JP2008249825A - コレステリック液晶組成物、円偏光分離シート及び製造方法 - Google Patents

コレステリック液晶組成物、円偏光分離シート及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】選択反射帯域が広く、簡便に製造しうる円偏光分離シート、並びにそのような円偏光分離シートの製造方法を提供する。
【解決手段】反応性基を1分子中に2つ以上有する液晶性化合物等を含有するコレステリック液晶組成物であって、これを基材上に塗布して液晶層を得、温度23℃、無酸素雰囲気下で前記塗膜に塗布面側から、紫外線を、紫外線照射積算量が100mJ/cm2となるように照射して硬化物(1)の層を得たときの、前記硬化物(1)表面の23℃での濡れ指数が30〜35mN/mであり、かつ、雰囲気を酸素を含む雰囲気に変更して液晶層を得て紫外線照射を行い、硬化物(2)の層を得たときの、前記硬化物(2)表面の23℃での濡れ指数が45〜57mN/mとなることを特徴とするコレステリック液晶組成物;前記組成物の硬化物の層を有する円偏光分離シート及びその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、円偏光分離シート等の光学材料の作成に有用なコレステリック液晶組成物、及び当該液晶組成物から作られた円偏光分離シート及びその製造方法に関する。
液晶表示装置などのディスプレイ装置において、その輝度を向上させるため等の目的で、特定の円偏光を透過し他の光を反射する機能、即ち選択反射の機能を有する円偏光分離シートを設けることが知られている。かかる円偏光分離シートとしては、コレステリック液晶相を呈した物質のブラッグ反射に基づく選択反射を利用したものが知られている。具体的には、コレステリック液晶性を示す重合性のモノマーを含む液晶組成物を基材上に塗布し、配向させ、重合させることにより得られるものやコレステリック液晶性を示すポリマー又はその溶液を基材上に塗布し、配向させて得られるものなどが知られている。
かかる円偏光分離シートは、ディスプレイ装置の性能向上の観点から、可視光内のなるべく広い帯域、好ましくは可視光帯域全体に渡って選択反射をするものであることが、ディスプレイとしての品質向上の観点から好ましい。このような選択反射帯域の広い円偏光分離シートを得る方法としては種々の方法が知られているが、中でも有望な方法として、液晶性化合物であるモノマーの重合度が、層の厚み方向に沿った勾配を有するように重合を行い、それにより、配向ピッチの勾配を設ける方法が知られている。しかしながら、配向ピッチの勾配を広く調整することは依然困難であり、さらなる選択反射帯域の広帯域化が求められている。
光学フィルムの製造において、良好な光学性能を得るべく製品の精度を高める手法としては、例えば特許文献1に記載されるような異物欠陥を低減させる手法や、特許文献2に記載されるような表面張力の規定により膜厚バラツキを低減させる手法等が提案されている。しかしながら、これらの手法によっても、配向ピッチの勾配までをも良好とし高性能な製品を得るには至っていない。
特開2001−74936号公報 特開2004−330183号公報
本発明の目的は、広い選択反射帯域を有する層を簡便な製造工程で与えうるコレステリック液晶組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、選択反射帯域が広く、簡便に製造しうる円偏光分離シート、並びにそのような円偏光分離シートの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討するなかで、液晶組成物を硬化させた層の表面の濡れ性に着目した。そして、無酸素状態で硬化物を調製した際の濡れ性と有酸素状態で硬化物を調製した際の濡れ性との相違が特定範囲内となる液晶組成物は、所望の広いピッチ勾配を与えうることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、下記のものが提供される。
〔1〕 反応性基を1分子中に2つ以上有する液晶性化合物と、反応性基を1分子中に1つ以上備えるカイラル剤と、光重合開始剤とを含有するコレステリック液晶組成物であって、前記コレステリック液晶組成物を基材上に塗布して液晶層を得、温度23℃、無酸素雰囲気下で前記塗膜に塗布面側から、紫外線を、紫外線照射積算量が100mJ/cm2となるように照射して硬化物(1)の層を得たときの、前記硬化物(1)表面の23℃での濡れ指数が30〜35mN/mであり、かつ、雰囲気を酸素濃度21%の雰囲気に変更して液晶層を得て紫外線照射を行い、硬化物(2)の層を得たときの、前記硬化物(2)表面の23℃での濡れ指数が45〜57mN/mとなることを特徴とするコレステリック液晶組成物。
〔2〕 屈折率差Δnが0.18以上であることを特徴とする前記コレステリック液晶組成物。
〔3〕 組成物中の固形分濃度が25〜45重量%であることを特徴とする前記コレステリック液晶組成物。
〔4〕 前記コレステリック液晶組成物の硬化物の層を1層以上有する円偏光分離シート。
