JP2008238297A - 主軸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自由側軸受が十分な減衰性能を持ち、高速回転においても安定した運転を実現可能な主軸装置を提供する。
【解決手段】主軸装置1は、回転自在な回転軸2と、回転軸2の前部に内輪内周面が嵌合し外輪外周面がハウジング50に固定される前側軸受3と、回転軸2の後部に内輪内周面が嵌合される後側軸受5と、後側軸受5の外輪外周面に外嵌される軸受スリーブ6と、軸受スリーブ6に定圧予圧を与える複数個の油圧ピストン7と、油圧ピストン7に油圧作動油を供給する油圧ポンプ8と、油圧ポンプ8と油圧ピストン7の間に設けられた絞り27と、を備える。絞り27は、油圧ピストン7が配置される圧力室25と連通する穴部37,40,9に設けられる。
【選択図】図1

Description

この発明考案は、主軸装置に関し、より詳細には、工作機械主軸装置の予圧方式に関する。
従来、工作機械の主軸装置の予圧方式として、軸受の内輪と外輪の平面差幅調整により主軸の最高回転数において最適予圧となるように初期予圧を設定する定位置予圧方式がある。この方式では、回転上昇時の玉の遠心力作用などによって、運転中に予圧が増加する。このため、一定以上の最高回転数の主軸で定位置予圧を採用する場合、運転時の予圧の増加分を考慮すると、初期予圧を与えられず、つまりガタにせざるを得ず、高速主軸では使用されにくい。
そこで、高速主軸においては、片側の軸受をハウジングに固定し(固定側軸受)、反対側の軸受をハウジングと軸方向に移動自在な軸受スリーブに固定して(自由側軸受)、軸方向にばね力を作用させる等の方法を用い、軸受に常に一定の予圧を与える定圧予圧方式が一般的である。この方式は回転上昇による予圧の増加がないので、十分な初期予圧が与えられる点で定位置予圧方式より優れるが、主軸回転数が、自由側軸受のアキシャル方向固有振動数に近いかそれを上回る回転数(例えばdmn値(軸受ピッチ円径(mm)×回転速度(min-1))が200×10以上の高速回転時)になると、自由側軸受を固定している軸受スリーブが大きく振動してしまい、滑らかな回転を得ることができなくなる。
そこで、自由側軸受の支持にアキシャルダンパを具備した主軸装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図8に示す特許文献1に記載の主軸装置170は、ハウジング111前部を形成する外筒109の内周面に内ハウジング107が内嵌されており、内ハウジング107の内周面に軸線方向に移動可能に配された軸受スリーブ114が内挿されている。そして、図中左側から1、2列目の組み合わせアンギュラ玉軸受112、112と、3、4列目の組み合わせアンギュラ玉軸受113、113が、軸受スリーブ114の内周面で定圧予圧されている。
軸受スリーブ114は、油圧ピストンを兼ねている。油圧ポンプ127の圧力が絞り125を介してスリーブ受圧面158に作用する構成となっており、スリーブ受圧面158に作用した油圧により軸受スリーブ114を後方に押して、軸受112、112、113、113に予圧を付与する構成である。油圧ポンプ127からの油圧は、絞り125を介してスピンドル外部及び内部に設けられた給油管124を通してスリーブ油圧室159に伝わる。軸受スリーブ114が速度をもって移動しない場合、油(作動油)は流れず押圧されるだけであるから、絞り125での圧力変化はなく、油圧ポンプ127の圧力とスリーブ油圧室159の圧力とは等しくなる。これにより、所望の予圧を得るための必要圧力の算出は容易である。仮に、軸受スリーブ114が振動を受けて、図中左側に急激に動いたときを考える。このとき、スリーブ油圧室159の容積は減るため、油圧室内の作動油は押し出されて油圧ポンプ127の方向に逆戻りしようとする。その際、作動油は絞り125を通過しなければならないため、スリーブ油圧室159の圧力が上がる。つまり、軸受スリーブ114は左側に動かされないように左側方向から抵抗力を受ける。同様に、軸受スリーブ114が右側に動こうとするときは、右側方向から抵抗を受ける。すなわち、軸受スリーブ114にはアキシャル減衰力が働き、アキシャルダンパを兼ねた予圧付与機構となっている。
