JP2008245063A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 対象物30が影を落とす床と同じ床上に設定したエリア45で、基準物40が作る影42を撮像し、得た影画像が有するRGBの各色成分の輝度分布をもとに、影画像を分析し、各色成分の基準輝度値を算出し、算出した基準輝度値に基づいて、背景を消した背景差分画像(対象物30と影32が残る)から影画像の画素を削除する処理としたことで、簡単な手順で、影を削除した対象物30の画像を高精度に検出でき、検出環境の変動にも適応し得る。
【選択図】 図1
Description
また、監視用のビデオカメラが撮ったビデオ信号を処理することによって、撮影した画面内で移動する物体の動きを自動検出する方法も提案されている。
(1) 予め撮っておいた背景画像と、背景に対象物の入った画像との差分をとって、背景差分画像を得る。
(2) 背景差分画像に対するラべリング処理により1対象物の画像を判断する。
(3) 時間ごとに上記(1),(2)の手順を行うことにより得られる対象物画像の位置変化から移動方向と移動量を検出する。
このような影の影響を除く従来技術として、下記特許文献1を挙げることができる。特許文献1には、影を検出する方法が記載されている。この方法は、入力画像の画素輝度と背景画像の画素輝度を比較して、所定値の輝度減衰が見られる画素を特定し、この所定値減衰画素の領域を影として検出する方法である。
また、画像の輝度信号にもとづいて、影を判断しているので、自然光或いは照明光の照射条件や対象物や周囲に在る物の光に対する特性等によって変わる検出環境の変動に適応できない場合が生じ、高精度の検出が困難である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像処理装置において、前記基準物を前記所定場所における前記対象物を検出すると同等の条件が得られる場所に設置するとともに、前記基準物の影画像を、前記撮像手段によって前記所定場所の対象物を検出するために撮像された画像から得るようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された画像処理装置において、前記分析手段は、前記基準輝度値を抽出する画像領域を設定する手段を備え、前記第2の画像処理手段は、背景差分画像における対象物の検出領域を設定する手段を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、前記第2の画像処理手段は、前記基準輝度値をもとに可変幅の輝度値を画素の削除に用いる輝度値とし、かつ注目する背景差分画像の重心からの距離が遠くなるに従い広い輝度値幅を設定するようにしたことを特徴とする。
また、対象物を検出すると同等の条件が得られる場所に基準物を設置するとともに、基準物と対象物の画像を同一の撮像で得るようにし、また、影画像の色成分を抽出する画像領域と背景差分画像における対象物の検出領域を設定することで、より検出精度を高めることができる。
また、画素の削除に用いる輝度値に可変幅の輝度値を設定できるようにし、この設定を注目する背景差分画像の重心からの距離が遠くなるに従い広い幅とすることで、本来削除すべきではない対象物の画像を正常に保つことができる。
本実施形態の画像処理装置は、ビデオカメラ等の動画像を撮る撮像装置(以下、本書ではこの撮像装置を「カメラ」という)が、監視を必要とする場所に設置され、このカメラが撮ったビデオ信号を処理することによって、撮影した画面内で移動する対象物の動きを検出する装置である。
(1) 予め撮っておいた背景画像と、背景に対象物の入った画像との差分をとって、背景差分画像を得る。
(2) 背景差分画像に対するラべリング処理により1対象物の画像を判断する。
(3) 時間ごとに上記(1),(2)の手順を行うことにより得られる対象物画像の位置変化を検出する。
この影は、上記「背景技術」の項で述べたように、対象物の動きを検出する精度に影響するので、削除することが望ましい。
本実施形態は、背景差分画像に残る影の削除方法に特徴を有する。
本実施形態の削除方法では、背景差分画像において取り除くべき影を判断するための基準として、影の基準画像を生成する。
図1は、カメラで監視場所を撮影したカメラ視野の画像を示す。
図1の対象物30が、移動してカメラ視野に入ってくる、監視の対象となる物で、その動きが検出される。対象物30は、影32を落としており、それが画像に映り込んでいる。
