JP2008243770A - 照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】市場が必要としている照度と省エネルギーを備えた照明器具を提供すること。ガラスレンズを用いることで、発光ダイオードの発熱によるレンズの変形・劣化を防止し、発光ダイオードの発熱時の最大表面温度の100℃に対しても、耐熱性を高めること。また、適宜な大きさの照射範囲を得ること。
【解決手段】発光ダイオードを実装した発光素子基板13と、この発光素子基板13からの光を拡散し一面を平面状の平面部32とし他面を凸面状の凸面部33とした非球面レンズのガラスレンズ31と備えている。ガラスレンズ31は少なくともレンズ外径寸法よりも短い焦点距離を持っている。ガラスレンズ31の平面部32と該ガラスレンズ31の焦点の間に、前記発光素子基板13を前記ガラスレンズ31の平面部32とほぼ平行させて該発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31側に向けて配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井等から吊設されて商品を照らす店舗用の照明器具や、家庭内で照明用として用いられる照明器具に関するものであり、より詳しくは発光ダイオードを光源に用いた照明器具に関するものである。
現在、家庭内や店舗で大量に使用されている白熱電球は、エネルギー効率が極めて悪い。その理由は熱を光に変換する効率が悪いためである。最近は二重コイル型とか、色々な工夫がされてきており、60W型の電球の消費電力も54Wぐらいには改善されてきている。しかしながら、これ以上の効率の改善が原理的に無理と言われている。
ところで、2007年2月にオーストラリア政府は、地球温暖化による気候変動を遅らせる対策の一環として、国内での白熱電球の使用を2010年までに段階的にやめる計画を明らかにした。エネルギー効率の悪い白熱電球を効率の良い照明器具に切り替え、白熱電球の廃止が進むと、オーストラリアが排出する温室効果ガスの年間平均削減量は、2015年までにその量は、400万トンになると予想されている。
世界的に地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素とその他5種類の削減は、京都議定書において日本が合意した「6%削減」という数字は揺るぎないものである。
また、二酸化炭素は日本が排出する温室効果ガスの大部分を占めており、日本の温暖化対策にとって最も重要なガスである。さらに、オゾン層破壊の原因ともなっている。二酸化炭素の大部分は、電力などをはじめとするエネルギーの生産を起源とするものであるため、それに対する対策は最重要だと言える。日本は世界で4番目に二酸化炭素の排出が多い国である。
そのため、照明器具における照明のエネルギー効率を高めることは、地球温暖化対策の重要なエコ行動である。そして、各家庭におけるエネルギー消費量では、照明は一つの大きなジャンルになっている。
白熱灯は、そもそも10%程度しか明るさ(可視光)に変わらないと言われている。残りの90%は熱(赤外線と熱伝導)に変わってしまっている。発電所で投入されるエネルギーからすると僅か4%しか照明用として利用されておらず、96%以上が熱として消えている。蛍光灯も可視光に変わる効率は、白熱電球の4倍程度であり、84%は無駄になっている。
最近、白熱電球の代わりに、電球型蛍光灯が市場に出回ってきている。60W相当の照度の蛍光灯の消費電力は、15W程度であるものの、蛍光灯の内部には水銀が含まれており、水銀が自然環境中に放出されたときに問題になるのは、やはり水俣病のような人体に影響が出る恐れが指摘されていることである。
そのため、蛍光灯も状況によっては環境には良くなく、さらに蛍光灯の起動時の輝度も低く、点灯直後は輝度が50%ぐらいしかない。家庭では、電球は必要な時のみ点灯させ、不必要な時はすぐに消灯させる使用方法が一般的である。この蛍光灯を頻繁に点灯させたり、消灯させることによって、蛍光灯(ランプ)の寿命が大幅に短くなることも問題となっている。
この問題を解決するにあたり、光源として発光ダイオード(以下、LEDという。)の採用が待ち望まれている。LEDは半導体そのものが発光するという特性上、白熱電球や蛍光灯のようにフィラメントが切れて点灯しなくなることはない。
LEDは点灯直後(電源の印加直後)に100%の明るさを出すことができる。LEDを使用した交通信号灯では、従来の電球式の70Wに対して、12Wに消費電力量が大幅に削減されている。発光素子の1つである発光ダイオードは、白熱電球や蛍光灯に代わる次世代照明の本命として大いに注目されている。
