JP2008251209A - 蛍光体スラリーおよび曲げ管型蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスバルブの直線部と曲折部の蛍光体膜の剥離をともに抑制することが可能な蛍光体スラリー、およびこの蛍光体スラリーを使用した高信頼性の曲げ管型蛍光ランプを提供する。
【解決手段】曲げ管型蛍光ランプ1は、略中央でU字状に曲折されたガラスバルブ2と、ガラスバルブ2の両端に設けられた一対の電極4と、ガラスバルブ2内に封入された放電媒体と、ガラスバルブ2内面に被着された蛍光体膜3と、を備えている。蛍光体膜3は、蛍光体スラリーをバルブ2内に流し込み、乾燥、焼成して形成される。蛍光体スラリーは、蛍光体と、ボレートを含む水溶性結着剤と、BET値が40m2/g以下の結着剤とを含有する。
【選択図】図1
【解決手段】曲げ管型蛍光ランプ1は、略中央でU字状に曲折されたガラスバルブ2と、ガラスバルブ2の両端に設けられた一対の電極4と、ガラスバルブ2内に封入された放電媒体と、ガラスバルブ2内面に被着された蛍光体膜3と、を備えている。蛍光体膜3は、蛍光体スラリーをバルブ2内に流し込み、乾燥、焼成して形成される。蛍光体スラリーは、蛍光体と、ボレートを含む水溶性結着剤と、BET値が40m2/g以下の結着剤とを含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、蛍光体スラリー、及びこの蛍光体スラリーを使用し、例えば液晶テレビのような液晶表示装置のバックライト光源に使用される曲げ管型蛍光ランプに関する。
蛍光ランプの構造としては、一対の電極がガラスバルブ両端に設けられ、蛍光体を含む蛍光体膜がガラスバルブ内面に形成され、水銀と希ガスを含む放電媒体がガラスバルブ内に封入された構造が知られている(例えば特許文献1参照)。蛍光体膜は、蛍光体スラリーをガラスバルブ内に流しこみ、これを乾燥、焼成して形成される。
蛍光体スラリーは、蛍光体と結着剤とを含有し、従来、該スラリーの溶媒には、酢酸ブチルのような有機溶剤が使用され、増粘剤としては例えばニトロセルロースが使用されていた。しかし、酢酸ブチルなどの有機溶剤は、人体への有毒性、引火性がある点から、代替品として、溶媒に水を使用し、増粘剤としてポリエチレンオキサイドなどが用いられている。
結着剤は、蛍光体スラリーをガラスバルブ内に塗布した後、乾燥、焼成した際に溶融して、該スラリー中の蛍光体と、ガラスバルブを構成するガラスとを強固に結着する成分である。このような結着剤としては、例えば、CaO・BaO・B2O3系結着剤や、γアルミナを主として含む結着剤が知られている。
しかし、CaO・BaO・B2O3系結着剤は、蛍光体スラリーの溶媒として水を使用した場合に、溶解性が高く、B2O3を溶出する。このため、該結着剤を含む蛍光体スラリーは粘度変化が起きやすく、さらには、蛍光ランプの製造工程において、焼成時に変色が発生しやすい。一方、γアルミナ系の結着剤は、蛍光体とガラスバルブを構成するガラスとの結着力が弱いため、蛍光体膜が形成された直管状のガラスバルブを、600〜700℃で加熱して略中央でU字状に曲折すると、該曲折部の蛍光体膜が剥がれやすい。
そこで、水への溶解、分解を抑制し、直管状のガラスバルブを曲げ加工した際に該曲折部の蛍光体膜の剥離を低減する結着剤として、La2O3・MgO・B2O3系結着剤が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、この結着剤では、曲げ管型蛍光ランプの運送時に落下のような外部衝撃があった場合、該ランプの直線の部分(以下、直線部)の蛍光体膜が剥がれやすく、外観品質の低下、信頼性の低下を招く。
特開2005−209614号公報
特開昭57−187367号公報
本発明の目的は、このような課題に対処するためになされたもので、バルブの直線部と曲折部の蛍光体膜の剥離をともに抑制することが可能な蛍光体スラリー、およびこの蛍光体スラリーを用いた高信頼性の曲げ管型蛍光ランプを提供することにある。
請求項1記載の蛍光体スラリーは、水溶媒と;蛍光体と;ボレートを含む水溶性結着剤と;BET値が40m2/g以下の結着剤と;を含有することを特徴としている。
