図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの斜視図、図2は遊技台Aの背面図、図3は図1の態様から前面扉ユニット300を開いた態様での遊技台Aの斜視図である。以下の説明において、正面(前)、背面、左、右、上、下といった方向を示す場合には図1に図示した方向に基づく。また、本実施形態の遊技台Aは前面扉ユニット300等、その構成要素の一部が開閉可能となっているが当該構成要素の方向を示す場合には遊技台Aが図1に示す態様にある場合の方向に基づくものとする。
<全体構成>
遊技台Aはパチンコ機であって、外枠100と本体200と前面扉ユニット300とを備える。外枠100は方形の枠体(例えば木枠)をなしており、遊技台Aをホールの島に設置するための枠である。本体200は外枠100の正面側に設けた内枠210を備える。内枠210は方形の枠体(例えば樹脂枠)をなしており、遊技盤220、及び、遊技盤220の下方の下部ユニット230を支持する。内枠210の左側部には、外枠100の左側部の上下にそれぞれ設けたヒンジ部110に回動可能なヒンジ部211を上下にそれぞれ設けており、内枠210は外枠100に対して開閉可能である。
<遊技盤>
図3に示すように遊技盤220はその正面において遊技領域221を形成している。遊技領域221は入賞口223a、可変入賞口223b、大入賞口223c、普図始動入賞口224a、特図始動入賞口224b、アウト口225を備える。
遊技球(パチンコ球)は、遊技者の球発射操作に基づいた遊技球発射装置(図示せず)の弾発動作により、内レール222a及び外レール222bとの間の通路を通って遊技領域220の上方に飛来し、その後、遊技領域221に立設した不図示の複数の釘と衝突を繰り返しながら遊技領域221の下方に流れ落ちる。遊技領域221の上方から下方へ遊技球が流れ落ちる過程で、入賞口223a、可変入賞口223b、大入賞口223c、普図始動入賞口224a、若しくは、特図始動入賞口224bに遊技球が入球すると遊技者に対して特典が与えられる。いずれの入賞口にも入球しなかった場合、遊技球はアウト口225に入って遊技領域221から排除される。
入賞口223aに遊技球が入球すると、遊技者に一定数の賞球(例えば、10個)を払い出す。可変入賞口223bに遊技球が入球すると遊技者に一定数の賞球(例えば、5個)を払い出し、また、抽選により遊技状態として大当たり状態を設定する。大入賞口223cは大当たり状態中に複数回開閉し、遊技球が入球すると遊技者に一定数の賞球(例えば、15個)を払い出す。
普図始動入賞口224aに遊技球が入球すると抽選により遊技状態として当たり状態を設定する。当たり状態中は可変入賞口223bが開放して閉鎖時よりも遊技球が可変入賞口223bに入球し易くする。特図始動入賞口224bに遊技球が入球すると遊技者に一定の賞球(例えば、3個)を払い出し、また、抽選により遊技状態として大当たり状態を設定する。これら入賞口223a、可変入賞口223b、大入賞口223c、特図始動入賞口224bに入球した遊技球は遊技領域221から排除する。なお、本実施形態では普図始動入賞口224aをゲート型の入賞口としているが、入賞口223a等と同様に入球により遊技領域221から遊技球を排除する形式の入賞口としてもよい。また、特図始動入賞口224bは普図始動入賞口224aのようにゲート型の入賞口としてもよい。
次に、遊技盤220はその正面に普通図柄表示装置227a、特別図柄表示装置227bを備える。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。普通図柄表示装置227aは普図始動入賞口224aへの遊技球の入球を条件として行なう、当たりの抽選の結果を表示する。特別図柄表示装置227bは特図始動入賞口224b又は可変入賞口223bへの遊技球の入球を条件として行なう、大当たりの抽選の結果を表示する。
図28(c)は普通図柄表示装置227aが表示する図柄(普通図柄)の表示例を示す。同図に示すように普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類がある。普図始動入賞口224aへ遊技球が入球すると、普通図柄表示装置227aは表示する図柄の変動を開始し、一定時間の経過後、抽選結果に応じて当たり図柄又は外れ図柄を表示する。当たり図柄を表示した場合に遊技状態として上述した当たり状態を設定し、一定時間の間、可変入賞口223bを開放する。
図28(a)は特別図柄表示装置227bが表示する図柄(特別図柄)の表示例を示す。同図に示すように特別図柄は特別大当たり図柄、通常大当たり図柄、外れ図柄があり、合計8種類ある。特図始動入賞口224b又は可変入賞口223bへ遊技球が入球すると、特別図柄表示装置227bは表示する図柄の変動を開始し、一定時間の経過後、抽選結果に応じて特別大当たり図柄、通常大当たり図柄、又は、外れ図柄を表示する。特別大当たり図柄又は通常大当たり図柄を表示した場合に、遊技状態として大当たり状態を設定する。
大当たり状態中は、大入賞口223cが所定回数(例えば15回)開放する。1回の開放は大入賞口223cに一定数の遊技球の入球(例えば10球)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。大入賞口223cが所定回数開放すると大当たり状態を終了する。
通常大当たり図柄を表示して開始した大当たり状態の終了後、大当たりの抽選が所定回数(例えば50回)行われるまで遊技状態を時短状態に設定する。時短状態中は普通図柄表示装置227aの図柄の変動時間を短縮し(例えば、遊技状態が通常状態中は50秒程度、時短状態中は5秒。)、早期に普通図柄を確定表示する(つまり、遊技状態が通常状態の場合と比べて早期に当たりの抽選の結果を表示する)。また、同様に、時短状態中は特別図柄表示装置227bも早期に特別図柄を確定表示する(つまり、遊技状態が通常状態の場合と比べて早期に大当たりの抽選の結果を表示する)。
特別大当たり図柄を表示して開始した大当たり状態の終了後、次の大当たり状態を設定するまでの間、大当たりの当選確率を通常状態よりもアップする確変状態に遊技状態を設定する。また、遊技状態が確変状態の間は、時短状態の場合と同様に、普通図柄、特別図柄を早期に確定表示する。
次に、遊技盤220はその正面に普図抽選保留記憶数表示装置228a、特図抽選保留記憶表示装置228bを備える。普図抽選保留記憶数表示装置228aは、普図始動入賞口224aへ遊技球が入球した場合に取得する当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置228bは、特図始動入賞口224b又は可変入賞口223bへ遊技球が入球した場合に取得する大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置228a、特図抽選保留記憶表示装置228bをいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
本実施形態の場合、当たり及び大当たりの判定は、それぞれ普通図柄、特別図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口224aへの遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する当たり判定用の乱数を保留し、普通図柄の表示確定後に当たりの判定を行なう。また、特別図柄の変動中に特図始動入賞口224b又は可変入賞口223bへの遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する大当たり判定用の乱数を保留し、特別図柄の表示確定後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口224a、特図始動入賞口224b又は可変入賞口223bに入球があった場合、その入球に対応する当たり、大当たりの抽選は行なわない。なお、当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」という。
次に、遊技盤220は遊技領域221の略中央に液晶表示装置(以下、LCD)226を備える。LCD226は主として、図柄(装飾図柄)の組合せを変動して表示した後、大当たりの判定結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD226は、特別図柄表示装置227bの特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の組合せの表示の変動を開始し、終了する。図28(b)はLCD226が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す。装飾図柄は6種類ある。また、特別大当たりの当選を示す装飾図柄の組合せは4種類あり、通常大当たりの当選を示す装飾図柄の組合せは2種類ある。
LCD226は装飾図柄の組合せの他、大当たり中の演出画像や遊技台Aにおいて遊技が行なわれていない場合のデモ画像等も表示する。なお、本実施形態ではLCDを採用しているが、他の種類の表示手段を採用してもよい。
<下部ユニット>
図1及び図3を参照して、下部ユニット230は、その左上部に遊技球の払出口231を備える。下部ユニット230は払出口231と連続した上皿232aを備え、遊技球を上皿232aに一時的に貯留可能にしている。上皿232a上の遊技球はレバー233aを遊技者が操作することにより下皿232bへ移動可能である。下皿232b上の遊技球はレバー233bを遊技者が操作することにより下皿開閉部232b'が開口し、下皿232bの下方へ落下させることができる。
発射ハンドル232は遊技者の球発射操作を受け付けるためのハンドルである。下部ユニット230は上皿232aが貯留している遊技球を一球ずつ、内枠210の下部内に設けた不図示の遊技球発射装置の発射位置に供給する不図示の遊技球供給装置を内蔵している。遊技球発射装置は発射ハンドル232に対する遊技者の操作量に応じた強さで、上述した遊技球供給装置により上皿232aから発射位置に供給された遊技球を、その弾発動作により、内レール222a及び外レール222bとの間の通路へ発射する。
CR操作部235は遊技球の貸与を受けるためのカードに対する処理を行なうカードユニット(不図示)に対する操作を遊技者が行なうための装置である。チャンスボタン236は遊技者が操作可能なボタンであり、例えば、遊技者がこれを連打した回数に応じて、演出内容を変化させることができる。
施錠部237は、専用の鍵を差し込むことにより内枠210に設けた施錠機構を操作するためのものである。施錠機構は内枠210の右側部正面から突出した、上下に可動する係合部237aを有する。係合部237aは施錠部237に対する専用の鍵による操作によってロックし、非可動状態となる。
<本体200の背面側の構成>
図2を参照して、本体200はその背面に球タンク240を備える。球タンク240は、島の遊技球供給設備が順次補充する遊技球を貯留する。タンクレール241は球タンク240内の遊技球を払出装置242に供給する。払出装置242は遊技結果に応じた遊技球又は遊技者に貸与する遊技球を払出す。払出装置242が払出した遊技球は払出通路243を通過して払出口231から上皿232aへ流れることになる。
払出装置制御基板244は払出装置242を制御する電子回路を搭載する。発射装置制御基板245は発射ハンドル232に対する遊技者の操作に応じて不図示の遊技球発射装置を制御する電子回路を搭載する。主制御基板247は遊技台Aの遊技の進行を制御する電子回路を搭載する。図2において主制御基板247の裏側に配置している演出制御基板246は演出用の電子回路を搭載する。CR基板248はCR操作部235に対する遊技者の操作に応じてカードユニット(不図示)を制御する。電源回路20は遊技台Aにおいて必要な電力を発生する。
<前面扉ユニット>
次に、図1、図3乃至図5を参照して前面扉ユニット300の構成を説明する。図4は前面扉ユニット300を開いた態様での遊技台Aの一部破断斜視図である。図5は前面扉ユニット300を開いた態様であって、更に、可動装飾ユニット330及び照明器ユニット340を開いた態様での遊技台Aの斜視図である。
前面扉ユニット300は正面側から順に設けた、前面扉310と、中間ユニット320と、ガラスユニット350と、を備える。本実施形態では中間ユニット320を、正面側から順に設けた、可動装飾ユニット330と、照明器ユニット340と、から構成している。
前面扉ユニット300を、前面扉310とガラスユニット350と中間ユニット320とから構成したので、前面扉310、ガラスユニット350、中間ユニット320の各構成の交換が容易化し、これらを部分的に再利用したり、新規なものとすることができ、その組合せで多様な遊技台Aを提供できる。また、中間ユニット320を更に2つのユニットにして構成したので、その組合せで更に多様な遊技台Aを提供できる。
<前面扉310>
前面扉310は遊技台Aの正面から遊技者が遊技領域221全体を視認可能にする円形の開口部である窓部311を有する。窓部311には窓部311全体を覆う、透明のカバー部材311aを配している。カバー部材311aは例えば樹脂製である。カバー部材311aを設けたことにより、遊技領域221の視認性を確保しながら、窓部311を介した、ピアノ線等の異物を用いた遊技盤220に対する不正行為に対して、異物の侵入経路を封鎖して当該不正行為を防止できる。なお、本書において透明とは特に言及しない限り無色透明、有色透明の双方が含まれる。
