JP2008239468A - 微細炭素繊維およびそれを用いたバイオデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、鉄族元素を含有せず、バイオデバイスに適する微細炭素繊維を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記課題は、複数の筒状グラフェンが入れ子状になって構成された直径100nm未満の微細炭素繊維であって、少なくとも最外郭における前記筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、かつ、鉄族元素を含有しないことを特徴とする微細炭素繊維によって解決される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広くは炭素繊維に関し、特にカーボンナノチューブ等微細炭素繊維に窒素を含有した微細炭素繊維に関するものである。さらには、微細炭素繊維を用いたバイオデバイスに関するものである。
カーボンナノチューブは、炭素原子が六角形に規則正しく並んだ六角網目状のグラフェンシートが円筒状に丸まったものであり、グラフェンシートの筒が一重のものを単層カーボンナノチューブ、グラフェンシートの筒が円心状に幾重にも存在しているものを多層カーボンナノチューブと称している。
このカーボンナノチューブには、窒素原子を含むものも知られており、窒素原子を含有したカーボンナノチューブは、電界放出特性、ガス貯蔵特性、電子移動特性などに優れた特性を示すため、電気部品の素材以外に各種分野でその応用が期待されている。
この多層カーボンナノチューブに窒素原子を含有するカーボンナノチューブおよびその製造方法に関し、これまでに多数報告されている。
例えば、特許文献1には、カーボンナノチューブ全体に対して0.1〜30原子%の窒素をドーピングした磁性を有するカーボンナノチューブが提案されている。これは、鉄系金属を触媒としてC、N混合ガスを用いた化学気相成長(CVD)法により製造している。
また、特許文献2には、窒素原子を含むカーボンナノファイバーが提案されており、これは、窒素原子を含む導電性高分子と炭化水素を含むガスを原料としてニッケル、コバルト、鉄等の金属触媒を用いた気相熱分解法により製造している。
また、特許文献3には、窒素原子の導入率が19〜25原子%の高い窒素原子含有率のカーボンナノチューブを製造する方法が提案されている。これは、酸化鉄と酸化モリブテンが保持されたアルミナ基板を加熱炉に設置し、この炉中にN,N−ジメチルホルムアミド蒸気とアンモニアガスを導入し、500℃以上で加熱してカーボンナノチューブを製造する方法である。
さらに、特許文献4には、炭素原子に対して0.05〜3原子%の窒素原子を含む釣り鐘(カップスタック)型多層カーボンナノチューブが提案されている。これは、予め触媒金属が表面に配置された基板において、窒素原子を含む添加剤を混入させた有機液体中で有機液体と添加剤を分解させると同時に、それを原料元素として結晶成長するのに十分な反応条件下で加熱して釣り鐘型カーボンナノチューブを製造する方法である。
一方、筒状グラフェンが入れ子状になった直径100nm未満の微細炭素繊維およびそれをバイオセンサーに用いることも知られている(特許文献5)。
特開2004−2095号公報 特開2004−131853号公報 特開2005−263589号公報 特開2006−103996号公報 特開2006−176373号公報
前述のように、これまでに報告された窒素原子を含むカーボンナノチューブは、主として、鉄系などの金属触媒を用いた化学気相成長法や気相熱分解法により製造されている。
すなわち、従来の多くの窒素を含むカーボンナノチューブは、加熱した電子炉に炭化水素ガスをアルゴンガスや水素ガスなどのキャリアーガスとともに供給し、さらに鉄、ニッケルまたはコバルトなどの触媒を添加して合成する化学気相成長法や気相熱分解法が用いられていた。この方法では、合成されたカーボンナノチューブに数〜数十重量%程度の鉄、ニッケルまたはコバルトが存在する。これを、塩酸や硝酸等を用いて酸処理を行っても、最終的には数十ppm程度の鉄、ニッケルまたはコバルトが残る。このようなカーボンナノチューブを電極として、電極にDNA、RNA、タンパク質等の生体高分子を接触させ、電極と生体高分子との間に電流を流した生体高分子検出デバイスを作製した場合、残存する鉄、ニッケル、コバルトが溶解してラジカルを生成し、このラジカルがDNA、RNA、タンパク質等の生体高分子にダメージを与えることになり、精度良く検出することができないという問題がある。
さらに、カーボンナノチューブとマトリックス樹脂とからなる複合材料をバルーンカテーテルとした医療デバイスにおいて、カーボンナノチューブに鉄、ニッケル、コバルトまたはそれらの化合物が存在した場合、生体内にそれらの金属が溶解してラジカルを生成し、このラジカルが血管内壁の細胞組織を損傷するという問題がある。
