JP2008239396A - ガラス組成物およびこれを用いたディスプレイパネル - Google Patents

ガラス組成物およびこれを用いたディスプレイパネル Download PDF

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    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/14Silica-free oxide glass compositions containing boron

Abstract

【課題】軟化点が低く、誘電率が低く、AgやCu電極上の誘電体層に用いても黄変や気泡が生じにくく、優れた表示性能のディスプレイを作製することが可能な、ガラス組成物を提供する。
【解決手段】本発明のガラス組成物は、B2O3、R2O、Bi2O3およびMoO3を必須成分として含み、且つ、鉛(Pb)を実質的に含まない。Bi2O3およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたとき、Bi2O3およびMoO3以外の組成成分が、30重量部≦B2O3≦85重量部、3重量部≦R2O≦25重量部、0重量部≦MO≦50重量部、0重量部≦SiO2≦26重量部、を満たし、且つ、Bi2O3およびMoO3が、1重量部≦Bi2O3≦15重量部、0.3重量部≦MoO3≦5.0重量部を満たす。ただし、RはLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種を示し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種を示す。このガラス組成物は、例えばPDPの誘電体層6,11から選ばれる少なくとも1つに適用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極の被覆に適したガラス組成物およびこれを用いたディスプレイパネル、特にプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)、フィールドエミッションディスプレイ、液晶表示装置、蛍光表示装置、セラミック積層デバイス、混成集積回路の如き表示装置や集積回路においては、その表面にAg、Cu等からなる電極や配線を有する基板が用いられている。こうした電極や配線は、これを保護するために、絶縁性ガラス材料によって被覆される場合がある。ここでは、代表的な表示装置であるPDPを例に挙げて、以下に説明する。
一般にPDPは、2枚の対向するガラス基板に、それぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にNe、Xe等の不活性ガスを主体とするガスを封入した構造になっており、電極間に電圧を印加して、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることによって、各セルを発光させて表示を行なっている。そしてこれらの電極は、誘電体層と呼ばれる絶縁性のガラス材料で被覆されて、保護されている。
例えば、AC型PDPの前面板となるガラス基板においては、透明電極が形成され、さらにその上に、より抵抗率が低いAg、Cu、Al等の金属電極が形成されている。この複合電極を覆って誘電体層が形成され、さらにその上に保護層(MgO層)が形成されている。
電極を覆って形成される誘電体層には、通常、低軟化点のガラスが用いられる。誘電体層は、ガラス粉末を含むペーストを、スクリーン印刷法やダイコート法等で電極を覆うように塗布した後、焼成することによって形成されている。
誘電体層を形成するガラス組成物に要求される特性としては、
(1)電極上に形成されるため、絶縁性であること
(2)大面積のパネルでは、ガラス基板の反り、誘電体層の剥がれやクラックを防止するために、ガラス組成物の熱膨脹係数を、基板材料とあまり変わらない値にしておくこと
(3)前面板用であれば、蛍光体から発生した光を効率よく表示光として利用するために、可視光透過率が高い非晶質ガラスであること
(4)基板ガラスの耐熱性に適合するように、軟化点が低いこと
等が挙げられる。
PDPに使用されるガラス基板としては、フロート法で作製され、一般に入手が容易な窓板ガラスであるソーダライムガラスや、PDP用に開発された高歪点ガラスがあり、これらは、通常、600℃までの耐熱性、75×10-7〜85×10-7/℃の熱膨脹係数を有する。
このため、前述した(2)については、熱膨脹係数が70×10-7〜80×10-7/℃程度が望ましいとされている。また(4)については、ガラスペーストの焼成は、ガラス基板の歪点である600℃以下で行う必要があるので、600℃以下の温度で焼成しても充分軟化するように、軟化点が少なくとも590℃以下である必要がある。
以上のような要望を満足するガラス材料として、現在は、PbOを主原料とするPbO−SiO2系ガラスが主に使用されている。
しかし、近年の環境問題への配慮から、Pbを含まない誘電体層が求められている。また、ガラス材料の誘電率については、PDPの低消費電力化のために、現状よりも下げることが求められている。Pbを含まないガラスとしては、ほう酸亜鉛を主成分とし、Pbの代わりにBiを含むことによって低軟化点とした、Bi23−B23−ZnO−SiO2系ガラス材料(例えば、特許文献1参照)等が開発されているが、これらのBi系材料も、Pb系材料と同じく、比誘電率が9〜13程度と高いという問題点を有する。現時点では、これらの材料より明確に低誘電率ということで、比誘電率が8.0以下、より望ましくは6.0未満の材料が求められている。
