JP2008250529A - 非接触式icカードの製造方法及び非接触式icカード - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造効率を向上し、且つ、製品の管理性を向上させた非接触式ICカードの製造方法及び非接触式ICカードを提供する。
【解決手段】 アンテナ6,7とIC3とをそれぞれ有する複数のICカード部8を共通基板10に並べて形成し、前記複数のICカード部8に沿ってグランド9を形成する。前記IC3から延出しているとともに各ICカード部8固有のパターンで配列された複数のピンを有し、前記ピンは前記グランド9に導通した複数または1つのピンを含んでいる識別端子4を形成する。データ送受信手段20からの呼出コマンドを受信した場合、前記識別端子4の配列パターンを判定し、前記判定した配列パターンに応じてタイミングを設定し、前記設定したタイミングで応答信号を送信する。
【選択図】 図7
【解決手段】 アンテナ6,7とIC3とをそれぞれ有する複数のICカード部8を共通基板10に並べて形成し、前記複数のICカード部8に沿ってグランド9を形成する。前記IC3から延出しているとともに各ICカード部8固有のパターンで配列された複数のピンを有し、前記ピンは前記グランド9に導通した複数または1つのピンを含んでいる識別端子4を形成する。データ送受信手段20からの呼出コマンドを受信した場合、前記識別端子4の配列パターンを判定し、前記判定した配列パターンに応じてタイミングを設定し、前記設定したタイミングで応答信号を送信する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、例えば、1枚の共通基板から複数枚の非接触式ICカードを製造する非接触式ICカードの製造方法及び非接触式ICカードに関する。
一般的に、ICカードは、プラスチックなどで形成されたカード状の本体と本体に埋め込まれたICチップとを有している。ICチップは、電源が無い状態でもデータを保持することができるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、あるいはフラッシュROMなどの不揮発性メモリを有している。不揮発性メモリには、種々のプログラムやプログラムで用いられるデータが記録されている。近年、不揮発性メモリの小型化等の技術が進歩し、ICカードに記憶容量の大きい不揮発性メモリを設けることが可能となっている。これにより、ICカードは、大量のデータを扱うことができることから、次世代のカードとして広く注目を集めている。
また、本体内にアンテナが埋め込まれ、無線によるデータの送受信が可能な非接触式ICカードが提供されている。このような非接触式ICカードを用いて、通信エリアに存在する複数枚の非接触式ICカードに同時にデータを書き込む、若しくは、同時にデータを読み取ることを可能にした非接触式ICカード通信システムが提示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−230488号公報
従来、非接触式ICカードの製造装置は、ICリーダライタを用いて複数枚の非接触式ICカードと同時に通信を行ない、各非接触式ICカードに所望のデータを書き込む処理を行なう。即ち、製造装置は、呼出コマンドを各非接触式ICカードに送信する。各非接触式ICカードは、呼出コマンドを受信すると、乱数を生成し、生成した乱数に応じたタイミングで識別情報を応答信号として製造装置に送信する。製造装置は、応答信号を受信すると、書込データと書込データを書き込むべき非接触式ICカードの識別情報を含む書込コマンドとを各非接触式ICカードに送信する。すると、該識別情報で指定された非接触式ICカードは、受信したデータを内部の不揮発性メモリに保存する処理を行なう。
しかし、複数枚の非接触式ICカードは、それぞれ他のICカードを認識していない為、応答信号の発信のタイミングが同一になることがある。この場合、信号の衝突が起こり、製造装置は、応答信号を受信できなくなる。この為、例えば、1台のICリーダライタを用いて複数枚の非接触式ICカードの中の1枚へデータの読み書きを行なう場合、ICカード毎にアンチコリジョン処理を繰り返し、複数枚の非接触式ICカードが送信する応答信号の衝突を防いでいる。
しかし、アンチコリジョン処理をカード毎に繰り返すと、その処理時間が長くかかるという問題がある。また、通信対象となる非接触式ICカードを任意に指定することが不可能である為、製造した非接触式ICカードの管理性が低下する。
