JP2008253316A - 引出 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レードル等の調理器具の収納空間を適応的に設定または変更し、空間の利用効率、および使い勝手を向上させることを目的とする。
【解決手段】
本発明の引出190は、自体190の内面に設けられ、内部に幅広部を有する略水平方向のガイド溝202と、ガイド溝に嵌合する嵌合部216を有するフック210と、を備え、嵌合部216は、ガイド溝202の幅より細い軸222と、軸222の端部に設けられ横幅がガイド溝202の幅より細く縦幅がガイド溝の幅より太い頭部224とを有し、自体が水平方向にスライド自在であることを特徴としている。
【選択図】 図7
【解決手段】
本発明の引出190は、自体190の内面に設けられ、内部に幅広部を有する略水平方向のガイド溝202と、ガイド溝に嵌合する嵌合部216を有するフック210と、を備え、嵌合部216は、ガイド溝202の幅より細い軸222と、軸222の端部に設けられ横幅がガイド溝202の幅より細く縦幅がガイド溝の幅より太い頭部224とを有し、自体が水平方向にスライド自在であることを特徴としている。
【選択図】 図7
Description
本発明は、引出内面でレードル(ladle)等の調理器具を吊持可能な引出に関する。
調理には多種の調理器具(台所用品)が用いられる。また、調理には加熱時間が決められている等、時間方向の制限も厳しく、その調理器具や時間加減によって料理の良し悪しが決まることさえある。ユーザは、手際よく調理を遂行するため、調理場の極力近くに調理器具を配置することを望んでいる。
一般に、シンク等のキッチン設備を機能的に一体化したシステムキッチンは、多種の調理器具を利用する上記の用途に適しており、調理器具をその形状や用途に応じて適切に配分することができるので、調理に必要な適切な調理器具を迅速かつ容易に取り出すことが可能となる。
このような調理器具のうち、レードル等は、キッチンの引出内面または開閉扉内面のフックに吊持される。例えば、レードル等を所定角度開閉可能な開閉扉に収納し、フックの下方位置に緩衝材を設けて、揺動時においてもレードル等と設置面との衝突による衝撃音を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−287694号公報
上述したような技術では、フックに吊持され、あらゆる方向に揺動してしまうレードル等を固定することができるので、設置面との衝突により調理器具の劣化を防止することもできる。しかし、緩衝部材の設置や所定角度のみ開閉可能な開閉扉の設置は、貴重な調理器具空間を占有してしまい、また、他の調理器具を取り出すための取り出し口の面積を制限してしまう。
また、レードル等は、鉛直方向に吊持する収納方法がとられるので、上記の技術を用いなかったとしても空間の占有体積が大きく、その保管場所を予め確保することで、空間の利用効率の低下を招いていた。
本発明は、従来における調理器具の収納方法の上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、レードル等の調理器具の収納空間を適応的に設定または変更し、空間の利用効率、および使い勝手を向上させることが可能な、新規かつ改良された引出を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、シンク下方において、水平方向にスライド自在に設けられた引出であって、当該引出の上端は、隣接する他の引出の上端より高い位置に形成され、当該引出前板の内面上方に設けられフックが嵌合可能となるように内部に幅広部を有する略水平方向のガイド溝を備えることを特徴とする、引出が提供される。
レードル等の調理器具は、棒状であったり、載置不安定なものが多く、その全長は比較的長い場合が多い。また、引出前板の内面は、他の内面と比較して高く形成されている。従って、引出前板の内面上方にガイド溝を設ける構成により、前板の内面の高さを有効利用することができ、長めの調理器具であっても底面に当接することなく、吊持することが可能となる。
引出前板は、隣接する引出の上下境界線と高さを等しくする下部前板と、前板を上方に延長する上部前板とからなり、ガイド溝は、上部前板に形成されてもよい。