なお、LEDを光源とした照明装置としては、例えば、下記の特許文献1が挙げられる。
特開2005−82106号公報
この特許文献1の照明装置は、車両用の室内照明装置であり、一面を開口した筐体内にLEDからなる光源ユニットを配設し、該筐体の開口面にスライド自在とした光透過性で樹脂製のカバーが設けられており、この平板状のカバーの内面には不規則で微細な溝を形成することで光拡散処理が施されている。
この特許文献1では、カバーを閉めることで、光源からの光をカバーにより拡散させて照射範囲を広くし、また、カバーをあけることで、LED自体のレンズの作用によって光を集光して放出させて、照射範囲の狭い光の照明を行なっているものである。
しかしながら、この特許文献1は、後述する本発明とは構造、作用等が全く異なるものである。
ところで、LEDの発光原理は以下の通りである。LEDのチップに順方向電圧をかけると、チップの中を電子と正孔が移動して電流が流れ、移動中に電子と正孔とがぶつかると結合する(再結合:N極とS極のように引き合い結合する)。この再結合すると、電子と正孔が結合前に、もともと持っていたエネルギーよりも、小さなエネルギーになる。その時に余ったエネルギーロスが光に変換されて発光する。
現在、市場では、店舗や家庭内で使用されている白熱電球の代わりに、LEDの採用が待ち望まれている。
しかし、照明器具の光源としてLEDを用いた場合の問題点は、高照度を得るためには大電力を投入する必要があり、大電力を投入すると、それに比例してLEDの発熱が増えることになる。LEDの発熱が増えると、発光効率が低下する。このLEDの発光効率の低下を補うために、大電力を投入するとさらに発熱が増えるという悪循環に陥る。
この悪循環の最後は熱でLED素子が破壊されることになる。また、LED素子が破壊にまで至らない場合でも効率が低下し寿命が短縮するという問題がある。
そのため、現在、市場にあるものは、高照度を確保するために、3W、5W等の高出力LEDを多数使用し、さらに大電力を投入し、LEDの発熱を抑える方法として、器具全体で放熱を行なっている。
その結果、器具の外面(表面)を触ると、かなりの高温となっており、人が触れるとヤケドなどの外傷を負う程度の熱さとなっているものもある。そのため、出来る限り電力の投入を抑え、器具の外面の温度を抑えるようにしている。そして、不足した照度を補うため、LEDの表面には、前記特許文献1に記載されているような樹脂で製作されたレンズを使用し、照度を確保しようとしている。
また、LEDに大電力を投入すると、LEDの発熱により、レンズが劣化・変形し、照射範囲や照度が変わってくるという問題もある。さらに、LEDの灯数を多く使用すると、コストが高くなり、市場で普及し得ない原因でもある。
市場で要求されている照度は、照明器具から距離2m離れた位置で、2mの円を描く範囲に電球と同じ照度を確保したものが待ち望まれている。
このため、従来の樹脂製のレンズを利用して照度を確保しようとしたLED照明器具は多品種販売されている。しかし、どのLED照明器具も60W電球どころか、40W電球の照度すら確保できないものばかりである。市場で40Wのレフ電球の照度を確保しているLED照明器具は、消費電力17W〜25Wを要している。
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、少なくとも以下の目的を持った照明器具を提供するものである。
(1)市場が必要としている照度と省エネルギーを備えた照明器具を提供すること。
(2)発光ダイオードの光を拡散させるレンズとしてガラスレンズを用いることで、発光ダイオードの発熱によるレンズの変形・劣化を防止し、発光ダイオードの発熱時の最大表面温度の100℃に対しても、耐熱性を高めること。
(3)ガラスレンズにより、照明器具を屋外に設置した場合でも、紫外線の影響による劣化・黄変を防止し、発光ダイオードが本来備えている演色性を変えることもなく、また、照度の低下を防止すること。
(4)発光ダイオードの発光部のみをレンズで覆うのではなく、発光ダイオードの発光部分以外の領域、発光ダイオードの周辺部分等を広範囲にガラスレンズで覆うことで、光の屈折率を最小限にし、光を有効に外部へ取り出し、十分に明るい照度を確保すること。
(5)発光ダイオードの放熱用の放熱板によりガラスレンズにて反射する光をガラスレンズ側に再反射させて、照度を一層上げるようにすること。
