JP2008179531A - 窒素含有カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

窒素含有カーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブの優れた強度、熱伝導度、導電性等の本来的な特性を充分に有し、且つ簡単で且つ安価な窒素含有カーボンナノチューブを得ることのできる窒素含有カーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブを、窒素含有化合物を存在させつつ、前記カーボンナノチューブ内に窒素成分を含有させることのできる温度で加熱して窒素化処理を施すことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は窒素含有カーボンナノチューブの製造方法に関し、更に詳細には簡易に且つ安価に製造できる窒素含有カーボンナノチューブの製造方法に関する。
カーボンナノチューブの特性の改善或いは新たな特性を付与し得る窒素含有カーボンナノチューブの製造方法は、種々検討されている。
例えば、下記特許文献1には、酸化鉄と酸化モリブデンが保持されたアルミナ基板を加熱炉に設置し、この炉中でN,N−ジメチルホルムアミド蒸気とアンモニアガスとを導入し、500℃以上の温度で加熱する窒素含有カーボンナノチューブの製造方法が提案されている。
また、下記特許文献2には、窒素原子を含む導電性高分子で被覆されたカーボンナノチューブ合成用触媒を、炭化水素及び水素の混合ガス中で加熱する窒素含有カーボンナノチューブの製造方法が提案されている。
更に、下記特許文献3には、フェロセンとメラミンとの混合物をアルゴンガス雰囲気中で加熱する窒素含有カーボンナノチューブの製造方法が提案されている。
特開2005−263589号公報 特開2004−131853号公報 特開2004−230484号公報
特許文献1に提案された窒素含有カーボンナノチューブの製造方法によれば、電界放出特性、ガス貯蔵性、電子移動特性に優れた高窒素含有率の窒素含有カーボンナノチューブを得ることができる。
また、特許文献2に提案された窒素含有カーボンナノチューブの製造方法によれば、水素吸蔵量を多くできる窒素含有カーボンナノチューブを得ることができる。
更に、特許文献3に提案された窒素含有カーボンナノチューブの製造方法によれば、電界放射特性を有する窒素含有カーボンナノチューブを得ることができる。
これらの方法は、いずれもカーボンナノチューブを製造する製造工程で、窒素化合物を介在させている。
しかし、カーボンナノチューブの製造の際に、窒素含有化合物を併存させることは、得られるカーボンナノチューブの全体に窒素が存在し、カーボンナノチューブが有している優れた強度、熱伝導度、導電性等の本来的な特性が損なわれるおそれがある。
しかも、これらの改善或いは新規な特性を有する窒素含有カーボンナノチューブを製造する専用工程を、通常のカーボンナノチューブの製造工程とは別に設けることを要し、得られた窒素含有カーボンナノチューブの製造原価は高価となる。
そこで、本発明の課題は、カーボンナノチューブの製造の際に、窒素含有化合物を併存させる従来の窒素含有カーボンナノチューブの製造方法の課題を解決し、カーボンナノチューブの優れた強度、熱伝導度、導電性等の本来的な特性を充分に有し、且つ簡単で且つ安価な窒素含有カーボンナノチューブを得ることのできる窒素含有カーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、通常の製造方法で得られたカーボンナノチューブを、窒素ガス雰囲気中で、カーボンナノチューブ内に窒素成分を含有させることのできる温度で加熱処理することによって、外表層部側に窒素成分を内層部よりも高濃度に含有した窒素含有カーボンナノチューブを得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、カーボンナノチューブに、窒素含有化合物を存在させつつ、前記カーボンナノチューブ内に窒素成分を含有させることのできる温度で加熱する窒素化処理を施すことを特徴とする窒素含有カーボンナノチューブの製造方法にある。
かかる本発明において、窒素成分を、カーボンナノチューブの外表層部に含有させることが好ましい。
また、窒素含有化合物として、窒素ガス、アンモニアガス又はアンモニウム化合物を好適に用いることができる。この際に、加熱処理雰囲気中に、アルゴンガス等の不活性ガスを存在させることによって、反応のコントロール等を容易に行うことができる。
ここで、窒素含有化合物として、窒素ガスを用いる場合には、加熱処理ガスの後処理等を容易に行うことができる。
