JP2008239585A - 空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、及び抗糖尿病薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】空腹時及び食後(満腹時)血糖値の上昇を抑制することができる抑制剤、及び抗糖尿病薬を提供すること。
【解決手段】(1S、3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸、及び(1R、3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸に空腹時血糖値及び食後(満腹時)血糖値の上昇を抑制する効果を見出し、(1S、3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸、又は(1R、3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸のいずれか一つ又は両方を含有する空腹時血糖値血糖値抑制剤、食後血糖値抑制剤、及び抗糖尿病薬を作製することにより上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空腹時及び食後における血糖値の上昇を抑制する血糖値上昇抑制剤(以下、空腹時血糖値上昇抑制剤、食後血糖値上昇抑制剤)、及び空腹時及び食後血糖値の上昇を抑制することを特徴とする抗糖尿病薬に関するものであり、詳細には、(1S,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸(以下、(1S,3S)MTCA)、(1R,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸(以下、(1R,3S)MTCA)のいずれか一つ又は両方を有効成分として含有する食後及び空腹時血糖値上昇抑制剤、食後及び空腹時血糖値上昇を抑制することを特徴とする抗糖尿病薬に関する。
ブドウ糖は脳をはじめ各器官の主要なエネルギー源であるが、その濃度が高まると組織に対して糖化ストレスとして作用する。従って、血液中のブドウ糖濃度(以下、血糖値)は、インスリンの作用により常に一定の範囲内に調節されている。血糖値を一定の範囲内に調節する能力(耐糖能)が低下し、血糖値が病的に高まった状態(高血糖)を主徴とする代謝疾患を糖尿病という。糖尿病は、血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症や、糖尿病性網膜症などの合併症を引き起こす。その患者数は日本国内において約700万人に達し、さらに年々増加の傾向を示している。
糖尿病は、その治療において、インスリンの投与が必須であることからインスリン依存性糖尿病(Insulin dependent diabetes mellitus, 略してIDDM)とも呼ばれている1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病(Non insulin dependent diabetes mellitus, 略してNIDDM)とよばれている2型糖尿病、その他の特定の機序、疾患によるもの、及び、妊娠糖尿病に分類されている(日本糖尿病学会ホームページ「新しい糖尿病診断基準」より)。これらのうち、2型糖尿病は、日本人糖尿病患者の約90%を占めると言われている。
2型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞(以下、膵β細胞)からのインスリン分泌能の低下(以下、インスリン分泌不全)と、インスリンの標的臓器である筋肉(心筋、骨格筋)、肝臓、脂肪組織などでのインスリン感受性の低下(以下、インスリン抵抗性)の両者が重なることで耐糖能が低下し、高血糖状態に至るものである。インスリン分泌不全は、膵β細胞に障害が生じてインスリンの分泌が低下するもので主に遺伝的に規定されている可能性が高く、インスリン抵抗性は、遺伝的素因の他に過食、高脂肪食、運動不足などの環境因子に起因する肥満が大きく関わっていると考えられている。
インスリン抵抗性に対して、膵β細胞はインスリンを過剰分泌することによって対応する。インスリンの過剰分泌が持続すると膵β細胞が疲弊してインスリン分泌能が徐々に低下し、高血糖状態となる。高血糖状態が持続すると、ブドウ糖自体がさらにインスリン分泌不全とインスリン抵抗性を増悪し、高血糖が慢性化する。このような悪循環を「ブドウ糖毒性(Glucose toxicity)」という。ブドウ糖毒性による慢性的な高血糖状態では、血中のブドウ糖がヘモグロビンや組織のタンパク質に結合してその機能を障害し、網膜症、腎症、神経障害などの細小血管症と、動脈硬化性疾患を基盤にした心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こす。
糖尿病に関する様々な研究で得られたデータを参考に、空腹時血糖値、食後血糖値(満腹時血糖値、または糖負荷2時間後血糖値)、及び、ヘモグロビンA1c値(HbA1c値)に関する評価の基準が設定されている。空腹時血糖値は一般的に食後8〜12時間の空腹時間に測定する血糖値、食後血糖値は食後およそ1時間半〜2時間後に測定する血糖値である。HbA1c値はブドウ糖と結合したヘモグロビン(糖化ヘモグロビン)を示す値で、1ヶ月から2ヶ月の血糖値の平均値を反映しているとされている。