そこで、本発明の目的は、製造効率を向上し、且つ、製品の管理性を向上させた非接触式ICカードの製造方法及び非接触式ICカードを提供することにある。
上記目的を達成する為、本発明の態様に係る非接触式ICカードの製造方法は、アンテナとこのアンテナに接続されたICとをそれぞれ有する複数のICカード部を共通基板に並べて形成し、前記共通基板に前記複数のICカード部に沿ってグランドを形成し、それぞれ前記ICから延出しているとともに各ICカード部固有のパターンで配列された複数のピンを有し、前記ピンは前記グランドに導通した複数または1つのピンを含んでいる識別端子を形成し、データ送受信手段から前記複数のICカード部に呼出コマンドを送信し、前記送信された呼出コマンドを前記ICカード部の前記アンテナにより受信した際、前記ICにより前記識別端子の配列パターンを判定し、前記判定した配列パターンに応じてタイミングを設定し、前記設定したタイミングで、前記ICカード部から前記データ送受信手段へ応答信号を送信する。
また、本発明の態様に係る非接触式ICカードは、アンテナとこのアンテナに接続されたICとが設けられているカード本体と、前記ICから延出しているとともに所定のパターンで配列された複数のピンにより形成された識別端子とを具備し、前記ICは、前記アンテナにより呼出コマンドを受信した場合、前記識別端子の電気的状態を判定する判定手段と、前記判定した前記識別端子の電気的状態に応じてタイミングを設定するタイミング設定手段と、前記タイミング設定手段により設定したタイミングで、応答信号を送信する送信手段とを具備する。
上記構成により、製造効率を向上し、且つ、製品の管理性を向上させた非接触式ICカードの製造方法及び非接触式ICカードを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る非接触式ICカードの製造方法及び非接触式ICカードについて詳細に説明する。
始めに、非接触式ICカード(以下ICカードと称する)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態において製造されたICカード1の一例を示す図である。ICカード1は、矩形カ−ド状のカード本体2を有している。カード本体2には、IC3、スロット番号識別端子4、GND端子5、アンテナ端子6、およびアンテナ7が設けられている。IC3、スロット番号識別端子4、GND端子5、アンテナ端子6、およびアンテナ7は、カード本体2内部に埋め込まれている。
図1は、本実施形態において製造されたICカード1の一例を示す図である。ICカード1は、矩形カ−ド状のカード本体2を有している。カード本体2には、IC3、スロット番号識別端子4、GND端子5、アンテナ端子6、およびアンテナ7が設けられている。IC3、スロット番号識別端子4、GND端子5、アンテナ端子6、およびアンテナ7は、カード本体2内部に埋め込まれている。
IC3は、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサなどの素子が組み込まれた集積回路であり、種々の演算処理、およびアンテナ7の制御などを行なう。スロット番号識別端子4は、ICカード1の状態を判定する為の識別端子である。GND端子5は、ICカード1の製造時に、IC3のGNDとして用いられる端子である。アンテナ端子6は、IC3とアンテナ7とを接続するための端子である。アンテナ7は、外部のICリーダライタと無線通信によりデータの送受信を行なう。
アンテナ7はループ状に形成され、カード本体2の内部に埋め込まれているとともにカード本体2の周縁部に沿って延びている。アンテナ7は、アンテナ端子6を介してIC3の送受信回路に電気的に接続されている。アンテナ端子6、および、アンテナ7によりアンテナ部が形成されている。また、スロット番号識別端子4は、IC3内部からカード本体2の側縁まで延びた4本のピンを有し、これらのピンは互いに平行に且つ等間隔を置いて配列されている。GND端子5は、IC3内部からカード本体2の他側縁まで延びている。
図2は、図1に示すIC3の内部の構成例を示すブロック図である。
IC3は、メモリ31、送信回路36、受信回路37、制御部38、および識別端子接続部39を有している。
IC3は、メモリ31、送信回路36、受信回路37、制御部38、および識別端子接続部39を有している。
