JP2008248684A - ケーソン刃口部の掘削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削作業の自動化が可能で、高能率に土砂を掘削できるようにしたケーソン刃口部掘削装置を提供する。
【解決手段】本発明のケーソン刃口部掘削装置は、ケーソン1の刃口部1a近傍における内周に周回状に固定されたガイドレール2に沿って周回可能な周回用台車3と、周回用台車3に昇降可能に取付けられて刃口部1a近傍の地盤を掘削する水中ロードヘッダ20を備え、水中ロードヘッダ20は昇降機構であるリニアガイド21に対して揺動可能に取付けられており、周回用台車3をガイドレール2に沿って周回させつつ、この水中ロードヘッダ20を揺動させながら掘削を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、ケーソンの刃口部の土砂を掘削するための掘削方法に関する。
ケーソン工法においては、水中に沈設したケーソンの先端における刃口部近傍の土砂を掘削することで、順次ケーソンを地盤内に埋沈する。この掘削作業に常用される重機として一般にバックホウが知られているが、クラムセル主体のオープンケーソンでは、重機が水中で作業しなければならないため、最近では自動化を可能とした「SCOS」工法が採用されている。
この工法では、ケーソンの躯体内周に設けたガイドレールに沿って移動する台車と、台車に取付けられたバックホウとからなり、ガイドレール上を移動させつつ、遠隔操作によってケーソン刃口部近傍の地盤を掘削する。
しかしながら、このバックホウを用いた掘削方法では、掘削スピードが遅いという欠点があった。つまり、その操作手順としては、アームを伸して土砂をすくい上げ、排土位置に排土し、次いで台車を駆動させて別の位置に移動し、同様の動作を繰返すため、動作が複雑で、完全自動化が難しく、また必然的に掘削能率が低いものとなっていた。
また、この構造における排土方法は、アームの引上げにより地上部にバケットを持上げて排土するため、これによりアイドル時間を取られるので、特に大深度ケーソンの場合にはさらに掘削能率が低下していた。
本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、掘削作業の自動化が可能で、高能率に土砂を掘削できるようにしたケーソン刃口部の掘削方法を提供するものである。
以上の目的を達成するため、本発明は、ケーソンの刃口部近傍における内周に周回状に固定されたガイドレールに沿って周回可能な周回用台車と、該周回用台車に昇降可能に取付けられて前記刃口部近傍の地盤を掘削する水中ロードヘッダを備え、前記水中ロードヘッダは、昇降機構に対して揺動可能に取付けられたケーソン刃口部掘削装置により、ケーソン刃口部を掘削する方法であって、前記水中ロードヘッダを揺動させながら、前記水中ロードヘッダによりケーソン刃口部近傍の地盤を掘削することを特徴とするものである。従って、本発明の掘削方法は、従来のバックホウ式に比べて刃口部近傍の土砂を連続的に掘削しつつ、周回用台車の移動により、掘削場所を連続して移動することができ、掘削能率が高い。その掘削深さは昇降量に応じて設定できる。加えて掘削動作に、複雑な動きを伴わないため、装置そのものを小型化でき、完全自動化が可能であり、撤去作業も簡単である。
また、本発明において、前記台車を前記ガイドレールに沿って周回させつつ、前記水中ロードヘッダを揺動させながら、前記水中ロードヘッダによりケーソン刃口部近傍の地盤を連続的に掘削することとしてもよい。
本発明によるケーソン刃口部の掘削方法によれば、水中ロードヘッダを揺動させながら掘削作業を行うことで、掘削土砂をケーソンの中央内側に寄せ、ここに堆積できる。また、本発明では掘削にあたり、従来のバックホウのような複雑な動きを伴わないため、自動運転が可能である。さらには、各部が小型化できるため、施工終了後の撤去作業も簡単である。
以下、本発明の参考例及び好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の参考例を示している。図において、ケーソン1の刃口部1aの近傍には、その内周に沿ってガイドレール2が周回状に固定され、このガイドレール2には周回用台車3が移動可能に支持されている。この台車3は自走式であって、これの上部に突出するモータ3aの駆動力をガイドレールに接する図示しないガイドローラに伝達し、ガイドレール2に沿って周回移動可能としている。
台車3の下部には取付台4が垂設され、この取付台4に揺動可能に保持された昇降機構を構成するリニアガイド5を介して掘削機本体を構成するオーガスクリュ6が揺動かつ昇降可能に配置されている。
