JP2008239994A - インクジェットインキおよびカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット法により基板上の所望の位置にフィルタセグメントを形成するために好適に用いられる、顔料が高濃度に分散され、顔料の分散安定性が良好で、吐出安定なインクジェットインキ、および該インキを用いてインクジェット法により形成されるカラーフィルタの提供。
【解決手段】顔料と樹脂と液状媒体とを含むインクジェットインキにおいて、該顔料が、顔料粒子の表面に顔料誘導体および樹脂からなる被覆層が形成されている被覆処理顔料であり、該樹脂が、リン酸基またはスルホン酸基を有する樹脂、あるいは下記式(14)または式(15)で示されるモノマーを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、顔料の含有量が、インキを基準として7〜25重量%であり、顔料と樹脂との重量比が、5:5〜8:2であり、 且つ25℃でのインキ粘度が、3〜30mPa・sであることを特徴とするインクジェットインキより解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット法により高濃度に印字する用途、例えば、パッケージ、屋外看板、ダンボール、カラーフィルタの製造に用いられるインクジェットインキ、およびこれを用いて、インクジェット法により高速で低コストに形成されるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタは,ガラス等の透明な基板の表面に3種以上の異なる色相の微細なストライプ状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの,あるいは微細なモザイク状のフィルタセグメントを縦横一定の配列に配置したものからなっている。そして、フィルタセグメント間には、カラーフィルタの表示コントラストを高めるために、一定の幅を持つ遮光領域(ブラックマトリックス)が設けられる。
カラーフィルタを構成するストライプの幅およびモザイクの一辺の長さは、約70ミクロンと微細であり,しかも色相毎に所定の順序で整然と配列されている。また、通常のカラーフィルタの膜厚は0.8〜1.5μmであり、顔料がフィルタセグメント中の25〜45重量%を占めている。
現在、カラーフィルタの製造は、顔料が分散されたフォトレジスト液を透明基板上に塗布、乾燥、露光、現像、硬化などする工程を繰り返すことによって行われている。そのため、生産性が低く、コスト低減の要求が高くなっている。
この要求に従い、製造方法や製造設備の見直しが行われており、特に製造装置の小型化が容易で生産性の高いインクジェット法によるカラーフィルタの製造方法が注目されている。さらに、近年のヘッドやインキに関する技術の進歩により、インクジェット用インキに顔料が使われ始め、その結果、耐光性や堅牢性も改良され、カラーフィルタ用途にもインクジェット法の適用の可能性が出始めた(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開平1−217302号公報 特開平7−174915号公報 特開平8−75916号公報 インクジェット法によるフィルタセグメントの形成は、予め透明基板上にブラックマトリックスを設け、ブラックマトリックスで区分けされた領域内にインクジェット法によりインクを充填して行う。
しかし、従来のインクジェットインキは顔料の含有量が5重量%前後と少ないため、該インキを用いて通常のカラーフィルタの膜厚のフィルタセグメントを形成しても、得られるフィルタセグメントはカラーフィルタとして必要な濃度を備えない。
所望の濃度のフィルタセグメントを形成するためには、ブラックマトリックスで区分けされた領域内に充填するインキ量を増やす方法や、インクジェットインキの顔料含有量を多くする方法がある。しかし、ブラックマトリックスで区分けされた領域内に充填するインキ量を増やすと、ブラックマトリックスを越えてインキが溢れ、隣接する領域にインキが混入してフィルタセグメントの色相を損なう。また、インクジェットインキの顔料含有量を多くすると、インキの粘度が高くなりすぎ、吐出が困難となる。
本発明は、インクジェット法により基板上の所望の位置にフィルタセグメントを形成するために好適に用いられる、顔料が高濃度に分散され、顔料の分散安定性が良好で、吐出安定なインクジェットインキを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記インキを用いてインクジェット法により形成されるカラーフィルタを提供することを目的とする。
前記課題は、
顔料と樹脂と液状媒体とを含むインクジェットインキにおいて、
該顔料が、顔料粒子の表面に顔料誘導体および樹脂からなる被覆層が形成されている被覆処理顔料であり、
該樹脂が、リン酸基またはスルホン酸基を有する樹脂、あるいは式(14)または式(15)で示されるモノマーを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、
顔料の含有量が、インキを基準として7〜25重量%であり、
顔料と樹脂との重量比が、5:5〜8:2であり、
且つ25℃でのインキ粘度が3〜30mPa・sであることを特徴とするインクジェットインキにより解決される。
式(14)
Figure 2008239994
式(15)
Figure 2008239994
(式(14)および式(15)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜4アルキレン基を表し、nは1〜 100の整数を表す。)
また、本発明のインクジェットインキにおいて、顔料誘導体は、塩基性置換基を有する顔料誘導体であることが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタは、上記のインクジェットインキから、インクジェット法により形成されているフィルタセグメントを具備するカラーフィルタである。
本発明のインクジェットインキは、顔料濃度が高いにもかかわらず低粘度であるため、本発明のインクジェットインキを用いることにより、従来の方法と比較して、はるかに効率よくカラーフィルタ、パッケージ、屋外看板などを生産することができる。
また、本発明のインクジェットインキを用いて作成されるカラーフィルタは、従来の方法で作成されるカラーフィルタと同等の特性を備えるが、安価である。
まず、インクジェットインキについて詳しく説明する。
インクジェットインキを構成する顔料は、インキを所望の色相に着色するものであり、耐熱性,耐薬品性,耐溶剤性,耐液晶性,耐光性に優れることが好ましい。
