JP2008249581A - 広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法 - Google Patents

広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストの増大を抑えつつ、広域の視程情報を高精度に作成することができる広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法を提供する。
【解決手段】既存の道路画像および気象データを活用して、まず、実況/予測視認性指標メッシュ推定部130、150で、実況/予測メッシュ気象データから視認性指標(WIPS)のメッシュデータ(実況・予測)を作成(推定)し、次に、視認性指標メッシュ補正部160で、得られた実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュを、道路画像から算出される観測視認性指標(WIPS)を用いて補正する。補正された実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュは、視認性指標変換部170でランク値であるRVI値に変換された後、外部に提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法に関する。
視程障害は、吹雪や降雪、降雨、霧、煙霧など各種要因により発生する。要因によって視程障害の発生場所や時間変動の仕方は様々であり、予期せぬ場所での突発的な視程障害も予想される。したがって、視程障害時に安全に走行するためには、現地の状況把握がきわめて重要である。また、視程障害は上記のように定常的に発生するわけではないため、予期せぬ視程障害に遭遇した衝突事故はあとを絶たず、見通しの悪い中での事故は多重衝突につながり大型化する傾向にある。したがって、事前に視程障害を知り得るか否かは安全走行にとってきわめて影響が大きい。
従来、吹雪や濃霧などによる視程障害を知る方法としては、視程計などの計器で視程を計測する方法と、道路画像の閲覧による方法とがある。前者は、視程を数値として計測するため、データの蓄積が容易でデータの利用範囲が広いという利点がある。また、後者は、画像で直接確認できるため、確実に視程障害を把握することができるという利点がある。
また、気象要素(降雪強度と風速)から直接視程を推定する方法も知られている(非特許文献1参照)。この場合、過去の視程観測値と気象条件から求めた実験式が用いられる。この方法では、気象予測データを用いて、視程予測メッシュも作成可能である。
竹内政夫、外1名、「降雨強度と風速から視程を推定する手法に関する研究」、北海道の雪氷、1998年、No.17、pp.13-14 日本雪氷学会、「雪氷調査法」、北海道大学出版会、1991年7月 椎葉充晴、外2名、「移流モデルによる短時間降雨予測手法の検討」、土木学会水理講演会論文集、1984年、第28巻、pp.349-354
しかしながら、上記の先行技術には、それぞれ、次のような問題がある。
まず、計器(視程計など)で視程を計測する方法や道路画像の閲覧による方法では、計器や道路画像が地点情報であるため、広域の面的な分布の把握には適していないという問題がある。視程の観測密度を高めるためには、計器(視程計など)や道路カメラ(例えば、道路監視用のITVカメラまたはCCTVカメラ)の設置箇所を増やす必要があり、コスト面で問題がある。
また、気象要素から実験式により視程を推定する方法では、刻々と変化する実際の視程状況を考慮していないため、その推定精度には問題がある。また、気象予測データを用いた視程予測メッシュについても、これと同様に実際の視程状況を反映しているものではないため、予測精度に問題があり、利用範囲が限定される。
吹雪や濃霧などによる視程障害発生時の安全走行や道路管理を支援するためには、面的に視程状況を把握できるメッシュ化された高精度の広域の視程実況・予測情報を、一般ドライバーや道路管理者などの利用者に提供することが有益であり、かかる提供手段の実現が望まれていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、コストの増大を抑えつつ、広域の視程情報を高精度に作成することができる広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法を提供することを目的とする。
本発明の広域視程情報作成装置は、メッシュ化された気象データを取得する取得手段と、取得されたメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成する作成手段と、を有する構成を採る。
本発明の広域視程情報作成装置は、メッシュ化された気象データを取得する取得手段と、取得されたメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成する作成手段と、カメラ設置点における前記視認性指標の観測値を入力する入力手段と、入力された視認性指標観測値を用いて、作成された視認性指標メッシュを補正する補正手段と、を有する構成を採る。
本発明の広域視程情報作成方法は、メッシュ化された気象データを取得する取得ステップと、取得したメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成するステップと、を有するようにした。
本発明の広域視程情報作成方法は、メッシュ化された気象データを取得する取得ステップと、取得したメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成する作成ステップと、カメラ設置点における前記視認性指標の観測値を入力する入力ステップと、入力した視認性指標観測値を用いて、作成した視認性指標メッシュを補正する補正ステップと、を有するようにした。
本発明によれば、コストの増大を抑えつつ、広域の視程情報を高精度に作成することができる。
すなわち、本発明によれば、既存の道路画像および気象データを活用しつつ、道路画像から算出される視認性指標(WIPS:Weighted Intensity of Power Spectra)を用いて、気象データから視認性指標のメッシュデータ(実況・予測)を作成するため、コストの増大を抑えつつ、広域の視程情報を高精度に作成することができ、つまり、これまで得ることができなかった推定精度の高い面的情報を作成することができ、一般ドライバーや道路管理者などの利用者にとって有効な視程障害情報を適宜入手可能とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本実施の形態の説明に先立って、本明細書で使用する基本的な用語を定義しておく。
「カメラ」とは、道路の監視や調査など様々な目的で道路沿いに整備されている様々な種類のカメラを意味する。本明細書では、これと同じ意味で「道路カメラ」という用語も使用する。
「デジタル画像」とは、静止画や動画、カメラの種類などにかかわらず、デジタル化された画像を広く意味する。
「道路画像」とは、静止画や動画、カメラの種類などにかかわらず、道路・道路周辺・交通状況を記録した画像を意味する。
「視程障害」とは、例えば、霧や雨、雪、吹雪、煙霧、風塵などによって空気中の透過率が低下し、道路前方の見通しが悪くなることにより、昼夜にかかわらず運転に支障をきたすような状況を意味する。
「視認性指標」とは、道路画像を画像処理することによって求めた画像の見易さ(視認性)を示す指標を意味する。視認性指標は、狭義では、連続的な値をとる。この視認性指標は、本願発明の中心概念の1つであり、道路画像に特定の画像処理を施すことによって求められる。また、「視程障害度」とは、ドライバーとして走行することを想定したときの道路前方視野(または視界)の見易さ(視認性)を示す指標(狭義の視認性指標のランク値)を意味する。この視程障害度は、視認性指標の値を、道路画像に対する主観的評価を基に判定することによって求められる。視認性指標は、広義では、この視程障害度を含む概念である。視認性指標については、そのランク値との関係も含めて、後で詳細に説明する。
「メッシュ」とは、網の目(格子)にデータを配置することを意味する。各メッシュは、「座標」と「データ」を有する。メッシュは、面的な情報の把握に有効な手段である。視認性指標をメッシュ化することによって、広域の視程状況(視界状況)を面的に捉えることができる。
「実況」とは、気象観測機器やレーダーなどで地点または領域の実際の状況を計測すること、また、その計測した結果を意味する。また、「予測」とは、将来の状況を科学的根拠に基づいて推し量ること、また、その内容を意味する。
「実況視認性指標メッシュを作成する」とは、道路画像を用いた視認性指標、ならびに気温や風速、降水量などの気象要素を収集し、気象要素と視認性指標の関係式を用いて、観測値(気象要素、視認性指標)による補正を加えた実況視認性指標メッシュを作成することを意味する。