(6)発光ダイオードの発光面とガラスレンズの距離を、ほぼゼロの位置からガラスレンズの焦点距離の間で自在に変更可能として、器具の形状を変化させることなく、光源が照射されている場所の照度と、照射範囲を自由に変更可能とすること。
(7)所謂ダクトタイプの照明器具では、放熱を一層向上させて、表面温度の上昇を抑えること。
そこで、本発明の請求項1に記載の照明器具では、発光ダイオードを実装した発光素子基板13と、この発光素子基板13からの光を拡散し一面を平面状の平面部32とし他面を凸面状の凸面部33とした非球面レンズのガラスレンズ31と、前記発光素子基板13の発光ダイオードを点灯駆動する回路基板6とを備え、
前記ガラスレンズ31は少なくともレンズ外径寸法よりも短い焦点距離を持ち、
前記ガラスレンズ31の平面部32と該ガラスレンズ31の焦点の間に、前記発光素子基板13を前記ガラスレンズ31の平面部32とほぼ平行させて該発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31側に向けて配置していることを特徴としている。
請求項2に記載の照明器具では、前記発光素子基板13の発光面14の寸法に対して前記ガラスレンズ31の外径を3〜4倍としていることを特徴としている。
請求項3に記載の照明器具では、前記発光素子基板13を配設する放熱板11の金属面が前記ガラスレンズ31の方向に露出していることを特徴としている。
請求項4に記載の照明器具では、前記発光素子基板13の発光面14と前記ガラスレンズ31の距離を、ほぼゼロの位置から焦点距離の間で自在に変更可能としていることを特徴としている。
請求項5に記載の照明器具では、前記発光素子基板13、ガラスレンズ31及び回路基板6とで構成される器具ユニット39を下面を開口したダクト51に空間52を介して納装配置され、前記ダクト51の上部に空気流通用の通流孔53を設けていることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載の照明器具によれば、発光ダイオードの光を拡散させるレンズとしてガラスレンズ31を用いることで、発光ダイオードの発熱によるレンズの変形・劣化を防止し、発光ダイオードの発熱時の最大表面温度の100℃に対しても、耐熱性を高めることことができる。また、ガラスレンズ31により、照明器具を屋外に設置した場合でも、紫外線の影響による劣化・黄変を防止し、発光ダイオードが本来備えている演色性を変えることもなく、また、照度の低下を防止することができる。
さらには、ガラスレンズ31の平面部32と該ガラスレンズ31の焦点の間に、前記発光素子基板13を前記ガラスレンズ31の平面部32とほぼ平行させて該発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31側に向けて配置しているので、適宜な大きさの照射範囲を得ることができる。このように、市場が必要としている照度と省エネルギーを備えた照明器具を提供することができる。
請求項2に記載の照明器具によれば、前記発光素子基板13の発光面14の寸法に対して前記ガラスレンズ31の外径を3〜4倍としているので、発光ダイオードの発光部のみをレンズで覆うのではなく、発光ダイオードの発光部分以外の領域、発光ダイオードの周辺部分等を広範囲にガラスレンズ31で覆うことになり、光の屈折率を最小限にし、光を有効に外部へ取り出し、十分に明るい照度を確保することができる。
請求項3に記載の照明器具によれば、前記発光素子基板13を配設する放熱板11の金属面が前記ガラスレンズ31の方向に露出しているので、発光ダイオードの放熱用の放熱板11によりガラスレンズ31にて反射する光をガラスレンズ31側に再反射させて、照度を一層上げることができる。
請求項4に記載の照明器具によれば、前記発光素子基板13の発光面14と前記ガラスレンズ31の距離を、ほぼゼロの位置から焦点距離の間で自在に変更可能としているので、発光ダイオードの発光面とガラスレンズ31の距離を、ほぼゼロの位置からガラスレンズ31の焦点距離の間で自在に変更可能として、器具の形状を変化させることなく、光源が照射されている場所の照度と、照射範囲を自由に変更可能とすることができる。
請求項5に記載の照明器具によれば、前記発光素子基板13、ガラスレンズ31及び回路基板6とで構成される器具ユニット39を下面を開口したダクト51に空間52を介して納装配置され、前記ダクト51の上部に空気流通用の通流孔53を設けているので、器具ユニット39、特に発光素子基板13からの熱は、ダクト51内の空間52を経て、通流孔53を介して外部に放熱され、そのため、器具ユニット39が効率良く冷却され、器具ユニット39を覆っているダクト51の表面の温度はほとんど上昇しすることもない。
