JP2008256608A - 伐採木離隔測定方法、伐採木離隔測定装置および仰角測定治具 - Google Patents

伐採木離隔測定方法、伐採木離隔測定装置および仰角測定治具 Download PDF

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Abstract

【課題】伐採現場で簡易かつ確実に、電線と樹木の離隔距離および伐採可能か否かの判定結果を得ることが可能な伐採木離隔測定方法、伐採木離隔測定装置および仰角測定治具を提供する。
【解決手段】測定の基準となる測定点M、樹木38および電線36のそれぞれの関係に基づいた入力情報により、樹木38の基端部Bから頂部Aまでの第1の距離hおよび樹木38の基端部Bから電線36までの第2の距離Lを算出し、第2の距離Lと第1の距離htとの差から樹木38と電線36との間の第3の距離Xを算出する。算出した第3の距離Xと予め設定した基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定し、判定した判定結果を告示する。伐採する現場において、簡易かつ確実な方法で、倒木時の樹木38と電線36の離隔距離Xや伐採の可否を取得できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、伐採木離隔測定方法、伐採木離隔測定装置および仰角測定治具に関する。詳細には、倒木時の樹木と電線との離隔距離を算出する伐採木離隔測定方法および伐採木離隔測定装置並びにそのときに測定点からの樹木および電線のそれぞれの仰角を測定する仰角測定治具に関する。
発電施設で発電された電力は、発電施設や複数の変電所間に架設された送電施設(送電線)を経由して工場や家庭に送電される。送電施設が山岳地帯や森林地帯に建設される場合、架設される電線に樹木が近接していることも多い。樹木は月日の経過と共に成長するため、樹木が電線に接触したりすると地絡を起こし、停電事故を引き起こす場合がある。停電事故の社会生活に対する影響は非常に大きいため、このような停電事故は事前に回避する必要があり、そのためには電線と樹木との離隔距離の把握や伐採処理等の保守点検業務が必要になる。
現状では、鉄塔上での目視観測、現地測量等の事前の伐採調査により必要伐採木を抽出し、所有者との伐採交渉を経た後に伐採作業を行っているが、以下のような問題がある。
(1)所有者との伐採交渉に時間を要するため、その間に樹木が成長する。
(2)鉄塔上での目視観測は、見る方向・角度によっては離隔の確認が難しい。
(3)測量機械による測量は、測量機材の運搬等に手間がかかるため、全ての場所では実施していない。
等の理由により、多くの場合最終倒木時の電線との離隔を確認しないまま、過去の離隔データにより伐採しているのが実態である。
このため、伐採調査時期と伐採時期に隔たりがある場合には、樹木の成長等により時として伐採木と電線とが接近もしくは接触して、供給支障事故を発生することがある。
これら伐採による供給支障事故の最後の歯止めは、伐採直前に現地で伐倒木と電線との離隔を確認することである。これができれば、離隔不足の樹木は伐採してはならないことがその場で分かるため、事故に至ることはない。
現地で樹木と電線との離隔を確認する方法の必要条件は、(1)簡易にできること、(2)正確な離隔データが得られることである。
現在市販されているハンディタイプのノンプリズム式距離計を使用することにより離隔距離を測定することができる。これにより、目標対象がある程度の広がりをもった堅固な構造物等である場合には、ある程度の精度で手軽に距離を測定できる。
また、特許文献1には、レーザー測距装置部、記録部、制御部、ジャイロ加速度計部、タイマー部、可視TVカメラ部、GPS部、異常接近箇所アラーム発生部を有する機上搭載装置をヘリコプター等航空機に載せ、送電線の上空を飛行しながら送電線周辺の距離データを取得し、送電線とこの送電線に接近する障害物間の遠隔距離データを出力するデータ処理解析部によって処理する送電線接近樹木離隔検出装置が開示されている。この装置によれば、必要なデータを人員が伐採現場に深く立入ることなく広範囲にわたって短時間に得ることができる。
特開平7−43109号公報
しかしながら、ノンプリズム式距離計による測定では、測定する対象物が、小さくかつ揺れて背景の空が透けて見えるような樹木の先端であったり、空中に架けられた細い電線等の場合、距離計の照準を合わすことが難しく、確実な測定が困難である。したがって、倒木時の離隔距離測定治具としては使用に適さない。
また、上記特許文献1に開示されている送電線接近樹木離隔検出装置では、ヘリコプター等の大掛かりな装置を必要とするため、伐採直前に現場で簡易に電線と樹木との離隔距離を測定し、伐採可能か否かの判断を迅速に行なうことは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伐採現場で簡易かつ確実に、電線と樹木の離隔距離および伐採可能か否かの判定結果を得ることが可能な伐採木離隔測定方法、伐採木離隔測定装置および仰角測定治具を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、伐採の対象となる木と前記木に近接する電線との離隔距離を算出し、伐採の可否を判定する伐採木離隔測定方法であって、測定の基準となる測定点および前記電線を通過する方向と水平面とのなす角、前記測定点および前記木の頂部を通過する方向と水平面とのなす角、前記木の基端部から前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの高さ、前記木の基端部から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離および前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離の情報を入力するステップと、入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離を算出すると共に、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離を算出し、前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離を算出するステップと、算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定するステップと、少なくとも判定した判定結果を告示するステップと、を有することを特徴とする。