メモリ31は、ROM、RAM、不揮発性のメモリなどから構成される。ROMは、製造段階で制御用のプログラム、および制御データなどが記憶された状態でIC3に組み込まれる。このROMに記憶されている制御プログラムや制御データは、予めICカード1の仕様に応じて組み込まれる。RAMは、ワーキングメモリとして機能し、制御部38が処理中のデータなどを一時保管する。不揮発性メモリは、データの書き込み及び書換えが可能なメモリ、例えば、EEPROMあるいはフラッシュROMなどにより構成される。不揮発性メモリには、ICカード1の運用用途に応じて制御プログラムや種々のデータが書き込まれる。
また、メモリ31は、IC3の識別情報を記憶可能な識別情報記憶領域31aを有している。識別情報は、外部機器に処理対象のICを指定させるための情報である。IC3の識別情報は、呼出コマンド受信時に乱数を生成し、生成した乱数に基づいて生成される。生成されたIC3の識別情報は、識別情報記憶領域31aに記憶される。なお、IC3の識別情報は、予め識別情報記憶領域31aに記憶されるようにしてもよい。
送信回路36、および、受信回路37は、外部のICリーダライタとアンテナ7により無線通信を行なうための通信インターフェースである。送信回路36は、信号レベル可変部36aを有している。送信回路36は、ICリーダライタへの送信データを変調し、信号レベル可変部36aによりアンテナ部6,7に送信する信号のレベルを変化させる。受信回路37は、受信データを復調する。
制御部38は、ICカード1全体の制御を司るものである。制御部38は、メモリ31に記憶された制御プログラムに基づいて動作することにより種々の機能を実現している。識別端子接続部39は、図1に示すスロット番号識別端子4とIC3との接続部である。識別端子接続部39は、スロット番号識別端子4の電気的状態を制御部38に伝達する。
次に、メモリ31に記憶されている情報について説明する。
メモリ31は、図2に示すように、スロット番号判定プログラム32、動作モード切替プログラム33、タイミング制御プログラム34、および、乱数生成プログラム35などを記憶している。
メモリ31は、図2に示すように、スロット番号判定プログラム32、動作モード切替プログラム33、タイミング制御プログラム34、および、乱数生成プログラム35などを記憶している。
スロット番号判定プログラム32は、制御部38にスロット番号識別端子4の電気的状態を判定させるための判定手段である。スロット番号判定プログラム32は、スロット番号対応表32aを含んでいる。即ち、制御部38は、識別端子接続部39を介して、スロット番号識別端子4の4本のピンの内のどのピンがGNDに接続されているかという電気的状態を判定する。
GNDに接続されているピンを判定すると、制御部38は、スロット番号対応表32aを参照し、スロット番号識別端子4の電気的状態の種類と対応付けられているNo.1からNo.16までのスロット番号の中から、当該ICカード1のスロット番号を判定する。-
動作モード切替プログラム33は、スロット番号判定プログラム32により判定したスロット番号に応じて、制御部38にIC3の動作モードを切り替えさせるための制御手段である。即ち、制御部38は、スロット番号判定プログラム32によりスロット番号を判定すると、判定したスロット番号がNo.1乃至No.15であるか、No.16であるかを判定する。
動作モード切替プログラム33は、スロット番号判定プログラム32により判定したスロット番号に応じて、制御部38にIC3の動作モードを切り替えさせるための制御手段である。即ち、制御部38は、スロット番号判定プログラム32によりスロット番号を判定すると、判定したスロット番号がNo.1乃至No.15であるか、No.16であるかを判定する。
ここで、スロット番号がNo.16であると判定した場合、制御部38は、IC3の動作モードを運用モードに切り替える。また、スロット番号がNo.1乃至No.15であると判定した場合、制御部38は、IC3の動作モードを製造モードに切り替える。
タイミング制御プログラム34は、ICリーダライタから呼出コマンドを受信した場合、制御部38にICリーダライタに応答信号として識別情報を送信するタイミングを設定するためのタイミング設定手段である。即ち、制御部38は、スロット番号を判定し、動作モードを製造モードに切り替えると、応答信号をICリーダライタに送信するタイミングを、スロット番号に応じて設定する。ここで、制御部38は、IC3の識別情報を含む応答信号をICリーダライタに送信する。
乱数生成プログラム35は、ICリーダライタにICカード1を識別させる為の乱数を演算などにより制御部38に生成させるための乱数生成手段である。即ち、制御部38は、動作モードを運用モードに切り替えると、乱数を生成する。制御部38は、生成した乱数から予め定められている式、もしくは対応表などに従ってスロット番号を決定し、そのスロット番号に応じたタイミングでIC3の識別情報を含む応答信号をICリーダライタに送信する。
