JP2008248881A - 形状記憶合金の架線方法、形状記憶合金アクチュエータの製造方法、形状記憶合金アクチュエータおよび形状記憶合金アクチュエータの製造装置 - Google Patents

形状記憶合金の架線方法、形状記憶合金アクチュエータの製造方法、形状記憶合金アクチュエータおよび形状記憶合金アクチュエータの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】SMAの切断残りを小さくすることができ、切断用の刃物の耐久性や刃物の挿入スペースを考慮する必要もないSMAの架線方法、SMAアクチュエータの製造方法、SMAアクチュエータ、およびSMAアクチュエータ製造装置を提供すること。
【解決手段】移動部と駆動部材支持部との間にSMAからなる駆動部材を架線した後に、駆動部材の不要部分に電流を印加して溶断するので、SMAの切断残りである突出部を小さくすることができる。また、溶断を用いることで、切断用の刃物の耐久性を考慮する必要も、切断用の刃物を挿入するためのスペースの必要もなく、SMAアクチュエータの製造装置の小型化にも適する。これによって、SMAの架線方法、SMAアクチュエータの製造方法、SMAアクチュエータ、およびSMAアクチュエータの製造装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、形状記憶合金の架線方法、形状記憶合金アクチュエータの製造方法、形状記憶合金アクチュエータ、および形状記憶合金アクチュエータの製造装置に関し、特に、形状記憶合金からなる線または箔の切断残りが発生せず、切断用の刃物の耐久性を考慮する必要もない形状記憶合金の架線方法、形状記憶合金アクチュエータの製造方法、形状記憶合金アクチュエータ、および形状記憶合金アクチュエータの製造装置に関する。
近年、携帯電話等のモバイル機器にデジタルカメラ機能が搭載され、オートフォーカス機能や手振れ補正機能といった高度な機能も実装されてきている。それに伴い、撮影レンズや撮像素子を移動させるための超小型アクチュエータが求められ、従来のモータとギヤ列に代わる種々のアクチュエータが提案されている。その中で特に注目を集めているのが、形状記憶合金(Shape Memory Alloy。以下、SMAと言う)を用いたSMAアクチュエータである。
ここで、SMAアクチュエータの基本的な構成と動作について、従来技術によるSMAアクチュエータを例に、図5を用いて簡単に説明する。図5は、従来技術によるSMAアクチュエータの基本的な構成と動作を示す模式図である。
図5(a)において、SMAアクチュエータ1は、駆動部材支持部11、その一部である固定部13および15、駆動部材17、移動部21、突起部23、付勢部材31および付勢部材固定部33等で構成される。付勢部材31および付勢部材固定部33は、本発明における付勢部として機能する。
図示しない被駆動物を搭載、あるいは被駆動物と係合することによって被駆動物を移動させる移動部21は、バネ等からなる付勢部材31によって、付勢部材31の引っ張り方向つまり図の右方向に付勢され、付勢部材固定部33に接続されている。一方、移動部21に設けられた突起部23と、移動部21を挟んで付勢部材31と対向する方向に配置された駆動部材支持部11との間には、SMA線からなる駆動部材17が架線され、移動部21に、付勢部材31の付勢力に抗する方向つまり図の左方向への張力を加えている。駆動部材17は、駆動部材支持部11に固定部13および15で固定されている。移動部21は、上述した付勢部材31の付勢力と駆動部材17の張力とがバランスした位置で静止する。
図5(b)において、駆動部材17に矢印41の方向に電流が印加されると、駆動部材17は自身の抵抗によるジュール熱で発熱して弾性係数の高い状態へ変態する。その際、駆動部材17は、SMAの性質として、高温時に記憶した長さに戻ろうとするために収縮し、突起部23を介して移動部21に図の左方向に張力を加える。この張力により、移動部21は付勢部材31の付勢力に抗して図の矢印43だけ左方向に移動する。
図5(c)において、駆動部材17への電流の印加を停止すると、駆動部材17の発熱も停止し、外気による自然冷却により、駆動部材17は図5(a)に示したと同じ状態に戻り、移動部21は付勢部材31の付勢力により図の矢印45だけ右方向に移動して図5(a)と同じ状態に戻る。上述した動作を繰り返すことで、移動部21を左右に移動させることができる。
このような構成のSMAアクチュエータにおいて、移動部と接する部分のSMAを加熱することで間接的に移動部のSMAと接する部分を溶融してSMAを食い込ませることで、SMAアクチュエータの移動部とSMAとの位置調整を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、SMAアクチュエータの製造においては、例えば特許文献1に示されたような方法で位置調整が行われた後に、SMA線の不要部分を切断してSMAアクチュエータが完成する。
特開2006−337533号公報
