JP2008252419A - 固体電子撮像装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】FDA6において信号電荷を混合したときにあふれないようにする。
【構成】信号電荷を混合する場合に,CCDのオーバーフロー・ドレイン電圧を高くする。CCDのフォトダイオードに蓄積される信号電荷の量が少なくなる。信号電荷(ハッチングで示す)を転送してFDA6の電位井戸10において複数画素分を混合する。信号電荷の量が少ないので,信号電荷を混合してもFDA6からあふれないようにできる。
【選択図】図5
【構成】信号電荷を混合する場合に,CCDのオーバーフロー・ドレイン電圧を高くする。CCDのフォトダイオードに蓄積される信号電荷の量が少なくなる。信号電荷(ハッチングで示す)を転送してFDA6の電位井戸10において複数画素分を混合する。信号電荷の量が少ないので,信号電荷を混合してもFDA6からあふれないようにできる。
【選択図】図5
Description
この発明は,固体電子撮像装置およびその制御方法に関する。
CCDのような固体電子撮像素子は,フォトダイオードに蓄積された信号電荷が垂直転送路にシフトされ,シフトされた信号電荷が垂直転送路および水平転送路を転送させられる。転送させられた信号電荷は,フローティング・ディフュージョン増幅回路において映像信号に変換されて出力される。このような固体電子撮像素子においては,水平方向の画素数と垂直方向の画素数とのバランスをとるために水平画素混合を行うものがある(特許文献1)。
特開2000−125213号公報
画素混合が行われる場合には,フローティング・ディフュージョン増幅回路において信号電荷が混合されるために,被写体が明るい場合にはフローティング・ディフュージョン増幅回路において信号電荷があふれてしまうことがある。
この発明は,フローティング・ディフュージョン増幅回路における信号電荷のあふれを未然に防止することを目的とする。
第1の発明による固体電子撮像装置は,垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインを備えた固体電子撮像素子,隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動する素子駆動回路,ならびに上記転送駆動回路における駆動にもとづいて混合される信号電荷の画素数が多いほど上記電位障壁が下がるようなオーバーフロー・ドレイン電圧を上記オーバーフロー・ドレインに与えるオーバーフロー・ドレイン駆動回路を備えていることを特徴とする。
第1の発明は,上記固体電子撮像装置に適した制御方法も提供している。すなわち,この方法は,垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインが設けられている固体電子撮像素子を備えた固体電子撮像装置の制御方法において,素子駆動回路が,隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動し,オーバーフロー・ドレイン駆動回路が,上記素子駆動回路における駆動にもとづいて混合される信号電荷の画素数が多いほど上記電位障壁が下がるようなオーバーフロー・ドレイン電圧を上記オーバーフロー・ドレインに与えるものである。
第1の発明によると,混合される信号電荷の画素数が多いほど電位障壁が下がるようなオーバーフロー・ドレイン電圧が固体電子撮像素子のオーバーフロー・ドレインに与えられる。混合される信号電荷の画素数が多いと,フローティング・ディフュージョン増幅回路において混合される信号電荷の量が多くなるが,混合される信号電荷の画素数が多いときにはオーバーフロー・ドレインの電位障壁が下げられるので,それぞれの光電変換素子に蓄積される信号電荷の量が少なくなる。フローティング・ディフュージョン増幅回路において混合される信号電荷の量が少なくなり,フローティング・ディフュージョン増幅回路においてあふれてしまうことを未然に防止できる。
第2の発明による固体電子撮像装置は,垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインを備えた固体電子撮像素子,隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動する駆動回路,プリ撮像指令に応じて,プリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御するプリ撮像制御手段,上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像が行われることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて被写体の輝度値を算出する輝度値算出手段,上記輝度値算出手段によって算出された輝度値が多いほど混合される画素数が少なくなるように上記駆動回路における駆動により混合される信号電荷の画素数を決定する混合画素数決定手段,ならびに本撮像指令に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて本撮像し,上記混合画素数決定手段により決定された画素数で信号電荷が混合されるように上記駆動回路を制御する本撮像制御手段を備えていることを特徴とする。
