JP2008245096A - 撮像装置、映像信号処理装置及び映像信号処理方法 - Google Patents

撮像装置、映像信号処理装置及び映像信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高輝度被写体が存在する場合に発生する白とびと、偽輪郭を最小限に抑える。
【解決手段】撮像画像の輝度別画素数分布を検出するヒストグラム検波部5と、入力映像信号の最大輝度値を検出する最大輝度値算出部6と、ヒストグラム検波部5で検出された輝度別画素数分布を基に、1又は複数フレームを構成する全画素における高輝度信号の比率を算出する高輝度比率算出部7とを備えた。そして、最大輝度値又は高輝度信号の比率を基にニーポイントを算出するニーポイント算出部8と、ニーポイント算出部8で算出されたニーポイントを起点として、所定の傾き値をもったニースロープを生成するニー処理部9とを備えた。そしてニー処理部9では、ニーポイント算出部8で算出されたニーポイントの値がいずれの値の場合にも、所定の傾き値の値を変化させないようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動ニー処理機能を有するビデオカメラ等に適用して好適な撮像装置、映像信号処理装置、並びにこれらの装置で用いられる映像信号処理方法に関する。
今日、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置においては、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Devices)素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子が広く使用されている。ところが、これらの撮像素子における出力ダイナミックレンジは、入力ダイナミックレンジに対して狭いため、入力光量が出力ダイナミックレンジを越える場合は、表示部等に表示される映像は白とびしてしまうという問題があった。
図7には、撮像素子から出力される映像信号の出力特性を示すグラフを示してある。横軸に入力ダイナミックレンジ(%)、縦軸に出力ダイナミックレンジ(%)をとってある。図7においては、出力ダイナミックレンジの最大値(以下、ホワイトクリップポイントとも称する)を、WPとして破線で示してある。図7に示した例では、ホワイトクリップポイントWPは109%としてあり、109%までの間は入力ダイナミックレンジと出力ダイナミックレンジとが一対一で対応している様子が示されている。つまり、入力光量に比例した出力信号が出力される。
ところが、入力光量がホワイトクリップポイントWPを超えると、出力ダイナミックレンジの値が変化しなくなってしまう。つまり、ホワイトクリップポイントWPを超える光量の光を受光しても、撮像素子からは一定の値しか出力されなくなる。これにより、ホワイトクリップポイントWPを超える高輝度成分は、モニタ等に表示される際には白く飛んでしまう。
そこで従来では、このような白とびを抑えるため、所定レベル以上の高輝度成分を圧縮して、被写体の明るさ(輝度)を撮像素子のダイナミックレンジ内に収める処理が行われる。この処理は、ニーと呼ばれている。図8には、ニー処理を行った場合の映像信号出力特性を示してある。図中にKPとして示した点は、ニー処理の開始点を示すものであり、ニーポイントと呼ばれる。図8に示した例では、ニーポイントKPは入力ダイナミックレンジの88%の地点としてあり、入力ダイナミックレンジの88%〜160%の高輝度成分が圧縮されて、出力ダイナミックレンジ88%〜109%以内に収められている様子が示されている。ニーポイントKPを境にして映像信号の出力特性カーブは折れており、このカーブの傾きは、ニーが作用している範囲の圧縮量に対応している。この傾きは、ニースロープと呼ばれている。
図9は、ニー処理を行っていない状態での輝度別画素数分布を示すヒストグラムであり、図10は、図9に示された各画素を構成する映像信号に対して、ニー処理を行った場合の輝度別画素数分布を示すヒストグラムである。縦軸に画素数をとってあり、横軸には輝度レベル(%)をとってある。図9においては、ニー処理を行っていないため、ホワイトクリップポイントWPのラインより右側に分布しているすべての画素は、白とびして表示されてしまう。
これに対して図10では、図8に示したようにニーポイントとして設定した88%から160%までの間の高輝度成分を圧縮して、88%〜109%のレンジ内に押し込める処理を行ったことで、輝度レベル150以上の画素の数が減り、減った分の画素が、輝度レベル50%〜100%及び輝度レベル100〜150%の画素に置き換わっている様子が示されている。このような処理を行うことにより、ホワイトクリップWP以上の輝度を持つ画素数の総数を減らすことができ、白とびを抑えることができる。