〔5〕 前記コレステリック液晶組成物を透明樹脂基材に塗布して液晶層を得る工程、及び少なくとも1回の光照射及び/又は加温処理により前記液晶層を硬化する工程を含むことを特徴とする、円偏光分離シートの製造方法。
〔6〕前記コレステリック液晶組成物を透明樹脂基材に塗布して液晶層を得る工程、及び前記液晶層を硬化する工程を含み、前記硬化する工程が、1回以上の光照射及び/又は加温処理を含み、かつ前記光照射のうち少なくとも1回は無酸素雰囲気下での光照射であることを特徴とする、円偏光分離シートの製造方法。
本発明のコレステリック液晶組成物は、所望の広いピッチ勾配を簡便に与えうるため、反射帯域が広い円偏光分離シートを簡便に製造しうる材料として有用である。
また、本発明の円偏光分離シートの製造方法によれば、選択反射帯域が広い本発明の円偏光分離シートを、簡便且つ均質に製造しうる。
本発明のコレステリック液晶組成物は、特定の液晶性化合物、カイラル剤及び光重合開始剤を含有する。これら各成分について順次説明する。
本発明において、前記液晶性化合物は、1分子中に2つ以上の反応性基を有し、液晶性を示しうる化合物であり、好ましくはネマチック液晶性を示しうる化合物である。
前記反応性基としては、具体的にはエポキシ基、チオエポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、フマレート基、シンナモイル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、及びアクリル基が挙げられる。これらの反応性基を有することにより、本発明のコレステリック液晶組成物を硬化させた際に、安定した硬化物を得ることができる。1分子中に反応性基が2つ以上の化合物を用いると、コレステリック液晶組成物を硬化させた際に、架橋により実用性の高い、好ましい膜強度が得られる。ここでいう好ましい膜強度とは鉛筆硬度(JIS K5400)でHB以上、好ましくはH以上である。膜強度がHBより低いと傷がつきやすくハンドリング性に欠けてしまうため好ましくない。好ましい鉛筆硬度の上限は、光学的性能や耐久性試験に悪影響を及ぼさなければ特に限定されない。
特に、本発明のコレステリック液晶組成物は、ネマチック液晶性化合物として1分子中に少なくとも2つの反応性基を有する棒状液晶性化合物(A)を含有し、さらに1分子中に1つの反応性基を有する化合物(B)を含有することが好ましい。さらに、(A)と(B)の重量比が95/5〜50/50であることが好ましい。化合物(A)及び(B)の重量比は、さらに好ましくは90/10〜70/30とすることができる。化合物(A)及び(B)の和に対する化合物(A)の割合を95重量%以下とすることにより、配向欠陥の発生を抑制し円偏光分離特性等の光学的性能を良好なものとすることができる。また、化合物(A)の割合を50重量%以上とすることにより、高い液晶性を維持し、所望の光学的性能を得ることができる。
化合物(A)は、キラリティを有していないことが好ましい。化合物(B)は、液晶性を有していてもよく、有していなくても良いが、液晶性を有しないものが好ましい。また、本発明において、化合物(B)はキラリティはできるだけ有していない方が好ましい。化合物(B)がキラリティを有していると選択反射帯域の広帯域化の際に、広帯域化しすぎて反射率が低下したり、逆に広帯域化しない場合があるため好ましくない。ただし、一分子の化合物がキラリティを有していてもラセミ体として使用し、キラリティを実質無視できる場合には好ましく用いることができる。
前記1分子中に少なくとも2つの反応性基を有する棒状液晶性化合物(A)としては、式(1)で表される化合物を挙げることができる。
3−C3−D3−C5−M−C6−D4−C4−R4 …式(1)
(式中、R3及びR4は反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。D3及びD4は単結合、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及び炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基からなる群より選択される基を表す。C3〜C6は単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される基を表す。Mはメソゲン基を表し、具体的には、非置換又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜10個の直鎖状又は分岐状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で1つ以上置換されていてもよい、アゾメチン類、アゾキシ類、ビフェニル類、ターフェニル類、ナフタレン類、アントラセン類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類の群から選択された2〜4個の骨格を、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−等の結合基によって結合されて形成される。)
