JP2008254224A - 成形機の周辺機器 - Google Patents

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裕之 新井
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Abstract

【課題】 複雑な回路を必要とすることなく、成形機で発生する回生電力を有効に利用することができる成形機の周辺機器を提供する。
【解決手段】回生電力を発生するサーボモータ6と回生電力を蓄電する蓄電手段101とを備えた成形機と組み合わされる成形品取出機11を周辺機器とする。周辺機器は、駆動電力の少なくとも一部として蓄電手段101に蓄電された回生電力を利用するように構成されている。成形機の周辺機器で、成形機が発生して蓄電手段101に蓄電した回生電力を利用できれば、常時回生電力を利用して、回生電力の有効利用を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、回生電力を発生する成形機の周辺機器に関するものである。
特開2000−141440号公報(特許文献1)には、駆動源としてのモータの減速期間に発生する回生電力を蓄電手段に蓄え、蓄電手段に蓄えた電力(電荷)を、モータの加速期間にモータの駆動電力の一部として放電する射出成形機のモータ駆動装置が開示されている。
特開2000−141440号公報
成形機で使用するモータとしては、大容量のモータが使用される。そのため回生電力を蓄電手段に蓄えておき、モータの駆動電力の一部としてそれを利用するとしても、毎回のモータの駆動に回生電力を利用できることはなく、複数回の回生電力を蓄電手段に蓄えて、間欠的にモータの駆動電力として放電せざるを得ない問題がある。また実際に回生電力を利用するために使用する回路は複雑なものとならざるを得ない。
本発明の目的は、複雑な回路を必要とすることなく、成形機で発生する回生電力を有効に利用することができる成形機の周辺機器を提供することにある。
本発明は、回生電力を発生する駆動源と、回生電力を蓄電する蓄電手段とを備えた成形機と組み合わされる周辺機器を対象とする。本発明の周辺機器は、駆動電力の少なくとも一部として蓄電手段に蓄電された回生電力を利用するように構成されている。成形機の周辺機器には、成形品を成形機から取り出す取出機や、コンベヤ、粉砕機など種々の機器が含まれる。これらの機器では、大電力を必要とすることなく、動作可能な駆動部分を備えたものが多い。したがってこれらの周辺機器で、成形機が発生して蓄電手段に蓄電した回生電力を利用できれば、常時回生電力を利用して、回生電力の有効利用を図ることができる利点が得られる。
また周辺機器でも、回生電力を発生するものがある。そこで駆動電力により駆動される周辺機器用駆動源が発生する回生電力を、成形機または周辺機器の駆動電力の一部として利用するように周辺機器を構成すると、成形機及びその周辺機器で発生する回生電力を最も有効に活用することができる利点が得られる。
本発明の具体的な周辺機器の一つである取出機を利用して構成される成形品製造装置は、以下のように構成することができる。すなわちこの成形品製造装置は、モータを駆動源の少なくとも一部として利用する成形機と、モータを駆動源として成形機で成形した成形品を取り出す取出機とを少なくとも備えている。そして成形品製造装置は、成形機で使用するモータが発生する回生電力に基づく電荷を充電回路を介して蓄積する蓄電手段と、蓄電手段に蓄積された電荷を、選択された駆動手段の駆動回路に放電して負荷の駆動電力として利用する放電回路とからなる蓄電回路を備えている。駆動手段は、取出機で使用するモータ等の電気機器または付属装置で使用するモータ等の電気機器である。このように成形品製造装置を構成すると、成形機が発生する回生電力を常時有効利用することが可能になる。
なお蓄電回路の充電回路を、取出機で使用するモータが発生する回生電力に基づく電荷も蓄積するように構成すれば、取出機で発生した回生電力も利用できるので、総合的にエネルギーの有効利用を図ることが可能になる。
また取出機側にも、取出機で使用するモータが発生する回生電力に基づく電荷を充電回路を介して蓄電する蓄電手段と、蓄電手段に蓄電された電荷を放電する放電回路とを備えた別の蓄電回路を設けてもよい。この場合には、別の蓄電回路の蓄電手段に蓄電された電荷も、駆動手段の駆動回路に放電できるように別の蓄電回路を構成する。このようにすると、取出機側で発生する回生電力も有効に活用することができる。
特に、駆動装置として、取出機の昇降装置用モータを選択すると、電源の容量を大きくすることなく、昇降装置の昇降速度を速めることができる。