図11(a)には、ニー処理を行わない場合の画像の例を示してあり、図11(b)には、図11(a)に示した画像に対してニー処理を行った場合の例を示してある。図11(a)では、領域AR1として示した部分が白とびしてしまっているが、ニー処理を行って高輝度成分を圧縮することで、図11(b)に示したような、白とびを抑えた画像に補正することができる。また近年では、被写体の輝度レベルに応じて、自動的にニーポイントを調整する機能を有する撮像装置も登場しており、この機能は自動ニー又はオートニー等と呼ばれている。
また、1フレーム中において出現頻度の高い映像レベルに、より多くの出力ダイナミックレンジを割り当てる手法なども考案されており、この手法においてはニースロープの傾きを自動的に制御することが行われている。
特許文献1には、入力画像のヒストグラムに応じて、ニーポイント以上の傾きを適応的に制御することについての開示がある。
特開平8−181887号公報
ところで、撮影画像中に高輝度被写体が存在する場合には、その高輝度被写体が1フレーム内で占める割合が非常に少ない場合であっても、入力ダイナミックレンジの高輝度成分を出力ダイナミックレンジ内に収めるために、高輝度被写体を基準としたニーポイントが設定されてしまう。つまり、ニーポイントが大きく下がるため、このような処理が行われた場合には、図12に示したように画面全体における階調感が減少し、全体的にのっぺりとした印象の映像となってしまうという問題があった。図12には、点光源等の高輝度被写体HB1が存在しているために画像全体の階調感が薄れ、被写体が、球でなく平面の円のように表現されてしまっている様子が示されている。
入力ダイナミックレンジの高輝度成分を出力ダイナミックレンジ内に収める手法としては、特許文献1に記載されたもののように、ニースロープの傾斜を変化させるという手法も知られている。ところが、このような処理を行ってニー処理の前後でスロープの傾きが大きく変化してしまった場合には、階調の変化速度も急変してしまうこととなる。このため、画像のエッジ部分周辺に、等高線のような輪郭(偽輪郭)が表現されてしまうことがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高輝度被写体が存在する場合に発生する白とびを抑えるとともに、偽輪郭を最小限に抑えることを目的とする。
本発明は、撮像画像の輝度別画素数分布を検出するヒストグラム検波部と、入力映像信号の最大輝度値を検出する最大輝度値算出部と、ヒストグラム検波部で検出された輝度別画素数分布を基に、1又は複数フレームを構成する全画素における高輝度信号の比率を算出する高輝度比率算出部とを備えた。そして、最大輝度値算出部で検出された最大輝度値又は高輝度比率算出部で算出された高輝度信号の比率を基にニーポイントを算出するニーポイント算出部と、ニーポイント算出部で算出されたニーポイントを起点として、所定の傾き値をもったニースロープを生成するニー処理部とを備えた。そしてニー処理部では、ニーポイント算出部で算出されたニーポイントの値がいずれの値の場合にも、所定の傾き値の値を変化させないようにしたものである。
このようにしたことで、最大輝度値だけでなく、高輝度信号の比率も考慮してニーポイントが算出されるようになる。また、ニーポイントの値の大小に係わらず、同一の傾き値のニースロープが生成されるようになる。
本発明によると、最大輝度値だけでなく、高輝度信号の比率も考慮してニーポイントが算出されるため、輝度レベルが非常に高い被写体が存在し、かつその被写体が画素中に占める割合が低い場合等に、輝度の分布状況を加味した適正なニーポイントが設定されるようになる。
また、本発明によるとニースロープの傾きが変化しないため、偽輪郭の発生を抑えることができるようになる。
以下、本発明の一実施の形態を、図1〜図6を参照して説明する。図1は、カメラ一体型撮像装置の内部構成例を示すブロック図である。図1に示した撮像装置100は、撮像素子100を構成する各部を制御する制御部14と、制御部14での処理データを一時的に保持したり、プログラム等のデータを記憶させてある記憶部15を備える。制御部14はマイクロコンピュータ等で構成してあり、記憶部15は、半導体メモリ等で構成してある。記憶部15は、後述するヒストグラム検波部5や最大輝度値算出部6、高輝度比率算出部7、ニーポイント算出部8からの出力値等を記憶する。