また本発明の伐採木離隔測定方法は、測定の基準となる測定点および前記電線を通過する方向と水平面とのなす角、前記測定点および前記木の頂部を通過する方向と水平面とのなす角、前記木の基端部から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの高さ、前記木の基端部から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離および前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離の情報を入力するステップと、入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離を算出すると共に、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離を算出し、前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離を算出するステップと、算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定するステップと、少なくとも判定した判定結果を告示するステップと、を有することを特徴とする。
また本発明の伐採木離隔測定方法は、測定の基準となる第1の測定点が前記木と略同じ位置に設けられると共に測定の基準となる第2の測定点が前記電線の鉛直方向と略同じ位置に設けられ、第1の測定点および前記電線を通過する方向と水平面とのなす角、前記第2の測定点および前記木の頂部を通過する方向と水平面とのなす角、前記木の基端部から前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの高さおよび前記木の基端部から前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離の情報を入力するステップと、入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離を算出すると共に、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離を算出し、前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離を算出するステップと、算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定するステップと、少なくとも判定した判定結果を告示するステップと、を有することを特徴とする。
樹木が電線方向に倒木する場合、一般的に樹木はその基端部を支点として第1の距離(径)がなす円周方向に倒木する。そのため、第1の距離が第2の距離よりも小さければ、樹木が電線に接触せずに一定の距離を隔てて倒木することになる。本発明では、第2の距離と第1の距離との差である第3の距離を算出することにより、倒木時の樹木と電線の離隔距離を取得する。そして、この第3の距離に基づいて伐採の可否を判定し、伐採現場において確実かつ簡易に伐採の判定可否が告示される。
本発明の仰角測定治具は、測定する対象物に照準を合わせるための照準合わせ部と、前記照準合わせ部に取り付けられ、前記対象物の仰角を測定する角度測定部を有する本体部と、前記本体部に取り付けられ、前記本体部の角度測定部面が投影されて写し出される鏡面部とを備えることを特徴とする。
照準合わせ部を所定角度に傾斜させて、測定する対象物に照準が合わされると、照準合わせ部に取り付けられる本体部の角度測定部もこれに伴い傾斜する(指針が移動する)。そして、本体部に取り付けられる鏡面部に、傾斜した角度測定部が投影されて写し出される。ここで、直接角度測定部の測定値を読む場合には、仰角測定治具を動かす必要があり測定値が変動してしまう。この場合には正しい測定値が読めなくなる。これに対し、本発明では、投影された鏡面部の測定値を読むため、角度測定部を動かすことなく角度測定部の測定値を読むことができる。したがって、正確な測定値が得られると共に、照準を合わせながら同時に角度測定部の値を読むことが可能となる。
この方法によれば、伐採する現場において、簡易かつ確実な方法で、倒木時の樹木と電線の離隔距離および伐採可能か否かの判定を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(伐採木離隔測定装置)
図1は本実施形態に係る伐採木離隔測定装置10のブロック構成図を示し、図2はROM22に格納されるプログラム構成を示し、図3はROM22に格納される判定データ構成を示す。
図1に示すように、伐採木離隔測定装置10は、CPU(Central Processing Unit)12と、ROM(read only memory)22と、RAM(random access memory)24と、入出力インターフェース16とを有しており、これらはバス8に接続されている。入出力インターフェース16には入力部14および表示部18がそれぞれ接続されている。
CPU12は、装置10全体の動作を制御するものであり、入力部14から入力される入力データに基づいて、ROM22から所定のプログラムを読み出した後、読み出したプログラムをRAM24に一時格納し、RAM24からプログラムを読み出して各処理を実行する。このCPU12は制御手段の一例である。
入力部14は、数字キーや方向キー等の、項目の入力や機能選択等に必要なキー(図9参照)を有しており、押下されたキーの信号をCPU12に出力する。入力部14は、後述する表示部18にタッチパネルを設けることによりタッチパネル式入力としても良い。この入力部14は入力手段の一例である。
表示部18は、液晶パネルを有しており、入力データに基づいた算出結果等を液晶パネルの画面に表示する。データ入力をタッチパネル方式とする場合には、液晶パネルの視認側にタッチパネルが設けられる。この表示部18は告知手段の一例である。
ROM22は、電源がON状態にされたときに伐採木離隔測定装置10を初期状態に設定するためのプログラムおよびデータの他、後述するCASE1〜CASE4の測定モードを実現するためのプログラム等を格納している。RAM24は、CPU12の作業領域として各種データを一時的に記憶するための記憶領域として機能する。