また、工作機械の主軸においては、一般に低速域の方が高速回転時よりも高い剛性が必要となる。ところが、定圧予圧方式では、最高回転数において最適になるように予圧が設定されるので、低速域での剛性が不十分である。しかも、軸受は低速回転の方が高速回転よりも発熱が小さいため、高速域よりも高い予圧をかけることができるのに、その性能を十分に発揮できていない。
そこで、回転数に応じ低速では予圧を上げて、高速回転時には予圧を下げて最適予圧にする予圧切換方式を用いた主軸装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の主軸装置は、図9に示すように、一体的に結合された前半部210a及び後半部210bよりなりスピンドル220を軸支する主軸台210の前部には前部軸受支持筒211が固定され、後部には前部軸受支持筒211と同軸的に配置された後部軸受支持筒(移動支持機構)213がボールスライド215を介して軸線方向移動可能に支持されている。
前部軸受支持筒211は互いに一体結合された本体211a、スリーブ211b及び外輪押え211c、211dよりなり、間にスペーサ212が介装された2個の前部ころがり軸受217の外輪を固定支持している。後部軸受支持筒213は互いに一体結合された本体213a、スリーブ213b及び外輪押え213cよりなり、間にスペーサ214が介装された2個の後部ころがり軸受218の外輪を固定支持している。後部軸受支持筒213の本体213aの前端部には先端側が小径の2つの円筒部が同軸的に形成され、各円筒部は主軸台210の後半部210bに液密に嵌合されて、その間に環状の油圧シリンダ(駆動装置)233が形成され、この油圧シリンダ233には後半部210bに形成した通路234及び管路234aを介して後述する油圧供給装置235からの油圧が供給されるようになっている。
スピンドル220の回転速度に応じた油圧を油圧シリンダ233に与える油圧供給装置235は、図9に示すように、油圧ポンプ236と、3つの減圧弁238a〜238cと、3位置切換弁239よりなるものである。ポンプ236からの最高油圧はリリーフ弁237により制御され、3つの減圧弁238a〜238cは、最高油圧の範囲内において大中小3段階の油圧に設定されている。切換弁239はスピンドル220の回転速度を検出して作動する制御装置(図示省略)により制御され、回転速度が低速の場合は減圧弁238aを管路234a及び通路234に連通して油圧シリンダ233に高い油圧を導入し、中速の場合は減圧弁238bを管路234a及び通路234に連通して油圧シリンダ233に中間の油圧を導入し、高速の場合は減圧弁238cを管路234a及び通路234に連通して油圧シリンダ233に低い油圧を導入するものである。油圧シリンダ233に導入されるこの油圧により後部軸受支持筒213は後向きに押され、前後のころがり軸受217、218には互いに逆向きで同一の軸線方向予圧が与えられる。
特開2004−195587(第5図) 特開平8−294802号公報(第1図)
しかしながら、特許文献1に記載の主軸装置では、絞り125から軸受スリーブ114までの圧力室全体に、密封のためのOリング117a,117b,118や、給油管124の配管ホースといった弾性体が多数存在する。このため、一定以上に油圧圧力を上げないと、弾性体の変形しろが残って、高速回転持(特に、dmn値が200×10以上)のスリーブ振動による油圧圧力の変化を、弾性体がさらに変形することで吸収してしまい、絞り125がダンパとしての機能を十分に発揮できず減衰性能が不足する可能性がある。