「予測視認性指標メッシュを作成する」とは、実況視認性指標メッシュおよび気温や風速、降水量などの気象予測値から、気象要素と視認性指標の関係式を用いて、観測値(気象要素、視認性指標)による補正を加えた予測視認性指標メッシュ(視認性指標の予測メッシュデータ)を作成することを意味する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る広域視程情報作成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す広域視程情報作成装置100は、道路画像から算出される視認性指標を用いて、気象データから実況視認性指標メッシュおよび予測視認性指標メッシュを作成する機能を有する。広域視程情報作成装置100は、大別して、入力部110、実況気象データメッシュ化部120、実況視認性指標メッシュ推定部130、予測気象データメッシュ化部140、予測視認性指標メッシュ推定部150、視認性指標メッシュ補正部160、視認性指標変換部170、データ格納部180、および出力部190を有する。視認性指標メッシュ補正部160は、さらに、補正係数算出部162、補正係数メッシュ化部164、および推定メッシュ補正部166を有する。
なお、上記のように、実況視認性指標メッシュは、視認性指標の実況メッシュデータを意味し、予測視認性指標メッシュは、視認性指標の予測メッシュデータを意味するが、以下、両者をまとめて表記する場合は、「実況・予測視認性指標メッシュ」または単に「視認性指標メッシュ」と記載することにする。
入力部110は、例えば、外部から提供(配信)される視認性指標、気象庁メッシュ気象データ、および気象観測所データを入力処理して、計算に必要なデータを、実況気象データメッシュ化部120、予測気象データメッシュ化部140、および視認性指標メッシュ補正部160にそれぞれ出力する。
ここで、「視認性指標」は、外部の視認性指標算出装置200から提供される視認性指標(WIPS)である。視認性指標算出装置200は、大別して、画像収集部210および視認性指標算出部220を有する。画像収集部210は、複数の道路カメラ300に接続されている。
道路カメラ300は、道路の監視や調査など様々な目的で道路沿いに設置されている様々な種類のカメラである。道路カメラ300は、例えば、ITVカメラやCCTVカメラなどで構成されている。道路カメラ300としては、例えば、コストの増大を抑えるため、すでに道路沿いに多数設置されているカメラを利用することが好ましい。道路カメラ300は、道路、道路周辺、および交通状況を記録したデジタル画像(道路画像)を視認性指標算出装置200に送信する。視認性指標算出装置200は、道路カメラ300で撮影された道路画像を画像収集部210に収集・蓄積し、視認性指標算出部220に送る。このとき、画像収集部210は、例えば、道路カメラ300で撮影された動画像から静止画像を取り出して記録し、視認性指標算出部220に送る。
視認性指標算出部220は、画像収集部210から送られてくる道路画像(ここでは、例えば、静止画像)を画像処理して、画像の見易さを数値化する、つまり、地点情報として観測された視認性指標(WIPS)(以下「観測視認性指標」ともいう)を算出する。言い換えれば、観測視認性指標は、実況の視認性指標(WIPS)である。算出された視認性指標(WIPS)は、実況データとして、広域視程情報作成装置100に提供される。
なお、本実施の形態では、視認性指標算出装置200を広域視程情報作成装置100の外部装置として構成しているが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、視認性指標算出装置200の全部または一部の機能を広域視程情報作成装置100に持たせることも可能である。
ここで、本願発明の中心概念の1つである視認性指標についてさらに説明しておく。
「視認性指標」とは、上記のように、道路画像を画像処理することによって求めた画像の見易さ(視認性)を示す指標を意味する。視認性指標の具体的な算出方法としては、例えば、まず、道路カメラ300で撮影された動画像から静止画像をキャプチャし、256階調のグレースケールで特定の画像を切り出す。そして、切り出した画像に2次元FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を行い、画素の明るさの成分を周波数と振幅の重ね合わせで表現する(空間周波数成分への分解)。この分布は人間のコントラスト感度と対応させることができ、FFT処理した、特定の帯域のパワースペクトル値の合計を視認性指標(WIPS)とする。すなわち、人間のコントラスト感度が良好な空間周波数の範囲を特定し、その範囲内のパワースペクトル値の合計から視認性指標(WIPS)を求める。WIPS値は、連続的な値(連続値)をとる。
一方、この視認性指標(WIPS)のままでは、人間が見易さを区別し評価することは困難であるため、人間の感覚に基づいたグルーピング化を行う(視程障害度)。すなわち、ドライバーが道路画像で判断する見易さと対応させるため、様々な道路画像の見易さを被験者実験を通じて線形式に変換し(SVAV:Subjective Visibility Assessment Values)、15ランクの見易さの指標(VS:Visibility Scale)とする。そして、情報提供の段階では、VS値をさらにグルーピング化して、4ランクの視界レベル(RVI:Road Visibility Index)として提供する。
図2は、視認性指標(WIPS)およびこれから派生する各種指標(SVAV、VS、RVI)の関係の一例を示す図である。ここでは、一例として、提供する視界レベル(RVI)を4段階に設定し、視界レベルの数値が小さいほど視界が悪いとしている。
なお、後述するように、本実施の形態では、気象要素を用いて視認性指標を推定する場合、ランク値であるRVIやVSではなく、画像のコントラストにより連続値をとるWIPSを、視認性指標の推定の対象としている。
また、「気象庁メッシュ気象データ」は、気象庁から定時に配信されるメッシュ気象情報であり、例えば、メッシュ単位の降水量、気温、風向・風速、湿度、日射量などである。気象庁メッシュ気象データは、実況データと予測データの両方を含んでいる。
このうち、実況データは、例えば、気象庁レーダーデータとして提供される。気象庁レーダーデータは、項目として、例えば、降水量(1kmメッシュ)からなり、気象庁から一定の時間間隔で配信される(定時配信)。より具体的には、現在、気象庁から得られる実況メッシュデータには、レーダー観測値(10分毎1kmメッシュ)と、レーダー解析雨量(30分毎1kmメッシュ)とがある。レーダー解析雨量は、レーダー観測値をアメダス雨量で補正したものである。
また、予測データは、例えば、気象庁降水予測メッシュおよびGPV(Grid Point Value:格子点)データとして提供される。気象庁降水予測メッシュは、気象庁が発表する気象予測データの1つであり、所定時間先の降水量を所定のメッシュ単位で予測したものである。GPVデータは、気象予測データの1つであり、数値予報モデルを用いて所定時間先の気象データ(例えば、気温、湿度、降水量、気圧)を所定のメッシュ単位で予測したものである。気象庁降水予測メッシュおよびGPVデータは、気象庁からそれぞれ一定の時間間隔で配信される(定時配信)。より具体的には、現在、気象庁から得られる予測メッシュデータには、降水ナウキャスト予報(10分毎1kmメッシュ10分単位1時間先)、降水短時間予報(30分毎1kmメッシュ1時間単位6時間先)、および数値予報がある。数値予報には、1日2回地上10kmメッシュ1時間単位51時間先の数値予報(RSM)と、1日8回5kmメッシュ1時間単位18時間先の数値予報(MSM)とがある。
また、「気象観測所データ」は、例えば、気象庁観測所データおよび他の観測所データからなる。気象庁観測所データは、気象庁所管の気象観測所(気象官署またはアメダス)における観測データであり、他の観測所データは、気象庁所管以外の気象観測所における観測データである。他の観測所データは、例えば、開発局や地方建設局、都道府県や市町村、その他団体などによる気象観測によって得られる。例えば、国や地方自治体などが設置した道路テレメータや河川テレメータなどの利用が可能である。気象観測所データは、いわば地上の気象観測データ(実測データ)である。気象観測所データの項目は、メッシュ気象情報の項目と同じであり、例えば、降水量、気温、風向・風速、湿度、日照時間などである。
なお、本実施の形態では、メッシュ気象データとして気象庁メッシュ気象データを利用しているが、もちろん、本発明はこれに限定されない。すなわち、気象庁以外から提供(配信)されるメッシュ気象データを利用することも可能である。
