JP2006337533A - 駆動装置の製造方法、及び駆動装置 - Google Patents

駆動装置の製造方法、及び駆動装置 Download PDF

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浩二 濱口
Junichi Tanii
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Abstract

【課題】駆動装置の大型化を招くことなく、駆動対象物の位置の調整を容易に行うことができる技術を提供する。
【解決手段】駆動対象物に位置調整部である転回部を配置しておき、形状記憶合金(SMA)を位置調整部である転回部に引っ掛けつつ架設する。そして、転回部のうちのSMAが引っ掛けられる部分と接するSMAを加熱することで、間接的に転回部のうちのSMAが引っ掛けられる部分を溶融して、SMAを食い込ませることで、SMAが架設される経路を変更する。その結果、駆動装置100における駆動対象物5の位置が調整される。
【選択図】図5

Description

本発明は、形状記憶合金をアクチュエータとして使用する駆動装置に関する。
形状記憶合金(SMA)の伸縮を利用して駆動対象物を駆動させる駆動装置が知られている。
そして、この駆動装置を製造する際には、SMAを架設した初期状態を検査するが、架設時の張力調整のばらつきや、SMAの固定状態に起因する張力変動等により、駆動装置内における駆動対象物の初期位置にばらつきが生じるといった問題点があった。
この問題に対して、駆動対象物の初期位置を調整するために、調整機構を設けた駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
特開平10−160997号公報
しかしながら、SMAを用いた駆動装置については、小型化が指向されているため、上記特許文献1で提案されている調整機構を駆動装置に設置することが難しく、そのような小型の調整機構では、初期位置の調整自体も困難となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、駆動装置の大型化を招くことなく、駆動対象物の位置の調整を容易に行うことができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、第1及び第2の固定部と、駆動対象物と、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設された形状記憶合金と、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されて前記形状記憶合金に対し前記駆動対象物を介して力を与える力付与部と、を備える駆動装置の製造方法であって、(a)1以上の位置調整部を配置する工程と、(b)前記1以上の位置調整部に対して前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方を引っ掛けつつ前記第1の固定部と前記第2の固定部との間に架設する工程と、(c)加熱手段による前記1以上の位置調整部に対する加熱により、前記1以上の位置調整部のうち前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方が引っ掛けられる部分を溶融して、前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程とを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の駆動装置の製造方法であって、前記1以上の位置調整部の融点が、前記形状記憶合金の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつ前記形状記憶合金の形状記憶温度よりも低い温度であり、前記(c)工程が、前記融点よりも高く、かつ前記形状記憶温度よりも低い温度で、前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(a)工程が、前記1以上の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置する工程を有し、前記(b)工程が、前記形状記憶合金を、前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程を有することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(a)工程が、前記1以上の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置する工程を有し、前記(b)工程が、前記力付与部を、前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程を有することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2に記載の駆動装置の製造方法であって、前記1以上の位置調整部が、1以上の第1の位置調整部と1以上の第2の位置調整部とを含み、前記(a)工程が、前記1以上の第1の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置するとともに、前記1以上の第2の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置する工程を有し、前記(b)工程が、前記形状記憶合金を、前記1以上の第1の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程と、前記力付与部を、前記1以上の第2の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程とを有することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記1以上の位置調整部が、熱可塑性の樹脂によって構成されていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記加熱手段から射出されるレーザーによって前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記加熱手段から射出される熱線によって前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項3または請求項5に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記形状記憶合金に対して電流を印加し、当該形状記憶合金の温度を上昇させることで、前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記加熱手段から送出される熱風によって前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記(b)工程が、前記第1の固定部に対して、前記形状記憶合金を、かしめによって取り付ける工程を有することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記(b)工程が、前記第1の固定部に対して、前記形状記憶合金を、圧入によって取り付ける工程を有することを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を測定しつつ、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする。
また、請求項14の発明は、請求項13に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記形状記憶合金に対して所定の電流を印加した後に、前記画像に基づいて前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を測定する工程を有することを特徴とする。
また、請求項15の発明は、請求項1から請求項14のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記力付与部が、バネであることを特徴とする。
また、請求項16の発明は、請求項1から請求項14のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、前記力付与部が、形状記憶合金を含み、前記駆動装置が、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第1の形状記憶合金、および前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第2の形状記憶合金の伸縮により、前記駆動装置における前記駆動対象物の相対的な位置を変更することを特徴とする。
また、請求項17の発明は、請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記第1の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第2の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第2の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする。
また、請求項18の発明は、請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記第2の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第1の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第1の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする。
また、請求項19の発明は、請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記第1及び第2の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第2の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第2の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする。
また、請求項20の発明は、請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、前記(c)工程が、前記第1及び第2の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第1の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第1の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする。