請求項2記載の曲げ管型蛍光体ランプは、両端が封止され、略中央でU字状に曲折されたガラスバルブと;前記ガラスバルブの両端に設けられた一対の電極と;前記ガラスバルブ内に封入された放電媒体と;前記ガラスバルブ内面に形成された請求項1記載の蛍光体スラリーの焼成物からなる蛍光体膜と;を具備することを特徴としている。
上記した請求項1、請求項2記載の発明において、特に指定しない限り、用語の定義及び技術的意味は以下の通りである。
蛍光体スラリーは、本発明では、略中央で曲折されたガラスバルブから構成される曲げ管型蛍光ランプに好適なスラリーである。蛍光体スラリーは、少なくとも、蛍光体と、結着剤とを含有する。なお、蛍光体スラリーに使用する溶媒として、本発明では、水溶媒を使用する。
蛍光体は、赤色蛍光体(Y2O3:Eu)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce,Tb)及び青色蛍光体(BaMgAl10O17:Eu)の計3種類の蛍光体からなる三波長発光形の蛍光体(以下、三波長蛍光体)、連続波長発光形のハロリン酸塩蛍光体などを用いることができる。蛍光体は、ランプの用途に応じて適宜選択して用いられる。
結着剤は、本発明の特徴を付与する成分であって、ボレートを含む水溶性結着剤とBET値が40m2/g以下の結着剤からなる。
ボレートを含む水溶性結着剤は、少なくともボレートを含み、水への溶解が極めて少ない(例えば、水溶解度5.0%未満)、低融点(例えば、軟化点がガラスバルブを曲げ加工する際の加熱温度以下)の結着剤であって、一般式:
xR1 2O3・yR2O・wR3・zB2O3
で表されるような結着剤である。
xR1 2O3・yR2O・wR3・zB2O3
で表されるような結着剤である。
式中、R1は、Y及びランタン系列の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種である。R2は、Mg,Ca,Sr,Ba及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種である。R3は、Al2O3,SiO2及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物である。xは、1≦x≦30モル%の範囲である。yは、0≦y≦60モル%の範囲である。wは、30≦w≦80モル%の範囲である。y+wは、0≦y+w≦60モル%の範囲である。
ボレートを含む水溶性結着剤のコールターカウンター(Coulter Counter)法による重量中心粒径は1〜7μmである。その配合量は、蛍光体に対して1.0〜4.0wt%、好ましくは1.0〜3.0wt%、より好ましくは1.5〜2.0wt%である。
BET値が40m2/g以下の結着剤としては、例えば、アルミナ(Al2O3)、イットリア(Y2O3)、ピロリン酸カルシウム(Ca2P2O7)、ピロリン酸ストロンチウム(Sr2P2O7)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ランタン(La2O3)などが挙げられ、なかでも、高反射率、低コストの点から、アルミナが好ましい。アルミナとしては、例えばαアルミナ、γアルミナなどが挙げられるが、BET値が40m2/g以下であればよく、αアルミナを1種単独で用いても、αアルミナとγアルミナとを混合して用いてもよい。その配合量は、蛍光体に対して1.0〜3.0wt%、好ましくは1.5〜2.0wt%である。
以下に、上記蛍光体スラリーを適用した本発明の曲げ管型蛍光ランプの構成について説明する。本発明の曲げ管型蛍光ランプは、ガラスバルブと、一対の電極と、放電媒体と、蛍光体膜とを備えている。
ガラスバルブは、ほぼ中央でU字状に曲折された曲折部を有する形状であって、その両端が封止された気密容器である。本発明で、U字状とは、バルブの両端部を折り曲げた形状であって、略U字状、コ字状、略コ字状も含めたものを意味する。曲折部を有するガラスバルブの形成方法としては、例えば直管型の1本のガラスバルブを加熱軟化させて曲げ加工を行いU字状に曲折する方法、直管型のガラスバルブを2本用意してこれらを継ぎ合わせた後、加熱軟化させてU字状に曲折する方法などが挙げられる。
また、ガラスバルブは、その両端が封止されていればよく、その封止形態は限定されず、ステムやエンドキャップなどでバルブ両端を封着したもの、バルブ端部を加熱軟化させてピンチャーなどで圧潰して封着したもの、電極と接続される導入線にビーズガラスを取り付け、これをバルブ両端に挿通し加熱軟化して封着したものでもよい。