本発明において、棒状液晶性化合物(A)は非対称構造であることが好ましい。ここで非対称構造とは、一般式(1)において、メソゲン基Mを中心としてR3−C3−D3−C5−と−C6−D4−C4−R4が異なる構造のことをいう。棒状液晶性化合物(A)として、非対称構造のものを用いることにより、配向均一性をより高めることができる。
一方、前記1分子中に1つの反応性基を有する化合物(B)としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる:
1−A1−B−A2−R2 式(2)
一般式(2)において、R1及びR2の一方は反応性基であり、それぞれ独立して(メタ)アクリル基、(チオ)エポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、メルカプト基、イソ(チオ)シアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアルコキシシリル基からなる群より選択される基を表す。他方は非反応性基であり、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数1〜20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基、水素原子、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群より選択される基である。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの意味である。
前記アルキル基及びアルキレンオキサイド基は置換されていないか若しくはハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい。前記ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基は炭素原子数1〜2個のアルキル基、アルキレンオキサイド基と結合していてもよい。
一般式(2)において、A1及びA2はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、及び2,6−ナフチレン基からなる群より選択される基を表す。前記1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニル基、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、及び2,6−ナフチレン基は、置換されていないか若しくはハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で1つ以上置換されていてもよい。A1及びA2のそれぞれにおいて、2以上の置換基が存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
1及びA2として特に好ましいものとしては、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、及び2,6−ナフチレン基からなる群より選択される基が挙げられる。これらの芳香環骨格は脂環式骨格と比較して比較的剛直であり、本発明の液晶組成物が含有する棒状液晶性化合物のメソゲンとの親和性が高く、配向均一能がより高くなる。
一般式(2)において、Bは単結合、−O−、−S−、−S−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH2−、−OCH2−、−C=N−N=C−、−NHCO−、−OCOO−、−CH2COO−、及び−CH2OCO−からなる群より選択される。
Bとして特に好ましいものとしては、単結合、−OCO−が挙げられる。
一般式(2)の化合物は、液晶性を有していても有していなくてもよいが、液晶性を有しないものが好ましい。また、一般式(2)の化合物はキラリティはできるだけ有していない方が好ましい。キラリティを有していると選択反射帯域の広帯域化の際に、広帯域化しすぎて反射率が低下したり、逆に広帯域化しない場合があるため好ましくない。ただし、キラリティを有していてもラセミ体として使用し、キラリティを実質無視できる場合には好ましく用いることができる。また、本発明のコレステリック液晶組成物は、一般式(2)の化合物として、複数の光学異性体の混合物を含有することが好ましい。例えば、複数種類のエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含有することができる。一般式(2)の化合物は、その融点が、50℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。
本発明のコレステリック液晶組成物における前記ネマチック液晶性化合物の含有割合は、特に限定されないが、40〜99重量%とすることができる。前記化合物(B)が液晶性を有する場合、化合物(B)を含めた含有割合を、ネマチック液晶性化合物の含有割合とすることができる。