顔料としては、有機顔料、無機顔料、またはアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックを用いることができ、顔料は2種以上を混合して用いても良い。
有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等が挙げられる。
また、以下に、インクジェットインキを用いてカラーフィルタを製造する場合に使用可能な顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示す。
赤色顔料としては、C.I. Pigment Violet 19、C.I. Pigment Violet 23、C.I. Pigment Violet 29、C.I. Pigment Violet 30、C.I. Pigment Violet 37、C.I. Pigment Violet 40、C.I. Pigment Violet 50、C.I. Pigment Red 7、C.I. Pigment Red 9、C.I. Pigment Red 14、C.I. Pigment Red 41、C.I. Pigment Red 48:1、C.I. Pigment Red 48:2、C.I. Pigment Red 48:3、C.I. Pigment Red48:4、C.I. Pigment Red 97、C.I. Pigment Red 122、C.I. Pigment Red 123、C.I. Pigment Red 146、C.I. Pigment Red 149、C.I. Pigment Red 177、C.I. Pigment Red 178、C.I. Pigment Red 180、C.I. Pigment Red 184、C.I. Pigment Red 185、C.I. Pigment Red 187、C.I. Pigment Red 192、C.I. Pigment Red 200、C.I. Pigment Red 202、C.I. Pigment Red208、C.I. Pigment Red210、C.I. Pigment Red 216、C.I. Pigment Red 220、C.I. Pigment Red 221、C.I. Pigment Red 223、C.I. Pigment Red 226、C.I. Pigment Red 227、C.I. Pigment Red 240、C.I. Pigment Red 246、C.I. Pigment Red 255、C.I. Pigment Red 264、C.I.
Pigment Red 272等が挙げられる。さらには、C.I. Pigment Red 254とC.I. Pigment Red 177の混合物を用いることができる。
また、緑色顔料としては、C.I. Pigment Green 7、C.I. Pigment Green 36を使用することができる。さらには、C.I. Pigment Green 36とC.I. Pigment Yellow 150、C.I. Pigment Yellow 139またはC.I. Pigment Yellow 13との混合物を用いることができる。
青色顔料としては、C.I. Pigment Blue 15、C.I. Pigment Blue 15:3、C.I. Pigment Blue 15:4、C.I. Pigment Blue 15:6、C.I. Pigment Blue 22、C.I. Pigment Blue 60等が挙げられる。
これらの顔料は、2種以上を混合して用いても良い。
顔料の粒子径は、可視光の吸収係数(スペクトルの適正さ)および透明性の点から、可視光の波長に対して充分小さいことが好ましい。また、顔料の粒子径は、インクジェットインキの吐出安定性、保存安定性の点からも適度に小さいことが好ましい。すなわち、顔料は、平均一次粒子径が0.01μm以上0.3μm以下、特に0.01μm以上0.1μm以下であることが好ましい。なお、一次粒子径とは、最小単位の顔料粒子の直径をいい、電子顕微鏡で測定される。
顔料の一次粒子径は、サンドミル、ニーダー、2本ロール等の既知の分散装置を用いて適正な範囲内に制御することができる。
しかし、一次粒子径が小さい顔料は表面エネルギーが高く、顔料同士の相互作用により顔料の凝集やフロキュレーションが起こり易いので、顔料は、顔料粒子の表面に、樹脂および必要に応じて顔料誘導体、アントラキノン誘導体またはトリアジン誘導体を含む被覆層が形成されている被覆処理顔料であることが好ましい。この表面に被覆層が形成されている顔料を用いることにより、顔料同士の相互作用が抑えられ、顔料の凝集やフロキュレーションが低減し、インクジェットインキは低粘度となる。
特に、被覆層が顔料誘導体および樹脂からなる場合には、顔料誘導体が顔料表面に吸着し樹脂とのアンカーとして作用することによって被覆層を効果的に形成し、インクジェットインキをより低粘度とすることができるため好ましい。
また、顔料誘導体を用いる場合には、顔料と同様の色相の誘導体、あるいは類似の構造の誘導体を用いた方が色相の変化が少なく好ましい。
顔料誘導体としては、下記一般式〔1〕で示されるものを用いることができる。
一般式〔1〕 P−Fn
(式中、Pは色素残基、Fは以下に示す塩基性、酸性または中性の置換基、nは1〜4の整数を示す。)
塩基性置換基としては、下記式(1)、式(2)、式(3)および式(4)で示される置換基が挙げられる。
式(1)
Figure 2008239994
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1とR2とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
式(2)
Figure 2008239994
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1とR2とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
式(3)
Figure 2008239994
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
式(4)
Figure 2008239994
X:−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(5)で示される置換基または式(6)で示される置換基を表す。
式(5)
Figure 2008239994
n:1〜10の整数を表す。
1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1とR2とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
