JP2008239015A - 衝撃吸収装置 - Google Patents

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Osamu Ito
修 伊藤
Hidetaka Kobayashi
英貴 小林
Hideyo Kobayashi
英世 小林
Kosuke Matsubara
浩輔 松原
Kenji Murakami
謙二 村上
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NHK Spring Co Ltd
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Abstract

【課題】構造が簡単で確実に衝撃を吸収することができる衝撃吸収装置を提供する。
【解決手段】開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に衝撃吸収部を備える外側パイプ11と、上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプ12と、前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体14と、側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体13と、前記内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設された外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材17と、前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体15と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃吸収装置に関する。
従来から、自動車には、通常、バンパが装備されている。バンパは、物体等に衝突した際の自動車本体の損傷を防止する。また、最近では、パッシブ・セーフティの観点から、衝撃吸収能力を高めるために、バンパ内に衝撃吸収装置が使用されている(特許文献1、2、3、4、5参照)。衝撃吸収装置を使用すれば、自動車本体への衝撃が、さらに軽減される。さらにこれに加え、アクティブ・セーフティの観点から、自動車が歩行者等と衝突した場合に、衝撃吸収装置によって歩行者等への衝撃を軽減しようとする試みもなされている。これによって、重大な人身事故の防止を図るためである。
従来の衝撃吸収装置の一例(特許文献5)について、以下、図面を用いて説明する。図17に示されるように、この例は、自動車のフロントバンパに衝撃吸収装置を取り付けた例である。図18は、この例の衝撃吸収装置の構造を示す一部断面図である。同図に示すように、前記衝撃吸収装置は、外側パイプ231の内部に、内側パイプ232が軸方向に摺動可能な状態で配置されている。前記内側パイプ232は、支持棒を介してモータ240と連結している。同図において、233は、衝撃吸収部を示す。前記外側パイプ231は、自動車本体に固定されている。前記内側パイプ232は、バンパと連結している。前記支持棒のモータ240と連結する一端部分が、ワームギアに形成されている。これにより、モータ240のギアの回転運動を支持棒の前後運動に変換可能である。そして、図17において、矢印210で示すように、通常は、バンパが自動車本体にほぼ接する状態で配置されている。しかし、センサ等により衝突が予測された場合には、矢印220で示すように、モータ240により支持棒を介して内側パイプが突出する。この結果、バンパが前に突き出される。図19及び図20は、図18の衝撃吸収部233の拡大一部断面図である。図19及び図20において、図18と同一部分には同一符号を付している。前記両図に示すように、内側パイプ232はテーパ部を有している。このテーパ部と外側パイプ231内壁との間に、楔状空間236が形成されている。この楔状空間236に移動体234が配設されている。前記移動体234は、剛球である。移動体234は移動体支持棒235により支持されている。そして、バンパに衝撃が加わった場合には、その衝撃は内側パイプ232に伝達される。この結果、衝撃吸収部233で衝撃が吸収される。図20に示されるように、衝撃によって内側パイプ232が、収納方向(自動車本体方向)に摺動すると、内側パイプ232のテーパ部と外側パイプ231内壁から形成される楔状空間236に移動体234が挟まれる。このとき、摩擦力により内側パイプ232の摺動が制限される。そして、摩擦力による制限を越えた衝撃が加わった場合には、移動体234が外側パイプ231の側壁を変形させつつ内側パイプ232が収納方向に摺動する。これにより、衝撃が吸収される。一方、内側パイプ232が突出してバンパが前に突き出された場合であっても、衝撃が加わらなかったときには、前記衝撃吸収装置は、モータ240を駆動させて支持棒を介して内側パイプ232を外側パイプ231内に収納する。これにより、前記衝撃吸収装置は、バンパを元の位置に戻す。その際に、移動体234が、楔状空間236に挟まれないように、移動体支持棒235により所定位置に支持する。
特開平6−64489号公報 特開平11−291845号公報 特開2000−255350号公報 特開2001−71786号公報 特開2002−200949号公報
しかしながら、前記例で示した衝撃吸収装置は、次の問題がある。まず第1に衝撃を吸収する確実性に乏しい点である。前記例の衝撃吸収装置は、移動体234と外側パイプ231内壁の摩擦力および外側パイプ231側壁の変形で衝撃を吸収するメカニズムである。しかし、摩擦係数が小さいと、移動体234が滑ってしまい、この結果、外側パイプ231側壁の変形が生じない。従って、衝撃を確実に吸収できない恐れがある点である。また第2に構造が複雑となり部品点数が増加する点である。前記例の衝撃吸収装置では、衝撃が加わらなかった場合には、前記衝撃吸収装置が内側パイプ232を収納してバンパを元の位置に戻す。しかし、その際に移動体234が楔状空間236に挟まれないよう移動体支持棒235等で支持する必要があり、構造が複雑化して部品点数が多くなるのである。
また更に、前記例で示した衝撃吸収装置は、例えば歩行者等と衝突した場合と車両と衝突した場合とで、吸収できる衝撃量を調整することができない。従って、例えば歩行者等と衝突した場合に最適に衝撃を吸収し車両本体に損傷を与えないように調整した場合、想定した衝撃の数倍乃至十数倍の衝撃が加わる車両との衝突の場合には、自車車両本体の損傷を防止できない。一方、逆に車両との衝突に合わせて調整すれば、歩行者等と衝突した場合には適切に衝撃を吸収できず、歩行者等の損傷を軽減できない。