U字状に曲折されたガラスバルブの寸法は、管軸方向の長さが250〜750mm、管径方向の長さが2.0〜3.0mm、内径1.4〜3.4mm、外径2.0〜4.0mmであることが好ましい。また、ガラスバルブの材質は、軟質ガラス(例えばソーダガラス、鉛ガラスなど)、もしくは硬質ガラス(例えばホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、石英ガラスなど)を用いることができる。
放電媒体は、ガラスバルブ内に封入され、希ガス、もしくは希ガスと水銀からなる。希ガスは、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)から選ばれる少なくとも1種である。その混合比や封入圧は、ランプ特性に合わせて適宜調整することができるが、封入圧としては40〜70Torrの範囲が好ましい。水銀は、液状水銀でもよいが、例えば亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)から選ばれる少なくとも1種の金属と水銀から構成されるアマルガムを粒状に加工したもの、もしくは、水銀合金を板状に加工したGEMEDIS(商品名)などの形態で封入することができる。水銀の封入量は、環境に悪影響を及ぼさず、ランプの点灯安定性を確保できるような範囲であればよい。
電極は、ガラスバルブ内の両端に一対で設けられている。電極は、熱陰極形や冷陰極形などを蛍光ランプの用途に応じて適宜用いることができ、バルブ内に設けても、バルブの外面に設けてもよい。また、電極の形状は、コイル状でも板状でもよい。
蛍光体膜は、ガラスバルブの内面に被着、形成されている。蛍光体膜の膜厚は、20〜40μmであることが好ましい。蛍光体膜は、バルブ内面に蛍光体スラリーを塗布した後、乾燥、焼成を順に行うことで形成される。なお、蛍光体膜とガラスバルブとの間には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、下地として金属酸化物(例えば酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛など)からなる保護膜や透明導電膜を形成してもよい。
このようにして構成される曲げ管型蛍光ランプは、例えばスタータ型蛍光ランプ、ラビットスタート型蛍光ランプ、高出力蛍光ランプなど、用途に応じて適用できる。
請求項1記載の蛍光体スラリーによれば、ボレートを含む水溶性結着剤と、BET値が40m2/g以下の結着剤とを併用することで、略中央でU字状に曲折されたガラスバルブの直線部と曲折部の蛍光体膜の剥離をともに抑制することができる。
請求項2記載の曲げ管型蛍光ランプによれば、上記蛍光体スラリーを用いてガラスバルブ内面に蛍光体膜を被着、形成しているため、略中央でU字状に曲折されたガラスバルブの直線部と曲折部の蛍光体膜の剥離をともに抑制することができ、信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の曲げ管型蛍光ランプの実施形態の構成を示す断面図である。
曲げ管型蛍光ランプ1は、ガラスバルブ2と、蛍光体膜3と、一対の電極4と、放電媒体と、を備えている。
ガラスバルブ2は、本実施形態では、全長1000mm、外径3.0mm、内径2.5mmの直管型ガラスバルブを略中央でU字状に曲折したものであり、該曲折部2aと直線部2bとを有する。また、ガラスバルブ2は、その両端が封止された気密容器である。封止は、本実施形態では、導入線6に取り付けたビーズガラス7をガラスバルブ2の両端部にそれぞれ挿通し、該両端部を加熱軟化することで封着して行う。
電極4は、本実施形態では、板状であり、ガラスバルブ2内の両端に一対で設けられている。この電極4にはそれぞれ導入線6が接続され、導入線6の一端はバルブ2外部に突出している。
放電媒体は、水銀と、Ne−Arの混合希ガス(組成比:Ne/Ar=90モル%/10モル%、封入圧:60Torr)とがガラスバルブ2内に封入されている。水銀の封入量は、4.2〜7.0mgである。
蛍光体膜3は、外部電極4が形成されるバルブ2両端部を除いて、ガラスバルブ2内面に膜厚25μmで被着、形成されている。蛍光体膜3は、蛍光体スラリーの焼成物からなる。
以下、本実施形態の蛍光体スラリーについて説明する。