本実施の形態では、後で詳述するように、気象要素から直接視認性指標(WIPS)をメッシュで推定する。そのため、実況気象データメッシュ化部120および予測気象データメッシュ化部140は、それぞれ、入力したメッシュ気象データおよび気象観測所データを用いて、観測値による補正(キャリブレーション)と、メッシュ単位の細分化(例えば、1kmメッシュ化)を行う。メッシュ単位の細分化(1kmメッシュ化)は、例えば、データを空間内挿することによって行われる。補正は、メッシュ化の過程で行われる。また、推定された視認性指標(WIPS)メッシュについても、視認性指標メッシュ補正部160で補正(キャリブレーション)される。要するに、実況気象データメッシュ化部120および予測気象データメッシュ化部140は、気象庁から配信された気象データと、気象庁以外の所定の情報源から収集された地上気象観測値とに基づいて、所定の気象計算/予測モデル(数値モデル)を用いて、各気象要素に対して、1kmメッシュの実況・予測データをそれぞれ作成(加工)する。ここで作成されたメッシュは、後述するメッシュ補正(図3参照)における初期値としても用いられる。
このように気象データおよび視認性指標(WIPS)の1kmメッシュ化は、基本的には、各メッシュデータを地上観測データで補正することによって行われる。図3は、各データのメッシュ化および補正内容の一例をまとめた図表である。ここでは、メッシュ化の方法は、気象要素の特性に合わせて行うため、気象要素に応じて異なる部分がある。
図3は、気象データのメッシュ化の方法として4つの方法を示している。第1の方法は、図4に示すように、気象観測データを用いて実況メッシュ気象データを補正する方法である。第2の方法は、図5に示すように、気象観測データのみから実況メッシュ気象データを作成(推定)する方法である。第3の方法は、図6に示すように、実況メッシュ気象データと予測0時間後(つまり、実況と同じ時刻)の予測メッシュ気象データから、両者の差分を用いて、所定時間後の予測メッシュ気象データを補正する方法である。第4の方法は、図7に示すように、移流モデルを利用する方法である。図3において、第1の方法は、降水量(実況)のメッシュ化に用いられ、第2の方法は、気温(実況)、風向・風速(実況)、および湿度(実況・予測)のメッシュ化に用いられる。また、第3の方法は、気温(予測)および風向・風速(予測)のメッシュ化に用いられ、第4の方法は、降水量(予測)のメッシュ化に用いられる。
実況気象データメッシュ化部120は、所定の気象要素、例えば、気温(実況)、降水量(実況)、風向・風速(実況)、および湿度(実況)に対して、補正を伴うメッシュ化(以下「補正付きメッシュ化」ともいう)を行う。この補正付きメッシュ化は、図3に示すように、気象要素毎に別々に行われ、初期値、内挿データ、および内挿法も各気象要素によって異なる。上記第1の方法および第2の方法は、主として、この実況気象データメッシュ化部120によって実行される。
気温(実況)は、例えば、上記第2の方法により、観測値(地点情報)を初期値とし、標高補正と曲率最小化法により気温を内挿してメッシュ化される(実況気温メッシュ)。気温の標高補正では、気温の分布が標高に依存するため、メッシュ化する場合、気温減率で海抜高度に降ろして、内挿を行い、その後、現地標高に戻す。気温減率は、標準的な大気で、6.5℃/1000mである。曲率最小化法については後述する。
降水量(実況)は、例えば、上記第1の方法により、気象庁配信の実況降水量メッシュ(レーダー雨量)を初期値とし、曲率最小化法により補正係数を内挿してメッシュ化される(実況降水量メッシュ)。補正係数は、例えば、ある観測点における地上雨量(観測値)と、当該観測点を含むメッシュ(つまり、当該観測点の直上のメッシュ)におけるレーダー雨量との比である。
風向・風速(実況)は、例えば、上記第2の方法により、観測値(地点情報)を初期値とし、曲率最小化法により、風向を向き、風速を長さとするベクトルのU成分(x軸成分)およびV成分(y軸成分)を内挿してメッシュ化される(実況風向・風速メッシュ)。
湿度(実況)は、例えば、上記第2の方法により、数値モデルの計算値(メッシュデータ)を初期値とし、曲率最小化法により混合比を内挿してメッシュ化される。より具体的には、湿度の観測地点は極めて少ないため(アメダスでは観測なし、気象官署のみの観測にとどまる)、基本的にはモデル計算値を用い、混合比と気温メッシュから相対湿度を算定する。ここで、混合比は、気温と露点から計算される。曲率最小化法による実況補正は、気温で行う。
ここで、気象データのメッシュ化の第1の方法および第2の方法について、より詳細に説明する。
第1の方法では、図4に示すように、それぞれ入力した実況メッシュ気象データおよび気象観測データを用いて、気象観測データと、この観測点の直上のメッシュにおける実況メッシュ気象データとの比または差(メッシュ補正係数)を算出する。ここで、比のメッシュ補正係数は、例えば、
比のメッシュ補正係数
=観測点の観測データ/観測点直上メッシュのメッシュ気象データ
で定義される。差のメッシュ補正係数は、例えば、
差のメッシュ補正係数
=観測点の観測データ−観測点直上メッシュのメッシュ気象データ
で定義される。空間的に連続性がある気象データ(例えば、気温や風向・風速など)の場合は、メッシュ補正係数として「差」を用い、変動幅が大きい気象データ(例えば、降水量など)の場合は、メッシュ補正係数として「比」を用いることが多い。
そして、メッシュ補正係数の数学的空間内挿処理(演算)を行ってメッシュ毎のメッシュ補正係数を算出する。具体的には、観測点直上メッシュのメッシュ補正係数を、数学的空間内挿法によって空間的に内挿する。空間内挿法としては、例えば、一例として、曲率最小化法を用いることができる。そして、算出したメッシュ毎のメッシュ補正係数を用いて、先に入力した実況メッシュ気象データを補正する。例えば、各メッシュにおいて、実況メッシュ気象データにメッシュ補正係数を乗算または加減算する。これにより、気象観測データに合わせるように補正された新たな実況メッシュ気象データが得られる。すなわち、この場合、
補正実況メッシュ気象データ
=実況メッシュ気象データ×内挿後の比のメッシュ補正係数
または、
補正実況メッシュ気象データ
=実況メッシュ気象データ+内挿後の差のメッシュ補正係数
である。
また、第2の方法では、図5に示すように、入力した気象観測データを、この観測点の直上のメッシュにそのまま付与する(メッシュ観測データ)、つまり、観測点直上メッシュに対して観測データを付与する。そして、メッシュ観測データの数学的空間内挿処理(演算)を行ってただちに実況メッシュ気象データを算出する。具体的には、観測点直上メッシュのメッシュ観測データを、数学的空間内挿法によって空間的に内挿する。空間内挿法としては、例えば、一例として、上記第1の方法と同様に、曲率最小化法を用いることができる。
ここで、曲率最小化法について説明しておく。曲率最小化法は、内挿法の1つであるスプライン補間において曲率最小化アルゴリズムを用いる方法である。曲率最小化アルゴリズムは、ランダム配置の観測値から、滑らかな曲面z=f(x,y)を求める。これを求めるには、次の式(1)の微分方程式を解く。
ただし、境界条件は、次の式(2)で与えられる。
ここで、zは目的変数、x、yは座標、tはテンションレベル、δは観測点が位置するメッシュで1、それ以外で0、zは観測点におけるデータ、nは法線方向座標である。t=0のときは最小曲率(minimum curvature)、t=1のときは調和面(harmonic surface)であり、ポテンシャルデータの場合、通常はt=0.2〜0.3が最適である。
観測点が存在しないメッシュでは、δ=0であるから、式(1)は、次の式(3)になる。
一方、観測点が存在するメッシュでは、δ=1であるから、式(1)は次の式(4)となり、
つまり、z=zである。したがって、観測点が存在するメッシュでは、観測データがそのまま反映される。
本実施の形態では、メッシュ作成モデルとして、式(1)でt=1とおいた微分方程式を用いる。簡単化のため、zはxのみの関数と仮定して、式(1)でt=1とおくと、次の式(5)、つまり、
となって(ただし、δ=0とした)、2階微分方程式になる。この微分方程式を積分すれば、次の式(6)、つまり、
の形(1次式)になる。
一方、式(1)でt=0とおくと(zはxのみの関数と仮定する)、次の式(7)、つまり、
となって(δ=0とする)、4階微分方程式になる。これを積分すれば、次の式(8)、つまり、
の形(3次式)になる。
以上のことから、t=1のときは1次式になるため、前後の2点から内挿することになる。この場合は、2点だけ用いるため、直線内挿である。一方、t=0のときは3次式になるため、前後の4点から内挿する。4点を用いるため、スプライン曲線で内挿することになる。このように、テンションレベルtは、メッシュ作成に大きな影響を及ぼす。具体的には、例えば、tが0に近いほどメッシュデータは滑らかになり、tが1に近いほど鋭い形になる。すなわち、tが1に近いほど局所的な内挿になる。一方、tが0に近いほど観測点データの影響が遠くまで及ぶ。
