JP2008242696A - 画像処理装置及びカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯域バランスに優れたノイズ除去を可能とする。
【解決手段】 ノイズ除去手段(31〜36)は、画像信号の注目画素の周辺にある複数の周辺画素の加重平均をとることによって注目画素の新たな画素値を算出する画像処理フィルタ(31、33、35)を含み、前記画像処理フィルタは、前記加重平均における各周辺画素の重み値を、注目画素と周辺画素との位置関係に応じた値で、且つ、注目画素の画素値と周辺画素の画素値との差に応じた非線形な演算により決定された値に設定するものであって、入力される画像信号に対して、前記加重平均における前記重み値の設定が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを通過させることにより、該画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力される画像信号のノイズ除去機能を有する画像処理装置及びカメラに関する。
近年、デジタルカメラ等の撮像装置に用いられるCCDやCMOSなどの撮像素子は、一段と高画素化の傾向にあるが、かかる高画素化は、一方で画素面積の減少(すなわち開口率の減少)を招き、光ショット雑音等のノイズの影響を顕在化していることから、ノイズの抑制対策が不可欠なものになってきている。特に、画像のエッジ部分において、エッジを残したままでノイズだけを除去できるようなノイズ抑制技術が研究されている。
<第1従来技術>
下記の特許文献1には、注目画素から所定距離内にある周辺画素の加重平均を求め、この値を新たな注目画素の値とするLPF(ローパスフィルタ)処理を画像全体に施す場合に、注目画素±Σに値が制限された周辺画素を使ってこのLPF(ローパスフィルタ)処理を行うノイズ抑制技術(以下、第1従来技術という。)が記載されている。この第1従来技術のフィルタは、イプシロン(ε)フィルタと呼ばれるものであり、以下、この技術のフィルタのことを「通常型イプシロンフィルタ」と称することにする。
<第2従来技術>
また、下記の特許文献2には、注目画素から所定距離内にある周辺画素の加重平均を求め、この値を新たな注目画素の値とするLPF(ローパスフィルタ)処理を画像全体に施す場合に、注目画素を中心として対称位置にある周辺2画素の平均値を注目画素±εに制限し、その周辺画素を使ってLPF処理を行うノイズ抑制技術(以下、第2従来技術という。)が記載されている(特に同文献の請求項1参照。)。この技術のフィルタを「傾き補正型イプシロンフィルタ」と称することにする。
これらの技術では、注目画素とは大きく階調が離れた周辺画素(画像のエッジ部を挟んで反対側にあるような周辺画素)が加重平均に含まれることがないため、エッジ部分の影響を受けずにノイズを除去することができ、また、ノイズの除去に伴ってエッジまでが削られてしまうことを防ぐことができる。特に、「傾き補正型イプシロンフィルタ」は、画像のグラデーション部分などで効果的にノイズを除去できるものである。
しかしながら、これら二つの従来技術(第1及び第2の従来技術)においては、ベイヤデータに対して5×5タップのノイズ抑制技術を適用する実施例が述べられているが、高々5×5程度のタップ数では、低周波数のノイズ成分を除去できないという不都合がある。タップ数を大きくすれば、低周波ノイズの除去性能を向上することは可能であるが、回路規模の増大によるコストUPや演算量の増大によるパフォーマンスの低下などの不都合が生じてしまう。
なお、同特許文献2(特に請求項6)においては、同じフィルタを複数回反復する方法が述べられているが、同じ帯域制限特性を持つフィルタ処理を反復すると、高周波の減衰を大きくすることができるが、一方で、低周波の遮断周波数を思うように稼ぐことができず、結局の所、低周波ノイズ成分の除去性能の点で満足する結果を得られないという不都合がある。
また、そのようにすると、「通常型イプシロンフィルタ」では階調変化部のノイズが残留してしまい、一方、「傾き補正型イプシロンフィルタ」では、高周波成分が減衰しすぎるなどの新たな不都合を招来する。
<第3従来例>
また、下記の非特許文献1には、バイラテラルフィルタと呼ばれるノイズ抑制技術(以下、第3従来技術という。)が記載されている。この第3従来技術のノイズ抑制技術は、注目画素値と周辺画素値との差の大きさに応じて、LPFの係数を変化させるという方式であり、注目画素値と周辺画素値との差が大きいほど、LPFの係数を小さくするというアルゴリズムである。以下、この第3従来例のフィルタを「通常型バイラテラルフィルタ」と称することにする。
前記のイプシロンフィルタと同様に、バイラテラルフィルタについても、「傾き補正型バイラテラルフィルタ」を構成することができる。すなわち、注目画素を中心として対称位置にある周辺2画素の平均値と注目画素値との差の大きさによって、LPFの係数を変化させるという方式である。
これら、通常型の傾き補正型バイラテラルフィルタについても、イプシロンフィルタと同様の不都合がある。すなわち、高々5×5程度のタップ数では低周波ノイズ除去能力がなく、タップ数を大きくすると回路規模や演算量が増大してしまい、反復処理では帯域バランスが崩れるという不都合がある。
<第4従来技術>
また、下記の特許文献3には、高周波成分にコアリングをかけるという方法で画像のエッジ部分に対してノイズ抑制をかける方法が記載されている。また、この方法を更に発展させ、原信号の帯域を複数に分割し、それぞれの帯域信号別にノイズ抑制をかける方法(以下、第4従来例という。)が記載されている。
図17は、第4従来例の概念構成図である。この図において、撮像素子から出力される画像信号in(ただし、この画像信号inは不図示のA/D変換器でデジタル信号に変換されたものである。)は、第1LPF1→ダウンサンプル部2→第2LPF3→アップサンプル部4→第3LPF5を経て、ノイズ抑制後の画像信号outとして出力される。なお、この図では、第1LPF1の出力をダウンサンプル(ダウンサンプル部2)したものにLPF(第2LPF3)をかけ、それをアップサンプリング(アップサンプル部4で)してさらにLPF(第3LPF5)をかけるという構成になっているが、煩雑であるので、ここでは2段目以降はBPF(バンドパスフィルタ)をかける方法であるものと仮定して簡易的に説明する。なお、LPFとBPFを総称して「FIRフィルタ」と称する場合もある。FIRフィルタとはFinite Impulse Responseフィルタの略、つまり、「有限時間でインパルス応答を打ち切る」ということを意味するフィルタである。ただし、これは実装時の特徴であって、FIRフィルタの一番の特徴とはいえない。ユーザから見たときのFIRフィルタの特徴は、“インパルス応答”(システムにインパルス関数を入力したときの出力のこと。)をありのまま設計値として扱うことにある。
図18は、第4従来例の要部構成図(特許文献3の請求項2で示されているものと等価の構成図)である。
この図において、オリジナルの画像信号Origは、LPF6と第1及び第2減算器9、10に入力される。LPF6の出力L0はBPF7と第3減算器11に入力され、第1減算器9の出力H0は第1非線形制限器(Lim)12を通って信号Lim(H0)として第1加算器13に入力される。第3減算器11の出力H1は第2非線形制限器(Lim)14を通って信号Lim(H1)として第1加算器13に入力され、BPF7の出力L1はBPF8と第3減算器11に入力される。BPF8の出力L2は第4減算器15に入力され、第4減算器15の出力H2は第3非線形制限器(Lim)16を通って信号Lim(H2)として第1加算器13に入力される。第1加算器13の出力は第2減算器10に入力され、この第2減算器出力がノイズ抑制後の画像信号として出力される。
ちなみに、第1〜第3非線形制限器(Lim)12、14、16は、値の上限を制限する非線形な処理(Lim処理)を行う部分である。