そこで、本発明は、鉄族元素を含有せず、バイオデバイスに適する微細炭素繊維を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の微細炭素繊維を組込んだバイオデバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、カーボンナノチューブの研究を続けているなかで、大気雰囲気下でのアーク放電法を用いて複数の筒状グラフェンが入れ子状になったカーボンナノチューブを合成している際に、陽極と陰極との距離を拡げて、周囲の大気中の窒素を巻き込むようにすることによって、前記筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、かつ鉄族元素を含有しないカーボンナノチューブを得ることができた。
すなわち、本発明は、複数の筒状グラフェンが入れ子状になって構成された直径100nm未満の微細炭素繊維であって、少なくとも最外郭における前記筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、かつ、鉄族元素を含有しないことを特徴とする微細炭素繊維に関するものである。
本発明の第2の態様は、上記の微細炭素繊維において、炭素原子に対する窒素原子の比が0.1〜1.5原子%であることを特徴とするものである。
本発明の第3の態様は、上記の各微細炭素繊維を電極として用い、生体高分子に接触させることを特徴とする生体高分子検出デバイスである。
本発明の第4の態様は、上記の各微細炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる複合材料をバルーンカテーテルとする医療デバイスである。
本発明によれば、少なくとも最外郭における筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、鉄族元素を含有しない微細炭素繊維により、電気的、機械的特性、生体適合性に優れ、かつ、化学的、機械的に安定な微細炭素繊維を提供することができる。
また、本発明の微細炭素繊維を用いることにより、従来のカーボンナノチューブに比べ、生体高分子を損傷することなく、また、細胞組織の損傷をもたらすことなく、安全でかつ高性能なバイオデバイスを提供することができる。
カーボンナノチューブの利用分野は、電子放出源や二次電池の電極のように、カーボンナノチューブ繊維直径の細さを活かしたものが多く、そのため、用いられる炭素繊維は用途によるが、直径が100nm未満、好ましくは40nm未満、さらに好ましくは直径が15nm未満であることが望ましい。
この好ましい炭素繊維の直径は以下の理由によるものが有効である。
例えば、熱伝導、電気伝導を活かす用途においては、カーボンナノチューブの断面積が大きい方が熱輸送量、電流容量ともに大きく取れるので有効であるが、炭素原子間の結晶格子の連続性、樹脂や金属への分散性を考慮すると、カーボンナノチューブの利用分野として工業的に利用できる炭素繊維の直径はおおよそ100nm未満である。
次に、電界放出特性を活かした電子源(フィールドエミッター)を考えると、炭素繊維の直径が細い方が電子放出特性が向上(電子放出に必要な平均電界強度が減少)するため、工業的には直径30nm未満、好ましくは直径15nm未満であることが望ましいことによる。
単層カーボンナノチューブの直径の下限値は0.4nmであるが、カーボンナノチューブの熱伝導性、電気伝導性を活かした利用分野も多いことから、複数のグラフェンが入れ子状になって構成された炭素繊維であることが好ましい。このため、2層以上のグラフェンにより構成されている炭素繊維を考慮し、炭素繊維の直径は0.7nm以上、好ましくは3層以上のグラフェンを有する直径1nm以上の炭素繊維が工業的には有利である。
カーボンナノチューブの長さは特に制限されないが、通常0.05〜50μm程度、特に0.1〜5μm程度である。
本発明の微細炭素繊維は、複数の筒状グラフェンが入れ子状になって構成された直径100nm未満の微細炭素繊維であって、少なくとも最外郭における前記筒状グラフェンに窒素原子を部分的に置換させることにより、生体適合性に優れたカーボンナノチューブを得ることができる。
また、本発明の微細炭素繊維は鉄族元素を含有しないものである。鉄族元素は鉄、ニッケル、コバルトであり、これらは単体、化合物のいずれの形態であっても対象となる。含有しないとは、含有量が元素(単元)として0.5ppm以下、好ましくは0.1ppm以下である。この含有量は2以上の鉄族元素を含む場合にはその合計である。鉄族元素の検出方法には、例えば、X線光電子分光(XPS)を用いることができ、一般に、その検出限界以下は本発明の「含有しない」に該当する。
筒状グラフェンが入れ子状になり、前記筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、かつ鉄、ニッケル、コバルトまたはそれらの化合物を含有しない微細炭素繊維は、大気雰囲気下でのアーク放電法を用いて、陽極と陰極との距離を従来より拡げることによって、周囲の大気中の窒素を巻き込むことで前記炭素繊維の合成が可能である。