リニアガイド5は、その固定部の下部側をピン7によって取付台4に揺動可能に支持され、かつ上部側をモータ駆動によって油圧機構を動作させるようにした、いわゆるハイブリッドアクチュエータ8に連結され、アクチュエータ8の伸縮動作に応じて傾動可能となっている。なお、このハイブリッドアクチュエータ8は、モータ動力によって双方向吐出ポンプを駆動し、閉鎖循環系で油圧シリンダに対する作動油の給排動作を行うもので、従来の油圧配管、バルブなどが省略され、電気的制御のみでシリンダを駆動できるように小型、高出力の駆動装置である。さらに、このリニアガイド5は、前記アクチュエータによる油圧シリンダ方式、ラックとピニオン方式、あるいはチェーン駆動方式により、これの可動部に保持されたオーガスクリュ6を昇降可能に直線ガイドする。
オーガスクリュ6は、リニアガイド5の可動部に保持された筒形ケーシング9とケーシング9の頂部に固定されたオーガ駆動モータ10と、モータ10に軸結され、その先端をケーシング9より突出させた掘削及び揚土を兼用したスクリュ11及びケーシング9の上部側に設けられ、その吐出口を下部側に向けた排土用ダクト12とを備えている。
従って、以上の構成によれば、台車3をケーソン1内周に沿って所要速度で周回させつつ、オーガスクリュ6を駆動させることで、刃口部1a近傍の地盤は連続的に掘削され、その土砂はケーシング9の内部を順次搬送され、排土用ダクト12を通じて掘削位置近傍の地盤面に堆積される。堆積された土砂は、台車3の移動に連繋して投入される別の排土用バケットにより、掘削装置に干渉することなく揚土される。
また、オーガスクリュ6の掘削深度は、リニアガイド5に対する移動量に応じて設定でき、掘削範囲となる揺動範囲は、アクチュエータ8の伸縮量に応じて設定できる。さらには、台車3のモータ3a、アクチュエータ8のモータ、リニアガイドの駆動用機構部、及びオーガスクリュ6のモータはいずれも地表部にある制御装置により遠隔操作され、各部を連動させた自動制御が可能である。
図2は本発明の一実施形態を示す。この実施形態では、掘削機本体として前記オーガスクリュ6に替えて水中ロードヘッダ20を用いた点が上記参考例と異なり他の構成については、上記参考例とほぼ同様であるので、同一箇所には同一符号を付し、異なる箇所にのみ異なる符号を用いて説明する。
この水中ロードヘッダ20は、取付台4に沿って垂直に配置されたリニアガイド21の可動部にピン22を介して揺動可能に取付けられ、アクチュエータ8によりその角度を可変される頭部23と、頭部23上に設けたモータ24の動力により回転駆動されるロードヘッダ本体25とから構成されている。
従って本実施形態でも、台車3をケーソン1内周に沿って所要速度で周回させつつロードヘッダ22を駆動することで、刃口部1a近傍の地盤は連続的に掘削される。ロードヘッダ20には揚土機能がないが、アクチュエータ8によりケーソン1の内壁側から内側に向けて矢印のごとくスィングさせながら掘削作業を行うことで、掘削土砂をケーソン1の中央内側に寄せ、ここに堆積できる。この実施形態では、特に地盤が固い場合に好適である。
なお、前記参考例及び実施形態では、一つの掘削装置のみ描かれているが、ガイドレール2を共用して二台以上複数の装置を配置することが出来、この場合にはさらに掘削能力が向上する。
本発明の参考例である刃口部掘削装置を示す側面図である。 本発明の一実施形態で用いられる刃口部掘削装置を示す側面図である。
符号の説明
1 ケーソン
1a 刃口部
2 ガイドレール
3 周回用台車
5,21 リニアガイド(昇降機構)
6 オーガスクリュ
20 水中ロードヘッダ
8 ハイブリッドアクチュエータ(揺動機構)

Claims (2)

  1. ケーソンの刃口部近傍における内周に周回状に固定されたガイドレールに沿って周回可能な周回用台車と、該周回用台車に昇降可能に取付けられて前記刃口部近傍の地盤を掘削する水中ロードヘッダを備え、前記水中ロードヘッダは、昇降機構に対して揺動可能に取付けられたケーソン刃口部掘削装置により、ケーソン刃口部を掘削する方法であって、
    前記水中ロードヘッダを揺動させながら、前記水中ロードヘッダによりケーソン刃口部近傍の地盤を掘削することを特徴とするケーソン刃口部の掘削方法。
  2. 前記台車を前記ガイドレールに沿って周回させつつ、前記水中ロードヘッダを揺動させながら、前記水中ロードヘッダによりケーソン刃口部近傍の地盤を連続的に掘削することを特徴とする請求項1に記載のケーソン刃口部の掘削方法。
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