JP2008238468A - 記録装置および記録媒体の搬送量補正方法 - Google Patents

記録装置および記録媒体の搬送量補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体の搬送量の補正量を設定するために用いるテストパターンを適確に記録して、記録媒体の搬送量の補正量を最適に設定することができる記録装置、および記録媒体の搬送量補正方法を提供すること。
【解決手段】記録媒体Pの搬送量に影響する外乱が安定し、かつ記録媒体Pの姿勢が安定している記録媒体Pの安定搬送期間中に、異なる補正値による記録媒体Pの搬送量の補正を伴って、3種類のテストパターンP1,P2,P3を記録する。そして、それらのテストパターンP1,P2,P3の記録結果に基づいて、記録媒体Pの搬送量を補正する。
【選択図】図13

Description

本発明は、記録媒体の搬送を伴って画像を記録する記録装置、および記録媒体の搬送量を補正するための搬送量補正方法に関するものである。
特許文献1および2には、記録ヘッドの主走査方向の移動と、記録媒体の副走査方向の搬送と、を伴って、記録媒体上に画像を記録する所謂シリアルスキャン方式の記録装置において、記録媒体の搬送量を補正するための方法が記載されている。その搬送量の補正量は、記録媒体に記録したテストパターンの記録結果に基づいて設定される。
特開2003−11347号公報 特開2003−25555号公報
しかしながら、上記の記録装置においては、テストパターンの記録結果と、そのテストパターンの記録時における記録媒体の姿勢と、の関係について考慮されていなかった。そのため、テストパターンの記録時に記録媒体の姿勢が不安定となって、その記録媒体の搬送量、および記録媒体上におけるテストパターンの記録位置が変化するおそれがあった。その場合には、テストパターンの記録結果が乱れて、記録媒体の搬送量の補正量を適切に設定できなくなるおそれがある。
本発明の目的は、記録媒体の搬送量の補正量を設定するために用いるテストパターンを適確に記録して、記録媒体の搬送量の補正量を最適に設定することができる記録装置、および記録媒体の搬送量補正方法を提供することにある。
本発明の記録装置は、記録手段による画像の記録走査位置を通して記録媒体を間欠的に搬送する搬送手段と、前記記録手段よりも前記記録媒体の搬送方向下流側に位置して前記記録媒体を排出する排出手段と、を備える記録装置において、前記記録媒体の搬送量に影響する外乱が安定し、かつ前記記録媒体の姿勢が安定している前記記録媒体の安定搬送期間中に、異なる補正値による前記記録媒体の搬送量の補正を伴って、少なくとも3種類のテストパターンを記録させる制御手段と、前記少なくとも3種類のテストパターンの記録結果に基づいて、前記記録媒体の搬送量を補正するための補正手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の記録媒体の搬送量補正方法は、画像の記録走査位置を通して記録媒体を間欠的に搬送する記録装置における記録媒体の搬送量補正方法であって、前記記録媒体の搬送量に影響する外乱が安定し、かつ前記記録媒体の姿勢が安定している前記記録媒体の安定搬送期間中に、異なる補正値による前記記録媒体の搬送量の補正を伴って、少なくとも3種類のテストパターンを記録させる工程と、前記少なくとも3種類のテストパターンの記録結果に基づいて、前記記録媒体の搬送量を補正する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体の搬送状態が安定しているときに、記録媒体の搬送量の補正量を設定するために用いるテストパターンを記録することにより、そのテストパターンを適確に記録して、記録媒体の搬送量の補正量を最適に設定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用可能な記録装置の要部の斜視図である。
本例の記録装置は、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッド31を用いて、記録媒体としての用紙P(図3参照)上に画像を記録するシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置である。記録ヘッド31は、矢印Xの主走査方向に移動可能なキャリッジ32に着脱可能に搭載され、用紙Pは、主走査方向と交差(本例の場合は直交)する矢印Yの副走査方向に間欠的に搬送される。記録ヘッド31には、インクを吐出可能な複数の吐出口が主走査方向と交差(本例の場合は直交)する方向に配列されて、吐出口列が形成されている。記録ヘッド31がキャリッジ32と共に主走査方向に移動しつつインクを吐出する動作と、用紙Pを副走査方向に搬送する動作と、を繰り返すことによって、用紙P上に画像を記録することができる。
本例の記録ヘッド31には、複数のインクタンク31aが交換可能に装着される。そのインクタンク31aは、例えば、C,M,YおよびK(シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック)の4色のインクを収容するインクタンクである。記録ヘッド31には、これらのインク色毎に対応する吐出口列が形成されており、それらの吐出口列から対応する色のインクを吐出することができる。インクを吐出するための吐出エネルギー発生する手段としては、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、そのときに生じる気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口からインクを吐出することができる。
キャリッジ32は、ガイドシャフト33とガイドレール34によって主走査方向に移動自在にガイドされ、タイミングベルト36を介して、キャリッジモータCRM(図4参照)により主走査方向に駆動される。