また、請求項21の発明は、請求項1に記載の駆動装置の製造方法であって、前記1以上の位置調整部が、前記形状記憶合金または前記力付与部が引っ掛けられている領域のうちの先端部と、当該先端部以外の前記形状記憶合金または前記力付与部と接する接触部とを有し、前記(c)工程が、前記先端部を溶融することによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を粗く調整する工程と、前記接触部を溶融することによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を細かく調整する工程とを有することを特徴とする。
また、請求項22の発明は、駆動装置であって、第1の固定部と、駆動対象物と、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設される形状記憶合金と、第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されて前記形状記憶合金に対して前記駆動対象物を介して力を与える力付与部と、前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方が引っ掛けられている1以上の位置調整部とを備え、前記1以上の位置調整部の融点が、前記形状記憶合金の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつ前記形状記憶合金の形状記憶温度よりも低い温度であることを特徴とする。
また、請求項23の発明は、請求項22に記載の駆動装置であって、前記1以上の位置調整部が、前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、前記形状記憶合金が、前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設されていることを特徴とする。
また、請求項24の発明は、請求項22に記載の駆動装置であって、前記1以上の位置調整部が、前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、前記力付与部が、前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されていることを特徴とする。
また、請求項25の発明は、請求項22に記載の駆動装置であって、前記1以上の位置調整部が、1以上の第1の位置調整部と1以上の第2の位置調整部とを含み、前記1以上の第1の位置調整部が、前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、前記1以上の第2の位置調整部が、前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、前記形状記憶合金が、前記1以上の第1の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設され、前記力付与部が、前記1以上の第2の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されていることを特徴とする。
また、請求項26の発明は、請求項22から請求項25のいずれかに記載の駆動装置であって、前記1以上の位置調整部が、熱可塑性の樹脂によって構成されていることを特徴とする。
また、請求項27の発明は、請求項22から請求項26のいずれかに記載の駆動装置であって、前記形状記憶合金が、前記第1の固定部に対して、かしめによって取り付けられていることを特徴とする。
また、請求項28の発明は、請求項22から請求項26のいずれかに記載の駆動装置であって、前記形状記憶合金が、前記第1の固定部に対して、圧入によって取り付けられていることを特徴とする。
また、請求項29の発明は、請求項22から請求項28のいずれかに記載の駆動装置であって、前記力付与部が、バネであることを特徴とする。
また、請求項30の発明は、請求項22から請求項29のいずれかに記載の駆動装置であって、前記力付与部が、形状記憶合金を含み、前記駆動装置が、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第1の形状記憶合金、および前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第2の形状記憶合金の伸縮により、前記駆動装置における前記駆動対象物の相対的な位置を変更することを特徴とする。
また、請求項31の発明は、請求項22に記載の駆動装置であって、前記1以上の位置調整部が、前記形状記憶合金または前記力付与部が引っ掛けられている領域のうちの先端部と、当該先端部以外の前記形状記憶合金または前記力付与部と接する接触部とを有し、前記先端部が、溶融されることによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置が粗く調整され、前記接触部が、溶融されることによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置が細かく調整されることを特徴とする。
請求項1から請求項21のいずれかに記載の発明によっても、1以上の位置調整部を配置しておき、形状記憶合金および力付与部のうちの少なくとも一方を位置調整部に引っ掛けつつ架設し、位置調整部のうちの形状記憶合金および力付与部の少なくとも一方が引っ掛けられる部分を溶融して、形状記憶合金および力付与部のうちの少なくとも一方が架設される経路を変更することで、駆動装置における駆動対象物の位置を調整するような構成により、駆動装置の大型化を招くことなく、駆動対象物の位置の調整を容易に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、位置調整部の融点が、形状記憶合金の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつ形状記憶合金の形状記憶温度よりも低い温度であり、位置調整部を溶融させる際に上記融点よりも高くかつ上記形状記憶温度よりも低い温度で加熱するような構成により、形状記憶合金の伸縮によって駆動対象物を駆動させる際に位置調整部が溶融することがないために駆動対象物の位置がずれることがなく、位置調整部を溶融させる温度が比較的低いために形状記憶合金の性能の劣化を抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、形状記憶合金側および力付与部側の双方に位置調整部を設けることで、形状記憶合金側および力付与部側の両方向への駆動対象物のずれを調整することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、位置調整部が熱可塑性の樹脂によって構成されているため、位置調整部を容易に提供することができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、レーザーによって位置調整部を加熱するような構成により、局部的に位置調整部を溶融させることができるため、高精度の駆動対象物の位置の調整を実現することができるとともに、形状記憶合金の性能の劣化を極力抑制することができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、熱線によって位置調整部を加熱するような構成により、狭い範囲の加熱によって位置調整部を溶融させることができるため、的確な駆動対象物の位置の調整を実現することができるとともに、形状記憶合金の性能の劣化を抑制することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、電流印加による形状記憶合金の温度上昇によって位置調整部を加熱するような構成により、駆動対象物の位置の調整を高精度に行うことができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、熱風によって位置調整部を加熱するような構成により、ある程度絞られた範囲の加熱によって位置調整部を溶融させることができるため、駆動対象物の位置の調整を行う際に、形状記憶合金の性能の劣化を抑制することができる。
また、請求項11に記載の発明によれば、かしめによって形状記憶合金を固定することで、高精度に形状記憶合金を固定することができる。
また、請求項12に記載の発明によれば、圧入によって形状記憶合金を固定することで、高精度に形状記憶合金を固定することができる。
また、請求項13に記載の発明によれば、駆動装置における駆動対象物の位置を測定しつつ、駆動装置における駆動対象物の位置を調整するような構成により、例えば、駆動対象物の多方向へのずれ量を把握しつつ駆動対象物の位置調整を行うことができるため、駆動対象物の位置調整を高精度で行うことができる。
また、請求項14に記載の発明によれば、形状記憶合金に対して所定の電流を印加した後に、画像に基づいて駆動装置における駆動対象物の位置を測定するようにすることで、例えば、組み込み時の弾性変形の影響を形状記憶合金から取り除く初期化を行った後に、駆動対象物の位置を測定することができるため、精度良く駆動対象物の位置を調整することができる。
また、請求項15に記載の発明によれば、力付与部がバネによって構成されるため、簡単な構成で駆動装置を構成することができる。
また、請求項16に記載の発明によれば、駆動対象物を2つの形状記憶合金の伸縮によって駆動させるような構成によって、駆動対象物の駆動範囲が比較的長い駆動装置を提供することができる。
また、請求項17および請求項18のいずれに記載の発明によっても、一方の形状記憶合金に電流を印加した状態で、他方の形状記憶合金が引っ掛けられている位置調整部を溶融することで、駆動対象物の位置を調整するような構成により、上記他方の形状記憶合金が位置調整部に与える力が大きくなるため、例えば、短時間で位置調整部に形状記憶合金を食い込ませることができ、その結果、迅速な駆動対象物の位置調整が可能となる。
また、請求項19および請求項20のいずれに記載の発明によっても、双方の形状記憶合金に電流を印加した状態で、一方の形状記憶合金が引っ掛けられている位置調整部を溶融することで、駆動対象物の位置を調整するような構成により、形状記憶合金が溶融する位置調整部に与える力がより大きくなるため、例えば、より短時間で位置調整部に形状記憶合金を食い込ませることができ、その結果、更に迅速な駆動対象物の位置調整が可能となる。
また、請求項21に記載の発明によれば、位置調整部のうち、形状記憶合金または力付与部が引っ掛けられている領域のうちの先端部を溶融することによって駆動対象物を粗く調整するとともに、位置調整部のうち、上記先端部以外であって形状記憶合金または力付与部とが接する接触部を溶融することによって駆動対象物を細かく調整するような構成とすることで、迅速かつ正確に駆動対象物を調整することができる。
また、請求項22から請求項31のいずれに記載の発明によっても、形状記憶合金および力付与部のうちの少なくとも一方が引っ掛けられている位置調整部を備え、位置調整部の融点が、形状記憶合金の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつ形状記憶合金の形状記憶温度よりも低い温度であるような構成とすることにより、位置調整部を適宜溶融させることで、形状記憶合金や力付与部を架設する経路を変更して、駆動対象物の位置を調整することができるため、駆動装置の大型化を招くことなく、駆動対象物の位置の調整を容易に行うことができる。