また、撮像装置100は、被写体光を撮像装置100内に取り込むレンズ1と、レンズ1を通して入射された光を光電変換して映像信号を生成し、出力する撮像素子2、撮像素子2から出力された映像信号の信号処理を行うアナログ信号処理部3、アナログ信号処理部3から出力された映像信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換部4(以下、A/D変換部と称する)を備える。
撮像素子2は、CCD素子やCMOS素子で構成してあり、図示せぬ色分解プリズムによってR,G,Bの3色に分解された各光を、それぞれの光の量に応じた信号に変換し、映像信号として出力する。アナログ信号処理部3は、図示せぬCDS(Correlated Double Sampling)回路やAGC(Automatic Gain Control)回路等で構成してあり、CDS回路では、入力された映像信号に含まれるリセットノイズを除去する処理を行い、AGC回路では、映像信号の増幅を行って一定レベルの大きさに調整する処理を行う。
また、撮像装置100は、輝度レベルごとに設定された各領域における画素数の分布を検出するヒストグラム検波部5と、ヒストグラム検波部5の検出結果を基に最大輝度値PK(ピーク値)を算出する最大輝度値算出部6、ホワイトクリップポイントWP以上の輝度値を持つ映像信号を計量して、その比率を算出する高輝度比率算出部7、最大輝度値算出部6又は高輝度比率算出部7からの出力値に基づいてニーポイントを算出するニーポイント算出部8、ニーポイント算出部8で算出されたニーポイントを開始点として高輝度信号の圧縮を行うニー処理部9を備える。
ヒストグラム検波部5は、入力された映像信号の輝度レベルが、予め輝度レベル別に設定した所定数の領域のどの領域に該当するかを判断して各輝度領域に分類するとともに、各輝度領域に割り当てられた画素数のカウントを行う。ヒストグラム検波部5からの出力値は記憶部15に格納され、制御部14によって1V(垂直同期期間)毎に読み出される設定としてある。
最大輝度値算出部6は、ヒストグラム検波部5が得たヒストグラムに対して、輝度レベルの一番高い範囲から順に該当する画素の有無を確認していき、該当する画素を確認できた時点で、画素を確認できたレベルの真ん中の値を最大輝度値PKとして決定する。
高輝度比率算出部7は、入力された映像信号の輝度レベルが、ホワイトクリップポイントWP(本例では109%)以上であるか否かの判断を行い、ホワイトクリップポイントWP以上である場合にはその数をカウントする。そしてこの処理を1フレーム期間行うことで、1フレームを構成する総画素数に対する、ホワイトクリップポイントWP以上の高輝度値を持つ画素の割合を算出する。さらに、カウントした結果を記憶部15に格納するとともに、所定のタイミングで例えば12フレーム等の所定数のフレーム分の高輝度比率データを読み出して、過去12フレームにおける画素の高輝度比率P(%)を算出する。なお、本例では高輝度比率の算出の基となるデータとして、過去12フレーム分の全画素を使用する場合を例に挙げたが、例えば1フレームや、その他の数の複数フレームにおけるデータを使用する場合に適用してもよい。
ニーポイント算出部8は、最大輝度算出部6からの出力値や、高輝度比率算出部7からの出力値を基に、高輝度成分信号の圧縮開始地点であるニーポイントの算出を行う。またニーポイント算出部8は、入力された値に応じたニーポイントを都度算出する以外にも、高輝度比率算出部7で算出された高輝度比率が予め決められた閾値より上、または下であった場合には、所定の値のニーポイントを割り当てる処理も行う。本例では、高輝度比率0%を閾値Th1(第1の閾値)、高輝度比率30%を閾値Th2(第2の閾値)として設定してあり、高輝度比率Pが0%以上であり閾値Th1未満である場合に割り当てるニーポイントとして最大ニーポイントKMxを、高輝度比率Pが閾値Th2以上である場合に割り当てるニーポイントとして最小ニーポイントKMnを予め設定してある。本例では、最大ニーポイントKMxを109%、最小ニーポイントKMn70%と設定してある。
ニー処理部9は、ニーポイント算出部8で算出されたニーポイントを開始点として、ニースロープを生成する(高輝度成分を圧縮する)処理を行う。本発明では、ニーポイント設定の位置に係わらず、ニースロープの傾きは一定とするようにしてあり、ニーポイントが移動する場合には、ニースロープは平行移動するようになる。図2に、ニーポイントの位置が最小ニーポイントKMn、最大ニーポイントKMx、その他の位置である場合のニースロープの形成例を示してある。ニーポイントKPとして最大ニーポイントKMxが設定された場合には、最大ニーポイントKMxを起点にニースロープKS1が形成され、ニーポイントKPとして最小ニーポイントKMnが設定された場合には、最小ニーポイントKMnを起点にニースロープKS2が形成される。そして、ニーポイントKPがこれら以外の値で設定された場合には、設定されたニーポイントKPを起点としてニースロープKS3が形成される。