本発明によれば、成形機が発生して蓄電手段に蓄電した回生電力を利用して、回生電力の有効利用を図ることができる周辺機器を提供できる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の周辺機器の一つである取出機を利用して構成される成形品製造装置1の構成を概略的に示す図である。また図1において、符号2で示した部材は、射出成形機であり、機台3上に設置された射出装置4と型締装置5を備える。射出装置4には、射出用モータ6や、図示しない計量用モータ及びノズルタッチ用モータ等の各種のモータが備わっている。また型締装置5には、型締用モータ及び突出し用モータ等が備わっている。そして、各モータはモータ駆動装置により駆動制御される。図1は、例として、射出用モータ6に接続したモータ駆動装置7を示してあるが、他のモータに対しても同様にモータ駆動装置が接続されている。モータ駆動装置7は射出用モータ6に接続されたサーボアンプ8を備えており、サーボアンプ8はコントローラ9により制御される。またサーボアンプ8及びコントローラ9は、電解二重層コンデンサ等の蓄電手段を備えた蓄電回路10に接続されている。蓄電回路10は、図2に示すように、射出用モータ6等の各種のモータが減速する期間において発生する回生電力に基づいて内蔵する蓄電手段101に電荷を蓄積する充電回路102と、後述する周辺機器で使用する電気機器に対して、蓄電手段101内に蓄えた電荷を放電する放電回路103とを備えている。本実施の形態では、蓄電手段101に蓄えられた電荷は、後述する成形品取出機の駆動手段(サーボモータM)の駆動電力の一部として使用される。
図1において、符号11で示したものは、前述の射出成形機から成型品を取り出す成形品取出機である。成形品取出機11の構成の一例は、図3に示す通りである。図3は、「トラバース」タイプと呼ばれる成形品取出機Aを射出成形機に設置した状態の成形機射出ノズル側から見たときの斜視図である。「トラバース」タイプと呼ばれる成形品取出機は一般的に、図示しない成形機固定盤に載置され、XYZ3軸方向に進退移動可能にする駆動源により、成形機(金型)から成形品を挟持あるいは吸着により取出す成形品把持部を備える。そして、成形品取出機Aは、成形機の所定の成形動作に連動して成形品を取出した後、所定の位置に成形品を搬送後開放し、待機位置への移動、待機位置での待機、取出しという所定の動作を反復することで、成形機と連動して自動運転がなされるものである。X,Y,Zの各軸を進退移動可能にする機器の部位名称は、横行部、引抜部、昇降部と呼ばれる。図3には、昇降部を2本備えるものが示されている。この成形品取出機11では、成形品取出機Aの横行部を構成する横行フレームBに沿って引抜フレームC(引抜部、昇降部)を直線移動させるための動力源として用いられる横行サーボモータMを駆動制御する。横行フレームB内の一方の端部(横行サーボモータM側の端部)には、ギヤボックスD内に収納された歯車機構を介して横行サーボモータMによって回転駆動される1つのプーリが設置され、横行フレームB内の他端には無端のタイミングベルトEを張設可能にする別のプーリを備えている。タイミングベルトEは、横行サーボモータMを駆動源として横行フレームB内にて回動される。タイミングベルトEの一部が貼設固定される引抜フレームCの引抜部は、横行フレームB内の直動案内機構により(直線的に)往復進退移動可能に構成されている。符号Fを付した制御ボックス内に図1のサーボモータアンプ12が配置されている。また製品側昇降機Gとランナ側昇降機Hにも、それぞれ引き抜き用サーボモータと昇降用サーボモータとが装着されている。これらのサーボモータについてのサーボアンプは制御ボックスI内に収納されている。さらにこの取出機Aには、図示していないが、成形品把持装置が付属しており、この成形品把持装置では、エアーバルブの制御により成形品のエア吸着またはエア把持が実行される。
なお図1には、代表として横行サーボモータMのサーボアンプ12だけを図示してある。サーボアンプ12はコントローラ13により制御される。またサーボアンプ12及びコントローラ13は、電解二重層コンデンサ等の蓄電手段を備えた取出機側の蓄電回路14に接続されている。蓄電回路14は、図2に示す蓄電回路と同様の構成を有しており、横行サーボモータM等の取出機側の各種のモータが減速する期間において発生する回生電力に基づいて内蔵する蓄電手段(図2の蓄電手段101と同等のもの)に電荷を蓄積する充電回路(図2の充電回路102と同等のもの)と、後述する周辺機器で使用する電気機器に対して、蓄電手段内に蓄えた電荷を放電する放電回路(図2の放電回路103と同等のもの)とを備えている。充電回路(図2の充電回路102と同等のもの)及び放電回路(図2の放電回路103と同等のもの)は、コントローラ13によって制御されている。
また図1の例では、成形品取出機11とは別の、粉砕器等の他の周辺機器15で使用されるモータを制御するサーボアンプ16に、成形機側の蓄電回路10と取出機側の蓄電回路14から、蓄電手段101に蓄電した電荷の一部を放電できるようになっている。なお図示していないが、射出成形機、成形品取出機及び他の周辺機器は、商用電源から電力の供給を受ける電源を備えている。一般的には、射出成形機と成形品取出機の電源は共用されている。