また、請求項25に記載の発明によれば、請求項5と同様な効果を得ることができる。
また、請求項26に記載の発明によれば、請求項6と同様な効果を得ることができる。
また、請求項27に記載の発明によれば、請求項11と同様な効果を得ることができる。
また、請求項28に記載の発明によれば、請求項12と同様な効果を得ることができる。
また、請求項29に記載の発明によれば、請求項15と同様な効果を得ることができる。
また、請求項30に記載の発明によれば、請求項16と同様な効果を得ることができる。
また、請求項31に記載の発明によれば、請求項21と同様な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
形状記憶合金を用いた駆動装置では、形状記憶合金の組織がマルテンサイトとオーステナイトとの間における相変態により、比較的軟らかい状態と比較的硬い状態との間で性質を異ならせることで駆動を行う。形状記憶合金は、軟らかい弾性係数が比較的小さな状態で張力が掛けられると、全長に対して最大数%の伸びを生じる。この状態で加熱を行って弾性係数を比較的大きな状態にすると形状記憶合金は元の長さに戻るという性質がある。この性質を利用した駆動装置が搭載された撮像装置を図1に示す。
<撮像装置の概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示す断面模式図である。
図1に示すように、撮像装置1は、被写体からの光を撮影レンズユニット2を介して撮像装置本体3に導くことで、被写体に係る撮影画像を得ることができるように構成される。撮影レンズユニット2の光軸L上には、複数の撮影レンズからなるレンズ群が配設される。
また、撮像装置本体3には、手振れに起因する撮像装置1の移動方向及び移動量を検出するジャイロ機構等の手振れ検出部(不図示)が設けられている。そして、この手振れ検出部による検出結果に応じて、駆動対象物5である手振れ補正用の撮影レンズを適宜駆動させることで手振れを補正する駆動装置100が搭載されている。
<駆動装置の構成>
図2は、第1実施形態に係る駆動装置100を示す模式図である。
図2に示すように、駆動装置100は、第1および第2固定部材110,120と、駆動対象物5と、ワイヤ状の形状記憶合金(SMA)130と、弾性力付与部140とを備えている。
駆動対象物5は、例えば、撮影レンズユニット2の本体によって摺動自在に保持される。そして、駆動対象物5では、主な駆動対象物である手振れ補正用レンズに対して円柱状の転回部51が突設されている。転回部51は、後述する駆動装置100の製造過程において、駆動対象物5の初期位置を調整する部材(以下「位置調整部」とも称する)として機能する。
第1および第2固定部材110,120は、撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2に対して駆動装置100を固定するものである。
SMA130は、その一端側が第1固定部材110に対して第1取付部材111により取り付け固定され、その長手方向中央部付近で略半周回されるような態様で転回部51に引っ掛けられ、その他端側が第1固定部材110に対して第2取付部材112によって取り付け固定されている。つまり、SMA130が、第1固定部材110と駆動対象物5との間に架設されている。
なお、第1および第2取付部材111,112として、図3(a)に示すようなかしめ部材111aを用いて、図3(b)に示すように、かしめ部材111aを折り曲げてSMA130を挟み込むことで、かしめにより第1固定部材110に対してSMA130を取り付け固定するようにすれば良い。また、第1および第2取付部材111,112として、図4(a)の断面図に示すような圧入固定部材111bの穴部にSMA130を入れて、図4(b)の断面図に示すような圧入ピン111cで押さえつけて、圧入ピン111cと圧入固定部材111bとの間にSMA130を挟み込むことで、図4(c)の断面図に示すように、圧入により第1固定部材110に対してSMA130を取り付け固定するようにしても良い。このような、かしめや圧入により、高精度にSMA130を固定することができる。
また、SMA130は、形状を記憶するための所定の温度(以下「形状記憶温度」とも称する)において、所望の形状が記憶されているものとする。なお、「形状記憶温度」は、一般的には数百℃であり、製造時記憶を転移させる温度(記憶転移温度)である。
転回部51は、例えば、熱可塑性の樹脂を用いて構成され、その融点が、SMA130の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度(以下「γ変態温度」とも称する)よりも高く、かつSMA130の形状記憶温度よりも低い温度となっている。
また、SMA130は、図示を省略する制御回路による制御下での通電加熱と冷却により、その組織がマルテンサイトとオーステナイトとの間で変態することで、長手方向の長さが伸縮される。なお、SMA130は、所定の温度(形状記憶温度)で所定の形状(すなわち長さ)が記憶されたものであり、通電加熱により、その長さが記憶長さに近づくように形状が変更される。
弾性力付与部140は、例えば、バネ(例えば、コイルスプリング)などの弾性部材を用いて構成される。弾性力付与部140は、その一端側が第2固定部材120に対して取り付け固定され、その他端側が転回部51に対して取付部材52によって取り付け固定されている。そして、弾性力付与部140は、駆動対象物5に対して、SMA130による張力とは略反対側に張力を掛けるように構成される。つまり、弾性力付与部140は、第2固定部材120と駆動対象物5との間に架設されて、SMA130に対し駆動対象物5を介して力を付与する。
ここで、図2(a)〜(c)を参照しつつ、駆動装置100における駆動について説明する。
図2(a)は、SMA130の弾性係数が比較的低い状態であり、SMA130に対して弾性力付与部140から所定の張力が掛かり、SMA130が伸びを生じている状態を示している。
図2(a)の状態で、第1取付部材111から第2取付部材112に掛けてSMA130に電流を印加すると、SMA130は自身の持つ抵抗値によってジュール熱を発生する。そして、発生した熱によりSMA130が相変態を起こし、弾性係数が比較的高い状態になり、記憶された長さの状態(元の状態)に戻ろうとして、長手方向に縮む。このとき、SMA130が縮もうとする力が、駆動対象物5に対して弾性力付与部140が与えている所定の張力に打ち勝ち、駆動対象物5が第1固定部材110の方向(図中左方)に向かって駆動する。図2(b)は、駆動対象物5が第1固定部材110の方向に向かって駆動した後の状態を示している。
また、図2(b)の状態で、SMA130に印加していた電流を取り除くと、SMA130は放熱による冷却によって相変態を起こし、弾性係数が比較的低い状態になり、SMA130に対して弾性力付与部140から所定の張力が掛かり、SMA130が伸びを生じている状態となる。このとき、駆動対象物5が第2固定部材120の方向に向かって駆動する。図2(c)は、駆動対象物5が第2固定部材120の方向に向かって駆動した後の状態を示している。なお、図2(a)の状態と図2(c)の状態とは等価な状態である。
このようにして、加熱冷却によるSMA130の伸縮により、駆動対象物5が図2中の左右へ駆動する動作を適宜繰り返すことで、駆動装置としての機能を果たす。
<駆動装置の製造方法>
図5は、駆動装置100の製造方法の手順を例示するフローチャートであり、図6および図7は、駆動装置100の製造方法の一手順を例示する図である。
以下、図6および図7を参照しつつ、図5に示す駆動装置100の製造方法の手順(ステップS1〜S5)について説明する。なお、図6(b),(c)および図7(a)〜(c)には、駆動対象物5のずれを分かり易くするために、基準となる位置に破線を付している。
まず、ステップS1では、図6(a)に示すように、転回部51が突設された駆動対象物5に対して、弾性力付与部140の一端が取付部材52によって取り付け固定されたものを準備する。
ステップS2では、図6(b)に示すように、例えば、撮影レンズユニット2の本体に対して装着された固定用部材(ストッパー)STに対して駆動対象物5を固定する。ここでは、駆動対象物5に位置調整部に相当する転回部51が突設されているため、位置調整部が配置されていることになる。また、このとき、弾性力付与部140のうちの駆動対象物5側とは反対側の端部を第2固定部材120に固定することで、弾性力付与部140を駆動対象物5と第2固定部材120との間に架設された状態とする。なお、ここでは、ストッパーSTは、撮影レンズユニット2の本体に対して着脱自在な構成となっているものとする。
ステップS3では、図6(c)に示すように、第1固定部材110と駆動対象物5との間にSMA130を架設する。具体的には、以下の工程を行う。
まず、SMA130の一端を取付部材111によって第1固定部材110に対して取り付ける。そして、駆動対象物5に突設された転回部51に対して略半周回すように、SMA130を引っ掛けつつ、既定の張力をSMA130に掛けた状態で、SMA130の他端を取付部材112によって第1固定部材110に対して取り付ける。
その結果、SMA130が転回部51に対して張力が掛けられた状態で架設され、SMA130が第1固定部材110と第2固定部材120との間に架設された状態となる。
なお、ここで言う「既定の張力」とは、設計上、ストッパーSTを取り除いた際に、駆動対象物5が、本来来るべき位置(以下「基準初期位置」とも称する)から、第1固定部材110側(図中左方)に若干ずれるような張力とされているものとする。
ステップS4では、図7(a)に示すように、ストッパーSTを取り除き、SMA130に対して所定の電流を印加した後に、カメラCMによって駆動対象物5の基準初期位置からのずれ方向およびずれ量を測定する。
ここでは、図7(a)に示すように、ストッパーSTを取り除くと、SMA130の張力により、駆動対象物5が基準初期位置(破線)から図中左方にずれる。このように基準初期位置から駆動対象物5の初期位置がずれると、駆動装置100においては、駆動対象物5が駆動するストロークに偏りが生じ、駆動性能に悪影響が生じる。このため、ずれた駆動対象物5の位置を調整する必要性がある。
また、ステップS3においてSMA130を架設する際にはSMA130に過度の弾性変形を生じている虞があるため、ここでは、SMA130に対して所定の電流を印加することで、一旦SMA130の弾性係数を高めてから、駆動対象物5の基準初期位置からのずれ方向およびずれ量を測定する。
そして、ずれ方向およびずれ量の測定は、カメラCMによって駆動対象物5を撮影して得られる画像において、画像処理によって駆動対象物5の位置を検出して、駆動対象物5の基準初期位置からのずれ方向及びずれ量を検出することで実現することができる。
ステップS5では、位置調整部として機能する転回部51を加熱によって溶融させることで、駆動対象物5の初期位置を調整する。