給紙機構10には、複数枚の用紙Pを積載可能な圧板12、用紙Pを給紙するための給紙ローラ14(図3参照)、用紙Pを1枚ずつ分離するための分離ローラ15(図3参照)、給紙専用モータ17等が備えられている。給紙専用モータ17の駆動力は、駆動伝達ギア、遊星ギア等を介して給紙ローラ14に伝達される。圧板12は、給紙機構11のベース11に対して回動自在であり、不図示のスプリングによって給紙ローラ14に向けて付勢されている。給紙ローラ14と対向する圧板12の部分には、用紙Pの積載枚数が少なくなった際の用紙Pの重送を防止するために、人工皮等の比較的大きな摩擦係数を有する材料からなる分離シート(図示省略)が装着されている。圧板12は、不図示の圧板カムによって、給紙ローラ14に対して当接または離間される。
分離ローラ15は不図示の分離ローラホルダに支持され、その分離ローラホルダは、ベース11に対して回動自在であり、不図示のスプリングによって給紙ローラ14に向かって付勢されている。分離ローラ15には図示されないクラッチバネが取り付けられており、分離ローラ15に所定以上の負荷がかかると、分離ローラホルダ13が回動する。分離ローラ15は、不図示のリリースシャフトおよびコントロールカム等によって、給紙ローラ14に対して当接または離間される。
給紙機構10が待機状態にあるときに、圧板12は圧板カムによりリリースされ、分離ローラ15はコントロールカムによりリリースされる。この状態から用紙Pの給紙が開始されると、モータ17の駆動力によって、まず、分離ローラ15が給紙ローラ14に当接する。そして用紙Pは、ベース11に設けられた前段分離部(図示省略)により規制されて、所定枚数の用紙Pのみが給紙ローラ14と分離ローラ15との間のローラニップに送られる。このローラニップにおいて用紙Pは分離され、最上段にある1枚の用紙Pのみが給紙ローラ14および分離ローラ15によって搬送される。
用紙Pが後述する搬送ローラ21の位置に達すると、圧板12は圧板カムによってリリースされ、分離ローラ15はコントロールカムによってリリースされ。その際、給紙ローラ14と分離ローラ15との間のローラニップに達していた用紙は、圧板12上の積載位置まで戻される。
搬送機構20(図3参照)には、用紙Pを搬送するための搬送ローラ21が備えられている。その搬送ローラ21は、表面にセラミックの微小粒をコーティングした金属製の軸から成り、その両端の金属部分は、シャーシ9aに取り付けられた軸受によって支持されている。それらの搬送ローラ21と軸受との間には、用紙Pの搬送の安定化を図るために、搬送ローラ21の回転時に負荷を与えるように搬送ローラ21を付勢する引張バネが設けられている。本例における搬送ローラ21の外径は、直径がおよそ11mmとなっている。
搬送機構20は、搬送ローラ21と当接して、それに従動する複数のピンチローラ(従動ローラ)22を含む。各ピンチローラ22は、シャーシ9aに対して回動自在のピンチローラホルダ22aによって保持されると共に、スプリングによって搬送ローラ21に圧接させられる。これらの搬送ローラ21とピンチローラ22は、用紙Pを搬送するための搬送ローラユニットを構成する。ピンチローラホルダ22aには、用紙Pの先端部Paおよび後端部Pbを検出するためのPE(ペーパーエンド)センサとPEセンサレバーが装着されている。
搬送機構20の入口付近には、用紙Pをガイドするガイドフラッパ23(図3参照)およびプラテン24が配置されている。ガイドフラッパ23は、搬送ローラ21と嵌り合うと共に、ガイドフラッパ23の軸受を中心にして回転自在であり、シャーシ9aに当接することにより位置決めされる。プラテン24は、シャーシ9aに位置決め固定されている。搬送ローラ21は、DCモータである搬送モータ26によって回転駆動される。搬送モータ26の駆動力は、タイミングベルトおよびプーリ27(図5)により搬送ローラ21に伝達される。
給紙機構10から搬送機構20に送られた用紙Pは、ピンチローラホルダ22aおよびガイドフラッパ23により案内されて、搬送ローラ21と各ピンチローラ22とから成る搬送ローラユニットへ送られる。その際、用紙Pに対する画像(テストパターンを含む)の記録位置を求めるために、ピンチローラホルダ22aに装着されているPEセンサとPEセンサによって、用紙Pの先端部Paを検出する。その用紙Pは、搬送モータ26により回転させられる搬送ローラ21、およびピンチローラ22によって、プラテン24上を搬送される。プラテン24上には、搬送基準面になるリブが形成されており、そのリブによって、記録ヘッド31とのギャップが管理されると共に、用紙Pの波打ち現象が抑制される。
画像を記録する際には、搬送ローラ21およびピンチローラ22によって、用紙Pが画像を記録すべき行位置(副走査方向の位置)に搬送され、キャリッジモータCRMによって、画像を記録すべき列位置(主走査方向の位置)にキャリッジ32が移動される。これにより、記録ヘッド31が用紙Pの画像形成位置と対向することになる。
排出機構40には、図3のように、2つの排紙ローラ41a,41bと、それらの排紙ローラ41a,41bに所定圧で当接して、それらに従動して回転する拍車42と、が備えられている。排紙ローラ41a,41bに対しては、搬送モータ26の駆動力が不図示のギア列を介して伝達される。互いに対向する排紙ローラ41aと拍車42とは排紙ローラユニットを構成し、同様に、互いに対向する排紙ローラ41bと拍車42も排紙ローラユニットを構成する。したがって、本例のインクジェット記録装置には、複数(2組)の排紙ローラユニットが備えられている。
上流側の排紙ローラ41aは、金属製の軸に複数のゴム車輪を装着したものであり、プラテン24に支持されている。この排紙ローラ41aには、アイドラギア等を介して搬送モータ26の駆動力が伝達される。一方、下流側の排紙ローラ41bは、樹脂製の軸にエラストマ等の弾性体からなる車輪を複数取り付けたものである。この排紙ローラ41bには、上流側の排紙ローラ41aからアイドラギア等を介して駆動力が伝達される。
各拍車42は、周囲に凸形状部が複数設けられたSUSの薄板を樹脂部と一体に成型したものであり、拍車ベース43に取り付けられている。各拍車42は、コイルバネ等の拍車バネを介して拍車ベース43に取り付けられ、その拍車バネによって、対応する排紙ローラ41a,41bに押圧される。各拍車42において、排紙ローラ41aのゴム部または排紙ローラ41bの弾性部に対応する部分は、主に用紙Pの搬送力を生み出す役割を果たす。また、各拍車42において、排紙ローラ41aのゴム部または排紙ローラ41bの弾性部以外の位置に対応する部分は、主に画像の記録の際に用紙Pの浮き上がりを抑制する役割を果たす。