本発明は、このような事情に鑑み為されたもので、構造が簡単で確実に衝撃を吸収することができ、且つ、衝突対象物に対応して衝撃吸収力を調整可能な衝撃吸収装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によれば、開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、前記内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、開口された上部と外側に向かって突出したフランジを有する底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、外側に向かって突出したフランジを有する上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、前記外側パイプの外周、且つ前記内側パイプ上部のフランジと前記外側パイプ底部のフランジとの間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置が提供される。
さらに、本発明の別の実施形態によれば、開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、前記内側パイプの内側に配設され、前記内側パイプ先端部を押し動かすための押部材と、前記押部材上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置が提供される。
さらにまた、本発明の別の実施形態によれば、開口された上部と底部と側面部とを有する外側パイプと、上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、前記外側パイプの内側且つ前記内側パイプの外側の位置に同軸的に配設され、先端開口縁部が開口方向に向かって拡開状に形成された衝撃吸収パイプと、前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、前記内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置が提供される。
そしてまた、本発明の別の実施形態によれば、開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、開口された上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記側面部内壁にテーパ部と外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備え、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された第1内側パイプと、上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記第1内側パイプの内側に前記第1内側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された第2内側パイプと、前記それぞれの孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記それぞれの孔内に移動自在に配設された複数の移動体と、側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記第1内側パイプ及び前記第2内側パイプに設けられた前記それぞれの孔に対向するように前記第1内側パイプ及び前記第2内側パイプの内部に配設された複数の支持体と、前記第2内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、前記複数の支持体底部と前記第1内側パイプ底部及び第2内側パイプ底部との間にそれぞれ配設された複数の弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置が提供される。
本発明によれば、構造が簡単で確実に衝撃を吸収することができ、且つ、衝突対象物に対応して衝撃吸収力を調整可能な衝撃吸収装置が提供される。
以下、本発明の実施形態に係る衝撃吸収装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるわけではない。また、各実施形態において、同様の構成については同じ符号を付し、改めて説明しない場合がある。
(第1の実施形態)
図1乃至図7及び図15乃至図16に基づき、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置について説明する。図1乃至図7及び図15乃至図16において、同一部分には同一符号が付されている。
図1には、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置の概略構成が示されている。また、図2は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置の一部切り欠き図面である。図2(a)は、平面図であり、図2(b)は、側面図とその切り欠き断面図である。図1に示すように、この衝撃吸収装置は、衝撃吸収装置本体1とモータユニット2を有している。そして、モータユニット2は、コントローラ3と電気的に接続されている。前記コントローラ3は、さらにレーダ31とCCDカメラ32とを有するセンサ装置30と電気的に接続されている。
本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置本体1は、図1に示すように、外側パイプ11、内側パイプ12、支持体13、移動体14、弾性体15及び衝撃吸収部材17から構成される。各部品の全体構成は、図2(b)に示す構成となる。支持体13の下部には、ワイヤ16の一端が接続され、前記ワイヤの他端は、ロック機構20を介してモータユニット2に接続される。
外側パイプ11は、上部が開口され、且つ該上部には該パイプ内側に向かって突出した外側パイプ上部フランジ112を有する。一方底部は、閉じられた形状である。そして、外側パイプ11の内壁には、前記内側パイプ12の突出方向に向かって拡開する状態の外側パイプテーパ部111が形成されている。従って、外側パイプ11は、上部側の内径が大きく、前記外側パイプテーパ部111から底部にかけては内径が小さくなっている。言い換えれば、外側パイプテーパ部111から底部にかけての肉厚が厚く形成されている。この内径が小さい部分は、前記外側パイプテーパ部111と共に外部からの衝撃を吸収する部分であり、衝撃吸収部113という。かかる形状を有する外側パイプ11内には、同軸的かつ軸方向に摺動可能な状態で内側パイプ12が外側パイプ11から突出した状態で配設されている。
内側パイプ12は、底部が開口され、且つ底部には該内側パイプ12の内側に向かって突出した内側パイプ底部フランジ122を有する。一方、内側パイプ12上部は、閉じられた形状である。そして、本実施形態においては、内側パイプ12の側面は、第1側面部123と前記第1側面部よりも内径の大きな第2側面部124と、前記第1側面部123と第2側面部124とを接続する接続部125とを有する。第2側面部124の側壁には、移動体孔121が設けられている。移動体孔121には、前記移動体孔121の直径よりも小さい外径を有する鋼体である移動体14が配置されている。また、内側パイプ12の第2側面部124の内側には、支持体13が、内側パイプ12内壁を摺動可能な状態で配置されている。なお、本実施形態においては、移動体14として鋼球を使用しており、他の実施形態においても同様である。但し、これに限定されるわけではない。