本発明のコレステリック液晶組成物は、反応性基を1分子中に1つ以上備えるカイラル剤を含有する。当該カイラル剤は、キラリティを有するものとすることができる。前記反応性基としては、前記化合物(A)及び(B)の反応性基として例示したものと同様のものを挙げることができる。
前記カイラル剤の具体例としては、特開2005−289881号公報、特開2004−115414号公報、特開2003-66214号公報、特開2003-313187号公報、特開2003−342219号公報、特開2000−290315号公報、特開平6−072962号公報、米国特許第6468444号公報、WO98/00428号公報等に掲載されるものを適宜使用することができ、例えばBASF社パリオカラーのLC756、ADEKA社キラコールのCNL617R、CNL−686Lとして入手できる。
本発明のコレステリック液晶組成物における前記カイラル剤の含有割合は、特に限定されないが、1〜60重量%とすることができる。
本発明のコレステリック液晶組成物において、前記各成分の組み合わせとしては、特に、下記(イ)〜(ハ)の組み合わせが好ましい:
(イ)化合物(A)として、ネマチック液晶性があり、キラリティが無く、且つ1分子中2以上の反応性基を有する化合物
(ロ)化合物(B)として、液晶性がなく、キラリティが無く、且つ1分子中1つの反応性基を有する化合物
(ハ)カイラル剤として、キラリティがあり且つ1分子中1以上の反応性基を有する化合物
さらに、上記(ハ)において、カイラル剤が非液晶性であるものがさらに好ましい。
本発明のコレステリック液晶組成物は、光重合開始剤を含有する。当該光重合開始剤としては、紫外線又は可視光線によってラジカル又は酸を発生させる公知の化合物が使用できる。具体的には、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ビアセチル、アセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルイソブチルエーテル、テトラメチルチウラムモノ(ジ)スルフィド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、β−アイオノン、β−ブロモスチレン、ジアゾアミノベンゼン、α−アミルシンナックアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp′−ジクロロベンゾフェノン、pp′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(2,6−メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、アントラセンベンゾフェノン、α−クロロアントラキノン、ジフェニルジスルフィド、ヘキサクロルブタジエン、ペンタクロルブタジエン、オクタクロロブテン、1−クロルメチルナフタリン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイル)]オキシムや1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(o−アセチルオキシム)、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、3−メチル−2−ブチニルテトラメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−(p−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。また、所望する物性に応じて2種以上の化合物を混合することができ、必要に応じて公知の光増感剤や重合促進剤としての三級アミン化合物を添加して硬化性をコントロールすることもできる。
該光重合開始剤の配合割合はコレステリック液晶組成物中0.03〜7重量%であることが好ましい。該光重合開始剤の配合量が0.03重量%より少ないと重合度が低くなってしまい膜強度が低下してしまう場合があるため好ましくない。逆に7重量%より多いと、液晶の配向を阻害してしまい液晶相が不安定になってしまう場合があるため好ましくない。
本発明のコレステリック液晶組成物は、任意に界面活性剤を含有することができる。当該界面活性剤としては、配向を阻害しないものを適宜選択して使用することができる。当該界面活性剤としては、具体的には、疎水基部分にシロキサン、フッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に使用でき、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。これらの界面活性剤は、OMNOVA社PolyFoxのPF−151N、PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、PF−3320、PF−651、PF−652、ネオス社フタージェントのFTX−209F、FTX−208G、FTX−204D、セイミケミカル社サーフロンのKH−40等を用いることができる。界面活性剤の配合割合はコレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化液晶層中0.05重量%〜3重量%となるようにすることが好ましい。該界面活性剤の配合割合が0.05重量%より少ないと空気界面における配向規制力が低下して配向欠陥が生じる場合があるため好ましくない。逆に3重量%より多い場合には、過剰の界面活性剤が液晶分子間に入り込み、配向均一性を低下させる場合があるため好ましくない。