キャリッジ32に搭載された記録ヘッド31によって画像が形成された用紙Pは、排紙ローラ41a,41bと拍車42とにより保持・搬送されて、不図示の排紙トレイ上に排出される。
クリーニング機構45には、記録ヘッド31のクリーニングを行うためのポンプ46、および記録ヘッド31の乾燥を抑制するためのキャップ47が備えられている。さらに、クリーニング機構45には、記録ヘッド31の吐出口周辺における吐出口面(吐出口の形成面)をクリーニングするためのブレード48、およびクリーニングモータ49等が備えられている。
図2は、図1のインクジェット記録装置の制御系のブロック構成図である。
記録装置全体の制御手段として機能するMPU60には、バスラインを介してRAM61およびROM62が接続されている。RAM61は、各種データを一時的に保持等する受信バッファRB、プリントバッファPB、および、記録制御を含む各種制御に伴う演算処理の作業領域として用いられるワークラムWRを有する。ROM62には、各種制御用プログラム等が記憶されている。また、MPU60には、バスラインを介して入出力インターフェース63が接続されており、この入出力インターフェース63には、外部のホストコンピュータ(ホスト装置)HCが接続される。69はEEPROM(不揮発性メモリ)であり、後述するように選択されたテストパターンに関する情報が記憶される。
記録ヘッド31は、ヘッド駆動回路64を介して入出力インターフェース63に接続されており、MPU60によって制御される。同様に、キャリッジ駆動機構30のキャリッジモータCRMは、CRドライバ65を介して入出力インターフェース63に接続され、給紙用の給紙専用モータ17は、給紙ドライバ66を介して、入出力インターフェース63に接続されている。また、搬送ローラユニットおよび排紙ローラユニットを駆動する搬送モータ26は、搬送/排紙ドライバ67を介して入出力インターフェース63に接続されている。また、記録装置に種々のセンサやスイッチ類は、制御回路68を介して入出力インターフェース63に接続されている。
また、69はEEPROM(不揮発性メモリ)であり、後述する、最も画像劣化の少ないテストパターンとして選択された情報が記憶される。
次に、記録装置の記録動作について説明する。
本例においては、キャリッジ32の一方向の移動時にのみ記録ヘッド31からインクを吐出して画像を記録する片方向記録方式と、4パスのマルチパス記録方式と、を採用して画像を記録する場合について説明する。このような記録方式は4パス片方向記録方式と称され、用紙P上の単位記録領域に対して、キャリッジ32の一方向の移動を伴う記録動作と、用紙Pの搬送動作と、を4回繰り返すことによって画像を完成させる。
また、本例における記録ヘッド31は、1色のインクに対して、512ノズルを形成する512の吐出口が備わっている。それらのノズルのピッチは、1200dpi(ドット/インチ)に相当する。また、図3および図4に示したように、それらの512ノズルを128ノズルずつに4等分したノズル群をA,B,C,Dとし、それらは用紙Pの搬送方向の上流側からノズル群A,B,C,Dの順に位置する。
図5から図7は、4パス片方向記録方式によって、記録ヘッド31の16回の走査によって、用紙P上の領域f1からf13に画像を記録する場合の説明図である。領域f1からf13のそれぞれに記録される画像は、記録ヘッド31の4回の走査によって完成される。図5および図6においては、説明の便宜上、用紙Pが矢印Yの副走査方向に搬送される代わりに、記録ヘッド31が副走査方向と反対の方向に移動するものとしている。
まず1走査目は、図5のように、ノズル群Aから領域f1にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm(1200dpi×128に相当)搬送する。次の2走査目では、ノズル群AおよびBから領域f1、f2にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm搬送する。次の3走査目では、ノズル群A、BおよびC群から領域f1、f2、f3にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm搬送する。次の4走査目では、ノズル群A、B、C、Dから領域f1、f2、f3、f4にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm搬送する。ここまで1,2,3,4走査目の走査によって、領域f1に記録すべき画像が完成し、このことをf1(1,2,3,4)と表す。
次の5走査目から13走査目までにおいては、ノズル群A、B、C、Dの全てからのインクの吐出と、用紙Pの約2.7093mmの搬送と、を繰り返す。この13走査目までの操作によって、領域f1からf10に記録すべき画像が完成する。その領域f10に記録すべき画像は、図6のように11,12,13,14走査目の走査によって完成し、このことをf10(11,12,13,14)と表す。
14走査目では、ノズル群B、CおよびDから領域f11,12,13にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm搬送する。次の15走査目では、ノズル群CおよびDから領域f12,13にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm搬送する。次の16走査目では、ノズル群Dから領域f13にインクを吐出し、その後、用紙Pを約2.7093mm搬送する。これらの14,15,16走査目に、領域f11,12,13に記録すべき画像が完成する。
以上の16回の走査によって、副走査方向において約35mmの領域f1からf13に、画像が記録されることになる。本例において、この副走査方向における画像の長さの約35mmは、搬送ローラ21の1周分の周長(約34.6mm)に略等しくなっている。
図8は、1走査目から7走査目において記録される画像と、記録領域f1からf7と、の関係の説明図である。図8において、記録ヘッド31のノズル群AからDのそれぞれは、4つずつに等分割されて表されている。この図8は、用紙Pの約2.7093mmの搬送が正確に実施されている状態を表している。