第2の発明は,上記固体電子撮像装置に適した制御方法も提供している。すなわち,この方法は,垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインが設けられている固体電子撮像素子を備えた固体電子撮像装置の制御方法において,駆動回路が,隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動し,プリ撮像制御手段が,プリ撮像指令に応じて,プリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御し,輝度値算出手段が,上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像が行われることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて被写体の輝度値を算出し,混合画素数決定手段が,上記輝度値算出手段によって算出された輝度値が多いほど混合される画素数が少なくなるように上記駆動回路における駆動により混合される信号電荷の画素数を決定し,本撮像制御手段が,本撮像指令に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて本撮像し,上記混合画素数決定手段により決定された画素数で信号電荷が混合されるように上記駆動回路を制御するものである。
第2の発明によると,プリ撮像指令が与えられるとプリ撮像が行われる。プリ撮像により固体電子撮像素子から出力された映像信号にもとづいて被写体の輝度値が算出される。輝度値が多いほど混合する画素数が少なくなるように,混合する画素数が決定される。本撮像指令が与えられ,本撮像が行われると,決定された画素数の信号電荷が混合されて転送される。輝度値が多いと信号電荷の量も多い。このために混合される画素数が多いと,フローティング・ディフュージョン増幅回路において信号電荷が混合されることにより信号電荷があふれることがある。第2の発明によると,輝度値が多いと混合される画素数が少なくされるので,フローティング・ディフュージョン増幅回路において信号電荷があふれてしまうことを未然に防止できる。
第3の発明による固体電子撮像装置は,垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインを備えた固体電子撮像素子,プリ撮像指令に応じてプリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御するプリ撮像制御手段,上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像されることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて,上記固体電子撮像素子の光電変換素子に蓄積された信号電荷の量を光電変換素子ごとに検出する蓄積信号電荷検出手段,上記蓄積信号電荷検出手段によって検出された光電変換素子ごとの信号電荷量にもとづいて混合する信号電荷を画素ごとに決定する混合電荷決定手段,ならびに本撮像に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて被写体を撮像し,上記混合電荷決定手段によって決定された画素同士の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を制御する本撮像制御手段を備えていることを特徴とする。
第2の発明は,上記固体電子撮像装置の制御方法も提供している。すなわち,この方法は,垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインが設けられている固体電子撮像素子を備えた固体電子撮像装置の制御方法において,プリ撮像制御手段が,プリ撮像指令に応じてプリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御し,蓄積信号電荷検出手段が,上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像されることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて,上記固体電子撮像素子の光電変換素子に蓄積された信号電荷の量を光電変換素子ごとに検出し,混合電荷決定手段が,上記蓄積信号電荷検出手段によって検出された光電変換素子ごとの信号電荷量にもとづいて混合する信号電荷を画素ごとに決定し,本撮像制御手段が,本撮像に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて被写体を撮像し,上記混合電荷決定手段によって決定された画素同士の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を制御するものである。
第3の発明によると,プリ撮像指令に応じてプリ撮像が行われる。プリ撮像により固体電子撮像素子から出力された映像信号にもとづいて,固体電子撮像素子の光電変換素子に蓄積された信号電荷の量が光電変換素子ごとに検出される。光電変換素子ごとの信号電荷の量にもとづいて混合する信号電荷が画素ごとに決定される。本撮像指令に応じて本撮像が行われると,決定された画素同士の信号電荷が混合されるように固体電子撮像素子が制御される。光電変換素子ごとに,混合される信号電荷が決定されるようになる。