制御部38は、例えば、ICリーダライタから処理コマンドと処理用のデータとを受信した場合、その処理コマンドで処理対象として指定されているIC3が当該IC3であるか否かを判定する。即ち、制御部38は、処理コマンドに含まれている書き込み対象としての識別情報が、当該IC3のメモリ31の識別情報記憶領域31aに記憶されている識別情報と一致するか否かを判定する。
ここで、処理コマンドに含まれている識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致すると判定した場合、制御部38は、受信した処理コマンドに応じた処理を行なう。例えば、書込コマンドと書込データを受信した場合、制御部38は、受信した書込データをメモリ31に保存する。
次に、以上のように構成されたICカード1の製造方法および製造装置について説明する。
まず、大盤の共通基板の製造方法を説明する。
図3は、本実施形態における共通基板10の一例を示す説明図である。なお、図3に示す共通基板10において、図1に示すICカード1と同様な構成の部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、大盤の共通基板の製造方法を説明する。
図3は、本実施形態における共通基板10の一例を示す説明図である。なお、図3に示す共通基板10において、図1に示すICカード1と同様な構成の部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、大盤の共通基板10を用意し、この共通基板10上に複数のICカード部8(ICカード部8a、8b、8c・・・)を複数行、複数列に並べて形成する。各行のICカード部8に沿って延びるGNDパターン9を共通基板10上に形成する。各ICカード部8に、IC3、GND端子5、アンテナ端子6、およびアンテナ7を設ける。各GND端子5は、GNDパターン9に導通する延出部5aを有している。続いて、共通基板10とほぼ同一の寸法に形成された保護版を用意し、この保護版を接着層を介して共通基板10上に貼り合わせる。次いで、各ICカード部8をその外縁に沿って共通基板から打ち抜くことにより、複数のICカード1を製造する。
次に、スロット番号識別端子4について詳細に説明する。図3に示すように、各ICカード部8のスロット番号識別端子4は、IC3からGNDパターン9まで延びた少なくとも1本のピンと、途中で切れたピンとを組み合わせることにより、固有のパターンで配列されている。GNDパターン9に達するピンは、ICカード部8の外縁を超えて延出した延出部4aを有している。こうして形成されたGNDパターン9に達するピンと、途中で切断したピンとを共通基板10上に複数形成されているICカード部8毎に固有のパターンで配列する。すなわち、スロット番号識別端子4は、ICカード部8毎に固有の配列パターンを有している。
例えば、スロット番号No.1のICカード部8aのスロット番号識別端子4は、4本のピン全てがGNDパターン9に接続されている。スロット番号No.2のICカード部8bのスロット番号識別端子4は、左の3本のピンがGNDパターン9に接続され、右の1本のピンが途中で切断されている。スロット番号No.3のICカード部8cのスロット番号識別端子4は、左の2本のピンと右端の1本のピンがGNDパターン9に接続されており、右から2番目のピンが途中で切断されている。なお、共通基板10からICカード部8を切り出した場合、スロット番号識別端子4とGNDパターン9との接続が切断され、ピンは全て切断されている状態となる。
スロット番号識別端子4のピンの配列パターンは、図4に示すように、スロット番号に対応している。
図4は、スロット番号識別端子4の配列パターンとスロット番号との対応を示すスロット番号対応表の説明図である。
スロット番号識別端子4の4本のピンの配列を4桁の二進法表示に置換えてスロット番号を付している。即ち、ピンがGNDパターン9に接続されている状態であれば「0」、途中で切断されているオープンの状態であれば「1」として16通りの配列パターンを表現している。この、4桁の二進法を十進法に変換した数に1を加えたものをスロット番号として取り扱っている。
図4は、スロット番号識別端子4の配列パターンとスロット番号との対応を示すスロット番号対応表の説明図である。
