JP2008253016A - 高分子アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】電解質層と電極層の間の密着性の改善を図る高分子アクチュエータを提供する。
【解決手段】高分子アクチュエータ1は、対向する1対の電極層11,12と、1対の電極層11,12の間に挟持された電解質層20とから構成され、通電によりイオン伝導が生じて電解質層20中のイオンの分布に偏りが生じることにより、例えば矢印Aの方向に変位を生じる。電解質層20は、エポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる架橋性官能基を有する架橋性化合物が架橋して形成される架橋構造体と、イオン性物質と、を含有し、架橋性化合物は、繰返し単位及び2以上の架橋性官能基を有する第1の架橋性化合物と、ポリフェノールのグリシジルエーテルであり2以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物等から選ばれる第2の架橋性化合物と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】高分子アクチュエータ1は、対向する1対の電極層11,12と、1対の電極層11,12の間に挟持された電解質層20とから構成され、通電によりイオン伝導が生じて電解質層20中のイオンの分布に偏りが生じることにより、例えば矢印Aの方向に変位を生じる。電解質層20は、エポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる架橋性官能基を有する架橋性化合物が架橋して形成される架橋構造体と、イオン性物質と、を含有し、架橋性化合物は、繰返し単位及び2以上の架橋性官能基を有する第1の架橋性化合物と、ポリフェノールのグリシジルエーテルであり2以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物等から選ばれる第2の架橋性化合物と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、高分子アクチュエータに関する。
導電性高分子等の高分子材料を用いた高分子アクチュエータは、一般に、1対の電極層と、それらの間に介在するイオン伝導性の電解質層とから構成される。高分子アクチュエータは、駆動電圧が低いこと、エネルギー密度が高いこと等の利点を有しており、人工筋肉等への応用を期待して検討が進められているところである。例えば、電解質層として固体電解質層を備えた高分子アクチュエータが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2006−120596号公報
特開2006−50780号公報
しかしながら、固体又はゲル状の電解質層を備えた従来の高分子アクチュエータは、繰返し動作させたときに正常に動作しなくなる場合があり、実用化のためには耐久性の更なる改善が必要である。本発明者らの検討によれば、特に、電解質層と電極層との間の密着性の不足が耐久性低下の一因となっていることが明らかとなった。
そこで、本発明は、高分子アクチュエータにおいて、電解質層と電極層の間の密着性の改善を図ることを目的とする。
本発明に係る高分子アクチュエータは、電解質層と、該電解質層に隣接して設けられた電極層と、を備える。電解質層は、エポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる架橋性官能基を2以上有する架橋性化合物が架橋して形成される架橋構造体と、イオン性物質と、を含有する。架橋性化合物は、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される繰返し単位及び2以上の架橋性官能基を有する第1の架橋性化合物と、ポリフェノールのグリシジルエーテルであり2以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物、及び脂肪族アルコールのグリシジルエーテルであり3以上のエポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物から選ばれる第2の架橋性化合物と、を含む。
式中、R1、R2、R3及びR4は2価の飽和脂肪族基を示し、R5は水素原子又はアルキル基を示す。
上記本発明に係る高分子アクチュエータによれば、上記特定の架橋性化合物を組合わせて形成される架橋構造体を用いて電解質層を構成したことにより、電解質層と電極層の間の密着性の改善が可能になった。
電解質層の良好なイオン伝導性を維持し易くする観点から、上記第1の架橋性化合物は、一般式(1)で表される繰返し単位を有し、R1がエチレン基であることが好ましい。