前面扉310はその正面に遊技台Aを装飾する照明カバー317、遊技音を出力するスピーカ318のスピーカカバー318aを備える。照明カバー317は前面扉310の左側上方に位置しており、その背後には開口部317aを形成している。後述する照明器ユニット340のLED3432は開口部317aを介して照明カバー317を照明する。スピーカカバー318aは前面扉310の右側上方に位置しており、その背後にはスピーカ318を配設している。
スピーカカバー318aの左上方には開口部319aを形成しており、開口部319aにエラー表示装置319を配置している。エラー表示装置319は遊技台Aに故障が生じた場合にこれを報知するための表示装置である。図5に示すように、スピーカ318の配線318b及びエラー表示装置319の配線319bは前面扉310の上部平面を伝って本体200側へ延びており、それぞれ図3に示した、内枠200の左側部内側上部に配置したコネクタ212、213に接続する構成としている。
前面扉310は図4に示すように、その左側部上方に可動軸部3121を備え、また、その左側部下方に軸受部3122を備える。可動軸部3121は軸部3121aと、ブラケット3121bと、スプリング3121cと、軸部3121aの下端部に一体に接続したレバー3121dと、を備える。
軸部3121は上下方向に延び、内枠210に設けた軸受板215の孔にその上端部が挿通している。軸受板215は内枠210の左側部上方正面において正面側に突出するように設けている。ブラケット3121bは軸部3121aが挿通してその上下動を案内する孔を形成した上下の端部と、これら上下の端部を接続する側部と、からコの字形をなしている。本実施形態ではブラケット3121bを前面扉310に固定した支持ブラケット3121b'を介して前面扉310に固定している。
スプリング3121cはブラケット3121bの側部と、レバー3121dとの間を接続し、レバー3121dと一体の軸部3121を常時上方へ付勢している。しかして、レバー3121dの端部を下方に押し下げると、軸部3121がブラケット3121bに案内されながら下方へ移動し、軸受板215の孔から脱落する。レバー3121dの端部の押し下げを解除するとスプリング3121cの弾性復帰力により軸部3121はブラケット3121bに案内されて上方へ移動する。
軸受部3122は軸部216が挿通する孔を有する。本実施形態では軸部216の下端部を下部ユニット230の左上部に固定し、軸部216は下部ユニット230の左上部から上方へ突出している。
前面扉310はレバー3121dの端部を下方に押し下げて軸部3121を下方へ移動させた状態で、軸受部3122に軸部216を挿入し、その後、レバー3121dの端部への押し下げを解除して軸部3121の上端部を軸受板215の孔に挿入することで本体200に装着することができる。前面扉310を本体200から取外す場合には、この逆の作業を行なえばよい。このように本実施形態では、前面扉310を本体200に着脱可能な構成としている。
また、前面扉310を本体200に装着した状態においては、軸部3121と軸部216とが同軸上に位置しており、これらを回動中心として前面扉310を本体200に対して回動することができる。このように本実施形態では前面扉310を本体200に対して回動可能に取り付けている。
なお、本実施形態では後述する中間ユニット320、ガラスユニット350を前面扉310によって支持している。従って、前面扉310の本体200に対する上述した着脱・回動構造は、前面扉ユニット300全体の本体200に対する着脱・回動構造を構成している。
前面扉310はその右側部背面上下にそれぞれ係合部316を備える。前面扉ユニット300を本体200に対して閉鎖すると係合部316は本体に設けた係合部237aと係合する。そして、上述した施錠部237に対する専用の鍵による操作によって係合部237aをロックし、非可動状態とすると、前面扉ユニット300を本体200に対して回動不能(開放不能)とすることができる。
このように簡易な構成で本体200に対して前面扉310を確実に固定できる。前面扉310の本体への固定は、前面扉ユニット300全体を本体200へ固定することにもなり、上記構成で前面扉ユニット300全体を一括して本体200に固定できる。
前面扉310はその右側部背面上下にそれぞれ軸部313を備える。軸部313には可動装飾ユニット330が着脱自在に装着されると共に、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して回動可能にする。詳細は後述する。
前面扉310はその左側部背面上下にそれぞれ軸受部314を備える。軸受部314には照明器ユニット340が着脱自在に装着されると共に、照明器ユニット340を前面扉310に対して回動可能にする。詳細は後述する。
前面扉310はその背面の複数箇所(4箇所)に回動可能なレバー部材315を備える。レバー部材315は可動装飾ユニット330を前面扉310に対して回動不能(開放不能)とする。詳細は後述する。
<可動装飾ユニット>
次に、図5、図7乃至図10を参照して可動装飾ユニット330の構成を説明する。図7は前面扉310に取り付けた状態での可動装飾ユニット330の背面図、図8は可動装飾ユニット330の正面図、図9は可動装飾ユニット330の分解斜視図、図10は環状体カバー333aを取外した状態での可動装飾ユニット330の正面側の斜視図である。
可動装飾ユニット330は支持板331を備える。支持板331は遊技台Aの正面から遊技者が遊技領域221全体を視認可能にする円形の開口部である窓部3311を有する。支持板331はその右側部の上下に軸受部3312を備える。軸受部3312は支持板331の背面側へ略水平に突出すると共にその中央に孔を有する。軸受部3312の孔には前面扉310の軸部313が挿通する。
図6(a)は上側の軸部313及び軸受部3312近傍の拡大図である。なお、下側の軸部313及び軸受部3312も略同様の構成である。軸部313は前面扉310の右側部から左側部側へ突出した突出片313aの左端部から上方に延びており、突出片313aと一体に形成している。軸受部3312の孔に軸部313を挿入することで軸受部3312は突出片313a上に載置状態となり、可動装飾ユニット330全体を前面扉310で支持している。
この軸部313及び軸受部3312の構成によって、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して軸部313の軸方向を回動中心として回動可能に取り付けており、可動装飾ユニット330は前面扉310に対して開閉する。また、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して相対的に上方に移動すると、軸部313が軸受部3312から離脱し、可動装飾ユニット330を前面扉310から取外すことができる。従って、可動装飾ユニット330は、前面扉310を本体200に対して開放した状態で前面扉310に着脱自在である。
この構成により、可動装飾ユニット330の交換・メンテナンスを前面扉310を開放することで簡易に行なうことができる。また、機種変更時等には前面扉310、内枠210、外枠200を再利用して可動装飾ユニット330を交換することで、異なる装飾体を採用することもでき、多様な遊技台Aを提供できる。また、可動装飾ユニット330を、前面扉310に回動可能に取り付けたことにより、可動装飾ユニット330のメンテナンスを前面扉310に可動装飾ユニット330を取り付けた状態で行い易くなり、メンテナンス性を向上できる。
更に、前面扉310を、その一方側部(左側部)において本体200に回動可能に取り付け、可動装飾ユニット330を、前面扉310の一方側部と反対側の他方側部(右側部)に回動可能に取り付けたので、可動装飾ユニット330を前面扉310の左側部に回動可能に取り付けた場合よりもその回動範囲を大きくとることができ、メンテナンス性を向上できる。
次に、支持板331は複数箇所(4箇所)において挿通孔3313を備える。挿通孔3313は支持板331を貫通した孔である。各挿通孔3313はそれぞれ、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して閉状態としたときに、前面扉310の背面に設けたレバー部材315と背後に位置するように配設している。
図7に含まれる部分拡大図を参照して、レバー部材315は前面扉310に軸支された中央円形部315aとこの中央円形部の両側に突出した突出部315bとを有している。挿通孔3313はレバー部材315の外形と略同じ形状を有しており、レバー部材315の回動位置がレバー部材315の長手方向が水平な場合にレバー部材315を挿通孔3313に挿通可能となっている。しかして、レバー部材315を挿通孔3313に挿通した後、レバー部材315を回動してその長手方向を垂直とすると、レバー部材315を挿通孔3313から離脱できなくなる。こうして、レバー部材315は可動装飾ユニット330を前面扉310に対して回動不能(開放不能)とし、可動装飾ユニット330を閉状態で前面扉310に固定することができる。このように簡易な構成で前面扉310に対して可動装飾ユニット330を確実に固定できる。
次に、支持板331は複数箇所(4箇所)において係合孔3314を備える。係合孔3314は支持板331を貫通した孔であり、照明器ユニット340を可動装飾ユニット330に固定するための構成である。詳細は後述する。
支持板331はその左側上方に開口部3315を備える。開口部3315は前面扉310の開口部317aの背後に位置している。後述する照明器ユニット340のLED3432は開口部3315及び開口部317aを介して前面扉310の照明カバー317を照明する。
次に、支持板331はその背面から突出した複数(4つ)の支持軸332を備える。支持軸332はガラスユニット350を支持する。詳細は後述する。
次に、可動装飾ユニット330は窓部3311の周縁に沿った、環状体333を可動の装飾体として備える。環状体333は、窓部3311の略中心を通る、略水平な仮想軸回りに回転する。環状体333は遊技盤220の正面前方に位置しており、環状体333が形成する開口を通じて遊技者は遊技領域221全体を視認可能である。環状体333により遊技領域221に遊技者の注意を向けさせることができると共に、遊技領域221の装飾効果を高めることができる。
図9に示すように、環状体333はいずれも円環状の、環状体本体3331と、装飾用環状体3332と、隠蔽用環状体3333との積層体である。環状体333の周辺の構成を保護し、また、遊技者から視認困難として外観を向上するため、支持板331の正面には環状体カバー333aを固定して設けている。環状体本体3331は環状体333の周縁内面を構成する内側部33311と、周縁外面を構成する外側部33312と、環状体333の回転位置を検出するための被検知部33311aと、を有する。
図7及び図10を参照して、可動装飾ユニット330は環状体333を支持する複数のローラ334a及び334bと、環状体333を回転させる駆動力を付勢する駆動力付勢ユニット337を備える。本実施形態では、これらにより環状体333を無軸で回転することができる。従って、遊技者が回転原理を不思議に思い、遊技者を驚かせる演出が実現でき、演出効果を向上することができる。
複数のローラ334a及び334bは環状体333の周縁に当接することで環状体333を支持する当接部材であり、ローラ334aは環状体本体3331の内側部33311に、ローラ334bは環状体本体3331の外側部33312に当接する。環状体333の周縁の内外両側部から環状体333にローラ334a、334bをそれぞれ当接することで、環状体333を確実に支持して支持性能を向上できる。本実施形態の場合、ローラ334aを支持板331の背面側に、ローラ334bを正面側に配設している。
ローラ334a及び334bを回転自在に支持する構成として、可動装飾ユニット330は固定支持部材3351及び3352、可動支持部材3361及び3362を備える。可動支持部材3361、3362によりローラ334a、334bが移動するので、環状体333の製造誤差による回転軌道の振れに対応しながら環状体333を支持することができ、また、環状体333の回転軌道に振れが生じることで、それ自体面白味のある動きとなって演出効果を向上できる。また、全ての支持部材を可動とするのではなく、固定支持部材3351、3352を備えたことにより、環状体333の支持性能も向上できる。
まず、図12を参照して固定支持部材3351及び3352について説明する。図12(a)は駆動力付勢ユニット337の近傍を示す拡大図、図12(b)は固定支持部材3351、3352の拡大図であり、いずれも可動装飾ユニット330を背面側から見た図である。本実施形態では固定支持部材3351(及びこれが支持するローラ334b)を支持板331の正面側に設け、固定支持部材3352(及びこれが支持するローラ334a)を背面側に設けている。
固定支持部材3351は支持板331から突出するよう固定した軸体である。固定支持部材3351はローラ334bを回転自在に軸支する。固定支持部材3352は支持板331に固定したブラケット3352a及びブラケット3352aが支持し、ローラ334aを回転自在に支持する軸体3352bを備える。