具体的には、図7(b)に示すように、加熱手段として機能する半導体レーザー装置500から、転回部51のうちのSMA130が引っ掛けられる部分を目掛けてレーザー光線LBを射出することで、SMA130を加熱する。そして、SMA130を、γ変態温度よりも高くかつ形状記憶温度よりも低い温度に加熱して、転回部51の融点を超えると、SMA130と転回部51とが接する部分(すなわち、転回部51のうちSMA130が引っ掛けられている部分)が溶融する。図7(c)に示すように、転回部51のうちのSMA130と接する部分が溶融すると、SMA130に掛けられた張力により、SMA130が転回部51に食い込み、SMA130が架設される経路(架設経路)が変更される。
図8は、図7(c)のうちのSMA130と転回部51とに着目した図である。ここでは、転回部51のうち、SMA130と接する部分が順次溶融していくことで、図7(c)及び図8に示すように、SMA130と弾性力付与部140との張力が釣り合うように駆動対象物5が第2固定部材120側(図中右方)に移動する。このとき、駆動対象物5の位置が基準初期位置まで移動するように、カメラCMを用いた画像に基づいて適宜調整して、SMA130の架設経路を変更することで、駆動装置100における駆動対象物5の位置を基準初期位置まで移動させることができる。
なお、画像に基づいた調整については、画像から検出される駆動対象物5の位置に応じて、レーザー光線の出力が自動で調整されるようにしても良いし、オペレータが駆動対象物5の位置を見つつ、手動でレーザー光線の出力を調整しても良い。
また、ここでは、SMA130に対して所定の電流を印加して、SMA130の弾性係数を高めた状態、すなわち、SMA130から転回部51に対して高い張力を掛けた状態で、ずれの方向及び量を見つつ、駆動対象物5の位置を調整する。
更に、ここでは、レーザー光線によって、SMA130のうちの転回部51と接する部分を加熱することで、転回部51を間接的に加熱して溶融させる。このとき、レーザー光線によって加熱されるSMA130の領域は、狭い領域であり、SMA130の全体の一部にしか過ぎないため、SMA130の性能の劣化を極力抑制できる。また、部分加熱で良いため、短時間での加熱による調整が可能であり、生産性が良い。更に、SMA130を熱して、間接的に転回部51を加熱して溶融させて、転回部51に樹脂を食い込ませるようにした方が、樹脂の溶け方が好ましく、SMA130によって引っ張る方向がずれないで済む。
なお、ここでは、SMA130に対して所定の電流を一旦印加した後に、当該所定の電流の印加を解除して、駆動対象物5のずれの方向及び量を検出してから、ずれの方向及び量に応じた出力のレーザーによって転回部51を加熱して溶融させるようにしても良い。
以上のように、第1実施形態では、1以上の位置調整部を配置しておき、SMA130を位置調整部である転回部51に引っ掛けつつ架設する。そして、転回部51のうちのSMA130が引っ掛けられる部分を溶融して、SMA130が架設される経路を変更することで、駆動装置100における駆動対象物5の位置を調整する。このような構成により、駆動装置100の大型化を招くことなく、駆動対象物5の位置の調整を容易に行うことができる。
また、位置調整部である転回部51の融点が、SMA130の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつSMA130の形状記憶温度よりも低い温度である。そして、転回部51を溶融させる際には、上記融点よりも高くかつ上記形状記憶温度よりも低い温度で加熱する。このような構成により、SMA130の伸縮によって駆動対象物5を駆動させる際に転回部51が溶融することがない。このため、駆動装置100を組み上げた後に、駆動対象物5の位置がずれることがない。また、転回部51を溶融させる温度が比較的低いためにSMA130の性能の劣化を抑制することができる。
また、位置調整部である転回部51が熱可塑性の樹脂によって構成されている。このため、位置調整部である転回部51を容易に提供することができる。
また、レーザーによって位置調整部である転回部51を加熱する。このような構成により、局部的に位置調整部である転回部51を溶融させることができる。このため、高精度の駆動対象物の位置の調整を実現することができるとともに、SMA130の性能の劣化を極力抑制することができる。
また、カメラCMを用いて駆動対象物5を撮影した画像に基づいて駆動装置100における駆動対象物5の位置を測定しつつ、駆動装置100における駆動対象物5の位置を調整する。このような構成により、駆動対象物5の多方向へのずれ量を把握しつつ駆動対象物5の位置調整を行うことができる。このため、駆動対象物5の位置調整を高精度で行うことができる。
また、SMA130に対して所定の電流を印加した後に、画像に基づいて駆動装置100における駆動対象物5の位置を測定する。このような構成により、例えば、組み込み時の弾性変形の影響をSMA130から取り除く初期化を行った後に、駆動対象物5の位置を測定することができる。このため、精度良く駆動対象物5の位置を調整することができる。
また、弾性力付与部140がバネによって構成されるため、簡単な構成で駆動装置100を構成することができる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態に係る駆動装置100では、転回部51が位置調整部として構成された。これに対して、第2実施形態に係る駆動装置100Aでは、SMA130を取り付け固定する第1固定部材110Aに樹脂製の位置調整部53が設置されている。
図9は、第2実施形態に係る駆動装置100Aの概略構成を示す模式図である。なお、第2実施形態に係る駆動装置100Aは、第1実施形態に係る駆動装置100と同様な部分が多いため、同様な部分については同様な符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、駆動装置100Aでは、第1固定部材110Aに断面が略楕円形の柱状の樹脂製の位置調整部53が配置される。
そして、駆動装置100Aを製造する際には、第1固定部材110A上に位置調整部53を配置し、続いて、位置調整部53を挟み込むように、位置調整部53に対してSMA130を引っ掛けつつ、第1固定部材110Aと駆動対象物5との間に架設する。その後、SMA130を加熱することで、間接的に位置調整部53を加熱して溶融させてSMA130を適宜食い込ませつつ、SMA130の架設経路を適宜変更して、駆動対象物5の初期位置を調整する。このような手順で、駆動装置100Aが製造される。
そして、第2実施形態に係る駆動装置100A及び駆動装置100Aの製造方法によっても、第1実施形態に係る駆動装置100及び駆動装置100の製造方法と同様な効果を得ることができる。
なお、駆動装置100Aでは、位置調整部53のうちの取付部材111近傍のSMA130と接する領域と、位置調整部53のうちの第2取付部材112近傍のSMA130と接する領域とを適宜溶融させることができる。このような溶融により、図9中の上下方向へのずれ(すなわち、SMA130による引張方向に対して斜め方向へのずれ)も調整することができる。
<第3実施形態>
上述した第2実施形態に係る駆動装置100Aでは、第1固定部材110Aに位置調整部53が配置された。これに対して、第3実施形態に係る駆動装置100Bでは、第1固定部材110Bと駆動対象物5との間の領域に樹脂製の位置調整部54が設置されている。
図10は、第3実施形態に係る駆動装置100Bの概略構成を示す模式図である。なお、第3実施形態に係る駆動装置100Bは、第2実施形態に係る駆動装置100Aと同様な部分が多いため、同様な部分については同様な符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、駆動装置100Bでは、第1固定部材110Bと駆動対象物5との間の領域に断面が略楕円形の柱状の樹脂製の位置調整部54が配置される。なお、位置調整部54は、図示を省略する撮影レンズユニットの本体部などに固定される。
そして、駆動装置100Bを製造する際には、第1固定部材110Bと駆動対象物5との間の領域に位置調整部54を配置し、続いて、位置調整部54を挟み込むように、位置調整部54に対してSMA130を引っ掛けつつ、第1固定部材110Bと駆動対象物5との間に架設する。その後、SMA130を加熱することで、間接的に位置調整部54を加熱し溶融させてSMA130を適宜食い込ませつつ、SMA130の架設経路を適宜変更して駆動対象物5の初期位置を調整する。このような手順で、駆動装置100Bが製造される。
そして、第3実施形態に係る駆動装置100B及び駆動装置100Bの製造方法によっても、第1実施形態に係る駆動装置100及び駆動装置100の製造方法と同様な効果を得ることができる。
<第4実施形態>
上述した第1実施形態に係る駆動装置100では、転回部51が位置調整部として構成された。これに対して、第4実施形態に係る駆動装置100Cでは、樹脂製の位置調整部55が、駆動対象物5のうちの転回部51と第2固定部材120との間に配置されている。
図11は、第4実施形態に係る駆動装置100Cの概略構成を示す模式図である。なお、第4実施形態に係る駆動装置100Cは、第1実施形態に係る駆動装置100と同様な部分が多いため、同様な部分については同様な符号を付して説明を省略する。
図11(a)に示すように、駆動装置100Cでは、駆動対象物5上のうちの転回部51と第2固定部材120との間に、略円柱状の樹脂製の位置調整部55が配置されている。また、弾性力付与部140は、バネ等で構成される本体部140b、本体部140bと転回部51とを繋ぐ第1ワイヤ部140a、及び本体部140bと第2固定部材120とを繋ぐ第2ワイヤ部140cを備えて構成される。
そして、駆動装置100Cを製造する際には、まず、図11(a)に示すように、駆動対象物5上であって、転回部51と第2固定部材120との間に位置調整部55を配置し、続いて、位置調整部55に対して弾性力付与部140の第1ワイヤ部140aを引っ掛けつつ、第2固定部材120と駆動対象物5との間に架設する。このとき、既定の張力が、弾性力付与部140に掛かるように調整される。なお、ここで言う「既定の張力」とは、設計上、ストッパーSTを取り除いた際に、駆動対象物5が、本来来るべき位置(基準初期位置)から、第2固定部材120側(図中右方)に若干ずれるような張力とされているものとする。
その後、図11(b)に示すように、第1ワイヤ部140aのうちの位置調整部55に引っ掛けられている部分を加熱手段である半導体レーザー装置500から射出されるレーザー光線LBで加熱することで、間接的に位置調整部55を加熱する。
そして、図11(c)に示すように、加熱・溶融された位置調整部55に対して、第1ワイヤ部140aを食い込ませつつ、第1ワイヤ部140aの架設経路を適宜変更して、駆動対象物5の初期位置を調整することで、駆動装置100Cが製造される。
そして、第4実施形態に係る駆動装置100C及び駆動装置100Cの製造方法によっても、第1実施形態に係る駆動装置100及び駆動装置100の製造方法と同様な効果を得ることができる。
<第5実施形態>
上述した第4実施形態に係る駆動装置100Cでは、位置調整部55が、駆動対象物5のうちの転回部51と第2固定部材120との間に配置されていた。これに対して、第5実施形態に係る駆動装置100Dでは、樹脂製の位置調整部56が、駆動対象物5と第2固定部材120との間に配置されている。