フックの嵌着またはスライドに用いられるガイド溝は、全長に渡って一定の断面形状を有するので、引出前板を上部前板と下部前板とに分離することで、上部前板を押し出し成形で形成することができる。従って、簡易かつ安価に当該引出を構成することが可能となる。
フックの嵌合部は、ガイド溝の幅より細い軸と、軸の端部に設けられ横幅がガイド溝の幅より細く縦幅がガイド溝の幅より太い頭部とを有するとしてもよい。
かかる構成により、調理器具を吊持するフックの位置を自由に設定することができ、吊持を要するレードル等の調理器具を収納する空間を自由に調整することが可能となる。このように占有領域を適応的に変更することが可能な構成により、空間の利用効率を向上することができる。また、調理器具の形状や大きさに応じてもフックの位置を変更可能なので、複数の調理器具を所望する順に並べることができ、使い勝手を向上させることができる。
また、ガイド溝は、断面L字形溝であり、嵌合部は、L字に形成され、フックは、嵌合部のL字先端をガイド溝に挿入し、ガイド溝長手方向を中心軸にして押入、嵌着するとしてもよい。
ここでは、フックの掛止重力方向がL字端の長手方向と等しくなり、位置決めまたは位置変更時にフックを押入し、嵌着時にはフックを鉛直方向に回転させる。かかる嵌着処理には、ネジ等の締結部材を要さず、摩擦によって簡易になされるので、コスト低減を図ることが可能となる。また、スライドおよび嵌着を、治具を用いることなく、片手で容易に実行することができる。さらに、一度嵌着させるとその摩擦によって回動が抑制され、かつ、フックの本体部と嵌合部との応力によってフックの掛止重力方向への高い機械強度を得ることができる。
ガイド溝は、断面L字形溝またはT字形溝であり、嵌合部は、L字またはT字に形成され、フックは、嵌合部のL字端またはT字端をガイド溝長手方向に沿わせた状態でガイド溝に挿入し、任意の位置で軸を中心に回転させて嵌着するとしてもよい。
ここでは、フックの掛止重力方向がL字端またはT字端の長手方向と等しくなり、位置決めまたは位置変更時にフックを水平方向に倒して挿入し、嵌着時にはフックを鉛直方向に回転させる。かかる嵌着処理も、摩擦によって簡易になされ、コスト低減を図ることが可能となる。また、スライドおよび嵌着を、治具を用いることなく、片手で容易に実行することができ、フックの掛止重力方向への高い機械強度を得ることができる。
嵌合部は、弾性を利用したラッチ機構を有し、フックは、挿嵌によっても嵌着可能であってもよい。ここで、挿嵌は、回転を伴わない、鉛直方向に立てたままのフックの挿入をいう。
かかる構成により、フックを回転させなくても、鉛直方向の向きを維持したままでガイド溝に挿嵌することができる。従って、例えば、調理器具を吊持したままその吊持位置を決定することも可能となる。
フックの露出部分である本体部は、縦横比が不均等であり、フックの嵌着時に露出部分の長手方向が鉛直方向となるように形成されてもよい。
フックの本体部は、縦横比が不均等な、例えば、長方形、楕円形、菱形等で形成され、ユーザは、かかる本体部の長手方向が鉛直方向になるように回転するだけで、視認不能な嵌合部を適切な嵌合位置に容易に回動できる。また、何らかの外力が働いて、フックが嵌着位置から回転推移してしまい、外れかかったとしても、上記長手方向の傾斜によってその旨および回動方向を容易に察知することが可能となり、元の嵌着位置に戻すことができる。
上部前板の前面から水平方向に離間して略水平に設けられた棒状のタオル掛けと、タオル掛けよりさらに離間して設けられ、タオル掛けへの所定方向からの接触を防止し、かつ引出の取っ手として機能するタオル掛け保護部材と、をさらに備え、タオル掛け保護部材は、上部前板の前面上端を高さ方向に跨いで形成されてもよい。
このようにタオル掛け保護部材を引出の上端を跨ぐように構成することで、上述したように、上部前板を設け、引出の上端を延長したとしてもその上端の境界線がタオル掛け保護部材に隠れ、美観が損なわれない。
また、タオル掛け保護部材をタオル掛けとユーザとの間に設ける構成により、ユーザがシンクに寄り掛かったとしても、身体がタオルに直接接触せず、吸水したタオルの水気を逆にユーザの衣服が吸ってしまうといった状況を回避できる。従って、ユーザがキッチンに寄り掛かりつつ水回りの作業を行ったとしても、タオルが滑り落ちてしまうこともない。