そこで、低誘電率と低軟化点を両立させるため、Pbの代わりにアルカリ金属を含むホウ酸亜鉛系ガラスによって、比誘電率7前後を達成した材料も提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開2001−139345号公報 特開平9−278482号公報 特開2000−313635号公報 特開2002−274883号公報
しかしながら、発明者の検討によると、アルカリホウ酸系ガラスを銀(Ag)や銅(Cu)を含む電極を被覆する誘電体層の材料として用いた場合、AgやCuが酸化されてイオン化し、これらイオンがガラス中を拡散し、再度還元されてコロイド状金属として析出し、誘電体層やガラス基板(AgやCuを含む電極が形成されるガラス基板)が黄色く着色して見える、いわゆる黄変を生じ、表示性能が劣化するという問題点があった。また、電極上の誘電体層に多数の気泡が発生し、透過率が低下したり、絶縁不良を生じたりするといった問題点もあった。
また、アルカリホウ酸系ガラスにおいて、より低誘電率とするためには、ホウ素をより多くする必要があるが、ホウ素を多くすればするほど、上記の黄変や気泡の発生が顕著となるといった問題点があった。
本発明は、軟化点が低く、誘電率が低く、AgやCu電極上の誘電体層に用いても黄変や気泡が生じにくく、優れた表示性能のディスプレイを作製することが可能なガラス組成物と、そのガラス組成物を用いたディスプレイパネルとを提供することを目的とする。
本発明のガラス組成物は、B23、R2O、Bi23およびMoO3を必須成分として含み、且つ、鉛(Pb)を実質的に含まないガラス組成物であって、Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、Bi23およびMoO3以外の組成成分が、
30重量部≦B23≦85重量部
3重量部≦R2O≦25重量部
0重量部≦MO≦50重量部
0重量部≦SiO2≦26重量部
を満たし、且つ、Bi23およびMoO3が、
1重量部≦Bi23≦15重量部
0.3重量部≦MoO3≦5.0重量部
を満たす。ただし、RはLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種を示し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種を示している。なお、本発明のガラス組成物において、「3重量部≦R2O≦25重量部」とは、本発明のガラス組成物に含まれるLi2O、Na2OおよびK2Oの合計が3重量部以上25重量部以下であるということであり、「0重量部≦MO≦50重量部」とは、本発明のガラス組成物に含まれるMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計が0重量部以上50重量部以下であるということである。
本発明の第1のディスプレイパネルは、ガラス組成物を含む誘電体層によって電極が被覆されているディスプレイパネルであって、このガラス組成物が本発明による上記ガラス組成物である。
本発明の第2のディスプレイパネルは、ガラス組成物を含む誘電体層によって電極が被覆されているディスプレイパネルであって、前記誘電体層が、前記電極を直接被覆する第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に配置された第2誘電体層とを含み、前記第1誘電体層に含まれるガラス組成物がアルカリ金属元素を実質的に含まず、前記第2誘電体層に含まれるガラス組成物が本発明による上記ガラス組成物である。
本発明の第3のディスプレイパネルは、第1の電極が設けられた前面板と、この第1の電極と交差するように第2の電極が設けられており、かつ、前面板と対向して配置された背面板と、第1の電極および第2の電極から選ばれる少なくとも1つの電極を被覆する誘電体層と、放電空間を形成するために前面板と背面板との間に配置された隔壁と、を含むプラズマディスプレイパネルであって、前記誘電体層がガラス組成物を含み、このガラス組成物が本発明による上記ガラス組成物である。
本発明の第4のディスプレイパネルは、基板上に配置された第1誘電体層と、この第1誘電体層上に配置された電極と、この電極上に配置された第2誘電体層とを含み、第1誘電体層に含まれるガラス組成物が本発明による上記ガラス組成物である。
本発明によれば、軟化点が低く、誘電率が低く、AgやCu電極上の誘電体層に用いても黄変や気泡が生じにくく、優れた表示性能のディスプレイを作製することが可能な、ガラス組成物を提供できる。また、本発明の第1〜第4のディスプレイパネルによれば、信頼性の高いディスプレイパネルを提供できる。
発明者等は、詳細な検討の結果、アルカリホウ酸系ガラスをAgやCu電極上に形成した際に当該ガラスに生じる気泡や黄変を、Bi23とMoO3とを当該ガラスに同時に添加することによって防止低減できることを見出した。そこで、本発明のガラス組成物には、B23と、R2O(Li2O、Na2OおよびK2Oから選ばれる少なくとも1種)と、Bi23と、MoO3とが必須成分として含まれており、且つ、鉛(Pb)が実質的に含まれない。また、本発明のガラス組成物において、Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、Bi23は1重量部以上15重量部以下であり、MoO3は0.3重量部以上5.0重量部以下である。
Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計(100重量部)に対してBi23を1重量部以上15重量部以下に限定する理由は、1重量部未満では効果が充分に現れず、15重量部を超えると比誘電率の上昇が大きくなるためである。また、MoO3を0.3重量部以上5.0重量部以下に限定する理由は、0.3重量部未満では効果が充分に現れず、5.0重量部を超えると逆にガラス全体に微細な気泡が生じるためである。
以上のとおり、本発明のガラス組成物は、B23と、R2Oと、Bi23と、MoO3とを組成成分として同時に含有することによって、低誘電率で、且つ、電極を被覆する誘電体層に用いた場合に気泡や黄変も生じ難いといった性質を得ることが可能である。しかしながら、実際にPDP等のディスプレイパネルの電極被覆ガラス等に用いる場合には、ガラス転移温度、軟化点、熱膨張係数、化学的耐久性等を用途に応じて最適化するために、これら以外の成分が含まれることが望ましい。含まれうる成分としては、SiO2、ZnO、アルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO、BaO)等が挙げられる。これらの成分の添加によって、化学的耐久性を高め、ガラス転移温度を高くし、熱膨張係数を小さくする等の効果を得ることができる。これらの成分の添加を考慮した本発明のガラス組成物は、Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、Bi23およびMoO3以外の組成成分が、
30重量部≦B23≦85重量部
3重量部≦R2O≦25重量部
0重量部≦MO≦50重量部
0重量部≦SiO2≦26重量部
を満たす。また、上述したとおり、本発明のガラス組成物におけるBi23およびMoO3は、Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、1重量部≦Bi23≦15重量部、且つ、0.3重量部≦MoO3≦5.0重量部を満たす。このような本発明のガラス組成物によれば、例えば軟化点が590℃以下、熱膨張係数(平均線熱膨張係数)が70×10-7/℃〜80×10-7/℃、比誘電率が8.0以下を実現できる。
23量を30重量部以上85重量部以下とするのは、30重量部未満だと得られるガラスの比誘電率が8.0以下とならず、85重量部を超えると熱膨張係数が大きくなりすぎるためである。また特に、ガラスの比誘電率を6.0未満に調整しやすくするためには、B23量は60重量部を超えることが望ましい。
アルカリ金属酸化物であるR2Oは、3重量部未満だとガラスが不安定となり、25重量部を超えると誘電率が高くなるため、3重量部以上25重量部以下とする。
MOは、ガラスの化学的安定性を高め、ガラス転移温度と軟化点を高くし、ガラス転移温度と軟化点の差を小さくし、熱膨張係数を下げ、誘電率を高くする効果がある。MOが50重量部を超えると軟化点と誘電率が高くなりすぎるため、50重量部以下とする。
SiO2は、ガラスの化学的安定性を高め、ガラス転移温度と軟化点を高くし、熱膨張係数を下げ、誘電率を低くする効果がある。SiO2が26重量部を超えると軟化点が高くなりすぎるため、26重量部以下とする。
本発明のガラス組成物は、アルカリホウ酸系ガラスにおいて、特にB23含有量が多い場合に生じる気泡、黄変をBi23とMoO3の同時添加により解消することを主眼としてなされた発明である。このため、上記以外の元素、例えばAl、Ti、Zr、La、Ce、Y、Mn、Nb、Ta、Te、Sb、P、Cu等の酸化物を添加することも、目的とするガラス本来の特性が失われない限り、可能である。しかし、Mn、Cu等は、添加によりガラス自体が着色する事が知られており、添加量は少ないことが望ましい。これらの元素の酸化物の望ましい含有量は、他の全ての成分の合計を100重量部とした場合に、5重量部以下、さらには1重量部以下である。
本発明のガラス組成物は、鉛(Pb)を実質的に含まない。なお、本明細書において、実質的に含まないとは、除去することが工業的に難しくかつ特性に影響を及ぼさないごく微量の当該成分を許容する趣旨であり、具体的には、他の全ての成分の合計を100重量部とした場合に、含有率が1重量部以下、好ましくは0.1重量部以下、であることをいう。
アルカリホウ酸系ガラスにBi23とMoO3とを同時に添加することによって、黄変および気泡が抑制される理由は明らかではないが、以下のような理由が考えられる。
(1)B23はもともと不安定な物質であるために、これを多く含むホウ酸アルカリ系ガラスは不安定である。したがって、ホウ酸アルカリ系ガラスに対するBi23の添加は、ガラスを安定化する効果を持つ。
(2)MoO3は、ガラス中でAg+イオンと結合してこれを安定化させ、Agとしての析出を防ぐ。
(3)BiとMoがガラス中で結びついて酸化触媒となり、有機物の燃焼を助ける。
おそらくは、これらの複合した効果によるものと思われる。
