JP2008243756A - 燃料電池用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】
酸素還元活性が高く、低コストな燃料電池用触媒を提供し、発電効率が高く、低コストな燃料電池を提供する。
【解決手段】
酸化剤ガスを還元する燃料電池用触媒について、パラジウムを有し、パラジウムは少なくとも一部が酸化されている燃料電池用触媒を用いる。また、燃料を酸化するアノードと、酸化剤ガスを還元するカソードと、アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する燃料電池において、カソード触媒に酸化されたパラジウムを用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用触媒に係り、特に、カソードに使用される燃料電池用触媒に関する。
最近の電子技術の進歩によって、電話器,ノート型パソコン,オーディオ・ビジュアル機器,カムコーダ、あるいは個人情報端末機器などの携帯用電子機器が急速に普及している。
従来、こうした携帯用電子機器は、二次電池によって駆動するシステムであり、シール鉛蓄電池,Ni/Cd電池,Ni/水素電池、さらにはLiイオン二次電池へと、新型の高エネルギー密度の二次電池が出現し、携帯用電子機器は、より小型・軽量化が進み、また、携帯用電子機器の高機能化が図られてきた。
何れの二次電池においても、エネルギー密度を、より一層高めるために、電池活物質の開発や高容量電池構造の開発が進められ、一充電での使用時間の長い電源を実現する努力が払われている。
しかしながら、二次電池は、一定の電力を使用した後に必ず充電操作を必要とし、充電設備と比較的長い充電時間とが必要となるため、携帯用電子機器をいつでも,どこでも、長時間にわたって連続的に駆動するには多くの問題が残されている。
今後、携帯用電子機器は、ますます増加する情報量と、高速化,高機能化に対応して、より高出力密度であって高エネルギー密度の電源、すなわち、連続駆動時間の長い電源を必要とする方向に向かっており、充電を必要とせず、容易に燃料補給ができるマイクロ発電機の必要性が高まっている。
こうした背景から、こうした要請に応え得るものとして、燃料電池が考えられる。燃料電池は、少なくとも固体又は液体の電解質、及び所望の電気化学反応を誘起する二個の電極、いわゆるアノード及びカソードから構成され、その燃料が持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに高効率で変換する発電機である。
燃料には、化石燃料或いは水などから化学変換された水素、通常の環境で液体或いは溶液であるメタノール,アルカリハイドライド,ヒドラジン、又は加圧液化ガスであるジメチルエーテルが用いられ、酸化剤ガスには空気又は酸素ガスが用いられる。
燃料電池では、アノードにおいて燃料が電気化学的に酸化され、カソードにおいて酸素剤ガスが還元され、両電極間には電気的なポテンシャルの差が生じる。このときに外部回路として負荷が両電極間にかけられると、電解質中にイオンの移動が生起され、電気エネルギーが取り出される。
このために各種の燃料電池は、携帯用電子機器の電源,火力機器代替えの大型発電システム,小型分散型コージェネレーションシステムの電源,自動車用エンジン発電機代替えの電気自動車の電源としての期待は高く、実用化開発が活発に展開されている。
これら燃料電池の電極に使われる触媒は、一般的に、アノードでは白金あるいは白金/ルテニウム、カソードでは白金が用いられている(特許文献1,2参照)。
特開2006−339120号公報 特開2006−331718号公報
従来の白金触媒では、カソードにおける酸素還元活性が十分ではないため、燃料電池の発電効率が低くなってしまう。また、白金は高価であり、触媒は高コストとなる。
そこで、本発明は白金触媒に代わる発電効率の高い燃料電池用触媒を提供するものである。
本発明の一実施態様である酸化剤ガスを還元する燃料電池用触媒は、パラジウムを有しており、パラジウムは少なくとも一部が酸化されていることを特徴とする。
そして、パラジウムは少なくとも50%以上であることが好ましく、より好ましくは少なくとも70%以上が酸化されている。
また、パラジウムは炭素担体に担持されていることが好ましい。
本発明の一実施態様である燃料電池は、燃料を酸化するアノードと、酸化剤ガスを還元するカソードと、アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有するものであって、カソードが、パラジウムを有し、このパラジウムの少なくとも一部が酸化されている燃料電池用触媒を有するものである。