図9は、搬送ローラ21が1回転したときに生じるおそれのある用紙Pの搬送量の誤差を説明するための図である。その搬送量の誤差は、搬送ローラ21の外径寸法等の影響によって搬送量の中心値が変化する中心値誤差と、搬送ローラ21の偏芯等の影響によって搬送量が周期的に変化する周期的誤差と、からなる。曲線L1は、中心値誤差が0、周期的誤差が振幅6μmの誤差が生じた状態を示す。また、曲線L2は、中心値誤差が+3μm、周期的誤差が振幅6μmの誤差が生じた状態を示し、曲線L3は、中心値誤差が−3μm、周期的誤差が振幅6μmの誤差が生じた状態を示す。
例えば、搬送量の誤差が+5μm以上、或は、−5μm以下になったときに、記録画像の劣化が目視によって確認される場合には、曲線L1のように誤差が生じても記録画像の劣化は目視によって確認されることはない。しかし、曲線L2にように誤差が生じた場合には、図9中のAの回転範囲において記録画像の劣化が目視により確認され、A1の回転位置において最も顕著に確認される。また、曲線L3にように誤差が生じた場合には、図9中のBの回転範囲において記録画像の劣化が目視により確認され、B1の回転位置において最も顕著に確認される。
後述するように、曲線L2,L3のように搬送量の誤差が生じる記録装置においては、搬送量の誤差を検出するためのテストパターンとして、搬送ローラ21の1周分の長さの画像を用紙Pに記録することが効果的となる。仮に、そのテストパターンが搬送ローラ21の1周分の長さの画像でない場合には、搬送量の誤差を見逃してしまうおそれがある。本例においては、前述したような16回の走査によって、搬送ローラ21の1周分の周長(約34.6mm)とほぼ同じ長さの約35mmのテストパターンを記録する。テストパターンの長さ(用紙Pの搬送方向における長さ)は、搬送ローラ21の1周分の長さ(外周長)と略等しければよく、また、それよりも長くてもよい。
図10は、搬送量の誤差を検出するためのテストパターンの記録位置を説明するための図である。本例においては、用紙Pとして、A4サイズのコート紙であるHR101Sを使用した場合について説明する。コート紙は、光沢紙のように高価ではなく、比較的安価であり、しかも、普通紙よりもインクが滲み難く、搬送量の誤差を検出するためのテストパターンを記録する用紙として適している。
記録装置において、搬送量の誤差を検出して、その補正量を決定のためのシーケンスがスタートすると、先ず、搬送量の誤差を検出するための第1のテストパターンP1を用紙P上に記録する。そのテストパターンP1の記録は、用紙Pの先端部Paから約54mm離れた位置から開始する。この約54mmを設定したことにより、テストパターンP1の記録開始時には、図3のように、用紙Pの先端部Paが排紙ローラ41bと拍車42との間のニップ部を通過した後の状態となる。したがって、記録ヘッド31との対向位置における用紙Pの姿勢が安定し、その先端部Paがカールなどの影響によって浮き上がって姿勢が変化することがない。この結果、安定した姿勢の用紙Pに対して、記録ヘッド31から吐出したインクを正確に着弾させて、テストパターンP1を適確に記録することができる。先端部Paのカールなどの影響によって用紙Pの姿勢が変化した場合には、その用紙Pに対するインクの着弾位置に乱れが生じるおそれがある。
また、用紙Pの先端部Paが排紙ローラ41aと拍車42との間のニップ部、および、排紙ローラ41bと拍車42との間のニップ部に進入するときに受ける衝撃、或は、抵抗などの外乱は、用紙Pの搬送量に影響を及ぼすおそれがある。しかし、用紙Pの先端部Paが排紙ローラ41bと拍車42との間のニップ部を通過してからテストパターンP1の記録を開始するため、テストパターンの記録中には、そのような外乱の影響を受けることがない。
このように、本例においては、インクの着弾位置の乱れが生じるおそれのある状況、および用紙Pの搬送量が変化するおそれのある状況を避けて、テストパターンを記録する。また、このときは、用紙Pの搬送方向上流側の部分が給紙機構10上にあるため、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部から後端部Pbに至る用紙Pの部分は、湾曲した姿勢に保たれている。
テストパターンP1は、図10のように、用紙Pの幅方向におけるほぼ中央の位置に、約80mmの幅に記録される。後述するテストパターンP2,P3の用紙Pの幅方向における記録位置も、テストパターンP1と同じである。
テストパターンP1の副走査方向における長さは、前述したように搬送ローラ21の偏芯等の影響を考慮して、約35mmとする。ただし、このテストパターンP1を記録するときに、記録走査の相互間において用紙Pを搬送する搬送量は、前述した約2.7093mm(1200dpi×128に相当)よりも約1.3μm短い約2.708mmとする。したがって、その約1.3μmは、用紙Pの搬送量を減少させるための補正値となる。
図11は、このようなテストパターンP1の記録状態の概念図である。用紙Pの搬送量が約2.708mmとなっているため、副走査方向において約2.7mmの長さの画像を完成毎に、5回の走査によって記録されてしまう約5.2μmの長さの範囲S1が生じる。そのため、その範囲S1の記録画像は、他の範囲の記録画像よりも濃度が濃くなってしまう。また、テストパターンP1の記録時には、図10のように、そのテストパターンP1の横に、それが第1のテストパターンであることを示す数字”1”を同時に記録する。この数字は、後述するように搬送量の補正値を選択するために用いられる。
このようにしてテストパターンP1を記録した後、図10のように、副走査方向に約4mmのスペースを空けてからテストパターンP2を記録する。テストパターンP1と同様に、このテストパターンP2も35mmの幅に記録される。ただし、このテストパターンP2を記録するときに、記録走査の相互間において用紙Pを搬送する搬送量は、前述した約2.7093mm(1200dpi×128に相当)とする。このテストパターンP2の記録時には、図10のように、そのテストパターンP2の横に、それが第2のテストパターンであることを示す数字”2”を同時に記録する。