固定支持部材3352は、環状体本体3331の内側部33311に当接するローラ334aを支持する。このため、環状体333を半径方向に横断して、環状体333の周縁を跨るようにブラケット3352aを設けており、ブラケット3352aの先端に軸体3352bを備えた構成としている。固定支持部材3351は、環状体本体3331の外側部33312に当接するローラ334bを支持する。環状体333を半径方向に横断する必要はないので、固定支持部材3351は支持板331に固定した軸体としている。このようにして環状体333の周囲に、ローラ334a、334b及びこれに関連する構成を効果的に配置できる。
次に、図11を参照して可動支持部材3361及び3362について説明する。図11(a)は可動支持部材3362の拡大図、図11(b)は可動支持部材3361の拡大図であり、前者は可動装飾ユニット330を背面側から見た図、後者は正面側から見た図である。本実施形態では可動支持部材3361(及びこれが支持するローラ334b)を支持板331の正面側に設け、可動支持部材3362(及びこれが支持するローラ334a)を背面側に設けている。
可動支持部材3362は、その一方端部を軸体3362aを介して支持板331に軸支し、軸体3362aを回動中心として回動自在に設けている。可動支持部材3362の他方端部にはスプリング3362bの一方端部を連結している。スプリング3362bの他方端部は支持板331に固定している。軸体3362a及びスプリング3362bはいずれも環状体333の半径方向外方に位置している。
可動支持部材3362の中央部は環状体333の半径方向内側に突出しており、その先端部にローラ334aを回転自在に軸支している。スプリング3362bはローラ334aを環状体本体3331の内側部33311に当接する方向に常時付勢する弾性部材である。ローラ334aを内側部33311により確実に当接させることができ、環状体333の回転軌道の振れに対応しながら前記環状体333を支持することができる。
可動支持部材3361は、その略中央部を軸体3361aを介して支持板331に軸支し、環状体333の半径方向外方の軸体3361aを回動中心として回動自在に設けている。可動支持部材3361の一方端部にはスプリング3361bの一方端部を連結している。スプリング3361bの他方端部は支持板331に固定している。スプリング3361bは環状体333の半径方向外方に位置している。
可動支持部材3361の他方端部には軸体3361dを設け、その一方端部にローラ334bを回転自在に軸支している。軸体3361dの他方端部は支持板331に設けた弧状の長孔3361cに挿通している。長孔3361cは可動支持部材3361の回動範囲を規制する。
本実施形態では、上述した可動支持部材3362の回動範囲はスプリング3362bの最大伸長長さに依存し、実質的に規制しないが、可動支持部材3361の回動範囲は長孔3361cで規制することとし、これらが支持するローラ334aとローラ334bとで、その移動を許容する範囲が異なるようにしている。これにより、環状体333の回転軌道の振れの方向に応じて、振れの規制範囲を異ならせることができ、設計上、狙った振れを実現できる。本実施形態では、可動支持部材3361の回動範囲を長孔3361cで規制することにより、環状体333が上方へ大きく振れることを規制している。これは環状体333の下部に設けた、後述する駆動力付勢ユニット337の歯車3373が第1被当接領域33312aから離間して空転することを防止するためである。
スプリング3361bはローラ334bを環状体本体3331の外側部33312(特に後述する第2被当接領域33312b)に当接する方向に常時付勢する弾性部材である。ローラ334bを外側部33312により確実に当接させることができ、環状体333の回転軌道の振れに対応しながら環状体333を支持することができる。
可動支持部材3362は、環状体本体3331の内側部33311に当接するローラ334aを支持する。このため、軸体3362aで環状体333の半径方向外方にて軸支しながら、環状体333を半径方向に横断して環状体333の周縁を跨るように、ローラ334aを支持する中央部を環状体333の半径方向内側に突出して設けている。一方、可動支持部材3361は、環状体本体3331の外側部33312に当接するローラ334bを支持する。環状体333を半径方向に横断する必要はないので、環状体333を跨る部分はなく、環状体333の半径方向外方に位置している。このようにして環状体333の周囲に、ローラ334a、334b及びこれに関連する構成を効果的に配置できる。
本実施形態では、このように、ローラ334a及び334bとその支持部材3351、3352、3361及び3362により、環状体333を無軸で回転自在に支持している。
本実施形態では、環状体333の回転中心となる仮想軸よりも上方では、ローラ334a及び334bを可動支持部材3361、3362で回転自在に支持して移動可能とする一方、仮想軸よりも下方ではローラ334a及び334bを固定支持部材3351及び3352で回転自在に支持して移動不能に位置を固定している。
環状体333の自重が作用する下部のローラ334a、334bを固定支持部材3351、3352により支持して支持力を向上する一方、上部のローラ334a、334bを可動支持部材3361、3362により支持することで、環状体333の回転軌道の振れに対応しながら環状体333を支持することができる。
なお、固定支持部材3351及び3352が支持するローラ334a及び334bは、可動支持部材3361及び3362が支持するローラ334a及び334bよりも強度の高い材料、例えば、前者を金属とし、後者をプラスチックやゴムとすることが望ましい。固定支持部材3351、3352が支持するローラ334a、334bについては相対的に強度を高めて支持力を強化する一方、全てのローラ334a、334bについて強度の高い材料で構成しないことで経済性を高められる。
次に、図7、図10、図12(a)及び図13を参照して、駆動力付勢ユニット337について説明する。図13は駆動力付勢ユニット337近傍の断面図である。駆動力付勢ユニット337は可動装飾ユニット330の右側部側の下部であって、環状体333の右下方に位置し、環状体本体3331の周縁に当接して環状体333を回転させる駆動力を付勢する。
駆動力付勢ユニット337は、支持板331に固定して設けたステッピングモータ3371と、ステッピングモータ3371の出力軸に設けたピニオン3372と、支持板331に回転自在に設けた、ピニオン337と噛合する歯車3373と、を備える。ステッピングモータ3371は支持板331の背面側に位置し、ステッピングモータ3371の出力軸は支持板331を貫通して、ピニオン337及び歯車3373は正面側に位置している。ステッピングモータ3371にはその駆動回路を搭載した駆動回路基板339を取り付けている。
なお、本実施形態では、ステッピングモータ3371が可動装飾ユニット330の右側部側に位置しており、本体200に対する前面扉ユニット300の回動中心よりも遠くの部位に位置する。回動中心よりも遠くにステッピングモータ3371を配置することで、前面扉ユニット300を開状態とした際に作業スペースが広くなり、メンテナンス性を向上できる。無論、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して開状態とすれば更に作業スペースが広くなる。
次に、図13に示すように環状体本体3331の外側部33312は、環状体333の移動方向であるその周方向に沿って並列に形成した、第1被当接領域33312aと第2被当接領域33312bと、を有する。第1被当接領域33312aには歯車3373と噛合する歯を外側部33312の全周に渡って形成しており、第1被当接領域33312aは歯車を形成している。第2被当接領域3312bはローラ334bが当接する領域である。
ステッピングモータ3371は環状体333を移動(回転)させる駆動力を発生する電動の駆動手段であり、ステッピングモータ3371が発生した駆動力(回転力)はピニオン3372及び歯車3373を介して環状体333へ伝達する。ステッピングモータ3371の出力軸は環状体333の移動方向(環状体333の接線方向)に直交する方向を向いている。そして、ステッピングモータ3371は、環状体333の側方であって、特に第1被当接領域33312aの側方に位置している。このような配置により、ステッピングモータ3371の出力軸を外側部33312に近接配置することができ、小型化が図れる。
歯車3373は第1被当接領域33312aに当接して、第1被当接領域33312aに形成した歯と噛合し、ステッピングモータ3371が発生した駆動力を環状体333へ伝達する伝達部材として機能する。歯車3373と第1被当接領域33312aとの当接部位、すなわち駆動力の付勢部位は環状体333の回転中心となる仮想軸よりも下方となるように設定している。
図12に示すように、歯車3373とローラ334aとは互いに対向するように位置しており、これらが環状体本体3331の一部を挟持するよう配置している。これにより、環状体333が歯車3373から離間してしまうことを防止し、駆動力付勢ユニット337の駆動力を環状体333により確実に伝達することができ、環状体333の動作の確実性を向上できる。
また、歯車3373の駆動力の付勢部位の近傍には、ローラ334aの他に、固定支持部材3351で支持したローラ334bが位置している。ローラ334bは駆動力の付勢部位の、環状体333の周方向両側に位置している。このように、付勢部位の近傍にローラ334a、334bを設けたので、付勢部位周辺における環状体333の支持性能を向上し、駆動力付勢ユニット337の駆動力を環状体333により確実に伝達できる。よって、環状体333の動作の確実性を向上できる。
また、環状体333の自重を付勢部位の周方向両側のローラ334bで負担できるので、駆動力付勢ユニット337の歯車3373、ステッピングモータ3371に環状体333の自重による荷重が過剰に加わることを防止し、環状体333の動作の確実性を向上できる。
更に、付勢部位近傍のローラ334a、334bについては、可動支持部材3361、3362ではなく、固定支持部材3351、3352で支持する構成としたので、付勢部位周辺における環状体333の支持性能を更に向上でき、駆動力付勢ユニット337の駆動力を環状体333により確実に伝達できる。
次に、可動装飾ユニット330は被検知部33311aを検出するためのセンサ338を備える。センサ338は例えば光学センサであり、支持板331に固定している。環状体333が1回転する度にセンサ338が被検知部33311aを検出し、ステッピングモータ3371の駆動パルスのカウントリセットを行なうことで、環状体333の回転位置を簡易な構成でより正確に制御することができる。
センサ338は、可動支持部材3361及び3362と固定支持部材3351及び3352との位置関係で言えば、固定支持部材3351、3352に近い位置に位置している。特に、本実施形態では、図7に示すように、可動支持部材3361及び3362を配設していない、環状体333の下部周縁における、2つの固定支持部材3351と固定支持部材3352との間の領域に設けており、さらに、固定支持部材3351の近傍にセンサ338を設けている。また、センサ338を図7及び図12(a)に示すように、歯車3373の駆動力の付勢部位の近傍に設けている。環状体333の振れが少ない位置にセンサ338を配することで、被検知部33311aの検出精度を向上できる。
このように環状体333の可動に必要な駆動力付勢ユニット337やセンサ338といった構成を可動装飾ユニット330に集約してユニット化することで、機種変更時等における可動装飾ユニット330の交換を容易化することができる。
次に、上記の駆動力付勢ユニット337、ローラ334b及びその支持部材3351、3361等は環状体本体3331の半径方向外方に位置しているため、遊技台Aの正面から見た場合、環状体カバー333aにより隠蔽することができるが、ローラ334aやその支持部材352、3362の一部やセンサ338の一部は環状体本体3331の半径方向外方に位置しているため、環状体カバー333aでは隠蔽できない。そこで、本実施形態では環状体333が隠蔽用環状体3333を有することにより、これらを隠蔽するようにしている。
図13に示すように隠蔽用環状体3333は、その軸方向に平行に延びている外壁部3333aと、外壁部3333aの端部から折り返して斜めに傾斜している内壁部3333bと、を有して、断面がレの字状の楔形をなしている。ローラ334aやその支持部材352、3362の一部やセンサ338の一部は、遊技台Aの正面から見た場合、内壁部3333bの背後に隠れ、遊技者から視認困難となる。こうして遊技台Aの外観を向上している。
<照明器ユニット>
次に、図3、図5、図14乃至図16を参照して照明器ユニット340の構成を説明する。図14は照明器ユニット340の正面側の斜視図(一部破断)、図15は照明器ユニット340の基板3421乃至3424の斜視図、図16は前面扉ユニット300からガラスユニット350を取外し、かつ、可動装飾ユニット330及び照明器ユニット340が閉状態での前面扉ユニット300の背面側の斜視図である。
照明器ユニット340は支持板341を備える。支持板341は遊技台Aの正面から遊技者が遊技領域221全体を視認可能にする円形の開口部である窓部3411を有する。支持板331はその左側部の上下に軸部3412を備える。軸部3412はいずれも支持板341の軸支持部3412aから下方へ延びている。