さらに、本発明の窒素原子を含む微細炭素繊維は、X線光電子分光分析により測定される炭素原子に対する窒素原子の比が0.1〜1.5原子%であり、より好ましくは、0.5〜1.0原子%である。炭素原子に対する窒素原子の比が0.1原子%未満であれば、窒素含有による安全でかつ高性能なバイオデバイスを提供するのに充分な生体適合性が得られない。一方、炭素原子に対する窒素原子の比が1.5原子%を超えると、溶液や樹脂等に対する分散性が悪くなり、しかも窒素原子の結合が不安定になる恐れがある。上記炭素原子に対する窒素原子の比は微細炭素繊維全体における比率である。
筒状グラフェンが入れ子状になり、前記筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、かつ鉄、ニッケル、コバルトまたはそれらの化合物を含有しない微細炭素繊維は、大気雰囲気下でのアーク放電法を用いて、陽極と陰極との距離を従来より拡げることによって、周囲の大気中の窒素を巻き込むことで前記炭素繊維の合成が可能である。従来は、カーボンナノチューブの生成率を高めるために、なるべく陽極と陰極の間を狭めるように調整され、あまり接近させすぎると短絡等の問題を生じるため、両極間の間隔は1〜2mmとされていた。本発明では、窒素原子を取込ませるため、この両極間の間隔を2mm以上、好ましくは2.5mm以上とする。この間隔を大きくすればする程窒素原子の比率を高めることができる。一方、間隔をあまり大きくするとアークが安定せずカーボンナノチューブの生成率が低くなるので、実用的には5mm程度までとするのがよい。
本発明の微細炭素繊維は、従来のカーボンナノチューブに比べて、鉄、ニッケル、コバルトまたはそれらの化合物を含有していないため、ラジカルの生成もなく、生体高分子にダメージを与えることもない。したがって、生体高分子検出デバイスとして利用することができる。
ここで、生体高分子とはDNA、RNA、タンパク質等、生体に存在する高分子をいうが、近年DNAやタンパク質等を人工的にも合成することが可能となってきており、これらの人工の生体高分子を適用することも当然可能である。また、生体高分子は、複数種類の生体高分子が一体となったものであってもよい。
生体高分子検出デバイスの例としては、例えば、DNAチップ、プロテインチップ、糖鎖チップ、細胞チップ等のようなバイオチップが挙げられる。
さらに、従来のカーボンナノチューブとマトリックス樹脂とからなる複合材料をバルーンカテーテルとして用いた場合、鉄、ニッケルまたはコバルトのような残存した触媒が生体内にて溶解し、血管内壁の細胞組織を損傷するラジカルを生成する。本発明の微細炭素繊維は、従来のカーボンナノチューブに比べて、鉄、ニッケル、コバルトまたはそれらの化合物を含有していないため、ラジカルの生成もなく、細胞組織の損傷をもたらすこともない。したがって、医療デバイスとして利用することができる。
マトリックス樹脂の構成材料としては、ある程度の可撓性を有する一般的なプラスチックである熱可塑性樹脂や、ゴムなどの熱硬化性樹脂または熱架橋性樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルやそれらをハードセグメントとしたポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンおよびポリオレフィンエラストマー、ポリ塩化ビニル、PVDC、PVDFなどのビニル系ポリマー、ナイロンを含むポリアミドおよびポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、セルロースアセテート、ビニルポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィドなどの各種熱可塑性樹脂やその高分子誘導体のほか、加硫ゴム、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化または架橋性樹脂が挙げられる。さらに、上記の熱可塑性樹脂および熱硬化・架橋性樹脂のうちいずれかを含むポリマーアロイも利用可能であり、成形材料として溶媒に樹脂を溶解した樹脂溶液を用いても良い。
本発明の微細炭素繊維の合成
本実施例で用いた微細炭素繊維を製造するための設備は、図1に示したように、雰囲気は大気中であり、アーク溶接用電源1と、アーク溶接電源の+極に接続された中空炭素陽極2と、アーク溶接電源のー極に接続された炭素陰極3、中空炭素陽極2に放電用ガスを供給するための放電用ガス供給装置4から構成される。