支持体13は、窪みである移動体収容部131を有する。本実施形態においては、垂直方向の断面が凹状で、前記移動体収納部131の内側パイプの突出方向側の側壁は、突出方向に向かって拡開する状態のテーパ部となっている。以下、この部分を支持体テーパ部132という。移動体収容部131の深さは、移動体14の外径よりも浅く形成される。従って、移動体14は、移動体収容部131側に移動した場合でも、内側パイプ12の移動体孔121内にその一部が残った状態となる。支持体13の下部には、ワイヤ16の一端が連結している。支持体13と内側パイプ底部フランジ122との間には、弾性体15が配設されている。本実施形態においては、弾性体15としてばねを用いている。これにより支持体13は、内側パイプ12突出方向(図において上方向)に付勢された状態となっている。そして、上述したように支持体13は内側パイプ12の第2側面部124に配設されているが、弾性体15によって付勢された状態では、支持体13の移動体収容部131の凹状の開口は、内側パイプ12の第2側面部124に設けられた移動体孔121の開口と対向する状態となる。従って、この状態においては、移動体孔121内に配設された移動体14は、移動体収容部131に収容可能な状態となる。なお、移動体収容部131は、支持体13外周に設けられた溝であってもよい。また、テーパ部は外部に向かって突出した半球状であってもよいし、テーパ部を設けなくてもよい。
内側パイプ12内側には、衝撃吸収部材17が配置されている。ここで、本実施形態においては、衝撃吸収部材17としてばねを用いている。衝撃吸収部材17の一端は内側パイプ12の上部の天面内面に接している。また、衝撃吸収部材17の他端は、外側パイプ11の底部に接している。従って、この衝撃吸収部材17によって、内側パイプ12は、その突出方向に付勢された状態になっており、内側パイプ12は外側パイプ11から突出した状態となる。この結果、内側パイプ12に圧力が加わると衝撃吸収部材17が圧縮され、その復元力で再度外側パイプ11から突出した状態となる。また、内側パイプ12の第2側面部124の外径は、外側パイプ11上部の開口の内径よりも大きいため、衝撃吸収部材17により付勢された内側パイプ12は、該内側パイプ12の接続部125が外側パイプ11の上部の外側パイプ上部フランジ112の内側に当接し、この部分で外側パイプ11からの突出が係止される。
上述したように、ワイヤ16は、ロック機構20を介してモータユニット2に接続されている。本実施形態においては、モータユニット2のモータ21に変速機22及びプーリ23を介して接続しているが、これに限定されるわけでない。必要に応じてプーリ23等を介すればよい。
ロック機構20は、コントローラ3の指令に基づいて、所定の場合にモータユニット2によって牽引されたワイヤ16を牽引された状態で固定する。ロックされた状態では、ワイヤ16が接続された支持体13は、ワイヤ16の牽引によって弾性体15を圧縮して、内側パイプ12の内側パイプ底部フランジ122に当接したままの状態となる。従って、ロックが解除されれば、支持体13は、圧縮された弾性体15の復元力によって元の状態に戻る。本実施形態においては、ロック機構20を衝撃吸収装置本体1の外部に配設する例であるが、これに限定されず、例えば、衝撃吸収装置本体1の外側パイプ11底部に配設するようにしてもよい。なお、かかるモータユニット2によるワイヤ16の牽引も、本実施例に係る衝撃吸収装置に衝撃が加わることを感知するセンサ装置30の情報を受けたコントローラ3によって制御するようにし、モータユニット2の動作とロック機構20の動作をコントローラ3によって連動させて制御してもよい。
コントローラ3は、複数の半導体集積回路(IC)等から構成され、センサ装置30の情報を受信して、所定の場合にモータユニット2に対して動作指令を発し、また、ロック機構20の動作を制御する。
本実施形態においては、センサ装置30としてレーダ31とCCDカメラ32を有するセンサ装置30を使用している。レーダ31によって対象物との距離を把握し、CCDカメラ32によって、該対象物の形状等を把握する。対象物との距離及び対象物の形状等は、情報としてコントローラ3に伝達され、コントローラ3が、対象物の形状等から、該対象物が歩行者等か歩行者等以外の物体かを判断し、モータユニット2に必要な指令を発する。なお、センサ装置30の構成は、これに限定されない。
本実施形態では、外側パイプ11及び内側パイプ12には、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)のうちSTKM13Cを用いる。本実施形態では、支持体13には、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)に熱処理を施したもの、具体的には、炭素工具鋼(SK材)のうちSTKM13Cに熱処理を施したもの又はSK7、を用いる。また、本実施形態では、移動体14には、高炭素クロム軸受鋼材(SUJ−2)又は高硬度ステンレス鋼(SUS440C)を用いる。
つぎに、この衝撃吸収装置における支持体13の動きについて、図3乃至図6に基づき説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置の平常時の一部拡大図である。図4は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置のワイヤ16牽引時の一部拡大図である。図5は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置に弱い衝撃が加えられた場合の一部拡大図である。図6は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置に強い衝撃が加えられた場合の一部拡大図である。本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置は、該衝撃吸収装置の外側に取り付けられた部品、例えばバンパ等に衝撃が掛かることを予測した段階で、衝撃を吸収する手段を切替えられることを特徴とする。即ち、歩行者等が衝突する場合等衝撃が弱いと予測される場合と、車両等が衝突する場合等大きな衝撃が掛かると予測される場合とで、衝撃吸収手段を切替える。切替えは、平常時には弱い衝撃に対応する状態で設定し、強い衝撃が予測された場合に、強い衝撃を確実に吸収できる状態に切り替えることによって行われる。支持体13及び移動体14は、この切り替えについて根幹的な役割を果たす。
図3に示されるように、弱い衝撃が予測される時(即ち、平常時)には、内側パイプ12は、外側パイプ11から突出した状態で、衝撃吸収部材17の付勢力により、外側パイプ上部フランジ112内側に内側パイプ12の接続部125が当接した状態のままである。また、支持体13は、弾性体15の付勢力により上方向(内側パイプ突出方向)の内側パイプ接続部125に当接した状態のままである。この状態においては、支持体13の移動体収納部131が、内側パイプ12の移動体孔121の内側開口部に対向した状態であるため、移動体14は、移動体孔121と移動体収納部131との間を自由に移動できる状態にある。