軸部3412は前面扉310に設けた軸受部314の長孔を挿通する。図6(b)は下側の軸部3412及び軸受部314近傍の拡大図である。なお、上側の軸部3412及び軸受部314も略同様の構成である。軸受部314は前面扉310の背面側へ略水平に突出した、平面視でヘの字状の板であり、への字状の長孔を有している。
図6(c)は軸受部314の平面視図である。軸受部314に形成した長孔は、孔の幅が残りの部位よりも狭い幅狭部314aを有している。図6(d)は軸部3412の途中の部位の断面図である。軸部3412の途中の部位はその周面の一部が面状になっている。面状の部分での軸部3412の直径はD2であり、面状の部分以外の部分での軸部3412の直径はD1(>D2)である。上述した幅狭部314aの幅と直径D1、D2との関係は、D2<幅狭部314aの幅<D1である。
しかして、軸受部314の長孔に軸部3412を挿入することで、軸部3412よりも幅が大きい軸支持部3412aが軸受部314上に載置状態となり、照明器ユニット340全体を前面扉310で支持している。
この軸部3412及び軸受部314の構成によって、照明器ユニット340を前面扉310に対して軸部3412の軸方向を回動中心として回動可能に取り付けており、照明器ユニット340は前面扉310に対して開閉する。また、本実施形態では軸部3412を軸受部314の長孔に沿って移動させて照明器ユニット340の回動範囲を変化させることが可能である。図6(e)及び(f)は軸部3412と軸受部314との説明図であり、上段は軸受部314の下側から見た図、下段は軸受部314における断面図である。
図6(e)は、軸部3412が軸受部314の長孔のうち、軸受部314の根元側に位置している状態を示している。照明器ユニット340を前面扉310に対して閉状態としている場合には軸部3412は図6(e)の位置にある。この状態では、軸部3412の面状の部分の面方向が幅狭部314aの幅方向と略平行である。このため、軸部3412を、軸受部314の長孔のうち、軸受部314の先端側に移動しようとしても、幅狭部314aを軸部3412が通過できないため、移動できない。
図6(e)の状態から照明器ユニット340を前面扉310に対して回動して、図6(f)に示すように、軸部3412の面状の部分の面方向が幅狭部314aの幅方向と略直交するようにすると、幅狭部314aを軸部3412が通過できる。このため、図6(f)において破線で示すように、軸部3412を、軸受部314の長孔のうち、軸受部314の先端側に移動することができる。軸部3412を軸受部314の先端側に移動することで、前面扉310等と干渉せずに照明器ユニット340を回動できる範囲が広くなり、例えば、図5に示すように照明器ユニット340を遊技盤220側にピッタリと重なった状態とすることができる。
軸部3412の先端は軸受部314の長孔の幅よりも大径となっているが(図6(e)及び(f)の上段の図参照)、割り溝が設けられている。従って、軸部3412の先端を軸受部314の長孔に押し込むようにすると、軸部3412の先端が割り溝の分だけ一時的に縮径し、軸部3412が長孔を挿通した状態となる。逆に、照明器ユニット340を前面扉310に対して相対的に上方にやや強めに移動すると、軸部314が軸受部314の長孔から離脱し、照明器ユニット340を前面扉310から取外すことができる。従って、照明器ユニット340は、前面扉310を本体200に対して開放した状態で前面扉310に着脱自在である。
このような構成により、照明器ユニット340の交換・メンテナンスを前面扉310を開放することで簡易に行なうことができる。
ここで、可動装飾ユニット330と照明器ユニット340とはいずれも前面扉310に対して回動自在に取り付けられているが、前者を前面扉310の右側部において回動自在に支持し、後者を前面扉310の左側部において回動自在に支持したことで、図5に示すように可動装飾ユニット330と照明器ユニット340とは前面扉310に対して観音開き状に開閉することができる。この構成により、可動装飾ユニット330と照明器ユニット340との回動範囲を広げてメンテナンス性を向上することができる。また、前面扉310の背面、可動装飾ユニット330及び照明器ユニット340の正面及び背面を同時に露出できるので、これらのメンテナンスを同時並行的に行なうことができ、メンテナンス性を向上できる。
また、可動装飾ユニット330と照明器ユニット340を前面扉310に取り付けたので、前面扉310を開くとこれに可動装飾ユニット330と、照明器ユニット340とが付いてくる。よってこれらの交換・メンテナンスを簡易に行なうことができる。
次に、支持板341は複数箇所(4箇所)において係合爪3413を備える。係合爪3413は支持板341の正面側に突出している。各係合爪3413はそれぞれ、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して閉状態とし、かつ、照明器ユニット340を前面扉310に対して閉状態としたときに、可動装飾ユニット330の支持板331に設けた係合孔3314の背後に位置するように配設している。そして、係合爪3413を係合孔3314に挿入して両者を係合することで、照明器ユニット340を前面扉310に対して回動不能(開放不能)とし、閉状態の可動装飾ユニット330を介して照明器ユニット340を閉状態で前面扉310に固定することができる。このように簡易な構成で可動装飾ユニット330に対して照明器ユニット340を確実に固定できる。
次に、支持板341は貫通孔である通過部3414を備える。通過部3414は可動装飾ユニット330を前面扉310に対して閉状態とし、かつ、照明器ユニット340を前面扉310に対して閉状態とした場合に、可動装飾ユニット330の支持軸332が通過して挿通する挿通孔である。通過部3414を通過した支持軸332の先端は照明器ユニット340の背面に突出してガラスユニット350を支持する。通過部3414を照明器ユニット340に設けたことで、支持軸332と照明器ユニット340との干渉を回避してガラスユニット350を支持できる。その詳細は後述する。
支持板341は通過部3414の周囲に設けた、支持軸332と照明器ユニット340との衝突を防止する衝突防止部3414aを備える。本実施形態では、全ての通過部3414に衝突防止部3414aを設けているが、一部の通過部3414に設けるようにしてもよい。衝突防止部3414aは支持板341の正面から前方(正面側)へ突出し、通過部3414の下部を除いて通過部341の周囲を囲む壁体として構成している。下部を除いているのは支持軸332の挿通性を高めるためである。
本実施形態の場合、可動装飾ユニット330を前面扉310に対して閉状態とし、開状態にある照明器ユニット340を回動して閉状態とすると、支持軸332が通過部3414を挿通することになり、照明器ユニット340の開状態から閉状態への移行と通過部3414への支持軸332の挿通とを同時になし得る。
但し、可動装飾ユニット330や照明器ユニット340の製造誤差、或いは、取り付けのガタツキ等により、支持軸332先端が通過部3414からずれて、支持板341の正面の基板3421等に支持軸332が衝突し、基板3421等を破損する場合が懸念される。
本実施形態では、衝突防止部3414aを壁体として設けたことで、照明器ユニット340の開状態から閉状態への回動の際、支持軸332先端が通過部3414からずれていても支持軸332が衝突防止部3414aに突き当たって、基板3421等と衝突することを防止でき、また、衝突防止部3414aが支持軸332を案内して通過部3414へ導くことができ、より円滑に支持軸332を通過部3414に挿通させることができる。なお、本実施形態では支持軸332を先細りとなるテーパ状に形成し、その根元部分を相対的に太くして強度を高める一方で、通過部3414への挿通性を向上している。
次に、照明器ユニット340は支持板341の正面において支持した複数の基板3421乃至3424を備える。各基板3421乃至3424には電子部品としてLED3431を搭載している。また、基板3421には電子部品としてLED3432を搭載している。各基板3421乃至3424にはLED3431、3432の駆動に必要な電源配線や制御信号配線等ののパターンが形成されている(不図示)。
LED3431、3432を搭載する基板を複数としたので、回路配線の断線等が生じた場合には部分的に基板を交換すればよく、全体を交換する必要がない。
LED3431は環状体333をその背面側から照明し、装飾性を高める照明器である。本実施形態ではLED3431を環状体333の輪郭に沿って環状に複数配置しており、環状体333の回転と、複数のLED3431の点灯位置の移動とにより、様々な演出が可能である。
このようにLED3431による照明により、環状体333の装飾性を向上できる。また、LED3431を可動装飾ユニット330とは別に、照明器ユニット340に搭載したことにより、機種変更時等には可動装飾ユニット330と照明器ユニット340との組合せの選択肢が増えて遊技台Aを多様化できる。
LED3432は可動装飾ユニット330の開口部3315及び前面扉310の開口部317aを介して前面扉310の照明カバー317をその背面側から照明し、装飾性を高める照明器である。本実施形態では、このように装飾体である、環状体333及び照明カバー317を照明する照明器であるLED3431及び3432を照明器ユニット340に集中的に搭載している。このように照明器ユニット(340)にLED3431、LED3432を集約したので、照明器関係の構成を簡素化できる。
図15に示すように、基板3421及び3422は衝突防止部3414aが挿通する開口部3451を備える。また、各基板3421乃至3424はコネクタ3442を備え、両端にコネクタが付いたの不図示の配線をこれらに接続することで、各基板3421乃至3424間を電気的に接続する。基板3422のコネクタ3442は基板3423の下方のコネクタ3442と不図示の配線で接続する。基板3423の上方のコネクタ3442は基板3421の左側のコネクタ3442と不図示の配線で接続する。基板3424の上方のコネクタ3442は基板3421の右側のコネクタ3442と不図示の配線で接続する。
こうして各基板3422乃至3424に必要な電源配線、制御信号配線等のパターンを基板間で電気的に接続し、かつ、基板3421に集約するようにしている。図16に示すように基板3421はその背面に中継コネクタ3441を有しており、各基板3421乃至3424の電気配線は中継コネクタ3441に集約している。
中継コネクタ3441は照明器ユニット340の背面左側部側に位置しており、支持板341は中継コネクタ3441をその背面に突出させる開口部3419aを有している。中継コネクタ3441は、図3に示した本体200のコネクタ214と、両端にコネクタが付いたの不図示の配線によって電気的に接続する。コネクタ214は演出制御基板246と電気的に接続しており、演出制御基板246からの制御信号が各基板3421乃至3424に送信されることになる。
中継コネクタ3441は照明器ユニット340の左側部側に位置しており、本体200に対する前面扉ユニット300の回動中心の近くの部位に位置する。回動中心の近くに中継コネクタ3441を配置することで、本体200への配線長を短くでき、また、図16に示したように前面扉ユニット300を開状態とした際に該配線が邪魔にならず、メンテナンス性を向上できる。
また、中継コネクタ3441と接続する本体200のコネクタ214が本体200の左側部側、つまり、中継コネクタ3441の位置と同じ側に位置しているので、中継コネクタ3441とコネクタ214とに接続する配線の配線長を一層短くできる。
次に、図14に示すように基板3444はその正面にコネクタ3444を備える。コネクタ3444には配線3444aを接続している。配線3444aは支持板341と基板3422、3423、並びに3421との間を通過し、更に、支持板341の左上方に設けた開口部3444aを通過して照明器ユニット340の背面側へ出ている。配線3444aは本体200の左上部を通過して、遊技台Aの背面側の電源回路20(図2)に接続している。
配線3444aはステッピングモータ3371の電源用の配線であり、高電圧でノイズが発生し易いことから基板3421乃至3424の配線パターンを利用せずに、被覆配線を用いたものである。
図16に示すように、基板3444はその背面にコネクタ3443a及び3443bを備える。支持板341はコネクタ3443a及び3443bをその背面に突出させる開口部3419bを有している。
コネクタ3443aには、図3に示す、センサ338からの配線338aの端部のコネクタ338bを接続する。センサ338は、その検出信号を配線338a、コネクタ338b及び3443a、基板3422、3423及び3421の配線パターン、基板3421の中継コネクタ3441及びコネクタ214を介して演出制御基板246へ出力する。
コネクタ3443bには、図3に示す、ステッピングモータ3371の駆動回路基板339の配線339aの端部のコネクタ339bを接続する。配線339aはステッピングモータ3371の電源用配線と、駆動パルス用配線とを含む。コネクタ339bは、配線339aのうちの電源用配線は上述したコネクタ3444に電気的に接続する。駆動パルス用配線については、コネクタ339b及び3443b、基板3422、3423及び3421の配線パターン、基板3421の中継コネクタ3441及びコネクタ214を介して演出制御基板246と電気的に接続するようにしている。
このようにコネクタ3443aやコネクタ3443bを照明器ユニット340の背面に設けたことで、前面扉310と照明器ユニット340との間に位置する可動装飾ユニット330の配線の接続を容易化することができる。