本発明の一実施態様のポイントは、例えば、空気中に含まれる酸素を還元する、カソードに使用する燃料電池用触媒に関するものであり、パラジウムを主成分とし、このパラジウムが、酸化されていることを特徴とするものである。
本発明によって、白金触媒に代わる発電効率の高い燃料電池用触媒を提供することができる。
本発明に係る実施例を以下に示す。
本実施例の燃料電池用触媒は、少なくとも一部が酸化されたパラジウムである。
従来の白金触媒やパラジウム触媒よりも高い酸素還元活性を得ることができる。
本実施例で用いる少なくとも一部が酸化されたパラジウムは、水酸化パラジウム
(Pd(OH)2),一酸化パラジウム(PdO),二酸化パラジウム(PdO2)等のパラジウム酸化物を、少なくとも一部に有するパラジウムのことである。
また、これらのパラジウム酸化物は、複合状態であってもよい。
金属パラジウムに対するパラジウム酸化物の割合が多くなることで、高い酸素還元活性を得ることができる。
パラジウムの酸化の割合は、X線光電子分光(XPS)分析によるパラジウムの3d軌道電子の結合エネルギーから評価することができる。
金属状態のパラジウム(Pd)の結合エネルギーは、335.0〜335.5eVの範囲にピークがあり、酸化状態となるにつれ、高エネルギー側の強度が強くなる。
例えば、一酸化パラジウム(PdO)は、336.3eV 前後の結合エネルギーが強くなり、二酸化パラジウム(PdO2)は、337.9eV前後の結合エネルギーが強くなる。
したがって、XPS分析で得られたパラジウムの3d軌道電子のスペクトルをピーク分離し、ピークを相対比較することで、パラジウムの酸化の程度を定量的に比較することができる。
本実施例が意図するパラジウムの酸化の割合は、XPSによるスペクトル解析により得られたピークを100%とし、金属パラジウムの割合を100%から減算することで、酸化されたパラジウムの割合を求めた。なお、金属パラジウムのピークよりも高エネルギー側に酸化されたパラジウムのピークは現れる。
本実施例で用いる少なくとも一部が酸化されたパラジウムの酸化の程度は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。酸化の程度が、50%より小さい場合は、酸素還元活性が低く、燃料電池に適用した際に、実用的な出力密度を得ることが困難となる。
少なくとも一部が酸化されたパラジウムは、微粒子であることが好ましい。これは微粒子とすることで単位重量当りの表面積が増大するためであり、より少ない量で高い酸化還元活性を得ることができるためである。
粒子径は、好ましくは最大200nm以下が実用的な表面積を確保するために望ましい。
また、本実施例で用いる燃料電池用触媒は、少なくとも一部が酸化されたパラジウムを有することで効果が得られ、白金,ルテニウム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,ロジウム,レニウム,イリジウム,金,タングステンが含まれていても構わないが、こうして金属元素の成分割合として50%以上がパラジウムであることが望ましい。つまり、主成分は少なくとも一部が酸化されたパラジウムである。
少なくとも一部が酸化されたパラジウムの粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、パラジウム粒子の酸化処理によって得る方法がある。
パラジウム粒子の製造方法は、例えば、無電解めっき法が挙げられる。
パラジウム塩の溶液に、還元剤を加え、攪拌しながら昇温することでパラジウム塩が還元され、パラジウム粒子を得ることができる。
ここで、パラジウム塩としては、塩化パラジウム,硝酸パラジウム等を、還元剤としては、次亜リン酸,ジメチルアミンボラン,水素化ホウ素ナトリウム,ヒドラジン,ホルムアルデヒド等を用いることができる。
得られたパラジウム粒子を酸化する処理としては、含酸素雰囲気で熱処理を行う方法がある。
このときの含酸素雰囲気中の酸素濃度は、大気中の濃度である20%程度で良いが、より高い酸素濃度の方が速やかに酸化される。
また、熱処理の温度は、100℃〜600℃程度が良い。100℃より低い温度であると十分な酸化の進行に要する時間が長すぎ、600℃より高い温度であると酸化されたパラジウム粒子の粗大化が進み、単位重量当りの表面積が減少するため好ましくない。