本実施の形態では、以下のように回生電力を利用をする。成形品製造装置1は、成形機で使用するモータ6等が発生する回生電力に基づく電荷を充電回路102を介して蓄積する蓄電手段101と、蓄電手段101に蓄積された電荷を、選択された駆動手段の駆動回路に放電して負荷の駆動電力の一部として利用する放電回路103とを備えている。本実施の形態で、選択された駆動手段は、取出機で使用するサーボモータM等である。本実施の形態では、取出機側に設けた蓄電回路14からも取出機側の選択された駆動手段に駆動電力の一部が供給されるので、エネルギー有効利用の観点からみると、最もエネルギーを有効に活用していることになる。
図1の実施の形態では、取出機側にも別の蓄電回路14を設けているが、この別の蓄電回路14を設けずに、成形機側の蓄電回路10だけを利用するようにしてもよいのは勿論である。また図示1の実施の形態では、取出機側に設けた別の蓄電回路14に取出機側で発生する回生電力を用いて蓄電を行っている。しかしながら図1に破線で示すように、取出機側で発生する回生電力も、成形機側の蓄電回路10における蓄電手段101の充電に利用するようにしてもよい。このようにすると、蓄電回路10が1つで済むため、部品点数が少なくなって、装置の価格が上昇することを抑制することができる。
なお取出機側の駆動手段(モータ)の負荷となるものの関係は、図4に示す通りである。図4から分かるように、横行部のモータにとっては、引抜部及び昇降部が負荷となる。また引抜部のモータには昇降部のモータが負荷となる。しかしながら昇降部のモータには、成形品取出しヘッドしか負荷となるものがない。したがって取出機の中では、昇降部のモータの容量が一番小さくて済む。このような状況から、成形機と取出機の両方で発生する回生電力を取出機側で使用する場合には、昇降部のモータの駆動電力の一部として利用すると、電源の容量制限がある場合に、電源の容量を大きくすることなく、昇降装置の昇降速度を速めることができる。
また図1に示すように、粉砕機等の他の周辺機器15の駆動手段(モータ等の電気機器)のための駆動電力の一部として、回生電力を利用してもよいのは勿論である。
以下、本願明細書及び図面に開示した各種の発明の構成要件を列挙する。
(1)モータを駆動源の少なくとも一部として利用する成形機と、モータを駆動源として前記成形機で成形した成形品を取り出す取出機とを備えた成形品製造装置であって、
前記成形機で使用する前記モータが発生する回生電力に基づく電荷を充電回路を介して蓄積する蓄電手段と、前記蓄電手段に蓄積された電荷を、選択された駆動手段の駆動回路に放電して前記負荷の駆動電力として利用する放電回路とを備えた蓄電回路を備え、
前記駆動手段が、前記取出機で使用する前記モータまたは前記取出機に付属する付属装置で使用するモータであることを特徴とする成形品製造装置。
(2)前記蓄電回路の前記充電回路は、前記取出機で使用する前記モータが発生する回生電力に基づく電荷も蓄積するように構成されている上記(1)に記載の成形品製造装置。
(3)前記取出機側にも、前記取出機で使用する前記モータが発生する回生電力に基づく電荷を充電回路を介して蓄電する蓄電手段と、蓄電手段に蓄電された電荷を放電する放電回路とを備えた別の蓄電回路が設けらており、
前記別の蓄電回路の前記蓄電手段に蓄電された電荷が、前記駆動手段の前記駆動回路に放電されるように前記別の蓄電回路が構成されている上記(1)に記載の成形品製造装置。
(4)前記駆動手段が、前記取出機の昇降装置用モータである上記(1)に記載の成形品製造装置。
周辺機器の一つである取出機を利用して構成される成形品製造装置の構成を概略的に示す図である。 蓄電回路の内部構成を示すブロック図である。 成形品取出機の一例を射出成形機に設置した状態の成形機射出ノズル側から見たときの斜視図である。 取出機側の駆動手段(モータ)の負荷の関係を示す図である。
符号の説明
1 成形品製造装置
2 射出成形機
3 機台
4 射出装置
5 型締装置
6 射出用モータ
7 モータ駆動装置
8 サーボアンプ
9 コントローラ
10 蓄電回路
11 取出機
12 サーボアンプ
13 コントローラ
14 蓄電回路
15 その他の周辺機器
16 サーボアンプ

Claims (2)

  1. 回生電力を発生する駆動源と、前記回生電力を蓄電する蓄電手段とを備えた成形機と組み合わされて使用される周辺機器であって、
    駆動電力の少なくとも一部として前記蓄電手段に蓄電された前記回生電力を利用するように構成されていることを特徴とする成形機の周辺機器。
  2. 前記駆動電力により駆動される周辺機器用駆動源が発生する回生電力を前記成形機または前記周辺機器の駆動電力の一部として利用するように構成されている請求項1項に記載の成形機の周辺機器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013154475A (ja) * 2012-01-26 2013-08-15 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機システム及び射出成形機、並びに配電装置
JP2013240909A (ja) * 2012-05-18 2013-12-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機及び電源回生装置

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