以上説明したように本発明のシステムキッチンの引出によれば、レードル等の調理器具の収納空間を適応的に設定または変更し、空間の利用効率、および使い勝手を向上させることが可能となる。
以下に図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(システムキッチン)
本発明の実施形態によるシステムキッチンとして、ここでは、特別な敷居を設けることなく、リビングとダイニングが1つの部屋で共存する対面式のオープンキッチンを挙げる。かかるオープンキッチンでは、対面式カウンタータイプのキッチンにより、家族や友人とのコミュニケーションがとりやすく、また、キッチン周辺でくつろいだ時間を過ごすことができる。ここで、システムキッチンは、シンク等のキッチン設備を機能的に一体化したものを指す。
本発明の実施形態によるシステムキッチンとして、ここでは、特別な敷居を設けることなく、リビングとダイニングが1つの部屋で共存する対面式のオープンキッチンを挙げる。かかるオープンキッチンでは、対面式カウンタータイプのキッチンにより、家族や友人とのコミュニケーションがとりやすく、また、キッチン周辺でくつろいだ時間を過ごすことができる。ここで、システムキッチンは、シンク等のキッチン設備を機能的に一体化したものを指す。
図1は、本実施形態によるシステムキッチン100の概略的な構成を説明するための外観斜視図である。かかるシステムキッチン100は、対面式カウンタ110と壁側戸棚120とに大別できる。なお、以下の実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
対面式カウンタ110には、シンク140と、シンク140に対して湯水を供給する水栓142と、加熱調理器144と、加熱調理器144からの湯気および熱を屋外に放出するレンジフード146と、煙および熱をレンジフード146に案内する半透明の案内板148と、ワークトップ150と、が設けられ、さらに、軽食やおやつ等を楽しめるカフェテーブル160と、複数の椅子162と、本を収納可能なマガジン収納部164と、を備えることができる。そして、カフェテーブル160はキッチン本体側からの照明に照らされる。
ここで、水回りを形成するシンク140は、樹脂やステンレス鋼板等の金属を材料として用い、プレス成形や注型成形、インジェクション成形等により水切り凹部や排水口と一体的に形成される。また、加熱調理器144は、ガスコンロや石油コンロを利用することができるが、図示したように上面に耐熱ガラス版やセラミック板を設けたIHヒータであってもよい。
また、壁側戸棚120には、戸棚170と、大容量の壁側収納部172とが設けられ、壁側収納部172の上面は、戸棚170底面で発光する照明に照らされる。また、戸棚170の内部にも照明が設けられ、戸棚170の上面および前板に設けられた透明または半透明の板材を介して間接的に発光する。かかる光は、戸棚170が設置された壁面上方を柔らかく照らし、その壁面に広がる間接照明によって、高級感および美観を向上する。
次に、本実施形態による引出を説明する。かかる引出はカフェテーブル160と反対面に設けられ、シンク140に対応した位置に配置される。
図2は、本実施形態のシステムキッチンの調理側面を説明するための外観斜視図である。ここで、システムキッチン100は、加熱調理器144のグリル部180と、複数のカウンタ収納部182と、複数の足下収納庫184と、シンク140における水切りメッシュプレート186と、引出190と、引出190に一体形成されたタオル掛け保護部材192と、タオル掛け194と、を含んでいる。以下の実施形態では、かかる要素のうち、特に引出190を挙げて説明する。
図3は、システムキッチン100内の引出190の範囲を示すための外観斜視図である。図3を参照すると、引出190は、引出190の底面に設けられたガイドレール(図示せず)に挟持されつつ、ガイドレールの長手方向に沿って前後にスライド自在であり、ガイドレールの端部に設けられたストッパ(図示せず)によって脱落が防止される。
また、前板には、タオル掛け194への所定方向からの接触を防止し、かつ引出190の取っ手として機能するタオル掛け保護部材192が設けられている。かかるタオル掛け保護部材192により、ユーザがシンク140に寄り掛かったとしても、身体がタオルに直接接触せず、吸水したタオルの水気を逆にユーザの衣服が吸ってしまうといった状況を回避できる。従って、ユーザがキッチンに寄り掛かりつつ水回りの作業を行ったとしても、タオルが滑り落ちてしまうこともない。