また、基準物40がカメラ視野内の所定の位置に置かれている。基準物40は、対象物と同様に、影42を落としており、その影42が、画像に映り込んでおり、影の基準画像として、後述する影の削除処理に用いられる。
なお、本実施形態では、対象物30、影32以外は、背景画像である。従って、基準物40及び基準物の影42は、背景画像となる。
例えば、エレベータの利用者をカメラで監視し、利用者とみなされる人が来た場合に、これを検出し、自動でエレベータを呼ぶ制御をする、といった目的でカメラを設置するケースを考える。このケースでは、利用者がエレベータを待つエリアは、通常決まっているので、そのエリア以外は、検出範囲から除外するために、エリア設定を行う。このエリア設定を適正に行うことで、エレベータを利用しない人によって、エレベータが動作する、といった不具合を防ぐことができ、処理に掛かる負担も軽減できる。
この設定エリアは、影の削除処理において、削除する影を判断するために用いる基準値としての条件を整える、つまり、対象物30の影32と同一の色成分となる画像を得るようにエリアを限定する、という意味を持つ。なお、このエリアの設定は、自然光、照明光等で監視場所が照らされ、時間によって照射条件が変わり、図1の基準影エリア45中に破線で示すように、影が変動することを考慮し、影の変動をカバーする範囲としている。
処理の始めに、背景画像を取り込む。この背景画像の取り込みは、監視すべき対象物30がない状態のタイミングを選んで行う。
取り込んだ背景画像は、背景差分画像を得るために用いられる。
RGBの色成分の輝度分布は、図1の例では基準物40の影42が床に落ちているので、床に落ちた影の基準画像の色成分を持つ。
本実施形態では、基準物40が作る影42が落ちる床は、対象物30の影32が落ちる床になるように、基準影エリア45を設定し、同一の条件で影の画像が得られるようにしている。よって、基準影エリア45に落ちる影42の画像を、対象物30の影32を判断する基準値とすることができる。
図2において、低輝度側のピークPaを中心に集中する輝度分布が、影42によって生じる部分である。この影42の輝度分布は、基準影エリア45に含まれる画素群をサンプリングすることによって集めたデータを分析することにより得られる。つまり、集めた輝度データをもとに、輝度分布を求め、輝度分布における低輝度側のピークPaを中心に集中する輝度データを抽出することにより、求めることができる。なお、図2において、高輝度側のピークPbを中心に集中する輝度分布は、床によって生じる部分であるから、基準影エリア45の画像に含まれ、サンプリングされるが、影の判断には用いない。
なお、上記で抽出した基準となる輝度値或いは分布データは、影の画像を判断する時に使用するために、保持しておく必要がある。また、影の画像の判断に用いる基準値の求め方は、後記で例を示す。
ただ、対象物30は、影32を落としており(図1、参照)、それが画像に映り込んでいるので、背景差分画像は、対象物30とともに影32を抜き出す。図3は、図1の画像を監視動作中の入力画像として、得られる背景差分画像であり、対象物30に影32を伴って抜き出された状況を示している。
ここでは、背景差分画像として得た対象物30と影32の画像に対し、背景画像を取り込んだときに求めた影の画像の基準となる輝度値或いは分布データに基づいて定めた基準値に照らして、削除すべき影の画像を構成する画素であるか、否かを判断する。
対象物30に影32を伴って抜き出された画像(図3)を上記の基準値により判断し、削除すべき影の画像を構成する画素に該当する画素を削除することで、対象物の画像のみを残した目的の画像を得ることができる。図4は、背景差分画像として得た対象物30と影32よりなる画像(図3)に対し、影32の削除処理を行うことにより得られる対象物30の画像のみを残した画像を示している。
先ず、背景画像(図1)の基準影エリア45に含まれる画素群をサンプリングし、影42の輝度分布範囲(図2)を求め、RGBの色成分ごとに削除すべき影の輝度分布の範囲(Dr,Dg,Db)を設定する。
この輝度分布範囲の設定は、例えば、影42の輝度分布におけるRGB各色の輝度分布から、それぞれの中心輝度を算出し、
基準物の影の中心輝度値(RGB各色): TR、TG、TB
を得る。ここで、この中心輝度値TR、TG、TBの±10の輝度値を持つ画素を削除すべき影として設定する。即ち、下記式(1)のRGB各色の最大(Max)、最小(Min)の輝度値によって、削除する範囲を既定する。