図5に示すように、内側パイプ12に衝撃が加えられた場合、内側パイプ12は、衝撃吸収部材17を圧縮しながら、図5に向かって下方に移動する。内側パイプ12の移動に伴って、移動体孔121に配設されている移動体14は、その一部が外側パイプ11の外側パイプテーパ部111と当接する。内側パイプ12の移動に伴って、移動体14は、外側パイプテーパ部111によって移動体孔121内側に向かって押されることになり、移動体孔121の上部と当接すると逃げ場のない状態になり、さらに外側パイプテーパ部111に押されて、移動体孔121内側さらには支持体13の移動体収容部131方向に移動させられる。さらに内側パイプ12が下方に移動すると、移動体孔121は、外側パイプ11の衝撃吸収部113によって閉塞される状態となる。このとき、移動体14は、衝撃吸収部113の内側で逃げ場が閉ざされるため、移動体収容部131及び移動体孔121に跨設された状態となる。移動体14と外側パイプ11とは、何ら抵抗なく接する状態となり、内側パイプ12が下方に移動しても、移動体14と外側パイプ11との間には、摩擦等はほとんど生じない。内側パイプ12に加えられた衝撃は、内側パイプ12内に配設された衝撃吸収部材17を圧縮するエネルギーとなり、衝撃吸収部材17の変形エネルギーとして吸収される。従って、衝撃吸収装置の衝撃吸収力は、専ら衝撃吸収部材17の衝撃吸収力に依存することになる。
次に、強い衝撃が予測される場合について図4を基に説明する。センサ装置30(図示せず)が、衝突が予測される物体との距離及び物体の形状に関する情報をコントローラ3(図示せず)に伝達し、コントローラ3が、衝突対象物が車両であると認識した場合、コントローラ3は、モータユニット2(図示せず)に対してワイヤ16の牽引指令を発する。前記指令を受けたモータユニット2は、モータ21(図示せず)の回転によって、ワイヤ16の一端が接続されたプーリ23(図示せず)を回転させて、ワイヤ16を所定量巻き取ることでワイヤ16を牽引する。ワイヤ16の牽引に伴い、ワイヤ16の他端が接続された支持体13は、弾性体15を圧縮しながら、内側パイプ12の底部側に移動する。支持体13が下方に移動すると、移動体収容部131に移動体14の一部が収容されていた場合、移動体14は移動体収容部131上部の支持体テーパ部132と当接し、さらに支持体13が下方に移動すると、支持体テーパ部132によって、移動体14は、移動体収容部131の外側方向、さらには、内側パイプ12の移動体孔121の開口外側方向に移動させられる。さらに支持体13が下方に移動すると、支持体13の移動体収容部131以外の部分で、内側パイプ12に設けられた移動体孔121が閉塞される。ワイヤ16がプーリ23の回転によって所定量巻き上げられると、支持体13で圧縮された弾性体15がこれ以上圧縮できない状態となり、ワイヤ16が、これ以上牽引できなくなる。このとき、モータユニット2と連動したロック機構20(図示せず)が作動して、ワイヤ16を巻き上げられた状態で固定する。この結果、図4に示すように、支持体13は、移動体収容部131以外の部分で、移動体孔121を閉塞する状態で固体されることになる。
この状態で、内側パイプ12に強い衝撃が加えられ、内側パイプ12が下方に移動する場合について、図4及び図6を基に説明する。図4に示すように、支持体13の移動体収容部131以外の部分で移動体孔121が閉塞された場合、移動体14は支持体13によって内側パイプ12に設けられた移動体孔121外側に押される状態となり、移動体14の一部は、移動体孔121から突出する。この状態で内側パイプ12が下方に移動すると、移動体孔121から突出した移動体14の一部が、移動に伴って外側パイプ11の外側パイプテーパ部111に当接する。さらに内側パイプ12が下方に移動すると、移動体14は、移動体孔121上部の内側パイプ12に当接し、内側パイプ12の下方への移動に伴って、内側パイプ12によって下方に押されることになる。図6に示すように、さらに内側パイプ12が下方に移動すると、支持体13で移動体孔121が閉塞されているため移動体14は逃げ場がなく、突出した移動体14の一部が、内側パイプ12に押され、外側パイプテーパ部111及びその下側の衝撃吸収部113を圧迫しながら下方に移動する。従って、外側パイプ11の外側パイプテーパ部111及び衝撃吸収部113と移動体14との間で極めて強い摩擦あるいは圧迫を生じることになる。前記摩擦あるいは圧迫により、外側パイプテーパ部111及び衝撃吸収部113が削磨される。言い換えれば削り取られる状態となる。これによって、内側パイプ12に加えられた衝撃が、内側パイプ12内に配設された衝撃吸収部材17のみならず、移動体14を介して外側パイプ11の衝撃吸収部113にも確実に伝えられ、外側パイプ11の衝撃吸収部113の変形エネルギーとして吸収される。従って、衝撃吸収装置の衝撃吸収力は、衝撃吸収部材17の衝撃吸収力に、外側パイプ11の衝撃吸収部113の衝撃吸収力が合算されることになり、より強い衝撃を吸収することができる。
かかる衝撃吸収力は、衝撃吸収装置に配設される移動体14の個数によって調整することができる。図7は、図3のA−A方向の断面図である。図7において、図3と同一部分には、同一符号が付されている。図示のように、本実施形態における衝撃吸収装置では、内側パイプ12側面部の周方向に等間隔で移動体孔121が7個配設されている。各移動体孔121には、移動体14がそれぞれ配設されている。従って、本実施形態においては、衝撃を、衝撃吸収部材17の変形と、7個の移動体14が外側パイプ11の衝撃吸収部113を削磨することで吸収する。なお、移動体14の配設個数は7個に限定されるわけでなく、個数を増やすことによってより強い衝撃を吸収することができる。移動体14の配設個数は、想定される衝撃力に応じて調整することができる。
車両との衝突を予測してワイヤ16を牽引して、移動体孔121を支持体13の上部で閉塞したが、車両との衝突を回避することができた場合は、内側パイプ12に一切の衝撃が加わらない。本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置は、このような場合に、簡単に平常状態に戻すことができる。即ち、モータユニット2でワイヤ16を牽引し、ロック機構20でワイヤ16を固定していたが、ロック機構20を解除することでワイヤ16の固定が開放され、簡単に平常状態に戻すことができる。具体的には、ロック機構20が解除されるとワイヤ16の固定が開放されるため、ワイヤ16の牽引によって圧縮されていた弾性体15は、自身の復元力によって平常時の状態に戻ろうとし、支持体13を内側パイプ12上方に押し上げる。従って、支持体13の移動体収容部131は、内側パイプ12に設けられた移動体孔121に対向する状態となり、移動体14は、外側パイプ11と移動体孔121及び移動体収容部131との間を自由に移動できる状態に戻る。衝撃が加わっていないため外側パイプ11の衝撃吸収部113の内側に損傷はなく、支持体13も内側パイプ12の接続部125に当接する状態となり、平常時の状態に簡易に戻すことができる。従って、衝突が回避できた場合、繰返し使用することができて経済的である。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置は、単純な構成により、弱い衝撃の場合と強い衝撃の場合とで衝撃吸収手段を簡易に切り替えることができる。また、移動体孔121及び移動体14の配設する個数を調整することで、細かな設定ができる。更にまた、強い衝撃に備えて準備した状態から簡単に平常状態に戻すことができる。従って、衝突を回避できた場合、繰返し使用することができる。そのうえ上述したように、本実施例の衝撃吸収装置では、衝撃吸収部に必要な部品の数も少なくて済む。