糖尿病か否かの判断は、一般的に、空腹時血糖値、または食後血糖値により決められる。空腹時血糖値が126mg/dl以上、または食後血糖値が200mg/dl以上のいずれかに該当すると糖尿病と診断される。ここで、「いずれか」とされているのは、一般的な人間ドックでは空腹時血糖値検査を行い、空腹時血糖値検査で再検査の必要があると判断された場合に食後血糖値の検査が行われるからである。そのため、一般的な人間ドックでは、空腹時血糖値が正常であるが食後血糖値が異常であることは殆ど見当たらないと言われている。しかし、空腹時血糖値は、検査前に摂餌する糖分を節制すれば正常値になることもあることから、HbA1c値を糖尿病の診断基準に加える場合がある。そして、糖尿病の治療として、空腹時血糖値やHbA1c値を適正な範囲に納めるべく食事療法、運動療法、薬物療法が行われている。即ち、糖尿病の治療は、空腹時血糖値を下げることに主眼がおかれている。
ところが、空腹血糖値がそれほど高くなくても、食後の高血糖状態が長く続く患者では、循環器疾患(冠動脈疾患、高血圧、動脈硬化など)の死亡率が高まるという研究報告がある(非特許文献4)。この報告は、空腹時血糖値を抑えることができても、食後血糖値を適正な範囲内にすることができなければ動脈硬化など循環器疾患の発症を抑えることはできないことを示唆している。
従って、糖尿病の治療には空腹時血糖値および食後血糖値の両方を適正な範囲内に近づけることが重要である。空腹時血糖値を正常値に低下させる薬物としては、スルホニル尿素剤(SU剤)、食後血糖値を低下させる薬剤としては、α−グリコシダーゼ阻害剤などがあるが、空腹時血糖値および食後血糖値の双方を低下させる効果を奏する薬剤の報告はない。
CLINICIAN, No.461, 527〜533 (1997) 国際農林水産業研究成果情報 第8号(2000) 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)128, 37-41 (2006) Foods Food Ingredients J. Jpn., Vol. 210, No. 12 (2005)
本発明の目的は、経口投与が可能で安全性が高く、空腹時血糖値及び食後血糖値の上昇を抑制し、これら血糖値を適正な範囲内に低下させる効果を奏する血糖値上昇抑制剤、更には、空腹時血糖値及び食後血糖値の上昇を抑制することを特徴とする抗糖尿病薬を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAに空腹時血糖値及び食後血糖値の上昇を抑制する効果を見出し、本発明に至った。(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAは、それぞれ下記化学式(I)および(II)で表され、味噌、大豆発酵食品、醤油、日本酒、ワイン、ビール、ブドウ酒、酢、及びレモン、オレンジ、バナナなどの果物に含まれていることが知られている。近年、(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAは、脂肪細胞分化抑制を示す大豆発酵食品には共通して含まれていること、インスリンによる糖の取り込みを阻害するのではなく、脂肪細胞分化のイニシエーションを阻害することにより脂肪細胞分化を抑制すると考えられることが報告されている(非特許文献2)。しかしながら、(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAの血糖値への影響については、これまで知られていなかった。
(1S,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸
(1R,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸
即ち、本発明は、上記化学式(I)及び(II)で表される(1S,3S)MTCA及び(1R,3S)MTCAのいずれか一つ又は両方を有効成分として含有する空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、及び抗糖尿病薬に関する。
本発明により、空腹時及び食後血糖値の上昇を抑制する血糖値上昇抑制剤、及び糖尿病薬が提供される。これら血糖値上昇抑制剤は、網膜症、腎症、神経障害などの細小血管症と、動脈硬化性疾患を基盤にした心筋梗塞、脳卒中などの糖尿病合併症の予防あるいは治療に有用である。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤と、抗糖尿病薬は、それぞれ上記化学式(I)および(II)で表される(1S,3S)MTCA、(1R,3S)MTCAのいずれか一つ又は両方を含有する点で共通する。ここで、それぞれ化学式(I)および(II)で表される(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAは、後述の実施例から明らかなように、自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taを用いた血糖値測定試験により、空腹時及び食後血糖値の上昇を抑制する効果を発揮することが確認された。自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taは、耐糖能の悪化が認められるKKマウスにA遺伝子を導入して確立されたインスリン抵抗性モデルマウスであり、過食、肥満、高血糖、高インスリン血症を示す(非特許文献3)。