図12は、第5実施形態に係る駆動装置100Dの概略構成を示す模式図である。なお、第5実施形態に係る駆動装置100Dは、第4実施形態に係る駆動装置100Cと同様な部分が多いため、同様な部分については同様な符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、駆動装置100Dでは、駆動対象物5と第2固定部材120との間に、略円柱状の樹脂製の位置調整部56が配置されている。なお、位置調整部56は、図示を省略する撮影レンズユニットの本体部などに固定される。
そして、駆動装置100Dを製造する際には、まず、駆動対象物5と第2固定部材120との間に位置調整部56を配置し、続いて、位置調整部56に対して弾性力付与部140の第1ワイヤ部140aを引っ掛けつつ第2固定部材120と駆動対象物5との間に架設する。その後、第1ワイヤ部140aのうちの位置調整部56に引っ掛けられている部分を加熱手段である半導体レーザー装置から射出されるレーザー光線で加熱することで、間接的に位置調整部56を加熱する。そして、加熱・溶融された位置調整部56に対して、第1ワイヤ部140aを食い込ませつつ、第1ワイヤ部140aの架設経路を適宜変更して、駆動対象物5の初期位置を調整することで、駆動装置100Dが製造される。
そして、第5実施形態に係る駆動装置100D及び駆動装置100Dの製造方法によっても、第1実施形態に係る駆動装置100及び駆動装置100の製造方法と同様な効果を得ることができる。
<第6実施形態>
上述した第4実施形態に係る駆動装置100Cでは、位置調整部55が、駆動対象物5のうちの転回部51と第2固定部材120との間に配置されていた。これに対して、第6実施形態に係る駆動装置100Eでは、樹脂製の位置調整部57が、第2固定部材120Eに配置されている。
図13は、第6実施形態に係る駆動装置100Eの概略構成を示す模式図である。なお、第6実施形態に係る駆動装置100Eは、第4実施形態に係る駆動装置100Cと同様な部分が多いため、同様な部分については同様な符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、駆動装置100Eでは、第2固定部材120E上に、略円柱状の樹脂製の位置調整部57が配置されている。
そして、駆動装置100Eを製造する際には、まず、第2固定部材120E上に位置調整部57を配置し、続いて、位置調整部57に対して弾性力付与部140の第2ワイヤ部140cを引っ掛けつつ第2固定部材120Eと駆動対象物5との間に架設する。その後、第2ワイヤ部140cのうちの位置調整部57に引っ掛けられている部分を加熱手段である半導体レーザー装置から射出されるレーザー光線で加熱することで、間接的に位置調整部57を加熱する。そして、加熱・溶融された位置調整部57に対して、第2ワイヤ部140cを食い込ませつつ、第2ワイヤ部140cの架設経路を適宜変更して、駆動対象物5の初期位置を調整することで、駆動装置100Eが製造される。
そして、第6実施形態に係る駆動装置100E及び駆動装置100Eの製造方法によっても、第1実施形態に係る駆動装置100及び駆動装置100の製造方法と同様な効果を得ることができる。
<第7実施形態>
上述した第4実施形態では、位置調整部55を溶融させることで駆動対象物5の初期位置を調整した。これに対して、第7実施形態では、駆動装置100Fの構成が、駆動装置100Cと同様であるが、位置調整部である転回部51と位置調整部55とを適宜溶融させることで駆動対象物5の初期位置を調整する。
上述した第1から第6実施形態では、ストッパーSTを取り除いた際に、駆動対象物5が、本来来るべき位置(基準初期位置)から、第1固定部材110側(図中左方)または第2固定部材120側(図中右方)に若干ずれるように設定されていた。但し、このような設定は、ずれ量の増大を招く可能性が高いため、ストッパーSTを取り除いた際に、基準初期位置付近に駆動対象物5が来るように設定する方が好ましい。しかし、このような設定では、ストッパーSTを取り除いた際に、第1固定部材110側(図中左方)に駆動対象物5がずれるのか、第2固定部材120側(図中右方)にずれるのかが分からない。
そこで、第7実施形態では、ストッパーSTを取り除いた際に、第1固定部材110側(図中左方)に駆動対象物5がずれていれば、半導体レーザー装置500から射出されるレーザー光線LBによってSMA130を加熱することで、SMA130と接する転回部51の一部を溶融させて、SMA130を転回部51に適宜食い込ませることで、駆動対象物5の初期位置を基準初期位置まで移動させる。一方、ストッパーSTを取り除いた際に、第2固定部材120側(図中右方)に駆動対象物5がずれていれば、半導体レーザー装置500から射出されるレーザー光線LBによって弾性力付与部140を加熱する。そして、当該加熱により弾性力付与部140と接する位置調整部55の一部を溶融させて、弾性力付与部140を位置調整部55に適宜食い込ませることで、SMA130の引張力を駆動対象物5が受けて駆動対象物5の初期位置を基準初期位置まで移動させる。
以上のように、第7実施形態では、SMA130側および弾性力付与部140側の双方に位置調整部を設けることで、SMA130および弾性力付与部140側の両方向へのずれを調整することができる。
なお、本明細書では、複数の位置調整部の集合および単数の位置調整部を包含する意味で「位置調整部群」という文言を使用する。
<第8実施形態>
上述した実施形態では、一本のSMA130による張力と弾性力付与部140による張力との大小関係を適宜制御することで駆動対象物5を駆動させる駆動装置100,100A〜100Fを対象とした。これに対して、第8実施形態に係る駆動装置100Gは、弾性力付与部140としてSMA131が用いられて、2本のSMA130,131の伸縮を利用して駆動対象物5Gを駆動させる所謂プッシュプルタイプの駆動装置となっている。
<駆動装置の構成>
図15は、2本のSMA130,131の伸縮を利用して駆動対象物5Gを駆動させる所謂プッシュプルタイプの駆動装置100Gの概略を示す図である。なお、第8実施形態に係る駆動装置100Gは、第1実施形態に係る駆動装置100と同様な部分が多いため、同様な部分については同様な符号を付して適宜説明を省略する。以下では、第8実施形態に係る駆動装置100Gについて、第1実施形態に係る駆動装置100と異なる点を主に説明する。
図15に示すように、駆動装置100Gでは、第2固定部材120GがSMA131を固定するものとなっている。また、駆動対象物5Gのうちの第1固定部材110側に第1転回部51aが設置され、駆動対象物5Gのうちの第2固定部材120G側に第2転回部51bが設置されている。
なお、第1及び第2転回部51a,51bは、第1実施形態に係る転回部51と同様に、例えば、熱可塑性の樹脂を用いて構成され、その融点が、SMA130,131の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度(γ変態温度)よりも高く、かつSMA130,131の形状記憶温度よりも低い温度となっている。
そして、SMA130が第1転回部51aに対して引っ掛けられた状態で第1固定部材110と駆動対象物5Gとの間に架設されている。また、SMA131が転回部51bに引っ掛けられた状態で第2固定部材120と駆動対象物5Gとの間に架設されている。なお、SMA131は、かしめや圧入等の手法を用いた第3取付部材121及び第4取付部材122によって、第2固定部材120Gに対して取り付け固定される。
なお、ここでは、SMA130とSMA131とは同様なものを使用しており、SMA130,131は、互いに駆動対象物5Gを介して引張力を相互に作用させる。
そして、駆動装置100Gの駆動は、SMA130,131の弾性係数が比較的高い状態と比較的低い状態とを用いるが、2つのSMA130,131の弾性係数が同じ状態にならないように駆動する。具体的には、SMA130の弾性係数が比較的高い状態にある場合には、SMA131の弾性係数が比較的低い状態にあり、SMA131の弾性係数が比較的高い状態にある場合には、SMA130の弾性係数が比較的低い状態にあるように駆動させる。
ここで、図15(a)〜(c)を参照しつつ、駆動装置100Gにおける駆動について説明する。
図15(a)に示すように、まず2本のSMA130,131が、弾性係数が比較的低い状態で既定の張力が掛けられて、互いに若干伸びた状態で駆動対象物5Gに係止されている。このとき、SMA130に対して第1固定部材110から電流を印加する。このとき電流の流れる方向は特にどちらでも構わない。
電流が印加されたSMA130は、自身の電気抵抗によりジュール熱を生じ、弾性係数が比較的高い状態となる。このため、SMA130は、駆動対象物5Gを第1固定部材110側に引っ張るような引張力を生じる。このとき、SMA131には電流を印加しないため、SMA131は、弾性係数が比較的低い状態にあり、SMA130が駆動対象物5Gに付与する引張力の影響で伸びを生じる。その結果、図15(b)に示すように、駆動対象物5Gが図中矢印で示す左方(第1固定部材110側)に移動する。
次に、SMA130に対する電流の印加を停止し、SMA131に対して第2固定部材120Gから電流を印加する。なお、このときも電流の流れる方向は特にどちらでも構わない。
電流を印加されたSMA131は、自身の電気抵抗によりジュール熱を生じ、弾性係数が比較的高い状態となる。このため、SMA131は、駆動対象物5Gを第2固定部材120側に引っ張るような引張力を生じる。このとき、SMA130には電流を印加しないため、SMA130は、弾性係数が比較的低い状態にあり、SMA131が駆動対象物5Gに付与する引張力の影響で伸びを生じる。その結果、図15(c)に示すように、駆動対象物5Gが図中矢印で示す右方(第2固定部材120G側)に移動する。
このようにして、加熱冷却によるSMA130,131の伸縮により、駆動対象物5Gが図15中の左右へ駆動する動作を適宜繰り返すことで、駆動装置としての機能を果たす。
<駆動装置の製造方法>
図16は、駆動装置100Gの製造方法の手順を例示するフローチャートであり、図17および図18は、駆動装置100Gの製造方法の一手順を例示する図である。
以下、図17および図18を参照しつつ、図16に示す駆動装置100Gの製造方法の手順(ステップS11〜S15)について説明する。なお、図17および図18には、駆動対象物5Gのずれを分かり易くするために、基準となる位置に破線を付している。
まず、ステップS11では、図17(a)に示すように、第1転回部51a,51bが突設された駆動対象物5Gを、例えば、撮影レンズユニット2の本体に対して装着された固定用部材(ストッパー)STに対して固定する。ここでは、駆動対象物5Gに位置調整部に相当する第1及び第2転回部51a,51bが突設されているため、位置調整部が配置されていることになる。
ステップS12では、図17(b)に示すように、第1固定部材110と駆動対象物5Gとの間にSMA130を架設する。具体的には、以下の工程を行う。