本発明によれば、高分子アクチュエータにおいて、電解質層と電極層の間の密着性が改善される。また、密着性の向上により高分子アクチュエータの耐久性が向上する。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、高分子アクチュエータの一実施形態を示す断面図である。図1に示す高分子アクチュエータ1は、対向する1対の電極層11,12と、1対の電極層11,12の間に挟持された電解質層20とから構成される。電極層11,12の外側に接続端子31及び32がそれぞれ取り付けられており、これらは可変電圧電源を含む回路に接続されている。高分子アクチュエータ1においては、通電によりイオン伝導が生じて電解質層20中のイオンの分布に偏りが生じることにより、例えば矢印Aの方向に変位を生じる。
電解質層20は、エポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる架橋性官能基を有する架橋性化合物が架橋して形成される架橋構造体と、イオン性物質とを含有するイオン伝導性の層である。架橋性化合物は、必要により、架橋性化合物と反応する硬化剤とともに架橋構造体を形成する。架橋性化合物の架橋により3次元網目構造を有する架橋構造体が形成される。これにより、電解質層20は、単独で自立可能であり繰返し安定して動作可能な程度の強度を有する固体又はゲル状の層となる。
架橋性化合物は、上記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される繰返し単位及び2以上の架橋性官能基を有する第1の架橋性化合物と、ポリフェノールのグリシジルエーテルであり2以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物、及び脂肪族アルコールのグリシジルエーテルであり3以上のエポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物から選ばれる第2の架橋性化合物とを含む。
第1の架橋性化合物が式(1)〜(4)の繰返し単位を有していることにより、形成される架橋構造体にイオン伝導性が付与される。式(1)〜(4)において、R1、R2、R3及びR4は2価の飽和脂肪族基を示す。R1〜R4は好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基である。R1〜R4の具体例としてはエチレン基及びプロピレン基が挙げられ、エチレン基が特に好ましい。R5は水素原子又はアルキル基を示す。R5のアルキル基は、炭素数1〜3であることが好ましく、具体的には、メチル基又はプロピル基であることが好ましい。第1の架橋性化合物の好適な具体例としては、式(1)の繰返し単位を有し、R1がエチレン基であり、架橋性官能基として2個のエポキシ基を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
第1の架橋性化合物の重量平均分子量は好ましくは500〜50000である。第1の架橋性化合物の分子量がこの範囲内にない場合、密着性向上の効果が小さくなる傾向にある。また、第1の架橋性化合物の分子量が過度に大きくなるとイオン伝導性が低下する傾向にある。
第2の架橋性化合物としては、2以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物及び3以上のエポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物のうち少なくとも一方が用いられる。芳香族エポキシ化合物は、複数のフェノール性水酸基を有するポリフェノールのグリシジルエーテルである。この芳香族エポキシ化合物の好適な具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノール型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂が挙げられる。脂肪族エポキシ化合物は、3以上の水酸基を有する脂肪族アルコールのグリシジルエーテルである。脂肪族エポキシ化合物の好適な具体例としては、ペンタエリストールのグリシジルエーテル化合物等の脂肪族多価アルコールのグリシジルエーテルが挙げられる。
第2の架橋性化合物の含有量は、第1及び第2の架橋性化合物の合計質量を基準として5〜50質量%であることが好ましい。第2の架橋性化合物の含有量が50質量%を超えると電解質層20のイオン伝導度が低下する傾向にあり、5質量%未満であると密着性向上の効果が小さくなる傾向にある。
第1及び第2の架橋性化合物は、エポキシ基及びオキセタニル基に加えてアクリレート基等の他の架橋性官能基を更に有していてもよい。また、架橋性化合物は、第1及び第2の架橋性化合物に加えて、架橋構造体を構成し得る他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、1個の架橋性官能基を有する単官能性モノマーや、エポキシ基及びオキセタニル基以外の架橋性官能基を有する架橋性化合物が挙げられる。