本発明のコレステリック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上や耐久性向上のために、任意に架橋剤を含有することができる。当該架橋剤としては、液晶組成物を塗布した液晶層の硬化時に同時に反応したり、硬化後に熱処理を行って反応を促進したり、又は湿気により自然に反応が進行して硬化液晶層の架橋密度を高めることができ、かつ配向均一性を悪化させないものを適宜選択し用いることができ、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。架橋剤の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート型イソシアネート、ビウレット型イソシアネート、アダクト型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のアルコキシシラン化合物;が挙げられる。また、該架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度や耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。
前記架橋剤の配合割合は、コレステリック液晶組成物を硬化して得られる硬化液晶層中に0.1〜15重量%となるようにすることが好ましい。該架橋剤の配合割合が0.1重量%より少ないと架橋密度向上の効果が得られず、逆に15重量%より多いと液晶層の安定性を低下させてしまうため好ましくない。
本発明のコレステリック液晶組成物は、必要に応じてさらに他の任意成分を含有することができる。当該他の任意成分としては、溶媒、ポットライフ向上のための重合禁止剤、耐久性向上のための酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を挙げることができる。これらの任意成分は、所望する光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
本発明のコレステリック液晶組成物は、その固形分濃度が、25〜45重量%であることが好ましい。固形分濃度は、液晶組成物中における液晶性化合物、カイラル剤、光重合開始剤、界面活性剤の配合割合をさし、JIS K6833に準拠して、組成物中に含まれる溶剤を揮発させて残分の重量を測定し、溶剤を揮発させる前の重量との比を計算することにより求めることができる。
本発明のコレステリック液晶組成物は、そのΔn値が好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。組成物のΔn値が0.30以上であると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高いΔn値を有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光分離特性)を有する円偏光分離シートを与えることができる。
本発明のコレステリック液晶組成物が2種以上のネマチック液晶性化合物を含む場合は、そのΔn値は、各ネマチック液晶化合物のΔn値と各含有比率から求めることができる。
本発明のコレステリック液晶組成物の製造方法は、特に限定されず、上記必須成分及び任意成分を混合することにより製造することができる。
本発明のコレステリック液晶組成物は、これを基材上に塗布して液晶層を得、温度23℃、無酸素雰囲気下で前記塗膜に塗布面側から、紫外線を、紫外線照射積算量が100mJ/cm2となるように照射して硬化物(1)の層を得たときの、前記硬化物(1)表面の23℃での濡れ指数が30〜35mN/mであり、かつ、紫外線照射条件を、酸素濃度21%の雰囲気に変更した他はそのままとし、液晶層を得て紫外線照射を行い、硬化物(2)の層を得たときの、前記硬化物(2)表面の23℃での濡れ指数が45〜57mN/mとなる。前記硬化物(2)表面の23℃での濡れ指数が45mN/mよりも小さいと所望のピッチ勾配を得ることができず、円偏光分離シートにした場合斜め入射光の漏れが生じ、斜め着色の原因となる。前記硬化物(2)表面の23℃での濡れ指数が57mN/mよりも大きいと耐熱性の優れた透過スペクトル変化がない光学フィルムを得ることができないばかりか、紫外線積算照射量を増加させなければならないという不具合が生じたり、円偏光分離シートにした場合において、繰り返し使用時に熱等による透過スペクトルが変化したりする場合がある。