本発明の化学式(I)および(II)で表される(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAは、上述のようにそれぞれ既知の化合物であり、文献等の方法に従い製造することができる。その具体的な方法は特に制限されるものではないが、L−トリプトファンに約10倍量のアセトアルデヒド水溶液を加えてこれを8時間にわたってエタノール中で還流させて結晶を得る。この結晶をろ過して再結晶化させ、その母液を定法により濃縮し、さらに固化した後に、エタノール等のアルコールで洗浄する。この一連の工程により、(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAが得られる。
また、本発明の化学式(I)および(II)で表される(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAは、文献等の方法に従い味噌、大豆発酵食品、醤油、酢などの発酵食品から抽出することができる。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、経口投与および非経口投与することができる。本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、各投与経路に応じて、適切な薬学的に許容される賦形剤または希釈剤などと組み合わせることにより薬学的製剤とすることもできる。
経口投与に適した剤型としては、固体、半固体、液体又は気体等の状態のものが含まれ、具体的には、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エキリシル剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬を錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、溶液剤、懸濁剤等に製剤化するためには、既知の方法により、上記化学式(I)または(II)に示す化合物をバインダー、錠剤崩壊剤、潤滑剤等と混合し、必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、保存剤、フレーバー剤等と混合することができる。一例を挙げると、上記バインダーには、セルロース、結晶セルロース、セルロース誘導体、コーンスターチ、ゼラチン等、錠剤崩壊剤には、コーンスターチ、馬鈴薯デンブン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等、潤滑剤には、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が含まれ、さらには、ラクトース、マンニトール等の従来用いられている添加剤等を用いることができる。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、注射による投与としては、皮下、皮内、静脈内、筋肉内等に投与することができる。これら注射用製剤は、それ自体は既知の方法により、本発明の式(I)及び/または(II)の化合物を、植物性油、合成樹脂酸グリセリド、高級脂肪酸エステル、プロピレングリコールのような水性又は非水性の溶媒中に溶解、懸濁又は乳化し、さらに、所望により、可溶化剤、浸透圧調製剤、乳化剤、安定剤および保存料等の従来用いられている添加剤と共に製剤化することができる。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬を溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル等の形態にするためには、注射用滅菌水や規定生理食塩水、エタノール等のアルコールのような薬学的に許容される溶媒を用いることができる。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、化学式(I)および(II)の化合物のいずれか一つ又は両方を含有する。また、本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、その薬効に悪影響を及ぼさない範囲で薬学的に許容される他の活性を有する化合物と併用して薬学的製剤とすることもできる。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、投与形態、投与経路、対象とする疾患の進行度等に応じて適宜設定、調節することができる。
本発明の空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、抗糖尿病薬は、血糖値の上昇を防ぐ作用及び上昇した血糖値を低下させる作用を有し、血糖値上昇を伴ういずれもの疾病に有効である。最も代表的な疾病には、2型糖尿病が含まれるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1> 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taに対する(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCA投与の影響−その1:実験条件について