つぎに、本実施形態に係る衝撃吸収装置を自動車のフロントバンパに取り付けた状態を、図15及び図16の模式図に示す。図15は、自動車の側面から見た図である。図16は、自動車の上側から見た図である。図示のように、衝撃吸収装置本体1は、自動車のエンジンルームの前方に取り付けられている。衝撃吸収装置本体1は、ワイヤ16を介してモータユニット2と連結している。衝撃吸収装置本体1の内側パイプの上部は、フロントバンパの裏面に取り付けられている。モータユニット2は、フロントバンパとエンジンルームとの係合部分の下側に配置されている。運転席のフロントパネル内部には、1つのコントローラ3が配置されている。前記コントローラ3は、モータユニット2と電気的に接続されている。また、自動車のフロントバンパの左右の内部には、センサ装置30のレーダ31がそれぞれ配設され、フロントバンパ中央部にはセンサ装置30のCCDカメラ32が配設されている。センサ装置30は、コントローラ3と電気的に接続されている。図15及び図16に示される衝撃吸収装置本体1において、平常時、内側パイプ12は外側パイプ11から突出した状態である。従って、フロントバンパも、車両本体からその一部又は全部が突出した状態で係止される。センサ装置30及びコントローラ3が、歩行者等の衝撃力の弱い物体との衝突を予測した場合、コントローラ3は、モータユニット2に指令を出さず、内側パイプ12が外側パイプ11から突出した状態で衝突することになり、衝撃は、もっぱら衝撃吸収部材17によって吸収される。一方、センサ装置30及びコントローラ3により、車両等の衝撃力の強い物体との衝突を予測した場合は、コントローラ3からの電気信号によってモータユニット2が駆動し、プーリ32によってワイヤ16を巻き上げ、ワイヤ16を牽引して支持体13を内側パイプ12の底部方向に移動させる。牽引されたワイヤ16はロック機構20によって巻き上げられた状態で固定される。これにより、移動体孔121開口部内側が支持体13によって閉塞され、移動体14の逃げ場がなくなる。フロントバンパに衝撃が加わると、内側パイプ12の外側に一部が突出した移動体14が外側パイプ11と接触し、確実に外側パイプ11の衝撃吸収部113に衝撃を伝える。その結果、衝撃吸収部113及び衝撃吸収部材17により、確実に衝撃が吸収される。一方、衝突が回避できて衝撃が無かった場合は、外側パイプ11の破損がない。このため、本衝撃吸収装置は、コントローラ3からの電気信号によりロック機構20を解除し固定したワイヤ16を開放する。弾性体15が復元力によって元の状態に戻り、これに伴って支持体13を平常時の常態に戻す。これにより、本衝撃吸収装置は、繰り返し使用することが可能である。
本実施形態においては、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置を、フロントバンパ内側中央部に1個配設した例を示したが、これに限定されるわけではない。本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置2個を、フロントバンパの左右に配設し、それぞれにコントローラ3と電気的に接続したモータユニット2及びロック機構を備えてもよい。また、2個以上の複数を配設してもよい。この様に配設する衝撃吸収装置の個数を調整することで、車両等の衝突時の衝撃をより確実に吸収することができる。
また、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置は、フロントバンパ内側に配設するだけでなく、リアバンパ内側に配設してもよい。配設する個数も1個に限定されず、2個又はそれ以上の複数個を配設してもよい。この場合、リアバンパ等にセンサ装置を併せて配設する。
さらに、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置は、車両側面のサイドガード装置として、例えば、大型サイドモール等と組み合わせて使用することも可能である。この様に使用することにより、一般的に車両フロント部分及びリア部分に比して衝突時の衝撃に対して脆弱である、車両サイド部分に対する衝突時の衝撃を効果的に吸収し、乗員の安全を確保することができる。
(実施形態2)
本発明に係る衝撃吸収装置の別の例について説明する。図8は、本発明の実施形態2に係る衝撃吸収装置の断面図である。図8において、図1乃至図7及び図15乃至図16と同一部分には同一符号が付されている。図8に示されるように、この衝撃吸収装置では、内側パイプ12の上部には、内側パイプ12の外側方向に向かって突出するように、突出部分(フランジ)である内側パイプ上部フランジ126が設けられる。また同様に、外側パイプ11の底部には、外側パイプ11の外側方向に向かって突出するように、外側パイプ底部フランジ114が設けられる。これと共に、衝撃吸収部材17が外側パイプ11の外側であって、前記内側パイプ上部フランジ126と前記外側パイプ底部フランジ114との間に配設される。そして、衝撃吸収部材17の一端は内側パイプ上部フランジ126に接続され、他端は外側パイプ底部フランジ114に接続される。また、この例の衝撃吸収装置では、内側パイプ12の側面部に設けられた複数個の移動体孔121を一つの支持体13で閉塞することができるように、支持体13の形状を変えている。即ち、支持体13の形状を上部が閉ざされ底部が開口された円筒形としている。移動体収容部131は、前記円筒形の支持体13の側面外周部に溝として一括して形成される。そして、モーユニット2に接続されたワイヤ16は支持体13の上部中央部に接続される。このような構成にすることにより、本衝撃吸収装置は、支持体13をワイヤ16で引っ張って内側パイプ12に設けられた複数の移動体孔121を、一括して支持体13で同時に閉塞することができる。また、衝撃吸収部材17の径を、実施形態1におけるものよりも大きくすることができるため、衝撃吸収部材17の衝撃吸収力を大きくすることができる。
(実施形態3)
図9に、さらに別の例の衝撃吸収装置を示す。図9は、本発明の実施形態3に係る衝撃吸収装置の断面図である。図9において、図1乃至図8及び図15乃至図16と同一部分には同一符号が付されている。図9に示されるように、この衝撃吸収装置は、押部材18を有することを特徴とする。押部材18は、底部が開口され上部が閉ざされた円筒形の部材である。押部材18は、閉ざされた上部が内側パイプ12の上部内面に接し、開口された底部が支持体13の上部に接するように、内側パイプ12の内側に配設される。衝撃吸収部材17は、押部材18の内側に配設され、且つ、一端が押部材18の上部に接続され他端が外側パイプ11の底部に接続される。また、ワイヤ16の一端は、押部材18の上部中央の位置に接続される。本実施形態3においては、ワイヤ16の牽引に伴い押部材18が下方に移動し、該押部材18の開口された底部を介して支持体13が押され、支持体13が下方に移動させられる。また、内側パイプ12は、押部材18を介して衝撃吸収部材17の付勢力を受けている。このような構成にすることにより、本衝撃吸収装置は、内側パイプ12の内側に移動体14の配設個数に対応して複数配設された支持体13を均等に一括して押すことができるようなる。
