JP2008249598A - トルク検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本トルク検出装置16は、第1のユニット38と第2のユニット39とを有する。第1のユニット38は、それぞれ対応する軟磁性体としての磁気ヨーク29A,29Bと磁気的に結合された一対の集磁リング34A,34Bを合成樹脂40によりモールドされてなり、挿入凹部43を有している。第2のユニット39は、磁気センサ35A,35Bを合成樹脂41によりモールドされてなり、接合部38eに沿わされた金属製の磁気シールド板37Bと、磁気センサ35A,35Bを保持する状態で挿入凹部43に挿入された挿入凸部44とを含む。第1および第2のユニット38,39は、磁気シールド板37Bに形成された一対のねじ挿通孔37aをそれぞれ挿通する固定ねじ32によって、共締め状態でセンサハウジング30にねじ止めされて取り付けられている。
【選択図】図2
Description
また、外部からの磁気が磁気センサに悪影響を及ぼすことがある。これを防止するために、上述のユニットに磁気シールド板を設けることが考えられているが、この場合、より一層部品点数が多くなる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施形態のトルク検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操向輪2を操舵するために操舵部材としてのステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4からの操舵トルクにより操向輪2を操舵するための例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構5と、ステアリングシャフト4および操舵機構5の間に設けられてこの間において回転を伝達するための軸継手としての中間軸ユニット6とを有している。
電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクに応じて操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクを検出するトルク検出装置16と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)17と、操舵補助用の電動モータ18と、歯車装置としての減速機19とを有している。本実施形態では、トルク検出装置16、電動モータ18および減速機19は、ステアリングコラム7に関連して設けられている。
ステアリングシャフト4は、軸方向下部として、入力軸22と、出力軸23と、トーションバー24とを有し、軸方向上部としての連結軸25を有している。入力軸22および出力軸23は、トーションバー24を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸22は、連結軸25を介してステアリングホイール3に連なっている。出力軸23は、中間軸ユニット6に連なっている。入力軸22に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー24が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸22および出力軸23が相対回転する。
ECU17は、上述のトルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、電動モータ18を制御する。減速機19は、電動モータ18により駆動されるウォーム軸26と、これに噛み合うウォームホイール27とを有している。ウォームホイール27と出力軸23とが互いに固定されて、一体回転する。
トルク検出装置16は、固定部材であり且つ取付対象部材としてのセンサハウジング30と、このセンサハウジング30に取り付けられた固定側ユニット31と、この固定側ユニット31をセンサハウジング30に固定するための固定部材としての2個の固定ねじ32と、センサハウジング30と固定側ユニット31との間を封止する環状の封止部材33Aと、固定側ユニット31の内部で封止する環状の封止部材33Bとを有している。
センサハウジング30は、上述のハウジング21の一部として筒状をなし、内部に空洞30aを有している。センサハウジング30の側部30dは、外周を形成し、また、内外を連通する連通孔30bを有している。側部30dに、連通孔の取付開口30eと、固定側ユニット31を取り付けるための取付面30cとが形成されている。
第1のユニット38は、連結方向RPに関して第2のユニット39寄りに配置された端部38aと、連通孔30bを通してセンサハウジング30内に配置された部分としての環状部38cとを有している。端部38aは、フランジ38bを有している。このフランジ38bは、軸方向Sおよび周方向Tに環状部38cから延設されていて、両方向S,Tに関して、センサハウジング30の連通孔30bの取付開口30eの対応する寸法よりも大きくされ、合成樹脂40により形成されている。
フランジ39bは、主体部39cから周方向Tに延設されている。フランジ39bの全体が、磁気シールド板37Bにより形成されている。また、フランジ39bは、2つの上述のねじ挿通孔37aを有している。2つのねじ挿通孔37aは、周方向Tに関して主体部39cを挟んで両側に配置されている。
各磁気ヨーク29A,29Bは、円筒形状をなし、径方向外方から永久磁石28を非接触で取り囲んで、永久磁石28が形成する磁界内に配置されることにより、永久磁石28に磁気的に結合されている。一対の磁気ヨーク29A,29Bは、互いに非接触で相対移動不能に固定されるとともに、出力軸23に同心に且つ一体回転するように固定されている。周方向Tに関する磁気ヨーク29A,29Bと永久磁石28との相対位置が変化すると、磁気ヨーク29A,29Bと永久磁石28とによって形成された磁気回路に発生する磁束密度が変化するように、一対の磁気ヨーク29A,29Bは構成されている。