また、予圧切換を行う場合、特許文献2の構成に特許文献1に記載の絞りを単純に加えただけでは、大中小3段階に設定された油圧のうち中や小の低い油圧圧力では、弾性体の変形しろが残って、減衰性能が落ちる、という課題があった。しかも、油圧小の時が最も高速域なので、より減衰性能が必要な使用領域で、減衰性能が落ちてしまう。
予圧切換をしない場合は、軸受スリーブの受圧面積を小さくして、十分に弾性体が変形するような高い圧力でも最適な予圧荷重となるように設計することで、振動による圧力変化をダイレクトに絞りに伝え十分なダンパ機能を得ることが可能となる。しかしながら、十分に弾性体が変形するような高い圧力を予圧切換の小予圧時の条件に設定すると、中、大予圧時には非常に高い油圧を発生させることになり、特殊な油圧ポンプを用いたり、密封性が低下するという問題が生じる。
特に、ダンパ機能を得るには弾性体であるOリングを十分に変形させるほどの圧力が前提であるため、それよりも高い圧力にするとなると、密封性が維持できないのはあきらかである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、自由側軸受が十分な減衰性能を持ち、高速回転においても安定した運転を実現可能な主軸装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1) 回転自在な回転軸と、該回転軸の前部に内輪内周面が嵌合し外輪外周面がハウジングに固定される前側軸受と、前記回転軸の後部に内輪内周面が嵌合される後側軸受と、該後側軸受の外輪外周面に外嵌される軸受スリーブと、該軸受スリーブに定圧予圧を与える複数個の油圧ピストンと、該油圧ピストンに油圧作動油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプと前記油圧ピストンの間に設けられた絞りと、を備える主軸装置であって、
前記絞りは、前記油圧ピストンが配置される圧力室と連通する穴部に設けられることを特徴とする主軸装置。
(2) 前記複数の油圧ピストンは、前記軸受スリーブに均等に予圧を付与するように、前記回転軸の回転中心軸の回りの円周上に所定の位相間隔で規則的に配置されていることを特徴とする(1)に記載の主軸装置。
(3) 前記油圧ピストンに供給される油圧作動油の油圧圧力を変えずに、前記油圧作動油が供給される前記油圧ピストンを変更することにより、前記前側軸受と前記後側軸受に付与する予圧を変化させることを特徴とする(1)又は(2)に記載の主軸装置。
(4) 前記油圧ピストンに供給される油圧作動油の油圧圧力を変えずに、前記油圧作動油が供給される前記油圧ピストンの個数を変更することにより、前記前側軸受と前記後側軸受に付与する予圧を変化させることを特徴とする(3)に記載の主軸装置。
本発明の主軸装置によれば、絞りは、油圧ピストンが配置される圧力室と連通する穴部に設けられるので、絞りと油圧ピストンとの間の圧力室に存在する、弾性体の体積(本実施形態では、Oリングの体積)が、従来のものに比べ極めて小さいので、高速回転時のスリーブ振動による圧力室内の圧力変化を、弾性体が吸収すること無く、確実に絞りに伝達することができ、絞りのダンパ機能を十分に発揮できる。これにより、自由側軸受が十分な減衰性能を持ち、高速回転においても安定した運転を実現可能となる。
特に、dmn値が200×10以上になると、スリーブの振動が発生し易いので、本考案の効果がより発揮される。
また、本発明の主軸装置では、複数の油圧ピストンは、軸受スリーブに均等に予圧を付与するように、回転軸の回転中心軸の回りの円周上に所定の位相間隔で規則的に配置されてもよい。これにより、例えば、受圧面積の小さいピストンを数多く、且つ、均等に配置することができ、油圧作動油を供給する油圧ピストンの個数を変化させる予圧切換を容易に行なうことができる。
