JP2008243436A - 燃料電池電極用担持触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒性能にすぐれるとともに、高濃度メタノールに対して安定な担持触媒を提供すること。
【解決手段】担体上に、触媒金属が保持された燃料電池電極用の担持触媒であって、前記担体が親水性を有し、該親水性担体の表面の少なくとも一部に、プロトン伝導を促進する金属酸化物を有することを特徴とする担持触媒。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池において電極作製に用いられる燃料電池用担持触媒ならびにこの担持触媒を用いた燃料電池用電極に関する。
燃料電池は、電池内で水素やメタノール等の燃料を電気化学的に酸化することにより,燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して取り出すものであり、火力発電の場合のように燃料の燃焼によるNOxやSOxなどの発生がないため,クリーンかつ効率的な電気エネルギー供給源として注目されている。特に、固体高分子型燃料電池は、他の燃料電池に比べ、小型軽量化が可能なため、宇宙船用電源として開発され、最近では自動車などの電源として精力的に研究されている。
従来の燃料電池の電極構造としては、たとえば、カソード用集電体/カソード/プロトン伝導性膜/アノード/アノード集電体からなる5層サンドイッチ構造が提案されている。このような燃料電池用の電極、すなわちアノードおよびカソードを作製するに当たり特に重要な点は、一酸化炭素などによる電極の被毒防止と単位触媒当たりの活性とを高めることである。従来から、このような被毒回避および高活性化のために、担持触媒金属を選択し、単味または合金として担体に担持させることが提案されており、これまで種々の燃料電池用触媒およびこれを用いた電極が実用化されている。
一方、燃料電池用触媒において、触媒を担持させる担体としては、従来一般的にカーボンが用いられている。それは、カーボンが導電性を有することから、触媒表面で発生した電子を効率的に取り出して電子伝導に寄与するため、触媒金属がカーボンに直接担持されていることが有効であると考えられているからである。
しかしながら、たとえば白金およびその合金を高濃度に担持させたカーボン担持触媒にあっては、有機溶媒(特にアルコール)と接触する際に発火する危険性があるという問題がある。また、使用されるプロトン伝導性物質の適用にあたっては、その溶解性の問題からアルコールを含む溶液を用いる必要があり、したがって、上記の高担持カーボン触媒を添加して電極作製用スラリーを作製する際においてやはり発火の危険性を生じさせる。そこで、発火の問題を解消するためには、まず、触媒に水を加えたのち良く攪拌して触媒表面が水に濡れた状態にした上で、プロトン伝導性物質の溶けた溶液を加えてスラリー化することが行われている。
しかし、これらのカーボン担持触媒は、疎水性であるため、水を加えて攪拌した際、触媒同士の凝集が起こり、その後に加えたプロトン伝導性物質を触媒全体に均一に分散させることができなくなり、このため燃料電池を形成するために必要な3層界面が形成されていない部分が不可避的に多くなって触媒の使用効率が低下するという新たな問題があった。さらにまた、従来の電極に使用される上述したプロトン伝導物質である高分子電解質は、メタノール等の液体燃料にさらされると溶解する傾向があり、耐久性の点でも問題があった。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、触媒の使用効率の向上を図るとともに、液体燃料に対する耐溶解性と安定性にすぐれた担持触媒を提供することを目的とするものである。さらに本発明は、この担持触媒を用いた電極、膜電極接合体、ならびに燃料電池を包含する。
上述した課題を解決するために、本発明に係る担持触媒は、担体上に、触媒金属が保持された燃料電池電極用の担持触媒であって、前記担体が親水性金属酸化物Aであって、担体の表面の少なくとも一部に金属酸化物Bを担持することでプロトン伝導性を有することを特徴とする、
本発明の好ましい態様においては、上記の金属酸化物Bが、W、Mo、VおよびBからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物からなる。
さらに、本発明の好ましい態様においては、上記親水性の担体(金属酸化物A)がチタン酸化物TiO或いはジルコニア酸化物ZrOからなり、上記触媒成分を構成する触媒金属が、白金粒子、または白金族元素および第4周期〜6周期遷移金属の中から選ばれた1種以上の元素と白金との合金粒子からなる。
さらにまた、本発明の他の好ましい態様においては、上記触媒金属の担持量が、10〜80重量%であり、上記金属酸化物Bの含有量が、0.1〜20重量%である。