また、本発明の実施形態3に係る衝撃吸収装置は、内側パイプ12と押部材18との間に、例えばウレタン材等の第3の弾性体を設けることが可能である。この様な構成とすれば、衝撃吸収部材17と第3の弾性体との弾性を変えることで、内側パイプ12に加えられた衝撃を2段階で吸収することができる。例えば、この様な構成とした衝撃吸収装置を車両バンパに取り付けた場合、バンパに歩行者等の衝撃の弱い物体が衝突した場合であっても、衝突の仕方によって変化する衝撃を確実に吸収することができ、歩行者等の安全確保に効果的である。また、車両等の衝撃力の強い物体と衝突した場合には、本発明の実施形態1及び実施形態2に係る衝撃吸収装置と同様に、移動体14と外側パイプ11と、更に衝撃吸収部材17及び第3の弾性体で衝撃を効果的に吸収できる。
(実施形態4)
図10に、さらに別の例の衝撃吸収装置を示す。図10は、本発明の実施形態4に係る衝撃吸収装置の断面図である。図10において、図1乃至図9及び図15乃至図16と同一部分には同一符号が付されている。図10に示されるように、この衝撃吸収装置では、外側パイプ11の外側パイプテーパ部111及び衝撃吸収部113に代えて、先端開口縁部が、開口方向に向かって拡開状に形成された衝撃吸収パイプテーパ部191を有する衝撃吸収パイプ19を有している。衝撃吸収パイプ19は、外側パイプ11と内側パイプ12の間に、該衝撃吸収パイプ19底部が外側パイプ11の底部に接するように配設される。このとき、衝撃吸収パイプ19の先端部である衝撃吸収パイプテーパ部191は、内側パイプ12に設けられた移動体孔121の開口部と、対向する位置となる。センサ装置30の情報によって、コントローラ3が、強い衝撃が加わることが予測される物体との衝突を予測して、モータユニット2にワイヤ16の牽引を指令した場合、ワイヤ16の牽引によって支持体13が下方に移動させられて移動体孔121を閉塞し、移動体14は、移動体孔121からその一部が突出する。この状態で物体と衝突した場合、内側パイプ12の移動に伴い、移動体孔121から突出した移動体14が、衝撃吸収パイプ19を削磨あるいは圧迫しながら移動する。従って、衝撃を確実に吸収することができる。そして、このような構成にすれば、衝撃吸収装置本体1の構造をさらに単純にすることができ、製造効率の向上と、結果としてコストの低減を図ることができる。また、削磨あるいは圧迫されるのは衝撃吸収パイプ19のみであるため、車両等と衝突した場合であっても、衝撃吸収パイプ19を交換することで、衝撃吸収装置を再利用することができて、エコロジーである。
(実施例5)
図11に、またさらに別の例の衝撃吸収装置を示す。図11は、本発明の実施形態5に係る衝撃吸収装置の断面図である。図11において、図1乃至図10及び図15乃至図16と同一部分には同一符号が付されている。図11に示されるように、この衝撃吸収装置では、前記内側パイプ12は、内径及び外径が異なる2つの内側パイプ12a、12bから構成される。本発明の実施形態5に係る衝撃吸収装置においては、大径の内側パイプ12aの内部に、小径の内側パイプ12bが入れ子状態で配設される。2つの内側パイプ12a、12bにおいて、大径の内側パイプ12aの内壁には、実施形態1等で示した外側パイプ11と同様に、内側パイプテーパ部127及び内側パイプ衝撃吸収部128が形成されている。内側パイプ12aの内側に、支持体13aが配設され、内側パイプ12bの内側に支持体13bが配設される。支持体13aは、弾性体15aにより付勢されており、支持体13aの下部にはワイヤ161の一端が取り付けられている。同様に、支持体13bは、弾性体15bにより付勢されており、支持体13bの下部にはワイヤ162の一端が取り付けられている。2つのワイヤ161、162は、それぞれ、モータユニット2と連結している。内側パイプ12bの内側に、衝撃吸収部材17が配設され、衝撃吸収部材17の一端は内側パイプ12bの上部に接続され、他端は外側パイプ11の底部に接続されている。内側パイプ12a、12bは、衝撃吸収部材17によって付勢されている。このように、本衝撃吸収装置は、内側パイプの構成を2段階以上の多段階に構成されており、かかる構成によって、衝撃吸収部材17と、外側パイプ衝撃吸収部113及び内側パイプ衝撃吸収部128の2箇所とによって衝撃を吸収することができる。従って、本発明の実施形態5に係る衝撃吸収装置は、衝撃吸収能力に優れる。
なお、本発明の実施形態5に係る衝撃吸収装置は、これら複数の内側パイプ12及び外側パイプ11のそれぞれ材質、硬度、肉厚、パイプの径、パイプと移動体(剛球)との接触面積等を調整することによって、より大きな径のパイプから衝撃を吸収するように設定することができる。
(実施形態6)
図12乃至図14に、本発明の衝撃吸収装置のまた別の例を示す。図12及び図13は、本発明の実施形態6に係る衝撃吸収装置の断面図であり、図14は、本発明の実施形態6に係る衝撃吸収装置の平面断面図である。図12乃至図14において、図1乃至図11及び図15乃至図16と同一部分には同一符号が付されている。本実施形態6に係る衝撃吸収装置は、外側パイプ11が弾性変形する条件下で使用される。
本実施形態に係る衝撃吸収装置の構成は、本発明の実施形態1と同様である。但し、本実施形態では、外側パイプ11に弾性特性を有する機械構造用炭素鋼鋼管STKM13Cを用い、これに熱処理を施したものを使用する。なお、外側パイプ11は、これに限定されず、他の機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)又はばね鋼鋼材(SUP10材)などに熱処理を施した弾性特性を有する材料を使用してもよい。また、弾性特性を有する樹脂などを外側パイプ11に使用してもよい。内側パイプ12、支持体13及び移動体14には、外側パイプ11が弾性変形する条件で(塑性変形しない範囲で)上述の実施形態1と同じものを使用する。
図13は、本実施形態6に係る衝撃吸収装置の衝撃吸収時の状態を示す。また、図14は、図13のB‐B方向の断面図である。本実施形態6に係る衝撃吸収装置に衝撃が加えられる時、図13及び図14に示されるように、内側パイプ12が移動体14を介して外側パイプ11の外側パイプテーパ部111を押す。外側パイプ11の外側パイプテーパ部111に加わる衝撃が強い場合、内側パイプ12は移動体14を介して外側パイプ11の内壁を押し、外側パイプ11を弾性変形させる。外側パイプ11自体を弾性変形させることにより、加えられた衝撃エネルギーを変形エネルギーとして吸収し、内側パイプ12内部に配設された衝撃吸収部材17による衝撃吸収と併せて衝撃を吸収する。このとき、図14に示すように、外側パイプ11は、移動体14に押されることで、移動体14との接触部分が該外側パイプ11の外側に向かって膨らんで、衝撃エネルギーを変形エネルギーとして吸収する。従って、本実施形態6に係る衝撃吸収装置は、該衝撃吸収装置内に配設する移動体14の個数を増やすことで、所望の衝撃吸収力を実現できる。