また、中継コネクタ3441と、コネクタ3443aやコネクタ3443bとを別の別の基板に設けたことで、コネクタの局所的な密集による配線作業の作業性低下の防止や、これらのコネクタの配置の最適化(例えば、接続対象になるべく近くなるような配置)による配線の短縮化を図れる。
次に、照明器ユニット340は、その背面下部に支持板341に形成した仮置き部3416、受け止め部3417を備える。仮置き部3416はガラスユニット350を前面扉ユニット300(より正確には前面扉310及び中間ユニット320からなるユニット)に装着する際に、ガラスユニット350を仮置きするためのものである。また、照明器ユニット340は、その背面上部に係合機構3418を備える。これらの詳細は後述する。
<ガラスユニット>
次に、図3及び図16を参照してガラスユニット350について説明する。ガラスユニット350は2層の透明のガラス部材351と、ガラス部材351を支持する枠体352と、を備える。ガラス部材351は遊技領域221を覆う透明部材であり、ガラスユニット350は遊技領域221のカバーユニットとして機能する。遊技領域221から遊技球が飛散することをガラス部材351で防止できる。
枠体352は可動装飾ユニット330の支持軸332と着脱自在に係合する複数(4つ)の係合部3522を有する。係合部3522はフック状をなしており、支持軸332の上方から係合部3522を支持軸332に引っ掛けるようにして係止することで、支持軸332がガラスユニット350を支持する。これにより、照明器ユニット340の背面にガラスユニット350を着脱自在に装着できる。
支持軸332でガラスユニット350を支持する構成としたことにより、可動装飾ユニット330及びこれを支持する前面扉310はガラスユニット350を支持する。閉状態において、照明器ユニット340及びガラスユニット350を装飾ユニット330に取り付けた構成としたから、前面扉310を開状態とすることで、これらも本体200に対して開状態となる。そして、支持軸332に対してガラスユニット350が着脱自在であることから、可動装飾ユニット330とガラスユニット350との間に存する照明器ユニット340のLED3431、3432のメンテナンス性も向上できる。
また、可動装飾ユニット330でガラスユニット350を支持する構成とすることにより、可動装飾ユニット330又はガラスユニット350の装着をし忘れることを防止することができる。また、照明器ユニット340は可動装飾ユニット330とガラスユニット350との間に介在するので、照明器ユニット340の装着し忘れも防止できる。
枠体352には貫通長孔である指掛け部3524を上部左右にそれぞれ設けており、ガラスユニット350を支持軸332に引っ掛ける際に作業者がガラスユニット350を容易に持ち上げられるようにしている。
枠体352はその上部に係合片3521を一体に有する。係合片3521は図16に示す照明器ユニット340の係合機構3418と係合する。係合機構3418は左右方向に延びた、断面門型のアーム取り付け部3418bと、アーム取り付け部3418bの側方からアーム取り付け部3418bに挿入可能な抜き取り規制アーム3418bと、を備える。
アーム取り付け部3418bの差込口3418b'に枠体352の係合片3521を差込み、抜き取り規制アーム3418bを図16の状態から矢印方向にアーム取り付け部3418bに挿入すると、係合片3521の背面側に抜き取り規制アーム3418bが位置し、ガラスユニット350がその背面側へ倒れ込むことを防止することができる。
枠体352はその下部に当接片3523を一体に有する。当接片3523はガラスユニット350を支持軸332に引っ掛ける際に、照明器ユニット340の仮置き部3416に当接することで、ガラスユニット350を仮置き部3416に仮置きするための部材である。当接片3523を枠体352と別体として接続する場合よりも、当接片3523の強度を高められ、また、接続作業を不要として簡易に製作できる。
以下、図17及び図18を参照して仮置き部3416を用いたガラスユニット350の装着手順について説明する。図17はガラスユニット350の装着手順の説明図である。図18(a)乃至(d)はガラスユニット350の装着手順を示す、仮置き部3416近傍の拡大断面図である。
ガラスユニット350はガラス部材351を有するため、比較的重量が重く、その組付けの作業性の向上が求められる。本実施形態の場合、ガラスユニット350の装着にあたっては、まず、図18(a)に示すように当接片3523を仮置き部3416上に当接して、ガラスユニット350を仮置き部3416上に仮置きする。仮置き部3416は、照明器ユニット340の背面下部に設けており、低い位置に設けている。これにより、前記ガラスユニット(350)を持ち上げる距離が少なくなり、作業者の負担を軽減できる。
仮置き部3416は支持板341の背面から突出しており、当接片3523の先端を仮置き部3416と支持板341との角部に突き当てるようにして当接片3523を当接する。当接片3523を設けたことで、仮置き部3416にガラスユニット350を仮置きし易くなる。
この状態では図17において姿勢1として示すようにガラスユニット350は傾いている。ガラスユニット350の重量は仮置き部3416を介して遊技台Aによっても負担されるので、作業者が負担する重量は軽減する。
続いて、ガラスユニット350の上部を持ち上げるようにして、当接片3523の先端当接部分を回動中心としてガラスユニット350を回動させ、図17の姿勢2に示すようにガラスユニット350の姿勢を立てる。図18(b)はガラスユニット350が姿勢2の状態にある際の仮置き部3416近傍を示している。ガラスユニット350の姿勢が立つに従って、仮置き部3416が負担するガラスユニット350の重量の割合が高くなり、作業者が負担する重量の割合は減少する。
この作業を継続すると、ガラスユニット350は図17において姿勢3で示すように垂直に立った姿勢となる。図18(c)はガラスユニット350が姿勢3の状態にある際の仮置き部3416近傍を示している。ガラスユニット350の正面が照明器ユニット340の背面に接する直前では、当接片3523は仮置き部3416から脱落寸前となる。
ガラスユニット350が姿勢3の状態にあるとき、各係合部3522は、対応する各支持軸332とは非係合状態にあり、各支持軸332よりも上方に位置するように、その配置を設計している。また、係合片3521はこれがアーム取り付け部3418bの差込口3418b'に差込んだ状態となるようにその配置を設計している。
更に、ガラスユニット350の正面を照明器ユニット340の背面に押し当てるようにすると、当接片3523が仮置き部3416から脱落してガラスユニット350が下方へ移動する。この脱落は、仮置き部3416の、支持板341からの突出量を、当接片3523の先端とガラスユニット350の正面との間の距離よりも僅かに短くすることで生じる。
ガラスユニット350の下方への移動により、各係合部3522は、対応する各支持軸332と係合状態となる。つまり、仮置き部3416、各係合部3522、当接片3523、支持軸332の相対位置は、当該係合状態に至る一連の動作が生じるように設計している。ガラスユニット350を仮置き部3416から脱落させるだけでガラスユニット350と支持軸332とを係合状態とすることができるので、装着作業を簡易化し、作業者の負担を軽減できる。
その後、抜き取り規制アーム3418bをアーム取り付け部3418bに挿入してガラスユニット350の装着作業が終了する。仮置き部3416を利用した、ガラスユニット350の回動装着により、ガラスユニット350の装着作業をより容易に行なうことができる。
なお、ガラスユニット350を回動する途中において、当接片3523の先端が仮置き部3416から脱落する場合があり得る。脱落すると、ガラスユニット350を床に落下させてしまう場合がある。このため、図18に示すように、本実施形態では当接片3523の根元部分を、その先端より幅広とした顎部3523aとして構成している。ガラスユニット350を回動する途中や或いは係合部3522と支持軸332とがしっかりと係合しなかった場合等の装着完了前において、当接片3523の先端が仮置き部3416から脱落した場合、顎部3523aが仮置き部3416に引っ掛かることで、ガラスユニット350の落下が一時的に阻まれ、作業者がガラスユニット350を持ち直してその落下を防ぐ機会を与えることができる。
また、仮置き部3416の下方には受け止め部3417を設けている。受け止め部3417は照明器ユニット340の支持板341の背面から仮置き部3416よりも大きく突出しており、支持板341と共に上方が開放した箱を形成している。
しかして、ガラスユニット350を回動する途中や或いは係合部3522と支持軸332とがしっかりと係合しなかった場合等の装着完了前において、当接片3523が仮置き部3416から脱落した場合、当接片3523が受け止め部3417に受け止められて、ガラスユニット350の落下が阻まれる。そして、作業者がガラスユニット350を持ち直してその落下を防ぐ機会を与えることができる。このように本実施形態では顎部3523aに加えて受け止め部3417を設けたことにより、ガラスユニット350の装着作業時にガラスユニット350をうっかり落下させてしまう事態を回避できるようにしている。
このようにしてガラスユニット350は照明器ユニット340の背面に装着することができる。
ところで、本実施形態では、前面扉ユニット300が、正面側から順に、前面扉310、可動装飾ユニット330、照明器ユニット340及びガラスユニット350が積層された構成となっている。前面扉ユニット300の各構成のメンテナンスを行なう場合、図1の状態から前面扉ユニット300を本体200に対して開状態とし、まず、ガラスユニット350を取外し、次に照明器ユニット340を開状態とし、更に可動装飾ユニット330を開状態とすることになる。
メンテナンスが終了すると、まず、可動装飾ユニット330を閉状態とし、次に照明器ユニット340を閉状態とし、更に、ガラスユニット350を装着する。最後に前面扉ユニット300を本体200に対して閉状態とすることになる。
<環状体333の他の構成例1>
環状体333は、その回転動作による演出のみならず、様々な演出を実現可能である。図34(a)乃至(c)は環状体333の他の構成例を示す説明図である。図34(a)は本例における環状体カバー333a、装飾用環状体3332、隠蔽用環状体3333を模式的に示した正面図である。
本例において、環状体カバー333aは、その周方向に等ピッチに形成した複数(ここでは20個)の窓部C1を有する。窓部C1は環状体カバー333aの背後が遊技者から見えるよう、切り欠き若しくは透明に形成し、環状体カバー333aのその他の部分は環状体カバー333aの背後が遊技者から見えないように有色等とするか、又は、透明であってもほとんど見えないように濃色の有色透明とする。
装飾用環状体3332は、環状体カバー333aと同様に、その周方向に等ピッチに形成した複数の窓部C2を有する。窓部C2は、窓部C1と同形状であるが、環状体333の回転位置により、窓部C1と重なるものと重ならないものが生じるよう、窓部C1よりも少ない数(ここでは17個)とする。窓部C2は装飾用環状体3332の背後が遊技者から見えるよう、切り欠き若しくは透明に形成し、装飾用環状体3332のその他の部分は装飾用環状体3332の背後が遊技者から見えないように有色等とするか、又は、透明であってもほとんど見えないように濃色の有色透明とする。
隠蔽用環状体3333は、有色又は有色透明とする。これにより、装飾用環状体3332と隠蔽用環状体3333を組みつけてなる環状体333は、図34(b)に示すように、窓部C2から隠蔽用環状体3333が覗いて、周方向に等ピッチで有色部分(窓部C2)ガ現れることになる。
このようにして構成される環状体カバー333aと、環状体333とを組み合わせ、環状体333を回転させると、遊技者に環状体333の回転方向と逆方向の回転が環状体333に生じているかのような錯覚を与えることができる。図34(c)はその説明図である。
同図に示すように、窓部C1と窓部C2とは個数が異なるため、両者が完全に重なっているもの、両者が完全に重なっていないもの、両者が部分的に重なっているもの、が遊技者に見えることになる。
図34(c)は、同図の左側から順に、環状体333を時計回りに回転している場合を想定している。窓部C1と窓部C2とが完全に重なっている箇所Pの移動を見ると、環状体333は時計回りに回転しているが、箇所Pは反時計周りに移動する。よって、遊技者には環状体333自体は時計回りに回転しているのに、反時計回りの回転が環状体333に生じているかのような錯覚を与えることができる。
<環状体333の他の構成例2>
図35(a)乃至(c)は環状体333の更に他の構成例を示す説明図である。図35(a)は本例における環状体カバー333a、環状体333を模式的に示した正面図である。
本例において、環状体カバー333aは、その一部に窓部C11を有する。窓部C11は環状体カバー333aの背後が遊技者から見えるよう、切り欠き若しくは透明に形成し、環状体カバー333aのその他の部分は環状体カバー333aの背後が遊技者から見えないように有色等とするか、又は、透明であってもほとんど見えないように濃色の有色透明とする。