図1は,この発明の実施例を示すもので,CCDの模式図である。
垂直方向および水平方向に多数のフォトダイオード2が設けられている。フォトダイオード2の各列の右側にはタイミング・ゲート(図1において図示略)を介して垂直転送路3が形成されている。垂直転送路3の下側の出力端には水平転送路4が設けられている。水平転送路4の出力側(右側)にはアウトプット・ゲート5が設けられている。アウトプット・ゲート5にFDA(フローティング・ディフュージョン・アンプリファイア)6が接続されている。FDA6に出力増幅回路7が接続されている。
フォトダイオード2に蓄積された信号電荷は,タイミング・ゲートにタイミング・ゲート・パルスが与えられることにより,垂直転送路3にシフトされる。垂直転送路3にシフトされた信号電荷は,垂直転送路3に垂直転送パルスが与えられることにより垂直方向に転送させられ水平転送路4に入力する。水平転送パルスH1,H2が与えられることにより,信号電荷は水平方向に転送させられる。アウトプット・ゲート5にアウトプット・ゲート・パルスが与えられることにより,水平転送路4を転送させられてきた信号電荷はFDA6に入力する。FDA6において信号電荷が映像信号に変換され,出力増幅回路7から映像信号が出力する。FDA6にリセット・パルスが与えられることにより,FDA6はリセットされ,FDA6に蓄積された信号電荷は掃き出される。
詳しくは後述するように,この実施例においては,隣接する画素(フォトダイオード2に対応する)の信号電荷をFDA6で混合することができる。信号電荷の混合により,例えば,画素数を少なくできる。
図2および図3は,フォトダイオード2に蓄積される信号電荷,タイミング・ゲート,垂直転送路(VCCD)3等の関係を示している。
フォトダイオード2に光が照射されると,その照射量に応じてフォトダイオード2には信号電荷(ハッチングで示す)が蓄積される。タイミング・ゲート9にタイミング・ゲート・パルスが与えられるとタイミング・ゲートの電位障壁が下がり,上述のようにフォトダイオード2に蓄積された信号電荷が垂直転送路3にシフトされる。
CCDにはオーバーフロー・ドレイン8が形成されており,フォトダイオード2からあふれる信号電荷を基板に掃き出すことができる。オーバーフロー・ドレイン8にはオーバーフロー・ドレイン電圧が与えられている。オーバーフロー・ドレイン8による電位障壁は,オーバーフロー・ドレイン電圧に依存する。図2に示すようにオーバーフロー・ドレイン8の電圧が低ければオーバーフロー・ドレイン8による電位障壁は高くなり,フォトダイオード2には多くの量の信号電荷が蓄積される。逆に図3に示すようにオーバーフロー・ドレイン8の電圧が高ければオーバーフロー・ドレイン8による電位障壁は低くなり,フォトダイオード2に蓄積できる信号電荷の量は少なくなりフォトダイオード2からあふれた信号電荷はオーバーフロー・ドレイン8から掃き出される。このように,オーバーフロー・ドレイン電圧を変えることによりフォトダイオード2に蓄積できる信号電荷の量を変えることができる。
図4(A)〜(D)は,図2に示すようにオーバーフロー・ドレイン電圧が低い場合にフォトダイオード2に蓄積された信号電荷が水平転送路4を転送させられ,FDA6において複数画素分の信号電荷が混合される様子を示している。
水平転送路4には,水平転送パルスH1が与えられる水平転送電極と水平転送パルスH2が与えられる水平転送電極とが水平方向において交互に形成されている。水平転送パルスH1とH2とは逆相であり,水平転送パルスH1がLレベルのときには水平転送パルスH2はHレベルとなる。オーバーフロー・ドレイン電圧が低い場合にはフォトダイオード2に蓄積される信号電荷の量は比較的多くなる。
図4(A)を参照して,時刻t11において,水平転送パルスH1がHレベル,水平転送パルスH2がLレベルとなると,水平転送パルスH1が与えられる水平転送電極に電位井戸11が形成される。形成された電位井戸11に信号電荷(ハッチングで示す)が蓄積される。水平転送路4の出力端にはアウトプット・ゲート5を介して上述のようにFDA6が形成されている。このFDA6には信号電荷を蓄積する電位井戸10が形成されている。
図4(B)を参照して,時刻t12において,水平転送パルスH1がLレベル,水平転送パルスH2がHレベルとなると,水平転送パルスH2が与えられる水平転送電極に電位井戸11が形成される。信号電荷は,水平転送パルスH1が与えられていた水平転送電極に形成されていた電位井戸から水平転送パルスH2が与えられる水平転送電極に形成される電位井戸に(右側に)転送させられることとなる。水平転送路4の出力端の電位井戸11に蓄積されていた信号電荷は,アウトプット・ゲートを越えてFDA6の電位井戸10に蓄積される。
図4(C)を参照して,時刻t13において,再び水平転送パルスH1がHレベル,水平転送パルスH2がLレベルとなると,水平転送パルスH1が与えられる水平転送電極に電位井戸11が形成される。水平転送パルスH2が与えられていた水平転送電極に形成されていた電位井戸から水平転送パルスH1が与えられている水平転送電極に形成されている電位井戸に転送させられることとなる。信号電荷は,水平転送パルスがFDA6において信号電荷の混合が行われる場合には,FDA6にリセット・ゲート・パルスが与えられず,FDA6はリセットされないので,FDA6の電位井戸10に前の画素を表わす信号電荷が残っている。