しかしながら、図5(c)に模式的に示すように、従来技術によるSMAアクチュエータの製造方法では、SMAアクチュエータ製造の際に生じる駆動部材17の切断残りである固定部13および15からの突出部分17a同士がショートして、駆動のための電流を印加することができなくなったり、図示しないSMAアクチュエータの駆動回路等の回路基板との間でショートして故障の原因となったりするという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、SMAの切断残りを小さくすることができ、切断用の刃物の耐久性や刃物の挿入スペースを考慮する必要もないSMAの架線方法、SMAアクチュエータの製造方法、SMAアクチュエータ、およびSMAアクチュエータ製造装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.移動部を移動させるための駆動部材として用いる形状記憶合金の架線方法において、
前記形状記憶合金を、駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを備えたことを特徴とする形状記憶合金の架線方法。
2.前記固定工程は、
前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする1に記載の形状記憶合金の架線方法。
3.被駆動物を搭載、または被駆動物と係合して被駆動物を移動させる移動部と、
前記移動部を張力で付勢する付勢部と、
前記移動部を挟んで前記付勢部と対向する位置に配置された駆動部材支持部と、
一方が前記移動部と係合し、他方が前記駆動部材支持部に固定され、通電することにより発熱して、前記付勢部の付勢力に抗して前記移動部を移動させる形状記憶合金からなる駆動部材とを備えた形状記憶合金アクチュエータの製造方法において、
前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを備えたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータの製造方法。
4.前記固定工程は、
前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする3に記載の形状記憶合金アクチュエータの製造方法。
5.被駆動物を搭載、または被駆動物と係合して該被駆動物を移動させる移動部と、
前記移動部を張力で付勢する付勢部と、
前記移動部を挟んで前記付勢部と対向する位置に配置された駆動部材支持部と、
一方が前記移動部と係合し、他方が前記駆動部材支持部に固定され、通電することにより発熱して、前記付勢部の付勢力に抗して前記移動部を移動させる形状記憶合金からなる駆動部材とを備え、
前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを含む製造方法によって製造されることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
6.前記固定工程は、
前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする5に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
7.被駆動物を搭載、または被駆動物と係合して被駆動物を移動させる移動部と、
前記移動部を張力で付勢する付勢部と、
前記移動部を挟んで前記付勢部と対向する位置に配置された駆動部材支持部と、
一方が前記移動部と係合し、他方が前記駆動部材支持部に固定され、通電することにより発熱して、前記付勢部の付勢力に抗して前記移動部を移動させる形状記憶合金からなる駆動部材とを備え、
前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを含む製造方法によって製造される形状記憶合金アクチュエータの製造装置において、
前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と前記架線支持部との間に架線する架線部と、
前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金を通電により融点以上に加熱して溶断する切断部とを備えたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータの製造装置。
8.前記固定工程は、
前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする7に記載の形状記憶合金アクチュエータの製造装置。
本発明によれば、移動部と駆動部材支持部との間にSMAからなる駆動部材を架線した後に、駆動部材の不要部分に電流を印加して溶断するので、SMAの切断残りである突出部を小さくすることができる。また、溶断を用いることで、切断用の刃物の耐久性を考慮する必要も、切断用の刃物を挿入するためのスペースの必要もなく、SMAアクチュエータの製造装置の小型化にも適する。これによって、SMAの架線方法、SMAアクチュエータの製造方法、SMAアクチュエータ、およびSMAアクチュエータの製造装置を提供することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1および図2を用いて説明する。図1は、SMAアクチュエータの製造装置2の切断部60の第1の実施の形態を示す模式図で、図1(a)はSMAの溶断前の状態、図1(b)は溶断後の状態を示す模式図である。