本発明は、上記の担持触媒と導電性物質とからなる燃料電池用電極、この電極を有する膜電極接合体、ならびにこの膜電極接合体を具備してなる燃料電池を包含する。
さらに、本発明に係る上記担持触媒の製造方法は、上記担持触媒を製造するに際し、触媒金属の前駆体となる金属塩を前記担体に担持させて、これを還元処理することによって前記担体の表面に触媒金属を担持させたのちに、前記金属酸化物の前駆体を担持させてこれを熱分解処理することによって、担体の表面の少なくとも一部に、プロトン伝導を有する担持触媒を得ることを特徴とするものである。
本発明による担持触媒は、親水性担体上に触媒成分とプロトン伝導性を促進する金属酸化物が併存するように担持されているので、触媒性能にすぐれるとともに、高濃度メタノールに対して極めて安定でありため、高濃度燃料を使用する燃料電池の信頼性を一層向上させることができるというすぐれた効果を奏する。
担持触媒
上述したように、本発明による担持触媒は、担体上に、触媒金属保持された燃料電池電極用の担持触媒であって、前記担体が親水性金属酸化物Aであって、担体の表面の少なくとも一部に金属酸化物Bを担持することでプロトン伝導性を有することを特徴とするものである。
本発明において、触媒成分を担持させる担体(担持体)としては、親水性の材料が用いられる。この親水性担体(金属酸化物A)としては、TiOで表されるチタンの酸化物、或いはZrOで表されるジルコニア酸化物が用いられ得るが、特に酸化チタン(TiO)或いはZrOが特に好ましく用いられ得る。担体の平均粒径としては、500nm以下であることが好ましく、さらに、比表面積(BET法により測定した比表面積)が10〜2500mm/gの範囲が好ましく、特に、50〜1000mm/gの範囲がさらに好ましい。比表面積が10mm/g未満の場合は、触媒の担持量が少なくなり、一方、2500mm/gを超えると合成自体が困難となる傾向が増大するので好ましくない。
本発明においては、上記のような担体の表面に、触媒金属を担持させ、さらに担体表面の少なくとも一部に担体と複合化することによりプロトン伝導性を有する金属酸化物が担持してなる。
担持する触媒金属としては、白金粒子、または白金族元素および第4周期〜6周期遷移金属の中から選ばれた1種以上の元素と白金との合金粒子が好ましく用いられ得る。白金族元素としては、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pdなどが用いられ得るがこれらに限定されるものではない。さらに、具体的には、Pt、Pt−Ru、Pt−Ru−Ir、Pt−Ru−Ir−Os、Pt−Ir、Pt−Mo、Pt−Ru−Mo、Pt−Fe、Pt−Co、Pt−Ni、Pt−Ru−Ni、Pt−W、Pt−Ru−W、Pt−Sn、Pt−Ru−Sn、Pt−CeおよびPt−Reなどが好ましく用いられ得る。
本発明においては、上記の触媒成分に加えて、担体への担持によってプロトン伝導性を有する金属酸化物Bが、担体の表面の少なくとも一部に担持されてなる。このような金属酸化物Bは、好ましくは、W、Mo、VおよびBからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物であり、特に、該金属酸化物が、Hammettの酸度関数H0の値として、−20.00<H0<−11.93の範囲を有する固体酸化物超強酸であることがプロトン伝導を促進する上で好ましい。
このような金属酸化物Bの含有量は、担持触媒の重量に対して、0.1〜20重量%の範囲が好ましく、特に好ましくは、0.5〜10 重量%である。金属酸化物の含有量が0.1重量%未満では、プロトン伝導性で不十分であり、一方、20重量%を超えて添加すると、担体以外の場所に金属酸化物を生じ、触媒性能を阻害するのでるので好ましくない。
従来の燃料電池用担持触媒においては、カーボンを担体とするものが一般的であり、カーボン担体は、触媒の支持体(担体)しての機能と導電パスの機能の双方を併せ持っていた。この点、本発明においては、この二つの機能を分離して、さらにこれに良好なプロトン伝導性を付与するために上記のような構成とした。
すなわち、担体としては、親水性を有する物質を選択し、この親水性担体表面上に、プロトン伝導性を有する超強酸性を示す金属酸化物を層状および/または粒子状で担持し、さらに導電性パスとしての機能を与えるために導電性物質を加えることによって電子伝導性を確保している。本発明においては、このような機能分離によって、従来問題となっていた発火の防止と、触媒分散性の向上の双方を効果的に実現することができる。すなわち、前述した有機溶媒の使用に起因する発火を防ぐためには、まず最初に水を加えた後、スラリー化を行うことが望ましいが、従来のカーボン担体を用いた触媒の調製においては、カーボンが疎水性のため分散性がいきおい低下するという問題があるが、本発明においては、上記のような親水性の担体を用いることによって、分散性を有意に向上させることができる。また、本発明においては、触媒とプロトン伝導物質が同じ触媒担体上に存在するため、反応界面が有効に活用でき、総合的に触媒特性の向上を図ることができる点においてもすぐれている。