図19及び図20は、Lim処理の概念図であり、図19は±εの範囲に値制限するもの、図20は滑らかな特性で値を制限するものである。いずれのLim処理を用いてもよい。
図21は、図18を再構成した図であり、図22は、図21の要部(点線で囲んだ部分)構成図である。なお、図21と図18は等価であるが、構成上の相違は、H0−Lim(H0)を演算する第5減算器17、H1−Lim(H1)を演算する第6減算器18、H2−Lim(H2)を演算する第7減算器19、(H0−Lim(H0))+(H1−Lim(H1))+(H2−Lim(H2))を演算する第2加算器20、及び、第2加算器20の出力とBPF8の出力とを加算する第3加算器21を備える点にある。なお、図21において、各帯域とも同じ構成でノイズ除去しているが、たとえば、1段目(点線で囲んだ部分;図22参照)に着目すると、出力結果は、次式(1)で表すことができる。
L0+(H0−Lim(H0))=Orig−Lim(H0) ・・・・(1)
ここで、L0はLPF6の出力、H0は原信号−LPF6出力(すなわち、Orig−L0)である。この式(1)より、Lim(H0)は非線形変換されたH0となって、結局、Origに含まれている小振幅の高周波ノイズを減算していることがわかる。
このような処理を、複数帯域別に行うことで、帯域バランスを崩すことなく、ノイズを低減することができる。
特開2004−363853号公報 特開2006−311501号公報 特開2002−74356号公報 TOMASI,C.,AND MANDUCHI,R.1998.Bilateral filtering for gray and color images.In Proc.IEEE Inc.Conf.on Computer Vision,836−846
しかしながら、第4従来例(特許文献3)で示されているノイズ抑制の方式は、基本的には、各周波数成分において振幅値の大きい部分を残し、振幅値の小さい部分をノイズと見なして除去するという比較的単純な方法を用いたものであり、エッジ部分のノイズ除去性能に関しては劣るものである。
そこで、本発明の目的は、エッジ部分のノイズ除去性能と帯域バランスをより向上させることにある。
請求項1記載の発明は、入力される画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を備えた画像処理装置において、前記ノイズ除去手段は、前記画像信号の注目画素の周辺にある複数の周辺画素の加重平均をとることによって注目画素の新たな画素値を算出する画像処理フィルタを含み、前記画像処理フィルタは、前記加重平均における各周辺画素の重み値を、注目画素と周辺画素との位置関係に応じた値で、且つ、注目画素の画素値と周辺画素の画素値との差に応じた非線形な演算により決定された値に設定するものであって、入力される画像信号に対して、前記加重平均における前記重み値の設定が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを通過させることにより、該画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行うようにしたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを直列的に連結し、順次処理を行っていくことにより、最終的にノイズが除去された画像信号を得ることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを並列的に連結し、各画像処理フィルタから出力される画像信号を合成することにより、ノイズが除去された画像信号を得ることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
請求項4記載の発明は、入力される画像信号から特定の周波数成分の画像信号を抽出して出力する周波数フィルタと、入力される画像信号に対して前記画像処理フィルタを通過させて得られる画像信号から、該入力される画像信号に対して前記周波数フィルタを通過させて得られる画像信号を減算する減算手段と、を更に備え、前記画像処理フィルタが通過させる周波数成分と前記画像処理フィルタが通過させる周波数成分とが同じになるように前記画像処理フィルタの前記重み値が設定されていることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記周波数フィルタは、注目画素の周辺にある複数の周辺画素の加重平均をとることにより、注目画素の新たな画素値を算出する周波数フィルタであって、前記加重平均における各周辺画素の重み値を、注目画素と周辺画素との距離に応じた直に設定する周波数フィルタであり、対となる前記画像処理フィルタにおける前記非線形な演算を行う前の前記各周辺画素の重み値と同じ重み値が設定されていることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置である。
請求項6記載の発明は、前記画像処理フィルタは、前記加重平均において加算される周辺画素の値を、注目画素の画素値に対する所定範囲内に制限したイプシロンフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置である。
請求項7記載の発明は、前記画像処理フィルタは、前記加重平均における周辺画素の重み値を、注目画素の画素値と周辺画素の画素値との差が大きくなるに従って小さくするバイラテラルフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置である。
請求項8記載の発明は、前記画像処理フィルタには、前記加重平均において、注目画素から等距離で逆方向にある2つの周辺画素の平均値を用いて、前記加重平均において加算される周辺画素の値を非線形に制限する傾き補正型の画像処理フィルタと、前記加重平均において、注目画素から一方の方向にある1つの周辺画素の値を用いて、前記加重平均において加算される周辺画素の値を非線形に制限する通常型の画像処理フィルタの2つのタイプの画像処理フィルタを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置である。
請求項9記載の発明は、複数の画像処理フィルタのうち最初に処理される画像処理フィルタには、前記傾き補正型の画像処理フィルタを用い、最後に処理される画像処理フィルタには、前記通常型の画像処理フィルタを用いることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置である。
請求項10記載の発明は、入力される画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を備えた画像処理装置において、入力される画像信号を輝度成分と色差成分とに分割し、前記輝度成分に対しては、前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを直列的に連結し、各画像処理フィルタから出力される画像信号を合成することにより、ノイズが除去された画像信号を得るようにし、前記色差成分に対しては、前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを直列的に連結し、順次処理を行っていくことにより、最終的にノイズが除去された画像信号を得るようにしたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項11記載の発明は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像データを記録する記録手段と、前記撮像手段により撮像された画像データに対して、前記ノイズ除去手段によるノイズ除去処理を施した後の画像データを、前記記録手段により記録させる制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至10記載の画像処理装置である。