また、本発明の主軸装置は、前記油圧ピストンに供給される油圧作動油の油圧圧力を変えずに、油圧作動油が供給される油圧ピストンを変更することにより、前側軸受と後側軸受に付与する予圧を変化させてもよい。これにより、油圧圧力を変化させることなく、例えば、油圧ピストンの個数や受圧面積を変化させることで、予圧切換が可能となる。このため、低予圧状態においても、油圧作動油の圧力を高く設定することができ、絞りから油圧ピストンまでの圧力室に存在する弾性体を予め十分に変形させておくことができるので、高速回転時のスリーブ振動による圧力室内の圧力変化を、弾性体が吸収すること無く、確実に絞り部分に伝達することができ、絞りのダンパ機能を十分に発揮できるので、減衰性能が高い。従って、自由側軸受が十分な減衰性能を持って高速回転が可能で、かつ低速回転域においても軸受の性能が十分に発揮でき剛性の高い、予圧切換が可能な主軸装置となる。
以下、本発明の一実施形態に係る主軸装置について図1乃至図5を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、主軸装置1はモータビルトインタイプのものであり、回転自在な回転軸2と、回転軸2の前部(図の左側部分)に各内輪3bの内周面が嵌合し、各外輪3aの外周面がハウジング本体4の内周面に嵌合し、ハウジング本体4の前端(図の左端)にボルト45で締結された前蓋44によってハウジング本体4に固定された一対の前側軸受3と、回転軸2の後部(図1の右側部分)に各内輪5bの内周面が嵌合した一対の後側軸受5と、ハウジング本体4の後端(図の右端)にボルト21によって締結されたスリーブハウジング22と、後側軸受5の各外輪5aの外周面に外嵌され、スリーブハウジング22の内周面に摺動自在に内嵌される軸受スリーブ6と、ボルト20によって軸受スリーブ6に締結され、後側軸受5の外輪5aを軸受スリーブ6に固定する外輪押え19と、を備えている。軸受スリーブ6と、後側軸受5と、外輪押え19とは、自由側軸受ユニット26を構成する。スリーブハウジング22には、ボルト21でシリンダリング23が締結されており、ハウジング本体4と、スリーブハウジング22と、シリンダリング23と、前蓋44とは、本発明のハウジング50を構成する。
回転軸2の中央部には、回転軸2を回転駆動させるロータ11が回転軸2と焼きばめにより一体固着されており、ロータ11の周囲にはハウジング本体4に冷却ジャケット12を介してステータ13が固定されている。ロータ11とステータ13とでビルトインモータ14を成し、回転軸2を所定の回転数で回転させる。
回転軸2の先端(図の左端)にはテーパ面16が設けられており、回転軸2の中心部に、ドローバ17および皿ばね18が組み込まれている。ドローバ17は皿ばね18の力によって工具15をテーパ面16に密着させている。工具15は回転軸2と一体となって回転し、図示しない工作物を加工する。
図2に示すように、シリンダリング23には、回転軸2の回転中心軸xの回りの円周上にシリンダ穴24が複数形成され、これらシリンダ穴24に複数の油圧ピストン7が摺動自在に組み込まれる。これら油圧ピストン7の後端(図の右端)は、シリンダ穴24に対応して外輪押え19に形成された複数の有底孔19aに当接している。圧力室25はOリング28で密封されており、油圧作動油が圧力室25に供給されると、油圧ピストン7に推力が発生し、当接した外輪押え19を介して軸受スリーブ6を後方(図の右方向)に一定力で付勢し、前側軸受3と、後側軸受5との間に定圧予圧を発生させる。なお、後述する様に、油圧ピストン7は、第1油圧ピストン7c、第2油圧ピストン7b、第3油圧ピストン7aを有するが、図1及び図2は、第1油圧ピストン7cを示している。
図1に示すように、主軸装置1は、ハウジング50の外部に、油圧ピストン7に油圧作動油を供給するための油圧ポンプ8を備えており、油圧作動油は電磁弁47,48,49(図3参照)を介してハウジング本体4及びスリーブハウジング22に形成された互いに位相が異なる油供給穴32,38,43を通過する。また、図2に示すように、スリーブハウジング22の内周面には、油供給穴32,38,43とそれぞれ連通する環状の溝29,30,31がそれぞれ形成され、各溝29,30,31は、シリンダリング23に形成された、各油圧ピストン7a〜7cに対応する油導入穴35,39,42と連通する。なお、溝29、溝30、溝31は、作動油が互いに流通しないようにこれらの間に配置されたOリング34によって密封されている。