予測気象データメッシュ化部140は、所定の気象要素、例えば、気温(予測)、降水量(予測)、風向・風速(予測)、および湿度(予測)に対して、補正を伴うメッシュ化を行う。この補正付きメッシュ化は、実況データに対する場合と同様に、図3に示すように、気象要素毎に別々に行われ、初期値、内挿データ、および内挿法も各気象要素によって異なる。上記第3の方法および第4の方法は、主として、この予測気象データメッシュ化部140によって実行される。
気温(予測)および風向・風速(予測)の補正付きメッシュ化は、例えば、第3の方法により、数値モデル(気象予測モデル)のメッシュデータを実況メッシュで補正することによって行う(予測気温メッシュ、予測風向・風速メッシュ)。より具体的には、この補正付きメッシュ化は、数値モデルの計算値(メッシュデータ)を初期値とし、実況メッシュと予測0時間後(つまり、実況と同じ時刻)の予測メッシュとの差分を加算することによって行う。
湿度(予測)の補正付きメッシュ化は、例えば、上記第2の方法により、実況湿度の場合と全く同様に、数値モデルの計算値(メッシュデータ)を初期値とし、曲率最小化法により混合比を内挿してメッシュ化される。
降水量(予測)の補正付きメッシュ化は、例えば、上記第4の方法により、実況気象データメッシュ化部120によって作成された実況降水量(メッシュデータ)から運動学的手法(移流モデル)を用いて所定時間後の降水量メッシュを予測することによって行う(予測降水量メッシュ)。すなわち、降水量(予測)は、実況気象データメッシュ化部120によって作成された実況降水量メッシュを初期値とし、移流モデルにより降水量(メッシュ)を内挿してメッシュ化される。
ここで、気象データのメッシュ化の第3の方法および第4の方法について、より詳細に説明する。
第3の方法では、図6に示すように、それぞれ入力した実況メッシュ気象データ(t=0)と予測0時間後(つまり、実況と同じ時刻)の予測メッシュ気象データ(t=0)から、両者の差分をメッシュ毎に算出する。そして、算出したメッシュ毎の差分を、新たに入力した所定時間後の予測メッシュ気象データ(t=1,2,3,…)に加算して、この予測メッシュ気象データ(t=1,2,3,…)を補正する。
また、第4の方法では、移流モデルを利用する。移流モデルは、短時間降雨予測手法の1つであり、例えば、非特許文献3に記載されている。移流モデルは、基本的には、レーダーで得られた面的な降雨分布データを外挿し、2〜3時間先までの降雨強度を予測するという手法である。移流モデルは、移流ベクトルを位置座標の一次式で設定しており、雨域の平行移動や回転、剪断的な歪み、膨張などを考慮できるという利点を持つ。図7は、移流モデルの考え方を示す概略図である。移流モデルでは、所定時間毎の実況メッシュ降水量から雨量の推移を算出し、得られた雨量の推移に基づいて領域毎の雨域移動量(移流ベクトル)を算出した後、得られた移流ベクトルに基づいて全域の移動量分布を算出する。
移流モデルの基となるものは、運動方程式であるナビエ・ストークス(Navier-Stokes)の式である。地上のある点(x,y)における時刻tの降雨強度がzであるとき、降雨強度の面的分布を表した曲面z=z(x,y,t)を、「降雨強度面」と呼ぶ。降雨予測は、この降雨強度面の予測である。ナビエ・ストークスの式から、次の式(9)で簡単な移流モデルが示される。
(zの時間的変化、空間的変化が0以上であれば、wは正となり発達を示す。逆に、時間的変化と空間的変化の和が負となるなら、wは負となって衰弱を示すことになる。)
ここで、(u,v)およびwは、位置(x,y)の一次式として、次の式(10)のように近似されるものとする。
式(10)では、c〜cが推定すべきパラメータであり、これらが最適になるように同定する。x方向のメッシュ数をM、y方向のメッシュ数をNとして、大きさΔx・Δyに分割したメッシュを考え、i=1、…、M、j=1、…、N、k=0、−1、…、−(k+1)について、次の式(11)のように表す。
ここで、Δtは時間間隔で、(k+1)Δtはパラメータ同定に使用する過去のデータの長さである。
簡単に、点(x,y)、時刻tでの時間的変化および空間的変化を次の式(12)、つまり、
で近似し、式(9)を変形して次の式(13)を考える。
これまでの近似が妥当であるとして、パラメータc〜cが正しく同定されれば、Vijkは0となる。降雨量予測では、このVijkを最小にするように逐次代入でパラメータc〜cを求め、ある初期条件で決定したパラメータc〜cがその後2〜3時間程度持続するものとして、移流ベクトルを維持し降雨予測を行う。
実況視認性指標メッシュ推定部130は、実況気象データメッシュ化部120によって作成された実況気象メッシュから、実況の視認性指標(WIPS)をメッシュで推定する。具体的には、実況視認性指標メッシュ推定部130は、実況気象メッシュを構成する所定の気象要素(例えば、気温や湿度、風速、および降水量など)に従って、複数の推定式の中から実況の気象条件に最も適した推定式を選択する。実況視認性指標メッシュ推定部130は、選択した推定式を用いて、メッシュ毎に所定の気象データから視認性指標(WIPS)を推定し、得られた実況視認性指標メッシュを視認性指標メッシュ補正部160に送る。後で詳述するように、例えば、主として吹雪を想定した場合は、降水量、風速、および気温の実況メッシュから、実況視認性指標メッシュを作成し、主として濃霧や降雨を想定した場合は、気温、湿度、風速、および降水量の実況メッシュから、実況視認性指標メッシュを作成する。なお、ここで得られた視認性指標メッシュは、あくまで実況気象メッシュから推定されたものであり、実際の視認性指標を反映したものではないことに注意すべきである。
また、予測視認性指標メッシュ推定部150は、予測気象データメッシュ化部140によって作成された予測気象情報メッシュから、今後予測される視認性指標(WIPS)メッシュを作成する。具体的には、予測視認性指標メッシュ推定部150は、予測気象メッシュを構成する所定の気象要素(例えば、気温や湿度、風速、降水量など)に従って、複数の推定式の中から実況の気象条件に最も適した推定式を選択する。予測視認性指標メッシュ推定部150は、選択した推定式を用いて、メッシュ毎に所定の気象データから視認性指標(WIPS)を推定し、得られた予測視認性指標メッシュを視認性指標メッシュ補正部160に送る。ここでも、実況視認性指標メッシュ推定部130と同様に、例えば、主として吹雪を想定した場合は、降水量、風速、および気温の予測メッシュから、予測視認性指標メッシュを作成し、主として濃霧や降雨を想定した場合は、気温、湿度、風速、および降水量の予測メッシュから、予測視認性指標メッシュを作成する。なお、ここで得られた視認性指標メッシュも、あくまで予測気象メッシュから推定されたものであり、実際の視認性指標を反映したものではないことに注意すべきである。
ここで、気象要素を用いて視認性指標を推定する式の具体例について説明する。この推定式は、気象要素と視認性指標(WIPS)との関係式であり、以下に示す解析の結果得られた新たな知見である。
(気象データについて)
本例では、視認性指標(WIPS)の推定に用いる気象データとして、メッシュデータが整備されている気温、降水量、および風速を採用した。推定式の検討を行うための気象データの収集地点(つまり、解析の対象地点)は、北海道開発局道路テレメータの気象データが入手でき、かつ、道路カメラ(「中山峠スキー場前」)が設置されている、北海道の中山峠頂上付近とした。なお、視認性指標は昼夜で特性が変わるが、本例では昼間(8時〜16時)を対象とした。解析期間(つまり、気象データおよび視認性指標の収集期間)は、平成18年(2006年)1月〜2月である。
(解析に用いるWIPSについて)
視認性指標(WIPS)は、静止画の切り出しごとに算出される。本例では、平成18年1月30日までは15分間隔、1月31日以降は10分間隔でWIPSを作成した。吹雪による視界不良は、気象状況や周辺状況により時間変動が大きいため、道路画像から求めた視認性指標も、ある時間断面の状況を表しているに過ぎない。したがって、気象要素を元にWIPSを推定する場合、微小な変動には追従しきれないことが想定される。また、道路管理者やドライバー向けの情報提供を前提とした場合は、注意喚起の意味も含めて、瞬時や平均的な視界情報よりもどれだけ悪くなる可能性があるか(悲観的予測)を提供した方が、情報価値としてはより有用と考えられる。以上のことから、気象要素に対応させるWIPSは、前1時間の最小値をとることとした(解析段階では、正時、前1時間平均、および前1時間最小のWIPSを用いている)。
図8は、正時のWIPSと、前1時間平均および前1時間最小のWIPSとの相関を示す図である。図8によれば、WIPSの前1時間最小値は、RVI=1(視界100m未満に相当)の出現が、正時および前1時間平均のWIPSよりも明らかに多くなっている。
(気象データとWIPSの関係)
<気温>
図9は、気温とWIPSの関係を示す図である。図9からわかるように、WIPSは、0℃以上から−15℃以下まで広く分布しているが、RVI=2以下(WIPS=3.9以下に相当)は、0℃以上の気温帯では見られないことがわかる。したがって、この気温0℃は、気象要素から視認性指標を推定する場合の1つの判定条件(閾値)として見ることができる。