また、別の方法としては、パラジウム塩の溶液を攪拌しながらアルカリ物質を加え、酸化されたパラジウム粒子として析出させる方法がある。ここでアルカリ物質としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,アンモニア,炭酸ナトリウム等を選ぶことができる。
析出させた酸化されたパラジウム粒子は、ろ過,乾燥することで粉末とすることができるが、乾燥雰囲気は、酸化雰囲気や不活性雰囲気などの雰囲気とする。これは得られた酸化されたパラジウムが還元され、金属パラジウムとなってしまうのを防止するためである。
本実施例では、添川理化学株式会社製のパラジウム(パラジウム黒やパラジウムブラックと呼称されることがある)を大気中で熱処理することで、酸化されたパラジウムを得て、これを触媒とした。ここで熱処理条件は、200℃,67時間である。
さらに、少なくとも一部が酸化されたパラジウムは、カーボン担体に担持することで、より微細な粒子とすることができる。このため、単位重量当りの表面積が増大し、酸素還元活性が増大する。
カーボン担体は、特に、限定されるものではなく、一般的なカーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックの比表面積は、10〜1000m2/g 程度が好ましい。
10m2/g より小さい場合は、パラジウム粒子間の距離が近くなりすぎるために、凝集による粗大化が起こってしまう。
1000m2/g より大きい場合は、細孔容積が大きくなりすぎるために、細孔内に入り込んだパラジウム粒子が反応に寄与できなくなり、反応効率が悪化する。
また、カーボン担体としては、カーボンブラックの他に、カーボンナノチューブを用いることもできる。
カーボン担体へ、少なくとも一部が酸化されたパラジウムを担持する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンに担持されたパラジウムを酸化する方法がある。
酸化の方法は、先に言及した条件と同様の条件で実施することができる。
また、カーボンに担持されたパラジウムの製造方法も、先に言及した方法と同様に無電解めっき法を用いることができる。
具体的には、パラジウム塩の溶液にカーボン担体を分散させ、還元剤を加え、攪拌しながら昇温することで、カーボンに担持されたパラジウムを得ることができる。
また、別の方法としては、パラジウム塩の溶液にカーボン担体を分散させ、攪拌しながらアルカリ物質を加え、酸化されたパラジウム粒子として析出させると同時にカーボン担体に担持させる方法がある。
得られた触媒は、ろ過,乾燥することで、粉末とすることができるが、先に言及した方法と同様に乾燥雰囲気は、酸化雰囲気や不活性雰囲気などの雰囲気とすることが望ましい。
また、別の方法としては、カーボン担体の粉末が保持できる量のパラジウム塩の溶液を、カーボン担体に含浸させ、大気中あるいは減圧下で乾燥させた後、含酸素雰囲気下で熱処理をすることで、パラジウム塩を少なくとも一部が酸化されたパラジウムとすることができると共に、カーボン担体に担持させることができる方法がある。
このときの含酸素雰囲気中の酸素濃度は、大気中の濃度である20%程度で良いが、より高い酸素濃度の方が速やかに酸化される。
また、熱処理の温度は、100℃〜600℃程度が良い。100℃より低い温度であると十分な酸化の進行に要する時間が長すぎ、また、600℃より高い温度であると酸化されたパラジウム粒子の粗大化が進み、単位重量当りの表面積が減少するため好ましくない。
添川理化学株式会社製のパラジウムを大気中で、200℃,4時間熱処理することで酸化されたパラジウムを得て、これを触媒とした。なお、他の点では実施例1と同様である。
〔比較例1〕
添川理化学株式会社製のパラジウムを触媒とした。大気中での熱処理を施さない点で実施例1と異なる。なお、他の点では実施例1と同様である。
〔比較例2〕
田中貴金属工業株式会社製の白金を触媒とした。なお、他の点では実施例1と同様である。
(評価1)
図1に、実施例1の触媒と比較例1の触媒との、XPS分析ので得られたパラジウムの3d軌道電子のスペクトルを示す。なお、図1において、横軸は結合エネルギーであり、縦軸は相対的な強度である。
なお、測定に用いた装置は、島津/KRATOS社製のX線光電子分光装置(AXIS−HS)である。
実施例1の触媒は、金属パラジウム(金属Pd)の状態を示すピークが他のピークと比較して小さい。一方、比較例1の触媒は、金属パラジウム(金属Pd)の状態を示すピークが他のピークと比較して大きい。また実施例2の触媒は、金属パラジウム(金属Pd)の状態を示すピークが、他のピークと比較して小さいが、実施例1の触媒に比較して差が小さい。このことから、実施例1,実施例2の触媒は、比較例1の触媒に比較して酸化されており、実施例1の触媒が最も酸化されていることがわかる。