請求項12記載の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理装置を搭載したカメラである。
本発明では、注目画素と周辺画素の画素値に応じた非線形な演算を行うノイズ除去手段を複数帯域別に設けるようにしたので、エッジ部分のノイズ除去性能と帯域バランスをより向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(1)イプシロンフィルタでの構成例;
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。
図18および図21で示される構成(第4従来例に対応する構成)をベースとして、エッジ部分のノイズ除去性能をより向上させるために、イプシロンフィルタまたはバイラテラルフィルタを用いることを考えた場合、単純に非線形制限器(Lim)の部分をイプシロンフィルタまたはバイラテラルフィルタで置き換えた場合には不都合が生じる。
つまり、イプシロンフィルタやバイラテラルフィルタは、基本的にLPFまたはBPFであるため、このような単純な置き換えで構成した場合には、せっかくLPFおよびBPFの多段接続により複数の周波数帯域に分割しているにも係わらず、更にイプシロンフィルタやバイラテラルフィルタと接続されることにより2重にLPFまたはBPFを通ることになり、帯域バランスが崩れてしまう(このような構成において帯域バランスが崩れないようにLPF、BPFおよびイプシロンフィルタやバイラテラルフィルタの常数を設定することは極めて困難である)。
そこで、本第1実施形態の画像処理装置では、帯域バランスが崩れることのないよう、イプシロンフィルタまたはバイラテラルフィルタをLPFまたはBPFと縦列に接続されないような形で挿入している。更に、低周波ノイズに対応したタップ数の多いイプシロンフィルタまたはバイラテラルフィルタが追加された場合でも、回路規模や演算量が増大しないような係数を、縦列に接続される各フィルタの係数として設定している。
図1に、イプシロンフィルタでの構成例を示す。
ここで、「イプシロンフィルタ」とは、急峻な変化を伴う信号に重畳された小振幅雑音を除去するための非線型ディジタルフィルタ技術として開発されたものである。すなわち、画像信号は、輪郭などに突発的変化を有する非定常信号であり、これにランダム雑音が重畳した場合、従来の線形のデジタルフィルタでは効果的な雑音除去を行うことができなかったが、イプシロンフィルタは、このような非定常信号に対する雑音除去を効果的に行うことができる非線形ディジタルフィルタの一種であり、また、極めて簡単な回路構造と少ない計算量で実現することができる優れたフィルタである。
この「イプシロンフィルタ」は、基本的にはLPF(ローパスフィルタ)またはBPF(バンドパスフィルタ)であり、注目画素から所定距離内にある周辺画素の各々に対して所定の重み付けで加重平均を求め、この値を新たな注目画素の値とする処理を画像全体に施すものである。
そして、この「イプシロンフィルタ」で特徴的な処理は、画像のエッジ部分において加重平均処理に悪影響を及ぼすような周辺画素の加算を制限するような非線形処理を行うことであり、これにより、エッジ部分の影響を受けずにノイズを除去することができ、また、ノイズの除去に伴ってエッジまでが削られてしまうことを防ぐことができるものである。
具体的には、例えば、「通常型イプシロンフィルタ」では、上記加重平均において、注目画素とは大きく階調が離れた周辺画素(画像のエッジ部を挟んで反対側にあるような周辺画素)の値を注目画素±Σに制限して加算するような非線形な演算を行っている。「傾き補正型イプシロンフィルタ」も同様であり、注目画素を中心として対象位置にある周辺2画素の平均値を注目画素±Σに制限して加算するような非線形な演算を行っている。
なお、これらの非線形処理は、周辺画素の値または2つの周辺画素の平均値の値を注目画素±Σに制限して加算を行うものであるが、後述するバイラテラルフィルタと対応させて考えた場合、加重平均における各周辺画素の重み値を、注目画素と周辺画素との位置関係に応じた値で、且つ、注目画素の画素値と周辺画素の画素値との差に応じた非線形な演算により決定していると言い換えることができる。
ここで、デジタルフィルタの係数について説明する。上記加重平均処理において注目画素から各距離にある周辺画素に対する重み付けの値を示したものがデジタルフィルタの係数であり、例えば、(1,4,6,4,1)/16のように表す。真ん中の“6”は、注目画素そのものに対応し、その重み値が6/16であることを示し、その隣の“4”は、注目画素から距離1の周辺画素に対応し、その重み値が4/16であることを示し、更に隣の“1”は、注目画素から距離2の周辺画素に対応し、その重み値が1/16であることを示し、以下、数字が右左に追加されていくに従って、距離3、距離4、・・・と対応していく。そして、この係数を2次元画像に適用する場合には、縦方向の距離に対応した係数と横方向の距離に対応した係数とを乗算した値が各周辺画素の係数となる。また、係数が左右対称で合計が1である場合には、(1,4,6,4,1)/16の係数を“641”のように表記することもある。
図1の構成について説明する。
この図において、CCDやCMOS等の撮像素子から出力される画像信号Orig(ただし、この画像信号Origは不図示のA/D変換器でデジタル信号に変換されたものである。)は、第1の傾き補正型イプシロンフィルタ31と、LPF32に入力される。この2つの対を成すフィルタは共に枠内に“641”と表記され、(1,4,6,4,1)/16という係数を持つフィルタであることを表している。LPF32の出力は、第2の傾き補正型イプシロンフィルタ33と、BPF34に入力される。この2つの対を成すフィルタも枠内に表記された“60401”に対応する係数を持つ。BPF34の出力は、通常型イプシロンフィルタ35と、BPF36に入力される。この2つの対を成すフィルタも枠内に表記された “600040001” に対応する係数を持つ。
図2は、LPF32、BPF34及びBPF36の周波数特性図である。この図において、L0は(641)のLPF6の周波数特性である。また、L1は(641)*(60401)のBPF7の周波数特性である。また、L2は(641)*(060401)*(600040001)のBPF8の周波数特性である。ただし、「*」は畳み込み演算を示す。
ここで、(641)*(60401)*(600040001)=(344,336,315,284,246,204,161,120,84,56,35,20,10,4,1)であり、LPF32、BPF34及びBPF36の多段接続は、(344,336,315,284,246,204,161,120,84,56,35,20,10,4,1)の特性を持つ単一のLPFと等価である。
(344,336,315,284,246,204,161,120,84,56,35,20,10,4,1)の単一フィルタで構成した場合には、27×27=729回の演算量を必要とするのに対して、(641)*(60401)*(600040001)の多段フィルタで構成した場合には、係数が0の部分は演算の対象とならないので、5×5+5×5+5×5=75回の演算量で済む。
このように、縦列的に接続される各フィルタの係数を設定することにより、各接続部から複数の周波数帯域に分割された信号を取り出すことができ、且つ、低周波特性を持つフィルタをより少ない演算量で実現することができる。
また、図1において、第1の傾き補正型イプシロンフィルタ31の出力とLPF32の出力は第1減算器37に入力され、この第1減算器37の出力が第1加算器38に入力されている。また、第2の傾き補正型イプシロンフィルタ33の出力とBPF34の出力は第2減算器39に入力され、この第2減算器39の出力が第1加算器38に入力されている。さらに、通常型イプシロンフィルタ35の出力とBPF36の出力は第3減算器40に入力され、この第3減算器40の出力が第1加算器38と第2加算器41に入力されており、第1加算器38の出力は第2加算器41に入力され、この第2加算器41からノイズ抑制後の画像信号Outが取り出されている。