次に、本発明の担持触媒の製造方法について、その好ましい態様を説明する。
まず、上述したTiO等(或いはZrO)の親水性を有する担体物質(金属酸化物A)を水中に懸濁させ、加熱し、上記の触媒金属粒子の前駆体である金属塩類を添加する。さらにこれにアルカリを加えて、中性または弱アルカリ性の懸濁液として適宜加熱を続ける。その後、これをろ過し、沈殿物を洗浄する。さらに、洗浄された沈殿物をフラスコに入れ純水を加えて加熱する。ある程度時間がたった後、これをろ過し洗浄する。
次いで、得られた沈殿物を乾燥機中で乾燥する。乾燥した沈殿物を雰囲気炉に入れ、水素を含むガスを流しながら加熱還元を行なう。このときの炉の温度は、使用する材料系に応じて適宜最適範囲が選択されうるが、通常、100℃〜900℃の範囲が好ましく、特に200℃〜500℃の範囲が望ましい。一般に、100℃未満の場合は、触媒の還元が不充分となり、電極に使用した際、粒子径の増大が起こり易くなる傾向が見られるので好ましくない。一方、加熱温度が900℃を超えると生成する触媒金属の粒子径の増大が起こりやすくなり、触媒活性が低下する可能性が増大することから望ましくない。
次いで、上述したプロトン伝導を促進する金属酸化物を担体の表面の少なくとも一部に担持する処理を行う。このためには、上記のように還元処理によって触媒金属の担持工程が終了した担体に対して上記金属酸化物の前駆体を付着させてこれを熱分解処理することによって、金属酸化物の担持工程を行うことが肝要である。これは、金属酸化物を担持したのちに、上記の触媒金属の担持処理を行うと、触媒金属を生成するための還元処理の際に形成された金属酸化物が一緒に還元されてしまうからである。
上述した金属酸化物の前駆体化合物としては、タングステン酸、ポリタングステン酸、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム、モリブテン酸、ポリモリブテン酸、モリブテン酸アンモニウム、パラモリブテン酸アンモニウム、メタブテン酸アンモニウム、モリブテン酸ナトリウム、バナジン酸アンモニウム、オルトバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウム、ポリバナジン酸、ホウ酸、メタホウ酸、ポリホウ酸、ポリホウ酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウムなどが好ましく用いられ得る。限定されるわけではない。
本発明は、上記の担持触媒を具備する燃料電池用電極、この電極を有する膜電極接合体、ならびにこの膜電極接合体を具備してなる燃料電池を包含する。以下、これらの態様について説明する。
燃料電池用電極および膜電極複合体
まず、上記の担持触媒を用いて電極を構成するための電気導電性を得るために、導電性物質とバインダーを添加して燃料電池用電極を製造する方法について説明する。
導電性物質としては、カーボン粒子、CNF、CNTおよびこれらに酸化還元触媒を担持したものよりなる群から選択された少なくとも1種が好ましく用いられる。この導電性物質と上記触媒金属との重量比としては、触媒100重量部に対して、10重量部〜1000重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは、30〜500重量部である。導電性物質が10重量部未満の場合は、導電性の確保が十分とはいえず、一方、1000重量部を超えて添加すると、逆に触媒性能が低下し、電池性能が低下する傾向が生じるので好ましくない。
また、バインダーは、触媒金属と導電性物質とをバインドし得る物質が広く使用できる。好ましい具体例としては、PTFE、PFA、PVA、NAFIONなどのポリマーや、ゾル−ゲル法で調製可能な無機バインダーが使用可能である。バインダーは、触媒100重量部に対して、0.5〜100重量部の範囲が好ましく、特に1重量部〜20重量部がさらに好ましい。0.5重量部未満では、電極層形成能が低下し、電極の形成が難しくなる。一方、100重量部を超えて添加すると逆に抵抗が高くなり、このため電池特性が低下する傾向が生じるので好ましくない。
燃料電池用電極を製造する方法としては、湿式法と乾式法がある。
まず、湿式法によって製造する場合においては、上記の組成物を含有するスラリーを作製する必要がある。その作製方法としては、まず上記触媒に水を加え良く攪拌した後、バインダーの溶液(分散液)および導電性物質と有機溶媒を加え、分散機を用いて分散してスラリーを調製する。ここで使用する有機溶媒は、通常、単一溶媒または2種以上の溶剤混合物からなる。上記の分散に際しては、一般的に使用されている分散機(ボールミル、サウンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザーなど)を用いて、分散液であるスラリー組成物を調製することができる。