図1のピーク解析を行い、金属パラジウム(金属Pd)とパラジウム酸化物(PdO,PdO2)との割合を算出した結果を、表1に示す。
実施例1では70%がパラジウム酸化物であり、実施例2では65%がパラジウム酸化物であり、比較例1では49%がパラジウム酸化物であった。
Figure 2008243756
(評価2)
実施例1,実施例2の触媒並びに比較例1,比較例2の触媒の酸素還元活性を評価した。
評価は、回転ディスク電極を用いた電気化学的評価とし、評価装置は、北斗電工製の電子負荷装置(HZ−3000)を用いた。
また、回転ディスク電極は、北斗電工製のカーボン電極(HR2−D1−GC5)を用いた。
作用極は、回転ディスク電極上に、各触媒を純水に分散させた溶液を滴下し、減圧乾燥させた後、0.1重量%のNafion(登録商標) 溶液を触媒の上から滴下し、減圧乾燥したものを用いた。
作用極上の触媒量は、0.2mg/cm2、Nafion(登録商標)量は、0.05mg/cm2となるようにした。
対極は白金線、参照極はAg/AgCl(飽和KCl)を用いた。
電解液は0.5mol/リットルの硫酸水溶液を用い、温度は35℃とした。
酸素還元活性評価前に、N2にて電解液をバブリングしながら、0.03〜1.2V vs.NHE(ノーマル・ハイドロジェン・エレクトロード)の範囲で電位走印を行い、水素脱離電気量を求めた。
その後、N2バブリング下で、0.2〜1.1V vs. NHEの範囲で電位走印を行い、得られた電流をバックグランド電流とした。
次に、O2にて電解液をバブリングしながら、0.2〜1.1V vs. NHEの範囲で電位走印を行い、得られた電流からバックグランド電流を引いたものを酸素還元電流とした。
酸素還元活性の比較は、酸素還元電流を事前に求めた水素脱離電気量で除した値を比較した。ここで水素脱離電気量は、触媒の反応表面積に比例する値であるため、酸素還元活性は単位反応表面積当りの酸素還元電流を意味する。
図2に各触媒の酸素還元活性を示す。実施例1の触媒,実施例2の触媒は、比較例1の触媒,比較例2の触媒に比べて高い酸素還元活性を示すことがわかった。なお、図2において、横軸は電位であり、縦軸は酸素還元活性である。
図3に、実施例1の触媒と実施例2の触媒と比較例1の触媒におけるパラジウム酸化物の割合と酸化還元活性(0.7251V vs. NHEにおける酸素還元電流)の関係を示す。パラジウム酸化物の割合が50%以上で酸素還元活性が大きくなることがわかった。
図3は、本実施形態において説明する燃料電池の断面模式図である。
燃料電池は、アノード触媒とバインダーとを含むアノード31,本実施形態において作製するカソード触媒とバインダーとを含むカソード33、及びそれらの間に形成される固体高分子電解質膜32を有し、これらアノード31,カソード33,固体高分子電解質膜32を膜/電極接合体と呼称する。
アノード31及びカソード33には、図示していないが、カーボンペーパーやカーボンクロスなどの拡散層を配置することが望ましい。
アノード31側には、メタノール水溶液35が供給され、二酸化炭素36が排出される。カソード33側には、酸素や空気等の酸化剤ガス37が供給され、導入した酸化剤ガスの未反応気体と水とを含む排ガス38が排出される。
また、アノード31とカソード33とは、外部回路34へ接続される。ここでメタノール水溶液35は燃料であるが、代わりに水素等を使うこともできる。
アノード触媒は、白金あるいは白金ルテニウムを用いることができる。ここでカーボン担体に白金あるいは白金ルテニウムを担持させたものが、白金あるいは白金ルテニウムを微粒子化することが容易であるため好ましい。
固体高分子電解質膜32には、水素イオン導電性を有する材料を用いると、大気中の炭酸ガスの影響を受けることなく、安定な燃料電池を実現できる。
このような材料として、ポリパーフルオロスチレンスルフォン酸,パーフルオロカーボン系スルフォン酸などに代表されるスルフォン酸化したフッ素系ポリマーや、ポリスチレンスルフォン酸,スルフォン酸化ポリエーテルスルフォン類,スルフォン酸化ポリエーテルエーテルケトン類などの炭化水素系ポリマーをスルフォン化した材料、あるいは炭化水素系ポリマーをアルキルスルフォン酸化した材料を用いることができる。
これらの材料を電解質膜として用いれば、一般に、燃料電池を80℃以下の温度で作動することができる。
