JP2008252302A - 順次走査変換装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】動画用補間信号がより一層高品質となり、結果的には順次走査信号の画質を向上する。
【解決手段】動画用補間信号生成回路15において、動きベクトル信頼度判定回路から動きベクトルの信頼度情報を得る。現フィールドに対して前後のフィールド信号を用いて第1の補間信号を得る。現フィールド信号と前または後のフィールド信号の垂直高域成分を用いて第2の補間信号を得る。前記第1と第2の補間信号を混合するとき、現フィールド信号に類似する方の信号の割合が高くなるように混合する。動きベクトルの信頼度が高く、現フィールド信号の補間位置の上下のラインの信号の差の絶対値が大きくなるに従い、第1の補間信号の割合が高くなるように補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】動画用補間信号生成回路15において、動きベクトル信頼度判定回路から動きベクトルの信頼度情報を得る。現フィールドに対して前後のフィールド信号を用いて第1の補間信号を得る。現フィールド信号と前または後のフィールド信号の垂直高域成分を用いて第2の補間信号を得る。前記第1と第2の補間信号を混合するとき、現フィールド信号に類似する方の信号の割合が高くなるように混合する。動きベクトルの信頼度が高く、現フィールド信号の補間位置の上下のラインの信号の差の絶対値が大きくなるに従い、第1の補間信号の割合が高くなるように補正する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、飛び越し走査信号を順次走査信号に変換する順次走査変換装置および方法に関する。特にこの発明は、動画用補間信号の生成回路及び方法に着目している。
映像信号処理装置の一部として走査信号の走査線数を変換する順次走査変換装置がある。順次走査変換装置では、走査線数を増加するために、補間信号を生成している。この補間信号としては、動画に適した補間信号と、静画に適した補間信号が用意される。そして、入力画像信号が動画である場合と、静画である場合とで、使用する補間信号が使い分けられる。
走査変換装置の従来技術としては、特許文献1及び特許文献2に示すような技術がある。
画質が高品位になると、動画用補間信号の品質が重要となる。つまり、動画用補間信号が、動画に正確に対応して補間されていない場合、動画周囲の画質に乱れが生じる。そこで補間信号を正しいものとするために、動きベクトルの正確性を検出する技術がある(例えば特許文献1)。
またフィールド内補間信号とフィールド間補間信号の垂直周波数帯域に相違がある点に着目し、動画用として、第1、第2の補間信号を生成し、この第1、第2の補間信号を、選択して最終補間信号を生成する技術がある(例えば特許文献2)。第1、第2の補間信号の選択条件は、第1の補間信号と基準信号(例えば基準となる1フィールド遅延信号)との差の絶対値、第2の補間信号と基準信号との差の絶対値が比較され、基準信号に対して相関が高いほうの補間信号が決定される。
特開平5−110997号公報
特開2004−328654号公報
特許文献1では、動きベクトルの正確性を検出したとき、信頼度が低いときは、フィールド内補間信号が採用される。しかし、フィールド内補間信号と、その上下に配置される走査信号との垂直解像度の差があると、画質劣化として現れる。
このような不具合を改善するために、特許文献2の技術を組み合わせることが考えられるが、まだ不十分である。特に、映像の中において、水平線に近い斜めエッジ部が補間信号で補間される場合に、斜めエッジ部分で乱れが生じる。
そこでこの発明の一面では、動画用補間信号がより一層高品質となり、結果的には順次走査信号の画質を向上する順次走査変換装置および方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するためにこの発明の一面では、動画用補間信号生成回路15において、動きベクトル信頼度判定回路、現フィールドに対して前後のフィールド信号を用いて第1の補間信号を得る第1の補間信号生成回路、現フィールド信号と前または後のフィールド信号の垂直高域成分を用いて第2の補間信号を得る第2の補間信号生成回路と、前記第1と第2の補間信号を混合するとき、現フィールド信号に類似する方の信号の割合が高くなるように混合するための制御信号を出力する混合比算出回路と、動きベクトル信頼度判定回路からの判定出力が動きベクトルの信頼度が高いことを示し、現フィールド信号の補間位置の上下のラインの信号の差の絶対値が大きくなるに従い、前記第1の補間信号の割合が高くなるように前記制御信号を補正する混合比補正回路を有する。