ここで、ROM22に格納されるデータ(プログラム)構成について図2、図3および後述する図8、図13〜図15を参照して説明する。
図2に示すように、ROM22には、伐採の対象となる樹木38とこの樹木38に近接する電線36との距離を算出するための4種類(CASE1〜CASE4)のプログラム(倒木判定プログラム)が格納されている。CASE1〜CASE4のそれぞれのプログラムは、測定の基準となる測定点Mと樹木38および電線36との相対位置関係によって分類されている(図8、図13〜図15参照)。これは、伐採現場の土地の環境に合わせて、測定し易い位置に測定点Mを選定し、簡易かつ確実に入力データを測定するためである。
CASE1は、樹木38と電線36との間に測定点Mを設定した場合の算出プログラムである。これらの位置関係は、一方向から俯瞰した場合、左側から樹木38、測定点M、電線36の順番となる(図8参照)。
CASE2は、電線36の樹木38側とは反対側に測定点Mを設定した場合の算出プログラムである。これらの位置関係は、一方向から俯瞰した場合、左側から樹木38、電線36、測定点Mの順番となる(図13参照)。
CASE3は、樹木38と電線36の位置をCASE2と逆に設定した場合の算出プログラムである。これらの位置関係は、一方向から俯瞰した場合、左側から電線36、樹木38、測定点Mの順番となる(図14参照)。
CASE4プログラムは、基準となる測定点Mを2箇所に設け、これらの測定点Mを樹木38および電線36のそれぞれと同じ位置に設定した場合の算出プログラムである。これらの位置関係は、一方向から俯瞰した場合、左側から樹木38(測定点M)、電線36(測定点M)の順番となる(図15参照)。
またROM22には、図3に示すように、伐採可能か否かを判定する際の基準となる判定データが格納されている。判定データには、各電線36に送電される電圧と、この電圧値に対応した基準離隔距離Yとが対応付けられて格納されている。離隔距離とは、倒木時の樹木38の頂部Aと電線36とが最も近接する最短距離を意味する(図8参照)。
ここで、各発電所、変電所間に架設される電線36では、区間ごとに異なる大きさの電圧が送電されている。一例を示すと、発電所から超高圧変電所の間に架設される電線36(送電線)では例えば500kVの電圧が送電される。超高圧変電所と一次変電所の間に架設される電線36(送電線)では例えば220kV、110kVの電圧が送電される。一次変電所から配電用変電所の間に架設される電線36(送電線)では例えば110kV、66kVの電圧が送電される。配電用変電所から需要家間に架設される電線36(送電線)では例えば22kV、11kVの電圧が送電される。このような場合、電線36の電圧値の高低によって事故の規模も異なるため、倒木時の樹木38と電線36の離隔距離は、高電圧の電線36ほど長く設定する必要がある。そこで、図3に示す判定データでは、高電圧の電線36ほど離隔距離が低電圧の電線36と比較して長く設定されている。例えば、500kVの高電圧の電線36では基準離隔距離Yが6m(一例)に設定されているが、これに比較して低電圧の11kVの電線36では基準離隔距離Yが3m(一例)に設定されている。
なお、図3の離隔距離は、樹木を倒木した場合、枝のたわみやゆれ等により、電線との離隔距離は微妙に変わること、また現場管理の効率化も考慮して複数の電圧をまとめ、ある程度裕度のある値である。
(仰角測定治具)
次に、後述する仰角を測定するための仰角測定治具の構成について説明する。
図4は仰角測定治具34の構成を示す斜視図であり、図5は角度測定部44の目盛り46の構成を示す拡大図であり、図6は目盛り46が投影されて写し出された鏡面部32の図である。仰角測定治具34は、図4に示すように、モニター部26と、本体部28と、鏡面部32とを備える。
モニター部26は、両端部が開口された細長の円筒状をなし、この開口を介して伐採の対象となる樹木38の頂部A(対象物)に照準を合わせるものである。モニター部26にレンズ等を装着することでズーム機能を付加し、より照準を正確に合わせられる構成としても良い。このモニター部26は照準合わせ部の一例である。
モニター部26の上部外周面にはネジや接着剤等の固着部材を介して本体部28が取り付けられる。本体部28には、円弧状に湾曲したガラス管30を有する角度測定部44が埋設される。図5に示すように、ガラス管30表面(またはその近傍の本体部28)にはその円周方向に沿って角度を規定する目盛り46(0°〜90°)が表記されている。目盛り46は、鏡面対象文字で表記され、後述する鏡面部32によって目盛り46を読む際に、鏡面対象文字が鏡面部32の鏡面32aに投影されて目盛り46が見易くなるようになっている。ガラス管30の内部には液体42(例えば油)が充填され、この液体42の内部には指針となる一つの気泡40が内包される。
本体部28の後端部には、図4に示すように、ヒンジ部48を介して鏡面部32が取り付けられる。鏡面部32は、ヒンジ部48の軸Oの周りに回転自在とされ、測定時以外には鏡面32aが本体部28の側面に当接されて折り畳まれた状態となり、測定時には鏡面32aが例えば本体部28の側面に対して90°の位置で停止した(開いた)状態となる。また、鏡面部32は、投影時に本体部28の目盛り46全体を写すために、折り畳んだ状態で本体部28の角度測定部44を覆う大きさで構成される。なお、本体部28と鏡面部32とはヒンジ部48以外の公知の方法により連結しても良い。
この仰角測定治具34を用いて仰角を測定する方法について説明する。まず、鏡面部32を開いた後、モニター部26を一定角度に傾斜させて樹木38の頂部Aに照準を合わせる。例えば、図4に示すように、角度30°の樹木38に照準を合わせる。これに伴って、ガラス管30の内部の気泡40が目盛り46の30°の位置まで移動する(図5の破線部参照)。ガラス管30の内部の気泡40の移動が停止した後、鏡面部32に反射された目盛り46を読む。このとき、鏡面部32の鏡面32aには、図6に示すように、30°の位置に移動した気泡40(図6の破線部参照)と、本体部28の鏡面対象文字で表記された目盛り46が鏡面32a上に投影されて正規文字として写し出される。
これにより、投影された鏡面部32の目盛り46の値を読むことで、本体部28を動かすことなく目盛り46の角度を読み取ることができる。これにより、簡易かつ正確に対象物である樹木38の仰角を測定することができる。また、本体部28の目盛り46を鏡面部32に投影させる構成とすることで、測定者の一方の目でモニター部26により対象物に照準を合わせながら、同時に他方の目で鏡面部32に写し出された目盛り46の角度から対象物の仰角を測定することができる。