なお、本明細書においては、酸化物ガラスの組成を、一般に行われるように、各成分元素の酸化物としての重量比(重量部)で表している。ただし、こうした表記は、各陽イオンのガラス中における価数を限定しているわけではない。例えば酸化ビスマスに関しても、Bi23に換算して1重量部以上15重量部以下の量が含有されていればよい。
次に、本発明のディスプレイパネルの具体例として、PDPについて説明する。図1は、本実施形態にかかるPDPの主要構成を示す部分切り取り斜視図であり、図2は、このPDPの断面図である。このPDPは、AC面放電型であって、誘電体層が上述した本発明のガラス組成物で形成されている以外は、従来例にかかるPDPと同様の構成を有する。
このPDPは、前面板1と背面板8とが貼り合わせられて構成されている。前面板1は、前面ガラス基板2と、その内側面(放電空間14に臨む面)に形成された透明導電膜3およびバス電極4からなる表示電極(第1の電極)5と、表示電極5を覆うように形成された誘電体層6と、誘電体層6上に形成された酸化マグネシウムからなる誘電体保護層7とを備えている。表示電極5は、ITO(Indium Tin Oxide)または酸化スズからなる透明導電膜3に、良好な導電性を確保するためAg等からなるバス電極4が積層されて形成されている。
背面板8は、背面ガラス基板9と、その内側面(放電空間14側の面)に形成されたストライプ状のアドレス電極(第2の電極)10と、アドレス電極10を覆うように形成された誘電体層11と、誘電体層11上に設けられ、互いに隣接するアドレス電極10間に配置された帯状の隔壁12と、互いに隣接する隔壁12の間に形成された蛍光体層13とを備えている。蛍光体層13は、赤色蛍光体層13(R)、緑色蛍光体層13(G)および青色蛍光体層13(B)がこの順に配列するように形成される。
誘電体層6および/または誘電体層11、好ましくは誘電体層6に、上述した本発明のガラス組成物が使用される。さらに、図4に示すように、ガラス基板2と表示電極5との間、あるいはガラス基板9とアドレス電極10との間に、本発明のガラス組成物を含む誘電体層17を形成すると、基板ガラスの誘電率の影響を低減できる。なお、図4では、ガラス基板2と表示電極5との間に誘電体層17を設けた例が示されており、図1に示すPDPと同じ部材(膜)には、同じ符号が付されている。また、図4に示す構成(基板と電極との間に誘電体層が配置される構成)の場合は、誘電体層17が第1誘電体層に相当し、誘電体層6が第2誘電体層に相当する。
以下では、例として誘電体層6に本発明のガラス組成物を用いた場合について説明するが、本発明のガラス組成物は低い誘電率、低い軟化点および適度な熱膨張係数を実現できるので、誘電体層11、あるいは基板/電極間に配置される誘電体層にも、同様に好適に適用できる。
上記蛍光体層を構成する蛍光体としては、例えば、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn、赤色蛍光体としてY23:Euを用いることができる。
前面板1および背面板8は、表示電極5とアドレス電極10の各々の長手方向が互いに直交し、かつ互いに対向するように配置し、封着部材(図示せず)を用いて接合される。
放電空間14には、He、Xe、Ne等の希ガス成分からなる放電ガス(封入ガス)が66.5〜79.8kPa(500〜600Torr)程度の圧力で封入されている。
表示電極5とアドレス電極10は、それぞれ外部の駆動回路(図示せず)と接続され、駆動回路から印加される電圧によって放電空間14で放電が発生し、放電に伴って発生する短波長(波長147nm)の紫外線で蛍光体層13が励起されて可視光を発光する。
誘電体層6は、通常、ガラスの粉末に、印刷性を付与するためのバインダーや溶剤等を添加することによってガラスペーストとし、このガラスペーストを、ガラス基板上に形成された電極上に塗布、焼成することによって形成される。
ガラスペーストは、ガラスの粉末と、溶剤と、樹脂(バインダー)とを含むが、これら以外の成分、例えば、界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等、種々の目的に応じた添加剤を含んでもよい。
ガラスペーストに含まれる樹脂(バインダー)は、一般にバインダーとして用いられるものであればどんなものでもよく、例えば、コスト、安全性等の観点から、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、カーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等を用いることができる。
ガラスペースト中の溶剤も、一般に用いられるものであればどんなものでもよく、例えばコストおよび安全性等の観点とバインダー樹脂との相溶性の観点とから、適当な有機溶媒を選択することができる。溶剤は、選択された有機溶媒に含まれる1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;脂肪族カルボン酸のエステル類;ターピネオール、ベンジルアルコール等のアルコール類;等の有機溶剤を使用することができる。
本発明によるガラス組成物を用いた誘電体層6の形成方法としては、上記ガラスペーストをスクリーン法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ドクターブレード等によって塗布し、焼成する方法が代表的である。ただし、それらに限定されることなく、例えば上記ガラス組成物を含むシートを貼り付けて焼成する方法でも、誘電体層6を形成できる。
