる本実施の形態では、塗布液20中の金属化合物は、ポリイミド前駆体樹脂、金属化合物及び粘度調整剤の合計の重量部100に対して、5〜60重量部の範囲内、好ましくは10〜40重量部の範囲内となるように配合する。この場合、金属化合物が5重量部未満では、還元処理による塗布膜40表面への金属粒子の析出が少なくなるため、電気めっき層11の厚みのムラが生じることとなり、60重量部を超えると塗布液20に溶解できない金属塩が沈殿することとなるからである。なお、塗布液20中には、ポリイミド前駆体樹脂を5〜20重量%、金属化合物を0.1〜20重量%、粘度調整剤を1〜40重量%の濃度範囲内でそれぞれ含有することが好ましい。
また、液滴吐出装置50を用いる場合の塗布液20の粘度は、10〜20cpsの範囲内とすることが好ましい。塗布液20の粘度が10cps未満では、目的とする線幅の制御が困難となるおそれがある。また、塗布液20の粘度が20cpsを超えると、ノズルに塗布液が詰まり、基板に塗布できないおそれがある。また、液滴吐出装置50を用いる本実施の形態では、アセチルアセトン等の溶剤成分を増量して粘度を低くすることが好ましい。
塗布液20には、上記必須成分以外の任意成分として、例えばレベリング剤、消泡剤、密着付与剤、架橋剤などを配合することができる。
塗布液20は、例えばポリイミド前駆体樹脂、金属化合物および粘度調整剤を任意の溶媒例えばピリジン系溶媒、イミダゾール系溶媒などの中で混合することによって調製できる。なお、事前に調製されたポリイミド前駆体樹脂を含む溶液(ポリアミック酸ワニス)に、金属化合物および粘度調整剤を添加して混合することにより塗布液20を調製することもできる。
液滴吐出装置50を用いて塗布膜40を形成する際、パターン状の塗布膜40の線幅Lは10〜400μmの範囲内が好ましく、15〜200μmの範囲内がより好ましい。線幅Lは、液滴吐出装置50のノズル孔52aの径や、吐出幅(吐出面積)を変えることにより調節することができる。本実施の形態では、前記のように、塗布液20の粘度を10〜20cpsの範囲内としたことにより、液滴吐出装置50の液滴吐出ヘッド52の内部の圧力発生室(図示省略)やノズル孔52aにおける目詰まりを防止しながら、所望の線幅で微細なパターンを形成することができる。
液滴吐出ヘッド52から絶縁基材3上に塗布液20を吐出した後は、乾燥させる。乾燥は、第1の実施の形態のステップS1と同様の条件で行うことができる。このようにして、絶縁基材3上に所定のパターンで塗布膜40を形成することができる。
本実施の形態のその他の作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、液滴吐出装置50を用いる本実施の形態において、第2の実施の形態と同様に、塗布膜形成工程に先立って、表面処理工程を設けることも可能である。
次に、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。
[参考例]
ポリイミド前駆体ニッケル錯体溶液の調製:
N−メチル−2−ピロリジノン(以下、「NMP」と略す)200mlに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、「BPDA」と略す)7.36gと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、「BAPP」と略す)10.26gを加え、室温で4時間攪拌し、ポリイミド前駆体ワニスAを作成した。
次に、市販のニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物5.85gをN−メチル−2−ピロリジノン50mlに溶解した溶液を、ポリイミド前駆体ワニスAに添加した。この混合物に、さらに、アセチルアセトン30gを加え、室温で1時間攪拌してポリイミド前駆体ニッケル錯体溶液Bを作成した。この溶液の粘度は、E型粘度計で測定したところ、820cpsであった。
また、市販のニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物5.85gをN−メチル−2−ピロリジノン50mlに溶解した溶液を、ポリイミド前駆体ワニスAに添加した。この混合物に、さらに、アセチルアセトン60g及びN−メチル−2−ピロリジノン150mlを加え、室温で1時間攪拌してポリイミド前駆体ニッケル錯体溶液Cを作成した。この溶液の粘度は、E型粘度計で測定したところ、15cpsであった。
[実施例1]
無アルカリガラス(旭硝子株式会社製 AN−100)の試験片10cm×10cm(厚み0.7mm)を50℃の5N水酸化ナトリウム水溶液により5分間処理した。次に、試験片のガラス基板を、純水で洗浄し、乾燥した後、1重量%の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(以下、「γ−APS」と略す)水溶液に浸漬させた。このガラス基板を、γ−APS水溶液から取り出した後乾燥し、150℃で5分間加熱した。このガラス基板上に、ディスペンサー(ソニー株式会社製 CASTPRO II(商品名))を使って上記ポリイミド前駆体ニッケル錯体溶液Bを、約200μm幅の直線に描画した後、130℃で30分間乾燥した。描画、乾燥により形成した塗布膜の厚みは5μmであった。