スロット番号識別端子4の4本のピンの配列を4桁の二進法表示に置換えてスロット番号を付している。即ち、ピンがGNDパターン9に接続されている状態であれば「0」、途中で切断されているオープンの状態であれば「1」として16通りの配列パターンを表現している。この、4桁の二進法を十進法に変換した数に1を加えたものをスロット番号として取り扱っている。
例えば、スロット番号対応表では、ピンの配列パターンが「0000」である場合、スロット番号をNo.1、「0001」である場合、スロット番号をNo.2、「0010」である場合、スロット番号をNo.3・・・、「1110」である場合、スロット番号をNo.15とすることを示している。また、スロット番号対応表では、ピンの配列パターンが「1111」である場合、スロット番号をNo.16とし、カード運用時の状態であることを示している。運用状態、即ち、共通基板10から切り離された状態において、ICカード1は、ピンの配列パターンが「1111」である。この状態で、呼出コマンドを受信した場合、ICカード1は、乱数を生成し、生成した乱数に基づいてスロット番号を決定し、決定したスロット番号に応じたタイミングで応答信号を送信する。
このスロット番号対応表が、図2に示すスロット番号判定プログラム32にスロット番号対応表32aとして含まれている。
次に、共通基板10からICカード1を製造する製造装置について図面を参照して説明する。
図5は、製造装置20の構成例を示すブロック図である。
製造装置20は、ICリーダライタ21、搬送部22、打抜部23、ROM24、RAM25、制御部26、および、電源部27を有している。
図5は、製造装置20の構成例を示すブロック図である。
製造装置20は、ICリーダライタ21、搬送部22、打抜部23、ROM24、RAM25、制御部26、および、電源部27を有している。
ICリーダライタ21は、搬送部22の上部に設置されて、共通基板10に形成されているICカード部8と無線通信によりデータの送受信を行なう。例えば、ICリーダライタ21は、送受信部(図示せず)によりICカード部8に呼出コマンドを送信し、そのレスポンスとしての応答信号を受信する。
搬送部22は、ベルトコンベア等により構成され、ベルトコンベアの上に乗せられた共通基板10を所定距離搬送するものである。打抜部23は、搬送部22の終点に設置され、搬送部22により搬送されてきた共通基板10に接着層および保護板を被せて固定し、ICカード部8をその外縁に沿って打ち抜く。ここで、打抜部23により打ち抜かれたICカード部8は、ICカード1となる。
ROM24は、予め制御用のプログラムや制御データなどが記憶されている不揮発性のメモリである。RAM25は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM25は、制御部26の処理中のデータなどを一時保管するバッファメモリとして機能する。
制御部26は、製造装置20全体の制御を司るものである。制御部26は、ROM24に記憶された制御プログラムに基づいて動作することにより種々の機能を実現している。電源部27は、製造装置20の各部に電源を供給する。
次に、上記製造装置20を用いて共通基板10からICカード1を製造する製造方法について説明する。
図6は、製造装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
製造装置20の制御部26は、搬送部22を動作させ、ベルトコンベアの上に乗せられた共通基板10をICリーダライタ21の下方まで搬送する(ステップS11)。制御部26は、搬送部22を停止した後、ICリーダライタ21により、ベルトコンベア上の共通基板10のICカード部8に対して呼出コマンドを送信する(ステップS12)。次いで、制御部26は、ICカード部8から送信される応答信号を受信する(ステップS13)。
図6は、製造装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
製造装置20の制御部26は、搬送部22を動作させ、ベルトコンベアの上に乗せられた共通基板10をICリーダライタ21の下方まで搬送する(ステップS11)。制御部26は、搬送部22を停止した後、ICリーダライタ21により、ベルトコンベア上の共通基板10のICカード部8に対して呼出コマンドを送信する(ステップS12)。次いで、制御部26は、ICカード部8から送信される応答信号を受信する(ステップS13)。