図3は、係数(例としてLPF32の係数)を2次元で示す図である。この図において、升目の一つ一つは画像信号の画素であり、各々の升目内の数値はその画素値に適用する係数である。注目画素は中央の画素(係数36の画素)、周辺画素は注目画素以外の画素である。
以上の構成において、注目すべき点の1つは、LPFまたはBPFと対を成すイプシロンフィルタが並列的に接続され、且つ、これらの対を成すフィルタの係数を同じ設定にした点である。これにより、周波数帯域に分割した後に再度LPFまたはBPFを通るようなことがなく、また、分割した周波数帯域と同じ周波数帯域を持つノイズフィルタを用いるので、各周波数帯域に分割された各々の信号は、確実に意図された周波数帯域のノイズが除去されたものとなる。
2つめの注目すべき点は、1段目と2段目のフィルタが傾き補正型のイプシロンフィルタ(第1及び第2の傾き補正型イプシロンフィルタ31、33)であり、且つ、3段目が通常型のイプシロンフィルタ(通常型イプシロンフィルタ35)になっている点である。なお、3段目を通常型イプシロンフィルタ35としたのは、低周波のエッジ成分が“滑られすぎる”(当該信号成分が過剰に減衰する)と、視覚上好ましくないためである。
1段目のフィルタ(第1の傾き補正型イプシロンフィルタ31)は、以下のように動作する。
図4は、第1の傾き補正型イプシロンフィルタ31の処理対象の画素ブロック(5×5画素のブロック)を示す図である。この図において、注目画素(中心画素p[12])に対してノイズ抑制をかける場合の動作は、次のようなC言語の擬似コード(以下、コードAという。)で表すことができる。
<コードA>
Weight[25]={
1,4,6,4,1,
4,16,24,16,4,
6,24,36,24,6,
4,16,24,16,4,
1,4,6,4,1,
};//この係数の和は256
WeightedSum=0;
for(i=0;i<12;i++){
PairSum=p[i]+p[24−i];
diff=PairSum/2−p[12];
diff=limit(diff);
WeightedSum += (diff*2*Weight[i]);

WeightedSum += (p[12]*256);
nr_out=WeightedSum/256;
コードAを説明すると、Weight[25]は、配列変数であり、25個の配列の各々に初期値(1,4,6,4,1,4,16,24,16,4,6,24,36,24,6,4,16,24,16,4,1,4,6,4,1)が格納される。これらの初期値は、注目画素とその周辺画素の各々の係数である。また、スラッシュを二つ並べた記号(//)以降の文は注釈(コメント)を表しており、このコメントのとおり、全ての係数の和は“256”になる。
WeightedSumは初期値0の変数であり、また、PairSumやdiff、PairSumも変数である。forは、ループ変数iをi=0からi<12の範囲でカウントアップ(i++)しつつ、PairSum、diff及びWeightedSumの値を逐次に更新するループ命令である。ループ命令を1回実行する度に、PairSumの値がp[i]+p[24−i]で更新され、また、diffの値がPairSum/2−p[12]で更新されると共に、diff=limit(diff)に制限され、さらに、WeightedSumの値が(diff*2*Weight[i])で更新される。なお、「+=」は、旧値(前回ループ時の演算結果)と新値(今回ループ時の演算結果)との加算、「*」は乗算を示す。そして、ループを抜けると、WeightedSumの値に(p[12]*256)を加算し、その加算結果を“256”で割って、ノイズ抑制後の出力(nr_out)を得ている。
このコードAにより、画像信号の注目画素(中心画素p[12])の周辺にある複数の周辺画素(p[0]、p[1]、p[2]、p[3]、p[4]、p[5]、p[6]、p[7]、p[8]、p[9]、p[10]、p[11]、p[13]、p[14]、p[15]、p[16]、p[17]、p[18]、p[19]、p[20]、p[21]、p[22]、p[23]、p[24])の加重平均をとることによって注目画素の新たな画素値(nr_out)を算出する画像処理フィルタを実現できる。
なお、limit(diff)は、diffを非線形変換する処理であり、たとえば、前記の図20のようにdiffを±εに制限するものである。
2段目の傾き補正型イプシロンフィルタ(第2の傾き補正型イプシロンフィルタ33)の動作も1段目と類似しているが、処理対象の画素ブロックの構成に相違がある。
図5は、第2の傾き補正型イプシロンフィルタ33の処理対象の画素ブロック(9×9画素のブロック)を示す図である。この図において、2画素おきに飛び飛びに配置されたp[0]〜p[24]の5×5画素を使って、注目画素(中心画素p[12])にノイズ抑制をかける。擬似コードは、前記のコードAを流用することができる。
3段目の通常型イプシロンフィルタ35は、以下のように動作する。
図6は、通常型イプシロンフィルタ35の処理対象の画素ブロック(17×17画素のブロック)を示す図である。この図に示す17×17画素において、実際の処理に使うのは4画素おきに飛び飛びに配置されたp[0]〜p[24]の5×5画素である。この場合、注目画素(中心画素p[12])にノイズ抑制をかけるためのC言語の擬似コード(以下、コードBという。)は、以下のとおり表すことができる。
<コードB>
WeightedSum=0;
for(i=0;i<25;i++){
diff=p[i]−p[12];
diff=limit(diff);
WeightedSum += (diff*Weight[i]);

WeightedSum += (p[12]*256);
nr_out=WeightedSum/256;
コードBを説明すると、WeightedSumは初期値0の変数であり、また、diffも変数である。forは、ループ変数iをi=0からi<25の範囲でカウントアップ(i++)しつつ、diffやWeightedSumの値を逐次に更新するループ命令である。ループ命令を1回実行する度に、diffの値がp[i]−p[12]で更新されると共に、diff=limit(diff)に制限され、さらに、WeightedSumの値が(diff*Weight[i])で更新される。なお、「+=」は、旧値(前回ループ時の演算結果)と新値(今回ループ時の演算結果)との加算を示す。そして、ループを抜けると、WeightedSumの値に(p[12]*256)を加算し、その加算結果を“256”で割って、ノイズ抑制後の出力(nr_out)を得ている。
このコードBにより、画像信号の注目画素(中心画素p[12])の周辺にある複数の周辺画素(p[0]、p[1]、p[2]、p[3]、p[4]、p[5]、p[6]、p[7]、p[8]、p[9]、p[10]、p[11]、p[13]、p[14]、p[15]、p[16]、p[17]、p[18]、p[19]、p[20]、p[21]、p[22]、p[23]、p[24])の加重平均をとることによって注目画素の新たな画素値(nr_out)を算出する画像処理フィルタを実現できると共に、かかる加重平均における各周辺画素の重み値(Weight[i])を、注目画素と周辺画素との位置関係に応じた値で、且つ、注目画素の画素植と周辺画素の画素値との差に応じた非線形な演算により決定された値に設定することができる。
以上のようにして求められた「nr_out」から、同じ係数で構成されるFIRフィルタの結果を減算し、各帯域におけるノイズ抑制処理された交流成分を算出する。そして、最後に全帯域成分の和を求めて、最終のノイズ抑制処理結果とする。なお、本例では2段目を傾き補正型イプシロンフィルタとしたが、通常型イプシロンフィルタとしてもよい。
(2)バイラテラルフィルタでの構成例;