(伐採木離隔測定装置の動作)
次に、上述した伐採木離隔測定装置10および仰角測定治具34を用いて、樹木38と電線36との離隔距離Xを算出する動作について図1〜図4および図7〜図12を参照して説明する。図7は、樹木38と電線36の離隔距離Xの算出の動作を示すフローチャートである。図8(a)は樹木38、測定点M、電線36の位置関係およびデータを示す図であり、図8(b)は図8(a)を上側から俯瞰した図である。図9、図10、図11および図12は、伐採木離隔測定装置10の表示画面を示す図である。
なお、この樹木38と電線36の離隔距離X(図8参照)の算出を行なう前に、事前の伐採調査により、伐採が必要な樹木38の抽出およびこの樹木38の所有者との伐採交渉は既に完了しており、樹木38を倒木する直前の段階(現場)に進んでいるものとする。
まず、ステップS10でCPU12は、伐採木離隔測定装置10の電源がオンされて離隔距離測定の機能が選択されると、電線36の電圧を選択するための画面を表示する。表示部18の画面には、図9に示すように、上述した各電線36の電圧値と、この電圧値に対応した入力キー番号とが対応付けられて表示される。電圧値の一例として、例えば、11kV、22kV、66kV、110kV、220kV、500kVの6種類が表示される。CPU12は、ユーザーによって例えば11kVに対応した入力キー20の「1」が入力されると、ROM22から11kVに対応したデータ(離隔距離3)を読み出し(図3参照)、これをRAM24に格納する。
次に、ステップS20でCPU12は、測定モードを選択するための画面を表示する。表示部18の画面には、図10に示すように、CASE1〜CASE4の4種類の測定モードと、この測定モードに対応した入力キー番号とが対応付けられて表示される。CPU12は、ユーザーによって例えばCASE1の測定モードに対応した入力キー20の「1」が入力されると、ROM22からCASE1に対応したプログラムを読み出し(図2参照)、これをRAM24に格納する。
次に、ステップS30でCPU12は、樹木38と電線36との離隔距離Xを算出するために用いる入力データの項目一覧を表示部18の画面に表示する。表示部18の画面には、図11に示すように、α=、β=、hg=、Lst=、Lsw=、m=の入力データの項目がそれぞれ表示される。なお、入力データは、個々に逐次表示し、各入力データが入力された後に次の入力データ画面を表示させても良い。
入力データについて図8(a)、(b)を参照して説明する。なお、電線36の太さは離隔距離Xに対して小さいため、本実施形態では考慮せず、電線36の断面中心を基準としている。また、倒木する樹木38の倒木方向は、倒木が電線に最も近接する場合を想定して、図8(b)に示すように、電線36の延在方向に対して直交する方向であり、樹木38がこの直交する一直線上に配置されるように測定点Mが設定される。
αは「測定点Mと電線36とを通過する方向と、水平面Hとのなす角」である。
βは「測定点Mと樹木38の頂部Aとを通過する方向と、水平面Hとのなす角」である。
gは「樹木38の基端部Bから、電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dまでの垂直高さ」である。なお、地面Gの傾斜が図8(a)の右上がりの場合と異なり傾斜が左下がりの場合には、入力データhgにマイナス符号を付けて入力すれば良い。
stは「樹木38の基端部Bから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの斜距離」である。
swは「電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの斜距離」である。
mは「測定点Mの高さ」である。
入力データα、βについては、上述した仰角測定治具34を用い、モニター部26を樹木38の頂部Aに照準を合わせて測定する。
g、LstおよびLswについては、巻尺とポールを用いて測定するか、または樹木38の幹が測定点Mから見通せるような場合には例えばレーザー距離計を用いることにより簡易かつ確実に測定することができる。
mについては、測定点Mが人間の視点である場合、測定者の身長に基づいて算出する。
図7に戻り、これらの入力データが画面にしたがって入力されると、CPU12は、この入力データをRAM24に格納し、ステップS40でRAM24に格納されたCASE1のプログラムを読み出し、離隔距離Xの算出処理を実行する。
ステップS40でCPU12は、入力データに基づいて伐採の対象となる樹木38とこの樹木38に近接する電線36との離隔距離Xを算出する。算出方法について図8(a)を参照して以下に説明する。
まず、CPU12の角度計算設定を「度」とする。
次に、入力データhg、Lst、Lswから、樹木38、測定点Mの交差点Cおよび電線36の交差点Dが位置する地面Gの勾配γを下記式により算出する。
γ=arcsin(hg/(Lst+Lsw))
次に、入力データLstおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部Bから測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの垂直高さhmを下記式により算出する。
m=Lstsinγ
次に、入力データLstおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部Bと測定点Mとの水平距離ltを下記式により算出する。
t=Lstcosγ
次に、入力データLswおよび算出した勾配γから、電線36(交差点D)と測定点M(交差点C)との水平距離lwを下記式により算出する。
w=Lswcosγ
次に、測定点Mから樹木38の頂部Aまでの垂直高さhbtを下記式により算出する。
bt=lttanβ
次に、測定点Mから電線36までの垂直高さhawを下記式により算出する。
aw=lwtanα
次に、算出したhbt、m、hmに基づいて樹木38の高さht(第1の距離)を下記式により算出する。
t=hbt+m+hm
次に、算出したhaw、m、hm、hgに基づいて電線36の高さhwを下記式により算出する。
w=haw+m+hm−hg
次に、算出したlt、lw、hw、hgに基づいて樹木38の基端部Bから電線36までの距離L(第2の距離)を下記式により算出する。
L=√((lt+lw2+(hw+hg2