このとき、一方の磁気ヨーク29Aの各爪29bにおいて、永久磁石28のN極に対向する面積が、永久磁石28のS極に対向する面積よりも大きくなり、一方の磁気ヨーク29AにおいてN極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも大きくなる。他方の磁気ヨーク29Bの各爪29bにおいて、永久磁石28のN極に対向する面積が、永久磁石28のS極に対向する面積よりも小さくなり、他方の磁気ヨーク29BにおいてN極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも小さくなる。
図4Cと図5を参照して、一方、入力軸22および出力軸23の間に他方向のトルクが作用するときには、上述の一方向のトルクが作用する場合とは逆に、一対の磁気ヨーク29A,29Bの各爪29b及び永久磁石28の相対位置が逆向きに変化し、各磁気ヨーク29A,29Bにおいて、磁束が逆向きに生じる。その結果、他方の磁気ヨーク29Bに対応する集磁リング34Bの爪片34bから一方の磁気ヨーク29Aに対応する集磁リング34Aの爪片34bへの磁束が生じ、この磁束が検出される。
第1のユニット38の端部38aは、磁気シールド板取付部としての接合部38eと、接合部38eに取り囲まれた窪み状の嵌合凹部38fと、嵌合凹部38fの底から突出した一対の凹部形成部38gと、センサハウジング30の取付面30cに取り付けられる被取付面38hと、2つの固定ねじ32がそれぞれ挿通される2つのねじ挿通孔38iとを有している。
接合部38eは、フランジ38bの端面に平坦に環状に形成され、磁気シールド板37Bの一方の面としての被取付面39hに面当たり状態で接触している。
嵌合凹部38fは、連結方向RPから見たときに円形をなす内周面を有している。また、嵌合凹部38fの底の中央部に一対の凹部形成部38gが配置されている。
各凹部形成部38gは、対応する集磁リング34A,34Bの2つの爪片34bと、合成樹脂40とを含んでいる。
第2のユニット39の端部39aは、端部39aの端面であって磁気シールド板37Bの一方の面に平坦で環状に形成された被取付面39hと、端面から突出した嵌合凸部39fと、この嵌合凸部39fの頂面から突出した磁束検出用の挿入凸部44と、挿入凸部44と同側に突出する2つの案内用凸部39gとを有している。挿入凸部44は、一対の磁気センサ35A,35Bと合成樹脂41とを含んでいる。
2つの案内用凸部39gは、嵌合凸部39fの頂面の外周寄り部分に配置され、軸方向Sに関して挿入凸部44を挟んだ互いに反対側に配置されていて、連結方向RPに沿って直線状に延びている。案内用凸部39gが嵌合凹部38fの内周面に接触することにより、第1のユニット38および第2のユニット39の相対移動が案内される。
また、集磁リング34A,34Bを含む第1のユニット38と、磁気センサ35A,35Bを含む第2のユニット39とを、互いに別々のユニットとして構成しているので、例えば磁気センサ35A,35Bを交換する必要があるときには、磁気センサ35A,35Bを含む第2のユニット39のみを交換し、第1のユニット38を交換せずに済ますことが可能となる。というのは、第1のユニット38には、ステアリングシャフト4が挿通されているので、第1のユニット38の交換のためには、ステアリングコラム7を分解して、ステアリングシャフト4を引き抜く必要があり、第1のユニット38の交換は手間がかかるからである。従って、磁気センサ35A,35Bを経済的に且つ短時間に交換できる。また、第1のユニット38のみを交換するときも、同様に経済的である。
また、磁気シールド板37A,37Bが設けられているので、磁気センサ35A,35Bの出力信号が外部の磁気の悪影響を受け難くでき、その結果、この悪影響を抑制するためのフィルタにより出力信号の応答性が低下することを抑制できる。従って、電動パワーステアリング装置1の操舵感を高めることができる。
例えば、固定ねじ32はセンサハウジング30を貫通しナットにねじ嵌合されてもよい。また、永久磁石28が出力軸23に固定され、一対の磁気ヨーク29A,29Bが入力軸22に固定される場合、各集磁リング34A,34Bの爪片34bおよび磁気センサ35A,35Bの少なくとも一方が1または3箇所以上に設けられる場合、各集磁リング34A,34Bの爪片34bの数と磁気センサ35A,35Bの数とが一致しない場合も考えられる。トルク検出装置16および駆動源としての電動モータ18は、ステアリングコラム7に設けられていたが、操舵機構5に設けられる場合も考えられる。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (2)
- それぞれ対応する軟磁性体と磁気的に結合された一対の集磁リングを合成樹脂によりモールドしてなり、取付対象部材に取り付けられる第1のユニットと、
磁気センサを合成樹脂によりモールドしてなる第2のユニットとを備え、
第1のユニットは、挿入凹部と、この挿入凹部の周囲を取り囲む磁気シールド板取付部とを含み、
第2のユニットは、上記磁気シールド板取付部に沿う形状を有した金属製の磁気シールド板と、この磁気シールド板の中央部から突出し上記磁気センサを保持する状態で上記挿入凹部に挿入された挿入凸部とを含み、
磁気シールド板に形成された一対のねじ挿通孔をそれぞれ挿通する固定ねじが、第1のユニットの磁気シールド板取付部に形成されたねじ挿通孔を挿通し、上記取付対象部材に設けられたねじ孔にねじ込まれることにより、第2のユニットと第1のユニットとが、取付対象部材に共締め状態で固定されていることを特徴とするトルク検出装置。 - 請求項1において、上記磁気シールド板は、第2のユニットの合成樹脂の成形時に第2のユニットに取り付けられてなることを特徴とするトルク検出装置。
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