環状体333に、その一部に窓部C12を有する。窓部C12は、環状体333が所定の回転位置にある時に窓部C11と重なる位置に位置しており、窓部C11と重なった時に環状体333の背後が遊技者から見えるように構成する。例えば、窓部C12は窓部C11と同形状とし、また、環状体333の背後が遊技者から見えるよう、切り欠き若しくは透明に形成し、環状体333のその他の部分は環状体333の背後が遊技者から見えないように有色等とするか、又は、透明であってもほとんど見えないように濃色の有色透明とする。
本例の場合、環状体333の回転位置により、窓部C11と窓部C12とが重なって環状体333の背後(窓部C11の背後の部分)が遊技者に見える場合と、見えない場合とを作り出すことができる。これにより、例えば、環状体333の背後(窓部C11の背後の部分)に静止画像或いは可変画像の表示部を設け、遊技の進行に応じて、当該表示部が遊技者に見える場合と見えない場合とで、遊技の興趣を高める演出を行なうことができる。当該表示部は、照明器ユニット340に設けてもよいし、遊技盤220に設けてもよい。遊技盤220に設ける場合には、照明器ユニット340の一部に窓部C11と同様の窓部を形成するか、或いは、照明器ユニット340を設けない構成とすることができる。
図35(b)は、窓部C11と窓部C12とが重なっておらず、環状体333の背後(窓部C11の背後の部分)が遊技者に見えない場合を示している。また、図35(c)は、窓部C11と窓部C12とが重なって、環状体333の背後(窓部C11の背後の部分)が遊技者に見えている場合を示している。図35(c)は、環状体333の背後(窓部C11の背後の部分)に表示部として、例えば、7セグメントLED等の可変画像の表示器を設けた例を示しており、当該表示器は「7」の画像を表示している。図35(b)の状態の場合、この表示器の画像は遊技者からは見えないが、図35(c)の状態の場合には見えることになる。
このように、本例では、窓部C11と窓部C12が重なる場合以外では、遊技者は表示部による表示を確認することができず、重なる場合は表示部による表示を確認することができるといった演出が可能になる。
このような演出の具体例としては、例えば、変動表示している特別図柄表示装置227b及びLCD226が大当たり図柄、装飾図柄を確定停止表示する場合には、窓部C11と窓部C12とが重なるように環状体333を回転し、表示部では、所定の第1の確率で、大当たりとなる可能性がある程度高いことを示すための所定のチャンス画像を出力させ、外れ図柄を確定停止表示する場合には、第1の確率よりも低い第2の確率で可変表示器にチャンス画像を出力させるようにしてもよい。
このチャンス画像は、特別図柄表示装置227b及びLCD226が変動表示を開始してから確定停止表示するよりも前に表示を開始することが望ましい。また、上記の第1の確率は1/1を含み、第2の確率は0/1を含むものとする。
このような構成にすれば、変動中の特別図柄表示装置227b及びLCD226が大当たり図柄、装飾図柄を確定停止表示するよりも前に、大当たりするかどうかのヒントが遊技者に示されることになるので、窓部C11と窓部C12とが重なるか否か及び表示部の表示を遊技者は期待して確認するようになり、興趣を向上させることが可能になる場合がある。
<制御回路の構成>
次に遊技台Aの制御回路の構成について説明する。図19は主制御基板247及びこれに関連する構成のブロック図である。図20は演出制御基板246及びこれに関連する構成のブロック図である。
<主制御基板>
図19を参照して、主制御基板247は主制御回路10を搭載する。主制御回路10は遊技の進行を制御するCPU10aと、CPU10aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM10bと、一時的なデータを記憶するRAM10cと、CPU10aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O10dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM10b、RAM10cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM10cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにしている。
主制御回路10は、また、カウンタタイマ10eを備える。カウンタタイマ10eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU10aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。
主制御基板247は水晶発振器11、カウンタ回路12を搭載する。水晶発振器11はCPU10aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。カウンタ回路12は水晶発振器11が発生するクロック信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントし、大当たり抽選用の乱数を生成するために使用する。なお、本実施形態ではカウンタ回路12が水晶発振器11が発生するクロック信号をカウントする構成としたが、別の水晶発振器を設け、これが定期的に出力する信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントする構成としてもよい。
センサ回路13aは各種センサ14aからの信号を処理してI/O10dに出力する。CPU10aはI/O10dの入力ポートから各種センサ14aの検出結果を取得することができる。各種センサ14aは、入賞口223a、可変入賞口223b、大入賞口223c、普図始動入賞口224a、特図始動入賞口224bにそれぞれ設けた遊技球の入球を検出するセンサ、電源回路20の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
駆動回路13b乃至13dはI/O10dが出力する制御信号に基づき特別図柄表示装置227b、普通図柄表示装置227a、エラー表示装置319の表示制御を行なう。駆動回路13eはI/O10dが出力する制御信号に基づき各種ソレノイド14bを駆動制御する。各種ソレノイド14bは可変入賞口223b、大入賞口223cの開閉用のソレノイドを含む。駆動回路13f及び13gはI/O10dが出力する制御信号に基づき特図抽選保留記憶数表示装置228b、普図抽選保留記憶数表示装置228aの表示制御を行なう。CPU10aはI/O10dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。
CPU10aはI/O10dを介して演出制御基板246へ制御コマンドを出力する。また、CPU10aは情報出力回路15を介して情報入力回路15aへ制御信号を出力する。情報入力回路15aは、例えば、遊技台A毎にこれを設置する島に配した表示器の駆動回路である。
CPU10aはI/O10dを介して払出装置制御基板244へ制御信号を出力する。払出装置制御基板244はCPU10aからの制御信号に基づき、払出装置242を制御して、遊技球の払出処理を行なう。払出センサ244aは払出装置242が払出した遊技球を検出するセンサであり、払出す遊技球の数量をカウントするために用いる。払出装置制御基板244はまた、CR基板248からの制御信号に基づき、払出装置242を制御して、遊技球の払出処理を行なう。カードユニット30は遊技者が所定のカードを介して遊技球の貸与を受けるための処理を行なうユニットである。
払出装置制御基板244は発射装置制御基板245へ遊技球の発射を許可する信号を出力する。発射装置制御基板245は発射ハンドル234に対する操作量を検出するハンドルセンサ245aからの信号に応じて、下部ユニット230が内蔵する遊技球発射装置を構成する発射モータ245bを駆動する。また、上皿232aから遊技球発射装置へ遊技球を導く球送り装置245cを制御する。
<演出制御基板>
図20を参照して、演出制御基板246は演出制御回路50を搭載する。演出制御回路50は演出内容を制御するCPU50aと、CPU50aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM50bと、一時的なデータを記憶するRAM50cと、CPU50aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O50dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM50b、RAM50cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM50cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにしている。
演出制御回路50は、また、カウンタタイマ50eを備える。カウンタタイマ50eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU50aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。演出制御基板246は水晶発振器51を搭載する。水晶発振器51はCPU50aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。
センサ回路54は各種センサ54'からの信号を処理してI/O50dに出力する。CPU50aはI/O50dの入力ポートから各種センサ54'の検出結果を取得することができる。各種センサ54'は、環状体333の回転位置を検出するセンサ338、電源回路20の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
音源IC52はスピーカ318が出力する効果音のデータを記憶し、I/O50dが出力する制御信号に基づき、スピーカ318が出力する音を制御する。駆動回路53はI/O50dが出力する制御信号に基づき照明器ユニット340のLED3431、3432の駆動制御を行なう。CPU50aはI/O50dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。また、可動装飾ユニット330のステッピングモータ3371の駆動回路基板339にI/O50dの出力ポートを介して制御信号を送出し、環状体333の回転制御を行なう。
また、CPU50aはI/O50dを介してチャンスボタン236からの操作信号、主制御回路10のCPU10aが送信する制御コマンドを受信し、対応する処理を行う。更に、CPU10aはLCD制御基板226aに制御コマンドを送出する。LCD制御基板226aはLCD226の表示制御を行なう。
<遊技の進行の制御処理>
次に、主制御回路10のCPU10aが実行する処理の例について図21を参照して説明する。図21(a)はCPU10aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図21(b)はカウンタタイマ10eからの割り込み信号を契機としてCPU10aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU10aはS1で初期処理を行なう。ここではRAM10cが記憶しているデータの破損チェック、電源断時にRAM10cに退避したCPU10aのレジスタの記憶内容の復帰処理等を行なう。
S2では乱数カウンタの初期値を更新する処理を行ない、その後、電源断となるまでS2の処理を繰り返す。乱数カウンタはRAM10cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタであり、その種類として「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「普図当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」がある。これらのカウンタは一定の数値範囲で循環的に数値をカウントし、乱数の生成に使用する。初期値とはカウントが一巡したときに、次にカウントを開始する時の値を意味する。
例えば、0〜127の数値範囲で数値をカウントする場合であって、初期値が50であった場合、次のカウントは50、51...127、0...49となる。
「特図抽選用乱数カウンタ」は、大当たりの判定結果に基づき、特別図柄表示装置227bに表示する特別図柄の種類を、図28(a)に示した、図柄の中から抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。大当たりの判定結果が大当たりの場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から取得した乱数によって特別大当たり図柄が抽選で選択された場合には大当たり終了後に遊技状態を確変状態に設定する。
「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」は、特別図柄表示装置227bに表示する特別図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「普図当たり抽選用乱数カウンタ」は、可変入賞口223bの開放を定める当たりの判定を行うための乱数を生成するために使用する。本実施形態の場合、図28(c)に示したように、普通図柄表示装置227aが表示する普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類であるため、この判定結果により、普通図柄表示装置227aが表示する普通図柄の種類も定まる。「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」は普通図柄表示装置227aに表示する普通図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