図1(a)において、移動部21に設けられた突起部23には、SMA線からなる駆動部材17が、駆動部材支持部11の一部である固定部13および15を介してU次型に架線され、駆動部材17の両方の終端がSMAアクチュエータ製造装置2に備えられた架線支持部51上の保持部53および55で保持される(架線工程)。次に、SMA線17を図の左側に引っ張って所定の張力を与え(張力印加工程)、移動部21を所定の位置に調整する。この状態で、駆動部材17が駆動部材支持部11上の固定部13および15によって固定される(固定工程)。架線支持部51の一部である保持部53および55は、本発明における架線部として機能する。
次に、例えば上述した特許文献1に示されたような方法で移動部21の位置調整を行った後に、以下に説明するように、SMA線の不要部分を切断してSMAアクチュエータが完成する。
駆動部材支持部11上の固定部13および15と、架線支持部51上の保持部53および55との間には、切断部60が接続されている。切断部60は、直列に接続された配線67、電流源61、スイッチ63および配線65等で構成される。固定部13および15と保持部53および55とは、少なくとも切断部60との接続点、およびSMA線からなる駆動部材17との接続点が、金属等の導電性を持った材料で作られている。
図1(b)において、スイッチ63が閉じられると、電流源61から、駆動部材17の固定部13と保持部53とに挟まれた部分19、および固定部15と保持部55とに挟まれた部分19に、SMA線の融点以上の温度に加熱するジュール熱を発生させるような大電流が印加される。これによって、駆動部材17の固定部13と保持部53とに挟まれた部分19、および固定部15と保持部55とに挟まれた部分19が溶断される。この時発生する切断残りである突出部分は、刃物を用いて切断した場合に比べてちいさいものとなる(切断工程)。溶断された後は電流が遮断されるので、それ以上の発熱はない。
この時、固定部13および15に、駆動部材17の溶断される部分19で発生する熱が駆動部材17の固定部13および15から突起部23側の部分に伝わらないだけの充分大きな熱容量を持たせておけば、SMAアクチュエータ1の駆動部材17に劣化等の悪影響を及ぼすことなく、切断を行うことができる。
溶断のために駆動部材17に通電する電流の具体的な値は、各種条件により最適な値が選択されるが、たとえばSMAの線径を数十μmとすると、溶断のための電流としては200mA程度が好適である。要は、不要な部分のSMAが溶断して実質的になくなる電流であれば良く、実質的になくなるとは、例えば、溶断後に固定部13,15または保持部53,55に残る突出部分17aが、他の導電性部分または他方の突出部分17aに触れない長さのことであり、具体的には、不要区間(図1(a)でいえば、固定部13と保持部53の間)の40%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下のことを意味する。
上述した第1の実施の形態によれば、刃物等を用いる物理的な切断方法に比べ、最適な値の電流をSMA線に印加することで瞬時に溶断させることが可能で、切断時間の短縮に好適である。また、SMA線に非接触で切断が行えるために、駆動部材支持部11と架線支持部51との間に刃物等を挿入するためのスペースが不要で、SMAアクチュエータ製造装置2の小型化に好適である。さらに、固定部13および15までのSMA線の大部分を溶断することができるため、発生する切断残りである突起部17aが小さく、切断残りによるショート等の心配が少ない。
なお、上述した第1の実施の形態は、図1(a)および(b)に示したアクチュエータの構成に基づいて説明したが、次に述べる図2(a)および(b)に示した方法に対しても同様に有効である。
図2(a)においては、図1(a)および(b)とは異なり、SMA線17の一端は最初から駆動部材支持部11の一部である固定部15で固定されている。移動部21に設けられた突起部23にU字型に架線されたSMA線17の他端は、駆動部材支持部11の一部である固定部13を介して、SMAアクチュエータ製造装置2に備えられた架線支持部51上の保持部53で保持される(架線工程)。
次に、SMA線17の他端が図の左側に引っ張られて(張力印加工程)、移動部21が所定の位置に調整される。この状態で、SMA線17が駆動部材支持部11上の固定部13で固定される(固定工程)。その後、スイッチ63を閉じると、図1(a)および(b)で説明したように、SMA線17の不要部分が溶断される(切断工程)。