このようにタオル掛け保護部材192を引出の上端を跨ぐように構成することで、後述するように、上部前板を設けて、引出190の上端を延長したとしてもその上端の境界線がタオル掛け保護部材192に隠れ、美観が損なわれることもない。
図4は、引出190の収容領域を示した外観斜視図である。本実施形態の引出190の前板は、アルミニウム等の金属で形成される上部前板196と、木材や樹脂等の材料で形成される下部前板198とが連結部材200によって連結されている。そして、かかる上部前板196に水平方向のガイド溝202を設け、そのガイド溝202にフック210を嵌着する。そして、かかるフック210にレードル等の調理器具220を吊持させる。ここで、フック210は、ガイド溝202に嵌合しつつ、ガイド溝202を移動自在にスライドでき、かつ、任意の位置で嵌着される。このようにガイド溝202は前板内面に設けるのが好ましいが、他の面を排除するものではなく、本実施形態を側面や後面いずれの面にも適応することができる。
図2や3に示したように、通常、カウンタ収納部182は、上下の2段構成となり、システムキッチン100の外観の統一を図るため、当該引出の上端もこの境界線に合わせる必要がある。しかし、本実施形態では、タオル掛け保護部材192が引出190の上端境目を隠すため、引き出しの前板の高さを、下部前板198に加え上部前板196分だけ延伸することができる。従って、上部前板196に設けられるガイド溝202は、引出190底面からの距離を長くとることができ、レードル等の調理器具202が長い形状だったとしても引出190底面に支えることなく、フック210に適切に吊持させることができる。
また、上述したフック210とガイド溝202との構成により、調理器具220を吊持するフック210の位置を自由に設定することができ、吊持を要するレードル等の調理器具220を収納する空間を自由に調整することが可能となる。このように占有領域を適応的に変更することが可能な構成により、空間の利用効率を向上することができる。また、調理器具の形状や大きさに応じてもフックの位置を変更可能なので、複数の調理器具220を所望する順、例えば、図4のように、おたま、フライ返し、小おたまといった具合に、利用頻度や取り易さを踏まえて並べることができ、使い勝手を向上させることができる。
さらに、このようなフック210の嵌着またはスライドに用いられるガイド溝202は、全長に渡って一定の断面形状を有するので、引出前板を上部前板196と下部前板198とに分離することで、アルミニウム等の金属からなる上部前板196を押し出し成形により形成することができ、簡易かつ安価に当該引出を構成することが可能となる。
図5は、フック210の形状を説明した説明図である。かかるフック210は、鉛直下向きに凸になるように湾曲させ調理器具220を吊持する吊持部212と、吊持部212と連結され吊持部212を支持する本体部214と、L字形状に形成されガイド溝202と嵌合する嵌合部216とを含んで構成される。また、嵌合部216は、ガイド溝202の幅より細い軸222と、軸222の端部に設けられ横幅がガイド溝202の幅より細く縦幅がガイド溝202の幅より太い頭部224とを有している。ここで、フック210の吊持重力方向、即ち、調理器具220を吊持する湾曲凸方向は、嵌合部216のL字長手方向と等しくなる。フック210がL字形に形成されるとき、ガイド溝202は、断面L字形溝で構成される。
図6は、ガイド溝202へのフック210の位置決めのための嵌着動作を説明するための説明図である。まず図6(a)に示すように断面L字形に形成されたガイド溝202に対して、フック210の嵌合部216のL字先端を直接挿入する。次に、図6(b)に示すが如く、フック210を、ガイド溝長手方向を中心軸にして回動し、L字先端をガイド溝202に押入して嵌着が完了する。ここでは、フック210の掛止重力方向が嵌合部216であるL字端の長手方向と等しくなる。ここでガイド溝202のL字方向は、固定強度が有利な断面L字上方向としたが、かかる場合に限らず、断面L字下方向にガイド溝202を設けてもよい。