まず、SMA130の一端を第1取付部材111によって第1固定部材110に対して取り付ける。そして、駆動対象物5Gに突設された第1転回部51aに対して略半周回すようにSMA130を引っ掛けつつ、既定の張力をSMA130に掛けた状態で、SMA130の他端を取付部材112によって第1固定部材110に対して取り付ける。
その結果、SMA130が第1転回部51aに対して張力が掛けられた状態で架設され、SMA130が第1固定部材110と第2固定部材120との間に架設された状態となる。
ステップS13では、図17(b)に示すように、第2固定部材120Gと駆動対象物5Gとの間にSMA131を架設する。具体的には、以下の工程を行う。
まず、SMA131の一端を第3取付部材121によって第2固定部材120Gに対して取り付ける。そして、駆動対象物5Gに突設された第2転回部51bに対して略半周回すようにSMA131を引っ掛けつつ、既定の張力をSMA131に掛けた状態で、SMA131の他端を第4取付部材122によって第2固定部材120Gに対して取り付ける。
その結果、SMA131が第2転回部51bに対して張力が掛けられた状態で架設され、SMA131が第1固定部材110と第2固定部材120Gとの間に架設された状態となる。
ステップS14では、図17(c)に示すように、ストッパーSTを取り除くとともに、SMA130,131に対して所定の電流を印加した後に、カメラCMによって駆動対象物5Gの基準初期位置からのずれ方向およびずれ量を測定する。
ここでは、図17(c)及び図18(a)に示すように、ストッパーSTを取り除くと、駆動対象物5Gが基準初期位置から若干ずれる。例えば、このように基準初期位置から駆動対象物5Gの初期位置がずれると、駆動装置100Gにおいては、駆動対象物5Gが駆動するストロークに偏りが生じ、駆動性能に悪影響が生じる。このため、ずれた駆動対象物5Gの位置を調整する必要性がある。
また、ステップS12及びS13においてSMA130,131を架設する際にはSMA130,131に過度の弾性変形を生じている虞があるため、ここでは、SMA130,131に対して順次所定の電流を印加することで、一旦SMA130,131の弾性係数を高めてから、駆動対象物5Gの基準初期位置からのずれ方向およびずれ量を測定する。このような構成により、例えば、組み込み時の弾性変形の影響をSMA130,131から取り除く初期化を行った後に、駆動対象物5Gの位置を測定することができる。そのため、精度良く駆動対象物5Gの位置を調整することができる。
そして、ずれ方向およびずれ量の測定は、カメラCMによって駆動対象物5Gを撮影して得られる画像において、画像処理によって駆動対象物5Gの位置を検出して、駆動対象物5Gの基準初期位置からのずれ方向及びずれ量を検出することで実現することができる。
ステップS15では、位置調整部として機能する転回部51a,51bを加熱によって溶融させることで、駆動対象物5Gの初期位置を調整する。
具体的には、例えば、図18(a)に示すように図中左方(第1固定部材110側)に駆動対象物5がずれている場合には、図18(b)に示すように、加熱手段として機能する半導体レーザー装置500から、転回部51aのうちのSMA130が引っ掛けられる部分を目掛けてレーザー光線を射出することで、SMA130を加熱する。そして、SMA130を、γ変態温度よりも高くかつ形状記憶温度よりも低い温度に加熱して、転回部51aの融点を超えると、SMA130と転回部51aとが接する部分(すなわち、転回部51aのうちSMA130が引っ掛けられている部分)が溶融する。
そして、図18(c)に示すように、転回部51aのうちのSMA130と接する部分が溶融すると、SMA130から転回部51aに対する引張力により、SMA130が転回部51aに食い込み、SMA130が架設される経路(架設経路)が変更される。その結果、SMA130とSMA131との張力が釣り合うように駆動対象物5Gが第2固定部材120側(図中右方)に移動する。このとき、駆動対象物5Gの位置が基準初期位置まで移動するように、カメラCMを用いた画像に基づいて適宜調整して、SMA130の架設経路を変更することで、駆動装置100における駆動対象物5Gの位置を基準初期位置まで移動させることができる。
この転回部51aを溶融させる際には、架設経路が変更されるSMA130(調整対象のSMA)側でない、SMA131に対して一定の電流を印加した状態で張力を既定の値としておく。この張力によりSMA130の経路を長くする方向に力が加わり駆動対象物5が図面右方(第2固定部材120G側)に向かって迅速に移動する。
なお、画像に基づいた調整については、画像から検出される駆動対象物5Gの位置に応じて、レーザー光線の出力が自動で調整されるようにしても良いし、オペレータが駆動対象物5Gの位置を見つつ、手動でレーザー光線の出力を調整しても良い。
一方、図示を省略するが、第2固定部材120G側に駆動対象物5がずれている場合には、SMA131を加熱する。そして、転回部51bのうちのSMA131と接する部分が溶融すると、SMA131から転回部51bに対する引張力により、SMA131が転回部51bに食い込み、SMA131の架設経路が変更される。その結果、SMA130とSMA131との張力が釣り合うように駆動対象物5Gが第1固定部材110側(図中左方)に移動する。このとき、駆動対象物5Gの位置が基準初期位置まで移動するように、カメラCMを用いた画像に基づいて適宜調整して、SMA131の架設経路を変更することで、駆動装置100Gにおける駆動対象物5Gの位置を基準初期位置まで移動させることができる。この転回部51bを溶融させる際には、架設経路が変更されるSMA131(調整対象のSMA)側でない、SMA130に対して一定の電流を印加して弾性係数を比較的高めた状態で張力を既定の値としておく。この張力によりSMA131の経路を長くする方向に力が加わり駆動対象物5が図面左方(第1固定部材110側)に向かって迅速に移動する。
また、ここでは、調整対象のSMAに対しても一定の電流を印加して弾性係数を比較的高めた状態で張力を既定の値としておくようにしても良い。このようにすれば、調整対象のSMAを転回部により迅速に食い込ませることができ、駆動対象物5Gの迅速な位置調整に資する。
以上のように、第8実施形態では、駆動対象物5Gを2つ(一般的には複数)のSMA130,131の伸縮によって駆動させる。このような構成により、駆動対象物5の駆動範囲が比較的長い駆動装置を提供することができる。
また、一方のSMA130(又はSMA131)に電流を印加した状態で、他方のSMA131(又はSMA130)が引っ掛けられている位置調整部である転回部を溶融することで、駆動対象物5Gの初期位置を調整する。このような構成により、上記他方のSMAが位置調整部に与える力が大きくなるため、例えば、短時間で位置調整部にSMAを食い込ませることができ、その結果、迅速な駆動対象物5Gの位置調整が可能となる。
また、双方のSMA130,131に電流を印加した状態で、一方のSMAが引っ掛けられている位置調整部を溶融することで、駆動対象物5Gの位置を調整するようにすれば、SMAが溶融する位置調整部に与える力がより大きくなる。よって、このような構成では、例えば、より短時間で位置調整部にSMAを食い込ませることができ、その結果、更に迅速な駆動対象物の位置調整が可能となる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上述した実施形態では、SMAがワイヤ状のものであったが、これに限られず、例えば、SMAは帯状のもの等、他の形状であっても良い。但し、ワイヤ状のものの方が、電力消費量が少なくて済み、加熱、冷却を迅速に行うことができるため、駆動対象を迅速に駆動させることができる。また、駆動装置の小型化にも有利である。
◎また、上述した第1から第3では、位置調整部群を配置する際に、駆動対象物5、第1固定部材110(110A,110B)、及び駆動対象物5と第1固定部材110(110A,110B)との間の領域のうちの1箇所に位置調整部を配置した。しかしながら、これに限られず、例えば、1以上の位置調整部(位置調整部群)を、駆動対象物5、第1固定部材110(110A,110B)、及び駆動対象物5と第1固定部材110(110A,110B)との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置し、当該位置調整部群に対して、SMA130を引っ掛けつつ、第1固定部材110(110A,110B)と駆動対象物5との間に架設するようにしても良い。
更に、このような位置調整部の配置は、弾性力付与部140として第8実施形態のようにSMAを用いた所謂プッシュプルの駆動装置にも適用しても良い。
このような構成としても第1から第3、及び第8実施形態と同様な効果を得ることができる。そして、状況に応じて位置調整部群を配置する位置を適宜変更することができる。
◎また、上述した第4から第6では、位置調整部群を配置する際に、駆動対象物5(5G)、第2固定部材120(120E)、及び駆動対象物5と第2固定部材120(120E)との間の領域のうちの1箇所に位置調整部を配置した。しかしながら、これに限られず、例えば、1以上の位置調整部(位置調整部群)を、駆動対象物5、第2固定部材120(120E)、及び駆動対象物5と第2固定部材120(120E)との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置し、当該位置調整部群に対して、弾性力付与部140を引っ掛けつつ、第2固定部材120(120E)と駆動対象物5との間に架設するようにしても良い。
更に、このような位置調整部の配置は、弾性力付与部140として第8実施形態のようにSMAを用いた所謂プッシュプルの駆動装置にも適用しても良い。
このような構成としても第4から第6、及び第8実施形態と同様な効果を得ることができる。そして、状況に応じて位置調整部群を配置する位置を適宜変更することができる。
◎また、上述した第7実施形態では、位置調整部を配置する際に、位置調整部51,55を駆動対象物5に配置した。しかしながら、これに限られず、例えば、1以上の位置調整部(第1の位置調整部群)を、駆動対象物5、第1固定部材110(110A,110B)、及び駆動対象物5と第1固定部材110(110A,110B)との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置し、当該第1の位置調整部群に対して、SMA130を引っ掛けつつ、第1固定部材110(110A,110B)と駆動対象物5との間に架設する一方で、1以上の位置調整部(第2の位置調整部群)を、駆動対象物5、第2固定部材120(120E)、及び駆動対象物5と第2固定部材120(120E)との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置し、当該第2の位置調整部群に対して、弾性力付与部140を引っ掛けつつ、第2固定部材120(120E)と駆動対象物5(5G)との間に架設するようにしても良い。
更に、このような位置調整部の配置は、弾性力付与部140として第8実施形態のようにSMAを用いた所謂プッシュプルの駆動装置にも適用しても良い。
このような構成としても第7及び第8実施形態と同様な効果を得ることができる。そして、状況に応じて位置調整部群を配置する位置を適宜変更することができる。