図7に、バイラテラルフィルタでの構成例を示す。この図も、図1(イプシロンフィルタでの構成例)と同様に、前記の従来技術における図21の点線部に相当するものであり、詳細には、図22の構成に置き換わるものである。発明の思想上、図1の構成と図7の構成のいずれを採用してもよい。
ここで、「バイラテラルフィルタ」とは、1988年にTomashiとManduchiにより提案されたエッジ保持平滑化フィルタである。画像をスムーズに平滑化しつつも、エッジ部分はぼかすことのない効果を持っている。ガウスぼかしをする際に、画素間の距離で重みを決めるのではなく、輝度の差も見て、変化が大きいところは重みを小さくすることによってエッジを残す。
図7の構成について説明する。
この図において、CCDやCMOS等の撮像素子から出力される画像信号Orig(ただし、この画像信号Origは不図示のA/D変換器でデジタル信号に変換されたものである。)は、第1の傾き補正型バイラテラルフィルタ51と、枠内に“641”と表記されたLPF52に入力される。“641”は、(1,4,6,4,1)/16という係数を表している。LPF52の出力は、第2の傾き補正型バイラテラルフィルタ53と、枠内に“60401”と表記されたBPF54に入力され、BPF54の出力は、通常型バイラテラルフィルタ55と、枠内に“600040001”と表記されたBPF56に入力される。
また、図7において、第1の傾き補正型バイラテラルフィルタ51の出力とLPF52の出力は第1減算器57に入力され、この第1減算器57の出力が第1加算器58に入力されている。また、第2の傾き補正型バイラテラルフィルタ53の出力とBPF54の出力は第2減算器59に入力され、この第2減算器59の出力が第1加算器58に入力されている。さらに、通常型バイラテラルフィルタ55の出力とBPF56の出力は第3減算器60に入力され、この第3減算器60の出力が第1加算器58と第2加算器61に入力されており、第1加算器58の出力は第2加算器61に入力され、この第2加算器61からノイズ抑制後の画像信号Outが取り出されている。
なお、図1と同様に、“641”は、(1,6,4,1)/16という係数を示している。ただし、ここでは1次元の係数で示しているが、2次元に拡張すると前記の図3のような係数となる。
以上の構成において、注目すべき点は、1段目と2段目のフィルタが傾き補正型のバイラテラルフィルタ(第1及び第2の傾き補正型バイラテラルフィルタ51、53)であり、且つ、3段目が通常型のバイラテラルフィルタ(通常型バイラテラルフィルタ55)になっている点である。なお、3段目を通常型バイラテラルフィルタ55としたのは、低周波のエッジ成分が“滑られすぎる”(当該信号成分が過剰に減衰する)と、視覚上好ましくないためである。
1段目のフィルタ(第1の傾き補正型バイラテラルフィルタ51)は、以下のように動作する。
前記の図4のような5×5画素において、注目画素(中心画素p[12])に対してノイズ抑制をかける場合の動作は、次のようなC言語の擬似コード(以下、コードCという。)で表すことができる。
<コードC>
WeightedSum=0;
SumOfWeights=0;
for(i=0;i<12;i++){
PairSum=p[i]+p[24−i];
diff=PairSum/2−p[12];
BilatWeight=Weight[i]*bilatgain(diff);
WeightedSum += (PairSum*BilatWeight);
SumOfWeights += (BilatWeight*2);

WeightedSum += (p[12]*Weight[12]);
SumOfWeights += Weight[12];
nr_out=WeightedSum/SumOfWeights;
コードCを説明すると、WeightedSumとSumOfWeightsは初期値0の変数であり、また、PairSumやdiff、BilatWeightも変数である。forは、ループ変数iをi=0からi<12の範囲でカウントアップ(i++)しつつ、PairSum、diff、BilatWeight、WeightedSum及びSumOfWeightsの値を逐次に更新するループ命令である。ループ命令を1回実行する度に、PairSumの値がp[i]+p[24−i]で更新され、また、diffの値がPairSum/2−p[12]で更新されると共に、diff=limit(diff)に制限され、さらに、BilatWeightの値がWeight[i]*bilatgain(diff)で更新され、また、WeightedSumの値が(PairSum*BilatWeight)で更新され、さらに、SumOfWeightsの値が(BilatWeight*2)で更新される。なお、「+=」は、旧値(前回ループ時の演算結果)と新値(今回ループ時の演算結果)との加算、「*」は乗算を示す。そして、ループを抜けると、WeightedSumの値に(p[12]*Weight[12])を加算し、SumOfWeightsの値にWeight[12]の値を加算し、最後に、WeightedSumの値をSumOfWeightsの値で割って、ノイズ抑制後の出力(nr_out)を得ている。
このコードCにより、画像信号の注目画素(中心画素p[12])の周辺にある複数の周辺画素(p[0]、p[1]、p[2]、p[3]、p[4]、p[5]、p[6]、p[7]、p[8]、p[9]、p[10]、p[11]、p[13]、p[14]、p[15]、p[16]、p[17]、p[18]、p[19]、p[20]、p[21]、p[22]、p[23]、p[24])の加重平均をとることによって注目画素の新たな画素値(nr_out)を算出する画像処理フィルタを実現できると共に、かかる加重平均における各周辺画素の重み値(Weight[i])を、注目画素と周辺画素との位置関係に応じた値で、且つ、注目画素の画素植と周辺画素の画素値との差に応じた非線形な演算により決定された値に設定することができる。
図8は、bilatgain(diff)関数を示す概念図である。この図に示すように、bilatgain(diff)関数は、diffが大きいほど小さい値を返す関数であり、この関数は、注目画素(中心画素p[12])と周辺画素との差diffが大きいときには、ノイズではなく、有効な信号成分である可能性が高いので、フィルタの重みを小さくして“滑られる”(当該信号成分が過剰に減衰する)のを防ぐために用いられる。
2段目の傾き補正型バイラテラルフィルタ(第2の傾き補正型バイラテラルフィルタ53)の動作も1段目と類似しているが、処理対象の画素ブロックの構成に相違がある。すなわち、前記の図5のような9×9画素において、2画素おきに飛び飛びに配置されたp[0]〜p[24]の5×5画素を使って、注目画素(中心画素p[12])にノイズ抑制をかける。擬似コードは、前記のコードCを流用することができる。
3段目の通常型バイラテラルフィルタ55は、以下のように動作する。
前記の図6のような17×17画素において、実際の処理に使うのは4画素おきに飛び飛びに配置されたp[0]〜p[24]の5×5画素である。この場合、注目画素(中心画素p[12])にノイズ抑制をかけるためのC言語の擬似コード(以下、コードDという。)は、以下のとおり表すことができる。
<コードD>
WeightedSum=0;
SumOfWeights=0;
for(i=0;i<25;i++){
diff=p[i]−p[12];
BilatWeight=Weight[i]*bilatgain(diff);
WeightedSum += (p[i]*BilatWeight);
SumOfWeights += WeightedSum;

nr_out=WeightedSum/SumOfWeights;