フィールド内補間信号生成回路では追従できないような水平線に近い画像エッジ部では、フィールド内補間信号にジャギー状の画質劣化が発生している可能性が高い。また第2の補間信号にもジャギー状の画質劣化が発生している可能性が高い。そこで、本装置では水平線状の画像エッジを検出したときは、第1の補間信号の割合を高めるように補正している。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1において、入力端子11には、映像信号の後フィールド信号S1が入力される。この後フィールド信号S1は、フィールド遅延回路12に入力される。フィールド遅延回路12の出力である現フィールド信号S2は、さらに次のフィールド遅延回路13に入力される。フィールド遅延回路13の出力である前フィールド信号S3は、動き検出回路14、動画用補間信号生成回路15、動き適応混合回路16に入力される。
動き検出回路14は、後フィールド信号S1と前フィールド信号S3を用いて、映像の動きを検出し、動き検出信号を得て、この動き検出信号を動き適応混合回路16の制御端子に与えている。
動画用補間信号生成回路15は、後フィールド信号S1、現フィールド信号S2および前フィールド信号S3を用いて、動画用補間信号を作成する。この動画用補間信号は、動き適応混合回路16に入力される。
動き適応混合回路16は、動き検出信号に応じて、静画用補間信号(前フィールド信号S3)と、動画用補間信号の混合比を、動き検出信号に応じて混合し、補間ライン信号を生成する。
補間ライン信号は、時系列変換回路17に入力される。時系列変換回路17は、補間ライン信号と現フィールド信号S2(直接ライン信号)を交互に選択して、順次走査に変換し、順次走査変換出力信号を得る。
動画用補間信号生成回路15は、次のように構成されている。即ち、動きベクトル検出回路151は、後フィールド信号S1,現フィールド信号S2、後フィールド信号S3を用いて、映像の動きを検出し、動きベクトル(MV)を出力する。
動きベクトル信頼度判定回路152は、動きベクトル信頼度判定出力を得る。この信頼度判定出力は、0〜nの整数値で表され、最も信頼度の低い場合が0、最も信頼度の高い場合がnである。
動きベクトル信頼度判定回路152からの動きベクトル信頼度判定出力は、後で説明するように、動きベクトル補間信号混合回路162と、出力補間信号混合回路170で利用される。
第1の補間信号生成回路153は、後フィールド信号S1と前フィールド信号S3を用いて、動きベクトル(MV)に応じて第1の補間信号を生成している。動きベクトルに応じて後フィールド信号S1と前フィールド信号S3の使用画素を決定し、第1の補間信号を生成している。
前フィールド垂直高域成分信号生成回路154は、前フィールド信号S3を用いて前フィールド垂直高域成分信号を生成して、この前フィールド垂直高域成分信号を第2の補間信号生成回路158に供給する。また後フィールド垂直高域成分信号生成回路155は、後フィールド信号S1を用いて後フィールド垂直高域成分信号を生成して、この後フィールド垂直高域成分信号を第2の補間信号生成回路158に供給する。
第2の補間信号生成回路158は、前フィールド垂直高域成分信号、後フィールド垂直高域成分信号を、現フィールド信号S2に加算して、第2の補間信号を生成している。
フィールド内補間信号生成回路156は、現フィールド信号S2を用いて、フィールド内補間信号を生成している。
第2の補間信号と第1の補間信号は、動きベクトル補間信号混合回路162において混合される。このとき、混合比算出回路163からの制御信号に基づいて、第1と第2の補間信号の混合比が制御される。またこの混合比は、混合比補正回路164により、その値が補正される。動きベクトル補間信号混合回路162の出力は、出力補間信号混合回路170において、フィールド内補間信号生成回路156からのフィールド内補間信号と混合される。この混合比は、動きベクトル信頼度出力の値に応じて調整される。動きベクトル信頼度が高いときは、フィールド内補間信号生成回路156の出力信号よりも、動きベクトル補間信号混合回路162からの出力信号の割合が高くなる。
動きベクトル補間信号混合回路162の混合比算出回路163は、差分算出回路159、差分差出回路161からの差分信号を利用している。差分算出回路159は、第1の補間信号とフィールド内補間信号との差分信号を得ている。差分算出回路161は、第2の補間信号とフィールド内補間信号との差分信号を得ている。これらの差分信号は、以下の関係を示している。即ち、現フィールド信号が、第1の補間信号に対して相関が高いのか低いのか、あるいは現フィールド信号が第2の補間信号に対して相関が低いのか高いのかを示している。