蛍光体スラリーは、赤色蛍光体(Y2O3:Eu)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce,Tb)及び青色蛍光体(BaMgAl10O17:Eu)の計3種類の蛍光体からなる三波長蛍光体と、後述する結着剤と、蛍光体の凝集を防止するための分散剤(例えばカルボン酸型分散剤)と、増粘剤(例えばポリエチレンオキサイド)と、溶媒(水、好ましくはイオン交換水)とを含有し、これらを十分に攪拌してなる。
結着剤は、加熱溶融した際に、蛍光体と、バルブを構成するガラスとを強固に結着する成分であり、ボレートを含む水溶性結着剤とBET値が40m2/g以下の結着剤とを併用する。
ボレートを含む水溶性結着剤は、一般式:
xR1 2O3・yR2O・wR3・zB2O3
で表される。
xR1 2O3・yR2O・wR3・zB2O3
で表される。
式中、R1は、Y及びランタン系列の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種である。R2は、Mg,Ca,Sr,Ba及びZnからなる群から選ばれた少なくとも1種である。R3は、Al2O3,SiO2及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物である。xは、1≦x≦30モル%の範囲である。yは、0≦y≦60モル%の範囲である。wは、30≦w≦80モル%の範囲である。y+wは、0≦y+w≦60モル%の範囲である。
ボレートを含む水溶性結着剤としては、例えば、La2O3・MgO・B2O3系結着剤、La2O3・CaO・B2O3系結着剤、La2O3・MgO・SrO・B2O3系結着剤、La2O3・ZnO・Al2O3・B2O3系結着剤、La2O3・ZnO・Al2O3・SiO2・B2O3系結着剤、La2O3・SrO・SiO2・B2O3系結着剤、Y2O3・MgO・B2O3系結着剤、Y2O3・CaO・B2O3結着剤、Gd2O3・MgO・B2O3系結着剤、Gd2O3・CaO・B2O3系結着剤などが挙げられ、汎用性、コストの点から、La2O3・MgO・B2O3系結着剤が好ましい。
La2O3・MgO・B2O3系結着剤は、例えば以下のようにして製造される。まず、目的とする組成に応じて、La2O3、MgO、B2O3をそれぞれ所定量用意する。これらを混合し、1000〜1500℃で2〜3時間加熱溶融して、水中で急冷し、100〜120℃で10時間乾燥して、ボールミルで粉砕する。
ボレートを含む水溶性結着剤のコールターカウンター(Coulter Counter)法による重量中心粒径は1〜7μmである。
その配合量は、蛍光体に対して1.0〜4.0wt%、好ましくは1.0〜3.0wt%、より好ましくは1.5〜2.0wt%である。配合量が、1.0wt%未満であると、蛍光体膜3の剥がれ発生を抑制する効果が得られ難い。一方、4.0wt%を越えると、曲げ管型蛍光ランプ1としての十分な相対輝度が得られにくい。
BET値が40m2/g以下の結着剤としては、高反射率、低コストの点から、アルミナ(αアルミナとγアルミナとの混合物、もしくはαアルミナ単独)が好ましい。上記アルミナがαアルミナとγアルミナとの混合物である場合、すなわち、αアルミナはγアルミナを焼成することで得られるため、γアルミナ中におけるαアルミナの存在比(α化率)が90%以上であることが好ましい。BET値は、40m2/g以下、好ましくは20〜30m2/gである。BET値が40m2/gを超えると、ランプ1点灯時に放電媒体の水銀が蛍光体膜3に吸着されて、明るさにバラツキが生じやすい。
その配合量は、蛍光体に対して1.0〜3.0wt%、好ましくは1.5〜2.0wt%である。配合量が、1.0wt%未満であると、蛍光体膜3の剥がれ発生を抑制する効果が得られ難い。一方、3.0wt%を越えると、コストの点で不経済である。
本実施形態の曲げ管型放電ランプ1は、例えば以下のようにして作製される。
まず、必要に応じて、直管状のガラスバルブ2内面に、下地として金属酸化物から構成された保護膜を被着、形成しておく。そして、ガラスバルブ2内に蛍光体スラリーを流し込んで、該スラリーをバルブ2内面に塗布する。
電極4が配置されるバルブ2両端部の蛍光体スラリーを取り除いてから、蛍光体スラリーの乾燥、焼成を順に行い、蛍光体膜3を被着、形成する。