コードDを説明すると、WeightedSumとSumOfWeightsは初期値0の変数であり、diffやBilatWeightも変数である。forは、ループ変数iをi=0からi<25の範囲でカウントアップ(i++)しつつ、diff、BilatWeight、WeightedSum及びSumOfWeightsの値を逐次に更新するループ命令である。ループ命令を1回実行する度に、diffの値がp[i]−p[12]で更新されると共に、diff=limit(diff)に制限され、さらに、BilatWeightの値がWeight[i]*bilatgain(diff)で更新され、また、WeightedSumの値が(p[i]*BilatWeight)で更新され、さらに、SumOfWeightsの値がWeitedSumで更新される。なお、「+=」は、旧値(前回ループ時の演算結果)と新値(今回ループ時の演算結果)との加算、「*」は乗算を示す。そして、ループを抜けると、WeightedSumの値をSumOfWeightsの値で割って、ノイズ抑制後の出力(nr_out)を得ている。
以上のようにして求められた「nr_out」から、同じ係数で構成されるFIRフィルタの結果を減算し、各帯域におけるノイズ抑制処理された交流成分を算出する。そして、最後に全帯域成分の和を求めて、最終のノイズ抑制処理結果とする。 なお、本例では2段目を傾き補正型バイラテラルフィルタとしたが、通常型バイラテラルフィルタとしてもよい。
このように構成したから、以上の第1実施形態によれば、
(ア)各帯域ごとにノイズ抑制をかけることで、各帯域別に最適なノイズ抑制量を設定することができる。
(イ)注目画素と周辺画素の画素値の差に応じた非線形な演算を行うデジタルフィルタを用いたので、画像のエッジ部分におけるノイズ除去性能を向上させることができる。
(ウ)LPFとBPFとを縦列的に多段接続し、各接続部より複数の周波数帯域に分割された信号を取り出す構成において、タップ数の多いフィルタの係数に“0“を多く含むようにしたので、低周波特性を持つフィルタをより少ない演算量で実現することができる。
(エ)LPF処理またはBPF処理の一部の演算処理を非線形な処理とすることによりノイズを除去するノイズフィルタを、周波数帯域を分割するために縦列的に接続された各LPFまたはBPFと並列的に接続し、且つ、これらの対を成すフィルタの係数を同じ設定にしたことにより、分割された各周波数帯域毎にその周波数帯域のノイズを確実に除去することができる。
(オ)また、少なくとも1段目を傾き補正型のノイズ抑制とすることで、グラデーションのような階調変化部での高周波ノイズ除去性能を確保できる。
(カ)また、少なくとも最終段を通常型のノイズ抑制とすることで、低周波についてはエッジを確実に残しつつ、ベタ部分での低周波ノイズを除去することができる。
したがって、以上の(ア)〜(カ)の全て、または一部の組み合わせにより、帯域バランスに優れたノイズ除去を可能とすることができ、冒頭で述べた本件発明の課題を達成することができる。る。
<第2実施形態>
前記の特許文献1には、注目画素±εに値が制限された周辺画素を使ってLPF処理を行うノイズ抑制技術が記載されている。これは、イプシロンフィルタと呼ばれるものである。この先行文献においては、ベイヤデータに対して5×5タップの上記ノイズ抑制技術を適用する実施例が述べられているが、5×5程度のタップ数では低周波数のノイズ除去ができない。また、前記の非特許文献1には、バイラテラルフィルタと呼ばれるノイズ抑制技術が記載されている。これは、注目画素俵と周辺画素値との差の大きさに応じてLPFの係数を変化させるという方式で、前記差が大きいほどLPFの係数を小さくするというアルゴリズムである。しかしながら、このアルゴリズムにおいても、前記のイプシロンフィルタと同様に5×5程度のタップ数では低周波ノイズ除去ができないという欠点がある。
すなわち、これらのイプシロンフィルタやバイラテラルフィルタによって低周波ノイズの除去能力を向上するためには、必然的にタップ数を大きくする必要があるが、そのようにすると、ハードウエアのコストが増大するという不都合がある。
以下に説明する第2実施形態は、ハードウエアのコストの増大を招かずに、低周波ノイズの除去能力を向上するものである。
図9は、第2実施形態の概念構成図である。この図において、CCDやCMOSなどの撮像素子から出力された画像信号in(ただし、この画像信号inは不図示のA/D変換器でデジタル信号に変換されたものである。)は、直列接続された4つのノイズ抑制フィルタ(以下、1段目ノイズ抑制フィルタ71、2段目ノイズ抑制フィルタ72、3段目ノイズ抑制フィルタ73、4段目ノイズ抑制フィルタ74という。)を通り、ノイズ抑制後の画像信号outとして取り出されている。
これら4つのノイズ抑制フィルタ(以下、1段目ノイズ抑制フィルタ71、2段目ノイズ抑制フィルタ72、3段目ノイズ抑制フィルタ73、4段目ノイズ抑制フィルタ74という。)は、イプシロンフィルタ又はバイラテラルフィルタを用いる。
ここで、1段目ノイズ抑制フィルタ71の“12”(右から左に読む;以下同様。)は、(1,2,1)/4という3×3タップ係数で構成されたノイズ抑制フィルタを示している。同様に、2段目ノイズ抑制フィルタ72の“102”は、(1,0,2,0,1)/4という5×5タップ係数で構成されたノイズ抑制フィルタを示していり、3段目ノイズ抑制フィルタ73の“10002”は、(1,0,0,0,2,0,0,0,1)/4という9×9タップ係数で構成されたノイズ抑制フィルタを示しており、4段目ノイズ抑制フィルタ74の“100000002”は、(1,0,0,0,0,0,0,0,2,0,0,0,0,0,0,0,1)/4という17×17タップ係数で構成されたノイズ抑制フィルタを示している。
図10は、各ノイズ抑制フィルタの係数(ここでは、代表として1段目ノイズ抑制フィルタ71の係数“12”)を2次元で示す図である。この図において、升目の一つ一つは画像信号の画素であり、各々の升目内の数値はその画素値に適用する係数である。注目画素は中央の画素(係数4の画素)、周辺画素は注目画素以外の画素である。
図11は、図9の構成における各位置の周波数特性図である。この図において、L0は(121)の周波数特性を表し、L1は(121)*(10201)の周波数特性を表している。同様に、L2は(121)*(10201)*(100020001)の周波数特性を表し、L3は(121)*(10201)*(100020001)*(10000000200000001)の周波数特性を表している。「*」は畳み込み演算を示す。
(3)イプシロンフィルタでの構成例:
図9の構成において、4つのノイズ抑制フィルタ(1段目ノイズ抑制フィルタ71、2段目ノイズ抑制フィルタ72、3段目ノイズ抑制フィルタ73、4段目ノイズ抑制フィルタ74)に「イプシロンフィルタ」を用いる場合の詳細を説明する。
1段目のイプシロンフィルタ(1段目ノイズ抑制フィルタ71)は、以下のように動作する。
図12は、1段目のイプシロンフィルタ(1段目ノイズ抑制フィルタ71)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。この図において、注目画素(中心画素p[4])に対してノイズ抑制をかける場合の動作は、次のようなC言語の擬似コード(以下、コードEという。)で表すことができる。
<コードE>
Weight[9]={
1,2,1,
2,4,2,
1,2,1,
};//この係数の和は16
WeightedSum=0;
for(i=0;i<9;i++){
diff=p[i]−p[4];
diff=limit(diff);
WeightedSum += (diff*2*Weight[i]);

WeightedSum += (p[4]*16);
nr_out=WeightedSum/16;
コードEを説明すると、Weight[9]は、配列変数であり、9個の配列の各々に初期値(1,2,1,2,4,2,1,2,1)が格納される。これらの初期値は、注目画素とその周辺画素の各々の係数である。また、スラッシュを二つ並べた記号(//)以降の文は注釈(コメント)を表しており、このコメントのとおり、全ての係数の和は“16”になる。