このようにしてテストパターンP2を記録した後、図10のように、副走査方向に約4mmのスペースを空けてからテストパターンP3を記録する。テストパターンP1およびP2と同様に、このテストパターンP3も35mmの幅に記録される。ただし、このテストパターンP3を記録するときに、記録走査の相互間において用紙Pを搬送する搬送量は、前述した約2.7093mm(1200dpi×128に相当)よりも約1.3μm長い約2.7106mmとする。したがって、その約1.3μmは、用紙Pの搬送量を増加させるための補正値となる。
図12は、このようなテストパターンP3の記録状態の概念図である。用紙Pの搬送量が約2.7106mmとなっているため、副走査方向において約2.7mmの長さの画像を完成毎に、3回の走査によって記録される約5.2μmの長さの範囲S2が生じる。そのため、その範囲S2の記録画像は、他の範囲の記録画像よりも濃度が薄くなってしまう。また、テストパターンP3の記録時には、図10のように、そのテストパターンP3の横に、それが第3のテストパターンであることを示す数字”3”を同時に記録する。
図4は、テストパターンP1,P2,P3の記録が完成した時点の状態の説明図である。この状態においては、図3のようなテストパターンP1の記録開始時と同様に、用紙Pの搬送方向上流側の部分が給紙機構10上にあるため、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部から後端部Pbに至る用紙Pの部分は湾曲した姿勢に保たれる。
このように、テストパターンP1の記録開始から、テストパターンP3の記録が終了するまでの間、用紙Pはほぼ同一の姿勢に保たれることになる。したがって、テストパターンP1,P2,P3の記録動作中は、用紙Pの搬送系路上における用紙Pの搬送抵抗(用紙Pの剛性などの影響を受ける)をほぼ同一に維持することができる。この結果、用紙Pの搬送に影響する外乱がほぼ等しい状態において、テストパターンP1,P2,P3を記録して、それら記録時において、所期とおりの用紙Pの搬送量を実現することができる。
テストパターンP3の用紙Pへの記録が完了すると、その用紙Pが排紙ローラユニットによって記録装置の外へ排出されて、搬送量の誤差を検出するためのテストパターンの記録シーケンスが終了する。
図13は、テストパターンP1,P2,P3の記録結果の一例を説明するための図である。
本例の場合、テストパターンP1では黒スジLaが記録濃度のむら(以下、「濃度ムラ」ともいう)として視認され、テストパターンP2では濃度ムラは視認されない。また、テストパターンP3では白スジLbが濃度ムラとして視認される。このように、テストパターンP1,P2,P3は、目視により記録濃度の差が認識可能なパターンである。ユーザーは、これらのテストパターンP1,P2,P3の記録結果を目視することにより、テストパターンP2の記録時における搬送量が最適であること、つまり用紙Pの搬送量の補正が必要ないことが判別できる。そしてユーザーは、このような判別結果に基づいて、記録装置における用紙Pの搬送量として、テストパターンP2の記録時の搬送量を設定する。そのためにユーザーは、例えば、記録装置に備わるキースイッチを2回押して、テストパターンP2に対応する数字の”2”を入力する。記録装置には、テストパターンP1,P2,P3と前述した数字”1”,”2”,”3”との対応関係が記憶されており、その数字を入力することによって、それに対応するテストパターンが選択される。このようにテストパターンを選択するための入力情報は、EEPROM69(図2参照)に記憶される。
仮に、テストパターンP1,P2,P3の記録結果において、テストパターンP1が最も濃度ムラの少ないパターンとして視認された場合には、これらのテストパターンを記録した記録装置の特性が次のように判定される。すなわち、その記録装置は、搬送ローラ21の外径の影響等により、用紙Pの搬送量が長くなってしまう記録装置であることが判る。この場合には、テストパターンP1を選択するために、例えば、記録装置に備わるキースイッチを1回押して、テストパターンP1に対応する数字の”1”をEEPROM69に記憶させる。これにより、記録装置における用紙Pの搬送量として、テストパターンP1の記録時の搬送量を設定する。例えば、光沢紙や普通紙などの用紙Pの種類、あるいは、副走査方向における用紙P上の画像の記録位置に応じて、用紙Pの搬送量の補正値が予め設定されている場合には、その補正値がさらに補正されることになる。すなわち、予め設定されている用紙Pの搬送量の補正値に対して、4回の走査によって画像が完成する毎における用紙Pの搬送量を約5.2μm短くするように補正を加える。
より具体的に、4回の走査によって画像が完成する4パス記録方式の場合には、前述したように、1改行時の搬送量(約2.7093mm)を約1.3μm減算することにより、画像が完成する4改行時の搬送量を約5.2μm減算する。また、2回の走査によって画像が完成する2パス記録方式の場合には、1改行時の搬送量(約5.4187mm)を約2.6μm減算することにより、画像が完成する2改行時の搬送量を約5.2μm減算する。
また仮に、テストパターンP1,P2,P3の記録結果において、テストパターンP3が最も濃度ムラの少ないパターンとして視認された場合には、これらのテストパターンを記録した記録装置の特性が次のように判定される。すなわち、その記録装置は、搬送ローラ21の外径の影響等により、用紙Pの搬送量が短くなってしまう記録装置であることが判る。この場合には、テストパターンP3を選択するために、例えば、記録装置に備わるキースイッチを3回押して、テストパターンP3に対応する数字の”3”をEEPROM69に記憶させる。これにより、記録装置における用紙Pの搬送量として、テストパターンP3の記録時の搬送量を設定する。例えば、光沢紙や普通紙などの用紙Pの種類、あるいは、副走査方向における用紙P上の画像の記録位置に応じて、用紙Pの搬送量の補正値が予め設定されている場合には、その補正値がさらに補正されることになる。すなわち、予め設定されている用紙Pの搬送量の補正値に対して、4回の走査によって画像が完成する毎における用紙Pの搬送量を約5.2μm長くするように補正を加える。