特に、照明器具本体1の使用状態としては、光の照射方向を下向き、あるいは斜め下方とした使い方をするので、下面を開口し、上部に通流孔53を設けたダクト51が、所謂煙突効果となってダクト51内の空気の流通を促進し、器具ユニット39の放熱効果を一層向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明のLED照明器具は、発光ダイオード(LED)と、このLEDの発光面側を非球面とし、LEDからの光の照射側を凸面状としたガラスレンズと、LEDを定電流にて発光(点灯)駆動する基板とを組み合わせことにより、市場が必要としている照度と省エネルギーを確保した照明器具である。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施形態の照明器具を図1〜図7により説明する。図1はLEDを光源とした電球タイプの照明器具本体1の破断正面図を示し、図2は該照明器具本体1の分解側面図を示している。
照明器具本体1の外殻を形成している電球形状のケーシング2は、図1〜図3に示すように、略円筒状のケース本体3と、このケース本体3の開口面側に嵌着されるカバー4とで構成されている。
ケース本体3の内部には、図3及び図4に示すように、円形の空所5が設けられていて、この空所5内に、LEDを定電流にて点灯駆動する回路基板6が配設されるようになっている。また、ケース本体3の空所5の開口面7を閉塞する形であってケース本体3の端面10側に2枚のアルミ板を重ねた円板状の放熱板11が配設される。なお、図4(a)はケース本体3の正面図を、(b)はケース本体3の破断側面図を、(c)はケース本体3の背面図をそれぞれ示している。
ケース本体3の端面10にはねじ穴12が2つ設けられており、このねじ穴12に皿ネジ(図示せず)を螺着することで、放熱板11がケース本体3の端面10に固定されるようになっている。
放熱板11の略中央部分には、複数のLEDを合成させた1枚の発光素子基板13が配設され、この発光素子基板13から発熱する熱を放熱板11にて放熱するようにしている。そして、放熱板11とは反対側の発光素子基板13の面を発光面14としている。
また、ケース本体3の端部は細径とした円柱状の口金支持部15が形成されており、この口金支持部15の表面に円筒状で導電性の口金16が固定されるようになっている。ケース本体3の口金支持部15の略中央には外部と空所5とに連通する挿通孔17が穿孔されていて、この挿通孔17に略傘状の口金押さえ具20の軸21が挿入される。
口金押さえ具20の軸21にはその軸方向に沿って孔22が両端を開口する形で穿設されており、この孔22にビス23を挿入し、この挿入したビス23の先端はケース本体3の空所5内に位置している。そして、このビス23の先端にナット(図示せず)にて螺着することで、口金16が口金押さえ具20に固定されることになる。
前記ケース本体3の端面10側に嵌着されるカバー4は、図1〜図3、図5に示すように、略円筒状に形成されており、前面側は前端に至るほど傾斜して細径に形成されている。この両側を開口したカバー4の前面側に開口部24が穿孔されていて、この開口部24よりガラスレンズ31が外部へ露出するようになっている。なお、図5の(a)はカバー4の正面図を、(b)はカバー4の破断側面図を、(c)はカバー4の背面図をそれぞれ示している。
また、開口部24とは反対側のカバー4の縁部の外周面にはネジ部25が螺刻されており、このカバー4のネジ部25と螺合するネジ部26が図4に示すようにケース本体3の縁部の内周面に螺刻されている。
図6(a)は合成樹脂製のレンズ押さえ具27の正面図を示し、(b)はレンズ押さえ具27の側面図を示している。このレンズ押さえ具27はリング円板状に形成されており、図1に示すように、このレンズ押さえ具27にてガラスレンズ31を押さえ、ケース本体3とカバー4をネジ部25、26により嵌合した際に、放熱板11の周縁部とレンズ押さえ具27とが密着し、ガラスレンズ31がケーシング2内に固定されることになる。
また、ガラスレンズ31がケーシング2内に固定される時には放熱板11に配設されている発光素子基板13はレンズ押さえ具27の空間内に位置することになる。
ガラスレンズ31は、従来よりある球面レンズではなく、非球面レンズを使用しており、図1及び図2に示すように、発光素子基板13側の面は平面状とした平面部32とし、ガラスレンズ31の前面は凸状の凸面部33としている。