或いは、窒素含有化合物として、アンモニアガス又はアンモニウム化合物を用いる場合には、加熱処理温度を低下できる。このため、不活性ガスとして窒素ガスを存在させることによって、得られる窒素含有カーボンナノチューブ中の窒素含有量を調整できる。
本発明によれば、通常のカーボンナノチューブの製造方法で得られたカーボンナノチューブに、窒素含有化合物を存在させつつ、所定温度で加熱して窒素化処理を施す簡易な処理によって、窒素含有カーボンナノチューブを得ることができる。
このため、従来のカーボンナノチューブの製造工程内又は従来のカーボンナノチューブの製造工程に引き続いて、窒素化処理工程を設けることができ、安価に窒素含有カーボンナノチューブを製造できる。
或いは、予め大量のカーボンナノチューブを製造しておき、必要量のカーボンナノチューブに用途に応じた窒素化処理を施すことができる。
また、本発明で得られた窒素含有カーボンナノチューブは、その外表層部(外表面から10nm程度の外表層部)に窒素成分が高濃度に含有されており、全体に窒素成分が含有されている窒素含有カーボンナノチューブに比較して、カーボンナノチューブの優れた強度、熱伝導度、導電性等の本来的な特性は損なわれない。
尚、カーボンナノチューブを黒鉛化処理する場合には、黒鉛化処理の冷却過程の際に、窒素ガス等の窒素化合物を存在させても、窒素含有カーボンナノチューブを得ることができる。
本発明で用いるカーボンナノチューブ(以下、CNTと称することがある)は、公知の製造方法(例えば、アーク法、プラズマ法、触媒CVD法)で得られたCNTを用いることができる。このうち、触媒CVD法によれば、同一品質のCNTを安価に大量に製造できる。従って、触媒CVD法によって得られたCNTに窒素を含有できれば、樹脂、セラミック、金属等との複合材用に用いるCNTの特性を改善できる。
かかる触媒CVD法として、例えばベンゼン、トルエン等の窒素非含有の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、CNTを基板上に生成させる方法(特開昭60−27700号公報)、浮遊状態でCNTを生成させる方法(特開昭60−54998号公報)、或いはCNTを反応炉壁に成長させる方法(特許2778434号)等を用いることができる。また、特公平3−64606号公報に示される様に、予めアルミナ、炭素等の耐火性支持体に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させて、径が70nm以下のCNTを得るようにすることもできる。
本発明で用いるCNTとしては、太さ(直径)が10〜350nm、特に20nm〜200nmであって、アスペクト比が概ね50〜200程度のものが好適である。
上述した触媒CVD法で製造したCNTには、通常、その表面にアモルファス状の熱分解炭素や残留触媒金属等の不純物が存在している。このため、用途によっては、得られたCNTに黒鉛化処理を施すことがある。かかる黒鉛化処理では、得られたCNTに対し、2000℃以上、特に2500℃以上、特に好ましくは2800℃〜3200℃で加熱処理を施す。
この様な黒鉛化処理を施したCNTを、本発明の原料に用いてもよいが、黒鉛化処理前のCNTを原料に用いることが好ましい。黒鉛化処理前のCNTは、炭素の結晶性が低く且つその表面にアモルファス状の熱分解炭素が部分的に存在しており、反応性に富むからである。
尚、表面がアモルファス状の熱分解炭素を焼成除去すべく、1000〜2000℃で焼成処理して得られたCNTにも、本発明を適用できる。
本発明では、公知の製造方法によって得られたCNTに、窒素含有化合物を存在させつつ、CNT内に窒素成分を含有させることのできる温度で加熱する窒素化処理を施す。
この窒素含有化合物としては、窒素ガス、アンモニアガス、アンモニア化合物である塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等を好適に用いることができる。かかる窒素含有化合物は、単独で又は二種以上を混合して用いてもよい。
これらの窒素含有化合物のうち、窒素ガスを用いることによって、加熱処理ガスの後処理等を容易に行うことができる。
また、「CNT内に窒素成分を含有させることのできる温度」とは、窒素含有化合物がCNTと反応する温度をいう。かかる温度は、主として窒素含有化合物の種類に依存する。例えば、窒素含有化合物が、窒素ガスの場合、そのCNTと反応する温度は1100〜1600℃(好ましくは1200〜1500℃)、アンモニアガスの場合、そのCNTと反応する温度は500〜1200℃(好ましくは800〜1000℃)、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウムの場合、そのCNTと反応する温度は500〜1200℃(好ましくは800〜1000℃)である。