誘電体層6の膜厚は、絶縁性と光透過性とを両立させるために、10μm〜50μm程度とすることが好ましい。
次に、図3に示すように、誘電体層が2層構造になっているPDPについて説明する。
図3に示すPDPは、誘電体層6に代えて、第1誘電体層15、第2誘電体層16の2層構造の誘電体層が用いられている以外は、図2のPDPと同様である(同じ部材(膜)にいは、同じ符号を付し、説明を省略する)。
図3に示すように、第1誘電体層15は表示電極5を被覆し、第2誘電体層16は第1誘電体層15を被覆するように配設されている。
このように誘電体層が2層構造の場合、第2誘電体層16に含まれるガラス組成物を本発明のガラス組成物として、第1誘電体層15に含まれるガラス組成物は、アルカリ金属を実質的に含まないガラス組成物とすることが好ましい。電極に直接接触している第1誘電体層15は、アルカリ金属を実質的に含まないため、少なくとも第1誘電体層15については、AgやCuのコロイド析出による黄変、耐圧低下が防止できる。また、第1誘電体層15でAgやCuのイオンの拡散を抑制しているため、第2誘電体層16についても、変色したり、耐電圧が低下したりすることを抑制できる。なお、本発明のガラス組成物は、アルカリ金属の含有比率が少ないため、黄変を起こしにくい。これにより、誘電体層が2層構造の場合に、第1誘電体層15に本発明のガラス組成物を用いることも当然に可能である。
本発明によれば、比誘電率が8.0以下未満さらには6.0未満であるガラス組成物を提供できる。このガラス組成物を第2誘電体層16に用いれば、第1誘電体層15のガラスに多少誘電率の大きいガラスを使用したとしても、全体として低誘電率の誘電体層が形成できる。従来のPb系ガラスやBi系ガラスの比誘電率が9〜13であることを考慮すると、上記のような2層構成としても、消費電力は低減できる。
このような2層構造の誘電体層は、第1誘電体層15を形成した後に、第2誘電体層用のガラス組成物を塗布し焼成することによって、形成できる。この場合、第1誘電体層15に用いるガラス組成物は、第2誘電体層16に含まれるガラス組成物の軟化点よりも高い軟化点を有することが好ましい。
電極3、4と第2誘電体層16との絶縁、および界面反応防止を確保するため、第1誘電体層16の膜厚は1μm以上とすることが好ましい。
また、絶縁性と透過率を両立させるためには、第1誘電体層15と第2誘電体層16とを合わせた膜厚を10μm〜50μm程度とすることが好ましい。
次に、上記のPDPの作製方法について、一例を挙げて説明する。まず、前面板を作製する。平坦な前面ガラス基板の一主面に、複数のライン状の透明電極(透明導電膜)を形成する。引き続き、透明電極上に銀ペーストを塗布した後、前面ガラス基板全体を加熱することによって、銀ペーストを焼成してバス電極を形成する。このようにして、透明導電膜およびバス電極からなる表示電極を形成する。
表示電極を覆うように、前面ガラス基板の上記主面に、本発明のPDPにおける誘電体層用のガラスペースト(本実施形態の場合は、本発明のガラス組成物を含むガラスペースト)をブレードコーター法によって塗布する。その後、前面ガラス基板全体を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、次いで、580℃前後の温度で10分間焼成を行い、誘電体層を作製する。
誘電体層上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって成膜し、焼成を行い、誘電体保護層(MgO層)を形成する。この時の焼成温度は500℃前後である。
図3に示すように、誘電体層が2層構造になっているPDPの製造方法については、上記と同様、表示電極を覆うように第1誘電体層用のガラスペーストを塗布、乾燥、焼成した後、形成した第1誘電体層を覆うように第2誘電体層用のガラスペースト(本実施の形態の場合は、本発明のガラス組成物を含むガラスペースト)を塗布、乾燥、焼成して第2誘電体層を形成する。
次に背面板を作製する。平坦な背面ガラス基板の一主面に、銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、背面ガラス基板全体を加熱して銀ペーストを焼成することによって、アドレス電極を形成する。
隣り合うアドレス電極の間にガラスペーストを塗布し、背面ガラス基板全体を加熱してガラスペーストを焼成することによって、隔壁を形成する。
隣り合う隔壁同士の間に、R、G、B各色の蛍光体インクを塗布し、背面ガラス基板を約500℃に加熱して上記蛍光体インクを焼成することによって、蛍光体インク内の樹脂成分(バインダー)等を除去して蛍光体層を形成する。
こうして得た前面板と背面板とを封着ガラスを用いて貼り合わせる。この時の温度は500℃前後である。その後、封止された内部を高真空排気した後、希ガスを封入する。以上のようにしてPDPが得られる。
上述したPDPおよびその製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されない。本発明を適用するPDPとしては、上記のような面放電型のものが代表的であるが、これに限定されるものではなく、対向放電型にも適用できる。また、AC型に限定されるものではなく、DC型のPDPであっても誘電体層を備えたものに対して適用することができる。