つまりフィールド内補間信号と第1の補間信号との差分と、フィールド内補間信号と第2の補間信号との差分を算出している。そして、フィールド内補間信号との差分が小さい方ほど比率が大きくなる混合比で第1の補間信号と第2の補間信号とを混合している。
さらに混合比補正回路164が設けられている。混合比補正回路164は、補間位置の上下に位置する現フィールド信号の差分が大きいほど第1の補間信号の混合比を高めるように、混合比補正回路163を制御している。現フィールド信号S2を用いて、上下の信号の差分を計算している。動きベクトル信頼度判定出力が、所定値以上のときに、この混合比補正回路164は動作する。
出力補間信号混合回路170では、動きベクトル信頼度判定回路152の判定が、信頼度が高いほうを示すほど動きベクトル補間信号混合回路162の出力の比率を大きくし、信頼度が低いほうを示すほどフィールド内補間信号の比率を大きくして混合する。
図2には、動きベクトル信頼度判定回路152の一例を示している。入力端子211には現フィールド信号または後フィールド信号が入力される。入力端子211の前段には使用する信号を選択回路が設けられているがここでは省略している。入力端子212には前フィールド信号が入力され、入力端子213には動きベクトル信号MVが入力される。
入力端子211、212に入力した信号は、それぞれ水平及び垂直低域フィルタ222、223を介した後、動きベクトル方向の対象画素選択回路224に入力される。対象画素選択回路224は、2つの入力信号から、動きベクトルが示す方向の画素をそれぞれ選択する。選択された2つの画素を対象画素PX1、対象画素PX2とする。例えば、図3に示すような動きベクトルMVが得られたとすると、前フィールドの画素S3[8],後フィールドの画素S1[4]が対象画素として選択される。
この対象画素PX1、対象画素PX2は画素間差分絶対値算出回路225に入力される。画素間差分絶対値算出回路225は、|PX1−PX2|を計算する。この絶対値が小さい場合には、対象画素PX1,PX2が近似していることである。つまり動きベクトルが正しいことである。計算結果は、マッチング用ブロック内積分回路226に入力される。マッチング用ブロック内積分回路226では、ブロック内の絶対値が累積される。1つのブロックは、画面を複数の小領域に分割した1つである。
マッチング用ブロック内積分回路226では、各ブロックでの動きベクトルの信頼度を示すデータ(対象ブロック間差分絶対値)が得られる。したがって、この絶対値が小さいほどブロック内の対象画素PX1,PX2が近似しており、動きベクトルの信頼度が高いことになる。
動きベクトル信頼度出力生成回路215は、対象ブロック間差分絶対値が小さいほど大きい値を出力する。この値0からnの範囲であり、最も信頼度が低いとき0、最も信頼度が高いときnである。
ただし、動きベクトルの垂直方向が奇数ラインであるときは、動きベクトル信頼度出力回路215は、0を出力する。動きベクトルの垂直方向が奇数ラインであるか否かは、回路216により判定されている。この回路216から動きベクトル垂直奇数ライン判別出力が得られ、動きベクトル信頼度出力生成回路215を制御している。
図3(A)には、動きベクトルの垂直方向が偶数ラインに向かっている場合を示し、図3(B)には、動きベクトルの垂直方向が奇数ラインに向かっている場合を示している。
S3,S2,S1は、それぞれ図1に示した前フィールド信号、現フィールド信号、後フィールド信号である。また各水平ラインに対しては、垂直位置0、1、2、3、・・・を付している。今、動きベクトルMVが図のように得られており、補間画素が三角印の位置に生成されるものとする。図3(B)に示すような動きベクトルの場合、三角印の位置に補間画素を生成するには、S3の垂直位置7の画素が必要であるが、S3には垂直位置7に画素は存在しないため、垂直位置6や8の画素から補間することになる。このような場合は、動きベクトルに適合した補間画素は採用しないほうが好ましい。
図4には、図1に示した第1の補間信号生成回路153による第1の補間信号の生成方法、及び第2の補間信号生成回路158による第2の補間信号の生成方法を示している。図4において、S3,S2,S1は、それぞれ図1に示した前フィールド信号、現フィールド信号、後フィールド信号である。また各水平ラインに対しては、垂直位置0、1、2、3、・・・を付している。今動きベクトルMVが図のように得られており、補間画素S2[6](三角印)を得るものとする。すると、
第1の補間信号は、
=S3[8]または(S3[8]+S1[4])/2)
前フィールドの垂直高域成分MVHaは、