◎また、上述した実施形態では、SMA130,131や弾性力付与部140を加熱して位置調整部を溶融するために、半導体レーザー装置500から射出されるレーザー光線を用いてSMA130,131を局部的に熱したが、これに限られず、例えば、熱線や熱風を射出する加熱手段によって、SMA130,131を局部的に加熱して位置調整部を溶融するようにしても良い。
このようにしても、上述した実施形態と同様に、高精度の位置の調整を実現することができるとともに、形状記憶合金の性能の劣化を極力抑制することができる。
但し、より局部的にSMA130,131を熱することができる方が、SMA130,131の性能が劣化する部分をより少なくすることができる。そして、レーザー光線、熱線、熱風の順にSMA130,131をより局部的に熱することができるため、レーザー光線、熱線、熱風の順にSMA130,131の性能の劣化をより抑制しつつ、駆動対象物5(5G)の位置を調整することができる。
また、位置調整部を溶融するためにSMA130,131を加熱する方法としては、電流印加によるSMA130,131の温度上昇によって行うようにしても良い。このような構成により、高精度の位置の調整を実現することができる。しかしながら、電流印加によってSMA130,131を高温にすると、SMA130,131の性能劣化を招くというデメリットがある。
◎また、上述した実施形態では、SMA130,131や弾性力付与部140を加熱することで、位置調整部を間接的に加熱して溶融させたが、これに限られず、例えば、レーザー光線や熱線や熱風等で位置調整部を直接加熱して溶融させるようにしても良い。
但し、SMA130,131や弾性力付与部140を加熱することで、間接的に位置調整部を加熱、溶融させる方が、SMA130,131や弾性力付与部140による引張力が適正に駆動対象物5(5G)に対して掛かるように位置調整部を溶融させることができるため、好ましい。
◎また、上述した実施形態では、位置調整部として熱可塑性の樹脂で構成されたものを用いたが、これに限られず、例えば、低融点ガラス等、融点が、SMA130,131の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態するγ変態温度よりも高く、かつSMA130,131の形状記憶温度よりも低い温度となっている他の素材で構成されたものを用いても良い。
◎また、上述した実施形態では、駆動対象物5(5G)の初期位置を調整するために、カメラで撮影して、画像処理を行うことで、駆動対象物5(5G)の位置を検出したが、これに限られず、例えば、各種センサを用いて駆動対象物5(5G)の位置を検出するようにしても良い。
そして、駆動対象物5(5G)を撮影した画像に基づいて駆動装置における駆動対象物5(5G)の位置を測定する代わりに、レーザー変位計やSMAの張力測定変位センサー等の出力結果に基づいて駆動対象物の位置を測定するようにしても良い。
◎また、上述した実施形態では、位置調整部が略円柱状であったり、断面が略楕円形の柱状のものであったが、これに限られず、他の形状であっても良い。
図19は、変形例に係る駆動対象物に突設される転回部59を例示する図である。ここでは、転回部59に対してSMA130が引っ掛けられている状態を示している。
図19に示すように、転回部59は、3つの楕円が重なったような断面形状を有する柱状のものである。
転回部59にSMA130が引っ掛けられている場合には、転回部59は、SMA130が引っ掛けられている領域のうちの先端の部分(以下「先端部」とも称する)59aと、先端部以外のSMA130と接する部分(以下「接触部」とも称する)59b,59cとを有する。
そして、この転回部59を備えた駆動装置を製造する際に、図19に示すように、SMA130を転回部59に引っ掛けた状態で、転回部59を溶融させてSMA130を食い込ませることで、駆動対象物の初期位置を調整する際に、以下のような調整を行うことができる。
例えば、先端部59aに接するSMA130を加熱することで、間接的に先端部59aを加熱することで先端部59aを溶融させてSMA130を食い込ませることで、SMA130の架設経路を大きく変更することができる。その結果、駆動装置における駆動対象物の位置を粗く調整することができる。
また、接触部59b,59cに接するSMA130を加熱することで、間接的に接触部59b,59cを加熱することで接触部59b,59cを溶融させてSMA130を食い込ませることで、SMA130の架設経路を細かく変更することができる。その結果、駆動装置における駆動対象物の位置を細かく調整することができる。
なお、ここでは、SMA130が1つの位置調整部である転回部59に対して引っ掛けられるものを挙げて説明したが、これに限られず、複数の位置調整部によって構成される位置調整部群のうちの先端部と接触部とを適宜溶融させることで、SMA130の架設経路を適宜粗調整及び微調整するようにしても良い。更に、弾性力付与部140が引っ掛けられる位置調整部群のうちの先端部と接触部とを適宜溶融させることで、弾性力付与部140の架設経路を適宜粗調整及び微調整するようにしても良い。
このように、位置調整部のうちのSMAまたは弾性力付与部が引っ掛けられている領域のうちの先端部を適宜溶融させて駆動対象物を粗く調整する一方で、位置調整部のうちの上記先端部以外であってSMAまたは弾性力付与部とが接する接触部を適宜溶融させて駆動対象物を細かく調整することで、迅速かつ正確に駆動対象物を調整することができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の概略構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 かしめによる形状記憶合金の固定方法を示す図である。 圧入による形状記憶合金の固定方法を示す図である。 駆動装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。 駆動装置の製造方法の手順を示す図である。 駆動装置の製造方法の手順を示す図である。 位置調整部の溶融によるSMAの架設経路の変更を示す図である。 第2実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 第3実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 第4実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 第5実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 第6実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 第7実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 第8実施形態に係る駆動装置の概略構成を示す模式図である。 駆動装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。 駆動装置の製造方法の手順を示す図である。 駆動装置の製造方法の手順を示す図である。 駆動対象物の初期位置の粗調整と微調整とを説明する図である。
符号の説明
1 撮像装置
2 撮影レンズユニット
3 撮像装置本体
5,5G 駆動対象物
51,51a,51b,52〜57,59 位置調整部
59a 先端部
59b,59c 接触部
100,100A〜100G 駆動装置
110,110A,110B 第1固定部材
120,120E 第2固定部材
130,131 形状記憶合金
140 弾性力付与部
LB レーザー光線
ST ストッパー

Claims (31)

  1. 第1及び第2の固定部と、駆動対象物と、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設された形状記憶合金と、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されて前記形状記憶合金に対し前記駆動対象物を介して力を与える力付与部と、を備える駆動装置の製造方法であって、
    (a)1以上の位置調整部を配置する工程と、
    (b)前記1以上の位置調整部に対して前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方を引っ掛けつつ前記第1の固定部と前記第2の固定部との間に架設する工程と、
    (c)加熱手段による前記1以上の位置調整部に対する加熱により、前記1以上の位置調整部のうち前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方が引っ掛けられる部分を溶融して、前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程と、
    を備えることを特徴とする駆動装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記1以上の位置調整部の融点が、
    前記形状記憶合金の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつ前記形状記憶合金の形状記憶温度よりも低い温度であり、
    前記(c)工程が、
    前記融点よりも高く、かつ前記形状記憶温度よりも低い温度で、前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(a)工程が、
    前記1以上の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置する工程を有し、
    前記(b)工程が、
    前記形状記憶合金を、前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(a)工程が、
    前記1以上の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置する工程を有し、
    前記(b)工程が、
    前記力付与部を、前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    1以上の第1の位置調整部と1以上の第2の位置調整部とを含み、
    前記(a)工程が、
    前記1以上の第1の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置するとともに、前記1以上の第2の位置調整部を、前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置する工程を有し、
    前記(b)工程が、
    前記形状記憶合金を、前記1以上の第1の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程と、
    前記力付与部を、前記1以上の第2の位置調整部に対して引っ掛けつつ、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設する工程と、