前記所定条件において、用いる基材としては、後述する円偏光分離シートの製造に用いる透明樹脂基材と同様のものを用いることができ、具体的には脂環式構造を有する樹脂のフィルム、さらに具体的には「ゼオノアフィルムZF14−100」(商品名、株式会社オプテス製)を用いることができる。ここで、基材の、液晶組成物を塗布する面は、好ましくは配向膜を有する。当該配向膜としては好ましくは5%ポリビニルアルコールの水溶液を塗布し乾燥させた、膜厚0.1μmの膜とすることができる。
前記所定条件において、液晶層の厚さは、硬化前の乾燥膜厚として3.0〜9.0μm、好ましくは3.0〜7.0μmの範囲、さらに好ましくは4μmとすることができる。
前記所定条件において、無酸素雰囲気下とは、酸素濃度が50ppm以下、好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは0ppmの雰囲気をいう。雰囲気の圧力は、常圧(1atm)とすることができる。このような無酸素雰囲気下とするには、不活性ガスによる雰囲気置換等を行うことができる。
前記所定条件において、紫外線の波長範囲は、300〜400nm、好ましくは320〜390nmとすることができる。照射量は、積算照射量として100mJ/cm2となるようにする。本発明において、濡れ指数はJIS K6768に従って測定した値である。
硬化物(1)を得るのとは別に、雰囲気を酸素を含む雰囲気に変更する他は硬化物(1)を得るのと同一の条件で、別途液晶層を得て紫外線照射を行い、硬化物(2)の層を得、その表面の23℃における濡れ指数を測定する。その値が前記所定の範囲内であれば本発明の要件を満たす。このような本発明の要件を満たすようコレステリック液晶組成物の組成を調整するには、例えば液晶化合物(A)とカイラル剤の重量比率や光重合開始剤の配合割合等を調整することができる。
前記酸素を含む雰囲気の酸素濃度は、21%である。硬化物(2)の層の表面の濡れ指数が前記所定の範囲内であることにより、弱い紫外線照射により反射帯域幅の広い円偏光分離シートを形成することが可能になる。
本発明の円偏光分離シートは、前記本発明のコレステリック液晶組成物の硬化物の層を1層以上有する。本発明の円偏光分離シートは、好ましくは300nm以上の広い選択反射帯域を有する。選択反射帯域は、例えば分光器(例えば大塚電子社製、瞬間マルチ測光システムMCPD−3000)と顕微鏡(例えばニコン社製、偏光顕微鏡ECLIPSE E600−POL)を使用して透過スペクトルを測定し、それに基づいて算出することができる。より具体的には、測定した透過スペクトルにおける、選択反射ピークの半値幅の値を、選択反射帯域の値とすることができる。
本発明の円偏光分離シートは、前記本発明のコレステリック液晶組成物を透明樹脂基材に塗布し液晶層を得る工程、及び前記液晶層を硬化する工程を含む製造方法により製造することができる。ここでの基材、塗布及び硬化の条件のそれぞれは、前記濡れ指数の測定のためのものとは同一であっても異なっていてもよく、所望の製品の特性に応じて適宜調整することができる。
前記透明樹脂基材は、特に限定されず1mm厚で全光透過率80%以上の基材を使用することができる。具体的には、脂環式オレフィンポリマー、ポリエチレンやポリプロピレンなどの鎖状オレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、変性アクリルポリマー、エポキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルムが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィンポリマー又は鎖状オレフィンポリマーが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィンポリマーが特に好ましい。
前記透明樹脂基材は、必要に応じて、配向膜を有することができる。配向膜を有することにより、その上に塗布されたコレステリック液晶組成物を所望の方向に配向させることができる。配向膜は、基材表面上に、必要に応じてコロナ放電処理等を施した後、セルロース、シランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレート、シラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリオキサゾール、環化ポリイソプレンなどを水又は溶剤に溶解させた溶液等を、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法を用いて塗布し、乾燥させ、その後乾燥塗膜にラビング処理を施すことにより形成することができる。配向膜の厚さは、所望する液晶層の配向均一性が得られる膜厚であればよく、0.001〜5μmであることが好ましく、0.01〜2μmであることがさらに好ましい。
前記透明樹脂基材への液晶組成物の塗布は、リバースグラビアコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ダイコーティング、バーコーティング等の公知の方法により行うことができる。液晶組成物の塗布層の厚さは、後述する所望の硬化液晶層乾燥膜厚が得られるよう、適宜調整することができる。