本発明の実施形態6に係る衝撃吸収装置は、上述したように、外側パイプ11に弾性特性を有する材料を使用する。そのため、衝撃吸収時において、外側パイプ11が変形しても、その後、ロック機構20によって固定されていたワイヤ16の固定を開放することで、変形していた外側パイプ11を基の状態に戻すことができる。即ち、内側パイプ12に強い衝撃が加わることが予測された場合、コントローラ3の指令に基づき、モータユニット2がワイヤ16を牽引して支持体13を下方に移動させて、支持体13によって移動体孔121を閉塞する。内側パイプ12が衝撃によって押されて、内側パイプ12の内側パイプ底部フランジ122が外側パイプ11の底部に当接した場合、外側パイプ12の底部等に設けたロック機構開放センサ(図示せず)が感知し、コントローラ3に信号を発信する。前記信号を受けたコントローラ3は、ロック機構20にワイヤ16の固定解除の指令を発信し、ロック機構20が解除される。解除に伴って、ワイヤ16の牽引により下方に移動していた支持体13が、圧縮されていた弾性体15の復元力によって元の状態に戻る。これによって、移動体孔121と移動体収容部131が対向する状態となり、外側パイプ11の弾性復元力で移動体孔121内側に押された移動体14が、前記移動体収容部131側に移動する。衝撃吸収部材17の復元力によって内側パイプ12は元の状態に戻るが、このとき移動体14は、外側パイプ11と、ほとんど摩擦等が生じることなく内側パイプ12と共に移動するため、弾性復元力によって復元していた外側パイプ11を、再度変形させることがない。従って、元の状態に完全に戻すことができる。この結果、本実施形態6に係る衝撃吸収装置は、一旦車両等と衝突して使用された後でも、衝撃吸収装置として繰り返し使用することが可能である。
また、本実施形態6に係る外側パイプ11は、上述した本発明の実施形態2乃至実施形態5に係る衝撃吸収装置の、外側パイプ11、衝撃吸収パイプ19及び内側パイプ12に応用することが可能である。かかる構成とすることで、本発明の実施形態2乃至実施形態5に係る衝撃吸収装置においても、車両等と衝突した場合でも、繰り返し使用することが可能となり、経済的な衝撃吸収装置を提供することができる。
なお、上述した本発明の全ての実施形態に係る衝撃吸収装置において、前記移動体14及び前記移動体孔121の配設個数は、制限されない。上述した実施例においては、それぞれ7個配設しているが、5個でもよいし、9個でもよい。また、奇数個に限定されず、偶数個でもよい。
また、本発明の全ての実施形態に係る衝撃吸収装置において、支持体13に設けた移動体収容部131は、上述したように窪みとして例えば凹型に形成してもよいし、前記支持体13の内側パイプ12に面する側面に、溝として形成してもよい。また、移動体収容部131の支持体13上部側の側面を、内側パイプ12の突出側に向かって拡開する状態としてもよいし、当該部分に半球状の突出部を設けるように形成してもよい。
さらに、本発明の全ての実施形態に係る衝撃吸収装置において、移動体孔121が配設される内側パイプ12の移動体孔121周辺部を、外側パイプ11又は衝撃吸収パイプ19の材質より硬度が高い材質で形成されているようにしてもよい。また、外側パイプ11及び内側パイプ12等の形状についても、円柱状に限定されず、三角柱状、四角柱状、楕円柱状等他の形状であってもよい。
さらにまた、本発明の全ての実施形態に係る衝撃吸収装置において、移動体13は、剛球が好ましい。しかし、本発明はこれに限定されるわけではない。また、移動体13の形状は、球であることが好ましいが、これに限定されず、例えば、円柱状、ラグビーボール形状、オニギリのような三角形状等であってもよい。
また、センサ装置30は、上述した実施形態においては、2個のレーダ31とCCDカメラ32からなる構成としているが、これに限定されるわけではない。また、レーダ31は、ミリ波レーダでもよいし、レーザ・レーダでよく、限定されることはない。さらに、CCDカメラ32についても限定されることはない。
本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置の一部切り欠き図面である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置の平常時の一部拡大図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置のワイヤ16牽引時の一部拡大図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置に弱い衝撃が加えられた場合の一部拡大図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置に強い衝撃が加えられた場合の一部拡大図である。 図3のA−A方向の断面図である。 本発明の実施形態2に係る衝撃吸収装置の概略構成図である。 本発明の実施形態3に係る衝撃吸収装置の概略構成図である。 本発明の実施形態4に係る衝撃吸収装置の概略構成図である。 本発明の実施形態5に係る衝撃吸収装置の概略構成図である。 本発明の実施形態6に係る衝撃吸収装置の概略構成図である。 本発明の実施形態6に係る衝撃吸収装置の動作時の概略図である。 図13のB−B方向の断面図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置を、自動車に取り付けた場合の側面から見た模式図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収装置を、自動車に取り付けた場合の上側から見た模式図である。 従来の衝撃吸収装置の一例を、自動車のフロントバンパに取り付けた模式図である。 従来の衝撃吸収装置の一例の一部断面図である。 図18に示す衝撃吸収装置の衝撃吸収部の拡大一部断面図である。 図18に示す衝撃吸収装置の衝撃吸収部の拡大一部断面図である。
符号の説明
1:衝撃吸収装置本体
2:モータユニット
3:コントローラ
11:外側パイプ
12:内側パイプ
13:支持体
14:移動体
15:弾性体
16:ワイヤ
17:衝撃吸収部材
18:押部材
19:衝撃吸収パイプ
20:ロック機構
30:センサ装置
31:レーダ
32:CCDカメラ
111:外側パイプテーパ部
113:衝撃吸収部
121:移動体孔
127:内側パイプテーパ部
128:内側パイプ衝撃吸収部
131:移動体収容部
132:支持体テーパ部
191:衝撃吸収パイプテーパ部
230:衝撃吸収装置
231:外側パイプ
232:内側パイプ
233:衝撃吸収部
234:移動体
235:移動体支持棒

Claims (14)

  1. 開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、
    上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、
    前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、
    側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、
    前記内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、