=(−S3[6]+2*S3[8]−S3[10])/4
後フィールドの垂直高域成分MVHbは、
=(−S1[2]+2*S1[4]−S1[6])/4
第2の補間信号は、
=(S2[5]+S2[7])/2+MVHa
または
=(S2[5]+S2[7])/2+(MVHa+MVHb)/2
となる。
第1の補間信号は、
=S3[8]または(S3[8]+S1[4])/2)
前フィールドの垂直高域成分MVHaは、
=(−S3[6]+2*S3[8]−S3[10])/4
後フィールドの垂直高域成分MVHbは、
=(−S1[2]+2*S1[4]−S1[6])/4
第2の補間信号は、
=(S2[5]+S2[7])/2+MVHa
または
=(S2[5]+S2[7])/2+(MVHa+MVHb)/2
となる。
上記の例は、動きベクトルの垂直方向が上方向へ向かう場合である。動きベクトルの垂直方向が下方向へ向かう場合も、同様な考え方で計算される。
上記の第1と第2の補間信号は、動きベクトル補間信号混合回路162に入力されて混合される。ここでは、混合比算出回路163の制御により、基本的には、現フィールド信号S2により近い補間信号の割合が多くなるようにミックスされる。混合比算出回路163は、差分算出回路159からの情報(第1の補間信号と現フィールド信号との差分情報)と、差分算出回路161からの情報(第2の補間信号と現フィールド信号との差分情報)に基づいて、現フィールド信号に対して第1と第2の補間信号が、それぞれどの程度類似している信号であり、どの程度非類似の信号であるかを判定している。この判定結果により混合比を計算し、その類似する方の補間信号の割合を多くして混合している。
ここで、混合比算出回路163では、その計算した混合比は、さらに混合比補正回路164により補正することができる。
混合比補正回路164は、補間位置の上下に位置する現フィールド信号の差分を計算している。差分値が大きいほど、第1の補間信号の割合が大きくなるように混合比算出回路163を制御する。また動きベクトルの信頼度が所定値以上であるときに動作するか、または動きベクトルの信頼度が高くなるに従い、その出力制御信号の値を大きくしている。この出力制御信号の値が大きくなると、混合比算出回路163は第1の補間信号の割合を大きくする。これは、動きベクトルに適合した、図4で説明したような第1の補間画素のほうが、適切な信号となるからである。
図5には、現フィールド信号を示し、各画素には垂直位置と水平位置の番号を付している。図5には、斜めエッジを有する画像の例と、水平エッジを有する画像の例を示している。三角で示した画素が補間ラインの画素である。上記した動きベクトル補間信号混合回路162は、動きベクトルの信頼度が高いときであって、
上下画素間の差分絶対値=|S2[5][4]−S2[7][4]|
が大きいほど、第1の補間信号の混合割合を大きくしている。尚、この式において、S2は現フィールド信号を意味し、[][]は[垂直位置][水平位置]を意味する。
上下画素間の差分絶対値=|S2[5][4]−S2[7][4]|
が大きいほど、第1の補間信号の混合割合を大きくしている。尚、この式において、S2は現フィールド信号を意味し、[][]は[垂直位置][水平位置]を意味する。
今、差分算出回路159、161からの情報が変化しないものとする。図5の斜めエッジを有する画像の場合、補間画素PX11が作成されるときは、上下画素間の差分絶対値は、小さい値であるから、動きベクトル補間信号混合回路162では差分算出回路159からの情報と、差分算出回路161からの情報に基づき、現フィールド信号に対して第1と第2の補間信号のうち、より類似している方の割合が大きい出力が得られる。しかし、補間画素PX12が作成されるときは、上下画素間の差分絶対値は、大きくなる。このときは、動きベクトル補間信号混合回路162では第1の補間信号の割合が大きい出力が得られる。
上記の動きベクトル補間信号混合回路162の出力は、基本的には動きベクトルに適応し、垂直高域成分も含む第2の補間信号を得ることができる。しかし、第2の補間信号のみを採用すると不都合な場合がある。つまり、図5に示すような斜めエッジを有する画像、水平エッジを有する画像のエッジ部分では、第2の補間信号よりも第1の補間信号のほうが良好な画像エッジを提供できる。そこで、この装置では、混合比算出回路163と、混合比補正回路164を設けている。
フィールド内補間信号生成回路156は、単純に上下の画素を用いてフィールド内補間信号を生成するとは限らない。即ち、フィールド内補間信号生成回路156は、斜め上下方向の画素を複数用いて、相関の高い画素を選択して、フィールド内補間信号を生成してもよい。