    を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    熱可塑性の樹脂によって構成されていることを特徴とする駆動装置の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記加熱手段から射出されるレーザーによって前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  8. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記加熱手段から射出される熱線によって前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  9. 請求項3または請求項5に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記形状記憶合金に対して電流を印加し、当該形状記憶合金の温度を上昇させることで、前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  10. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記加熱手段から送出される熱風によって前記1以上の位置調整部を加熱する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(b)工程が、
    前記第1の固定部に対して、前記形状記憶合金を、かしめによって取り付ける工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  12. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(b)工程が、
    前記第1の固定部に対して、前記形状記憶合金を、圧入によって取り付ける工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を測定しつつ、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記形状記憶合金に対して所定の電流を印加した後に、前記画像に基づいて前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を測定する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記力付与部が、
    バネであることを特徴とする駆動装置の製造方法。
  16. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記力付与部が、
    形状記憶合金を含み、
    前記駆動装置が、
    前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第1の形状記憶合金、および前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第2の形状記憶合金の伸縮により、前記駆動装置における前記駆動対象物の相対的な位置を変更することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  17. 請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記第1の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第2の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第2の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  18. 請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記第2の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第1の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第1の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  19. 請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記第1及び第2の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第2の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第2の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  20. 請求項16に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記(c)工程が、
    前記第1及び第2の形状記憶合金に対して一定の電流を印加した状態で、前記1以上の位置調整部のうちの前記第1の形状記憶合金が引っ掛けられている部分を溶融して前記第1の形状記憶合金が架設される経路を変更することで、前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を調整する工程を有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  21. 請求項1に記載の駆動装置の製造方法であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    前記形状記憶合金または前記力付与部が引っ掛けられている領域のうちの先端部と、当該先端部以外の前記形状記憶合金または前記力付与部と接する接触部と、
    を有し、
    前記(c)工程が、
    前記先端部を溶融することによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を粗く調整する工程と、
    前記接触部を溶融することによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置を細かく調整する工程とを有することを特徴とする駆動装置の製造方法。
  22. 駆動装置であって、
    第1の固定部と、
    駆動対象物と、
    前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設される形状記憶合金と、
    第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されて前記形状記憶合金に対して前記駆動対象物を介して力を与える力付与部と、
    前記形状記憶合金および前記力付与部のうちの少なくとも一方が引っ掛けられている1以上の位置調整部と、
    を備え、
    前記1以上の位置調整部の融点が、
    前記形状記憶合金の組織がマルテンサイトからオーステナイトに変態する変態温度よりも高く、かつ前記形状記憶合金の形状記憶温度よりも低い温度であることを特徴とする駆動装置。
  23. 請求項22に記載の駆動装置であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、
    前記形状記憶合金が、
    前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設されていることを特徴とする駆動装置。
  24. 請求項22に記載の駆動装置であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、
    前記力付与部が、
    前記1以上の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されていることを特徴とする駆動装置。
  25. 請求項22に記載の駆動装置であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    1以上の第1の位置調整部と1以上の第2の位置調整部とを含み、
    前記1以上の第1の位置調整部が、
    前記駆動対象物、前記第1の固定部、及び前記駆動対象物と前記第1の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、
    前記1以上の第2の位置調整部が、
    前記駆動対象物、前記第2の固定部、及び前記駆動対象物と前記第2の固定部との間の領域のうちの少なくとも1箇所以上に配置され、
    前記形状記憶合金が、
    前記1以上の第1の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設され、
    前記力付与部が、
    前記1以上の第2の位置調整部に対して引っ掛けられて、前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設されていることを特徴とする駆動装置。
  26. 請求項22から請求項25のいずれかに記載の駆動装置であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    熱可塑性の樹脂によって構成されていることを特徴とする駆動装置。
  27. 請求項22から請求項26のいずれかに記載の駆動装置であって、
    前記形状記憶合金が、
    前記第1の固定部に対して、かしめによって取り付けられていることを特徴とする駆動装置。
  28. 請求項22から請求項26のいずれかに記載の駆動装置であって、
    前記形状記憶合金が、
    前記第1の固定部に対して、圧入によって取り付けられていることを特徴とする駆動装置。
  29. 請求項22から請求項28のいずれかに記載の駆動装置であって、
    前記力付与部が、
    バネであることを特徴とする駆動装置。
  30. 請求項22から請求項29のいずれかに記載の駆動装置であって、
    前記力付与部が、
    形状記憶合金を含み、
    前記駆動装置が、
    前記第1の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第1の形状記憶合金、および前記第2の固定部と前記駆動対象物との間に架設された第2の形状記憶合金の伸縮により、前記駆動装置における前記駆動対象物の相対的な位置を変更することを特徴とする駆動装置。
  31. 請求項22に記載の駆動装置であって、
    前記1以上の位置調整部が、
    前記形状記憶合金または前記力付与部が引っ掛けられている領域のうちの先端部と、当該先端部以外の前記形状記憶合金または前記力付与部と接する接触部と、
    を有し、
    前記先端部が、
    溶融されることによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置が粗く調整され、
    前記接触部が、
    溶融されることによって前記駆動装置における前記駆動対象物の位置が細かく調整されることを特徴とする駆動装置。
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