このようにして調製された分散液(スラリー組成物)を撥水処理集電体(カーボンペーパーやカーボンクロス)上に適切な方法を用いて塗布したのち乾燥して電極を形成することができる。 このときのスラリー組成物中の溶媒量は、固形分が5〜60重量%になるように調整することが好ましい。固形分が5重量%未満では塗膜が剥離しやすくなる傾向がみられ、一方、60重量%を超えると塗布工程自体が困難となることに留意されるべきである。上記のカーボンペパーやカーボンクロスの撥水処理については、スラリー組成物が塗布できる範囲において適宜調整することができる。
次に、吸引ろ過法による電極の製造方法について説明する。まず、上記担持触媒および導電性物質を分散させ、集電体部分の上記カーボンペーパーやカーボンクロスをろ紙代わりとして、吸引して、触媒と導電性物質からなる堆積層を形成させる。これを乾燥させたにのち、真空含浸法によりバインダー溶液(分散液)を含浸させたのち、乾燥して電極を形成することができる。この際、バインダーの結着性を向上させるため、熱を加えてもよい。
また、所定の造孔剤を含んだ触媒組成物を酸またはアルカリ性水溶液中に浸し、造孔剤を溶解させた後、イオン交換水で洗浄した後、乾燥させすることによって電極を作製することもできる。特に、アルカリ性溶液に浸漬し造孔済を溶解させた場合には、酸で洗浄したのち、イオン交換水で千条後、乾燥して電極を作製する。
さらに、上記の方法で作製した電極を用いて、プロトン伝導性固体膜を挟んで、ロールプレスにより熱圧着し、膜電極複合体を作製することができる。具体的には、上記本発明による担持触媒において、アノード電極触媒としては、メタノールや一酸化炭素対する耐性が強いはPt−Ruを触媒金属として用い、一方、カソード極には、白金を触媒金属として用いて作製した電極を使用して膜電極複合体を構成することができる。
上記膜電極複合体を製造するに際して、上記熱圧着の条件としては、温度が100℃〜180℃の範囲、圧力は、10〜200kg/cmとし、圧着時間は、1分以上30分以下とすることが好ましい。圧力が小さく、温度が低く、時間の短い条件(10kg/cm未満、100℃未満、あっ着時間1分未満)では、圧着が不十分であり、抵抗が増加するため電池特性が低下する傾向が生じるが、一方で、高温で高圧力、長時間の条件では、固体膜の変形や分解および集電体の変形が大きくなり、燃料および酸化剤がうまく供給されなくなるとともに膜が破壊される可能性があり、電池特性も低下する場合があるので注意を要する。
他方、上記のスラリー組成物を直接プロトン伝導膜の上に塗布する或いは、転写膜上に塗布乾燥して触媒層を作製した後、プロトン伝導膜上に転写することによって、触媒層をコートしたプロトン伝導膜を作製できる。この方法でプロトン伝導膜の表裏にアノード触媒層及びカソード触媒層を形成した複合体(CCM)を作成することができる。このCCMのカソード側には、カソード用集電体(カーホ゛ンペーパー或いはカーホ゛ンクロス)をアノード側にはアノード用集電体を配置して、滅プレスによってを複合化させることによってMEAを作製するもできる。上記圧着の条件としては、温度が室温〜180℃の範囲、圧力は、10〜200kg/cmとし、圧着時間は、1分以上30分以下とすることが好ましい。圧力が小さく、時間の短い条件(10kg/cm未満、100℃未着時間1分未満)では、圧着が不十分であり、抵抗が増加するため電池特性が低下する傾向が生じるが、一方で、高温で高圧力、長時間の条件では、固体膜の変形や分解および集電体の変形が大きくなり、燃料および酸化剤がうまく供給されなくなるとともに膜が破壊される可能性があり、電池特性も低下する場合があるので注意を要する。
燃料電池
次に、本発明による上述した電極、膜電極複合体を用いて燃料電池を構成した具体例として、図1にメタノール燃料電池の例を示す。
図1は、本発明の一実施態様に係る燃料電池の要部構成を示す断面図である。同図において、1は燃料極(アノード極)2と酸化剤極(カソード極)3とにより挟持された電解質膜であり、これら電解質膜1、燃料極2および酸化剤極3によって起電部4が構成されている。ここで、燃料極2および酸化剤極3は、燃料や酸化剤ガスを流通させると共に電子を通すように、導電性の多孔質体で形成されている。
この態様に係る本発明の燃料電池においては、各単電池には、燃料貯蔵タンク11から供給される液体燃料を保持する機能をもつ燃料浸透部6と、燃料浸透部6に保持される液体燃料が気化した気体燃料を燃料極2に導くための燃料気化部7が具備される。燃料浸透部6、燃料気化部7、起電部4からなる単電池をセパレ一タ5を介して複数積層することにより、電池本体となるスタック9が構成されている。セパレータ5の酸化剤極3と接する面には、酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス供給溝8を連続溝として設けている。符号12はガス排出口である。発生した電力は、電力端子13および13bより取り出される。