図6は、他のフィールド内補間信号生成回路156の動作を説明するために示している。このフィールド内補間信号生成回路156の内部では、上下のラインの画素を用いて、補間画素を生成するとき、相関の高い画素を用いて生成している。今、補間画素S2[6][4]が生成されるものとする。この装置では、使用画素の組を複数組準備する。
即ち、S2[5][1]←→S2[7][7]
S2[5][2]←→S2[7][6]
S2[5][3]←→S2[7][5]
S2[5][4]←→S2[7][4]・・・・上下の画素の組
S2[5][5]←→S2[7][3]
S2[5][6]←→S2[7][2]
S2[5][7]←→S2[7][1]
図6の例であると、最も相関が高いのは、S2[5][7]←→S2[7][1]の方向が最も相関が高い。そこで、この装置では、画素S2[5][7]、S2[7][1]が用いられ、補間画素S2[6][4]=(S2[5][7]+S2[7][1])/2
が作成される。
S2[5][2]←→S2[7][6]
S2[5][3]←→S2[7][5]
S2[5][4]←→S2[7][4]・・・・上下の画素の組
S2[5][5]←→S2[7][3]
S2[5][6]←→S2[7][2]
S2[5][7]←→S2[7][1]
図6の例であると、最も相関が高いのは、S2[5][7]←→S2[7][1]の方向が最も相関が高い。そこで、この装置では、画素S2[5][7]、S2[7][1]が用いられ、補間画素S2[6][4]=(S2[5][7]+S2[7][1])/2
が作成される。
この発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。次に説明する実施の形態は、図6に示したような動作をするフィールド内補間信号生成回路が使用されたときに有効である。
図7は、混合比補正回路164の動作を説明するために示した図である。即ち、
(1)補間画素を生成するのに使用する候補となる方向が(2m+1)個(mは整数)ある場合、
(2)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性と平均値を求める、
(3)補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性と平均値を求める、
(4)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高く、かつ
(5)補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高く、かつ
(6)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の平均値と、補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の平均値の差が大きい場合、
(7)水平線状の画像のエッジがあるものとして、上記の平均値の差が大きいほど、動きベクトル補間信号混合比を第1の補間信号の割合が大きくなるように補正する。
(1)補間画素を生成するのに使用する候補となる方向が(2m+1)個(mは整数)ある場合、
(2)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性と平均値を求める、
(3)補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性と平均値を求める、
(4)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高く、かつ
(5)補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高く、かつ
(6)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の平均値と、補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の平均値の差が大きい場合、
(7)水平線状の画像のエッジがあるものとして、上記の平均値の差が大きいほど、動きベクトル補間信号混合比を第1の補間信号の割合が大きくなるように補正する。
尚、上記の補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高いとは、