<風速>
吹雪による視程障害と風速は密接な関係があることはこれまでの様々な調査で明らかになっている。例えば、非特許文献2には、図10に示す吹雪発生臨界風速測定例が記載されている。図11は、降水量0mmでの風速とWIPSの関係を示す図である。図11によれば、風が強まるにつれWIPSが低下する傾向が見られ、特に、風速5m/sを超えると、RVI=2以下(WIPS=3.9以下)の、視認性が悪化するレベルの出現が目立つようになる(図11中の楕円で囲まれた部分を参照)。この結果は、これまでの吹雪に関する調査結果と矛盾しない。
<降水量>
ここでは、降水量の観測が0.5mm単位であるため、WIPSをVSに変換し、階級値で比較した。図12は、WIPSと前1時間降水量の関係を示す図であり、図12(A)は、正時のWIPSと前1時間降水量の関係を示す図、図12(B)は、前1時間平均のWIPSと前1時間降水量の関係を示す図、図12(C)は、前1時間最小のWIPSと前1時間降水量の関係を示す図である。WIPSの前1時間最小値を見ると、降水量0mmではVS=10〜15(RVI=4)が多いが、VS=9以下の視界が悪化しているケースも見られる。この理由については後述する。一方、降水量0.5mm以上では、VS=10以上の出現が減少し、さらに降水量3.5mm以上では、VS=6以下の視界が悪化しているケースが多くなる。
<降水量の有無で判別した風速とWIPSの関係>
吹雪とは、降雪が風を伴っているために見通しが悪くなったり、地表に積もった雪が強い風で舞い上がったりする(地吹雪)現象をいう。降水量0mmでWIPSが悪化する上記ケースは、地吹雪に相当する状況でWIPSが悪化したと考えられる。
図13は、WIPS、風速、および前1時間降水量の関係を示す図であり、図13(A)は、前1時間降水量が0mmの場合のWIPSと風速の関係を示す図、図13(B)は、前1時間降水量が0.5mm以上の場合のWIPSと風速の関係を示す図である。図13(A)によれば、前1時間降水量が0mmの場合は、風速4m/s前後から明らかにWIPSが低下しており、地吹雪現象を捉えていると見られる。また、図13(B)によれば、前1時間降水量が0.5mm以上でも、風速が強まるにつれWIPSが低下する傾向が見られ、WIPS自体は、降水量0mmの場合よりも低くなっている。
また、降雪直後は風により雪面の雪粒子が跳躍しやすいが、時間の経過と共に圧密や焼結により積雪状態が変化する。したがって、前1時間降水量が0mmであっても、それ以前の降雪状況をある程度考慮する必要があると考えられる。ここでは、前3時間降水量の有無により比較を行った。図14は、WIPS、風速、および前3時間降水量の関係を示す図であり、図14(A)は、前3時間降水量が0mmの場合のWIPSと風速の関係を示す図、図14(B)は、前3時間降水量が0.5mm以上の場合のWIPSと風速の関係を示す図である。図14(A)によれば、前3時間降水量が0mmの場合は、風速が強まってもWIPSが極端に低下することは見られない。
(推定式の作成)
以上の観測結果から気象要素とWIPSの関係をまとめると次のようになる。
(1)気温0℃以上では、WIPSは極端に悪化しない。
(2)風速が強まると、WIPSが悪化する。
(3)降水量が多いと、WIPSは悪化する。
(4)降水がなくても、風が強ければ、WIPSは悪化する。
(5)前3時間降水量が無降水であれば、風が強くても、極端なWIPSの悪化はない。
これは、本発明の基礎となる新たな知見である。
この知見から、気象要素からWIPSを推定する際に考慮すべき気象条件と推定式の要素との組み合わせの一例として、例えば、次の3つが考えられる。
(1)気温が0℃以上の場合は、第3の推定式を用いる。第3の推定式は、雨雪を判別し、湿雪時のWIPS(視程障害)を推定するための式である。
(2)気温が0℃未満で、かつ、降水がある(降水量の観測は0.5mm単位のため、前3時間降水量が0.5mm以上)場合は、第2の推定式を用いる。第2の推定式は、気温、風速、および降水量によるWIPSの推定式である。
(3)気温が0℃未満で、かつ、降水がない場合は、第1の推定式を用いる。第1の推定式は、気温および風速によるWIPSの推定式である。
(気象要素によるWIPS推定式の決定)
観測データから第1の推定式および第2の推定式を重回帰式により作成した。図15は、第1の推定式の重回帰分析結果を示す図であり、図16は、第2の推定式の重回帰分析結果を示す図である。図15および図16に示すように、切片および各Xの係数によって第1の推定式および第2の推定式がそれぞれ得られる。
図17は、前3時間降水量を考慮した重回帰式によるWIPS推定結果(従属データ)を示す図であり、前1時間最小のWIPS(前1時間最小値)と第1および第2の推定式を用いて推定したWIPS(推定値)との相関を示す図である。図17から、y=0.6373x+1.6878、R=0.6373であり、相関係数0.80で正の相関が見られることがわかる。すなわち、気象条件により異なる推定式を選択して用いることで、視界状況(WIPS)をほぼリニアに推定可能である。
視認性指標メッシュ補正部160は、実況視認性指標メッシュ推定部130および予測視認性指標メッシュ推定部150によってそれぞれ推定された実況視認性指標(WIPS)メッシュおよび予測視認性指標(WIPS)メッシュ(以下、前者を「推定実況視認性指標(WIPS)メッシュ」、後者を「推定予測視認性指標(WIPS)メッシュ」、両者をまとめて「推定視認性指標(WIPS)メッシュ」ともいう)を補正する。
具体的には、視認性指標メッシュ補正部160は、推定実況視認性指標(WIPS)メッシュの補正の場合は、例えば、推定実況視認性指標(WIPS)メッシュと、入力部110によって入力された観測視認性指標(WIPS)とを比較し、その差分を用いて推定実況視認性指標(WIPS)メッシュを補正する。より具体的には、推定された実況視認性指標(WIPS)メッシュは、例えば、実況視認性指標メッシュ推定部130の推定結果(推定実況視認性指標メッシュ、つまり、気象データによるWIPSメッシュ推定値)を初期値とし、曲率最小化法により、WIPS観測値とWIPS推定値との差分を内挿することによって補正される(図3参照)。ここでいう差分は、ある観測点における観測視認性指標と、当該観測点を含むメッシュ(つまり、当該観測点の直上のメッシュ)におけるWIPS推定値との差である。
また、視認性指標メッシュ補正部160は、推定予測視認性指標(WIPS)メッシュの補正の場合は、例えば、補正後の推定実況視認性指標(WIPS)メッシュを用いて、推定予測視認性指標(WIPS)メッシュを補正する。より具体的には、推定された予測視認性指標(WIPS)メッシュは、例えば、視認性指標メッシュ補正部160によって補正された後の実況視認性指標メッシュを初期値とし、実況メッシュと予測0時間後(つまり、実況と同じ時刻)の予測メッシュ(つまり、推定予測視認性指標メッシュ)との差分を加算することによって補正される(図3参照)。
このような機能を有する視認性指標メッシュ補正部160は、上記のように、補正係数算出部162、補正係数メッシュ化部164、および推定メッシュ補正部166で構成されている。
補正係数算出部162は、実況視認性指標メッシュ推定部130によってそれぞれ推定された実況視認性指標メッシュと、入力部110によって入力された観測視認性指標とを収集し、視認性指標補正係数を算出する。より具体的には、補正係数算出部162は、まず、入力された観測視認性指標が得られた地点(道路カメラ300の設置位置)を含むメッシュを検索する。そして、そのメッシュについて推定された実況視認性指標を観測視認性指標と比較して、その違い(例えば、差分)を算出し、得られた違い(差分)を補正係数(以下「視認性指標補正係数」という)とする。すなわち、補正係数算出部162は、観測視認性指標が存在するメッシュ、つまり道路カメラ300が設置されているメッシュについてのみ視認性指標補正係数を算出する。算出された視認性指標補正係数は、補正係数メッシュ化部164に送られる。
補正係数メッシュ化部164は、補正係数算出部162によって算出された視認性指標補正係数を用いて、メッシュ毎の視認性指標補正係数を算出して視認性指標補正係数メッシュとする。すなわち、地点情報である視認性指標補正係数を初期値として用いて各メッシュに内挿して、各メッシュにおける視認性指標補正係数を算出する。メッシュ単位およびメッシュ位置は、推定実況視認性指標メッシュのそれらと同一である。このように、地点情報である視認性指標補正係数をメッシュ化して用いることにより、各メッシュに道路カメラ300を設置・運用する必要がなくなり、道路カメラ300の設置コストおよび運用コストを削減できることは明らかである。算出された視認性指標補正係数メッシュは、推定メッシュ補正部166に送られる。