上述した本実施形態の嵌着処理には、ネジ等の締結部材を要さず、摩擦によって簡易になされるので、コスト低減を図ることが可能となる。また、スライドおよび嵌着を、治具を用いることなく、片手で容易に実行することができる。さらに、一度嵌着させるとその摩擦によって回動が抑制され、かつ、フック210の本体部214と嵌合部216との応力によってフックの掛止重力方向への高い機械強度を得ることができる。特に、本実施形態においては、ガイド溝202がアルミニウム等の金属上に形成されるため、フック210をさらに強固に固定することができる。
図7は、ガイド溝202へのフック210の位置決めのためのスライドおよび嵌着動作を説明するための説明図である。まず図7(a)に示すように断面L字形に形成されたガイド溝202に対して、フック210を水平方向に倒し、L字端をガイド溝に沿わして挿入する。次に、図7(b)に示すが如く、フック210を水平方向に倒した状態のままで、フック210の所望する取り付け位置にスライドさせ、最後に図7(c)のように、フック210を、軸222を中心に回転させ、垂直姿勢にして嵌着が完了する。ここでは、フック210の掛止重力方向が嵌合部216であるL字端の長手方向と等しくなる。
上述した本実施形態の嵌着処理も、摩擦によって簡易になされ、コスト低減を図ることが可能となる。また、スライドおよび嵌着を、治具を用いることなく、片手で容易に実行することができ、フックの掛止重力方向への高い機械強度を得ることができる。
また、フック210の露出部分である本体部214は、縦横比を均等とせず、フックの嵌着時に露出部分の長手方向が鉛直方向となるように形成される。
フック210の本体部214は、図5に示したような長方形の他、楕円形、菱形等の縦横比が不均等な形状で形成され、ユーザは、かかる本体部214の長手方向が鉛直方向になるように回転するだけで、視認不能な嵌合部を適切な嵌合位置に容易に回動できる。また、何らかの外力が働いて、フック210が嵌着位置から回転推移してしまい、外れかかったとしても、上記長手方向の傾斜によってその旨および回動方向を容易に察知することが可能となり、元の嵌着位置に戻すことができる。
また、フック210は、例えば、樹脂によって形成されるため、着色やマーキングによってその方向を指示することも可能である。こうして、上記同様、フック210を容易にガイド溝202に嵌着することができる。
上述した実施形態においては、フック210の嵌合部216をL字形状で形成したが、かかる場合に限らず、例えば、T字形状等、様々な掛止構造を採用することができる。
図8は、T字形状のフック310およびそれに対応する断面T字形のガイド溝302の形状を説明した説明図である。かかるフック310は、L字形状のフック210同様、吊持部212と、本体部214と、図8に示すような断面T字形状に形成されるガイド溝302に嵌合する嵌合部316とを含んで構成される。
さらに、フックの嵌合部は、弾性を利用したラッチ機構を有し、フックは、挿嵌によっても嵌着可能であってもよい。
図9は、T字形状のフックの他の例を示した説明図である。図9(a)のフック320は、フック310同様、T字形状を有しているが、嵌合部322に弾性部材324を有し、その弾性部材324を用いたラッチ機構によってフック210を回転せずに挿嵌することができる。このとき、嵌合部322の端部は、半球形状になっており、嵌入時には一旦端部が弾性部材324に反して縮まり、T字溝の終端(幅広部)にたどり着くことで再度元の形状に戻る。また、図9(b)のフック330は、図9(a)のフック320同様、T字形状を有しているが、嵌合部332が樹脂の弾性を利用したすりわり形状になっている。また、フック320と比較すると、嵌合部332の端部形状が異なり、フック330では、フック嵌入後は、等しい経路による離脱が不可能となり、回転によってのみ離脱が可能となる。
かかる構成により、フックを回転させなくても、鉛直方向の向きを維持したままでガイド溝に挿嵌することができる。従って、例えば、調理器具を吊持したままその吊持位置を決定することも可能となる。
上述した実施形態においては、引出190にガイド溝202を設ける構成を述べているが、かかる場合に限らず、任意の軸を中心として回動自在に開閉可能な開閉扉等、キッチンを構成する様々な収容部の内面に取り付けることが可能である。