|S2[5][1]−S2[5][2]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][2]−S2[5][3]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][3]−S2[5][4]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][4]−S2[5][5]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][5]−S2[5][6]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][6]−S2[5][7]|<任意の閾値Th
が成立したときである。つまり、隣接画素間の差がすべて任意の閾値より小さいとき、類似性が高いと判定する。
|S2[5][1]−S2[5][2]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][2]−S2[5][3]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][3]−S2[5][4]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][4]−S2[5][5]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][5]−S2[5][6]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][6]−S2[5][7]|<任意の閾値Th
が成立したときである。つまり、隣接画素間の差がすべて任意の閾値より小さいとき、類似性が高いと判定する。
同様に補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性も、隣接画素間の差を求めて閾値と比較することで判定する。
上記したようにフィールド内補間信号生成回路156では追従できないような水平線に近い画像エッジ部では、フィールド内補間信号にジャギー状の画質劣化が発生している可能性が高い。また第2の補間信号にもジャギー状の画質劣化が発生している可能性が高い。そこで、本装置では水平線状の画像エッジを検出したときは、第1の補間信号の割合を高めるように補正している。
図8には、この発明の他の実施の形態を示している。図1の実施の形態と異なる部分は、混合比補正回路164において、検出された水平線状エッジ検出出力が出力補間信号混合回路170に供給されることである。他の部分は図1の実施の形態と同じであるから、図1と同一符号を付している。
この実施の形態によると、先の図7の説明のように水平線状エッジが検出され、動きベクトルの信頼度が高い場合、水平線状エッジの大きさが大きいほど、動きベクトルの信頼度が高いほど、動きベクトル補間信号の割合を大きくする。このように動画用補間信号が得られることにより、画像品位を高品位なものとすることができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
12,13・・・フィールド遅延回路、14・・・動き検出回路、15・・・動画用補間信号生成回路、16・・・動き適応混合回路、17・・・時系列変換回路、151・・・動きベクトル検出回路、152・・・動きベクトル信頼度判定回路、153・・・第1の補間信号生成回路、154・・・前フィールド垂直高域成分信号生成回路、155・・・後フィールド垂直高域成分信号生成回路、156・・・フィールド内補間信号生成回路、158・・・第2の補間信号生成回路、159,161・・・差分算出回路、162・・・動きベクトル補間信号混合回路、163・・・混合比算出回路、164・・・混合比補正回路。
Claims (9)
- 上下ラインの間の補間信号を生成する動画用補間信号生成回路において、
映像信号である後フィールド信号を1フィールド遅延させた現フィールド信号、2フィールド遅延させた前フィールド信号を得る遅延回路と、
前記後フィールド遅延信号又は現フィールド信号と前記前フィールド遅延信号から動きベクトルを得る動きベクトル検出回路と、
前記動きベクトルの信頼度を判定する動きベクトル信頼度判定回路と、
前記前後のフィールド信号を用いて前記現フィールドに対して補間する第1の補間信号を得る第1の補間信号生成回路と、
前記現フィールド信号と前記前または後のフィールド信号の垂直高域成分を用いて第2の補間信号を得る第2の補間信号生成回路と、
前記第1と第2の補間信号を混合するとき、前記現フィールド信号に類似する方の信号の割合が高くなるように混合するための制御信号を出力する混合比算出回路と、