前記塗布により得られた塗布層を硬化する前に、必要に応じて、配向処理を施すことができる。配向処理は、例えば塗布層を50〜150℃で0.5〜10分間加温することにより行うことができる。当該配向処理を施すことにより、コレステリック液晶層を良好に配向させることができる。配向された層中においては、通常、前記液晶性化合物が、その長軸が層の面方向に平行となるよう配向し、さらに面方向に垂直な方向にらせん軸を有するコレステリック相を呈する。
必要に応じて配向処理を施した後、コレステリック液晶組成物を硬化させることにより、コレステリック液晶組成物の硬化物の層(前記硬化物(1)及び硬化物(2)と区別して、「硬化液晶層」ということがある。)を有する円偏光分離シートを得ることができる。前記硬化液晶層を得るための硬化の工程は、1回以上の光照射と加温処理との組み合わせにより行うことができる。加温条件は、具体的には例えば、温度40〜140℃、時間は1秒〜3分とすることができる。本発明において光照射に用いる光とは、可視光、紫外線及びその他の電磁波を含む。光照射は、具体的には例えば波長200〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行うことができる。また、例えば0.01〜50mJ/cm2の微弱な紫外線照射と加温とを複数回交互に繰り返し、さらに反射帯域の広い円偏光シートとすることもできる。上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行った後に、50〜10,000mJ/cm2といった比較的強い紫外線を照射し、液晶性化合物を完全に重合させ、硬化液晶層とすることができる。
前記硬化の工程において、1回以上の光照射のうちの1回以上を、無酸素雰囲気下での光照射とすることが好ましい。具体的には例えば、複数回の紫外線照射のうちの最後のもののみを無酸素雰囲気下での光照射とすることができる。さらに好ましくは、前記硬化の工程における最初の光照射から硬化の完結までの全ての工程を無酸素雰囲気下で行うことができる。
本発明において、透明樹脂基材上へのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返し2層以上の硬化液晶層を形成することもできる。ただし本発明においては、1回のみのコレステリック液晶組成物の塗布及び硬化によっても、良好に配向した硬化液晶層を容易に形成することができる。
本発明の円偏光分離シートにおいて、硬化液晶層の乾燥膜厚は好ましくは3.0μm〜9.0μm、より好ましくは3.0〜7.0μm、特に好ましくは3.5〜6.5μmとすることができる。前記硬化液晶層の乾燥膜厚が3.0μmより薄いと反射率が低下してしまい、逆に9.0μmより厚いと、硬化液晶層に対して斜め方向から観察した時に着色してしまうため、それぞれ好ましくない。
本発明の円偏光分離シートは前記硬化液晶層を有することにより、広い選択反射帯域を有しうる。具体的には例えば、上記の微弱な紫外線照射等による反射帯域の拡張を行うことにより、含まれる前期硬化液晶層が一層の場合であっても、選択反射帯域の半値幅として220〜350nmといった、広い選択反射帯域を有しうる。
本発明の円偏光シートの用途は、特に限定されないが、液晶表示装置等のディスプレイ装置の構成要素として使用することができる。具体的には例えば、液晶表示装置のバックライトと液晶セルとの間に、1/4λ板と組み合わせて、1枚以上の本発明の円偏光シートを配置し、輝度向上シートとして用いることができる。より具体的には、液晶表示装置のバックライトと液晶セルとの間において、1/4λ板よりもバックライト側になるよう本発明の円偏光シートを配置し、輝度向上を達成することができる。
以下において本発明を実施例を参照してより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
(1−1:配向膜を有する透明樹脂基材の調製)
厚み100μmの脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム(株式会社オプテス製、商品名「ゼオノアフィルムZF14−100」)の両面をコロナ放電処理した。5%のポリビニルアルコールの水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材を調製した。
(1−2:コレステリック液晶層の形成)
表1に示す配合割合で使用材料の各成分を混合し、固形分約40重量%のコレステリック液晶組成物を調製した。このコレステリック液晶組成物を♯10のワイヤーバーを使用して、上記(1−1)で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の、配向膜を有する面に塗布した。塗膜を100℃で5分間配向処理し乾燥膜厚4μmのコレステリック液晶層を形成させた。
このような液晶層を有する基材を多数調製し、下記(1−3)〜(1−5)に供した。
(1−3:濡れ指数測定用硬化物(1)の作成)