ここで、CNTと反応する上記温度の下限未満の場合には、窒素との反応性が低下し、CNT内に含有される窒素量を増加することが困難となる傾向にある。他方、CNTと反応する上記温度の上限を超える場合には、CNT内に含有される窒素量が減少する傾向にある。CNT内に含有された窒素が、抜け出てしまうものと考えられる。
かかる窒素化処理を施すCNTとして、例えば硝酸等の強酸処理、粉砕、酸化等によって表面を粗面化したCNTを用いると、窒素化処理後のCNT中の窒素成分の含有量が増加する傾向にある。表面の粗面化によって、窒素化処理中に窒素成分と接触する接触面積が増大したことによると考えられる。
また、窒素ガスを用いてCNTを加熱して窒素化処理する際に、加熱雰囲気中に不活性ガスを存在させることによって、反応のコントロール等を容易に行うことができる。
尚、ここで用いる不活性ガスとしては、周期律表O族に属する気体、例えばヘリウム、ネオン、アルゴンから成るガスを用いることができ、アルゴンガスを好適に用いることができる。
かかる窒素化処理の際に、窒素含有化合物として、アンモニアガスを用いた場合にも、不活性ガスをキャリアガスとして用いることが好ましい。
また、窒素含有化合物として、アンモニウム化合物である塩化アンモニウム、炭酸アンモニウムを用いて窒素化処理する際には、CNTとアンモニウム化合物とを混合し、密閉された不活性ガス雰囲気中で加熱して窒素化処理することが好ましい。
ここで用いる不活性ガスとしては、周期律表O族に属する気体、例えばヘリウム、ネオン、アルゴンから成るガスを用いることができる。
但し、アンモニアガスやアンモニウム化合物を窒素含有化合物して用いた場合の加熱温度は、上述した様に、窒素含有化合物として窒素ガスを用いた場合の加熱温度に比較して低温化できる。このため、アンモニアガスやアンモニウム化合物を窒素含有化合物して用いたとき、その加熱温度が窒素ガスを不活性ガスとして取り扱うことのできる程度に低温化できる場合には、不活性ガスとして窒素ガスを用いることができる。
得られた窒素含有CNTは、その外表層部に窒素成分が含有されている。このことは、後述する実施例1で述べる様に、窒素含有カーボンナノチューブの全体中の窒素成分を検出しようとしても、その含有量は分析装置の測定限界値(0.1atom%)以下であって、窒素を検出できなかったこと、及び外表面から10nm程度の外表層部に含有されている成分を分析できるX線光電子分光分析装置(XPS)による表層分析によって、窒素が初めて検出されたことからも判る。
この様に、本発明の製造方法によって得られた窒素含有CNTは、その全体に亘って窒素成分が含有されておらず、外表層部に窒素成分が含有されている。このため、得られた窒素含有CNTは、CNTの優れた強度、熱伝導度、導電性等の本来の特性に併せて、水等の溶媒に対する濡れ性を向上でき、水等の溶媒に対する分散性を向上できる。
かかるCNTの水等の溶媒に対する濡れ性は、CNTの外表面の性質が関与するため、CNTの樹脂、セラミック、金属等への分散性の向上も期待でき、CNTが分散された複合材等を容易に製造できることが期待できる。
ところで、本発明の窒素化処理を施した後、必要に応じて追加の加熱処理を施してもよい。この場合、追加の加熱処理では、本発明の窒素化処理時の加熱温度以下の温度で加熱処理を施すことが好ましい。本発明の窒素化処理時の加熱温度を超える温度で加熱処理を施すと、CNT中の窒素が抜け出るおそれがあるからである。
ここで、CNTの黒鉛化処理を終了した後の冷却工程において、雰囲気温度が所定温度に到達したとき、例えば窒素ガスを供給して本発明の窒素化処理を行ってもよい。
また、窒素含有CNTに対し、再度、窒素含有化合物を存在させつつ、所定温度で加熱して窒素化処理してもよく、CNTの表面の性質を改善できる。
ところで、CNTの外表面層部に含有される窒素成分を、炭素に対して0.1〜5atom%とすることが望ましい。CNTの外表面層部に含有される窒素成分を炭素に対して0.1atom%未満では、CNTに窒素成分を含有する効果、例えば水等の溶媒に対する濡れ性の向上が不充分となり易い傾向にある。他方、CNTの外表面層部に含有される窒素成分を炭素に対して5atom%を超えると、CNTの優れた強度、熱伝導度、導電性等の本来の特性を損なう傾向がある。
(1)CNTの製造