<タイマ割り込み処理>
S11ではI/O10dの入力ポートから各種センサ14aの検出結果を取得する。S12では乱数カウンタを更新する。乱数カウンタとは上述した、「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「普図当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」であり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には、S2で更新した初期値にカウント値を更新する。
S13では始動入賞判定処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口224b又は可変入賞口223bへの遊技球の入球(特図始動入賞)の有無、普図始動入賞口224aへの遊技球の入球(普図始動入賞)の有無に関連する処理を行なう。詳細は後述する。
S14では特図関連処理を行なう。ここでは、大当たりの判定や大当たり状態中の処理を行う。詳細は後述する。S15では普図関連処理を行なう。ここでは、当たりの判定に関連する処理を行う。詳細は後述する。S16ではS13乃至S15での処理結果に応じて演出制御基板246へ制御コマンドを出力する。
S17ではS13乃至S15での処理結果に応じてI/O10dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。S18ではカウンタ更新処理を行なう。
カウンタ更新処理では時間を計時する各種カウンタのカウント値の更新等を行なう。時間を計時するカウンタの種類には、「特図変動時間カウンタ」、「普図変動時間カウンタ」、「可変入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放時間カウンタ」、「開放待ちカウンタ」がある。これらのカウンタは、RAM10cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタである。
「特図変動時間カウンタ」は特別図柄表示装置227bに表示する特別図柄の変動時間を計時するカウンタである。「普図変動時間カウンタ」は普通図柄表示装置227aに表示する普通図柄の変動時間を計時するカウンタである。「可変入賞口開放時間カウンタ」は可変入賞口223bの開放時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放時間カウンタ」は大入賞口223cの開放時間を計時するカウンタである。「開放待ちカウンタ」は大入賞口223cを開放するまでの待ち時間を計時するカウンタである。S18のカウンタ更新処理の詳細は後述する。
S19ではS11で取得したI/O10dの入力ポートのデータのうち、電源断を検出する上記のセンサの検出結果を取得し、電源断か否かを判定する。該当する場合にはS20へ進み、該当しない場合は一単位のタイマ割り込み処理を終了する。S20では電源断時の処理を行なう。ここでは例えばCPU10aのレジスタの記憶内容をRAM10cに退避する処理等を行ない、処理が終了する。
<始動入賞判定処理>
次に、図22を参照してS13の始動入賞判定処理について説明する。図22は始動入賞判定処理のフローチャートである。S21ではS11で取得したI/O10dの入力ポートのデータに基づき、特図始動入賞があったか否かを判定する。該当する場合はS22へ進み、該当しない場合はS26へ進む。
S22では特図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS23へ進み、該当しない場合はS26へ進む。なお、特図抽選保留記憶数はRAM10cの一部の記憶領域に記憶する。S23では特図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。S24ではカウンタ回路12から大当たり判定用の乱数を取得する。S25では、S24で取得した大当たり判定用の乱数、「特図抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM10cの一部の特図乱数記憶領域に特図抽選保留乱数として記憶する。
S26ではS11で取得したI/O10dの入力ポートのデータに基づき、普図始動入賞があったか否かを判定する。該当する場合はS27へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。
S27では普図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS28へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。なお、普図抽選保留記憶数はRAM10cの一部の記憶領域に記憶する。S28では普図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。S29では、「普図当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM10cの一部の普図乱数記憶領域に普図抽選保留乱数として記憶する。その後、一単位の始動入賞判定処理を終了する。
<特図関連処理>
次に、図23を参照してS14の特図関連処理について説明する。図23は特図関連処理のフローチャートである。S31では遊技状態として大当たり状態が設定中か否かを判定する。遊技状態は、通常状態、大当たり状態、確変状態、時短状態、当たり状態があり、それぞれRAM10cの一部の記憶領域に設定したフラグのON、OFFにより設定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合はS37へ進む。
S32では大入賞口223cが開放中か否かを判定する。該当する場合はS33へ進み、該当しない場合はS39へ進む。大入賞口223cが開放中か否かはRAM10cの一部の記憶領域を用いた大入賞口フラグがONかOFFかで判定する。
S33では大入賞口入賞数管理処理を行なう。ここでは大入賞口223cへの遊技球の入球数をカウントする処理を行なう。S34では大入賞口223cの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。該当する場合はS35へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。ここでは、S33の処理の結果、大入賞口223cへの遊技球の入球数が一定値に達した場合、又は、大入賞口223cの開放時間が一定時間に達した場合(「大入賞口開放時間カウンタ」のカウント値が0の場合)に、閉鎖条件成立と判定する。
S35では大入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、大入賞口223cを閉鎖すべく、I/O10dにデータをセットするといった処理を行なう。また、大入賞口フラグをOFFにする。S36ではラウンド管理処理を行なう。ここでは大入賞口223cの開放回数をカウントする処理、及び、開放回数が所定回数に達したか否かを判定する処理等を行なう。また、大入賞口223cの開放回数が所定回数に達していない場合には、「開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S37ではS36の処理結果に応じて大当たりを終了するか否かを判定する。大入賞口223cの開放回数が所定回数に達した場合に大当たりを終了する。該当する場合はS38へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S38では、遊技状態管理処理を行なう。ここでは、大当たり状態を示すフラグをOFFにし、大当たり状態を設定した際の特別図柄表示装置227bの表示確定図柄が通常大当たり図柄の場合は時短状態を示すフラグを、特別大当たり図柄の場合は確変状態を示すフラグを、それぞれONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。また、時短状態を示すフラグをONにした場合は、更に、「時短カウンタ」に初期値をセットする。「時短カウンタ」は時短状態での大当たりの抽選回数をカウントするソフトウエアカウンタであり、そのカウント値はRAM10cの一部の記憶領域に記憶する。
S39では「開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS40へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S40では大入賞口開放処理を行なう。ここでは、大入賞口223cを開放すべく、I/O10dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放時間カウンタ」に初期値をセットし、大入賞口フラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。
S41では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S42ではRAM10cの一部の記憶領域を用いた大当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合はS45へ進む。S43では大当たりフラグをOFFにする。S44では遊技状態管理処理を行なう。ここでは、その時に設定していた通常状態、確変状態又は時短状態を示すフラグをOFFにし、大当たり状態を示すフラグをONにする。また、「開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S45では特図抽選保留乱数がRAM10cに記憶されているか否かを判定する。該当する場合はS46へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。
S46では、特図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の特図抽選保留乱数を取得し、特図乱数記憶領域から消去する。また、特図抽選保留記憶数を一つ減算する。S47では大当たりの判定を行う。大当たりの判定は、S46で取得した特図抽選保留乱数の大当たり判定用の乱数と、ROM10bに記憶した大当たり抽選データとに基づき行なう。図29(a)は大当たり抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、大当たり判定用の乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。本実施形態では、大当たり抽選データを確率状態が通常時と確変時とで区別しており、現在の確率状態に応じて抽選データを選択する。遊技状態が確変状態の場合は確率状態が確変時であり、遊技状態がその他の場合は確率状態が通常時である。
また、本実施形態では、大当たり抽選データを特図始動入賞が特図始動入賞口224bに遊技球が入球して成立した場合と、可変入賞口223bに遊技球が入球して成立した場合とでも区別している。
そして、大当たり判定用の乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に大当たりと判定する。例えば、大当たり判定用の乱数が10001であり、確率状態が通常時で、かつ、特図始動入賞が特図始動入賞口224bに遊技球が入球して成立した場合は大当たりと判定する。
図23に戻り、S48ではS47の大当たりの判定の結果、大当たりと判定した場合はS49へ進み、そうでない場合はS50へ進む。S49では大当たりフラグをONにする。S50では特図抽選を行う。特図抽選は大当たりフラグがONの場合とOFFの場合とで異なる。
大当たりフラグがONの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した大当たり時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。図29(b)は大当たり時の特別図柄抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する特別図柄を選択する。例えば、乱数が10の場合、特図1(図28(a)参照)を選択する。選択した特別図柄の種類は大当たりが終了するまでRAM10cの一部の記憶領域に記憶し、上述したS38にて遊技状態を時短状態とするか、確変状態とするかを選択するために用いる。
大当たりフラグがOFFの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した外れ時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。図29(c)は外れ時の特別図柄抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する特別図柄を選択する。例えば、乱数が90の場合、特図8(図28(a)参照)を選択する。