上記(1−2)で調製したコレステリック液晶層の、液晶組成物を塗布した面(即ち基材と反対側の面)側から、酸素濃度0%、温度23℃の環境下で紫外線(水銀ランプ;365nmバンドパスフィルター使用で光線透過領域が346〜383nm)を紫外線照射積算量が100mJ/cm2となるように照射して、液晶層を硬化させ、硬化物(1)の層を得、さらにJIS K6768に従い濡れ指数を測定した。当該硬化物(1)の濡れ指数が35mN/mであった。
(1−4:濡れ指数測定用硬化物(2)の作成)
続いて、紫外線照射積算量を100mJ/cm2に設定した上で、酸素濃度を21%に変更した他は、上記(1−3)と同様に液晶層の調製及び硬化を行い、硬化物(2)の層を得、濡れ指数を測定したところ、濡れ指数は54mN/mであった。
(1−5:円偏光分離シートの作製)
上記(1−2)で調製したコレステリック液晶層に、温度23℃で、透明樹脂基材側から6mJ/cm2の紫外線を照射して、100℃で1分間加温した。該フィルムを冷却後、再度コレステリック液晶層の透明樹脂基材側から6mJ/cm2の紫外線を照射して100℃で1分間加温した後に、コレステリック液晶層の塗布面側から500mJ/cm2の紫外線を照射して、円偏光分離シートを作製した。これらの紫外線照射及び加温の工程は全て、窒素置換により酸素濃度0%の雰囲気中で行った。
(1−6:円偏光分離シートの評価)
上記(1−5)で調製したフィルムを分光器(大塚電子社製、瞬間マルチ測光システムMCPD−3000)と顕微鏡(ニコン社製、偏光顕微鏡ECLIPSE E600−POL)を使用して透過スペクトルを測定した。選択反射帯域の半値幅を表1に示す。
(実施例2〜6及び比較例1)
コレステリック液晶組成物の組成を表1及び表2に示す通りとした他は、実施例1の(1−1)〜(1−3)と同様にして、硬化物(1)及び硬化物(2)の濡れ指数を求めた。さらに、実施例1の(1−1)〜(1−2)及び(1−5)〜(1−6)と同様にして、円偏光分離シートを作製し評価した。結果を表1に示す。表1の結果から、以下のことがわかる。実施例のコレステリック液晶組成物は、広い選択反射帯域を有する円偏光分離シートが得ることができる。これに対し、硬化物(2)の濡れ指数が本発明に規定する範囲外のもの(比較例1)は、得られる円偏光分離シートの選択反射帯域の広さが劣っている。
Figure 2008249825
表1中、各化合物はそれぞれ以下のものを示す。
棒状液晶性化合物1:Δn0.18、1分子中の反応性基数2、平均屈折率1.645
棒状液晶性化合物2:Δn0.23、1分子中の反応性基数2、平均屈折率1.638
化合物:下記式で表される化合物
Figure 2008249825
カイラル剤:LC756(BASF社)
重合開始剤:イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社)
界面活性剤:フッ素系界面活性剤KH40(セイミケミカル社)

Claims (6)

  1. 反応性基を1分子中に2つ以上有する液晶性化合物と、
    反応性基を1分子中に1つ以上備えるカイラル剤と、
    光重合開始剤とを含有するコレステリック液晶組成物であって、
    前記コレステリック液晶組成物を基材上に塗布して液晶層を得、温度23℃、無酸素雰囲気下で前記塗膜に塗布面側から、紫外線を、紫外線照射積算量が100mJ/cm2となるように照射して硬化物(1)の層を得たときの、前記硬化物(1)表面の23℃での濡れ指数が30〜35mN/mであり、かつ、
    雰囲気を酸素濃度21%の雰囲気に変更して液晶層を得て紫外線照射を行い、硬化物(2)の層を得たときの、前記硬化物(2)表面の23℃での濡れ指数が45〜57mN/mとなることを特徴とするコレステリック液晶組成物。
  2. 屈折率差Δnが0.18以上であることを特徴とする請求項1記載のコレステリック液晶組成物。
  3. 組成物中の固形分濃度が25〜45重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のコレステリック液晶組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のコレステリック液晶組成物の硬化物の層を1層以上有する円偏光分離シート。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコレステリック液晶組成物を透明樹脂基材に塗布して液晶層を得る工程、及び少なくとも1回の光照射及び/又は加温処理により前記液晶層を硬化する工程を含むことを特徴とする、円偏光分離シートの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のコレステリック液晶組成物を透明樹脂基材に塗布して液晶層を得る工程、及び前記液晶層を硬化する工程を含み、
    前記硬化する工程が、1回以上の光照射及び/又は加温処理を含み、かつ前記光照射のうち少なくとも1回は無酸素雰囲気での光照射であることを特徴とする、円偏光分離シートの製造方法。
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