画素位置[x,y]の輝度値(RGB各色):BR[x,y]、BG[x,y]、BB[x,y]
が、上記削除すべき影の輝度分布の範囲として、式(1)で既定した範囲内の値であるかを判断して、影32の削除が必要な画像エリアである、
監視エリア:N、M
の画像の画素位置[x,y]に対応する2値化データHを下記式(2)に従って、生成する。
図5は、本実施形態に係る画像処理装置の構成の概要を示す。
図5に示す画像処理装置は、カメラ1、画像変換部2、出力部3、入力部4及び画像処理部10を有する。
この画像処理装置は、カメラ1によって撮影され、画像入力される視野に入ってくる対象物30を検出する機能を持つ。また、対象物30の検出において、精度の低下の要因となる、カメラ視野内に映り込む影32を削除する機能を合わせ持つ。
これらの機能は、画像変換部2を介してカメラ1から出力されるビデオ信号を取り込む画像処理部10の処理により実現される。なお、画像変換部2は、ビデオ信号をそれぞれRGBのデジタル輝度値を持つ2次元配列の画素データに変換する。
背景画像作成・記憶部11は、監視すべき対象物30がない状態で取り込んだ入力画像から後段の処理(背景差分画像の検出、輝度分布の算出等)で用いる背景画像を作成する手段、及び後段の処理で用いるためにデータを保持しておく記憶手段を持つ。
画像差分検出部12は、背景画像作成・記憶部11からの背景画像と入力画像との差分について絶対値を求め、背景差分画像を検出する。
影の輝度/対象物輝度判定処理部15は、設定された監視エリア35の背景差分画像を、影の画像を判断するための基準輝度値に照らし、画素単位で影/対象物を判定する。
影除去部14は、設定された監視エリア35の背景差分画像に対し、画素単位で行った影/対象物の判定結果を適用し、影32を削除する。
なお、画像処理部10は、PC(Personal Computer)を用いて構成することができる。この場合、画像処理部10が備える上記した背景画像作成・記憶部11、画像差分検出部12、輝度分布算出部13、影除去部14及び影の輝度/対象物輝度判定処理部15として機能させるためのプログラムをPCにインストールすることによって、画像処理部10を構成することができる。
初期設定の処理フローを示す図6では、基準影エリア45を設定する。基準影エリア45は、図1を参照して上記で説明したように、影が変動することを考慮し、影の変動をカバーする範囲とする。
従って、最初に画像処理装置を導入したとき、或いは導入後にも、影の変動が生じたときに、この処理フローを通すことにより、適正範囲を設定できる。
図6の処理フローの始めに、カメラ1によって撮影された画像を取り込む(ステップS101)。取り込んだ画像は、出力部3のディスプレイ上で、基準影エリア45を設定するオペレータが行うエリアの指示操作を受け付けるための表示に用いる。
ただ、この基準影エリア45の設定は、対象物30の影32と同一の色成分となる画像を得るようにエリアを限定する必要がある(上記した図1を参照して説明した基準影エリア45に関する記載、参照)。
そこで、ステップS102で行われるオペレータの操作の後、この条件を満たすエリアが設定されているかを確認して、条件を満たしていなければ再設定をする(ステップS103)。図1の図示のものを例に採ると、対象物30の影32が落ちている床と同一の条件となるように、設定する基準影エリア45を床の範囲に限定する。
ステップS103を経た後、実行を指示することにより、この処理フローを終了する。
なお、この実施形態では、影の削除処理のみのフローを示すが、画像処理装置が、例えば、監視場所に入ってくる移動物を検出対象として、その動きを検知する処理を行う場合には、その処理の前段で用いられる。
図7の処理フローでは、処理の始めに、背景画像を取得する処理を行う。背景画像としては、監視すべき対象物30がない状態での画像が求められるので、画像処理部10は、タイミングを計ってカメラ1から画像変換部2を介して、画像を取り込む(ステップS201)。
次に、画像処理部10では、背景画像作成・記憶部11によって、取り込んだ画像をもとに、背景画像を作成し、作成後この画像を後段で用いるために、記憶部に保存する(ステップS202)。
また、輝度分布算出部13は、背景画像作成・記憶部11に保存した背景画像に映し込まれている基準影エリア45の画像をもとに、基準輝度値を算出する(ステップS204)。基準輝度値は、初期設定で設定された基準影エリア45の画像から求めたRGBの各色成分の輝度分布をもとに、影42の画像を分析することにより算出され(上記式(1)を導く過程の説明、参照)、影の画像を判断するために用いられる。