図4(D)を参照して,時刻t14において,再び水平転送パルスH1がLレベル,水平転送パルスH2がHレベルとなると,水平転送パルスH2が与えられる水平転送電極に電位井戸11が形成される。図4(B)と同様に,信号電荷は,水平転送パルスH1が与えられていた水平転送電極に形成されていた電位井戸から水平転送パルスH2が与えられる水平転送電極に形成される電位井戸に(右側に)転送させられることとなる。水平転送路4の出力端の電位井戸11に蓄積されていた信号電荷は,アウトプット・ゲートを越えてFDA6の電位井戸10に蓄積される。FDA6に与えられるリセット・ゲート・パルスのタイミングを制御することにより信号電荷が混合される画素数を調整できる。図2に示すようにオーバーフロー・ドレイン電圧が低く,フォトダイオード2に蓄積される信号電荷の量が多い場合には,FDA6において信号電荷が混合されると,FDA6の電位井戸10に混合された信号電荷が収まらずにあふれてしまう。
図5(A)〜(D)は,図3に示すようにオーバーフロー・ドレイン電圧が高い場合にフォトダイオード2に蓄積された信号電荷が水平転送路4を転送させられ,FDA6において複数画素分の信号電荷が混合される様子を示している。
オーバーフロー・ドレイン電圧が高い場合にはフォトダイオード2に蓄積される信号電荷の量は比較的少なくなる。
図5(A)を参照して,時刻t21において,水平転送パルスH1がHレベルとなり,水平転送パルスH2がLレベルとなる。水平転送パルスH1が与えられた水平転送電極に電位井戸11が形成されて信号電荷が蓄積される。上述のように蓄積された信号電荷は比較的少ない。
図5(B)を参照して,時刻t22において,水平転送パルスH1がLレベルとなり,水平転送パルスH2がHレベルとなる。Hレベルの水平転送パルスH2が与えられた水平転送電極に電位井戸11が形成され,Hレベルの水平転送パルスH1が与えられていた水平転送電極に形成されていた電位井戸11に蓄積されていた信号電荷が水平方向に転送させられる。信号電荷はアウトプット・ゲート5を乗り越えFDA6の電位井戸10に蓄積される。
図5(C)を参照して,時刻t23において,水平転送パルスH1がHレベルとなり,水平転送パルスH2がLレベルとなる。Hレベルの水平転送パルスH1が与えられた水平転送電極に電位井戸11が形成され,Hレベルの水平転送パルスH2が与えられていた水平転送電極に形成されていた電位井戸11に蓄積されていた信号電荷が水平方向に転送させられる。上述のようにFDA6において信号電荷が混合される場合には,信号電荷はFDA6の電位井戸10に残っている状態となる。
図5(D)を参照して,時刻t24において,再び水平転送パルスH2がHレベルとなり,水平転送パルスH1がLレベルとなる。Hレベルの水平転送パルスH2が与えられた水平転送電極に電位井戸11が形成され,Hレベルの水平転送パルスH1が与えられていた水平転送電極に形成されていた電位井戸11に蓄積されていた信号電荷が水平方向に転送させられる。信号電荷はアウトプット・ゲート5を乗り越えFDA6の電位井戸10にさらに蓄積される。上述のようにオーバーフロー・ドレイン電圧が高く,フォトダイオード2に蓄積される信号電荷の量も少ない。このためにFDA6において信号電荷が混合されても,FDA6から混合された信号電荷があふれるのを未然に防止できる。
図6は,上述したCCD1を備えたディジタル・スチル・カメラの電気的構成の一部を示すブロック図である。
ディジタル・スチル・カメラの全体の動作は,CPU20によって統括される。ディジタル・スチル・カメラには,電源スイッチ,シャッタ・レリーズ・ボタン,モード設定ダイアルなどの各種スイッチ類21が含まれている。この各種スイッチ類21から出力された信号はCPU20に入力する。
AFE/TG(アナログ・フロント・エンド/タイミング・ジェネレータ)25からクロック・パルスが出力され,ドライバ23に入力する。ドライバ23において,上述した転送パルス等が生成されてCCD1に与えられる。
ディジタル・スチル・カメラには,ディジタル・アナログ・コンバータ22が含まれている。このディジタル・アナログ・コンバータ22からオーバーフロー・ドレイン電圧が出力されCCD1に与えられる。ディジタル・アナログ・コンバータ22は,CPU20によって,出力されるオーバーフロー・ドレイン電圧が制御されるものである。
図7は,信号電荷の混合画素数と設定されるオーバーフロー・ドレイン(OFD)電圧との関係を示している。
信号電荷の混合が無いときにはオーバーフロー・ドレイン電圧は所定の電圧V1である。信号電荷の混合画素数が2からNに増加するにつれてオーバーフロー・ドレイン電圧はV2からVNに除々に増加する。混合画素数が多いほどオーバーフロー・ドレイン電圧が増えるのでフォトダイオードに蓄積される信号電荷の量は少なくなる。混合画素数が多くてもFDA6において混合された信号電荷があふれてしまうのを未然に防止できる。
図6に戻って,CCD1から出力された映像信号は,AFE/TG25に入力し,相関二重サンプリング,アナログ/ディジタル変換処理などの所定の信号処理が行われる。AFE/TG25から出力された画像データは信号処理回路26においてガンマ補正などの所定の信号処理が行われる。