次に、上記ガラス基板を、50℃の100mM水素化ほう素ナトリウム水溶液に3分間浸漬させた。次に、ガラス基板をイオン交換水で洗浄した後、500mMの酢酸ニッケル水溶液に10分間浸漬させ、さらに50℃の500mMジメチルアミンボラン水溶液に3分間浸漬させることで電気銅めっき下地になるニッケル層を形成した。
さらに、ガラス基板のニッケル層に対して、電気銅めっき浴中で、3.5A/dmの電流密度で電気めっきを行い、銅膜厚20μmの銅配線を形成した。
得られた銅配線形成ガラス基板を窒素雰囲気中において300℃まで加熱し、300℃で5分間かけてイミド化を行った後、窒素雰囲気中で常温まで冷却し、銅配線形成ガラス基板を得た。
[実施例2]
無アルカリガラス(旭硝子株式会社製 AN−100)の試験片10cm×10cm(厚み0.7mm)を50℃の5N 水酸化ナトリウム水溶液で5分間処理した。次に、試験片のガラス基板を純水で洗浄し乾燥した後、1重量%のγ−APS水溶液に浸漬させた。この試験片のガラス基板を、γ−APS水溶液から取り出した後、乾燥し、150℃で5分間加熱した。液滴吐出装置50として、市販のインクジェット式プリンタのインクカートリッジに上述のポリイミド前駆体ニッケル錯体溶液Cを充填したものを用意した。そして、このインクジェットプリンタにより、上記ガラス基板上にポリイミド前駆体ニッケル錯体溶液Cを吐出し、約50μm幅の直線に描画した。その後、ガラス基板上の塗布液を130℃の温度で30分間乾燥した。描画、乾燥により形成した膜の厚みは0.5μmであった。
次に、上記ガラス基板を、50℃の100mM水素化ほう素ナトリウム水溶液中に、3分間浸漬させた。次に、ガラス基板をイオン交換水で洗浄後、500mMの酢酸ニッケル水溶液に10分間浸漬させた。次に、ガラス基板を500mMジメチルアミンボラン水溶液に50℃で、3分間浸漬させることで電気銅めっきの下地になるニッケル層を形成した。
さらに、ガラス基板のニッケル層に対して、電気銅めっき浴中で、3.5A/dmの電流密度で電気めっきを行い、銅膜厚20μmの銅配線を形成した。
得られた銅配線形成ガラス基板を窒素雰囲気中において300℃まで加熱し、300℃で5分間かけてイミド化を行った後、窒素雰囲気中で常温まで冷却し、銅配線形成ガラス基板を得た。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記第1〜第3の実施の形態では、イミド化工程を第2の還元工程の後(電気めっき工程の前)に行うようにしたが、電気めっき工程の後にイミド化工程を実施することもできる。
また、上記第1〜第3の実施の形態において、浸漬工程の後に、純水やイオン交換水等による水洗工程(洗浄工程)を設けることも可能である。
さらに、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、塗布膜形成工程において、ディスペンサーまたは液滴吐出装置を用いて絶縁基材に直接所定のパターンで塗布液を塗布し、パターン化された塗布膜を形成した。しかし、塗布膜形成工程では、絶縁基材の全面に塗布液を塗布して塗布膜を形成しておき(いわゆる「ベタ塗り」)、電気めっき後に、フォトリソグラフィー工程とエッチング工程を設けて導体層を所定のパターンに加工してもよい。
なお、本発明の導体層の形成方法は、回路基板等に用いるパターン化導体層を形成する目的以外にも、絶縁基材の表面に該絶縁基材との密着性に優れた導体層を形成する目的で広く利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る回路基板の構成を示す説明図である。 図1に示した回路基板の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る導体層の形成方法の手順の概要を示すフロー図である。 本発明の第1の実施の形態に係る導体層の形成方法における塗布膜形成工程を説明するための説明図である。 塗布膜形成工程後の塗布膜の状態を説明するための説明図である。 第1の還元工程後の塗布膜の状態を説明するための説明図である。 第2の還元工程後の金属析出層の状態を説明するための説明図である。 イミド化工程後のポリイミド樹脂層の状態を説明するための説明図である。 電気めっき工程後のパターン化導体層の状態を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る導体層の形成方法の手順の概要を示すフロー図である。 本発明の第3の実施の形態に係る導体層の形成方法の手順の概要を示すフロー図である。 本発明の第3の実施の形態に係る導体層の形成方法における塗布膜形成工程を説明するための説明図である。
符号の説明
1…回路基板、3…絶縁基材、5…パターン化導体層、7…ポリイミド樹脂層、9…金属析出層、11…電気めっき層、20…塗布液、30…ディスペンサー、40,40a…塗布膜、41…粒子状金属、50…液滴吐出装置。

Claims (19)

  1. ポリイミド前駆体樹脂と、金属化合物とを含有する塗布液を、絶縁基材表面に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