式(6)
Figure 2008239994
3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
1〜R7およびZにおける置換されてもよいアルキル基等の置換基としては、ハロゲン原子、−OH、−NO2、−NH2、−COOH、−CN、−SO3H、−SH、アセチル基、ベンジル基、フェニル基等が挙げられる。
酸性または中性の置換基としては、下記式(7)、式(8)および式(9)で示される置換基が挙げられる。
式(7):
Figure 2008239994
M:水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子、またはアルミニウム原子を表す。
l:Mの価数
式(8)
Figure 2008239994
10、R11、R12、R13:水素原子または炭素数1〜30のアルキル基を表す(ただし全てが水素原子である場合は除く。)。
式(9)
Figure 2008239994
A:水素原子、ハロゲン原子、−NO2、−NH2またはSO3Hを表す。
k:1〜4の整数を表す。
色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、金属錯体系色素、アントラキノン残基、トリアジン残基などが挙げられる。
また、アントラキノン誘導体としては、上記塩基性、酸性または中性置換基を有するアントラキノンを用いることができる。
また、トリアジン誘導体としては、メチル基、エチル基等のアルキル基またはアミノ基またはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基またはニトロ基または水酸基またはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基または塩素等のハロゲンまたはメチル基、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニル基またはメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、水酸基等で置換されていてもよいフェニルアミノ基等の置換基を有していてもよい1,3,5−トリアジンに、上記塩基性、酸性または中性置換基を導入した誘導体を用いることができる。
被覆処理顔料の被覆層を構成する樹脂は、顔料と共に加熱混練することにより顔料粒子の表面を被覆できるものであれば制限されない。樹脂の例としては、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
樹脂の中では、架橋可能な官能基を有するものが好ましい。架橋可能な官能基を有する樹脂を用いて顔料粒子の表面に被覆層を形成した場合には、被覆層が架橋硬化された樹脂の層となるため、外界の熱や力の変化による被覆層の離脱が少なく、顔料の相互作用の影響が低くなって、よりインキの粘度安定性が増す。架橋可能な官能基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
架橋可能な官能基を有する樹脂としては、エステル化反応により樹脂が緩やかに架橋するため、水酸基またはカルボキシル基を有するアクリル樹脂が好ましい。
水酸基またはカルボキシル基を有するアクリル樹脂は、水酸基を有するモノマーまたはカルボキシル基を有するモノマーと、水酸基およびカルボキシル基を有しないアクリルモノマーとを共重合することにより得られる樹脂である。
水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(n=2〜50)、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(カプロラクトンの繰り返し数=1〜6)、エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基末端ウレタン (メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド,アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノアクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては,アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、2−カルボキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸などが挙げられる。
水酸基およびカルボキシル基を有しないアクリルモノマーとしては、式(10)で示されるモノマーを用いてもよい。
式(10)
Figure 2008239994
R3 : 炭素数1〜30のアルキル基、-CH2-CH=CH2、置換基されていてもよいフェニル基または-C=0-C(R1)=CH2 を表す。
R1 : 水素原子またはメチル基を表す。
R2 : 炭素数1〜4アルキレン基を表す。
n : 1〜 100の整数を表す。
式(10)で示されるモノマーとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)ジアクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールジアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。これらは、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
式(10)で示されるモノマー以外の、水酸基およびカルボキシル基を有しないアクリルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられる。また、アルキル基の水素原子の一部または全部が芳香環,複素環,ハロゲン原子などで置換されているアルキル(メタ)アクリレートなど、一般にアクリル樹脂の合成に用いられるモノマーを用いることができる。
また、架橋可能な官能基を有する樹脂としては、顔料の分散性および経時での安定性が向上し、さらにインクジェットインキが低粘度となるため、リン酸基またはスルホン酸基を有する樹脂が好ましい。
リン酸基およびスルホン酸基は、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等の多価金属、アンモニア、またはエチルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミン等の有機アミンと塩を形成していてもよい。