各ICカード部8から応答信号を受信すると、制御部26は、ICリーダライタ21により、ICカード部8に対して、受信した応答信号に含まれている複数の識別情報から1つを書き込み対象として選択し、選択した識別情報を含む書込コマンドと選択した識別情報を送信したICカード部8に書き込む書込データとを対応付けて送信する(ステップS14)。この処理を、各ICカード部に対して行なう。これにより、制御部26は、各ICカード部8のIC3に所望のデータを書き込む。
次に、図2に示すIC3の処理について詳細に説明する。
図7は、IC3の動作を示すフローチャートである。
各ICカード部8において、IC3の制御部38は、製造装置20のICリーダライタ21から送信される呼出コマンドの受信を待つ待機状態となっている(ステップS21)。製造装置20から送信された呼出コマンドを受信すると(ステップS21、YES)、制御部38は、スロット番号判定プログラムによりスロット番号識別端子4の電気的状態を読み取る(ステップS22)。即ち、制御部38は、識別端子接続部39を介して、スロット番号識別端子4の4本のピンの内のどのピンがGNDに接続されているか判定する。
図7は、IC3の動作を示すフローチャートである。
各ICカード部8において、IC3の制御部38は、製造装置20のICリーダライタ21から送信される呼出コマンドの受信を待つ待機状態となっている(ステップS21)。製造装置20から送信された呼出コマンドを受信すると(ステップS21、YES)、制御部38は、スロット番号判定プログラムによりスロット番号識別端子4の電気的状態を読み取る(ステップS22)。即ち、制御部38は、識別端子接続部39を介して、スロット番号識別端子4の4本のピンの内のどのピンがGNDに接続されているか判定する。
GNDに接続されているピンを判定すると、制御部38は、スロット番号対応表32aを参照し、No.1からNo.16までの番号の中から、当該ICカード部8のスロット番号を判定する(ステップS23)。
続いて、制御部38は、判定したスロット番号がNo.16であるか否かを判定する(ステップS24)。判定したスロット番号がNo.16ではないと判定した場合(ステップS24、NO)、制御部38は、IC3の動作モードを製造モードに切り替える(ステップS25)。
次に、制御部38は、ICリーダライタ21に応答信号を送信するタイミングを判定したスロット番号に応じて設定する。制御部38は、設定したタイミングで、応答信号を送信する(ステップS26)。例えば、各ICカード部8は、スロット番号のNo.1からNo.15まで順に、且つ、他のICカード部8からの応答信号と重ならないタイミングで応答信号を送信する。即ち、呼出コマンドを受信した時間を基準として、スロット番号No.1のICカード部8はT1経過後、スロット番号No.2のICカード部8はT2経過後、スロット番号No.3のICカード部8はT3経過後、・・・、スロット番号No.15のICカード部8はT15経過後、に応答信号を送信する。ここで、制御部38は、スロット番号判定プログラム32により判定したスロット番号に応じたタイミングで、識別情報記憶領域31aに記憶している識別情報を含む応答信号をICリーダライタ21に送信する。
応答信号を送信すると、制御部38は、製造装置20から送信される処理コマンド及び処理用のデータの受信を待つ待機状態となる(ステップS27)。処理コマンド及び処理データを受信すると(ステップS27、YES)、制御部38は、処理コマンドに含まれている処理対象を指定する識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致するか否かを判定する(ステップS28)。
処理コマンドに含まれている識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致しないと判定した場合(ステップS28、NO)、ステップS27に移行し、制御部38は、製造装置20から送信される処理コマンド及び処理データの受信を待つ待機状態となる。
処理コマンドに含まれている識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致すると判定した場合(ステップS28、YES)、制御部38は、受信した処理コマンドに応じた処理を実行する(ステップS29)。これにより、処理が終了する。
製造時の場合、図5に示す製造装置20のICリーダライタ21は、ここで、書込コマンド及び書込データを処理コマンド及び処理データとしてICカード部8に送信する。ICカード部8が受信した処理コマンド及び処理データが書込コマンド及び書込データである場合、制御部38は、受信した書込データをメモリ31に書き込み保存し、データの書込み処理を終了する。