縦型加熱炉(内径17.0cm,長さ150cm )の頂部に、スプレーノズルを取り付ける。加熱炉の炉内壁温度を1200℃に昇温・維持し、スプレーノズルから4 wt%のフェロセンを含有するベンゼンの液体原料20g /分を100リットル/分の水素ガスの流量で炉壁に直接噴霧(スプレー)散布するように供給する。このような条件の下で、フェロセンは熱分解して鉄微粒子を作り、これがシード(種)となってベンゼンの熱分解による炭素から、CNTを生成成長させた。ここで得られたCNTを未処理CNTと称する。
この未処理CNTをアルゴン雰囲気中で2800℃の温度で熱処理して、処理CNTとした。得られた処理CNTは、直径が約80nm、長さ10〜20μm、比表面積(BET法)18m2/g、真比重2.08g/cm3の高純度のマルチウォールのCNT(MWCNT)であった。この処理CNTは、相対的に直線状で、長い管状のものであった。処理CNT中の鉄含有量は、100ppm以下(ICP法で測定)であった。
(2)窒素化処理
得られた未処理CNTと処理CNTとの各々を100mg計量し、セラミックボートに載置した。このセラミックボートを高温電気炉のチャンバー内に載置、チャンバー内を真空状態とした後、窒素ガスを注入して窒素ガス雰囲気とした。
次いで、チャンバー内を1200℃に昇温して30分間保持し加熱処理を終了した。その後、室温まで降温させてセラミックボートを取り出した。
(3)窒素量の測定
窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、窒素含有量を測定した。この測定は、X線光電子分光分析装置(XPS)によって行った。
X線光電子分光分析装置(XPS)では、CNTの外表層部(外表面から10nm程度)に含有されている窒素量を分析する。
その結果、未処理CNTでは、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して0.2atom%含有されていた。また、処理CNTでも、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して0.1atom%含有されていた。
この様に、未処理CNTの窒素化率が、処理CNTの窒素化率よりも高いのは、未処理CNTでは、結晶性が低く、且つその表面にアモルファス状の熱分解炭素が部分的に存在しており、反応性に富むためと考えられる。
尚、窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、燃焼法[酸素・窒素分析装置(EMGA−2800:堀場製作所製)を用いた。この分析装置の窒素成分の検出限界は0.1atom %である。]でも測定を行ったが、窒素は検出されなかった。
(4)分散性調査
窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、水に対する分散性を調査した。かかる調査の際に、比較対象として、窒素化処理を施す前のCNT(窒素化処理なしCNT)についても、水に対する分散性を調査した。
この分散性の調査では、未処理CNT、処理CNT及び窒素化処理なしCNTの各々を0.02g計量した後、計量した未処理CNT、処理CNT及び窒素化処理なしCNTの各々をビーカ中の蒸留水4.98gに添加した。
次いで、各ビーカ中のCNTが添加された蒸留水に超音波を約10分間付与し、CNTを分散した。
その後、ビーカを静置状態とし、分散状態を目視で判定し、その結果を下記表1に示す。
Figure 2008179531
表1から明らかな様に、窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとのいずれも、窒素化処理なしCNTに比較して、水に対する分散性が向上されている。
実施例1で得た未処理CNTと処理CNTとの各々について、120℃の硝酸溶液中で5時間還流させて前処理を施し、外表面を粗面化した後、実施例1と同様にして窒素化処理を施した。
窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、実施例1と同様にして、外表層中の窒素含有量をX線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した。
その結果、未処理CNTでは、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して0.6atom%含有されていた。また、処理CNTでも、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して0.2atom%含有されていた。
これらの窒素含有量は、実施例1の窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとよりも多い。本実施例では、窒素化処理を施す未処理CNTと処理CNTの外表面を粗面化することによって、窒素ガスに接触する表面積が増大したことによるものと考えられる。