    前記塗布膜を有する前記絶縁基材を、還元剤を含有する溶液に浸漬して前記塗布膜に粒子状金属を析出させる第1の還元工程と、
    前記粒子状金属が析出した前記塗布膜を有する前記絶縁基材を、金属化合物を含有する溶液に浸漬する浸漬工程と、
    前記浸漬工程後に、前記塗布膜を有する前記絶縁基材を、再度前記還元剤を含有する溶液に浸漬し、前記塗布膜に粒子状金属を析出させて導体層となる金属析出層を形成する第2の還元工程と、
    熱処理を行って前記塗布膜中の前記ポリイミド前駆体樹脂をイミド化してポリイミド樹脂層を形成するイミド化工程と、
    を備えたことを特徴とする導体層の形成方法。
  2. 前記浸漬工程と前記第2の還元工程とを繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の導体層の形成方法。
  3. 前記塗布膜形成工程および前記浸漬工程で用いる前記金属化合物が、Cu、Ni、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、FeまたはCoから選ばれる金属の塩もしくは有機カルボニル錯体であることを特徴とする請求項1または2に記載の導体層の形成方法。
  4. 前記浸漬工程で用いる前記金属化合物を含有する溶液は、前記金属化合物を30〜300mMの範囲内の濃度で含有することを特徴とする請求項3に記載の導体層の形成方法。
  5. 前記第1の還元工程および前記第2の還元工程では、前記塗布膜を有する前記絶縁基材を0.005〜0.5mol/Lの範囲内の濃度のホウ素化合物の溶液に浸漬することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  6. 前記ホウ素化合物が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムまたはジメチルアミンボランであることを特徴とする請求項5に記載の導体層の形成方法。
  7. 前記イミド化工程では、前記塗布膜を有する前記絶縁基材を150〜400℃の範囲内の温度で加熱処理することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  8. 前記塗布膜形成工程の前に、さらに前記絶縁基材の表面をシランカップリング剤で処理する表面処理工程を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  9. 前記塗布膜形成工程の前に、さらに前記絶縁基材の表面をプラズマで処理する表面処理工程を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  10. 前記イミド化工程の前または後に、さらに前記金属析出層を核として電気めっきを行って電気めっき層を形成する電気めっき工程を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  11. 前記塗布膜形成工程では、液状物を細線状に吐出するディスペンサーを用いて前記絶縁基材上に所定のパターンで前記塗布液を塗布することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  12. 前記塗布膜形成工程では、微小液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を用いて前記絶縁基材上に所定のパターンで前記塗布液を塗布することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  13. 前記所定のパターンの塗布膜の線幅が10〜400μmの範囲内であることを特徴とする請求項11または12に記載の導体層の形成方法。
  14. 前記塗布液は、さらに、粘度調節剤を含有することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  15. 前記塗布液は、ポリイミド前駆体樹脂、金属化合物及び粘度調整剤の合計の重量部100に対して、前記金属化合物を5〜60重量部の範囲内で含有することを特徴とする請求項14に記載の導体層の形成方法。
  16. 前記粘度調整剤が、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルであることを特徴とする請求項14または15に記載の導体層の形成方法。
  17. 前記塗布液の粘度が10〜100,000cpsの範囲内であることを特徴とする請求項14ないし16のいずれかに記載の導体層の形成方法。
  18. 絶縁基材と、該絶縁基材に形成された導体層とを備えた回路基板の製造方法であって、
    前記導体層を、請求項1ないし17のいずれかに記載の導体層の形成方法により形成したことを特徴とする回路基板の製造方法。
  19. 請求項18に記載された回路基板の製造方法により製造されたことを特徴とする回路基板。
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