推定メッシュ補正部166は、一方で、補正係数メッシュ化部164によって算出された視認性指標補正係数メッシュを用いて、実況視認性指標メッシュ推定部130によって推定された実況視認性指標メッシュを面的に補正し、他方で、この補正後の推定実況視認性指標メッシュを用いて、予測視認性指標メッシュ推定部150によって推定された予測視認性指標メッシュを面的に補正する。より具体的には、推定メッシュ補正部166は、推定実況視認性指標メッシュを補正する場合は、推定実況視認性指標メッシュに、例えば、視認性指標補正係数メッシュを加算することによって、補正後の実況視認性指標メッシュを得る。また、推定メッシュ補正部166は、推定予測視認性指標メッシュを補正する場合は、例えば、上記補正後の実況視認性指標メッシュを初期値とし、実況メッシュと予測0時間後(つまり、実況と同じ時刻)の予測メッシュ(つまり、推定予測視認性指標メッシュ)との差分を加算することによって、補正後の予測視認性指標メッシュを得る。ここで算出された実況視認性指標メッシュおよび予測視認性指標メッシュは、結局、気象要素から推定された視認性指標メッシュを、実況の視認性指標で補正したものである。したがって、補正後の実況視認性指標メッシュおよび予測視認性指標メッシュは、補正前の推定視認性指標メッシュよりも精度が高いであろうことは明らかである。算出された実況視認性指標メッシュおよび予測視認性指標メッシュは、視認性指標変換部170に送られる。
なお、本実施の形態では、推定予測視認性指標メッシュを補正する場合に、補正後の実況視認性指標メッシュを初期値とし、実況メッシュと予測0時間後の予測メッシュ(つまり、推定予測視認性指標メッシュ)との差分を加算しているが、推定予測視認性指標メッシュの補正方法は、これに限定されない。例えば、推定実況視認性指標メッシュを補正する場合と同様に、推定予測視認性指標メッシュに視認性指標補正係数メッシュを加算することによって、補正後の予測視認性指標メッシュを得ることも可能である。
視認性指標変換部170は、視認性指標メッシュ補正部160によって算出された補正後の視認性指標(WIPS)メッシュを受け取る。視認性指標(WIPS)メッシュは連続的な数値データであり、一般ドライバーが視認性を区別し評価することは困難である。そこで、視認性指標変換部170は、連続値である視認性指標(WIPS)を15段階のVS値または4段階のRVI値に変換する。この変換処理は、例えば、図2に示すテーブルを用いて行われる。本実施の形態では、最終的に利用者に提供される視認性指標メッシュは、VS値またはRVI値に変換された視認性指標メッシュである。変換された視認性指標メッシュは、データ格納部180に送られる。
データ格納部180は、視認性指標変換部170の変換結果(VS値またはRVI値)を格納(蓄積)する。データ格納部180は、例えば、半導体メモリやハードディスク、リムーバブルメディアなど、任意の記憶装置で構成されている。
出力部190は、データ格納部180に格納されたデータを所定の形態で外部に出力する。出力部160は、例えば、ディスプレイやプリンタ、通信手段などで構成されている。
次いで、上記構成を有する広域視程情報作成装置100の動作について、図18〜図20に示すフローチャートを用いて説明する。図18は、広域視程情報作成装置100の全体動作を示すメインフローチャートである。図19は、図18の視認性指標メッシュ推定処理(S1200)の内容を示すフローチャートである。図20は、図18の視認性指標メッシュ補正処理(S1300)の内容を示すフローチャートである。なお、図18〜図20に示すフローチャートは、コンピュータのROMなどに制御プログラムとして記憶されており、CPUによって実行される。
まず、ステップS1000では、入力部110で、計算に必要なデータを入力する。具体的には、例えば、上記のように、観測視認性指標(WIPS)、気象庁メッシュ気象データ(実況・予測データ)、および気象観測所データ(実況データ)を入力する。
そして、ステップS1100では、実況気象データメッシュ化部120および予測気象データメッシュ化部140で、気象データのメッシュ化をそれぞれ行う。具体的には、気象庁から配信された気象データと、気象庁以外の所定の情報源から収集された地上気象観測値とに基づいて、所定の気象計算/予測モデル(数値モデル)を用いて、各気象要素に対して、1kmメッシュの実況データおよび予測データをそれぞれ作成(加工)する。メッシュ化(補正を伴う)の具体的な方法は、上記説明の通りである(図3参照)。
そして、ステップS1200では、実況視認性指標メッシュ推定部130および予測視認性指標メッシュ推定部150で、視認性指標メッシュの推定をそれぞれ行う。この視認性指標メッシュ推定処理は、図19のフローチャートに示す手順に従って行われる。なお、図19に示す各処理ステップは、ステップS1100で得られた実況/予測気象メッシュを構成する各メッシュに対して実行される。
まず、ステップS1210では、ステップS1100で得られた実況/予測気象メッシュを用いて、選択されたメッシュ(以下「当該メッシュ」という)において、気温が0℃未満であるか否かを判断する。この判断の結果として、気温が0℃未満の場合は(S1210:YES)、ステップS1220に進み、気温が0℃未満でない、つまり、0℃以上の場合は(S1210:NO)、ステップS1250に進む。
ステップS1220では、当該メッシュにおいて、さらに、降水量(例えば、前3時間降水量)が0.5mm以上か否かを判断する。この判断の結果として、降水量(前3時間降水量)が0.5mm以上でない、つまり、0.5mm未満の場合は(S1220:NO)、ステップS1230に進み、降水量(前3時間降水量)が0.5mm以上の場合は(S1220:YES)、ステップS1240に進む。
ステップS1230では、気温が0℃未満であり、かつ、降水がないと評価できる場合であるため、第1の推定式を選択して、ステップS1260に進む。第1の推定式は、気温および風速によるWIPSの推定式である。第1の推定式の一例は、例えば、図15の重回帰分析結果に示す通りである。
ステップS1240では、気温が0℃未満であり、かつ、降水があると評価できる場合であるため、第2の推定式を選択して、ステップS1260に進む。第2の推定式は、気温、風速、および降水量によるWIPSの推定式である。第2の推定式の一例は、例えば、図16の重回帰分析結果に示す通りである。
ステップS1250では、気温が0℃以上の場合であるため、第3の推定式を選択して、ステップS1260に進む。第3の推定式は、雨雪を判別し、湿雪時のWIPS(視程障害)を推定するための式である。
ステップS1260では、ステップS1230からステップS1250のいずれかで選択した推定式を用いて、ステップS1100で得られた実況/予測気象メッシュから、当該メッシュにおける視認性指標(WIPS)を推定する。ここで、上記ステップS1210からステップS1260の処理ステップは、ステップS1100で得られた実況/予測気象メッシュを構成するすべてのメッシュに対して実行される。この結果、ステップS1100で得られた実況/予測気象メッシュから、実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュが得られることになる。この実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュは、上記のように、主として吹雪を想定した場合は、降水量、風速、および気温の実況/予測メッシュから作成され、主として濃霧や降雨を想定した場合は、気温、湿度、風速、および降水量の実況/予測メッシュから作成される。そして、実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュの作成完了後、図18のフローチャートにリターンする。
ステップS1300では、視認性指標メッシュ補正部160で、視認性指標メッシュの補正を行う。この視認性指標メッシュ補正処理は、図20のフローチャートに示す手順に従って行われる。
まず、ステップS1310では、ステップS1000で入力したデータの中から、観測視認性指標(WIPS)、つまり、視認性指標(WIPS)の観測値を取り込む。
そして、ステップS1320では、視認性指標メッシュ補正部160内の補正係数算出部162で、ステップS1310で取り込んだ観測視認性指標(WIPS)の観測点に対応するメッシュの補正係数を算出する。具体的には、ステップS1310で取り込んだ観測視認性指標(WIPS)が得られた地点(道路カメラ300の設置位置)を含むメッシュを検索し、検索したメッシュについてステップS1200で推定した実況視認性指標を当該観測視認性指標と比較して差分を算出し、この差分を視認性指標補正係数とする。
そして、ステップS1330では、視認性指標メッシュ補正部160内の補正係数メッシュ化部164で、ステップS1320で得られた視認性指標補正係数のメッシュ化を行う。具体的には、ステップS1320で得られた視認性指標補正係数を初期値として用いて各メッシュに内挿して、各メッシュにおける視認性指標補正係数を算出する。