また、タングステン酸化物水和物,ジルコニウム酸化物水和物,スズ酸化物水和物などの水素イオン導電性無機物を、耐熱性樹脂若しくはスルフォン酸化樹脂にミクロ分散させた複合電解質膜等を用いることによって、より高温域まで作動する燃料電池とすることもできる。
特に、スルフォン酸化されたポリエーテルスルフォン類,ポリエーテルエーテルスルフォン類或いは水素イオン導電性無機物を用いた複合電解質類は、ポリパーフルオロカーボンスルフォン酸類に比較して、燃料のメタノール透過性の低い電解質膜として好ましい。
いずれにしても水素イオン伝導性が高く、メタノール透過性の低い電解質膜を用いると燃料の発電利用率が高くなるため、本実施例の効果である燃料電池のコンパクト化、及びより長時間の発電を達成することができる。
バインダーは、先に言及したものと同様の固体高分子電解質を用いることができ、電解質膜と同様の材質のものが使える。
膜/電極接合体の作製方法としては、触媒とバインダーとを溶媒に分散させ、これを電解質膜に直接形成するスプレー法,インクジェット法などで塗布する方法や、テフロンシートなどに塗布し、熱転写によって電解質膜に貼り付ける方法、あるいは拡散層に塗布した後に電解質膜に貼り付ける方法がある。
このようにして得られる本実施形態において作製するカソード触媒を用いた膜/電極接合体、あるいは燃料電池は高い出力密度を持つ。また、カソード触媒に白金を用いていないため、低コストである。
作製した燃料電池を携帯用情報端末に実装した例を図4に示す。
この携帯用情報端末は、タッチパネル式入力装置が一体化された表示装置41と、アンテナ42とを内蔵した部分と有する。
さらに、燃料電池43,プロセッサ,揮発及び不揮発メモリ,電力制御部,燃料電池
43及びリチウムイオン二次電池45のハイブリッド制御部,燃料モニタなどの電子機器及び電子回路などを実装したメインボード44,リチウムイオン二次電池45を搭載する部分が、燃料カートリッジ46のホルダーをかねたヒンジ47で連結された折たたみ式の構造をとっている。
このようにして得られる携帯用情報端末は、燃料電池43の出力密度が高いため、燃料電池43を小さくでき、軽量でコンパクトな構成とすることができる。
また、燃料電池43のコストが低いため、低コストとすることができる。
本実施例によれば、酸素還元活性が高く、低コストな燃料電池用触媒を提供することができ、発電効率が高く、低コストな燃料電池を提供することができる。
本発明の燃料電池は、携帯用電子機器に利用可能である。
本実施形態に係る触媒のXPS分析結果を示す図。 本実施形態に係る触媒の酸素還元活性を示す図。 本実施形態に係るパラジウム酸化物の割合と酸素還元活性の関係を示す図。 本発明に係る燃料電池の断面模式図。 本発明に係る携帯用情報端末の断面図。
符号の説明
33 カソード
34 外部回路
35 メタノール水溶液
36 二酸化炭素
37 酸化剤ガス
38 排ガス
41 アノード
42 固体高分子電解質膜
43 燃料電池
44 メインボード
45 リチウムイオン二次電池
46 燃料カートリッジ
47 ヒンジ
51 表示装置
52 アンテナ

Claims (7)

  1. 酸化剤ガスを還元する燃料電池用触媒において、
    パラジウムを有しており、前記パラジウムは少なくとも一部が酸化されていることを特徴とする燃料電池用触媒。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用触媒において、
    前記パラジウムは少なくとも50%以上が酸化されていることを特徴とする燃料電池用触媒。
  3. 請求項1に記載の燃料電池用触媒において、
    前記パラジウムは炭素担体に担持されていることを特徴とする燃料電池用触媒。
  4. 燃料を酸化するアノードと、酸化剤ガスを還元するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する燃料電池において、
    前記カソードに、請求項1に記載の燃料電池用触媒を有することを特徴とした燃料電池。
  5. 請求項4に記載の燃料電池を搭載した携帯用電子機器。
  6. 請求項4に記載の燃料電池において、
    前記燃料がメタノール水溶液であることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項4に記載の燃料電池において、
    前記酸化剤ガスが空気中の酸素であることを特徴とする燃料電池。
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