図6に示すように、上述した書込み処理が終了した後、制御部26は、搬送部22を動作させ、共通基板10を終点の打抜部23へ搬送する(ステップS15)。打抜部23は、共通基板10に接着層および保護板を被せ、固定した後、各ICカード部8をその外縁に沿って共通基板10から打ち抜く(ステップS16)。これにより、複数のICカードが製造される。
また、ステップS24において、判定したスロット番号がNo.16であると判定した場合(ステップS24、YES)、制御部38は、IC3の動作モードを運用モードに切り替える(ステップS30)。次に、制御部38は、乱数生成プログラム35により、スロット番号を決定する為の乱数を演算などにより生成する(ステップS31)。
乱数を生成すると、制御部38は、生成した乱数に基づいてスロット番号を決定する(ステップS32)。スロット番号を決定すると、制御部38は、決定したスロット番号に応じたタイミングで、識別情報記憶領域31aに記憶している識別情報を含む応答信号をリーダ/ライタに送信する(ステップS33)。
応答信号を送信すると、制御部38は、リーダ/ライタから送信される処理コマンド及び処理に用いる処理データの受信を待つ待機状態となる(ステップS34)。処理コマンド及び処理データを受信すると(ステップS34、YES)、制御部38は、処理コマンドに含まれている処理対象を指定する識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致するか否かを判定する(ステップS35)。
処理コマンドに含まれている識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致しないと判定した場合(ステップS35、NO)、ステップS34に移行し、制御部38は、リーダ/ライタから送信される処理コマンド及び処理データの受信を待つ待機状態となる。
処理コマンドに含まれている識別情報が、識別情報記憶領域31aに記憶されているIC3の識別情報と一致すると判定した場合(ステップS35、YES)、制御部38は、受信した処理コマンドに応じた処理を実行する(ステップS37)。これにより、処理が終了する。
以上のように構成された非接触式ICカードの製造方法によれば、各ICカード部8のIC3は、製造装置20からのコマンドをアンテナ6、7により受信した場合、識別端子4のパターンを判定し、製造装置20に識別情報を送信するタイミングを判定したパターンに応じて設定し、設定したタイミングで製造装置20に識別情報を送信する。製造装置20は、各ICカード部8より識別情報を受信した場合、各ICカード部8にデータとデータを書き込むべきIC3を指定する識別情報を含むコマンドとを送信し、IC3に所望のデータを書き込んだ後、共通基板10から各ICカード部8を切り離す。
これにより、複数のICカード部8の内、任意に指定したICカード部8と通信を行なうことができる。即ち、データを書き込むIC3を指定し、データの衝突を起こすことなく容易にデータをIC3に書き込むことができる。従って、製造時において、通信が不要であるICカード部との通信を省くことができ、処理時間の短縮が可能になる。また、良品と不良品とを判定する場合、共通基板上での位置を判定することができる為、管理性を向上させることができる。
また、ICカード部8が切り離された後、通常のアンチコリジョン処理を行なう構成となっている為、既存のリーダ/ライタにより処理を行なうことができる。上記構成により、製造効率を向上し、且つ、製品の管理性を向上させた非接触式ICカードの製造方法及び非接触式ICカードを提供することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…ICカード、2…カード本体、3…IC、4…スロット番号識別端子、5…GND端子、6…アンテナ端子、7…アンテナ、8…ICカード部、9…GNDパターン、10…共通基板、20…製造装置、21…ICリーダライタ、23…打抜部、31…メモリ、31a…識別情報記憶領域、32…スロット番号判定プログラム、33…動作モード切替プログラム、34…タイミング制御プログラム、35…乱数生成プログラム。
Claims (11)
- アンテナとこのアンテナに接続されたICとをそれぞれ有する複数のICカード部を共通基板に並べて形成し、
前記共通基板に前記複数のICカード部に沿ってグランドを形成し、
それぞれ前記ICから延出しているとともに各ICカード部固有のパターンで配列された複数のピンを有し、前記ピンは前記グランドに導通した複数または1つのピンを含んでいる識別端子を形成し、
データ送受信手段から前記複数のICカード部に呼出コマンドを送信し、