前記動きベクトル信頼度判定回路からの判定出力が動きベクトルの信頼度が高いことを示し、前記現フィールド信号の補間位置の上下のラインの信号の差の絶対値が大きくなるに従い、前記第1の補間信号の割合が高くなるように前記制御信号を補正する混合比補正回路を有することを特徴とする順次走査変換装置。 - 映像信号である現フィールド信号と前フィールド信号、または前記前フィールド信号と後フィールド信号を用いて、映像の動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
前記動きベクトルの信頼度を前記動きベクトルの方向またはその方向の対象画素間あるいは対象ブロック間の相関から判定する動きベクトル信頼度判定手段と、
前記現フィールド信号の走査線間の補間位置の補間信号を、前記動きベクトルに応じて前記前フィールド信号または後フィールド信号から生成する第1の補間信号生成手段と、
前記前フィールド信号から垂直方向に空間周波数が高い成分を抽出する前フィールド垂直高域成分信号生成手段、または、後フィールド信号から垂直方向に空間周波数が高い成分を抽出する後フィールド垂直高域成分信号生成手段と、
前記動きベクトルに応じて前記前フィールド垂直高域成分信号または前記後フィールド垂直高域成分信号と前記補間位置周辺の前記現フィールド信号の一部とから前記補間信号を生成する第2の補間信号生成手段と、
前記現フィールド信号からフィールド内補間信号を生成するフィールド内補間信号生成手段と、
前記フィールド内補間信号と前記第1の補間信号との差分と前記フィールド内補間信号と前記第2の補間信号との差分を算出し、前記フィールド内補間信号との差分が小さい方ほど比率が大きくなる混合比で第1の補間信号と第2の補間信号とを混合する動きベクトル補間信号混合手段と、
前記動きベクトル補間信号混合手段に設けられおり、前記補間位置の上下に位置する前記現フィールド信号の差分が大きいほど前記第1の補間信号の混合比を高める混合比補正手段と、
前記動きベクトル信頼度判定手段の判定出力により示される信頼度が、高いほど前記動きベクトル補間信号混合手段の出力の比率を大きくし、低いほど前記フィールド内補間信号の比率を大きくして混合する出力補間信号混合手段と
を備えることを特徴とする順次走査変換装置。 - 動きベクトル信頼度判定手段は、
動きベクトルの方向に位置する前記前フィールド信号内の第1の対象画素と前記現フィールド信号又は前記後フィールド信号内の第2の対象画素を選択する対象画素選択回路と、
前記第1と第2の対象画素間の差分絶対値を算出する画素間差分絶対値算出回路と、
前記画素間差分絶対値算出回路の出力をブロック内で積分するマッチング用ブロック内積分回路と、
前記ブロック内の積分値として得られたデータに基づいて、積分値が小さいほど動きベクトルの信頼度が高く、積分値が大きいほど動きベクトルの信頼度が低いものとして動きベクトル信頼度判定出力を得る動きベクトル信頼度出力生成回路と
を有する請求項2記載の順次走査変換装置。 - さらに動きベクトルの垂直方向が、奇数ラインを指しているか、偶数ラインを指しているかを判定する回路を有し、奇数ラインを指しているときは、前記動きベクトル信頼度判定回路を制御して、信頼度ゼロの出力を得ることを特徴とする請求項3記載の順次走査変換装置。
- 動きベクトル検出手段により、映像信号である現フィールド信号と前フィールド信号、または前記前フィールド信号と後フィールド信号を用いて、映像の動きベクトルを検出し、
動きベクトル信頼度判定手段により、前記動きベクトルの信頼度を前記動きベクトルの方向またはその方向の対象画素間あるいは対象ブロック間の相関から判定し、
第1の補間信号生成手段により、前記現フィールド信号の走査線間の補間位置の補間信号を、前記動きベクトルに応じて前記前フィールド信号または後フィールド信号から生成し、
フィールド垂直高域成分信号生成手段により、前記前フィールド信号から垂直方向に空間周波数が高い成分を抽出、または、後フィールド信号から垂直方向に空間周波数が高い成分を抽出し、
第2の補間信号生成手段により、前記動きベクトルに応じて前記前フィールド垂直高域成分信号または前記後フィールド垂直高域成分信号と前記補間位置周辺の前記現フィールド信号の一部とから前記補間信号を生成し、
フィールド内補間信号生成手段により、前記現フィールド信号からフィールド内補間信号を生成し、
動きベクトル補間信号混合手段により、前記フィールド内補間信号と前記第1の補間信号との差分と前記フィールド内補間信号と前記第2の補間信号との差分を算出し、前記フィールド内補間信号との差分が小さい方ほど比率が大きくなる混合比で前記第1の補間信号と第2の補間信号とを混合し、
混合比補正手段により、前記補間位置の上下に位置する前記現フィールド信号の差分が大きいほど前記第1の補間信号の混合比を高める補正を行ない、