さらに、油導入穴35,39,42と、各油圧ピストン7a〜7cとの間には、絞り27がそれぞれ形成されている。各絞り27は、油圧ピストン7が配置される圧力室25と連通する圧力室25より小径の油供給穴部37,40,9と、油圧ピストン7から圧力室25側に延び、油供給穴部37,40,9の内径よりもわずかに小さな外径に設定された絞りピン36,41,10とを備える。
なお、ピストン7の周囲にはばね46が備えられており、油圧ポンプ8の電源が入っていない状態や、油圧ポンプの不具合等により油圧が不足した状態において、予圧が抜けてしまい前側軸受3、後側軸受5が損傷することを防いでいる。
自由側軸受ユニット26は、軸受スリーブ6の質量と、後側軸受5の外輪5aの質量と、外輪押え19の質量との合計を質量とし、後側軸受5のアキシャル剛性をばね定数とする振動系を構成し、特定のアキシャル方向固有振動数を持つ。主軸回転数が、自由側軸受ユニット26のアキシャル方向固有振動数に近いかそれを上回る回転数になると、従来の主軸装置では自由側軸受ユニット26の振動系が共振現象を起こし、軸受スリーブ6が軸方向に大きく振動してしまい、滑らかな回転を得ることができなくなる。本実施形態の主軸装置1の場合、軸受スリーブ6の振動は、外輪押え19を付勢している油圧ピストン7に伝わる。油圧ピストン7が振動しようとすると、圧力室25の体積が変化しようとするが、そのとき高圧の油圧作動油が絞り27を行き来することが抵抗となり、振動を減衰させる。
さらに、本実施形態では、軸受スリーブ6の振動によって容積変化する圧力室25に存在する弾性変形物は高圧の油圧作動油により十分に変形したOリング28のみであり、かつ変化する容積が非常に小さいので、絞り27が十分に減衰性能を発揮できる。
本実施形態では、絞りピン10は油圧ピストン7と一体に形成されているが、別部品でもよい。また、本実施形態では、絞り27は、油供給穴部37,40,9と絞り36,41,ピン10により構成されるが、単に細い穴を絞りとしてもよい。ただし十分な減衰効果を得るには微細な穴となり、加工がしづらいので、本実施形態の方が低コストで済む。
また、本実施形態では、軸受スリーブ6とスリーブハウジング22との案内面をすべり案内としているが、この案内面を静圧軸受にすることにより、さらにラジアル方向のダンピング効果も生まれ、共振時の振動を抑制することも可能である。
さらに、本実施形態では、予圧が大、中、小の3段階に切換えられるように、複数の油圧ピストン7は、電磁弁49を開駆動することで油圧作動油が供給される第1油圧ピストン7cと(図5参照。)、電磁弁48を開駆動することで油圧作動油が供給される第2油圧ピストン7bと(図4参照。)、電磁弁47を開駆動することで油圧作動油が供給される第3油圧ピストン7aと(図3参照。)、から構成される。
第3油圧ピストン7aは、図3(b)に示すように、軸受スリーブ6を傾けることなく付勢することができるように、回転中心軸xの円周上に等配で4ヵ所に配置されている。同様に、第2油圧ピストン7bも、図4(b)に示すように、第3油圧ピストン7aの隣に、回転中心軸xの円周上に等配で4ヵ所に配置され、第1油圧ピストン7cも、図5(b)に示すように、第3油圧ピストン7aと第2油圧ピストン7bとの間で、回転中心軸xの円周上に等配で4ヵ所に配置される。
また、絞り27の3本の油供給穴部37,40,9は、第3油圧ピストン7aに対応する穴部37、第2油圧ピストン7bに対応する穴部40、第1油圧ピストン7cに対応する穴部9の順に長く形成されている。また、これに応じて、絞りピン36,41,10もおり、第3油圧ピストン7aに対応するピン36、第2油圧ピストン7bに対応するピン41、第1油圧ピストン7cに対応するピン10の順に長く形成されている。