架橋構造体は、光照射又は加熱により架橋性化合物を含む架橋性成分が架橋して形成される。光照射による架橋の場合、好ましくはカチオン光重合開始剤の存在下で架橋性化合物に光照射して、エポキシ基又はオキセタニル基のカチオン重合により架橋構造体が形成される。加熱による架橋の場合、好ましくは、架橋性化合物が硬化剤と反応して架橋構造体が形成される。硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に用いられているものから適宜選択して用いることが可能である。好適な硬化剤の具体例としては、酸無水物、アミン、フェノール、及びイミダゾールが挙げられる。
電解質層20中のイオン性物質は、イオン性液体であることが好ましい。イオン性液体の好適な具体例としては、イミダゾリウム塩、ピリジウム塩及び第4級アンモニウム塩が挙げられる。
電解質層20におけるイオン性物質の割合は、電解質層20中の架橋構造体の質量を基準として10〜400質量%であることが好ましい。この割合が10質量%未満であると電解質層20の導電率が低下し易くなる傾向にあり、400質量%を超えると電解質層の強度が低下したり、イオン性液体を用いる場合はイオン性液体が染み出し易くなったりする傾向がある。
電解質層20は、上記成分に加えて、他の成分を必要に応じて含有していてもよい。例えば、電解質層20がイオン伝導性の高分子化合物を上記架橋構造体とは別に含有していてもよい。このイオン伝導性の高分子化合物は、上述の化学式(1)〜(4)で表される繰返し単位を有していることが好ましい。
1対の電極層11,12のうち少なくとも一方は、導電性高分子を主成分として含有する導電性高分子層、又はカーボンナノファイバー等の導電性フィラー及び絶縁性の高分子材料を含有する導電性の層であることが好ましい。
好適な導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリピロール及びポリアニリンがある。導電性高分子はドーパントによってドーピングされていることが好ましい。本実施形態の場合は特に、ポリ(スチレンスルホン酸)によってドーピングされたポリチオフェン又はポリピロールが好ましい。好適なポリチオフェンの具体例としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)がある。
電極層11,12は、電解質層20との密着性を高めるためのシランカップリング剤等の他の成分を必要に応じて含有していてもよい。また、電極層11,12のうち一方は、金属から構成された金属層であってもよい。電極層11,12に用いられる金属としては、金、銀、銅及びニッケル等がある。金属層は、例えば、スパッタ又はめっきにより電解質層上に形成させてもよいし、別途準備した金属層を接着剤により接着してもよい。
高分子アクチュエータ1は、例えば、基板上に電極層11を形成させる工程と、該電極層11上に、架橋性化合物と、イオン性物質と、を含有する電解質組成物を塗布する工程と、塗布された電解質組成物中の架橋性化合物を架橋させることにより架橋構造体を形成させて、該架橋構造体と前記イオン性物質とを含有する電解質層20を形成させる工程と、該電解質層20上に電極層12を形成させる工程と、基板を剥離する工程とを備える方法により得ることができる。通常は、剥離後の積層体のシートから、打ち抜きや裁断等の手段により所定のサイズの製品が切り出される。
電極層11,12は、例えば、導電性高分子と、該導電性高分子が分散又は溶解している溶媒と、必要によりシランカップリング剤等の他の成分とを含有する導電ペーストを基板又は電解質層20上に塗付し、塗布された導電ペーストから溶剤を除去する方法により形成させることができる。
電解質層20を形成させるための電解質組成物は、例えば、架橋性化合物、イオン性物質等を混合し、ホモジナイザー等の手段により各成分を均一に分散させて調製される。電解質組成物はペーストである場合が多い。電解質組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えばアプリケーター、バーコーター、ナイフコーター、スクリーン印刷等の方法を適宜採用することができる。
塗布後の架橋性化合物の架橋は、加熱又は光照射、好ましくは光照射により進行させることができる。イオン性物質がイオン性液体である場合、通常は水等の溶媒を用いる必要がないため、乾燥工程は不要であり、高い効率で電解質層を形成させることができる。
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形が可能である。例えば、高分子アクチュエータにおいて電極層が1層のみ設けられていてもよいし、電極層と電解質層とが交互に複数積層されていてもよい。電極層は電解質層に直接接して設けられている必要は必ずしもなく、電極層が電解質層の少なくとも一方面側に設けられ、電解質層と電極層との間に他の層が設けられていてもよい。また、形状も平板状に限られず、用途等に応じて適宜変更され得る。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例)