リン酸基を有する樹脂に含まれるリン酸基は、式(11)で示される1価のリン酸基であっても式(12)で示される2価のリン酸基であってもよい。
式(11)
Figure 2008239994
式(12)
Figure 2008239994
リン酸基を有する樹脂としては、例えば、エチレングリコールメタクリレートフォスフェート、プロピレングリコールメタクリレートフォスフェート、エチレングリコールアクリレートフォスフェート、プロピレングリコールアクリレートフォスフェートに代表されるような下記一般式(13)で示されるモノマーを重合成分として含有するビニル系重合体が挙げられる。
式(13)
Figure 2008239994
10:水素またはメチル基を表す。
11:アルキレン基を表す。
m:1〜20の整数を表す。
リン酸基を有するモノマーの具体例を以下に示すが、これに限るものではない。
Figure 2008239994
これらのリン酸基を有するモノマーは、特公昭50−22536、特開昭58−128393に記載の方法で製造することができる。市販品としては、ホスマーM、ホスマーCL、ホスマーPE、ホスマーMH(以上ユニケミカル社製)、ライトエステルP−1M(以上共栄社化学社製)、JAMP−514(以上城北化学工業社製)、KAYAMER PM−2、KAYAMERPM−21(以上日本化薬社製)等がある。
これらのリン酸基を有するモノマーは、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体におけるリン酸基を有するモノマーの共重合比は、全モノマー100重量部に対して0.1〜30重量部以下であることが好ましく、0.1〜5重量部以下であることが更に好ましい。
スルホン酸基を有する樹脂としては、例えば、スルホン酸基を有するモノマーを重合成分として含有するビニル系重合体が挙げられる。
スルホン酸基を有するモノマーとしては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、4−スルホブチルメタクリレート等が挙げられる。
これらのスルホン酸基を有するモノマーは、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体におけるスルホン酸基を有するモノマーの共重合比は、全モノマー100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることが更に好ましい。
リン酸基またはスルホン酸基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000〜50000であり、更に好ましくは2000〜30000である。
リン酸基を有する樹脂は、リン酸基を有するモノマーとリン酸基を有しないモノマーとをラジカル重合することにより得ることができる。また、スルホン酸基を有する樹脂は、スルホン酸基を有するモノマーとスルホン酸基を有しないモノマーとをラジカル重合することにより得ることができる。リン酸基を有しないモノマーおよびスルホン酸基を有しないモノマーとしては、先に例示した水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基およびカルボキシル基を有しないモノマーを用いることができる。
水酸基またはカルボキシル基を有するアクリル樹脂、リン酸基またはスルホン酸基を有する樹脂の合成は、開始剤の存在下、不活性ガス気流下、50〜150℃で2〜10時間かけて行われる。必要に応じて溶剤の存在下で行っても差し支えない。
開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。開始剤は、モノマー100重量部に対して好ましくは1〜20重量部使用される。
スルホン酸基を有する樹脂の合成時に用いられる溶剤としては、水および/または水混和性有機溶剤を用いることが好ましい。水混和性有機溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系溶剤や、エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。
また、スルホン酸基以外の官能基を有する樹脂の合成時に用いられる溶剤としては、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル系溶剤や、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
また、樹脂としては、下記式(14)または式(15)で示されるモノマーを含む重合成分を重合してなる樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂を用いることにより、顔料の分散性および経時での安定性が向上し、さらにインクジェットインキが低粘度となるためである。
式(14)
Figure 2008239994
式(15)
Figure 2008239994
(式(14)および式(15)中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、R2 は炭素数1〜4アルキレン基を表し、nは1〜 100の整数を表す。)
式(14)または式(15)で示されるモノマーとしては、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキサイドエチレンオキサイド(ブロックタイプ)変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイドテトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート等を挙げることができる。これらは、例えば日本油脂株式会社よりブレンマーシリーズや東亜合成株式会社よりアロニックスシリーズとして市販されている。
式(14)または式(15)で示されるモノマーは、単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。また、共重合体における式(14)または式(15)で示されるモノマーモノマーの共重合比は、全モノマー100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましい。
式(14)または式(15)で示されるモノマーを含む重合成分を重合してなる樹脂の重量平均分子量(Mw)は好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは10000〜50000である。