最後に、算出したL、htに基づいて倒木時の樹木38と電線36の離隔距離X(第3の距離)を下記式により算出する。
X=L−ht
図7に戻り、ステップS50でCPU12は、上記算出した離隔距離Xに基づいて、樹木38を伐採可能であるか否かを判定する。まず、CPU12は、ステップS10で選択した電線36の電圧値に対応した基準離隔距離YをRAM24から読み出し、算出した離隔距離Xと基準離隔距離Yとを比較する。比較した結果、例えば、算出した離隔距離Xの値が、基準離隔距離Yの値以上であれば伐採可能であると判定する。すなわち、倒木する樹木38と電線36と間には最低限の離隔距離が確保されており、倒木時の樹木38と電線36とが接触する可能性が低いことを意味している。一方、CPU12は、算出した離隔距離Xの値が基準離隔距離Yの値未満であれば、樹木38と電線36とが接触する可能性が高いと判断して、伐採不可能であると判定する。
伐採可能である場合にはステップS60に移行し、図12に示すように、上述した算出結果および判定結果が表示部18の画面に出力データとして表示される。画面に表示される出力データとしては、ht、hw、L、X、および判定結果(伐採可能)が表示される。測定者は、この画面に表示される出力データ(伐採可能)に基づいて、樹木38の伐採を実行する。
一方、ステップS50で、伐採不可能と判定された場合にはステップS70に移行し、上述した算出結果および判定結果(判定不可能)が表示される。
次に、ステップS80でCPU12は、判定結果が表示された画面を切り替えて、伐採方法を変更するか否かの画面を表示する。伐採方法を変更する場合にはステップS30に戻り、伐採方法を変更しない場合には処理が終了し表示部18の画面が初期状態に戻る。
伐採方法を変更として、例えば、図8(b)の破線で示すように、測定点Maの位置を電線36とは直交しない位置に変更して、倒木方向を変更する方法が挙げられる。ステップS30では、測定点Mを変更した場合の新たに測定した各入力データ(図11参照)を伐採木離隔測定装置10に入力して、上述したステップS40〜ステップS60までの処理を行う。
これにより、伐採方向を変更することで、測定点Mを電線36に直交する位置に設定する場合よりも、樹木38と電線36の離隔距離を確保することができ、倒木の際の樹木38と電線36との接触を避けて伐採することが可能となる。
本願発明者は、上述した伐採木離隔測定装置10を用いて、伐採の樹木38の伐採直前に、倒木する際の樹木38とこれに近接する電線36の離隔距離Xを測定した。
電線36の電圧値が500kV、測定モードがCASE1(伐採判定プログラム)の場合に、入力データとして、α=63、β=35、hg=1.5、Lst=6.0、Lsw=3.0、m=1.7を入力したところ、出力データht=6.8、hw=7.0、L=12.3、X=5.5および伐採不可能の判定結果が得られた。
このようにして、伐採直前の現場において、倒木する際の樹木38とこれに近接する電線36との離隔距離Xおよび伐採判定結果が簡易に取得できた。
上述したCASE1の測定モードは、例えば、伐採する樹木38とこれに近接する電線36との間に、他の樹木や川等の障害物がなく、測定するためのスペースが確保されている場合や、他の樹木の枝が繁茂しておらずこの位置から樹木38や電線36を直視できるような現場であるときに適用できる。
(CASE2の倒木判定プログラム)
次に、図7に示すステップS20においてCASE2(図13参照)の測定モードを選択した場合の離隔距離Xの算出動作について説明する。CASE2の測定モードは、例えば、伐採する樹木38とこれに近接する電線36との間の測定するためのスペースが狭い場合や、他の樹木の枝が繁茂していてこの位置から樹木38や電線36を直視することができず、これらを測定できない現場であるときに適用できる。さらに、電線36の樹木38側と反対側に測定するためのスペースが確保されており、この位置から樹木38や電線36の見通しが良いような現場であるときに適用できる。なお、上述したCASE1と同様の動作部分については説明を省略する。
まず、図7に示すように、ステップS30でCPU12は、樹木38と電線36との離隔距離Xを算出するために用いる入力データの項目一覧を表示部18の画面に表示する。表示部18の画面には、α=、β=、hm=、Lst=、Lsw=、m=、の入力データの項目がそれぞれ表示される。
ここで、入力データについて図13(a)、(b)を参照して説明する。図13(a)は樹木38、測定点M、電線36の位置関係および入力データを示す図であり、図13(b)は図13(a)を上側から俯瞰した図である。
αは、「測定点Mと電線36とを通過する方向と、水平面Hとのなす角」である。
βは、「測定点Mと樹木38の頂部Aとを通過する方向と、水平面Hとのなす角」である。
mは、「樹木38の基端部Bから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの垂直高さ」である。
stは、「樹木38の基端部Bから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの斜距離」である。
swは、「電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの斜距離」である。
mは「測定点Mの高さ」である。
図7に戻り、これらの入力データが入力されると、CPU12は、この入力データをRAM24に格納し、ステップS40でRAM24に格納されたCASE2のプログラムを読み出し、離隔距離の算出処理を実行する。
次に、ステップS40でCPU12は、入力データに基づいて(ステップS30)伐採の対象となる樹木38とこの樹木38に近接する電線36との離隔距離Xを算出する。算出方法について図13(a)を参照して以下に説明する。
まず、CPU12の角度計算設定を「度」とする。
次に、入力データhm、Lstから、樹木38、測定点M(交差点C)および電線36(交差点D)の位置する地面Gの勾配γを下記式により算出する。
γ=arcsin(hm/Lst
次に、入力データLst、Lswおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部Bから電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dまでの高さhgを下記式により算出する。
g=(Lst−Lsw)sinγ