従来ある、球面レンズには収差が発生するので、収差が大きいレンズは使用することができない。この収差を無くすことは球面レンズ単体では出来ず、凸レンズと凹レンズの組み合わせにより、完全ではないが収差を小さくしている。
しかし、非球面レンズであれば収差が無いので、従来の球面レンズを2枚使用するところ1枚に置き換えられる。このため、製品(照明器具)の小型化、軽量化、コストダウンを図ることができる。
また、従来の樹脂製のレンズは、紫外線の影響で1年も使用すれば黄変する。さらに、屋外に設置すると1カ月で黄変してしまう。レンズが黄変すると、照度が落ち、光源の演色性も変わる。本発明の照明器具本体1に用いているレンズは、ガラスレンズのため、紫外線の影響で劣化・黄変することはない。したがって、本来LEDの持っている演色性を変えることもなく、照度が落ちることもない。
本照明器具本体1の組み立てを簡単に説明すると以下の通りである。先ず、口金16をケース本体3の口金支持部15に挿入し、口金押さえ具20をビス23にて固定する。このビス23と口金16とで一対の電極が形成される。次に、LEDを定電流駆動する回路基板6をケース本体3の空所5内に挿入し、回路基板6とビス23、口金16、発光素子基板13との配線を行なう。
次に、ケース本体3の空所5内にウレタン樹脂を充填し、このウレタン樹脂が硬化することで回路基板6がケース本体3内に固定される。次に、発光素子基板13を取り付けた放熱板11をネジにてケース本体3の端面10側に固定する。そして、カバー4のガラスレンズ31を挿入し、レンズ押さえ具27を取り付けて、ケース本体3とカバー4とを合体させる。
ここで、ガラスレンズ31は、少なくともレンズ外径寸法よりも短い焦点距離を持ち、ガラスレンズ31の平面部32と該ガラスレンズ31の焦点との間に、発光素子基板13をガラスレンズ31の平面部32とほぼ平行に配置させている。また、発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31の平面部32に向けて配置しており、ガラスレンズ31の凸面部33はカバー4の開口部24より突出している。
また、ガラスレンズ31の平面部32の外径は、発光素子基板13の発光面14より大きく形成されており(例えば、発光素子基板13の発光面14の寸法に対してガラスレンズ31の外径を3〜4倍としている。)、ガラスレンズ31は従来のLEDの発光部分のみを覆う方法ではなく、発光面14はもちろん、発光素子基板13のLEDの発光部分以外の領域、発光素子基板13の周辺部分も広範囲にガラスレンズ31で覆うようにしている。
そもそも光は屈折率の高いところに閉じ込められ易いという性質を持っており、そのため、光源部(発光面14)のみを覆う従来のレンズ配置では、僅かな光しかレンズの外部へと取り出されず、「有用な発光」が十分には得られないことになる。
本発明では、ガラスレンズ31により発光素子基板13を含めた広範囲に発光面14を覆うことにより、光の屈折率を最小限にし、最大限、光を外部に取り出すことができるようにしている。また、放熱板11の色は、アルミ板の光沢のある銀色であり、発光面14から照射された光がガラスレンズ31の平面部32にて反射され、この反射した光をこの銀色の放熱板11の表面にて再反射させてガラスレンズ31へ照射させていることで、照明器具本体1の照度を一層上げることができる。
これにより、本発明の照明器具本体1は、電球の60W相当の照度を有しているにも関わらず、消費電力は4Wであり、白熱電球の1/15の消費電力で、また電球型蛍光灯の1/4の消費電力を達成している。したがって、本発明により次世代照明を実現させ、地球温暖化対策に大きく貢献している、画期的な照明器具を提供することができる。
なお、図1に示すように、ガラスレンズ31の平面部32と発光素子基板13の発光面14とは非常に近接しているが、レンズをガラスレンズ31として該ガラスレンズ31の耐熱温度は170℃であり、発光素子基板13のLEDの発熱時の最大表面温度は100℃であるので、LEDの発熱によるガラスレンズ31の変形がなく、劣化も無い。
このように、本実施形態では、発光ダイオードの光を拡散させるレンズとしてガラスレンズ31を用いることで、発光ダイオードの発熱によるレンズの変形・劣化を防止し、発光ダイオードの発熱時の最大表面温度の100℃に対しても、耐熱性を高めることことができる。また、ガラスレンズ31により、照明器具を屋外に設置した場合でも、紫外線の影響による劣化・黄変を防止し、発光ダイオードが本来備えている演色性を変えることもなく、また、照度の低下を防止することができる。