燃料貯蔵タンク11から燃料浸透部6に液体燃料を供給する手段としては、たとえばスタック9の少なくとも1つの側面に、この面に沿って液体燃料導入路10を形成する。上記液体燃料導入路10内に導入された液体燃料は、スタック9の側面から燃料浸透部6に供給され、さらに燃料気化部7で気化されて燃料極2に供給される。この際、燃料浸透部を毛管現象を示す部材で構成することにより、補器を用いずに毛管力で液体燃料を燃料浸透部6に供給することができる。そためには、液体燃料導入路10内に導入された液体燃料が、燃料浸透部端面に直接接触するような構成とされる。
なお、図1のように単電池を積層してスタック9を構成する場合は、上記セパレータ5、燃料浸透部6、燃料気化部7は、発生した電子を伝導する集電板の機能も果たすため、導電性材料により形成される。さらに必要に応じて、燃料極2や酸化剤極3と電解質膜1との間に、層状、島状、あるいは粒状等の触媒層を形成することもあるが、本発明はこのような触媒層の有無に制約を受けるものではない。また、燃料極2、酸化剤極3自体を触媒電極としてもよい。前記触媒電極は、触媒層単独でもよいが、導電性のペーパーやクロス等の支持体の上に触媒層を形成したような多層構造を持つものでもよい。
上述したように、この実施例におけるセパレータ5は、酸化剤ガスを流すチャンネルとしての機能を併せ持つものである。このように、セパレータとチャンネルの両方の機能を有する部品5(以下、チャンネル兼用セパレータと記す)を用いることにより、より部品点数を削減することができ、小型化をより一層図ることが可能となる。なお、上記セパレータ5に代えて通常のチャンネルを用いることも可能である。
燃料貯蔵タンク11から液体燃料導入路10に液体燃料を供給する方法としては、燃料貯蔵タンク11の液体燃料を自然落下させて、液体燃料導入路10に導入する方法がある。この方法は、スタック9の上面より高い位置に燃料貯蔵タンク11を設けなければならないという構造上の制約を除けば、液体燃料導入路10に確実に液体燃料を導入することができる。他の方法としては、液体燃料導入路10の毛管力で、燃料貯蔵タンク11から液体燃料を引き込む方法が挙げられる。この方法によれば、燃料貯蔵タンク11と液体燃料導入路10との接続点、つまり液体燃料導入路10に設けられた燃料入口の位置を、スタック9の上面より高くする必要がなくなり、たとえば上記自然落下法と組み合せると、燃料タンクの設置場所を自在に設定することができるという利点がある。
ただし、毛管力で液体燃料導入路10に導入された液体燃料を、引き続き円滑に毛管力で燃料浸透部6に供給するためには、液体燃料導入路10の毛管力より燃料浸透部6への毛管力のほうが大きくなるように設定することが重要である。なお、液体燃料導入路10の数は、スタック9の側面に沿って1つに限定されるものではなく、他方のスタック側面にも液体燃料導入路10を形成することも可能である。
また、上述したような燃料貯蔵タンク11は、電池本体から着脱可能とすることができる。これにより、燃料貯蔵タンク11を交換することで、電池の作動を継続して長時間行うことが可能となる。また、燃料貯蔵タンク11から液体燃料導入路10への液体燃料の供給は、上述したような自然落下や、タンク内の内圧等で液体燃料を押し出すような構成としてもよいし、また液体燃料導入路10の毛管力で燃料を引き出すような構成とすることもできる。
上述したような方法によって、液体燃料導入路10内に導入された液体燃料は、燃料浸透部6に供給される。燃料浸透部6の形態は、液体燃料をその内部に保持し、気化した燃料のみを燃料気化部7を通して燃料極2に供給するような機能を有していれば特に限定される物ではなく、たとえば、液体燃料の通路をもち、その燃料気化部7との界面に気液分離膜を具備したようなものでもよい。さらに、毛管力により燃料浸透部6に液体燃料を供給する場合、燃料浸透部6の形態は、液体燃料を毛管力で浸透し得るものであれば特に限定されるものではなく、粒子やフィラーからなる多孔質体や、抄紙法等で製造した不織布、繊維を織った織布等の他に、ガラスやプラスチック等の板と板との間に形成された狭い隙間等も用いることができる。
以下に、燃料浸透部6として多孔質体を用いた場合について説明する。液体燃料を燃料浸透部6側に引き込むための毛管力としては、まず燃料浸透部6となる多孔質体自体の毛管力が挙げられる。このような毛管力を利用する場合、多孔質体である燃料浸透部6の孔を連結させた、いわゆる連続孔とし、その孔径を制御すると共に、液体燃料導入路10側の燃料浸透部6側面から少なくとも他の一面まで連続した連通孔とすることにより、液体燃料を横方向でも円滑に毛管力で供給することが可能となる。