次に、入力データLstおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部Bと測定点Mとの水平距離ltを下記式により算出する。
t=Lstcosγ
次に、入力データLswおよび算出した勾配γから、電線36と測定点Mとの水平距離lwを下記式により算出する。
w=Lswcosγ
次に、測定点Mから樹木38の頂部Aまでの垂直高さhbtを下記式により算出する。
bt=lttanβ
次に、測定点Mから電線36までの垂直高さhawを下記式により算出する。
aw=lwtanα
次に、算出したhbt、m、hmに基づいて樹木38の高さht(第1の距離)を下記式により算出する。
t=hbt+m+hm
次に、算出したhaw、m、hm、hgに基づいて電線36の高さhwを下記式により算出する。
w=haw+m+hm−hg
次に、算出したlt、lw、hw、hgに基づいて樹木38の基端部Bから電線36までの距離L(第2の距離)を下記式により算出する。
L=√((lt−lw2+(hw+hg2
最後に、上記算出したL、htに基づいて倒木時の樹木38と電線36との離隔距離X(第3の距離)を下記式により算出する。
X=L−ht
このようにして、伐採時の樹木38と電線36の離隔距離Xを算出する。
(CASE3の倒木判定プログラム)
次に、図7に示すステップS20においてCASE3(図14参照)の測定モードを選択した場合の離隔距離Xの算出動作について説明する。CASE3の測定モードは、CASE2とは樹木38と電線36とが逆に位置している場合であり、この場合でも上述したCASE2と同様の理由のときに適用できる。なお、上述したCASE1と同様の動作部分については説明を省略する。
まず、ステップS30でCPU12は、樹木38と電線36との離隔距離Xを算出するために用いる入力データの項目一覧を表示部18の画面に表示する。表示部18の画面には、α=、β=、hm=、Lst=、Lsw=、m=、の入力データの項目がそれぞれ表示される。
ここで、入力データについて図14(a)、(b)を参照して説明する。図14(a)は樹木38、測定点M、電線36の位置関係および入力データを示す図であり、図14(b)は図14(a)を上側から俯瞰した図である。
αは、「測定点Mと電線36とを通過する方向と、水平面Hとのなす角」である。
βは、「測定点Mと樹木38の頂部Aとを通過する方向と、水平面Hとのなす角」である。
mは、「電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの垂直高さ」である。
stは、「樹木38の基端部Bから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの斜距離」である。
swは、「電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dから、測定点Mの鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Cまでの斜距離」である。
mは「測定点Mの高さ」である。
図7に戻り、これらの入力データが入力されると、CPU12は、この入力データをRAM24に格納し、ステップS40でRAM24に格納されたCASE3のプログラムを読み出し、離隔距離Xの算出処理を実行する。
次に、ステップS40でCPU12は、入力データに基づいて(ステップS30)伐採の対象となる樹木38とこの樹木38に近接する電線36との離隔距離Xを算出する。算出方法について図14(a)を参照して以下に説明する。
まず、CPU12の角度計算設定を「度」にする。
次に、入力データhm、Lswから、樹木38および測定点Mが位置する地面Gの勾配γを下記式により算出する。
γ=arcsin(hm/Lsw
次に、入力データLsw、Lstおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部Bから電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点Dまでの垂直高さhgを下記式により算出する。
g=(Lsw−Lst)sinγ
次に、入力データLstおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部Bと測定点Mとの水平距離ltを下記式により算出する。
t=Lstcosγ
次に、入力データLswおよび算出した勾配γから、電線36と測定点Mとの水平距離lwを下記式により算出する。
w=Lswcosγ
次に、測定点Mから樹木38の頂部Aまでの垂直高さhbtを下記式により算出する。
bt=lttanβ
次に、測定点Mから電線36までの垂直距離hawを下記式により算出する。
aw=lwtanα
次に、算出したhbt、m、hm、hgに基づいて樹木38の高さht(第1の距離)を下記式により算出する。
t=hbt+m+hm−hg
次に、算出したhaw、m、hmに基づいて電線36の高さhwを下記式により算出する。
w=haw+m+hm
次に、算出したlt、lw、hw、hgに基づいて樹木38の基端部Bから電線36までの距離L(第2の距離)を下記式により算出する。
L=√((lw−lt2+(hw−hg2
最後に、算出したL、htに基づいて倒木時の樹木38と電線36の離隔距離X(第3の距離)を下記式により算出する。
X=L−ht
このようにして、倒木時の樹木38と電線36の離隔距離Xを算出する。
(CASE4の倒木判定プログラム)
次に、図7に示すステップS20においてCASE4(図15参照)の測定モードを選択した場合の離隔距離Xの算出動作について図7および図15(a),(b)を参照して説明する。CASE4の測定モードは、例えば、CASE1のように樹木38と電線36との間に測定するためのスペースがない場合や他の樹木によって測定する樹木38や電線36が見通せない場合、またはCASE2やCASE3のように樹木38や電線36の外側に測定するためのスペースがないような現場であるときに適用できる。なお、上述したCASE1と同様の動作部分については説明を省略する。
まず、図7に示すステップS30で、CPU12は、樹木38と電線36との離隔距離Xを算出するために用いる入力データの項目一覧を表示部18の画面に表示する。表示部18の画面には、α=、β=、hg=、Ltw=、m=、の入力データの項目がそれぞれ表示される。
この入力データについて図15(a)、(b)を参照して説明する。図15(a)は樹木38、測定点M1,M2、電線36の位置関係および入力データを示す図であり、図15(b)は図15(a)を上側から俯瞰した図である。