本実施の形態では、ニースロープを6つの折れ線で表現するようにしてあり、ニーポイントを起点とした最初の3点におけるスロープの傾きに比べて、最後の3点におけるスロープの傾きがかなりなだらかとなるように、6つの折れ線の傾き量を設定してある。緩やかな傾きを表現する必要のある最後の数点のスロープにおいては、傾き量を0.03等の非常に低い値に設定しており、6つのスロープの傾きは固定で設定してある。つまり、ニー処理部9では、外部から入力されたニーポイントを起点に、次々と所定の傾き値を与えることにより、ニースロープを形成する処理を行う。
図1に戻ってブロック図の説明を続けると、ニーポイント算出部8及びニー処理部9は、信号処理部10を構成する部の1つであり、信号処理部10においては、ニー関連の処理以外の信号処理も行う。信号処理部10で行う処理としては、映像信号のレベルを、予め設定されたγカーブに従って補正するガンマ補正、映像信号の黒レベルOB(オプティカルブラック)を一定基準値に固定するフィーダバッククランプ処理、白バランスをとるためのホワイトクリップ処理等がある。
また、撮像装置100は、信号処理部10で処理された映像信号をNTSC(National Television Standards Committee)方式やPAL(Phase Alternating Line)方式等の所定の方式の信号に変換するエンコード部10、エンコード部10から出力された映像信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換部12(以下D/A変換部と称する)、D/A変換部12から出力された映像信号を、図示せぬ表示部や記録部に出力する出力端子13を有する。
次に、図3〜図6のフローチャートを参照して、ニーポイント算出の処理例について説明する。図3において、まず、電源投入時等、ニーポイント算出部8での処理が初めて行われる際には、初期値を変数「ニーカレントKC」に代入し、処理開始時点で既に設定されているニーポイントがあれば、その値を「ニーカレントKC」に代入する(ステップS1)。ニーポイントの初期値としては、例えば80%等の数値が設定されるものとする。
次に、ヒストグラム検波部5より、現フレームの輝度別画素数ヒストグラムを取得する(ステップS2)。そして、ステップS2で得たヒストグラム情報から、最大輝度値(ピーク値)PKを算出する(ステップS3)。そして、最大輝度値PKを基に、最大輝度値PKを出力ダイナミックレンジ内に収めるためのニーポイントを算出する(ステップS4)。算出されたニーポイントは、変数「ニーポイントKFP」に代入される(ステップS5)。ここまでの処理により、最大輝度値の値を基に算出されたニーポイントが、変数に格納される。
図4は、高輝度比率算出部7での処理例を示すフローチャートである。図4では、まず高輝度比率算出部7で、ホワイトクリップポイントWP以上の輝度値を持つ画素の総数tを算出し、記憶部15に格納する(ステップS11)。次に、記憶部15に記憶させておいた画素の総数tを、fフレーム(本例では12フレーム)分読み出して、過去fフレームでの画素の総数tの総和である、総和Tを算出する(ステップS12)。そして、総和Tを総数tで除算して平均総数t′を算出する(ステップS13)。最後に、平均総数t′を、fフレーム分の全画素で除算して、過去fフレームにおける高輝度比率P(%)を算出する(ステップS14)。
次に、図4で説明した高輝度比率算出部7での算出結果に基づいて、ニーポイント算出部8がニーポイントを算出する場合の処理例について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5では、まず、高輝度比率算出部7で算出された高輝度比率Pが、0から閾値Th1までの間の値であるか否かの判断がされる(ステップS21)。本例では、閾値Th1を0%としてあるため、ここでは高輝度比率Pが0%であるか否かの判断がされる。高輝度比率Pが0%の場合は、最大ニーポイントKMx(本例では109%)が変数「ニーポイントKFR」に代入される(ステップS22)。
ステップS21の条件が満たされない場合には、次に、高輝度比率Pが閾値Th2以上であるか否かの判断がされる(ステップS23)。本例では、閾値Th2を30%としてあるため、高輝度比率Pが30%以上である場合には、最小ニーポイント(本例では70%)が、変数「ニーポイントKFR」に代入される(ステップS24)。