図7は、例えば、天井面から吊設されているソケット35に照明器具本体1を装着し、下方に向けて光を照射している状態を示し、照明器具本体1から2m離れた位置で、直径が約2mの円36を描いたものである。かかる場合、市場で要求されている照度と同じ照度を得ている。
なお、図7における使用例としては、店舗などの商品を照らす場合を示しているが、もちろん家庭用の一般の照明器具としても使用することができるものである。
このように本実施形態では、ガラスレンズ31の平面部32と該ガラスレンズ31の焦点の間に、前記発光素子基板13を前記ガラスレンズ31の平面部32とほぼ平行させて該発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31側に向けて配置しているので、適宜な大きさの照射範囲を得ることができる。このように、市場が必要としている照度と省エネルギーを備えた照明器具を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施形態を図8以降により説明する。本実施形態は所謂ダクトタイプの照明器具であり、ガラスレンズ31、発光素子基板13、該発光素子基板13を配設している放熱板11、発光素子基板13を定電流で駆動する回路基板6等の構成は先の実施形態と同じである。また、先の実施形態と同一の機能を発揮する部材には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
図8(a)は照明器具本体1の破断正面図を示し、(b)は照明器具本体1の側面図を示している。また、図9(a)は照明器具本体1の器具ユニット39の一部を断面とした要部側面図、(b)は図9(a)のA−A断面図をそれぞれ示している。図10は発光素子基板13を配設している放熱板11の平面図を示している。
器具ユニット39の構成を説明すると、回路基板6に一対の六角スペーサ40が取り付けられていて、上面を開口した有底円筒状のアルミ製の容器41に前記六角スペーサ40を取り付けた回路基板6が納装される。容器41の底面には六角スペーサ40の下部40aを挿通させる穴(図示せず)があいており、この穴を介して六角スペーサ40の下部40aが突出している。また、六角スペーサ40の上部40bは容器41の上端より突出している。
六角スペーサ40を取り付けた回路基板6を容器41内に納装した後に、ウレタン樹脂42(図11に示す斜線部分)を充填することで、容器41内で回路基板6が固定される。また、回路基板6からは発光素子基板13への接続用のリード線43とAC100Vに接続する電源ケーブル44とが導出されている。
発光素子基板13を上面に配設した放熱板11を六角スペーサ40の上部40bの端面に載置して、ネジ45を放熱板11に穿孔している穴を介して六角スペーサ40のねじ穴に螺合することで、放熱板11が六角スペーサ40に固定される。
回路基板6からのリード線43は放熱板11に穿孔している穴を介して発光素子基板13側に導出され、該リード線43は発光素子基板13に接続される。図9及び図11に示すように、ガラスレンズ31は略V字型の固定部材46により三カ所で放熱板11に固定されるようになっている。放熱板11にはネジ47挿通用の穴(図示せず)が穿設されており、また、固定部材46の底面にもネジ47が螺合するねじ穴(図示せず)が設けられている。
固定部材46によりガラスレンズ31を3カ所で支持すると共に、ネジ47を放熱板11の下方から挿入し、ネジ47を固定部材46のねじ穴に螺合することで、ガラスレンズ31が固定部材46を介して放熱板11に固定される。
また、六角スペーサ40の下部40aには固定金具50が取り付けられており、この固定金具50を介して図8(a)に示すようにダクト51の内部の器具ユニット39が固定される。この金属製のダクト51は下面を開口した円筒状に形成されており、ダクト51の内面と器具ユニット39との間には、該放熱板11等の器具ユニット39からの熱を放熱させるための空間52が形成されている。
また、ダクト51の上部には細長状の通流孔53が複数条穿孔されている。器具ユニット39から放熱された熱は空気と共に空間52を経て通流孔53から外部へと放熱される。
ダクト51は略U字型の支持具54にて支持されるようになっており、支持具54の両側の下部にはネジ55が設けられている。このネジ55の先端面にてダクト51の外面を押接することで、ダクト51を支持具54に対して任意の角度にて固定できるようになっている。