本発明のガラス組成物は、PDPに限定されず、樹脂と混合してペースト化し、塗布、焼成のプロセスを行う必要があるディスプレイパネルに、有効に使用され得る。
本発明のガラス組成物は、誘電体層によって被覆される電極がAgおよびCuから選ばれる少なくとも1種を含むディスプレイパネルに対し、当該誘電体層の材料として好適に用いられる。電極は、Agを主成分とするものであってもよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
出発原料として、試薬特級以上の各種金属の酸化物または炭酸塩を用いた。これらの原料を、各元素の重量比が、表1に示すようになるように秤量し、充分混合した後、白金坩堝に入れ、900〜1100℃の電気炉中で2時間溶融した。得られた融液を、真鍮板にてプレスすることにより急冷し、ガラスカレットを作製した。このガラスカレットを、平均粒径2〜3μm程度に粉砕し、マクロ示差熱分析計(株式会社リガク製、TG8110型)を用いて、仮のガラス転移温度Tg*と、軟化点Tsを測定した。なお、表1において、「主組成比」とは、ガラス組成物に含まれるBi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときの、Bi23およびMoO3以外の組成成分の重量部である。また、表1における「添加」には、Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、これに対して添加されるBi23および/またはMoO3の重量部が示されている。
次に、ガラスカレットを再溶融し、型中に流し込み、仮のガラス転移温度Tg*+40℃の温度にて30分間アニールしたのち徐冷して、ガラスブロックを作製した。このガラスブロックから、4mm×4mm×20mmのロッドを切断加工により作製し、熱機械分析計(株式会社リガク製、TMA8310型)を用いて、ガラス転移温度Tgと、30〜300℃の間の熱膨張係数αを測定した。また、ガラスブロックから20mm×20mm×厚さ約1mmの板を切断加工により作製し、両面を鏡面研磨した後、その表面に金電極を蒸着し、アジレントテクノロジー株式会社製インピーダンスアナライザ4294Aを用いて、周波数1kHzにて静電容量を測定し、試料の面積と厚さから比誘電率εを算出した。
次に、作製したガラス粉末に、バインダー樹脂であるエチルセルロースと溶剤であるα−ターピネオールとを、3本ロールで混合および分散させてガラスペーストを調製した。
次に、電極パターンを形成した基板(電極付き基板)を用意した。具体的には、厚さ約2.8mmの平坦なソーダライムガラスからなる基板の面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布して乾燥させ、次に銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、基板全体を加熱して銀ペーストを焼成してバス電極を形成することによって、表示電極を作製した。このようにして、電極(表示電極)付き基板を作製した。
この電極付き基板に、上記のように作製した、表1に示す各種ガラス組成物を含むペーストを、ブレードコーター法を用いて塗布し、90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、軟化点Ts+10℃の温度で10分間焼成することによって、厚さ30μmの誘電体層を形成した。
焼成後の黄色着色度合いを観察し、淡着色、中程度着色、濃着色の3段階に分類した。なお、淡着色程度であれば、フィルター等を工夫したり、ガラスにCuO等を微量添加して青みをつけたりすれば使用可能であるが、中程度以上では、実使用上問題となる。
次に、焼成体を切断し、その断面観察により、電極上に発生した気泡の数を観察し、気泡数を極少、少、中、多の4段階に分類した。具体的には、単位面積当たりの気泡の数を顕微鏡で観察して測定することによって、評価を行った。極少であれば全く問題なく、少でも使用可能な場合が多いが、稀に絶縁不良等を生じ、歩留まりが低下する場合がある。中以上では、歩留まりが大幅に低下するため、実際には使用不可能である。
各評価の結果を表1に示す。なお、表において、軟化点Tsの単位は℃、熱膨張係数αの単位は×10-7/℃である。
Figure 2008239396
表1のNo.1〜12は、B23量を増加させながら、PDP用に軟化点が590℃以下、熱膨張係数が70〜80×10-7/℃程度、比誘電率が8.0以下となるように、他の成分量を調整した試料である。これらの試料では、B23量の増加に伴い比誘電率が低下し、特にB23量が60重量部以上となるNo.6〜12では、比誘電率は6.0未満となった。一方、B23は軟化点を低下させる成分であるため、これを増加させると、同じく軟化点を低下させる成分であり、かつ黄変生成の原因とされるアルカリ金属酸化物の量は少なくてすむ。しかしながら、B23量の増加に伴い、黄色着色は濃くなった。また、電極上に生じた気泡も大目であった。