そして、電極4を接続した導入線6にビーズガラス7を取り付けて、これをガラスバルブ2の両端部に挿通し、端部を加熱溶融することにより封着を行い、該封着された端部に同時に封止された排気管(不図示)を通じてガラスバルブ2内の排気及び放電媒体の封入などを行った後、この排気管の先端を溶封する。
次に、直管状のガラスバルブ2を600〜700℃に加熱軟化して、該バルブ2の略中央でU字状に曲折する。
このようにして本実施形態の曲げ管型蛍光ランプ1が作製される。
実施形態の曲げ管型蛍光ランプ1においては、蛍光体膜3を形成する蛍光体スラリーの結着剤として、ボレートを含む水溶性結着剤(例えばLa2O3・MgO・B2O3系結着剤)と、BET値が40m2/g以下の結着剤(例えばアルミナ)とを併用することで、ガラスバルブ2の曲折部2aの剥がれと、直線部2bの剥がれをともに抑制することができ、信頼性に優れている。さらに、これら結着剤を蛍光体に対してそれぞれ特定量配合することで、高輝度の曲げ管型蛍光ランプ1を提供することができる。
次に、本発明の実施例およびその評価結果について説明する。
実施例1〜4、比較例1〜5
青色蛍光体としてBaMgAl10O17:Euと、緑色蛍光体としてLaP04:Ce,Tbと、赤色蛍光体としてY2O3:Euとを混合した三波長蛍光体100gにポリエチレンオキサイド水溶液100gを添加して、さらに分散剤を加え、結着剤として、La2O3・MgO・B2O3系結着剤(10:40:50モル%)と、BET値が20〜30m2/gのアルミナ(γアルミナ中におけるαアルミナの存在比:α化率が90〜95%)とを表1に示す配合比(三波長蛍光体に対する配合割合:wt%)で混合、攪拌して蛍光体スラリーを用意した。この蛍光体スラリーを用い、図1の曲げ管型蛍光ランプ1を以下に示すように作製した。
実施例1〜4、比較例1〜5
青色蛍光体としてBaMgAl10O17:Euと、緑色蛍光体としてLaP04:Ce,Tbと、赤色蛍光体としてY2O3:Euとを混合した三波長蛍光体100gにポリエチレンオキサイド水溶液100gを添加して、さらに分散剤を加え、結着剤として、La2O3・MgO・B2O3系結着剤(10:40:50モル%)と、BET値が20〜30m2/gのアルミナ(γアルミナ中におけるαアルミナの存在比:α化率が90〜95%)とを表1に示す配合比(三波長蛍光体に対する配合割合:wt%)で混合、攪拌して蛍光体スラリーを用意した。この蛍光体スラリーを用い、図1の曲げ管型蛍光ランプ1を以下に示すように作製した。
上記蛍光体スラリーを塗布し、乾燥、焼成して25μm厚の蛍光体膜3を形成した後、電極4の取り付け、バルブ2内の排気、放電媒体の封入及び排気管(不図示)の溶封を順に行った、全長1500mm、外径3.0mm、内径2.5mmの直管型ガラスバルブを700〜800℃に加熱して略中央をU字状に曲折し、図1に示す曲げ管型蛍光ランプ1を作製した。
この曲げ管型蛍光ランプ1を10個用意し、これを厚さ1cmのベークライト板に高さ20cmから自由落下させ、ガラスバルブ2の直線部2bの剥がれ発生数と、曲折部2aの剥がれ発生数をそれぞれ測定して、表1に示した。
表1から明らかなように、蛍光体スラリーの構成成分である結着剤として、La2O3・MgO・B2O3系結着剤と、BET値が20〜30m2/gのアルミナとを併用した実施例1〜4は、ガラスバルブ2の直線部2bと曲折部2aの蛍光体膜3が剥離していない。
特に、実施例2〜4は、三波長蛍光体に対して、La2O3・MgO・B2O3系結着剤の配合量を1.0〜3.0wt%、BET値が20〜30m2/gのアルミナの配合量を1.0〜3.0wt%とすることで、曲げ管型蛍光ランプ1の相対輝度を93〜99%と高輝度にできる。
1…曲げ管型蛍光ランプ、2…ガラスバルブ、2a…曲折部、2b…直線部、3…蛍光体膜、4…電極、6…導入線、7…ビーズガラス。
Claims (2)
- 水溶媒と;
蛍光体と;
ボレートを含む水溶性結着剤と;
BET値が40m2/g以下の結着剤と;
を含有することを特徴とする蛍光体スラリー。 - 両端が封止され、略中央でU字状に曲折されたガラスバルブと;
前記ガラスバルブの両端に設けられた一対の電極と;
前記ガラスバルブ内に封入された放電媒体と;
前記ガラスバルブ内面に形成された請求項1記載の蛍光体スラリーの焼成物からなる蛍光体膜と;
を具備することを特徴とする曲げ管型蛍光ランプ。
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