また、支持具54の上面にはブラケット56が設けられており、器具ユニット39からの電源ケーブル44がブラケット56内に案内されている。ブラケット56の上端面にはコンセントなどの電源と接続される一対の接続端子57が設けられており、この接続端子57に電源ケーブル44がそれぞれ接続されるようになっている。なお、支持具54がブラケット56に対して回動可能となっており、器具ユニット39の発光素子基板13からの光を任意の方向に照射可能となっている。
図12はレールコンセント60にブラケット56を接続し、該レールコンセント60から照明器具本体1を吊設した状態を示している。照明器具本体1から2m離れた位置で、直径が約2mの円36を描いたものである。かかる場合、市場で要求されている照度と同じ照度を得ている。
なお、図12における使用例としては、店舗などの商品を照らす場合を示しているが、もちろん家庭用の一般の照明器具としても使用することができるものである。
本実施形態では、ガラスレンズ31を用いていることや、発光素子基板13のガラスレンズ31の焦点に対しての配置位置等は先の第1の実施形態と同じなので、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
先の実施形態では、発光素子基板13からの放熱はケーシング2から直接に外部へと放熱していたが、本実施形態においては、器具ユニット39、特に発光素子基板13からの熱は、ダクト51内の空間52を経て、通流孔53を介して外部に放熱されるので、器具ユニット39が効率良く冷却され、器具ユニット39を覆っているダクト51の表面の温度はほとんど上昇しない。
特に、本実施形態の照明器具本体1の使用状態としては、光の照射方向を下向き、あるいは斜め下方とした使い方をするので、下面を開口し、上部に通流孔53を設けたダクト51が、所謂煙突効果となってダクト51内の空気の流通を促進し、器具ユニット39の放熱効果を一層向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施形態を図13及び図14により説明する。本実施形態は、発光素子基板13の発光面14とガラスレンズ31の距離を、ほぼゼロの位置から焦点距離の間で自在に変更可能としたものである。
図13(a)は、発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31の平面部32に密着に近い状態に配置した場合を示し、この場合では、光の照射範囲を大きくすることができる。
図13(b)は、発光素子基板13をガラスレンズ31と焦点距離fのほぼ中間の位置に配置した場合であり、(a)の場合よりも照射範囲を小さくすることができる。図13(c)は発光素子基板13を焦点距離fに近い場所に設置した場合を示し、光の照射範囲を更に小さくすることができる。
なお、図13において、光が照射されている場所の照度は、照射範囲の大きさに逆比例して低くなる。(a)は照射範囲が大で、照度が標準とした場合、(b)は、照射範囲が(a)より狭くなり、照度は(a)より高くなる。また、(c)は照射範囲は更に狭くなるが、照度は更に高くなる。
第2の実施形態におけるダクトタイプの照明器具本体1に本実施形態を適用するものであり、発光素子基板13をガラスレンズ31と焦点距離fとの間で自在に変更可能とすることで、光が照射されている場所の照度と、照射範囲を自由に変更することができる。
なお、図13(a)に示すように、発光素子基板13の発光面14をガラスレンズ31の平面部32にほぼ密着させた状態でも、発熱した発光素子基板13のLEDの表面温度が100℃であり、これに対してガラスレンズ31は耐熱温度が約170℃と高いため、熱的には何ら問題はない。
また、ガラス自体は、熱伝導が悪く、非球面レンズであるガラスレンズ31の表面に触れても、熱が伝わっておらず、安全である。
図14は具体例を示し、先の第2の実施形態ではガラスレンズ31を支持固定するのに、爪状の固定部材46を用いていたが、この固定部材46の代わりに円筒状の支持部材62を用いる。そして、この支持部材62の端部側の内周面にネジ部63を螺刻し、このネジ部63と螺合するネジ部64をガラスレンズ31の基部の外周面に螺刻する。
ガラスレンズ31を回転させることで、図中の矢印に示すようにガラスレンズ31が支持部材62の軸方向に対して進退自在に移動させることができ、これにより、ガラスレンズ31と発光素子基板13の発光面14の位置を、ガラスレンズ31の平面部32にほぼ密着させる位置から、ガラスレンズ31の焦点距離の間で自在に変更可能とすることができる。