高輝度比率Pが、0から閾値Th1未満でなく、また、閾値Th2以上でもない場合、つまり、高輝度比率Pが閾値Th1以上閾値Th2未満の値である場合には、高輝度比率Pの値に応じたニーポイントが算出され(ステップS25)、算出されたニーポイントが変数「ニーポイントKFR」に代入される(ステップS26)。つまり、過去fフレームを構成するすべての画素において、所定以上の高輝度レベルを備えた画素が殆ど存在しない場合(本例では、存在しない場合)には、最大ニーポイントKMxがニーポイントKFRの値となり、高輝度レベルの画素が占める割合が多い場合(本例では30%以上の場合)は、最小ニーポイントKMnがニーポイントKFRの値となる。そして、高輝度比率Pが閾値Th1以上閾値Th2未満である場合には、その値に応じて算出されたニーポイントが、ニーポイントKFRの値となる。
次に、図6のフローチャートを参照して、ニーポイント算出部8が、変数「ニーポイントKFR」又は「ニーポイントKFP」に代入された値のいずれかを基に最終的なニーポイントKTを決定し、ニー処理部9が、現在のニーポイントKCを算出されたニーポイントTGの位置に移動させる場合の処理例について説明する。
図6では、まず変数「ニーポイントKFP」に代入された値が、変数「ニーポイントKFR」に値された値より大きいか否かの判断がされる(ステップS31)。ニーポイントKFPの値がニーポイントKFRの値より大きい場合には、ニーポイントKFPの値が、ニーポイントKTに代入される(ステップS32)。ニーポイントKFRの値が、ニーポイントKFP以上である場合には、ニーポイントKFRの値がニーポイントTKに代入される(ステップS33)。つまり、最大輝度値PKを基に算出されたニーポイントKFPと、輝度分布のヒストグラムを基に算出されたニーポイントKFRのうち、値の大きい方が、最終的なニーポイントKTとして採用される。
次に、ニー処理部9において、現在のニーポイントの値であるニーカレントKCの値が、ステップS32又はS33で求められたニーポイントKTの値より小さいか否かの判断がされる(ステップS34)。ニーカレントKCの値が小さい場合には、予め設定しておいたニーポイント上昇速度に基づいて、ニーカレントKCの値を増加させる処理が行われる(ステップS35)。反対に、ニーカレントKCの値がニーポイントKTの値より大きい場合には、予め設定しておいたニーポイント下降速度に基づいて、ニーカレントKCの値を減少させる処理が行われる(ステップS36)。そして、ニーカレントKC(=ニーポイントTK)を起点に、ニースロープが形成される(ステップS37)。
このように、ニーポイントを算出するにあたって、最大輝度値(ピーク値)のみならずヒストグラム検波による輝度分布も用いる構成としたため、画面中に占める高輝度被写体の割合が少ない場合に、ニーポイントが必要以上に低い値に設定されてしまうことがなくなる。これにより、表示画像における白とびや階調数の減少を防ぐことができる。
また、被写体の輝度値や輝度の分布に応じて変化させる対象はニーポイントのみとし、ニースロープの傾きは変化させない構成としたため、階調の変化速度が急激に変化してしまうことがなくなり、偽輪郭の発生を抑えることができるようになる。
また、ニースロープを構成する所定数の折れ線において、ホワイトクリップポイント付近の折れ線の傾き値を例えば0.03程度の非常に小さな値としてあるため、ニースロープの傾きを変化させたり、ニーポイントを必要以上に下げることなく、ホワイトクリップポイント以上の輝度を持つ入力値を、出力ダイナミックレンジ内に収めることができるようになる。
なお、ここまで説明した実施の形態では、閾値Th1の値を0%、閾値Th2の値を30%、最小ニーポイントKMnの値を70%、最大ニーポイントKMxの値を109%としたが、これらの値は一例を示したものであり、任意に設定可能である。
また、上述した実施の形態では、撮像装置に適用した例を挙げて説明したが、ビデオカメラや、撮像装置からの入力信号を記録又は再生する記録再生装置又は映像信号処理装置の装置に適用してもよい。
本発明の一実施の形態による撮像装置の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態による映像信号の出力特性を示す特性図である。 本発明の一実施の形態による最大輝度値に基づくニーポイント算出処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態による高輝度比率の算出処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態によるヒストグラムに基づくニーポイント算出処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態によるニーポイント算出処理例を示すフローチャートである。 従来の映像信号の出力特性を示す特性図である。 従来の映像信号の出力特性を示す特性図である。 従来のニー処理前の輝度別画素分布特性を示すヒストグラムである。 従来のニー処理後の輝度別画素分布特性を示すヒストグラムである。 従来の撮影画像の例を示す説明図であり、(a)はニー処理前の例であり、(b)はニー処理後の例である。 従来の高輝度被写体存在時の撮影画像の例を示す説明図である。