そして、ステップS1340では、視認性指標メッシュ補正部160内の推定メッシュ補正部166で、ステップS1200で推定した実況/予測視認性指標メッシュを面的に補正する。具体的には、推定実況視認性指標メッシュを補正する場合は、推定実況視認性指標メッシュに、ステップS1330で得られた視認性指標補正係数メッシュを加算して、補正後の実況視認性指標メッシュを得る。また、推定予測視認性指標メッシュを補正する場合は、上記補正後の実況視認性指標メッシュを初期値とし、実況メッシュと予測0時間後の予測メッシュ(つまり、推定予測視認性指標メッシュ)との差分を加算して、補正後の予測視認性指標メッシュを得る。あるいは、推定予測視認性指標メッシュを補正する場合は、上記の方法に代えて、推定予測視認性指標メッシュに、ステップS1330で得られた視認性指標補正係数メッシュを加算して、補正後の予測視認性指標メッシュを得るようにしてもよい。そして、推定実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュの補正完了後、図14のフローチャートにリターンする。
そして、ステップS1400では、視認性指標変換部170で、視認性指標の変換を行う。具体的には、ステップS1300で得られた補正後の視認性指標(WIPS)メッシュを、例えば、図2に示すテーブルを用いて、視認性指標(WIPS)のランク値であるVS値またはRVI値のメッシュに変換する。
そして、ステップS1500では、ステップS1400で得られた変換結果(VS値またはRVI値のメッシュ)をデータ格納部180に格納する。
そして、ステップS1600では、出力部190で、出力処理を行う。具体的には、ステップS1500で格納した視認性指標(VS値またはRVI値)メッシュを、用途に応じてあらかじめ設定された形態で、ディスプレイに表示したり、プリンタで印刷したり、あるいは、通信手段によって外部に送信(配信)したりする。
図21〜図25は、本実施の形態におけるメッシュ化のシミュレーション結果の一例を示す図である。図21は、実況メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図21(A)は、気温の場合、図21(B)は、降水量の場合、図21(C)は、風速の場合、図21(D)は、視認性指標(WIPS)の場合である。図22は、1時間後の予測メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図22(A)は、気温の場合、図22(B)は、降水量の場合、図22(C)は、風速の場合、図22(D)は、視認性指標(WIPS)の場合である。図23は、2時間後の予測メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図23(A)は、気温の場合、図23(B)は、降水量の場合、図23(C)は、風速の場合、図23(D)は、視認性指標(WIPS)の場合である。図24は、3時間後の予測メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図24(A)は、気温の場合、図24(B)は、降水量の場合、図24(C)は、風速の場合、図24(D)は、視認性指標(WIPS)の場合である。図25は、利用者に提供される視認性指標のランク値(RVI)のメッシュ化のシミュレーション結果の一例を示す図であり、図25(A)は、実況メッシュの場合、図25(B)は、1時間後の予測メッシュの場合、図25(C)は、2時間後の予測メッシュの場合、図25(D)は、3時間後の予測メッシュの場合である。図21〜図25のシミュレーションは、2007年1月7日14時のデータ(気象データおよび道路画像)に基づいて、各気象要素(気温、風速、降水量)および視認性指標(WIPS、RVI)のメッシュデータを推定したものである。
図21〜図25から、時間の経過に伴って、降水域が次第に南下し、視認性指標(WIPS、RVI)が次第に低下する(つまり、視界が悪くなる)予測となっている。
このように、本実施の形態によれば、既存の道路画像および気象データを活用して、まず、実況/予測メッシュ気象データから視認性指標(WIPS)のメッシュデータ(実況・予測)を作成(推定)し、次に、得られた実況/予測視認性指標(WIPS)メッシュを、道路画像から算出される観測視認性指標(WIPS)を用いて補正するため、コストの増大を抑えつつ、広域の視程情報を高精度に作成することができ、つまり、これまで得ることができなかった推定精度の高い面的情報を作成することができ、一般ドライバーや道路管理者などの利用者にとって有効な視程障害情報を適宜入手可能とすることができる。
また、上記の構成と動作を有する広域視程情報作成装置100には、より具体的に、次のような様々なメリットがある。
視程障害の発生箇所や時刻の把握は、時間変動が大きいため、特定することが難しい。従来は、道路画像やパトロールなどでポイントやある時刻の状況を断片的に入手するにとどまっていた。道路画像による視認性指標を用いた広域視程情報は、視程情報を面的に捉えることができ、国道路線に適用した場合、路線上の視程状況をひと目で把握することが可能となる。また、予測情報と組み合わせることで、視程障害地域の移動や推移を視覚的に捉えることができ、ドライバーの通行判断や道路管理の効率化に寄与できることが最大のメリットである。
(1)面的な視程状況の把握
従来、道路画像などポイントで得られ、主観的判断に頼らざるを得なかった視界状況を、メッシュ化した視認性指標を用いることで、面的な情報を定量的に得ることができ、状況の把握がより容易になる。
(2)視程障害の空間移動、推移の把握
一定時間に得られる視認性指標メッシュを時系列で表示することもでき、ドライバーや道路管理者は視程の悪い領域の動きや発達衰弱の傾向をつかむことができ、通行判断や道路管理に役立てることができる。
(3)欠測補完
広域視程情報は複数地点の道路画像を元にしてメッシュ化する。故障などで画像の使えない箇所があってもメッシュ化する過程で補完できるため、欠落のない安定した情報を得ることが可能となる。多様な利用者ニーズおよび利用者シーンに応じた視程障害情報の提供が可能である。
(4)人の感覚に近い視界情報
視認性指標は人の感覚に近いランク表示をすることが可能である。メッシュ化する際、視認性指標のないメッシュは各種気象データにより補正するため、観測点で得られる精度を保ちつつメッシュを作成することができる。
(5)予測情報の活用
視認性指標の実況メッシュと気象予測データを用いて作成される予測視認性指標メッシュは、今後の視程状況の推移や、視程障害領域の移動を具体的な情報として得ることができる。ドライバーは峠越えなどで出発時間の変更や経路の変更をこの情報で行うことができる。また道路管理者は事前に道路利用者に対し注意喚起を行うほか、通行規制の予測検討が可能となる。
本発明に係る広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法は、コストの増大を抑えつつ、広域の視程情報を高精度に作成することができる広域視程情報作成装置および広域視程情報作成方法として有用である。
本発明の一実施の形態に係る広域視程情報作成装置の構成を示すブロック図 視認性指標(WIPS)およびこれから派生する各種指標(SVAV、VS、RVI)の関係の一例を示す図 各データのメッシュ化および補正内容の一例をまとめた図表 メッシュ化の第1の方法を説明するための図 メッシュ化の第2の方法を説明するための図 メッシュ化の第3の方法を説明するための図 メッシュ化の第4の方法(移流モデル)を説明するための図 正時のWIPSと、前1時間平均および前1時間最小のWIPSとの相関を示す図 気温とWIPSの関係を示す図 吹雪発生臨界風速の測定例を示す図 降水量0mmでの風速とWIPSの関係を示す図 WIPSと前1時間降水量の関係を示す図であり、図12(A)は、正時のWIPSと前1時間降水量の関係を示す図、図12(B)は、前1時間平均のWIPSと前1時間降水量の関係を示す図、図12(C)は、前1時間最小のWIPSと前1時間降水量の関係を示す図 WIPS、風速、および前1時間降水量の関係を示す図であり、図13(A)は、前1時間降水量が0mmの場合のWIPSと風速の関係を示す図、図13(B)は、前1時間降水量が0.5mm以上の場合のWIPSと風速の関係を示す図 WIPS、風速、および前3時間降水量の関係を示す図であり、図14(A)は、前3時間降水量が0mmの場合のWIPSと風速の関係を示す図、図14(B)は、前3時間降水量が0.5mm以上の場合のWIPSと風速の関係を示す図 第1の推定式の重回帰分析結果を示す図 第2の推定式の重回帰分析結果を示す図 WIPS推定結果を示す図であり、前1時間最小のWIPSと第1および第2の推定式を用いて推定したWIPSとの相関を示す図 本実施の形態に係る広域視程情報作成装置の全体動作を示すメインフローチャート 図18の視認性指標メッシュ推定処理(S1200)の内容を示すフローチャート 