式(14)または式(15)で示されるモノマーを含む重合成分を重合してなる樹脂は、式(14)または式(15)で示されるモノマーと他のモノマーとを、水酸基またはカルボキシル基を有するアクリル樹脂と同様にして、ラジカル重合することにより得ることができる。他のモノマーとしては、先に例示した水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基およびカルボキシル基を有しないモノマー、リン酸基を有するモノマー、スルホン酸基を有するモノマーを用いることができる。
顔料の被覆処理は、顔料、樹脂、顔料誘導体、溶剤等が均一になるように予め混合してから、分散機を用いて混練することにより行うことができる。溶剤の配合量は、混合物の機械特性に応じて調節することが好ましい。
顔料の被覆処理に用いる分散機としては、ニーダー、ロールミル、ボールミル、バンバリーミキサー、ローラーミル、石臼式ミル等が挙げられるが、2本ロールミルは一つの装置で混合および混練ができるので好ましい。
溶剤は、樹脂を均一に顔料表面に広げ、吸着させるためのものであり、樹脂を溶解するものならば特に制限はなく、香族系、エステル系、ケトン系、炭化水素系、アルコール系、グリコール系等の有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、顔料の被覆処理時に揮発させるため、沸点が200℃以下であることが好ましい。
顔料を被覆処理する際の原料の配合量は、顔料100重量部に対して、顔料誘導体1〜30重量部、樹脂20〜60重量部、および溶剤4〜200重量部の範囲であることが好ましい。顔料誘導体の配合量が1重量部未満の場合は、アンカー効果が少ないためインキを低粘度化させる効果が小さく、30重量部を越える場合は、顔料誘導体が過剰となり未吸着の顔料誘導体同士が凝集するためインキが増粘する。また、樹脂の配合量が20重量部未満の場合は、充分に顔料表面を被覆できず、顔料の分散安定性が低くなり、60重量部を越える場合は、顔料に吸着しない遊離の樹脂によりインキの粘度が上昇する。また、溶剤の配合量が4重量部未満の場合は、顔料誘導体および樹脂の顔料に対する初期の塗れが不充分で充分に顔料を被覆しないため、インキの粘度が安定しないことがあり、200
重量部を越える場合は、顔料の被覆処理が困難となる。
顔料の被覆処理は、具体的には、下記の2段階の工程により行われる。
第1工程は、顔料、樹脂、溶剤等を含む組成物を20回程度2本ロールに通すことにより顔料への樹脂の濡れと吸着を進行させるチップ化工程である。この工程で、配合した溶剤のうち約80重量%程度が揮発する。
第2工程は、チップ化により樹脂が顔料に吸着した混練物の加熱、混練を続けて顔料粒子表面に被覆層を形成する被覆処理工程である。混練物の粘度が高く、機械上、混練できない場合は、適量の溶剤を追加し、混練を助ける。
樹脂が架橋可能な官能基を有する場合には、被覆処理工程で樹脂の架橋が生じ、一部に樹脂切断も見られる。この反応は、過度な機械的な加圧と磨砕、さらには加熱の結果によるものでメカノケミカルな反応であり、顔料と樹脂のみでは樹脂の架橋反応は生じにくい。顔料と樹脂とを混練する際に顔料誘導体を用いることにより、顔料誘導体と樹脂とが顔料表面に強固に吸着し、さらに加熱と加圧混練を行うことにより樹脂の架橋が生じると推定される。加熱温度は80℃〜120℃の範囲であることが好ましい。80℃未満の温度では樹脂が十分に架橋しない場合があり、120℃を越える温度では、樹脂の劣化が生じる場合がある。
顔料表面に吸着しなかった余剰の樹脂分は、インキの粘度等の物性に影響を及ぼす場合には、洗浄やろ過等により除去することが好ましい。また、被覆処理顔料は、乾燥しても凝集しない場合には、洗浄後に乾燥しても良いが、被覆処理時に用いた溶剤がインクジェットインキの液状媒体として使用可能な溶剤であればあえて乾燥する必要がない。
インクジェットインキにおいて、顔料の含有量はインキを基準として7〜25重量%である。顔料の含有量が7重量%未満のインキを用いて充分な濃度のフィルタセグメントを形成しようとすると、インキの吐出量を増やす必要が生じ、インキがブラックマトリックスの高さを越えて溢れ出し所望の色相のフィルタセグメントを形成することができない。
また、顔料の含有量が25重量%を越えるインキは粘度が高く、ノズルよりインキを安定に吐出することができない。
なお、顔料が被覆処理顔料であって、被覆層が顔料誘導体を含む場合には、顔料と顔料誘導体の合計量がインキを基準として7〜25重量%の範囲となることが必要である。
インクジェットインキを構成する樹脂は、顔料の分散安定性と塗膜の信頼性を高めるために用いられる。樹脂は、基板上にインクジェットインキを吐出し、熱により液状媒体を揮発後に塗膜を形成する。樹脂としては、顔料の被覆処理に用いられるものと同様の樹脂を用いることができる。
インクジェットインキを用いてカラーフィルタを製造する場合には、樹脂は、カラーフィルタに透明性が要求されるため、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が80%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
また、樹脂の重量平均分子量は2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることが特に好ましい。樹脂の重量平均分子量が5000未満である場合は、印字物やカラーフィルタの耐熱性、耐溶剤性が低くなる。また、重量平均分子量が30000を超える場合には、インクジェットインキの粘度が高くなるので、安定に吐出することが困難となる。
インクジェットインキにおいて、顔料と樹脂との重量比は5:5〜8:2である。樹脂の含有量が上記範囲より多いと、インキの樹脂濃度が高いことからインキの粘度が高くなり、ノズルよりインキを安定に吐出することができない。また、樹脂の含有量が上記範囲より少ないと、塗膜の密着性が確保できない。 なお、顔料が被覆処理顔料である場合には、顔料と樹脂との重量比において、顔料には被覆処理顔料の被覆層に含まれる顔料誘導体を含み、樹脂には被覆処理顔料の被覆層に含まれる樹脂を含む。
インクジェットインキを構成する液状媒体は、樹脂に対して高い溶解性を有するとともに、インクジェット装置でインキを吐出する際に、インキと接する装置部材に対して膨潤作用が少なく、溶剤の粘度がなるべく低いものが好ましい。液状媒体は、樹脂に対する溶解性、装置部材に対する膨潤作用、粘度、およびノズルにおけるインキの乾燥性の点から選択され、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等の1種類を単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。