電解質ペーストの調製
下記原料をホモジナイザーを用いて10000rpm、10分間の条件で混合及び分散し、その後脱泡して、電解質ペーストを得た。
・直鎖状ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量600)
:40重量部
・直鎖状ポリエチレングリコールモノアクリレート(分子量600)
:60重量部
・イオン性液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビストリフルオロメタンスルホニルイミド)
:40重量部
・光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、IRG651)
:1重量部
電解質ペーストの調製
下記原料をホモジナイザーを用いて10000rpm、10分間の条件で混合及び分散し、その後脱泡して、電解質ペーストを得た。
・直鎖状ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量600)
:40重量部
・直鎖状ポリエチレングリコールモノアクリレート(分子量600)
:60重量部
・イオン性液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビストリフルオロメタンスルホニルイミド)
:40重量部
・光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、IRG651)
:1重量部
導電性高分子ペーストの調製
下記原料をホモジナイザーを用いて混合及び分散して、導電層用ペーストを得た。
・ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の水分散液(固形分1.2質量%、スタルク社製、Baytron P HC V4)
:100重量部
N−メチルピロリドン
:5重量部
γ−グリシジルトリメトキシシラン(SH6040、東レダウコーニング社製)
:1重量部
下記原料をホモジナイザーを用いて混合及び分散して、導電層用ペーストを得た。
・ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の水分散液(固形分1.2質量%、スタルク社製、Baytron P HC V4)
:100重量部
N−メチルピロリドン
:5重量部
γ−グリシジルトリメトキシシラン(SH6040、東レダウコーニング社製)
:1重量部
アクチュエータ作製と評価
上記導電性高分子ペーストを、アプリケーターを用いてガラス基板上に展開し、80℃で30分の加熱により乾燥及び架橋させて、電極層(膜厚:5μm程度)を形成させた。形成された電極層の導電率は6S/cmであった。次いで、電極層上に上記電解質ペーストを同様な手法で塗布した後、UV照射(積算光量6000mJ/cm2)により硬化させて、電解質層を形成させた。電解質層のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定したところ、2.1×10−4S/cmであった。更に、電解質層上に電極層を1層目の電極層と同様の手順で形成させた。得られた3層構造の積層体をガラス基板から剥離して、高分子アクチュエータのシート(厚さ450μm)を得た。得られたシートから4mm×12mmの大きさの評価用サンプルを切り出した。
上記導電性高分子ペーストを、アプリケーターを用いてガラス基板上に展開し、80℃で30分の加熱により乾燥及び架橋させて、電極層(膜厚:5μm程度)を形成させた。形成された電極層の導電率は6S/cmであった。次いで、電極層上に上記電解質ペーストを同様な手法で塗布した後、UV照射(積算光量6000mJ/cm2)により硬化させて、電解質層を形成させた。電解質層のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定したところ、2.1×10−4S/cmであった。更に、電解質層上に電極層を1層目の電極層と同様の手順で形成させた。得られた3層構造の積層体をガラス基板から剥離して、高分子アクチュエータのシート(厚さ450μm)を得た。得られたシートから4mm×12mmの大きさの評価用サンプルを切り出した。
評価用サンプルをケルビンクリップでクランプし、ファンクションジェネレーターにより方形波(±3V)の電圧を印加し、そのときの電流値、電圧及び変位量を同時に計測して、アクチュエータの動作特性を評価した。
また、電極層と電解質層を引き剥がすピール試験を行い、そのときの破壊の状態を観察して、電極層と電解質層の界面が剥離している界面剥離、又は、電解質層の凝集破壊のいずれかに破壊モードを分類した。電極層と電解質層の密着性が十分高ければ、凝集破壊で破壊が進行する。
更に、電解質層における架橋度を確認するため、電解質層にPEDOT/PSSの水分散液を塗布したときの電解質層の膨潤の有無を観察した。架橋度が十分に高い場合には、膨潤が生じないと考えられる。