燃料浸透部6となる多孔質体の孔径等は、液体燃料導入路10内の液体燃料を引き込み得るものであればよく、特に限定されるものではないが、液体燃料導入路10の毛管力を考慮した上で、0.01〜150μm程度とすることが好ましい。また、多孔質体における孔の連続性の指標となる孔の体積は、20〜90%程度とすることが好ましい。孔径を0.01μmより小さくすると、燃料浸透部6の製造が困難となり、また、150μmを超えると毛管力が低下してしまう。また、孔の体積が20%未満となると連続孔の量が減り、閉鎖された孔が増えるため、毛管力を十分に得ることができなくなる。逆に、孔の体積が90%を超えると、連続孔の量は増加するものの、強度的に弱くなると共に製造が困難となる。実用的には、孔径は0.5〜100μmの範囲、また孔の体積は30〜75%の範囲とすることが望ましい。
実施例1(カソード触媒1の調整)
TiO2-粉末(昭和電工製,スーパータイタニアF-6、比表面積100m/g)20gを水1000mlにホノジナイザーを使って、懸濁液としたのち、メカニカルスターラー、還流冷却管、滴下漏斗を取り付けた3つ口フラスコに入れ、攪拌しながら、1時間還流したのち、塩化白金酸水溶液(Pt 42mg/ml)を160ml加えた、20分後に21.0gの炭酸水素ナトリウムを水600mlに溶かし溶液を徐々に滴下した(滴下時間約60分)。
上記滴下後、そのまま2時間還流させたのち、ろ過し、沈殿物を純粋で洗浄した後、沈殿物をフラスコに移し、純水で2時間還流させ、ろ過し、沈殿物をさらに純水でよく洗浄した後、100℃の乾燥機中において得られた触媒を乾燥させた。
乾燥後、高純度ジルコニアボートに入れて、円筒炉で、3%H/Nで流量129mlでガスを流しながら200℃で10時間還元した後、室温に戻し、触媒24.1gを得た。
さらに、得られた触媒10.0gを水200mlに分散させ、別途調製したタングステン酸アンモニウム溶液を添加してよく攪拌した後、加熱して蒸発乾固し、タングステン酸アンモニウムを担持させた。得られた前駆体を100℃、6時間の条件で乾燥した後、700℃、4時間の条件で焼成することによってタングステン酸アンモニウムを熱分解して担持触媒(WO3/Pt/TiO2)を得た。
得られたWO3/TiO2の組成は、重量比で5/95であった。
上記のタングステン酸アンモニウム溶液は、酸化タングステン(和光純薬製、WO30.31g)を熱濃アンモニア水溶液(和光純薬製,15〜18%水溶液)に溶解した水溶液を調製することによって得た。
実施例2(カソード触媒2の調整)
Zr02-粉末(東ソ社製,TZ-0、比表面積14m/g)20gを水1000mlにホノジナイザーを使って、懸濁液としたのち、メカニカルスターラー、還流冷却管、滴下漏斗を取り付けた3つ口フラスコに入れ、攪拌しながら、1時間還流したのち、塩化白金酸水溶液(Pt 42mg/ml)を160ml加えた、20分後に21.0gの炭酸水素ナトリウムを水600mlに溶かし溶液を徐々に滴下した(滴下時間約60分)。
上記滴下後、そのまま2時間還流させたのち、ろ過し、沈殿物を純粋で洗浄した後、沈殿物をフラスコに移し、純水で2時間還流させ、ろ過し、沈殿物をさらに純水でよく洗浄した後、100℃の乾燥機中において得られた触媒を乾燥させた。
乾燥後、高純度ジルコニアボートに入れて、円筒炉で、3%H2/N2で流量129mlでガスを流しながら200℃で10時間還元した後、室温に戻し、触媒24.1gを得た。
さらに、得られた触媒10.0gを水200mlに分散させ、別途調製したタングステン酸アンモニウム溶液を添加してよく攪拌した後、加熱して蒸発乾固し、タングステン酸アンモニウムを担持させた。得られた前駆体を100℃、6時間の条件で乾燥した後、700℃、4時間の条件で焼成することによってタングステン酸アンモニウムを熱分解して担持触媒(WO3/Pt/ZrO2)を得た。
得られたWO3/ZrO2の組成は、重量比で5/95であった。
上記のタングステン酸アンモニウム溶液は、酸化タングステン(和光純薬製、WO30.31g)を熱濃アンモニア水溶液(和光純薬製,15〜18%水溶液)に溶解した水溶液を調製することによって得た。
比較例1
上記実施例1のTiO2-粉末(昭和電工製,スーパータイタニアF-6、比表面積100m/g)のかわりに、比表面積が150m2/gのカーボンブラック(デグサ社製、Printex L)20gを用いて実施例1と同様にして触媒を担持し、担持触媒を得た。ただし、還元後触媒を取り出す際は、ドライアイスで冷却すると共にCO2による不燃化処理をして触媒を得た。
比較例2(アノード用担持触媒の調製)
比較例1の塩化白金酸160mlに代えて、塩化白金酸水溶液80mlと塩化ルテニウム水溶液(Ru:43mg/ml)40mlを使用した以外は比較例1と同様にしてアノード用担持触媒を得た。
実施例3(アノード用担持触媒1の調製)
実施例1の塩化白金酸160mlの変わりに、塩化白金酸水溶液80mlと塩化ルテニウム水溶液(Ru:43mg/ml)を40ml加える以外は実施例1と同様である。