雄性の自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Ta(以下、雄性KKA/Taマウス)を、以下の(1)の方法で予備飼育した後、(2)に記載の本試験に供した。本試験においては、試験対象物である(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCAを30日間投与し、その間の空腹時及び食後血糖値をはじめ以下の(3)〜(7)に示す項目について測定した。
(1)雄性KKA/Taマウスの予備飼育条件
7週齢の雄性KKA/Taマウス(自然発症糖尿病モデルマウス、日本クレア株式会社)を購入し、個別ケージにて1週間の予備飼育を行った。予備飼育期間中は、固形飼料CE-2(日本クレア株式会社)及び蒸留水を給水瓶にて自由摂取させた。
(2)雄性KKA/Taマウスを用いた本試験
予備飼育後8週齢の雄性KKA/Taマウスを、体重ならびに血糖値を考慮して蒸留水を投与するコントロール群(以下、対照群)、(1S,3S)MTCAを投与する群(以下、(1S,3S)MTCA投与群)、(1R,3S)MTCAを投与する群(以下、(1R,3S)MTCA投与群)に分け(各群8匹)、これを本試験に供した。本試験では、これら各群のマウスを12時間毎の明暗サイクルの環境下で、固形飼料CE-2(日本クレア株式会社)及び蒸留水を給水瓶にて自由摂取させて30日間飼育し、その間、蒸留水、(1S,3S)MTCA及び(1R,3S)MTCAを、胃ソンデを用いて毎日11時に経口投与した。このうち、試験対象物である(1S,3S)MTCA及び(1R,3S)MTCAは、それぞれ12mgを蒸留水1800μLに加え、KKA/Ta1匹あたり300μL経口投与した。
〈1〉 マウス: 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Ta 8週齢
〈2〉試験群:
(1S,3S)MTCA投与群 8匹
(1R,3S)MTCA投与群 8匹
対照群 8匹
(3)雄性KKA/Taマウスの体重変化、および摂餌量の測定について
本試験の間、雄性KKA/Taマウスの体重変化、及び飼料摂餌量を毎日午前10〜12時の間に測定した。
(4)血糖値の測定について
本試験の間、投与0日目、15日目、及び30日目に眼窩静脈叢より採血し、血糖測定器(グルコカードα、ダイアセンサー(アークレイ)を用いて食後血糖値と空腹時血糖値を測定した。食後血糖値は、蒸留水、及び試験対象物の投与0日目、15日目及び30日目の前日の午前10時に測定し、空腹時血糖値は、投与0日目、15日目及び30日目の前日から18時間絶食後、測定日当日の午前10時に測定した。
(5)インスリンの測定について
投与開始前、30日目に眼窩静脈叢より採血し、遠心分離(4℃、3000rpm、20分)して血漿を採取しインスリンの測定を行った。インスリンの測定には、インスリン測定キット(森永生科学研究所)を用いた。
(6)解剖
30日間の投与終了後に18時間絶食後、ネンブタール(50mg/kg)による麻酔下に開腹し、ヘパリンを添加した後に大静脈より採血を行い、その血液を遠心分離(4℃、3000rpm、20分)して血漿を採取した。次いで、肉眼的観察を行い異常の有無を確認した。
(7)生化学検査(解剖時)
上記(5)にて採取した血清について、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)、総コレステロール、トリグリセライドについて分析を行った。これらの測定には、GOTおよびGPTはトランスアミナーゼCII-テストワコー(和光純薬工業)、総コレステロールはコレステロールテスト E-テストワコー(和光純薬工業)、トリグリセライドについてはトリグリセライド E-テストワコー(和光純薬工業)を用いた。
なお、試験結果については、平均値±標準誤差で表した。データについては、一元配置分散分析を行った後、FisherのPLSD法により、各群間の有意差検定を行った。
<実施例2> 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taに対する(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCA投与の影響−その2:体重変化および飼料の摂餌量について
図1に示されているように、体重変化については、試験開始時より群間差は認められず、試験終了時まで特質すべき変化は観察されなかった。飼料の摂餌量についても、図2に示されているように、体重変化と同様に試験開始時より群間差は認められず、試験終了時までに特質すべき変化は観察されなかった。また、投与30日間の総摂餌量についても群間差は認められなかった。
<実施例3> 自然発症糖尿病モデルマウス雄性KKA/Taに対する(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCA投与の影響−その3:血糖値について