WeightedSumは初期値0の変数であり、また、diffも変数である。forは、ループ変数iをi=0からi<9の範囲でカウントアップ(i++)しつつ、diff及びWeightedSumの値を逐次に更新するループ命令である。ループ命令を1回実行する度に、diffの値がp[i]−p[4]で更新されると共に、diff=limit(diff)に制限され、さらに、WeightedSumの値が(diff*2*Weight[i])で更新される。なお、「+=」は、旧値(前回ループ時の演算結果)と新値(今回ループ時の演算結果)との加算、「*」は乗算を示す。そして、ループを抜けると、WeightedSumの値に(p[4]*16)を加算し、その加算結果を“16”で割って、ノイズ抑制後の出力(nr_out)を得ている。
ここで、limit(diff)は、diffを非線形変換する処理であり、たとえば、前記の図20のようにdiffを±εに制限するものである。
図13は、2段目のイプシロンフィルタ(2段目ノイズ抑制フィルタ72)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。この2段目ノイズ抑制フィルタ72についても、1段目と同じ方法(コードE)を適用する。
図14は、3段目のイプシロンフィルタ(3段目ノイズ抑制フィルタ73)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。この3段目ノイズ抑制フィルタ73についても、1段目と同じ方法(コードE)を適用する。
図15は、4段目のイプシロンフィルタ(4段目ノイズ抑制フィルタ74)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。この4段目ノイズ抑制フィルタ74についても、1段目と同じ方法(コードE)を適用する。
(4)バイラテラルフィルタでの構成例:
次に、図9の構成において、4つのノイズ抑制フィルタ(1段目ノイズ抑制フィルタ71、2段目ノイズ抑制フィルタ72、3段目ノイズ抑制フィルタ73、4段目ノイズ抑制フィルタ74)に「バイラテラルフィルタ」を用いる場合の詳細を説明する。
前記の図12のような3×3画素において、注目画素(中心画素p[4])に対してノイズ抑制をかける場合の動作は、次のようなC言語の擬似コード(以下、コードFという。)で表すことができる。
<コードF>
WeightedSum=0;
SumOfWeights=0;
for(i=0;i<9;i++){
diff=p[i]−p[4];
BilatWeight += Weight[i]*bilatgain(diff);
WeightedSum += (p[i]*BilatWeight);
SumOfWeights += WeightedSum;

nr_out=WeightedSum/SumOfWeights;
コードFを説明すると、WeightedSumとSumOfWeightsは初期値0の変数であり、また、diffやBilatWeightも変数である。forは、ループ変数iをi=0からi<9の範囲でカウントアップ(i++)しつつ、diffやBilatWeight、WeightedSumの値を逐次に更新するループ命令である。ループ命令を1回実行する度に、diffの値がp[i]−p[12]で更新されると共に、diff=limit(diff)に制限され、さらに、BilatWeightの値がWeight[i]*bilatgain(diff)で更新され、また、WeightedSumの値が(p[i]*BilatWeight(diff))で更新され、また、SumOfWeightsの値がWeightedSumで更新される。なお、「+=」は、旧値(前回ループ時の演算結果)と新値(今回ループ時の演算結果)との加算を示す。そして、ループを抜けると、WeightedSumの値をSumOfWeightsの値で割って、ノイズ抑制後の出力(nr_out)を得ている。
ここで、bilatgain(diff)は、diffが大きいほど小さい値を返す関数で、たとえば、前記の図8ような特性とする。
2段目のバイラテラルフィルタ(2段目ノイズ抑制フィルタ72)は、前記の図13のような3×3画素に対して、1段目と同じ方法(コードF)を適用する。また、3段目のバイラテラルフィルタ(3段目ノイズ抑制フィルタ73)は、前記の図14のような3×3画素に対して、1段目と同じ方法(コードF)を適用する。また、4段目のバイラテラルフィルタ(4段目ノイズ抑制フィルタ74)は、前記の図15のような3×3画素に対して、1段目と同じ方法(コードF)を適用する。
以上のとおり、図9の4つのノイズ抑制フィルタ(1段目ノイズ抑制フィルタ71〜4段目ノイズ抑制フィルタ74)を「イプシロンフィルタ」で構成した場合と、「バイラテラルフィルタ」で行成した場合を説明したが、たとえば、画像の色差成分(YUVのUV成分;Yは輝度成分、UVは色差成分)に対して、本例(第2実施形態)を適用する場合には、UV成分としては、そもそも高周波成分は不要であるので、1段目はノイズ抑制フィルタとせず、単にLPFとしてもよい。
また、図9では、後段になるにつれて遮断周波数の低いフィルタとしているが、接続の順番は問わない。たとえば、以下のようにしてもよい。
図16は、図9の接続を逆順にした例を示す図であり、このように、図9の4段目ノイズ抑制フィルタ74を「1段目」にし、3段目ノイズ抑制フィルタ73を「2段目」にし、2段目ノイズ抑制フィルタ72を「3段目」にし、1段目ノイズ抑制フィルタ71を「4段目」にしてもよい。
このように構成したから、以上の第2実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。すなわち、第2実施形態と同等の特性を単体のノイズ抑制フィルタで得ようとした場合、L3部(図11の特性図における左端の特性線L3を参照)と同じ特性を持つ31×31タップのノイズ抑制フィルタが必要になるが、そのようにすると、31×31=961回もの膨大な演算が発生する。しかしながら、本第2実施形態のように複数のフィルタの直列構成とすれば、“0”でない係数はどのフィルタも3×3=9個と少なくなるので、たとえば、4つのフィルタの場合は、高々36回の少ない演算で済む。これにより、ハードウエアの規模と計算量を大幅に削減することが可能となる。この演算量の削減効果は、第1実施形態と比べても非常に大きいものとなる。
また、第1実施形態と比較した場合、非線形フィルタ(イプシロンフィルタまたはバイラテラルフィルタ)が縦列接続されるので、帯域特性は多少悪化するが、周波数帯域を分割するためのLPFまたはBPFと、ノイズを除去するためのイプシロンフィルタまたはバイラテラルフィルタとを兼用しているため、回路規模を大幅に縮小することができる。
このため、画像の輝度成分(Y)に対しては第1実施形態を適用し、画像の色差成分(UV)に対して第2実施形態を適用してもよく、このようにすれば、性能とコストとパフォーマンスを最適化することができる。
なお、上記第1実施形態および第2実施形態で示したノイズ除去手段は、その一部または全体をハードウエアまたはソフトウエアのいずれで実現してもよい。
また、このノイズ除去手段をデジタルカメラに適用し、撮像素子から出力される画像信号に対してこのノイズ除去手段によるノイズ除去を施した後、ノイズが除去された画像データをメモリカードなどに記録保存する利用方法の他、既に記録保存されている画像データに対して このノイズ除去手段によるノイズ除去を施すような利用方法でもよい。また、DVDプレイヤーなどの画像再生装置に適用し、画像データの再生時にこのノイズ除去手段によるノイズ除去を施してから再生表示するような利用方法でもよい。