中空炭素陽極2は外径6〜50mm、内径2〜40mmで、任意の長さの筒状炭素陽極ならば使用可能であるが、本実施例においては、外径10mm、内径4mm、長さ40mmの炭素電極を用いた。炭素陰極3については特に形状を問わないが、本実施例においては、100mm×100mm×40mmの炭素ブロックを用いた。放電用ガス供給装置4は、ガスボンベ、圧力レギュレータ、流量調整器、およびこれらと中空炭素陽極2を接続する配管より構成され、使用する放電用ガスは不活性ガス、具体的にはAr、He、もしくは不活性ガスにHを添加した混合ガスを用いることができるが、本実施例においては工業用純アルゴンを用いた。放電ガスの流量は、使用する中空炭素陽極2の形状および放電条件により変化させるが、本実施例においては、1リットル/分にて、中空炭素陽極2の中空孔に供給した。
ここで、中空炭素陽極2と炭素陰極3を対向配置させる。この状態で、アーク溶接電源1より、両炭素電極2、3間に電圧を印加させてアーク放電を行った。なお、周囲の大気中の窒素を巻き込むため、両炭素電極2、3間の距離を4mmとした。
放電終了後、図2に示したように、炭素陰極3の放電発生部(中空炭素陽極中空孔の対面に当たる部分)に黒色の堆積物が生じ、この部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、複数の筒状グラフェンが入れ子状になった直径8〜30nm、長さ1μm以上の微細炭素繊維が合成されていた。
得られた微細炭素繊維をX線光電子分光(XPS)分析した結果、鉄、ニッケルおよびコバルトの存在は認められず、窒素原子が1.0原子%含まれていた。
DNAとして天然のサケの精子から分離したDNAを使用し、公知の方法により精製したDNA分子を酸化シリコン基板上に展開した。マルチローブ原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、DNA分子上に電極として実施例1で合成した本発明の微細炭素繊維を2本接触させた。これは、マルチローブAFMで観察しながらDNA分子の場所を特定し、マルチローブAFMで2本の微細炭素繊維を移動させながら、それらの間隔が20nmとなるように配置した。この状態で、DNA分子と微細炭素繊維の付着力、すなわちAFMのカンチレバーを試料に付着させ、引き上げるときに作用する力を測定した。DNAを試料とし、プローブを本発明の微細炭素繊維とし、付着量の変化を測定した結果、付着力は41〜47nNであった。一方、CVD法にて合成したカーボンナノチューブ(鉄触媒を10重量%含有)をプローブとした場合には、付着力は10〜15nNであった。
以上の結果より、本発明の微細炭素繊維とDNA分子との力学的接合は従来のカーボンナノチューブより強く、DNA分子との電気伝導性が優れており、生体高分子検出デバイスとして利用できることがわかる。
熱可塑性ポリイミド樹脂に対して、実施例1で合成した本発明の微細炭素繊維を15重量%配合させた。この微細炭素繊維配合熱可塑性ポリイミド樹脂を常法どおり押出成形により、肉厚0.025mmのバルーン成形用元チューブを作製した。この元チューブを、バルーン成形金型を使用して定法の二軸延伸ブロー成形によりバルーン(外径3.0mm)に成形し、定法にしたがい、経皮的冠動脈形成術(PTCA)バルーンカテーテルに組み立てた。このPTCAバルーンカテーテルをラットの冠動脈血管に挿入し、数分間放置した後、PTCAバルーンカテーテルを取り出して、血管内壁の細胞組織切片の所見を行った。その結果、細胞組織に損傷等の異常は認められなかった。一方、CVD法にて合成したカーボンナノチューブ(鉄触媒を10重量%含有)を用いて、上記の方法と同様にPTCAバルーンカテーテルを作製し、血管内壁の細胞組織切片の所見を行った結果、細胞組織の一部に損傷が観察された。
以上の結果より、本発明の微細炭素繊維を用いたバルーンカテーテルは医療デバイスとして利用できることがわかる。
本発明の微細炭素繊維は、従来のカーボンナノチューブと比較して、電気伝導性、熱伝導性、機械特性、化学反応性、生物化学反応性に優れていることから、生体高分子検出デバイス、医療デバイス等のバイオデバイスとして利用することができる。
本発明の一実施例で使用した、微細炭素繊維製造装置の構成を示す図である。 上記装置において微細炭素繊維が製造された状態を示す図である。
符号の説明
1 アーク溶接電源
2 中空炭素陽極
3 炭素陰極
4 放電用ガス供給手段
5 微細炭素繊維

Claims (4)

  1. 複数の筒状グラフェンが入れ子状になって構成された直径100nm未満の微細炭素繊維であって、少なくとも最外郭における前記筒状グラフェンに窒素原子の部分的置換が存在し、かつ、鉄族元素を含有しないことを特徴とする微細炭素繊維。
  2. 炭素原子に対する窒素原子の比が0.1〜1.5原子%であることを特徴とする請求項1に記載の微細炭素繊維。
  3. 請求項1又は2に記載の微細炭素繊維を電極として用い、生体高分子に接触させて使用される生体高分子検出デバイス。
  4. 請求項1又は2に記載の微細炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる複合材料をバルーンカテーテルとする医療デバイス。
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