前記送信された呼出コマンドを前記ICカード部の前記アンテナにより受信した際、前記ICにより前記識別端子の配列パターンを判定し、
前記判定した配列パターンに応じてタイミングを設定し、
前記設定したタイミングで、前記ICカード部から前記データ送受信手段へ応答信号を送信する、
非接触式ICカードの製造方法。 - 前記判定された前記識別端子の配列パターンに応じて、前記ICカード部の動作モードを、製造モードおよび運用モードのいれずかに切り換える請求項1に記載の非接触式ICカードの製造方法。
- 前記ICカード部から前記データ送受信手段に前記応答信号を送信するタイミングは、前記共通基板上の他の前記ICカード部から応答信号を送信するタイミングと重ならないタイミングである請求項1に記載の非接触式ICカードの製造方法。
- 前記ICカード部からICの識別情報を応答信号として送信し、
前記データ送受信手段により前記ICカード部から前記識別情報を受信した後、前記データ送受信手段から各ICカード部に処理対象とするICカード部を指定する前記識別情報を含む処理コマンドを送信し、
前記各ICカード部のICにより、前記データ送受信手段から送信された処理コマンドに含まれている識別情報と、前記ICの識別情報とを比較し、一致する場合に前記送信された処理コマンドに従って処理を実行し、
前記共通基板から各ICカード部を切り離す、
請求項1に記載の非接触式ICカードの製造方法。 - 乱数を生成し、
生成した前記乱数に基づいて識別情報を生成し、
生成した前記識別情報を記憶する、
請求項4に記載の非接触式ICカードの製造方法。 - 前記ICは、予め識別情報を記憶している請求項4に記載の非接触式ICカードの製造方法。
- 前記各ICカード部を切り離す際、前記グランドに導通したピンを前記ICカード部の外縁に沿って切断する請求項4に記載の非接触式ICカードの製造方法。
- アンテナとこのアンテナに接続されたICとが設けられているカード本体と、
前記ICから延出しているとともに所定のパターンで配列された複数のピンにより形成された識別端子と、
を具備し、
前記ICは、前記アンテナにより呼出コマンドを受信した場合、前記識別端子の電気的状態を判定する判定手段と、
前記判定した前記識別端子の電気的状態に応じてタイミングを設定するタイミング設定手段と、
前記タイミング設定手段により設定したタイミングで、応答信号を送信する送信手段と、
を具備する非接触式ICカード。 - 前記判定手段により判定する前記識別端子の電気的状態は、前記識別端子のグランドに導通しているピンと導通していないピンとの配列パターンである請求項8に記載の非接触式ICカード。
- 前記タイミング設定手段は、前記判定手段により前記識別端子を形成する前記複数のピンのうち少なくとも1つがグランドに接続されている状態であると判定した場合、前記判定手段により判定した前記識別端子の配列パターンに応じて前記タイミングを設定する請求項9記載の非接触式ICカード。
- 前記ICは、乱数を生成する乱数生成手段をさらに具備し、
前記タイミング設定手段は、前記判定手段により前記識別端子を形成する前記複数のピン全てがグランドに接続されていない状態であると判定した場合、前記乱数生成手段により乱数を生成した乱数に応じて前記タイミングを設定する請求項9に記載の非接触式ICカード。
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---|---|---|---|
JP2007089458A JP2008250529A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | 非接触式icカードの製造方法及び非接触式icカード |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017536071A (ja) * | 2014-10-17 | 2017-11-30 | フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム | 電気的な装置で電気接点を構成するための方法およびシステム |
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2007
- 2007-03-29 JP JP2007089458A patent/JP2008250529A/ja active Pending
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