    前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置。
  2. 開口された上部と外側に向かって突出したフランジを有する底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、
    外側に向かって突出したフランジを有する上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、
    前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、
    側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、
    前記外側パイプの外周、且つ前記内側パイプ上部のフランジと前記外側パイプ底部のフランジとの間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、
    前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置。
  3. 開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、
    上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、
    前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、
    側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、
    前記内側パイプの内側に配設され、前記内側パイプ先端部を押し動かすための押部材と、
    前記押部材上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、
    前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置。
  4. 開口された上部と底部と側面部とを有する外側パイプと、
    上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された内側パイプと、
    前記外側パイプの内側且つ前記内側パイプの外側の位置に同軸的に配設され、先端開口縁部が開口方向に向かって拡開状に形成された衝撃吸収パイプと、
    前記孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記孔内に移動自在に配設された一つ以上の移動体と、
    側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記内側パイプに設けられた前記孔に対向するように前記内側パイプ内部に配設された支持体と、
    前記内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、
    前記支持体底部と前記内側パイプ底部との間に配設された弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置。
  5. 開口された上部と底部と側面部とを有し、前記側面部内壁に外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備える外側パイプと、
    開口された上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記側面部内壁にテーパ部と外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部を備え、前記外側パイプの内側に前記外側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された第1内側パイプと、
    上部と開口された底部と一つ以上の孔を有する側面部とを有し、前記第1内側パイプの内側に前記第1内側パイプ上部から一部が突出して、同軸的に且つ摺動可能に配設された第2内側パイプと、
    前記それぞれの孔の内径より小さい外径を有する鋼体であって前記それぞれの孔内に移動自在に配設された複数の移動体と、
    側面に移動体収容部を有し、前記移動体収容部が前記第1内側パイプ及び前記第2内側パイプに設けられた前記それぞれの孔に対向するように前記第1内側パイプ及び前記第2内側パイプの内部に配設された複数の支持体と、
    前記第2内側パイプ上部と前記外側パイプ底部との間に配設され、前記内側パイプに対して該内側パイプが前記外側パイプから突出するための付勢力を与え、且つ外部からの衝撃を吸収するための衝撃吸収部材と、
    前記複数の支持体底部と前記第1内側パイプ底部及び第2内側パイプ底部との間にそれぞれ配設された複数の弾性体と、を備えることを特徴とする衝撃吸収装置。
  6. 前記外側パイプに弾性特性を有する材料を使用することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の衝撃吸収装置。
  7. 前記衝撃吸収パイプに弾性特性を有する材料を使用することを特徴とする請求項4に記載の衝撃吸収装置。
  8. 前記外側パイプ及び第1内側パイプに弾性特性を有する材料を使用することを特徴とする請求項5に記載の衝撃吸収装置。
  9. 前記支持体は、ワイヤを有し、前記ワイヤの牽引により前記弾性体が圧縮され、前記孔に対向する前記支持体の移動体収容部以外の部分が前記孔の内側開口を閉塞する状態になることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一に記載の衝撃吸収装置。
  10. 前記衝撃吸収部材及び前記弾性体の少なくとも一つが、ばねであることを特徴とする請求項9に記載の衝撃吸収装置。
  11. 前記移動体が、鋼球であることを特徴とする請求項9乃至請求項10の何れか一に記載の衝撃吸収装置。
  12. さらに、モータユニット及びロック機構を有し、
    前記モータユニットと前記ワイヤとが連結され、前記モータユニットにより前記ワイヤが所定の距離を牽引されると前記ロック機構により前記ワイヤが固定され、ロック機構の解除により前記ワイヤが引戻し可能となることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一に記載の衝撃吸収装置。
  13. さらに、対象物との距離及び対象物の画像を検出するセンサ装置と、
    前記センサ装置、前記モータユニット及び前記ロック機構に電気的に接続され、前記センサ装置の情報に基づいて前記モータユニット及び前記ロック機構に動作の指令を発信するコントローラと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の衝撃吸収装置。
  14. 請求項1乃至請求項13の何れか一に記載の衝撃吸収装置を有することを特徴とする自動車。
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