実施例1において、チャンバー内を真空状態とした後、アンモニアガス(10vol%)とアルゴンガス(90vol%)との混合ガスを注入した。次いで、チャンバー内を1000℃に昇温して30分間保持し加熱処理を終了した他は、実施例1と同様にして未処理CNTと処理CNTとの各々に窒素化処理を行った。
窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、実施例1と同様にして、外表層中の窒素含有量をX線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した。
その結果、未処理CNTでは、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して3.0atom%含有されていた。また、処理CNTでも、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して1.0atom%含有されていた。
また、窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、実施例1と同様にして水に対する分散性を調査し、その結果を下記表2に示す。
Figure 2008179531
表2から明らかな様に、窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとのいずれも、水に対する分散性が良好である。
実施例1において、未処理CNTと処理CNTとの各々を100mg計量し、10mgの塩化アンモニウム(NHCl)と混合した後、セラミックボートに載置した。このセラミックボートを高温電気炉のチャンバー内に載置し、チャンバー内を真空状態とした後、アルゴンガスを注入して不活性ガス雰囲気とした。次いで、密閉されたチャンバー内を1000℃に昇温して30分間保持し加熱処理を終了した他は、実施例1と同様にして未処理CNTと処理CNTとの各々に窒素化処理を行った。
窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、実施例1と同様にして、外表層中の窒素含有量をX線光電子分光分析装置(XPS)によって測定した。
その結果、未処理CNTでは、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して3.5atom%含有されていた。また、処理CNTでも、その外表層部に窒素が、炭素(C)に対して1.0atom%含有されていた。
また、窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとの各々について、実施例1と同様にして水に対する分散性を調査し、その結果を下記表3に示す。
Figure 2008179531
表3から明らかな様に、窒素化処理を施した未処理CNTと処理CNTとのいずれも、水に対する分散性が良好である。

Claims (4)

  1. カーボンナノチューブに、窒素含有化合物を存在させつつ、前記カーボンナノチューブ内に窒素成分を含有させることのできる温度で加熱する窒素化処理を施すことを特徴とする窒素含有カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 窒素成分を、カーボンナノチューブの外表層部に含有させる請求項1記載の窒素含有カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 窒素含有化合物として、窒素ガス、アンモニアガス又はアンモニウム化合物を用いる請求項1又は請求項2記載の窒素含有カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 加熱処理雰囲気中に不活性ガスを存在させる請求項1〜3のいずれか一項記載の窒素含有カーボンナノチューブの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008239468A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Jfe Engineering Kk 微細炭素繊維およびそれを用いたバイオデバイス
JP2011195351A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Fujifilm Corp 含窒素カーボンアロイ及びそれを用いた炭素触媒
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