また,プリ撮像が行われる場合には,プリ撮像により得られた画像データを用いて信号処理回路26において被写体輝度が算出される。算出された被写体輝度にもとづいて適正露光となるようにシャッタ・スピード等がCPU20によって制御される。
上述した実施例は混合画素数に応じてオーバーフロー・ドレイン電圧を変えるものであるが,以下に述べる実施例は被写体輝度値に応じて混合画素数を変えるものである。
図8は,被写体像に含まれる輝度の最高値(最高輝度値)と混合画素数との関係を示している。
最高輝度値が極めて高く(最高輝度値L1以上),信号電荷の画素混合が行われると,混合は行われない。最高輝度値がL1未満であり,L2より大きければ(L1>L2),混合画素数が2とされて2画素分の信号電荷が混合される。同様に,最高輝度値が徐々に小さくなるにつれて,フォトダイオードに蓄積される信号電荷の量が少なくなるので混合画素数が多くなってもFDAにおいて混合された信号電荷があふれる可能性が低いと考えられる。このために,最高輝度値が徐々に小さくなるにつれて,混合画素数が多くなる。
図9は,ディジタル・スチル・カメラの処理手順を示すフローチャートである。
まず,所定のオーバーフロー・ドレイン電圧(信号電荷が混合されない場合の電圧)がCCDに設定されて被写体がプリ撮像される(ステップ31)。プリ撮像によりCCDのフォトダイオードに蓄積された信号電荷が混合されずにCCD内を転送させられて映像信号としてCCDから出力される(ステップ32)。
プリ撮像により得られた映像信号によって表わされる被写体像中の最高輝度値が算出される(ステップ33)。図8に示すように,算出された最高輝度値から混合画素数が決定される(ステップ34)。
再び所定のオーバーフロー・ドレイン電圧がCCDに設定されて被写体が本撮像される(ステップ35)。算出された混合数で信号電荷が混合されて映像信号がCCDから出力される(ステップ36)。被写体輝度に応じて信号電荷が混合されるので,FDAにおいて混合された信号電荷があふれてしまうのを未然に防止できる。得られた映像信号について信号処理が行われる(ステップ37)。
図10は,ディジタル・スチル・カメラの他の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は,画素ごとに混合画素数を決定するものである。
CCDに所定のオーバーフロー・ドレイン電圧が設定され,被写体がプリ撮像される(ステップ41)。プリ撮像により蓄積された信号電荷が混合されることなくCCD内を転送させられて映像信号として出力される(ステップ42)。被写体像の平均輝度値が算出され(ステップ43),信号電荷量が画素ごとに検出される(ステップ44)。信号電荷が混合されない場合,CCDから出力された映像信号がそれぞれ表わす画素のレベルが信号電荷量に相当することとなる。画素ごとに検出された信号電荷量とFDAの電位井戸の大きさとから,混合したときにFDAからあふれないように混合画素数が画素ごとに決定される(ステップ45)。
CCDに所定のオーバーフロー・ドレイン電圧が設定され,被写体が本撮像される(ステップ46)。画素ごとに決定された混合画素数で混合されてCCDから映像信号が出力される(ステップ47)。決定された混合画素数で混合するためには,決定された混合画素数に応じて,リセット・ゲート・パルスをFDAに与えるようにすればよいのはいうまでもない。CCDから出力された映像信号について所定の信号処理が行われる(ステップ48)。
1 CCD
2 フォトダイオード
3 垂直転送路
4 水平転送路
6 FDA
8 オーバーフロー・ドレイン
2 フォトダイオード
3 垂直転送路
4 水平転送路
6 FDA
8 オーバーフロー・ドレイン
Claims (6)
- 垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインを備えた固体電子撮像素子,
隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動する素子駆動回路,ならびに
上記素子駆動回路における駆動にもとづいて混合される信号電荷の画素数が多いほど上記電位障壁が下がるようなオーバーフロー・ドレイン電圧を上記オーバーフロー・ドレインに与えるオーバーフロー・ドレイン駆動回路,
を備えた固体電子撮像装置。 - 垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインを備えた固体電子撮像素子,
隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動する駆動回路,
プリ撮像指令に応じて,プリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御するプリ撮像制御手段,
上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像が行われることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて被写体の輝度値を算出する輝度値算出手段,
上記輝度値算出手段によって算出された輝度値が多いほど混合される画素数が少なくなるように上記駆動回路における駆動により混合される信号電荷の画素数を決定する混合画素数決定手段,ならびに
本撮像指令に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて本撮像し,上記混合画素数決定手段により決定された画素数で信号電荷が混合されるように上記駆動回路を制御する本撮像制御手段,