第1実施形態の構成図(イプシロンフィルタでの構成例)である。 LPF6、BPF7及びBPF8の周波数特性図である。 係数(例としてLPF32の係数)を2次元で示す図である。 第1の傾き補正型イプシロンフィルタ31の処理対象の画素ブロック(5×5画素のブロック)を示す図である。 第2の傾き補正型イプシロンフィルタ33の処理対象の画素ブロック(9×9画素のブロック)を示す図である。 通常型イプシロンフィルタ35の処理対象の画素ブロック(17×17画素のブロック)を示す図である。 第1実施形態の構成図(バイラテラルフィルタでの構成例)である。 bilatgain(diff)関数を示す概念図である。 第2実施形態の概念構成図である。 各ノイズ抑制フィルタの係数(ここでは、代表として1段目ノイズ抑制フィルタ71の係数“12”)を2次元で示す図である。 図9の構成における各位置の周波数特性図である。 1段目のイプシロンフィルタ(1段目ノイズ抑制フィルタ71)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。 2段目のイプシロンフィルタ(2段目ノイズ抑制フィルタ72)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。 3段目のイプシロンフィルタ(3段目ノイズ抑制フィルタ73)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。 4段目のイプシロンフィルタ(4段目ノイズ抑制フィルタ74)の処理対象の画素ブロック(3×3画素のブロック)を示す図である。 図9の接続を逆順にした例を示す図である。 第4従来例の概念構成図である。 第4従来例の要部構成図である。 Lim処理の概念図(±εの範囲に値制限するもの)である。 Lim処理の概念図(滑らかな特性で値を制限するもの)である。 図18を再構成した図である。 図21の要部(点線で囲んだ部分)構成図である。
符号の説明
31 第1の傾き補正型イプシロンフィルタ(ノイズ除去手段、画像処理フィルタ)
32 LPF(ノイズ除去手段)
33 第2の傾き補正型イプシロンフィルタ(ノイズ除去手段、画像処理フィルタ)
34 BPF(ノイズ除去手段)
35 通過型イプシロンフィルタ(ノイズ除去手段、画像処理フィルタ)
36 BPF(ノイズ除去手段)

Claims (12)

  1. 入力される画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を備えた画像処理装置において、
    前記ノイズ除去手段は、前記画像信号の注目画素の周辺にある複数の周辺画素の加重平均をとることによって注目画素の新たな画素値を算出する画像処理フィルタを含み、
    前記画像処理フィルタは、前記加重平均における各周辺画素の重み値を、注目画素と周辺画素との位置関係に応じた値で、且つ、注目画素の画素値と周辺画素の画素値との差に応じた非線形な演算により決定された値に設定するものであって、
    入力される画像信号に対して、前記加重平均における前記重み値の設定が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを通過させることにより、該画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行うようにしたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを直列的に連結し、順次処理を行っていくことにより、最終的にノイズが除去された画像信号を得ることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを並列的に連結し、各画像処理フィルタから出力される画像信号を合成することにより、ノイズが除去された画像信号を得ることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 入力される画像信号から特定の周波数成分の画像信号を抽出して出力する周波数フィルタと、
    入力される画像信号に対して前記画像処理フィルタを通過させて得られる画像信号から、該入力される画像信号に対して前記周波数フィルタを通過させて得られる画像信号を減算する減算手段と、を更に備え、
    前記画像処理フィルタが通過させる周波数成分と前記画像処理フィルタが通過させる周波数成分とが同じになるように前記画像処理フィルタの前記重み値が設定されていることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記周波数フィルタは、注目画素の周辺にある複数の周辺画素の加重平均をとることにより、注目画素の新たな画素値を算出する周波数フィルタであって、
    前記加重平均における各周辺画素の重み値を、注目画素と周辺画素との距離に応じた直に設定する周波数フィルタであり、
    対となる前記画像処理フィルタにおける前記非線形な演算を行う前の前記各周辺画素の重み値と同じ重み値が設定されていることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記画像処理フィルタは、前記加重平均において加算される周辺画素の値を、注目画素の画素値に対する所定範囲内に制限したイプシロンフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  7. 前記画像処理フィルタは、前記加重平均における周辺画素の重み値を、注目画素の画素値と周辺画素の画素値との差が大きくなるに従って小さくするバイラテラルフィルタであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  8. 前記画像処理フィルタには、前記加重平均において、注目画素から等距離で逆方向にある2つの周辺画素の平均値を用いて、前記加重平均において加算される周辺画素の値を非線形に制限する傾き補正型の画像処理フィルタと、前記加重平均において、注目画素から一方の方向にある1つの周辺画素の値を用いて、前記加重平均において加算される周辺画素の値を非線形に制限する通常型の画像処理フィルタの2つのタイプの画像処理フィルタを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  9. 複数の画像処理フィルタのうち最初に処理される画像処理フィルタには、前記傾き補正型の画像処理フィルタを用い、最後に処理される画像処理フィルタには、前記通常型の画像処理フィルタを用いることを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
  10. 入力される画像信号に対して周波数成分毎に異なるノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を備えた画像処理装置において、
    入力される画像信号を輝度成分と色差成分とに分割し、
    前記輝度成分に対しては、前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを直列的に連結し、各画像処理フィルタから出力される画像信号を合成することにより、ノイズが除去された画像信号を得るようにし、
    前記色差成分に対しては、前記加重平均の対象とする周辺画素の数が所定数以内であり、且つ、前記加重平均の対象とする周辺画素までの距離が各々異なる複数の前記画像処理フィルタを直列的に連結し、順次処理を行っていくことにより、最終的にノイズが除去された画像信号を得るようにしたことを特徴とする画像処理装置。
  11. 被写体を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された画像データを記録する記録手段と、
    前記撮像手段により撮像された画像データに対して、前記ノイズ除去手段によるノイズ除去処理を施した後の画像データを、前記記録手段により記録させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理装置。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理装置を搭載したカメラ。
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