カーボン担体の際には、還元処理後空気中に取り出すと、触媒表面に吸着された水素が、酸素反応し、発熱しカーボン担体が発火しやすかった。担持量を増加させるほど発火しやすいため、安全上の問題があったが、今回、担体が不燃性であるため、発火することはなかった。
実施例4(アノード用担持触媒2の調製)
実施例2の塩化白金酸160mlの変わりに、塩化白金酸水溶液80mlと塩化ルテニウム水溶液(Ru:43mg/ml)を40ml加える以外は実施例1と同様である。
カーボン担体の際には、還元処理後空気中に取り出すと、触媒表面に吸着された水素が、酸素反応し、発熱しカーボン担体が発火しやすかった。担持量を増加させるほど発火しやすいため、安全上の問題があったが、今回、担体が不燃性であるため、発火することはなかった。
実施例5
50mlポリ容器に実施例1のカソード触媒2g、純水6g、ジルコニアボール直径5ミリを25gと直径10ミリのボールを50g加えて良く攪拌する。さらに、FEP分散液(三井デュポンフルオロケミカル社製 FEP 120J)0.2g、グリセリン0.5g、2−エトキシエタノール7g、を入れ、良く攪拌した後、グラファイト(平均粒子径3μm)1gを加え、ペイントシェーカーで、2時間分散し、スラリー組成物を作製した。撥水処理したカーボンペーパー(270μm、東レ社製)に上記のスラリー組成物をコントロルコーター(ギャップ750ミクロン)で塗布し、風乾したのち、60℃で10分、250℃で10分乾燥してカソード電極1を作製した。触媒層の厚さ45ミクロンであった。
実施例6
実施例5のFEP分散液の代わりに、5%PVA水溶液を用いるところ以外は、 実施例3と同様な方法でカソード電極2を作製した。触媒層の厚さ40ミクロンであった。
実施例7
50mlポリ容器に実施例3のアノード触媒2g、純水7g、ジルコニアボール直径5ミリを25gと直径10ミリのボールを50g加えて良く攪拌する。さらに、FEP分散液(三井デュポンフルオロケミカル社製 FEP 120J)0.2g、グリセリン0.5g、2−エトキシエタノール10g、を入れ、良く攪拌した後、グラファイト(平均粒子径3μm)1gを加え、ペイントシェーカーで、2時間分散し、スラリー組成物を作製した。撥水処理したカーボンペーパー(350μm、東レ社製)に上記のスラリー組成物をコントロルコーター(ギャップ900ミクロン)で塗布し、風乾したのち、60℃で10分、250℃で10分乾燥してアノード電極1を作製した。触媒層の厚さ40ミクロンであった。
実施例8
実施例7のFEP分散液の代わりに、5%PVA水溶液を用いるところ以外は、 実施例5と同様な方法でアノード電極2を作製した。触媒層の厚さ43ミクロンであった。
比較例3
50mlポリ容器に実施例1のカソード触媒1g、純水2g、ジルコニアボール直径5ミリを25gと直径10ミリのボールを50g加えて良く攪拌する。さらに、20%ナフィオン溶液4.5gと2−エトキシエタノール10gを入れ、良く攪拌した後、グラファイト(平均粒子径3μm)1gを加え、卓上型ボールミルで、6時間分散し、スラリー組成物を作製した。撥水処理したカーボンペーパー(270μm、東レ社製)に上記のスラリー組成物をコントロルコーター(ギャップ750ミクロン)で塗布し、風乾してカソード電極1を作製した。触媒層の厚さ80ミクロンであった。
比較例4
触媒として比較例2のアノード触媒を用いた以外は、比較例3と同様の方法でアノード電極を作製した。ただし、撥水処理したカーボンペーパー(350μm、東レ社製)に上記のスラリー組成物をコントロルコーター(ギャップ900ミクロン)で塗布した。風乾してカソード電極1を作製した。触媒層の厚さ100ミクロンであった。
実施例9
撥水処理したカーボンペーパー(350μm、東レ社製)にCNFで約50μmの堆積層を形成させた後、実施例1で作製したアノード触媒100mgとカーボンブラック(デグサ社製 Printex L )50mgと水100gを加え、ホモジナイザーで分散させた液を吸引ろ過で前記カーホ゛ンヘ゜ーハ゜ー上に堆積させる。乾燥後、FEP0.5%水溶液を真空含浸した。その後、ろ紙上で風乾したのち、60℃で10分、250℃で10分乾燥してカソード電極3を作製した。触媒層の膜厚は、約130μmであった。
実施例10
実施例3のアノード触媒を使う以外は実施例9と同じ方法でアノード電極3を作製。
実施例11
実施例2のカソード触媒2を使う以外は実施例5と同じ方法でカソード電極4を作製。
実施例12
実施例4のアノート゛触媒2を使う以外は実施例8と同じ方法でアノード電極4を作製。
実施例13
高濃度メタノール燃料への電極の溶解試験を行った。
実施例5〜12で作製した電極と、比較例3および4で作製した電極を、高濃度メタノールへの八日試験として、99.5%メタノール中に室温で浸漬して、溶解するかどうかを確認した結果を表1に示したように本発明の電極は、高濃度メタノール中でも非常に安定であることが明らかとなった。

表1(電極の溶解試験結果)
電極 99.5%メタノールでの溶解試験
カソード電極1 変化なし