(実施例1)
電解質ペーストの調製
下記原料をホモジナイザーを用いて10000rpm、10分間の条件で混合及び分散し、その後脱泡して、電解質ペーストを得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER製、838EL)
:85重量部
・直鎖状ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(分子量700、PEG−DG)
:15重量部
・カチオン光重合開始剤(ヘキサフルオロアンチモン酸)
:6重量部
アクチュエータ作製と評価
電解質ペーストの調製
下記原料をホモジナイザーを用いて10000rpm、10分間の条件で混合及び分散し、その後脱泡して、電解質ペーストを得た。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER製、838EL)
:85重量部
・直鎖状ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(分子量700、PEG−DG)
:15重量部
・カチオン光重合開始剤(ヘキサフルオロアンチモン酸)
:6重量部
アクチュエータ作製と評価
上記電解質用ペーストを用いて電解質層を形成させたことの他は比較例と同様にして高分子アクチュエータの評価用サンプルを作製し、その動作特性の評価を行った。電解質層のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定したところ、10−7S/cm以下であった。また、同様に、電極層と電解質層の密着性、及び電解質層の架橋度を評価した。
(実施例2、3)
電解質ペーストを配合する際のビスフェノールA型エポキシ樹脂と直鎖状ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの配合量を表1に示す量(重量部)としたことの他は実施例1と同様にして、高分子アクチュエータの評価用サンプルを作製とその動作特性の評価を行った。また、同様に、電極層と電解質層の密着性、及び電解質層の架橋度を評価した。
電解質ペーストを配合する際のビスフェノールA型エポキシ樹脂と直鎖状ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの配合量を表1に示す量(重量部)としたことの他は実施例1と同様にして、高分子アクチュエータの評価用サンプルを作製とその動作特性の評価を行った。また、同様に、電極層と電解質層の密着性、及び電解質層の架橋度を評価した。
表1に示されるように、架橋性化合物としてエポキシ化合物を用いて架橋構造体を形成させた実施例の場合はいずれもピール試験の際に凝集破壊により破壊が進行し、架橋性化合物としてアクリレート化合物を用いた比較例のように界面剥離を生じた場合と比較して、電解質層と電極層の密着性が明らかに改善された。特に、実施例3はイオン伝導度の点でも優れていた。図2は、実施例3の高分子アクチュエータに200mHzの方形波を印加したときの印加電圧及び変位と計測時間との関係を示すグラフである。実施例3の高分子アクチュエータは良好な駆動特性を示し、また、繰返し動作に対する耐性も優れていた。
1…高分子アクチュエータ、11,12…電極層、20…電解質層。
Claims (2)
- 電解質層と、該電解質層に隣接して設けられた電極層と、を備える高分子アクチュエータにおいて、
前記電解質層が、
エポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる架橋性官能基を有する架橋性化合物が架橋して形成される架橋構造体と、
イオン性物質と、を含有し、
前記架橋性化合物が、
下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4):
[式中、R1、R2、R3及びR4は2価の飽和脂肪族基を示し、R5は水素原子又はアルキル基を示す。]
で表される繰返し単位及び2以上の前記架橋性官能基を有する第1の架橋性化合物と、
ポリフェノールのグリシジルエーテルであり2以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物、及び脂肪族アルコールのグリシジルエーテルであり3以上のエポキシ基を有する脂肪族エポキシ化合物から選ばれる第2の架橋性化合物と、を含む、高分子アクチュエータ。 - 前記第1の架橋性化合物が、前記一般式(1)で表される繰返し単位を有し、R1がエチレン基である、請求項1記載の高分子アクチュエータ。
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- 2007-03-29 JP JP2007089082A patent/JP2008253016A/ja active Pending
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