アルコール系溶剤としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、アミルアルコール等が挙げられる。
グリコール系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピル
エーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1─ブトキシエトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、乳酸エチル、乳酸プロパン、乳酸ブチル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、イソホロン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等が挙げられる。
これらの溶剤は、低沸点のものと高沸点のものと組み合わせて、インキの粘度とインキ乾燥性のバランスを調整して、吐出安定性を確保することも可能である。
液状媒体が、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートまたは乳酸ブチルの少なくとも1種を液状媒体の全量を基準として50〜100重量%の割合で含むと、プリンターヘッド表面での適度な非乾燥性と印字基材での適度な乾燥性を合わせもつため好ましい。
インキジェットインキの粘度は、25℃で3〜30mPa・sである。本発明におけるインキの粘度は、動的粘弾性測定装置により測定される、ずり速度100(1/s)における粘度である。
25℃での粘度が3mPa・s未満のインキは安定な液滴を形成できず、また30mPa・sを越えるインキは長期的に安定吐出することができない。
また、インキジェットインキは、せん断速度によらず粘度が一定なニュートニン流体であることがより好ましい。インキがニュートニアン流体でない場合には、吐出のために与えられたエネルギーによって引き起こされるせん断速度によって粘度が一定とならず長期的に安定して吐出することが困難だからである。
インクジェットインキの製造は、顔料、樹脂、液状媒体、および必要に応じて顔料分散剤等を通常の分散機に投入し、所望の平均粒子径・粒度分布になるまで分散することにより行う。インキの原料は一括して混合・分散しても良いし、それぞれの原料の特性や経済性を考慮して別々に混合・分散しても良い。インキ粘度が高過ぎ、希釈が必要な場合には、インキ原液に希釈用の液状媒体を加えて均一に攪拌しインキを調製することもできる。
分散機としては、サンドミル、ビーズミル、アジテータミル、ダイノミル、コボルミルなどが好適である。それぞれの分散機において顔料分散に適切な粘度領域がある場合には、樹脂と顔料の比率を変えて粘度を調整する。
インクジェットインキは、分散機で分散後に、粗大粒子や異物除去を目的にフィルタや遠心法により濾過することが好ましい。
インクジェットインキを製造する際には、顔料の分散性を向上させるために、樹脂型または界面活性剤型の顔料分散剤や、顔料の被覆処理に用いた顔料誘導体、アントラキノン誘導体、トリアジン誘導体を用いることができる。
樹脂型顔料分散剤としては、重量平均分子量5000〜30000程度の、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和ポリエステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル等が挙げられる。
また、界面活性剤型顔料分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルりん酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
顔料分散剤の使用量は、インキを基準として1〜30重量%の範囲であることが好ましい。顔料分散剤の使用量が1重量%未満では顔料の分散効果が明確でなく、30重量%を越えるとインキの安定した吐出が困難となる。
インクジェットインキには、インキの粘度が25℃で3〜50mPa・sとなる範囲で、種々の添加剤を含有させることができる。例えば、インキの基板への濡れ性を制御するために、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤を選択する際には、その他のインキ構成成分との相溶性を考慮する必要がある。界面活性剤には、アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性のものがあり、好適なものを選択すれば良い。
本発明のインクジェットインキは、高い顔料濃度でありながら低粘度であるため吐出安定性に優れ、顔料含有量が通常のインクジェットインキに比べ多いため吐出量を少なくできることから、カラーフィルタをはじめ高い印字濃度が望まれている印刷物の生産性および品位を向上させることができる。特に、本発明のインクジェットインキは、高い生産性および品位が求められるカラーフィルタの製造に好適である。
また、本発明のインクジェットインキは、顔料が高濃度に分散されているので、インキが深さ方向に浸透する紙や横方向への濡れ広がるプラスティック、ガラスおよび金属であっても、印字濃度を高くできる。さらに、吐出量を抑えられることから、受容層のインキ受容量を越えるためインキが流出して混色したり、ドット形状が真円とならなかったことも回避できるので、今までのインクジェット印刷では制限された用途にも用いることができる。
次に、カラーフィルタについて説明する。
カラーフィルタは所望の色相のフィルタセグメントを具備するものであり、フィルタセグメントは、ブラックマトリックスが形成された基板のブラックマトリックスで区分けされた領域内に、インクジェット法によりカラーフィルタ用インクジェットインキを吐出することに形成される。
基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板を用いることができる。
ブラックマトリックスは、例えば、ラジカル重合型のブラックレジストを塗布、露光、現像してパターニングするフォトリソグラフィー法、黒色インキを印刷する印刷法、金属を蒸着したのちエッチングする蒸着法等により基板上に形成することができる。
本発明における実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、重量部および重量%を表す。また、樹脂の重量平均分子量は、GPCを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた。
実施例および比較例で用いた顔料、顔料誘導体、溶剤および樹脂溶液を以下に示す。
(1)顔料