αは、「測定点M1(第1の測定点)と電線36とを通過する方向と、水平面H1とのなす角」である。
βは、「測定点M2(第2の測定点)と樹木38の頂部Aとを通過する方向と、水平面H2とのなす角」である。
gは、「樹木38の基端部B(測定点M1の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点C1)から、測定点M2の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点C2(電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点D)までの垂直高さ」である。
twは、「樹木38の基端部B(測定点M1の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点C1)から、測定点M2の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点C2(電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点D)までの斜距離」である。
mは「測定点M1,M2の高さ」である。本実施形態では、測定点M1,M2は同一の測定者の視点を基準としているため、入力データの数値は同じ値に設定される。一方、異なる測定者により測定する場合には、測定点M1,M2はそれぞれ異なる数値に設定される。
図7に戻り、これらの入力データが入力されると、CPU12は、この入力データをRAM24に格納し、ステップS40でRAM24に格納されたCASE4のプログラムを読み出し、離隔距離Xの算出処理を実行する。
次に、図7に示すステップS40で、CPU12は、入力データに基づいて(ステップS30)伐採の対象となる樹木38とこの樹木38に近接する電線36との離隔距離Xを算出する。算出方法について図15(a)を参照して以下に説明する。
まず、CPU12の角度計算設定を「度」にする。
次に、入力データhg、Ltwから、樹木38、測定点M1,M2(交差点C1,C2)および電線36(交差点D)が位置する地面Gの勾配γを下記式により算出する。
γ=arcsin(hg/Ltw
次に、入力データLtwおよび算出した勾配γから、樹木38の基端部B(測定点M1の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点C1)と電線36の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点D(測定点M2の鉛直方向と地面Gとが交差する交差点C2)までの水平距離ltwを下記式により算出する。
tw=Ltwcosγ
次に、測定点M2から樹木38の頂部Aまでの垂直高さhbtを下記式により算出する。
bt=ltwtanβ
次に、測定点M1から電線36までの垂直距離hawを下記式により算出する。
aw=ltwtanα
次に、測定および算出したhbt、m、hgに基づいて樹木38の高さht(第1の距離)を下記式により算出する。
t=hbt+m+hg
次に、測定および算出したhaw、m、hgに基づいて電線36の高さhwを下記式により算出する。
w=haw+m−hg
次に、算出したltw、hw、hgに基づいて樹木38の基端部Bから電線36までの距離L(第2の距離)を下記式により算出する。
L=√(ltw 2+(hw+hg2
最後に、算出したL、htに基づいて倒木時の樹木38と電線36の離隔距離X(第3の距離)を下記式により算出する。
X=L−ht
このようにして、倒木時の樹木38と電線36の離隔距離Xを算出する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伐採現場において、樹木38、測定点M、電線36の関係に基づいたデータを伐採木離隔測定装置10に入力することで、伐採現場において簡易かつ確実に、電線36と樹木38の離隔距離Xおよび伐採可能か否かの判定結果を得ることができる。また、伐採現場の状況に応じて、CASE1〜CASE4のうちの最適な倒木判定プログラムを選択することができ、汎用性の高い伐採木離隔測定方法および伐採木離隔測定装置10を提供できる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述した実施形態では、伐採可能か否かの判定結果を表示部18の画面に表示させて告知していたが、判定結果をブザー音や音声案内によって告知することも可能である。
また、上述した実施形態では、CASE1〜CASE4の測定モードにより、離隔距離Xおよび伐採判定を行っていたが、測定モードはこの4種類に限定されることはない。例えば、CASE4で樹木38と電線36とが逆に位置している場合等ならびに、配電用変電所から、各一般家庭に電気を供給している配電線(電圧6kV)の接近樹木伐採検討にも本発明の伐採木離隔測定方法および伐採木離隔測定装置10は適用できる。
この発明は、樹木を伐採する直前の現場で利用できる。
本発明の一実施形態に係る伐採木離隔測定装置のブロック構成図である。 ROMに格納されたプログラム構成の一例を示す図である。 ROMに格納されたデータ構成の一例を示す図である。 仰角測定治具の構成を示す斜視図である。 角度測定部の目盛りの要部拡大図である。 鏡面部の鏡面に写し出された目盛りを示す図である。 伐採木離隔測定装置の動作を示すフローチャートである。 CASE1の離隔距離の算出方法を説明するための図である。 電線の電圧を入力するときの表示画面を示す図である。 測定モードを入力するときの表示画面を示す図である。 入力データを入力するときの表示画面を示す図である。 出力データの表示画面を示す図である。 CASE2の離隔距離の算出方法を説明するための図である。 CASE3の離隔距離の算出方法を説明するための図である。 CASE4の離隔距離の算出方法を説明するための図である。
符号の説明
10・・・伐採木離隔測定装置
12・・・CPU(制御手段)
14・・・入力部(入力手段)
18・・・表示部(告知手段)
26・・・モニター部(照準合わせ部)
28・・・本体部
32・・・鏡面部
34・・・仰角測定治具
36・・・電線
38・・・樹木
44・・・角度測定部
M,M1,M2・・・測定点
A・・・頂部
B・・・基端部
C,C1,C2,D・・・交差点
H・・・水平面
X・・・離隔距離(第3の距離)
Y・・・基準離隔距離
G・・・地面