図18の視認性指標メッシュ補正処理(S1300)の内容を示すフローチャート 実況メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図21(A)は、気温の場合を示す図、図21(B)は、降水量の場合を示す図、図21(C)は、風速の場合を示す図、図21(D)は、視認性指標(WIPS)の場合を示す図 1時間後の予測メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図22(A)は、気温の場合を示す図、図22(B)は、降水量の場合を示す図、図22(C)は、風速の場合を示す図、図22(D)は、視認性指標(WIPS)の場合を示す図 2時間後の予測メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図23(A)は、気温の場合を示す図、図23(B)は、降水量の場合を示す図、図23(C)は、風速の場合を示す図、図23(D)は、視認性指標(WIPS)の場合を示す図 3時間後の予測メッシュのシミュレーション結果の一例を示す図であり、図24(A)は、気温の場合を示す図、図24(B)は、降水量の場合を示す図、図24(C)は、風速の場合を示す図、図24(D)は、視認性指標(WIPS)の場合を示す図 利用者に提供される視認性指標のランク値(RVI)のメッシュ化のシミュレーション結果の一例を示す図であり、図25(A)は、実況メッシュの場合を示す図、図25(B)は、1時間後の予測メッシュの場合を示す図、図25(C)は、2時間後の予測メッシュの場合を示す図、図25(D)は、3時間後の予測メッシュの場合
符号の説明
100 広域視程情報作成装置
110 入力部
120 実況気象データメッシュ化部
130 実況視認性指標メッシュ推定部
140 予測気象データメッシュ化部
130 予測視認性指標メッシュ推定部
160 視認性指標メッシュ補正部
162 補正係数算出部
164 補正係数メッシュ化部
166 推定メッシュ補正部
170 視認性指標変換部
180 データ格納部
190 出力部
200 視認性指標算出装置
210 画像収集部
220 視認性指標算出部
300 道路カメラ

Claims (18)

  1. メッシュ化された気象データを取得する取得手段と、
    取得されたメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成する作成手段と、
    を有する広域視程情報作成装置。
  2. 前記作成手段は、
    前記所定の気象要素と前記視認性指標との関係を示す関係式を記憶する手段を含み、
    前記関係式を用いて、取得されたメッシュ気象データから、前記視認性指標のメッシュデータを作成する、
    請求項1記載の広域視程情報作成装置。
  3. 前記関係式は、気象条件に応じて複数記憶されており、
    前記作成手段は、
    取得されたメッシュ気象データのメッシュ毎に、前記複数の関係式の中から、当該メッシュの気象データに適する関係式を選択し、選択した関係式を用いて、当該メッシュの気象データから、前記視認性指標を推定することにより、前記視認性指標のメッシュデータを作成する、
    請求項2記載の広域視程情報作成装置。
  4. 前記気象要素は、気温、風速、湿度、および降水量の少なくとも1つ以上からなり、前記関係式は、あらかじめ観測データから重回帰分析により作成されている、
    請求項2記載の広域視程情報作成装置。
  5. 前記作成手段は、
    気温が所定の閾値温度以下で、かつ、降水量が所定の閾値降水量以下の場合は、気温および風速による第1の関係式を用い、気温が前記閾値温度以下で、かつ、降水量が前記閾値降水量以上の場合は、気温、風速、および降水量による第2の関係式を用い、気温が前記閾値温度以上の場合は、気温、湿度、および降水量による第3の関係式を用いて、取得されたメッシュ気象データから、前記視認性指標のメッシュデータを作成する、
    請求項3記載の広域視程情報作成装置。
  6. 前記取得手段は、
    メッシュ化された実況気象データを取得し、
    前記作成手段は、
    取得された実況メッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標の実況メッシュデータを作成する、
    請求項1記載の広域視程情報作成装置。
  7. 前記取得手段は、
    メッシュ化された予測気象データを取得し、
    前記作成手段は、
    取得された予測メッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標の予測メッシュデータを作成する、
    請求項1記載の広域視程情報作成装置。
  8. カメラ設置点における前記視認性指標の観測値を入力する入力手段と、
    入力された視認性指標観測値を用いて、作成された視認性指標メッシュを補正する補正手段と、
    をさらに有する請求項1記載の広域視程情報作成装置。
  9. 前記取得手段は、
    メッシュ化された実況気象データを取得し、
    前記作成手段は、
    取得された実況メッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標の実況メッシュデータを作成し、
    前記補正手段は、
    入力された視認性指標観測値を用いて、作成された実況視認性指標メッシュを補正する、
    請求項8記載の広域視程情報作成装置。
  10. 前記補正手段は、
    入力された視認性指標観測値の観測点に対応するメッシュにおける補正係数を算出する手段と、
    算出された補正係数を数学的空間内挿法によりメッシュ化する手段と、
    メッシュ化された補正係数を用いて、作成された実況視認性指標メッシュを面的に補正する手段と、
    を有する請求項9記載の広域視程情報作成装置。
  11. 前記取得手段は、
    メッシュ化された予測気象データを取得し、
    前記作成手段は、
    取得された予測メッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標の予測メッシュデータを作成し、
    前記補正手段は、
    補正された推定実況視認性指標メッシュを用いて、作成された予測視認性指標メッシュを補正する、
    請求項9記載の広域視程情報作成装置。
  12. 前記補正手段は、
    補正された実況視認性指標メッシュと予測0時間後の予測視認性指標メッシュとの差分を算出する手段と、
    算出された差分を用いて、作成された予測視認性指標メッシュを面的に補正する手段と、
    を有する請求項11記載の広域視程情報作成装置。
  13. 前記取得手段は、
    メッシュ化された予測気象データを取得し、
    前記作成手段は、
    取得された予測メッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標の予測メッシュデータを作成し、
    前記補正手段は、
    入力された視認性指標観測値を用いて、作成された予測視認性指標メッシュを補正する、
    請求項8記載の広域視程情報作成装置。
  14. 作成された視認性指標メッシュは、各メッシュの視認性指標が道路画像のコントラストにより連続的な値をとり、
    作成された視認性指標メッシュを、人間の感覚に基づくランク値のメッシュデータに変換する変換手段と、
    変換後の視認性指標メッシュを出力する出力手段と、
    をさらに有する請求項1記載の広域視程情報作成装置。
  15. 補正された視認性指標メッシュは、各メッシュの視認性指標が道路画像のコントラストにより連続的な値をとり、
    補正された視認性指標メッシュを、人間の感覚に基づくランク値のメッシュデータに変換する変換手段と、
    変換後の視認性指標メッシュを出力する出力手段と、
    をさらに有する請求項8記載の広域視程情報作成装置。
  16. 前記視認性指標は、道路画像を周波数成分に変換し、変換後の周波数分布をフィルタ処理して人間のコントラスト感度に対応する領域の周波数分布を取得し、得られた周波数分布を用いて算出される、
    請求項1記載の広域視程情報作成装置。
  17. メッシュ化された気象データを取得する取得ステップと、
    取得したメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成する作成ステップと、
    を有する広域視程情報作成方法。
  18. メッシュ化された気象データを取得する取得ステップと、
    取得したメッシュ気象データから、道路画像に基づく視認性指標のメッシュデータを作成する作成ステップと、
    をコンピュータに実行させるための広域視程情報作成プログラム。
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