エロー顔料:C.I. Pigment Yellow 138(東洋インキ製造社製「リオノゲン エロー 1010」
マゼンタ顔料:C.I. Pigment Red 122(東洋インキ製造社製「リオノゲン マゼンタ 5750」)
シアン顔料:C.I. Pigment Blue 15:3(東洋インキ製造社製「リオノール ブルー FG−7351」)
ブラック顔料:C.I. Pigment Black 7(デグサ社製「Printex 55」)
(2)顔料誘導体:
顔料誘導体<2>
(グリーン用、ブルー用、シアン用、ブラック用)
Figure 2008239994
顔料誘導体<3>
(エロー用)
Figure 2008239994
顔料誘導体<4>
(マゼンタ用)
Figure 2008239994
(3)溶剤
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
CBAc:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
乳酸Bu:乳酸ブチル
(樹脂R1の製造例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてイソプロピルアルコール477部、イオン交換水60部を仕込み、76℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート47部、n−ブチルメタクリレート259部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート71部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル6部の混合溶液を、同時に別の滴下管より2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の水溶液80部(25%濃度)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量24000の樹脂(R1)の溶液(固形分40%)を得た。
(樹脂R2の製造例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて乳酸ブチル467部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート46部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート29部、メタクリル酸26部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM110」)100部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル5部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量24000の樹脂(R2)の溶液(固形分30%)を得た。
(樹脂R3の製造例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて乳酸ブチル610部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート220部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート80部、メタクリル酸60部、アシッドホスホキシエチルメタクリレート1部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部から成る混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量34000の樹脂(R3)の溶液(固形分40%)を得た。
(樹脂R4の製造例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて乳酸ブチル450部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート45部、n−ブチルメタクリレート247部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート90部、メタクリル酸67部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4部から成る混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量30000の樹脂(R4)の溶液(固形分50%)を得た。
(樹脂R5の製造例)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けて乳酸ブチル467部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート20部、n−ブチルメタクリレート110部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート40部、メタクリル酸30部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル6部から成る混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量22000の樹脂(R5)の溶液(固形分20%)を得た。
[実施例9]
エロー顔料90部、顔料誘導体<3>10部、樹脂(R1)の溶液110部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。さらに、乳酸ブチル50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、P/R比=7/3の被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料144部、乳酸ブチル500部および樹脂(R5)の溶液113部をミキサーに入れて混合し、さらにサンドミルに入れて分散を行い、溶剤(CBAc)12部を加え希釈した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、P/R比=6/4、顔料濃度(PC)13%のインクジェットインキを得た。
[実施例10]