Claims (8)

  1. 伐採の対象となる木と前記木に近接する電線との離隔距離を算出し、伐採の可否を判定する伐採木離隔測定方法であって、
    測定の基準となる測定点および前記電線を通過する方向と水平面とのなす角、前記測定点および前記木の頂部を通過する方向と水平面とのなす角、前記木の基端部から前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの高さ、前記木の基端部から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離および前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離の情報を入力するステップと、
    入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離を算出すると共に、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離を算出し、前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離を算出するステップと、
    算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定するステップと、
    少なくとも判定した判定結果を告示するステップと、
    を有することを特徴とする伐採木離隔測定方法。
  2. 伐採の対象となる木と前記木に近接する電線との離隔距離を算出し、伐採の可否を判定する伐採木離隔測定方法であって、
    測定の基準となる測定点および前記電線を通過する方向と水平面とのなす角、前記測定点および前記木の頂部を通過する方向と水平面とのなす角、前記木の基端部から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの高さ、前記木の基端部から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離および前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点から前記測定点の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離の情報を入力するステップと、
    入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離を算出すると共に、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離を算出し、前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離を算出するステップと、
    算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定するステップと、
    少なくとも判定した判定結果を告示するステップと、
    を有することを特徴とする伐採木離隔測定方法。
  3. 伐採の対象となる木と前記木に近接する電線との離隔距離を算出し、伐採の可否を判定する伐採木離隔測定方法であって、
    測定の基準となる第1の測定点が前記木と略同じ位置に設けられると共に、測定の基準となる第2の測定点が前記電線の鉛直方向と略同じ位置に設けられ、
    第1の測定点および前記電線を通過する方向と水平面とのなす角、前記第2の測定点および前記木の頂部を通過する方向と水平面とのなす角、前記木の基端部から前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの高さおよび前記木の基端部から前記電線の鉛直方向と地面とが交差する交差点までの距離の情報を入力するステップと、
    入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離を算出すると共に、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離を算出し、前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離を算出するステップと、
    算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定するステップと、
    少なくとも判定した判定結果を告示するステップと、
    を有することを特徴とする伐採木離隔測定方法。
  4. 前記基準離隔距離は、
    異なる電圧値が送電される前記電線ごとに対応して設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の伐採木離隔測定方法。
  5. 伐採の可否を判定するステップにおいて前記木を伐採することができないと判定されたときには、前記木の伐採方向を変更するステップを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の伐採木離隔測定方法。
  6. 伐採の対象となる木と前記木に近接する電線との離隔距離を算出し、伐採の可否を判定する伐採木離隔測定装置であって、
    測定の基準となる測定点、前記木および前記電線のそれぞれの関係に基づいた情報が入力される入力手段と、
    入力された前記情報から前記木の基端部から頂部までの第1の距離、前記木の基端部から前記電線までの第2の距離および前記第2の距離と前記第1の距離との差から前記木と前記電線との間の第3の距離をそれぞれ算出し、算出した前記第3の距離と予め設定された基準離隔距離とを比較して、伐採の可否を判定する制御手段と、
    少なくとも判定した判定結果を告知する告知手段と、
    を備えることを特徴とする伐採木離隔測定装置。
  7. 測定する対象物に照準を合わせるための照準合わせ部と、
    前記照準合わせ部に取り付けられ、前記対象物の仰角を測定する角度測定部を有する本体部と、
    前記本体部に取り付けられ、前記本体部の角度測定部面が投影されて写し出される鏡面部と、
    を備えることを特徴とする仰角測定治具。
  8. 前記角度測定部に設けられる目盛りは、鏡面対象文字であることを特徴とする請求項7に記載の仰角測定治具。
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