図2(b)において、SMA線17は、例えば上述した特許文献1と同様に、SMA線17を加熱して移動部21のSMA線と接する部分を溶融し、SMA線17を食い込ませることで、一端が移動部21に固定される。SMA線17の他端は、駆動部材支持部11上の固定部13を介して架線支持部51上の保持部53で保持される(架線工程)。次に、SMA線17の他端が図の左側に引っ張られて(張力印加工程)、移動部21が所定の位置に調整される。この状態で、SMA線17が駆動部材支持部11上の固定部13で固定される(固定工程)。その後、スイッチ63を閉じると、図1(a)および(b)で説明したように、SMA線17の不要部分が溶断される(切断工程)。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、SMAアクチュエータの製造装置2の切断部60の第2の実施の形態を示す模式図で、図3(a)は配線65のみに溶断用電極を持つ場合、図3(b)は配線65および67の両方に溶断用電極を持つ場合を示す模式図である。
図3(a)において、切断部60は、固定部13および15を電極として兼用するのではなく、配線65側に駆動部材17の溶断される部分19に接触させて使用する溶断用電極65aを有している。切断は、溶断用電極65aを移動させて、2つの溶断させる部分19に交互に接触させることにより、溶断用電極65aと架線支持部51上の保持部53および55との間に溶断用の電流を印加することにより行う。これによって、駆動部材支持部11上の固定部13または15側の任意の位置で駆動部材17を溶断することができる。また、固定部13および15の材質が樹脂等の導電性でない場合や、物理的に切断部60と固定部13および15との電気的接触がとれず、固定部13および15が電極として使用できない場合等においても切断が行える。
図3(b)において、切断部60は、図3(a)に加えて、配線67の側にも駆動部材17の溶断される部分19に接触させて使用する溶断用電極67aを有し、溶断用電極65aと67aとの間に溶断用の電流を印加する。従って、溶断用電極65aおよび67aを移動させることにより、駆動部材支持部11と架線支持部51との間の任意の位置で駆動部材17を溶断することができる。また、固定部13および15や保持部53および55が電極として使用できない場合等においても切断が行える。
なお、上述した第2の実施の形態についても、第1の実施の形態と同様に、図1(a)および(b)に示したアクチュエータの構成に基づいて説明したが、図2(a)および(b)に示した構成に対しても同様に有効である。
次に、固定部13および15での駆動部材17の固定方法の例について、図4を用いて説明する。図4は、上述した第1および第2の実施の形態に好適な駆動部材17の固定方法の例を示す模式図で、図4(a)および(b)はカシメによる固定方法を、図4(c)および(d)は圧入による固定方法を示す。
図4(a)および(b)において、金属の平板13上に駆動部材17を載せ、平板13の一端13aを他端13b側に折り曲げ、13aの裏面側から13b方向に圧力をかけることで、駆動部材17を巻き込んで、カシメ固定する。この方法によれば、固定が安定に行えるので、固定方法として好適である。
もちろん、図4(c)および(d)に示したように、駆動部材17を、圧入ピン13jで圧入固定部材13kの圧入穴13hに圧入することで固定しても構わない。
以上に述べたように、本発明によれば、移動部と駆動部材支持部との間にSMAからなる駆動部材を架線した後に、駆動部材の不要部分に電流を印加して溶断するので、SMAの切断残りである突出部を小さくすることができる。また、溶断を用いることで、切断用の刃物の耐久性を考慮する必要も、切断用の刃物を挿入するためのスペースの必要もなく、SMAアクチュエータの製造装置の小型化にも適する。これによって、SMAの架線方法、SMAアクチュエータの製造方法、SMAアクチュエータ、およびSMAアクチュエータの製造装置を提供することができる。
尚、本発明に係るSMAの架線方法、SMAアクチュエータの製造方法、SMAアクチュエータ、およびSMAアクチュエータの製造装置を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
SMAアクチュエータの製造装置の切断部の第1の実施の形態を示す模式図(1/2)である。 SMAアクチュエータの製造装置の切断部の第1の実施の形態を示す模式図(2/2)である。 SMAアクチュエータの製造装置の切断部の第2の実施の形態を示す模式図である。 第1および第2の実施の形態に好適な駆動部材の固定方法の例を示す模式図である。 従来技術によるSMAアクチュエータの基本的な構成と動作を示す模式図である。
符号の説明
1 SMA(形状記憶合金)アクチュエータ
2 SMAアクチュエータ製造装置
11 駆動部材支持部
13 固定部
15 固定部
17 駆動部材
21 移動部
23 突起部
31 付勢部材
33 付勢部材固定部
51 架線支持部
53 保持部
55 保持部
57 刃物
60 切断部
61 電流源
63 スイッチ
65 配線
65a 溶断用電極
67 配線
67a 溶断用電極

Claims (8)

  1. 移動部を移動させるための駆動部材として用いる形状記憶合金の架線方法において、
    前記形状記憶合金を、駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