より具体的に、4回の走査によって画像が完成する4パス記録方式の場合には、前述したように、1改行時の搬送量(約2.7093mm)を約1.3μm加算することにより、画像が完成する4改行時の搬送量を約5.2μm加算する。また、2回の走査によって画像が完成する2パス記録方式の場合には、1改行時の搬送量(約5.4187mm)を約2.6μm加算することにより、画像が完成する2改行時の搬送量を約5.2μm加算する。
以上のようにして、用紙Pの搬送量を補正するためのシーケンスが終了する。
本例においては、テストパターンを記録するための記録方式として、4パス片方向記録方式を採用した。この記録方式は、用紙Pの搬送量の誤差を判別しやすいテストパターンを記録する上において好ましい。この4パス片方向記録方式は、前述したように、キャリッジ32が一方向に移動するときにのみ、記録ヘッド31から吐出するインクによって画像を記録し、かつ4回の走査によって画像を完成させる記録方式である。仮に、1回だけの走査によって画像を完成させる1パス記録方式を用いてテストパターンを記録した場合には、記録ヘッドにおけるノズルの状態、および用紙Pに着弾するインクの状態の影響を受けやすい。そのため、そのテストパターンの記録結果から、用紙Pの搬送量の誤差を判別することが難しくなる。また仮に、キャリッジが一方向よび他方向に移動するときに、記録ヘッドから吐出するインクによって画像を記録する双方向記録方式を用いてテストパターンを記録した場合には、キャリッジの移動方向によって移動速度が変化して画像が劣化するおそれがある。そのため、そのテストパターンの記録結果から、用紙Pの搬送量の誤差を判別することが難しくなる。
また、テストパターンを記録するための色としては、例えば、シアンおよびマゼンタの2色のインクによって表現する一様な濃度のブルー、あるいは、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクによって表現する一様な濃度のグレーが適している。
本実施形態によれば、個々の記録装置毎に、搬送ローラ等の影響により発生する記録媒体の搬送誤差に検出して、適切な補正値を容易かつ少ない労力によって設定することができる。この結果、安価な構成であっても記録媒体の搬送誤差を補正して画像の劣化を抑えることができる記録装置を提供することが可能となる。
(第2の実施形態)
前述した実施形態においては、選択したテストパターンから搬送量の補正値を記録装置に設定する処理について説明した。本実施形態においては、選択したテストパターンを確認するための確認シーケンスを含む。この確認シーケンスにおいては、選択したテストパターンに対応する数字を用紙に記録すると共に、選択されたテストパターンの記録時における用紙の搬送量の補正値を反映させて、補正量確認用のテストパターンを用紙に記録する。このような確認シーケンスを実行することにより、用紙の搬送量の補正値の有効性を確認して、より確実に補正値を決定することができる。
確認シーケンスにおいては、選択したテストパターンに対応する数字を用紙に記録するだけでもよく、または、選択されたテストパターンの記録時における用紙の搬送量の補正値を反映させて、補正量確認用のテストパターンを用紙に記録するだけでもよい。このよう場合にも同様の効果を得ることができる。
また、前述したテストパターンおよび確認シーケンスによる記録内容は、記録装置の工場出荷時に記録される出荷検査パターン内に組み込んでおいてもよい。そして、他の確認用のパターンを用紙に記録すると同時に、その用紙上に、前述したテストパターンおよびテストパターン確認シーケンスによる記録を行ってもよく、この場合にも同様の効果を得ることができる。また、前述したテストパターンのサイズ、数、およびテストパターンの記録時における用紙の搬送量などは、何ら上述した実施形態のみに特定されない。
(第3の実施形態)
前述した実施形態において、テストパターンの記録時には、用紙Pの搬送方向上流側が給紙機構10上に存在することにより、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部から後端部Pbに至る用紙Pは湾曲した姿勢に保たれる。記録装置の構成によっては、用紙Pの後端部Pbが給紙機構10上に存在せず、記録ヘッド31の付近における用紙Pの姿勢が用紙Pの搬送方向と略平行に保たれることがある。この場合には、記録ヘッド31の付近における用紙Pの姿勢が搬送方向と略平行の姿勢に保たれる間に、テストパターンを記録することにより、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。但し、この場合には、用紙Pの後端部Pbが搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部を通過する以前に、テストパターンの記録が終了しなければならないことは勿論である。
また、前述した実施形態においては、最も濃度ムラの少ないテストパターンを目視により選択した。しかし、最も濃度ムラの少ないテストパターンの選択方法は、目視のみに特定されない。例えば、記録装置の工場出荷時に用紙の搬送量を補正する場合には、テストパターンの記録結果を光学的に読み取るためのセンサをキャリッジに搭載して、そのセンサの読み取り結果に基づいて、最も濃度ムラの少ないテストパターンを選択することもできる。また、キャリッジに画像の読み取りセンサが搭載されている記録装置の場合には、そのセンサによるテストパターンの読み取り結果に基づいて、最も濃度ムラの少ないテストパターンを選択するように構成することができる。いずれの選択方法によっても、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施形態においては、テストパターンを記録するために4パス片方向記録方式を用いた。しかし、テストパターンの記録方式は、4パス片方向記録方式のみに特定されない。例えば、2パス片方向記録方式などの複数パスの片方向記録方式によってテストパターンを記録しても、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。但し、パス数を多くし過ぎると記録作業に要する時間が長くなると共に、ノイズの影響により濃度ムラの判別が難しくなるおそれがある。このような観点からは、4パスまたは2パスの記録方式によってテストパターンを記録することが好ましい。