図10は、システムキッチンの他の例における概略的な構成を説明するための外観斜視図である。図10を参照すると、ガイド溝202は、開閉扉400の内面上端に設けられている。かかる構成によっても、上述した引出190にガイド溝202およびフック210を設けた場合同様の効果を得ることが可能である。従って、ここでは、その詳細な説明を省略する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、引出内面でレードル等の調理器具を吊持可能な引出に利用することができる。
100 システムキッチン
190 引出
202、302 ガイド溝
210、310、320、330 フック
216、316、322、332 嵌合部
220 調理器具
222 軸
224 頭部
400 開閉扉
190 引出
202、302 ガイド溝
210、310、320、330 フック
216、316、322、332 嵌合部
220 調理器具
222 軸
224 頭部
400 開閉扉
Claims (9)
- シンク下方において、水平方向にスライド自在に設けられた引出であって、
当該引出の上端は、隣接する他の引出の上端より高い位置に形成され、
当該引出前板の内面上方に設けられフックが嵌合可能となるように内部に幅広部を有する略水平方向のガイド溝を備えることを特徴とする、引出。 - 前記引出前板は、隣接する引出の上下境界線と高さを等しくする下部前板と、該前板を上方に延長する上部前板とからなり、前記ガイド溝は、該上部前板に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の引出。
- 前記フックの嵌合部は、前記ガイド溝の幅より細い軸と、該軸の端部に設けられ横幅が該ガイド溝の幅より細く縦幅が該ガイド溝の幅より太い頭部とを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の引出。
- 前記ガイド溝は、断面L字形溝であり、
前記嵌合部は、L字に形成され、
前記フックは、前記嵌合部のL字先端をガイド溝に挿入し、該ガイド溝長手方向を中心軸にして押入、嵌着することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の引出。 - 前記ガイド溝は、断面L字形溝であり、
前記嵌合部は、L字に形成され、
前記フックは、前記嵌合部のL字端をガイド溝長手方向に沿わせた状態で該ガイド溝に挿入し、任意の位置で前記軸を中心に回転させて嵌着することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の引出。 - 前記ガイド溝は、断面T字形溝であり、
前記嵌合部は、T字に形成され、
前記フックは、前記嵌合部のT字端をガイド溝長手方向に沿わせた状態で該ガイド溝に挿入し、任意の位置で前記内面に垂直な軸を中心に回転させて嵌着することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の引出。 - 前記嵌合部は、弾性を利用したラッチ機構を有し、前記フックは、挿嵌によっても嵌着可能であることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の引出。
- 前記フックの本体部は、縦横比が不均等であり、該フックの嵌着時に露出部分の長手方向が鉛直方向となるように形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の引出。
- 前記上部前板の前面から水平方向に離間して略水平に設けられた棒状のタオル掛けと、
前記タオル掛けよりさらに離間して設けられ、前記タオル掛けへの所定方向からの接触を防止し、かつ前記引出の取っ手として機能するタオル掛け保護部材と、
をさらに備え、
前記タオル掛け保護部材は、前記上部前板の前面上端を高さ方向に跨いで形成されることを特徴とする、請求項2〜8のいずれかに記載の引出。
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JP2007095887A JP2008253316A (ja) | 2007-03-31 | 2007-03-31 | 引出 |
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