このように、発光素子基板13の発光面14と前記ガラスレンズ31の距離を、ほぼゼロの位置から焦点距離の間で自在に変更可能としているので、発光ダイオードの発光面とガラスレンズ31の距離を、ほぼゼロの位置からガラスレンズ31の焦点距離の間で自在に変更可能として、器具の形状を変化させることなく、光源が照射されている場所の照度と、照射範囲を自由に変更可能とすることができる。
本発明の第1の実施の形態における照明器具本体の破断側面図である。 本発明の第1の実施の形態における照明器具本体の分解側面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるケーシングの破断側面図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施の形態におけるケース本体の正面図、破断側面図及び背面図である。 (a)〜(c)は本発明の第1の実施の形態におけるカバーの正面図、破断側面図及び背面図である。 (a)(b)は本発明の第1の実施の形態におけるレンズ押さえ具の正面図及び側面図である。 本発明の第1の実施の形態における使用状態を示す図である。 (a)(b)は本発明の第2の実施の形態における照明器具本体の破断正面図及び側面図である。 (a)は本発明の第2の実施の形態における器具ユニットの正面図、(b)は図9(a)のA−A断面図である。 本発明の第2の実施の形態における発光素子基板を配設した放熱板の平面図である。 本発明の第2の実施の形態における器具ユニットの正面図である。 本発明の第2の実施の形態における照明器具本体の使用状態を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の第3の実施の形態における説明図である。 本発明の第3の実施の形態における要部断面図である。
符号の説明
1 照明器具本体
6 回路基板
11 放熱板
13 発光素子基板
14 発光面
31 ガラスレンズ
32 平面部
33 凸面部
39 器具ユニット
51 ダクト
52 空間
53 通流孔

Claims (5)

  1. 発光ダイオードを実装した発光素子基板(13)と、この発光素子基板(13)からの光を拡散し一面を平面状の平面部(32)とし他面を凸面状の凸面部(33)とした非球面レンズのガラスレンズ(31)と、前記発光素子基板(13)の発光ダイオードを点灯駆動する回路基板(6)とを備え、
    前記ガラスレンズ(31)は少なくともレンズ外径寸法よりも短い焦点距離を持ち、
    前記ガラスレンズ(31)の平面部(32)と該ガラスレンズ(31)の焦点の間に、前記発光素子基板(13)を前記ガラスレンズ(31)の平面部(32)とほぼ平行させて該発光素子基板(13)の発光面(14)をガラスレンズ(31)側に向けて配置していることを特徴とする照明器具。
  2. 前記発光素子基板(13)の発光面(14)の寸法に対して前記ガラスレンズ(31)の外径を3〜4倍としていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
  3. 前記発光素子基板(13)を配設する放熱板(11)の金属面が前記ガラスレンズ(31)の方向に露出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明器具。
  4. 前記発光素子基板(13)の発光面(14)と前記ガラスレンズ(31)の距離を、ほぼゼロの位置から焦点距離の間で自在に変更可能としていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の照明器具。
  5. 前記発光素子基板(13)、ガラスレンズ(31)及び回路基板(6)とで構成される器具ユニット(39)を下面を開口したダクト(51)に空間(52)を介して納装配置され、前記ダクト(51)の上部に空気流通用の通流孔(53)を設けていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011249236A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Panasonic Corp 電球形ランプ及び照明装置
JP2013140807A (ja) * 2013-03-07 2013-07-18 Toshiba Lighting & Technology Corp 電球形ランプおよび照明器具

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