また、テストパターンは片方向記録方式によって記録することが好ましい。しかし、双方向記録方式によって生じるおそれのある画像の劣化の要因を補正した場合には、その双方向記録方式によってテストパターンを記録しても前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施形態におけるテストパターンの記録に関する数値、例えば、約54mmおよび約35mmなどの数値は、記録装置の構成などに応じて決定される値であり、何ら、前述した実施形態の値に限定されるものではない。
また、前述した実施形態では、異なる搬送量を伴って3種類のテストパターンを記録して、それらの中から最も濃度ムラの少ないものを選択した。しかし、記録するテストパターンの種類は3種類に限定されず、テストパターンの選択肢が3つに限定されるわけではない。テストパターンが記録される用紙が略等しい外乱の影響を受けて搬送される間であって、その用紙が安定した姿勢で搬送される間であれば、テストパターンを何種類記録してもよく、それに応じてテストパターンの選択肢を幾つにしてもよい。要は、用紙が受ける外乱の影響が略等しく、かつ用紙の姿勢が安定している用紙の搬送範囲内において、テストパターンを記録することができればよい。
また、テストパターンを記録する用紙としては、前述したHR101Sのコート紙のみに限定されないことは勿論であり、用紙の搬送量の差に起因する記録画像の濃度ムラが判別できるものであれば、どのような用紙を使用してもよい。また、テストパターンを記録するインクの色は、一様な濃度であって、用紙の搬送量の差に起因する記録画像の濃度ムラが判別できるものであればよい。
(第4の実施形態)
前述した実施形態では、用紙が受ける外乱の影響が略等しい用紙の搬送範囲内において、テストパターンを記録した。より具体的には、第1および第2の実施形態においては、搬送ローラ21とピンチローラ22との間のニップ部から後端部Pbに至る用紙Pが湾曲した姿勢に保たれているときにテストパターンを記録する。また、第3の実施形態においては、記録ヘッド31の付近における用紙Pが搬送方向と略平行の姿勢に保たれる間に、テストパターンを記録する。
本実施形態においては、第1および第2の実施形態のように用紙Pが湾曲した姿勢に保たれている期間(第1期間)中に、テストパターンP1,P2,P3を記録する。その後、用紙Pの後端部Pbが給紙機構10上から外れて、第3の実施形態のように用紙Pが搬送方向と略平行に保たれている期間(第2期間)中に、テストパターンP1,P2,P3を記録する。そして、前者のテストパターンP1,P2,P3の中から最も濃度ムラの少ないテストパターンを選択し、その選択したテストパターンに対応する搬送量の補正値を第1補正値とする。同様に、後者のテストパターンP1,P2,P3の中から最も濃度ムラの少ないテストパターンを選択し、その選択したテストパターンに対応する搬送量の補正値を第2補正値とする。
そして、前者のテストパターンP1,P2,P3の記録時のように用紙Pの姿勢に保たれている期間中に、用紙Pを搬送するときの搬送量の補正値(第1記録領域における搬送量の補正値)を予め設定しておき、その補正値に対して第1補正値を反映させる。同様に、後者のテストパターンP1,P2,P3の記録時のように用紙Pの姿勢が保たれている期間中に、用紙Pを搬送するときの搬送量の補正値(第2記録領域における搬送量の補正値)を予め設定しておき、その補正値に対して第2補正値を反映させる。
このように、第1および第2記録領域において予め設定されて搬送量の補正値に対して、第1および第2補正値をそれぞれ反映させることにより、それぞれの記録領域内において用紙の搬送量を適確に設定することができる。また、テストパターンP1,P2,P3を記録する期間は、第1および第2の2つの期間のみならず、3つ以上の期間であってもよい。要は、記録媒体の搬送量に影響する外乱が安定し、かつ記録媒体の姿勢が安定している記録媒体の安定搬送期間であればよい。また、安定搬送期間を複数設定し、それぞれの安定搬送期間毎において記録した少なくとも3種類のテストパターンに基づいて、それぞれの安定搬送期間に対応する記録媒体上の記録領域毎に、記録媒体の搬送量を補正してもよい。
(他の実施形態)
本発明は、記録ヘッドによる画像の記録走査位置を通して記録媒体を間欠的に搬送する搬送機構と、記録ヘッドよりも録媒体の搬送方向下流側に位置して記録媒体を排出する排出機構と、を備える記録装置において、広く適用することができる。本発明は、要は、記録媒体の搬送量に影響する外乱が安定し、かつ記録媒体の姿勢が安定している記録媒体の安定搬送期間中に、異なる補正値による記録媒体の搬送量の補正を伴って、少なくとも3種類のテストパターンを記録させることができればよい。そして、それらのテストパターンの記録結果に基づいて、録媒体の搬送量を補正することができる。それらのテストパターンは、複数回の記録走査と、記録媒体の複数の搬送と、を伴って記録することができる。
また、記録媒体の安定搬送期間は、記録媒体の先端部が排出機構を通過してから、記録媒体の後端部が搬送機構を通過するまでの期間であり、かつ搬送機構から記録媒体の後端部までの記録媒体の姿勢が変化しない期間であればよい。
また、記録手段としては、インクジェット記録ヘッドのみに特定されず、種々の記録ヘッドを用いることができる。
本発明の第1実施形態における記録装置の内部構造を説明するための斜視図である。 図1の記録装置の制御系のブロック構成図である。 図1の記録装置による第1のテストパターンの記録開始時における用紙の状態の説明図である。 図1の記録装置による第3のテストパターンの記録終了時における用紙の状態の説明図である。 図1の記録装置が4パス片方向記録方式によって画像を記録するときの画像の記録状況の説明図である。 図1の記録装置が4パス片方向記録方式によって画像を記録するときの画像の記録状況の説明図である。 図1の記録装置によるテストパターンの記録状況の説明図である。 図1の記録装置による第2テストパターンの記録状況の説明図である。 図1の記録装置における搬送ローラが1周するときに生じる用紙の搬送誤差の説明図である。 図1の記録装置による第1、第2、および第3テストパターンの記録位置の説明図である。 図1の記録装置による第1テストパターンの記録状況の説明図である。 図1の記録装置による第3テストパターンの記録状況の説明図である。 図1の記録装置によるテストパターンの記録結果の一例の説明図である。