出力補間信号混合手段により、前記動きベクトル信頼度が、高いほど前記動きベクトル補間信号混合手段の出力の比率を大きくし、低いほど前記フィールド内補間信号の比率を大きくして混合する、
ことを特徴とする順次走査変換方法。 - 前記第1の補間信号は、
S3[2n]または(S3[2n]+S1[2n−4m])/2)
前フィールドの垂直高域成分MVHaは、
(−S3[2n−2]+2*S3[2n]−S3[2n+2])/4
後フィールドの垂直高域成分MVHbは、
(−S1[2n−4m−2]+2*S1[2n−4m]−S1[2n−4m+2])/4
第2の補間信号は、
(S2[2n−2m−1]+S2[2n−2m+1])/2+MVHa
または
(S2[2n−2m−1]+S2[2n−2m+1])/2+(MVHa+MVHb)/2
但し、動きベクトルの方向が、前フィールドの2n番目のラインの垂直位置から、後フィールドの(2n−4m)番目のラインの垂直位置へ向かう方向、2nは動きベクトルの始端、(2n−4m)は動きベクトルの先端、n、mは整数、S1は後フィールド,S2は現フィールド、S3は前フィールド、
であることを特徴とする請求項5記載の順次走査変換方法。 - 前記混合比補正手段による前記補間位置の上下に位置する前記現フィールド信号の差分は、|S2[n][P]−S2[n+2][P]|
但し、S2は現フィールド信号、n、(n+2)は垂直位置、Pは水平位置、
であることを特徴とする請求項5記載の順次走査変換方法。 - 前記フィールド内補間信号を得るための組み合わせ信号は、
S2[n][P+1]とS2[n+2][P+7]
S2[n][P+2]とS2[n+2][P+6]
S2[n][P+3]とS2[n+2][P+5]
S2[n][P+4]とS2[n+2][P+4]・・・・上下の画素の組
S2[n][P+5]とS2[n+2][P+3]
S2[n][P+6]とS2[n+2][P+2]
S2[n][P+7]とS2[n+2][P+1]
但し、S2は、現フィールド信号、n、(n+2)は垂直位置、Pは水平位置、
として各組の相関のうち最も相関が高い組を検出し、この組の画素を用いて、補間画素を生成することを特徴とする請求項5記載の順次走査変換方法。 - 前記混合比補正手段では、
(1)補間画素を生成するのに使用する候補となる方向が(2m+1)個(mは整数)ある場合、
(2)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性と平均値を求める、
(3)補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性と平均値を求める、
(4)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高く、かつ
(5)補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高く、かつ
(6)補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の平均値と、補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の平均値の差が大きい場合、
(7)水平線状の画像のエッジがあるものとして、上記の平均値の差が大きいほど、動きベクトル補間信号混合比を第1の補間信号の割合が大きくなるように補正する。
尚、上記の補間画素の上のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性が高いとは、
|S2[5][1]−S2[5][2]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][2]−S2[5][3]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][3]−S2[5][4]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][4]−S2[5][5]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][5]−S2[5][6]|<任意の閾値Th かつ
|S2[5][6]−S2[5][7]|<任意の閾値Th
が成立し、隣接画素間の差がすべて任意の閾値より小さいとき、類似性が高いと判定し、
同様に補間画素の下のラインの(2m+1)個の画素の値の類似性も、隣接画素間の差を求めて閾値と比較することで判定する、
ことを特徴とする請求項5記載の順次走査変換方法。
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