No.1〜12の試料と比較して、Bi23とMoO3とが同時に添加されたNo.13〜24の試料では、MoO3の添加により比誘電率が上昇するため、B23が30重量部未満となるNo.13で比誘電率8.0以下を確保できなかった。また、B23が60重量部のNo.18では、比誘電率6.0未満を確保できなかったが、全体的に黄変および気泡の両方が改善できた。特に、B23量が60重量部を超えて比誘電率6.0未満を実現できるものの、黄変や気泡のために使用不可能であった組成域(No.7〜11の組成域)に対し、Bi23とMoO3とを同時に添加することによって黄変や気泡の発生を抑制して使用可能とすることができた(No.19〜23)。しかしながら、B23量が85重量部のNo.23から電極上の気泡が増加し始め、90重量部のNo.24では、試料は黄白色のすりガラス状となり、使用不可能であった。断面観察からは、微細な気泡が膜全体に観察された。
以上の結果より、B23量は30重量部以上85重量部以下であり、特に、比誘電率を6.0未満に調整しやすくするためには、60重量部を超え、85重量部以下が望ましかった。さらに、気泡の発生を充分に抑制するためには、B23量を85重量部未満とすることが望ましかった。
No.25〜30の組成は、No.8の組成に対して、Bi23またはMoO3を単独で加えたものである。No.25〜30の結果とNo.8とを比較すると、Bi23の単独添加(No.25〜27)は、黄変を多少改善したが、気泡は改善しなかった。また、MoO3の単独添加(No.28〜30)は、特に効果が見られなかった。これらの試料によって、Bi23とMoO3を同時に添加することが重要であることが確認された。
No.31〜46の組成は、No.8の組成に対して、Bi23とMoO3とを様々の量添加したものである。No.31〜46の結果より、Bi23が1重量部未満か、またはMoO3が0.3重量部未満となると、黄変低減、気泡減少の効果が充分ではなかった。一方、Bi23は添加量増加と伴に比誘電率が高くなり、また量が増えすぎると気泡はかえって増加した。MoO3も5重量部を超えると、黄変や気泡はかえって悪化した。従って、この結果から、Bi23は1重量部以上15重量部以下とする必要があり、11重量部以下が望ましく、さらには9重量部未満とすることがより望ましいことがわかった。MoO3は0.3重量部以上5重量部以下とする必要があった。
発明者等は、上記以外にも、種々の組成の組み合わせを検討した。例えばCaOの代わりにMgO、SrO、BaOを用いたり、Li2OやK2Oの代わりにNa2Oを用いたりして検討を行った。何れの場合も、Bi23とMoO3とを同時に適当量添加することによって、低誘電率で、黄変も気泡も生じ難い低軟化点ガラス組成物を得ることが可能であった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で作製したNo.20(表1参照)の組成を有するガラス粉末を用い、実施例1と同様の方法でガラスペーストを用意した。前面ガラス基板として用意した厚さ約2.8mmの平坦なソーダライムガラスからなる基板の面上に、所定のパターンとなるようにITO(透明電極)と銀(バス電極)からなる表示電極を形成し、さらにその上に、本発明のガラスペーストをブレードコーター法を用いて塗布した。その後、この前面ガラス基板を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、590℃の温度で10分間焼成することによって、厚さ約35μmの誘電体層を形成した。
この誘電体層において、30μm厚に換算した場合の透過率は76%であった。また、表示電極および誘電体層が形成された基板の裏面側(電極のない側)において、色彩色差計を用いて反射色を測定した。なお、測定には自然光を用い、基準となる白色板により補正した。その結果、a*値は−2.2、b*値は3.1であった。このa*およびb*は、L***表色系に基づく。a*値は、プラス方向に大きくなると赤色が強まり、マイナス方向に大きくなると緑色が強まる。b*値は、プラス方向に大きくなると黄色が強まり、マイナス方向に大きくなると青色が強まる。一般に、a*値が−5〜+5の範囲であり、かつb*値が−5〜+5の範囲であれば、パネルの着色は観測されない。よって、本発明における誘電体層は、問題となるような着色はないことが確認できた。
上記誘電体層上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって蒸着した後、500℃で焼成することによって誘電体保護層を形成した。
以上のような方法によって、前面板が作製された。
一方、背面板は、以下の方法によって作製された。
まず、背面ガラス基板として用意したソーダライムガラスからなる基板上に、スクリーン印刷によって銀を主成分とするアドレス電極をストライプ状に形成し、引き続き、前面板と同様の方法で、厚さ約40μmの誘電体層を形成した。
次に、誘電体層上に、隣り合うアドレス電極の間に、ガラスペーストを用いて隔壁を形成した。隔壁は、スクリーン印刷および焼成を繰り返すことによって形成した。本実施例において隔壁の形成に用いたガラスペーストは、誘電体層の形成に用いたガラスペーストと同様の方法で作製されたものである。
引き続き、隔壁の壁面と隔壁間で露出している誘電体層の表面に、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体ペーストを塗布し、乾燥および焼成して蛍光体層を作製した。蛍光体としては、上述した材料を用いた。