符号の説明
9 プリント機構
10 給紙機構
14 給紙ローラ
15 分離ローラ
20 搬送機構
21 搬送ローラ
22 ピンチローラ
24 プラテン
31 記録ヘッド
32 キャリッジ
40 排出機構
41a,41b 排紙ローラ
42 拍車
60 MPU
69 EEPROM

Claims (15)

  1. 記録手段による画像の記録走査位置を通して記録媒体を間欠的に搬送する搬送手段と、前記記録手段よりも前記記録媒体の搬送方向下流側に位置して前記記録媒体を排出する排出手段と、を備える記録装置において、
    前記記録媒体の搬送量に影響する外乱が安定し、かつ前記記録媒体の姿勢が安定している前記記録媒体の安定搬送期間中に、異なる補正値による前記記録媒体の搬送量の補正を伴って、少なくとも3種類のテストパターンを記録させる制御手段と、
    前記少なくとも3種類のテストパターンの記録結果に基づいて、前記記録媒体の搬送量を補正するための補正手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記安定搬送期間は、前記記録媒体の先端部が前記排出手段を通過してから、前記記録媒体の後端部が前記搬送手段を通過するまでの期間であり、かつ前記搬送手段から前記記録媒体の後端部までの前記記録媒体の姿勢が変化しない期間であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記搬送手段から前記記録媒体の後端部までの前記記録媒体の姿勢は、湾曲した姿勢を含むことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記搬送手段から前記記録媒体の後端部までの前記記録媒体の姿勢は、前記記録媒体の搬送方向に対して略平行である特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記搬送手段は、前記記録媒体を挟んで搬送するための搬送ローラと従動ローラとを含み、
    前記記録媒体の搬送方向に前記テストパターンの長さは、前記搬送ローラの1周分の長さである
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記少なくとも3種類のテストパターンは、
    前記搬送手段による前記記録媒体の搬送量を減少させるように補正したときに記録される第1テストパターンと、
    前記搬送手段による前記記録媒体の搬送量を補正しないときに記録される第2テストパターンと、
    前記搬送手段による前記記録媒体の搬送量を増加させるように補正したときに記録される第3テストパターンと、
    を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記テストパターンの記録結果を読み取るためのセンサを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記少なくとも3種類のテストパターンは、目視により記録濃度の差が認識可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の記録装置。
  9. 前記補正手段は、前記少なくとも3種類のテストパターンの内、最も記録濃度のむらが少ないテストパターンの記録時における前記搬送量の補正値に基づいて、前記記録媒体の搬送量を補正することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の記録装置。
  10. 前記3種類のテストパターンのそれぞれは、前記記録手段による複数回の記録走査と、前記搬送手段による前記記録媒体の複数回の搬送と、を伴って記録されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 前記3種類のテストパターンのそれぞれは、前記記録手段の一方向における記録走査によって記録されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の記録装置。
  12. 前記補正手段によって補正された搬送量による前記記録媒体の搬送を伴って、補正量確認用のテストパターンを記録させる記録制御手段を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の記録装置。
  13. 前記安定搬送期間は複数設定され、
    前記制御手段は、前記複数の安定搬送期間中のそれぞれにおいて、前記少なくとも3種類のテストパターンを記録し、
    前記補正手段は、前記複数の安定搬送期間毎における前記少なくとも3種類のテストパターンの記録結果に基づいて、前記複数の安定搬送期間のそれぞれに対応する前記記録媒体上の記録領域毎に、前記記録媒体の搬送量を補正する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の記録装置。
  14. 前記複数の安定搬送期間は、前記搬送手段から前記記録媒体の後端部までの前記記録媒体の姿勢が湾曲した姿勢を含む第1期間と、前記搬送手段から前記記録媒体の後端部までの前記記録媒体の姿勢が前記記録媒体の搬送方向に対して略平行である第2期間と、を含む
    ことを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
  15. 画像の記録走査位置を通して記録媒体を間欠的に搬送する記録装置における記録媒体の搬送量補正方法であって、
    前記記録媒体の搬送量に影響する外乱が安定し、かつ前記記録媒体の姿勢が安定している前記記録媒体の安定搬送期間中に、異なる補正値による前記記録媒体の搬送量の補正を伴って、少なくとも3種類のテストパターンを記録させる工程と、
    前記少なくとも3種類のテストパターンの記録結果に基づいて、前記記録媒体の搬送量を補正する工程と、
    を含むことを特徴とする記録媒体の搬送量補正方法。
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