次に、図3〜図5を参照し、予圧を大、中、小の3段階に切換える場合を例として、本実施形態の予圧切換の動作原理について説明する。
小予圧の時は、図3に示すように、電磁弁47を開駆動し、油圧ポンプ8からの油圧作動油は、ハウジング50の油供給穴32から溝29を介して、シリンダリング23に形成された4箇所の油導入穴35に送られる。油導入穴35に送られた作動油は、絞り27を通過して、圧力室25に供給され、4つの油圧ピストン7aを外輪押え19に押圧することで、軸受スリーブ6を傾けることなく付勢することができる。
第3油圧ピストン7aと一体形成される絞りピン36は、油供給穴部37を深くして最も長く形成されているので、最も高速回転時の設定予圧である小予圧時において最も必要となる、絞り27による減衰効果を高めている。
次に、中予圧の時は、図4に示すように、電磁弁47,48を開駆動し、油供給穴32へ油圧作動油を供給して第3油圧ピストン7aを駆動したまま、油圧ポンプ8からの油圧作動油を、ハウジング50の油供給穴38から溝30を介して、シリンダリング23に形成された4箇所の油導入穴39に供給する。油導入穴39に送られた作動油は、絞り27を通過して、圧力室25に供給され、4つの油圧ピストン7bを外輪押え19に押圧する。これにより、中予圧時には4個のピストン7aと4個のピストン7bとの合計推力が予圧力となり、油圧ピストンへ供給する油圧圧力を変化させること無く、予圧切換が可能となっている。
次に、大予圧の時は、図5に示すように、電磁弁47,48,49を開駆動し、油供給穴32と油供給穴38へ油圧作動油を供給して第3油圧ピストン7a及び第2油圧ピストン7bを駆動したまま、油圧ポンプ8からの油圧作動油を、ハウジング50の油供給穴43から溝31を介して、シリンダブロック23に形成された4箇所の油導入穴42に供給する。油導入穴42に供給された作動油は、絞り27を通過して、圧力室25に供給され、4つの油圧ピストン7cを外輪押え19に押圧する。これにより、大予圧時には4個のピストン7aと4個のピストン7bと4個のピストン7cとの合計推力が予圧力となり、油圧ピストンへ供給する油圧圧力を変化させること無く、予圧切換が可能となっている。また、大、中、小いずれの予圧時においても、軸受スリーブ6を傾けること無く付勢することができる。
本実施形態では、軸受スリーブ6に大予圧(第1予圧)を付与するときに第1油圧ピストン7cに油圧作動油が供給され、軸受スリーブ6に大予圧、中予圧(第1予圧より低い第2予圧)を付与するときに第2油圧ピストン7bに油圧作動油が供給され、大予圧、中予圧、小予圧を付与するときに第3油圧ピストン7aに油圧作動油が供給される。このように、第3油圧ピストン7aが小、中、大予圧時で兼用とされ、第2油圧ピストン7bが中、大予圧時で兼用とされるので、油圧ピストンの数が必要最小限で済み、低コストで済む。
ここで、多段の予圧切換を行う場合には、本実施形態のように予圧の切換段数に応じて複数群の油圧ピストンを用意すればよい。例えば、2段階の切換の場合には、第1及び第2油圧ピストンを使用し、第1油圧ピストンを最大の設定予圧となる第1予圧時に使用し、第2油圧ピストンを第1予圧、及び第1予圧より低い第2予圧時で兼用とすることで、油圧ピストンの数を少なくすることができる。また、4段階以上の場合にも、第1油圧ピストンを最大の設定予圧となる第1予圧時に使用し、第2油圧ピストンを第1予圧、及び第1予圧より低い第2予圧時で兼用とし、残りのピストンを第1及び第2予圧、及び第2予圧より低い各予圧時に応じて兼用とすることで、油圧ピストンの数を少なくすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の油圧ピストンは、各予圧の設定予圧力や予圧切換段数によっては、各予圧時毎に専用のピストンとしてもよい。また、本実施形態では、油圧ピストンの受圧面積をすべて同一としているが、油圧ピストンの受圧面積を異なるものにすることによっても、予圧切換は可能である。また、本実施形態では各油圧ピストン個数を同じにして、小予圧時に4個、中予圧時に8個、大予圧時に12個としているが、各油圧ピストンの個数を変えて、例えば、小予圧時に6個、中予圧時に10個、大予圧時に12個とするなどして、設定予圧を変更することも可能である。