符号の説明
1…レンズ、2…撮像素子、3…アナログ信号処理部、4…アナログ・デジタル変換部、5…ヒストグラム検波部、6…最大輝度値算出部、7…高輝度比率算出部、8…ニーポイント算出部、9…ニー処理部、10…信号処理部、11…エンコード部、12…デジタル・アナログ変換部、13…出力端子、14…制御部、15…記憶部、100…撮像装置

Claims (6)

  1. 撮像画像信号の輝度別画素数分布を検出するヒストグラム検波部と、
    前記撮像画像信号の最大輝度値を検出する最大輝度値算出部と、
    前記ヒストグラム検波部で検出された輝度別画素数分布を基に、1又は複数フレームを構成する全画素における高輝度信号の比率を算出する高輝度比率算出部と、
    前記最大輝度値算出部で検出された最大輝度値又は前記高輝度比率算出部で算出された高輝度信号の比率を基にニーポイントを算出するニーポイント算出部と、
    前記ニーポイント算出部で算出されたニーポイントを起点として、所定の傾き値をもったニースロープを生成するニー処理部とを備え、
    前記ニー処理部は、前記ニーポイント算出部で算出されたニーポイントの値がいずれの値の場合にも、前記所定の傾き値の値を変化させないことを特徴とする
    撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記ニーポイント算出部は、第1の閾値及び第2の閾値を備え、前記高輝度比率算出部で算出された高輝度信号の比率が前記第1の閾値未満である場合には、予め設定しておいた最大値をニーポイントとして設定し、前記高輝度信号の比率が前記第2の閾値以上である場合には、予め設定しておいた最小値をニーポイントとして設定し、前記高輝度信号の比率が前記第1の閾値以上でありかつ前記第2の閾値未満である場合には、前記高輝度信号の比率に応じてニーポイントの値を算出することを特徴とする
    撮像装置。
  3. 請求項2記載の撮像装置において、
    前記最大値は、前記撮像画像信号の出力ダイナミックレンジの最大値であることを特徴とする
    撮像装置。
  4. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記最大輝度値算出部は、前記ヒストグラム検波部で検出された輝度別画素数分布を基に輝度最大値を算出することを特徴とする
    撮像装置。
  5. 入力映像信号の輝度別画素数分布を検出するヒストグラム検波部と、
    前記入力映像信号の最大輝度値を検出する最大輝度値算出部と、
    前記ヒストグラム検波部で検出された輝度別画素数分布を基に、1又は複数フレームを構成する全画素における高輝度信号の比率を算出する高輝度比率算出部と、
    前記最大輝度値算出部で検出された最大輝度値又は前記高輝度比率算出部で算出された高輝度信号の比率を基にニーポイントを算出するニーポイント算出部と、
    前記ニーポイント算出部で算出されたニーポイントを起点として、所定の傾き値をもったニースロープを生成するニー処理部とを備え、
    前記ニー処理部は、前記ニーポイント算出部で算出されたニーポイントの値がいずれの値の場合にも、前記所定の傾き値の値を変化させないことを特徴とする
    映像信号処理装置。
  6. 入力映像信号の輝度別画素数分布を検出し、
    前記入力映像信号の最大輝度値を検出し、
    前記検出された輝度別画素数分布を基に、1又は複数フレームを構成する全画素における高輝度信号の比率を算出し、
    前記検出された最大輝度値又は高輝度信号の比率を基にニーポイントを算出し、
    前記算出されたニーポイントを起点として、所定の傾き値をもったニースロープを生成することを特徴とする
    映像信号処理方法。
JP2007085307A 2007-03-28 2007-03-28 撮像装置、映像信号処理装置及び映像信号処理方法 Expired - Fee Related JP4992507B2 (ja)

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