作製した前面板、背面板をBi−Zn−B−Si−O系の封着ガラスを用いて500℃で貼り合わせた。そして、放電空間の内部を高真空(1×10-4Pa)程度に排気した後、所定の圧力となるようにNe−Xe系放電ガスを封入した。このようにして、PDPを作製した。
作製したパネルは、特に誘電体層に欠陥を生じることもなく、問題なく動作することが確認できた。
本発明のガラス組成物は、電極用絶縁被覆ガラス、特にプラズマディスプレイパネルの表示電極やアドレス電極を被覆するための誘電体層の形成に好適に適用できる。
本発明によるPDPの構成の一例を示す部分切り取り斜視図である。 図1に示したPDPの断面図である。 本発明によるPDPの構成の別の一例を示す断面図である。 本発明によるPDPの構成のさらに別の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 前面板
2 前面ガラス基板
3 透明導電膜
4 バス電極
5 表示電極(第1の電極)
6 誘電体層
7 誘電体保護層
8 背面板
9 背面ガラス基板
10 アドレス電極(第2の電極)
11 誘電体層
12 隔壁
13 蛍光体層
14 放電空間
15 第1誘電体層
16 第2誘電体層
17 誘電体層(第1誘電体層)

Claims (8)

  1. 23、R2O、Bi23およびMoO3を必須成分として含み、且つ、鉛(Pb)を実質的に含まないガラス組成物であって、
    Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、Bi23およびMoO3以外の組成成分が、
    30重量部≦B23≦85重量部
    3重量部≦R2O≦25重量部
    0重量部≦MO≦50重量部
    0重量部≦SiO2≦26重量部
    を満たし、且つ、Bi23およびMoO3が、
    1重量部≦Bi23≦15重量部
    0.3重量部≦MoO3≦5.0重量部
    を満たす、ガラス組成物。
    ただし、RはLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種を示し、MはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種を示している。
  2. Bi23およびMoO3以外の組成成分の合計を100重量部としたときに、B23の含有量が、60重量部を超え、85重量部以下である、請求項1に記載のガラス組成物。
  3. 軟化点が590℃以下であり、熱膨張係数が70×10-7/℃〜80×10-7/℃であり、比誘電率が8.0以下である、請求項1または2に記載のガラス組成物。
  4. ガラス組成物を含む誘電体層によって電極が被覆されているディスプレイパネルであって、
    前記ガラス組成物が請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス組成物である、ディスプレイパネル。
  5. ガラス組成物を含む誘電体層によって電極が被覆されているディスプレイパネルであって、
    前記誘電体層が、前記電極を直接被覆する第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に配置された第2誘電体層とを含み、
    前記第1誘電体層に含まれるガラス組成物がアルカリ金属元素を実質的に含まず、前記第2誘電体層に含まれるガラス組成物が請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス組成物である、ディスプレイパネル。
  6. 第1の電極が設けられた前面板と、前記第1の電極と交差するように第2の電極が設けられており、かつ、前記前面板と対向して配置された背面板と、前記第1の電極および前記第2の電極から選ばれる少なくとも1つの電極を被覆する誘電体層と、放電空間を形成するために前記前面板と前記背面板との間に配置された隔壁と、を含むプラズマディスプレイパネルであって、
    前記誘電体層がガラス組成物を含み、前記ガラス組成物が請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス組成物である、ディスプレイパネル。
  7. 基板上に配置された第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に配置された電極と、前記電極上に配置された第2誘電体層と、を含むディスプレイパネルであって、
    前記第1誘電体層に含まれるガラス組成物が請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス組成物である、ディスプレイパネル。
  8. 前記電極が銀(Ag)および銅(Cu)から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4〜7の何れか1項に記載のディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105753321A (zh) * 2016-03-08 2016-07-13 武汉理工大学 一种钼系金属光泽结晶釉及其制备方法

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