    前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
    前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを備えたことを特徴とする形状記憶合金の架線方法。
  2. 前記固定工程は、
    前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金の架線方法。
  3. 被駆動物を搭載、または被駆動物と係合して被駆動物を移動させる移動部と、
    前記移動部を張力で付勢する付勢部と、
    前記移動部を挟んで前記付勢部と対向する位置に配置された駆動部材支持部と、
    一方が前記移動部と係合し、他方が前記駆動部材支持部に固定され、通電することにより発熱して、前記付勢部の付勢力に抗して前記移動部を移動させる形状記憶合金からなる駆動部材とを備えた形状記憶合金アクチュエータの製造方法において、
    前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
    前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
    前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを備えたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータの製造方法。
  4. 前記固定工程は、
    前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする請求項3に記載の形状記憶合金アクチュエータの製造方法。
  5. 被駆動物を搭載、または被駆動物と係合して該被駆動物を移動させる移動部と、
    前記移動部を張力で付勢する付勢部と、
    前記移動部を挟んで前記付勢部と対向する位置に配置された駆動部材支持部と、
    一方が前記移動部と係合し、他方が前記駆動部材支持部に固定され、通電することにより発熱して、前記付勢部の付勢力に抗して前記移動部を移動させる形状記憶合金からなる駆動部材とを備え、
    前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
    前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
    前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを含む製造方法によって製造されることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  6. 前記固定工程は、
    前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする請求項5に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  7. 被駆動物を搭載、または被駆動物と係合して被駆動物を移動させる移動部と、
    前記移動部を張力で付勢する付勢部と、
    前記移動部を挟んで前記付勢部と対向する位置に配置された駆動部材支持部と、
    一方が前記移動部と係合し、他方が前記駆動部材支持部に固定され、通電することにより発熱して、前記付勢部の付勢力に抗して前記移動部を移動させる形状記憶合金からなる駆動部材とを備え、
    前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と架線支持部との間に架線する架線工程と、
    前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する固定工程と、
    前記形状記憶合金の、前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された部分に通電することにより、前記形状記憶合金を融点以上に加熱して溶断する切断工程とを含む製造方法によって製造される形状記憶合金アクチュエータの製造装置において、
    前記形状記憶合金を、前記駆動部材支持部を介して前記移動部と前記架線支持部との間に架線する架線部と、
    前記駆動部材支持部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金を通電により融点以上に加熱して溶断する切断部とを備えたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータの製造装置。
  8. 前記固定工程は、
    前記移動部と前記架線支持部との間に架線された前記形状記憶合金に、前記移動部を前記駆動部材支持部の側に引っ張るように張力を加えた状態で、前記形状記憶合金を前記駆動部材支持部に固定する工程であることを特徴とする請求項7に記載の形状記憶合金アクチュエータの製造装置。
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