を備えた固体電子撮像装置。 - 垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインを備えた固体電子撮像素子,
プリ撮像指令に応じてプリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御するプリ撮像制御手段,
上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像されることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて,上記固体電子撮像素子の光電変換素子に蓄積された信号電荷の量を光電変換素子ごとに検出する蓄積信号電荷検出手段,
上記蓄積信号電荷検出手段によって検出された光電変換素子ごとの信号電荷量にもとづいて混合する信号電荷を画素ごとに決定する混合電荷決定手段,ならびに
本撮像に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて被写体を撮像し,上記混合電荷決定手段によって決定された画素同士の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を制御する本撮像制御手段,
を備えた固体電子撮像装置。 - 垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインが設けられている固体電子撮像素子を備えた固体電子撮像装置の制御方法において,
素子駆動回路が,隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動し,
オーバーフロー・ドレイン駆動回路が,上記素子駆動回路における駆動にもとづいて混合される信号電荷の画素数が多いほど上記電位障壁が下がるようなオーバーフロー・ドレイン電圧を上記オーバーフロー・ドレインに与える,
固体電子撮像装置の制御方法。 - 垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインが設けられている固体電子撮像素子を備えた固体電子撮像装置の制御方法において,
駆動回路が,隣接する複数の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を駆動し,
プリ撮像制御手段が,プリ撮像指令に応じて,プリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御し,
輝度値算出手段が,上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像が行われることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて被写体の輝度値を算出し,
混合画素数決定手段が,上記輝度値算出手段によって算出された輝度値が多いほど混合される画素数が少なくなるように上記駆動回路における駆動により混合される信号電荷の画素数を決定し,
本撮像制御手段が,本撮像指令に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて本撮像し,上記混合画素数決定手段により決定された画素数で信号電荷が混合されるように上記駆動回路を制御する,
固体電子撮像装置の制御方法。 - 垂直方向および水平方向に多数配列されており,かつ画素を表わす信号電荷を蓄積する光電変換素子,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を転送する転送路,上記転送路を転送した信号電荷を映像信号に変換して出力するフローティング・ディフュージョン増幅回路,ならびに与えられるオーバーフロー・ドレイン電圧が大きいほど電位障壁が下がるものであり,上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を掃き出すオーバーフロー・ドレインが設けられている固体電子撮像素子を備えた固体電子撮像装置の制御方法において,
プリ撮像制御手段が,プリ撮像指令に応じてプリ撮像するように上記固体電子撮像素子を制御し,
蓄積信号電荷検出手段が,上記プリ撮像制御手段の制御のもとにプリ撮像されることに応じて上記固体電子撮像素子から出力される映像信号にもとづいて,上記固体電子撮像素子の光電変換素子に蓄積された信号電荷の量を光電変換素子ごとに検出し,
混合電荷決定手段が,上記蓄積信号電荷検出手段によって検出された光電変換素子ごとの信号電荷量にもとづいて混合する信号電荷を画素ごとに決定し,
本撮像制御手段が,本撮像に応じて,上記固体電子撮像素子を用いて被写体を撮像し,上記混合電荷決定手段によって決定された画素同士の信号電荷が混合されるように上記固体電子撮像素子を制御する,
固体電子撮像装置の制御方法。
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- 2007-03-30 JP JP2007090090A patent/JP2008252419A/ja active Pending
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