具体的に、第1及び第2油圧ピストン7c、7bを用いた2段階の切換を行なう場合においては、図6に示すように、第2油圧ピストン7bの受圧面積を第1油圧ピストン7cのものより大きくしてもよく、或いは、図7に示すように、第2油圧ピストン7bの個数を第1油圧ピストン7cより多数としてもよい。
本実施形態では、第1〜第3油圧ピストン7a〜7cは、回転軸2の回転中心軸xの回りの円周上に略30度毎に配置されているが、軸受スリーブ6に均等に予圧を付与するように、該円周上に所定の位相間隔で規則的に配置されていればよい。例えば、第3及び第2油圧ピストン7a,7bによって構成される場合には、本実施形態のような、第3油圧ピストン7aが配置される位相間隔、即ち、90度間隔において、第2ピストン7bが第3油圧ピストン7aから30度離れた位置にそれぞれ配置されてもよい。
また、各油圧ピストンの径方向位置は、同一とせずに、例えば第3油圧ピストンを大径寄りに、第1、第2油圧ピストンを小径寄りに配置しても良い。
本発明の一実施形態に係る主軸装置の縦断面図である。 図1に示す主軸装置における油圧ピストンの詳細図である。 (a)は、図1に示す主軸装置における小予圧の説明図であり、(b)は、(a)のIII−III線に沿った断面図である。 (a)は、図1に示す主軸装置における中予圧の説明図であり、(b)は(a)のIV−IV線に沿った断面図である。 (a)は、図1に示す主軸装置における大予圧の説明図であり、(b)は(a)のV−V線に沿った断面図である。 油圧ピストンの大きさを変える場合の例を示す主軸装置の断面図である。 油圧ピストンの個数を変える場合の例を示す主軸装置の断面図である。 従来の主軸装置の縦断面図である。 従来の他の主軸装置の縦断面図である。
符号の説明
1 主軸装置
2 回転軸
6 軸受スリーブ
7,7a,7b,7c 油圧ピストン
8 油圧ポンプ
25 圧力室
27 絞り
9,37,40 油供給穴部
50 ハウジング

Claims (4)

  1. 回転自在な回転軸と、該回転軸の前部に内輪内周面が嵌合し外輪外周面がハウジングに固定される前側軸受と、前記回転軸の後部に内輪内周面が嵌合される後側軸受と、該後側軸受の外輪外周面に外嵌される軸受スリーブと、該軸受スリーブに定圧予圧を与える複数個の油圧ピストンと、該油圧ピストンに油圧作動油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプと前記油圧ピストンの間に設けられた絞りと、を備える主軸装置であって、
    前記絞りは、前記油圧ピストンが配置される圧力室と連通する穴部に設けられることを特徴とする主軸装置。
  2. 前記複数の油圧ピストンは、前記軸受スリーブに均等に予圧を付与するように、前記回転軸の回転中心軸の回りの円周上に所定の位相間隔で規則的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
  3. 前記油圧ピストンに供給される油圧作動油の油圧圧力を変えずに、前記油圧作動油が供給される前記油圧ピストンを変更することにより、前記前側軸受と前記後側軸受に付与する予圧を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の主軸装置。
  4. 前記油圧ピストンに供給される油圧作動油の油圧圧力を変えずに、前記油圧作動油が供給される前記油圧ピストンの個数を変更することにより、前記前側軸受と前記後側軸受に付与する予圧を変化させることを特徴とする請求項3に記載の主軸装置。
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