マゼンタ顔料90部、顔料誘導体<4>10部、樹脂(R2)の溶液147部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。さらに、乳酸ブチル50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、P/R比=7/3の被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料144部、乳酸ブチル500部および樹脂(R5)の溶液113部をミキサーに入れて混合し、さらにサンドミルに入れて分散を行い、溶剤(CBAc)12部を加え希釈した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、P/R比=6/4、顔料濃度(PC)13%のインクジェットインキを得た。
[実施例11]
シアン顔料90部、顔料誘導体<2>10部、樹脂(R3)の溶液110部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。さらに、乳酸ブチル50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、P/R比=7/3の被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料144部、乳酸ブチル500部および樹脂(R5)の溶液113部をミキサーに入れて混合し、さらにサンドミルに入れて分散を行い、溶剤(CBAc)12部を加え希釈した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、P/R比=6/4、顔料濃度(PC)13%のインクジェットインキを得た。
[実施例12]
ブラック顔料90部、顔料誘導体<2>10部、樹脂(R1)の溶液110部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。さらに、乳酸ブチル50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、P/R比=7/3の被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料144部、乳酸ブチル500部および樹脂(R5)の溶液113部をミキサーに入れて混合し、さらにサンドミルに入れて分散を行い、溶剤(CBAc)12部を加え希釈した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、P/R比=6/4、顔料濃度(PC)13%のインクジェットインキを得た。
[比較例6]
シアン顔料100部、樹脂(R5)の溶液666部をサンドミルに入れて分散を行い、溶剤(CBAc)900部を加え希釈した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度(PC)6%のインクジェットインキを得た。
[比較例7]
シアン顔料100部、樹脂(R4)の溶液40部を均一に撹拌し、混合物を得た。60℃に加温した2本ロールに、混合物を入れて10分間練肉したところ、溶剤が揮発してシート状となった。さらに、乳酸ブチル50部を加え、2本ロールを80℃に加熱して混練を行った。分散途中で溶剤が揮発し、加熱混練物は弾性をもつ固形物となった。得られた固形物を冷却後、粉砕し、P/R比=83/17の被覆処理顔料を得た。
被覆処理顔料120部および溶剤(CBAc)360部をミキサーに入れて混合し、さらにサンドミルに入れて分散を行い、溶剤(CBAc)290部を加え希釈した。ゴミや粗大物をフィルター濾過し、顔料濃度(PC)13%のインクジェットインキを得た。
実施例9〜12および比較例6〜7で得られたインキの粘度および流動性を下記の方法で評価した。また、実施例9〜12および比較例6〜7で得られたインキを、4〜10KHzの周波数変化が可能なピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターで吐出し、下記の方法で吐出安定性を評価した。
段ボールに、前記インクジェットプリンターを用いて実施例9〜12および比較例6〜7で得られたインキを吐出して乾燥し、室温乾燥を行って塗膜形成し、印字濃度および耐水性を下記の方法で評価した。結果を表2、表3に示す。
[粘度]
動的粘弾性測定装置により、ずり速度100(1/s)の粘度(η:mPa・s)を測定した。
[流動性]
動的粘弾性測定装置により、ずり速度10(1/s)の粘度(ηa:mPa・s)を測定し、先に測定したずり速度100(1/s)の粘度(η:mPa・s)との比ηa/ηを求め、下記の基準で流動性を評価した。
○:0.9≦ηa/η<1.2
△:1.2≦ηa/η<1.4
×:1.4≦ηa/η
[吐出安定性]
印字状態を目視で観察し、下記の基準で吐出安定性を評価した。
○:所定位置に正確に連続印字、間欠印字ができる。
△:所定位置に正確に連続印字ができるが、間欠印字ができない。
×:途中に欠損を生じたり、所定位置に印字ができない。
[印字濃度]
段ボールにベタ印刷を行い、乾燥後OD値を測定した。
○:OD値1.3以上
×:OD値1.3未満
[耐水性]
段ボールに印字したものを乾燥後、1分間水に浸漬したときのインキのにじみ
、流れだしを目視で評価した。
○:にじみ、流れだしなし。
×:にじみ、流れだしあり。
Figure 2008239994

Claims (3)

  1. 顔料と樹脂と液状媒体とを含むインクジェットインキにおいて、
    該顔料が、顔料粒子の表面に顔料誘導体および樹脂からなる被覆層が形成されている被覆処理顔料であり、
    該樹脂が、リン酸基またはスルホン酸基を有する樹脂、あるいは下記式(14)または式(15)で示されるモノマーを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、
    顔料の含有量が、インキを基準として7〜25重量%であり、
    顔料と樹脂との重量比が、5:5〜8:2であり、
    且つ25℃でのインキ粘度が、3〜30mPa・sであることを特徴とするインクジェットインキ。
    式(14)
    Figure 2008239994
    式(15)
    Figure 2008239994
    (式(14)および式(15)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜4アルキレン基を表し、nは1〜 100の整数を表す。)
  2. 顔料誘導体が、塩基性置換基を有する顔料誘導体であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットインキ。
  3. 請求項1または2記載のインクジェットインキから、インクジェット法により形成されているフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
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