次に、影除去部14は、設定された監視エリア35の背景差分画像に対し、影の輝度/対象物輝度判定処理部15が画素単位で行った影/対象物の判定結果を適用し(上記式(3)の説明、参照)、影32を削除する(ステップS206)。
ステップS206により対象物30だけが残った画像を得ることができるので、この処理フローを終了する。
上記の処理フローによると、対象物30の影と同一の条件で基準物40が作る影を撮像し、得た影画像が有するRGBの各色成分の輝度分布をもとに、影42の画像を分析することにより影画像の各色成分の基準輝度値を算出し、算出した基準輝度値に基づいて、背景差分画像から影画像の画素を削除する処理としたことで、簡単な手順で、影を削除した対象物の画像を高精度に検出することができ、検出環境の変動にも適応し得る。
“基準輝度値の適正化”
上記実施形態では、物体の影の濃淡については、特に考慮をしなかったが、実際は、物体から影までの距離により濃淡が変化する。図8に示すように、対象物30の影32は、対象物30からの距離が遠くなれば薄くなり、近いほど影が濃くなる。
このような影32の輝度変化に対して、影を削除する上記した方法を適用する際に、この影の濃淡の変化を考慮しないと、削除したくない対象物30の画像の一部が削除されてしまう、という不具合が生じる可能性がある。
これは、薄い影に合わせて削除すべき輝度値の範囲(上記式(1)を導く過程の説明、参照)を広めにとると、例えば、人が着ている服によっては、この部分の画像が削除されてしまうということが起きる。
この設定方法をとることで、対象物の画像が削除されることを避け、遠くにある影を有効に削除できるようにする。
本実施形態では、位置の関係を計る対象物の位置は、図9(A)に示すように、注目する背景差分画像の重心の位置30gとする。この重心の位置からの距離でエリアを決める。なお、背景差分画像は、影を削除する前の画像で、対象物30と影32を有するから、これらの画像の重心位置30gを対象物30の位置とみなす。
このように、画像の重心位置30gとして求めた位置からの距離との関係で輝度値の幅を設定すると、図9(B)に示すように、輝度値の幅を広く設定したエリア50Lは、影32をカバーし、輝度値の幅を狭く設定したエリア50Sは、対象物30をカバーする。
このように可変幅とした輝度値と設定エリアの関係を定めることで、本来削除すべきではない対象物の画像を正常に保つことができる。
Claims (4)
- 動画を撮る撮像手段と、
前記撮像手段によって所定場所を撮像し、該場所の背景画像を保持する背景画像保持手段と、
前記撮像手段によって前記所定場所の対象物を検出するために、該場所を撮像した画像を保持する検出画像保持手段と、
前記検出画像保持手段によって保持された画像及び前記背景画像保持手段によって保持された画像をもとに、背景差分画像を得る第1の画像処理手段と、
前記撮像手段によって基準物が作る影を撮像し、得た影画像が有する色成分ごとの基準輝度値を抽出する分析手段と、
前記第1の画像処理手段によって得られた背景差分画像から前記分析手段で抽出した前記基準輝度値を持つ画素を削除する第2の画像処理手段を有することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載された画像処理装置において、
前記基準物を前記所定場所における前記対象物を検出すると同等の条件が得られる場所に設置するとともに、
前記基準物の影画像を、前記撮像手段によって前記所定場所の対象物を検出するために撮像された画像から得るようにしたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項2に記載された画像処理装置において、
前記分析手段は、前記基準輝度値を抽出する画像領域を設定する手段を備え、
前記第2の画像処理手段は、背景差分画像における対象物の検出領域を設定する手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像処理装置において、
前記第2の画像処理手段は、前記基準輝度値をもとに可変幅の輝度値を画素の削除に用いる輝度値とし、かつ注目する背景差分画像の重心からの距離が遠くなるに従い広い輝度値幅を設定するようにしたことを特徴とする画像処理装置。
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