カソード電極2 変化なし
カソード電極3 変化なし
カソード電極4 変化なし
アノード電極1 変化なし
アノード電極2 変化なし
アノード電極3 変化なし
アノード電極4 変加なし
比較例3 約5分で触媒層が完全に溶解(溶液へ再分散)
比較例4 約5分で触媒層が完全に溶解(溶液へ再分散)
実施例10
上記の実施例5、6、9、11のカソード電極、実施例7、8、10、12のナノード電極、比較例3のカソード電極、比較例4のアノード電極、を組み合わせ,膜複合電極を作製した。
プロトン伝導性固体高分子膜にナフィオン117を用い、電極面積が12cmになるよう、3*4cmの長方形に各種電極を切り取り、カソードとアノードの間にナフィオン117を挟んで、125℃、30分、100kg/cmの圧力で熱圧着して、膜電極複合体(MEA)を作製した。
また、撥水処理をしたカーボンペーパ、上記の実施例9のカソード電極組成物シート、ナフィオン117と実施例10のアノード電極組成物シート、撥水処理をしたカーボンペーパの順で挟み125℃、30分、100kg/cm2の圧力で熱圧着して、膜電極複合体(MEA)を作製した。
1Mメタノール溶液を燃料として、流量0.8ml/min.でカソード極には、空気を120ml/min.を供給して燃料電池評価を行った。その結果を表2に示した。このことから、超強酸によるプルトン伝導性を付与した触媒から作製した電極において、従来のプロトン伝導物質としてNAFIONを用いた電極系とだいたい同等の性能を示すことが明らかとなった。

表2(70℃での電池性能評価)
カソード電極 アノード極 電流密度100mA/cm 2 での電圧(V)
カソード電極1 比較例4 0.47
カソード電極2 比較例4 0.48
カソード電極3 比較例4 0.49
カソード電極4 比較例4 0.47
比較例3 アノード電極1 0.48
比較例3 アノード電極2 0.47
比較例3 アノード電極3 0.48
比較例3 アノード電極4 0.475
カソード電極2 アノード電極1 0.465
カソード電極3 アノード電極3 0.47
カソード電極3 アノード電極4 0.465
比較例3 比較例4 0.49
本発明の一実施態様に係る燃料電池の要部構成を示す断面図
符号の説明
1 電解質膜
2 燃料極(アノード極)
3 酸化剤極(カソード極)
4 起電部
5 セパレーター
6 燃料浸透部
7 燃料気化部
8 酸化剤ガス供給溝
9 スタック
10 液体燃料導入路
11 燃料貯蔵タンク
12 ガス排出口
13a、13b 電力端子

Claims (9)

  1. 担体上に、触媒金属が保持された燃料電池電極用の担持触媒であって、
    前記担体が親水性金属酸化物Aであって、担体の表面の少なくとも一部に金属酸化物Bを担持することでプロトン伝導性を有することを特徴とする、担持触媒。
  2. 前記金属酸化物Bが、W、Mo、VおよびBからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物である、請求項1に記載の担持触媒。
  3. 前記親水性金属酸化物Aがチタン酸化物TiO或いはジルコニア酸化物ZrOからなり、前記触媒成分を構成する前記触媒金属が、白金粒子、または白金族元素および第4周期〜6周期遷移金属の中から選ばれた1種以上の元素と白金との合金粒子からなる、請求項1または2に記載の担持触媒。
  4. 前記触媒金属の担持量が、10〜80重量%であり、前記金属酸化物の含有量が、0.1〜20重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の担持触媒。
  5. 前記プロトン伝導を促進する金属酸化物が、Hammettの酸度関数H0の値として、−20.00<H0<−11.93の範囲を有する固体酸化物超強酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の担持触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の担持触媒と導電性物質とバインダーからなることを特徴とする、燃料電池用電極。
  7. 請求項6に記載の電極を有することを特徴とする、膜電極接合体。
  8. 請求項7に記載の膜電極接合体を具備することを特徴とする、燃料電池。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の担持触媒を製造するに際し、触媒金属の前駆体となる金属塩を前記親水性金属酸化物Aに担持させて、これを還元処理することによって前記担体の表面に触媒金属を担持させたのちに、前記金属酸化物Bの前駆体を担持させてこれを熱分解処理することによって、担体の表面の少なくとも一部に、プロトン伝導性を有する担持触媒を得ることを特徴とする、担持触媒の製造方法。
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