食後血糖値については、表1及び図3に示されているように、15日目では、(1S,3S)MTCA投与群および(1R,3S)MTCA投与群ともに、試験群に対して低い値を示し、30日目では、(1R,3S)MTCA投与群が対象群に対して有意に低値を示した。空腹時血糖値については、表1及び図4に示されているように、(1S,3S)MTCA投与群および(1R,3S)MTCA投与群ともに、対象群と比較して、15日目では低い値を示し、30日目には有意に低い値を示した。
<実施例4> 自然発症糖尿病モデルマウス雄性KKA/Taに対する(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCA投与の影響−その4:インスリンについて
表2および図5に示されているように、試験開始前と30日目に測定した血漿インスリンの値については、各群間に有意な差は認められなかった。
<実施例5> 自然発症糖尿病モデルマウス雄性KKA/Taに対する(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCA投与の影響−その5:生化学検査(解剖時)について
生化学検査の結果については、図6、7、8、及び9に示した結果となった。総コレステロール値については、対象群と比較して(1R,3S)MTCA投与群が高い傾向を、(1S,3S)MTCA投与群が低い傾向を示した。トリグリセライド値については、対象群と比較して(1R,3S)MTCA投与群が低い傾向を、(1S,3S)MTCA投与群が高い傾向を示した。GOTおよびGPT値については、対象群と比較して(1S,3S)MTCA投与群が低い傾向を示した。
<実施例6> 自然発症糖尿病モデルマウス雄性KKA/Taに対する(1S,3S)MTCAおよび(1R,3S)MTCA投与の影響−その6:剖検時の肉眼的観察について
対象群では、内臓脂肪量が多く、肝臓の辺縁が鈍で弾力性が乏しく、膵臓についても白色変化は認められないものの、弾力性に乏しかった。(1R,3S)MTCA投与群については、対象群と比較して、内臓脂肪の副睾丸周囲の脂肪がやや少なく、肝臓についても辺縁がやや鈍であるが弾力性があり、膵臓も弾力性がある個体が多く認められた。(1S,3S)MTCA投与群については、(1R,3S)MTCA投与群と同様に、対象群と比較して内臓脂肪の副睾丸周囲の脂肪がやや少なく、肝臓についても辺縁がやや鈍であるももの弾力性が認められた。また、膵臓についても弾力性がある個体が多く観察された。
<実施例7> 食後血糖値上昇抑制剤、空腹血糖値上昇抑制剤、および食後または空腹時血糖値上昇を抑制することを特徴とする抗糖尿病薬
本発明の食後血糖値上昇抑制剤、空腹血糖値上昇抑制剤、および食後または空腹時血糖値上昇を抑制することを特徴とする抗糖尿病薬を、以下の処方で調製した。
以上説明したように、本発明の(1S,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸、(1R,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸のいずれか一つ又は両方を有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤は、食後及び空腹時の血糖値上昇を抑制する作用を有する。
自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスにおける体重変化 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスにおける餌摂取量の変化 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスにおける食後血糖値の変化 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスにおける空腹時血糖値の変化 自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスにおける血漿中のインスリン濃度の変化 試験終了後(30日目)における、自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスの血清中のコレステロール濃度 試験終了後(30日目)における、自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスの血清中のトリグリセライド濃度 試験終了後(30日目)における、自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスの血清中のGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)濃度 試験終了後(30日目)における、自然発症糖尿病モデルマウスKKA/Taマウスの血清中のGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)濃度

Claims (1)

  1. (1S,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸、(1R,3S)−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−β−カルボリン−3−カルボン酸のいずれか一つ又は両方を有効成分として含有する空腹時及び食後血糖値上昇抑制剤、及び抗糖尿病薬。
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