図23に戻り、S51では変動パターン抽選処理を行う。ここでは変動パターンを抽選で選択して決定する。変動パターンはS50で選択した特別図柄の種類と、最古の特図抽選保留乱数の「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した変動パターン抽選データとに基づき行なう。図30は変動パターン抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、S42又はS44で選択した特別図柄の種類に応じて、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する変動パターン(変動パターン番号)を選択する。例えば、特別図柄の種類が特図7で、乱数が60001の場合、変動2の変動パターンを選択する。選択した変動パターンの種類(変動パターン番号)は図21(b)のS16により演出制御基板246へ出力することになる。
変動パターンは、LCD226が表示する装飾図柄の組合せ、LCD226が表示する装飾図柄の組合せの変動時の表示内容(演出態様)、環状体333の駆動態様(可動態様)、並びに、特別図柄表示装置227bが表示する特別図柄及びLCD226が表示する装飾図柄の組合せの変動時間を規定する。
図31は各変動パターンの内容の例を示す図である。同図において「装飾図柄」とはLCD226が表示する装飾図柄の組合せの種別を示しており、「外れ」は大当たり抽選が外れの場合に対応する装飾図柄の組合せ、「通常大当たり」は図28(b)に示した通常大当たりとなる装飾図柄の組合せのいずれか、「特別大当たり」は図28(b)に示した特別大当たりとなる装飾図柄の組合せのいずれか、である。
「演出態様」とはLCD226が装飾図柄の組合せを変動表示中になされる表示パターンの種類である。「環状体の駆動」とは環状体333の駆動態様を示し、「なし」は回転停止、「右低速」は時計回りに低速で回転、「左高速」は反時計周りに高速で回転、「抽選」は抽選により駆動態様を選択することを意味する。環状体333の駆動態様により、遊技者に大当たりの成立を推測する楽しみを与えることができる。「変動時間」は特別図柄表示装置227bが表示する特別図柄及びLCD226が表示する装飾図柄の組合せの変動時間を示し、両者に共通である。
図23に戻り、S52ではS51で選択した変動パターンに規定されている変動時間に応じて「特図変動時間カウンタ」の初期値を設定する。例えば、図31の変動1を選択した場合、初期値として5秒に相当するカウント値を設定することになる。タイマ割り込み処理の開始周期が2msec毎の場合であれば、RAM10cの「特図変動時間カウンタ」に10000を設定する。
S53では遊技状態として時短状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS54へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S54では「時短カウンタ」を更新する。ここでは「時短カウンタ」のカウント値を一つ減算する(但し、0まで。)。S55では「時短カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS56へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理が終了する。S56では遊技状態管理処理を行なう。ここでは遊技状態として時短状態を示すフラグをOFFにし、通常状態を示すフラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理が終了する。
<普図関連処理>
次に、図24を参照してS15の普図関連処理について説明する。図24は普図関連処理のフローチャートである。S61では可変入賞口223bが開放中か否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合はS64へ進む。可変入賞口223bが開放中か否かは、RAM10cの一部の記憶領域を用いた可変入賞口フラグがONかOFFかで判定する。
S62では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS63へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S63では可変入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、可変入賞口223bを閉鎖すべく、I/O10dにデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをOFFにする。
S64では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS65へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。
S65ではRAM10cの一部の記憶領域を用いた当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS66へ進み、該当しない場合はS69へ進む。S66では当たりフラグをOFFにする。S67では「可変入賞口開放時間カウンタ」に初期値を設定する。初期値は遊技状態として確変状態又は時短状態を設定している場合と、そうでない場合とで区別し、前者の場合は相対的に長い時間に対応する値を、後者の場合は相対的に短い時間に対応する値を、それぞれ設定する。S68では可変入賞口開放処理を行う。ここでは、I/O10dの出力ポートに可変入賞口223bを開放させるデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをONにする。
S65では普図抽選保留乱数がRAM10cに記憶されているか否かを判定する。該当する場合はS70へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S70では普図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の普図抽選保留乱数を取得し、普図乱数記憶領域から消去する。また、普図抽選保留記憶数を一つ減算する。S71では当りの判定を行う。当たりの判定は、最古の普図抽選保留乱数の「普図当たり抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した当たり抽選データとに基づき行なう。抽選の方式は大当たり抽選の場合と同様である。
S72ではS71の当たりの判定の結果、当たりと判定した場合はS73へ進み、そうでない場合はS74へ進む。S73では当たりフラグをONにする。
S74では「普図変動時間カウンタ」に初期値を設定する。初期値は遊技状態として確変状態又は時短状態を設定している場合と、そうでない場合とで区別し、前者の場合は相対的に短い時間に対応する値を、後者の場合は相対的に長い時間に対応する値を、それぞれ設定する。以上により一単位の普図関連処理を終了する。
<カウンタ更新処理>
次に、図25を参照してS18のカウンタ更新処理について説明する。図25はカウンタ更新処理のフローチャートである。S81では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS82へ進む。
S82では「特図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S83では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS84へ進み、該当しない場合はS85へ進む。S84では演出制御基板246へ図柄停止コマンドを送信する。演出制御基板246はこのコマンドを受けてLCD226が表示する装飾図柄の変動を停止させることになる。
S85では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS87へ進み、該当しない場合はS86へ進む。S86では「普図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。
S87では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS89へ進み、該当しない場合はS88へ進む。S88では「可変入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。
S89では、「開放待ち時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS91へ進み、該当しない場合はS90へ進む。S90では「開放待ち時間カウンタ」を一つ減算する。
S91では、「大入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS93へ進み、該当しない場合はS92へ進む。S92では「大入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。S93ではその他のカウンタの更新処理を行なう。以上により一単位のカウンタ更新処理を終了する。
<演出の制御処理>
次に、演出御回路50のCPU50aが実行する処理の例について図26を参照して説明する。図26(a)はCPU50aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図26(b)はカウンタタイマ50eからの割り込み信号を契機としてCPU50aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU50aはS101で初期処理を行なう。ここではCPU50aのレジスタの初期設定等、演出制御回路50全体の各種初期設定を行う。
S102では主制御基板247からの制御コマンドに応じた処理を実行する。詳細は後述する。S103ではS102の処理結果及び後述するS113の処理結果に応じてLCD制御基板226aへ制御コマンドを送信し、LCD226の表示制御を行なう。その後、S102へ戻り、電源断まで同様の処理を繰り返す。
<タイマ割り込み処理>
S111では主制御基板247から制御コマンドを受信したか否かを判定する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合はS113へ進む。S112では受信した制御コマンドをRAM50cに格納する。S113では演出データの更新処理を行なう。ここでは、LCD226の表示内容、スピーカ318から出力する効果音の内容、LED3431、3432の駆動内容、環状体333の駆動内容等を更新する処理を行なう。S114ではスピーカ318、LED3431、3432の制御信号をI/O50dから出力する。S115では環状体333を駆動するステッピングモータ3371の制御信号をI/O50dから出力する。以上により一単位のタイマ割り込み処理が終了する。
<コマンド処理>
次に、S102のコマンド処理について図27を参照して説明する。図27はコマンド処理のフローチャートである。S131ではRAM50cにおける制御コマンドの記憶領域を参照して、未処理の主制御基板247からの制御コマンドの有無を判定する。未処理の制御コマンドがある場合は最古の制御コマンドを取得してS132へ進み、ない場合は一単位のコマンド処理を終了する。
S132では制御コマンドが変動パターン番号を示すコマンドか否かを判定する。該当する場合はS133へ進み、該当しない場合はS134へ進む。S133では制御コマンドに示された変動パターン番号に応じて演出データを設定する。
演出データの設定は図31に示した変動パターンの内容に従う。LCD226に関する演出データの設定は、図31の「装飾図柄」の内容として、変動パターン番号に応じた、LCD226が表示する装飾図柄の組合せ、図31の「演出態様」を含む。
例えば制御コマンドが変動パターン番号として変動4を指定している場合には、LCD226、LED3431、LED3432による表示、スピーカ318による音などにより空をイメージさせる背景演出をおこないながら装飾図柄の変動表示をした後、外れの組合せで装飾図柄をゆれ変動表示させる。
具体的には、最初の10秒間はLCD226に装飾図柄の変動表示と、青色の背景
画像表示をおこない、続く20秒間はLCD226の左右に同一の装飾図柄をゆれ変動表示させて真ん中の装飾図柄のみを変動表示させるリーチ変動表示と、山の画像を背景に表示し、最後の10秒間にLCD226の真ん中に変動表示させた装飾図柄の変動速度を徐々に遅くして最終的には外れの組合せとなる装飾図柄をゆれ変動表示させる。この40秒間のうち最初の10秒間はLED3431、LED3432を低速で点滅表示させ、続く20秒間は高速で点滅表示させ、最後の10秒間は最も遅い速度で点滅表示させて、しかもスピーカ318から背景音を出力する。
図32は変動パターン番号に応じた装飾図柄の組合せの例を示す図である。同図において「選択確率」はある変動パターン番号に対して選択する装飾図柄の組合せの選択確率を示す。例えば、変動パターン番号が変動1の場合、21/128の確率で、「装飾1」−「装飾3」−「装飾2」の装飾図柄組合せを選択する。「仮停止図柄の組合せ」とは装飾図柄の組合せの変動後、最終の装飾図柄の組合せの表示前に、一旦変動を停止して表示する装飾図柄の組合せを意味する。例えば、「仮停止図柄の組合せ」が「装飾2」の場合、「装飾2」−「装飾2」−「装飾2」の装飾図柄の組合せを仮に表示する。
具体的には、制御コマンドとして変動パターン番号が変動8であることを示す場合に、乱数抽選をおこない、仮停止図柄の組合せが装飾8、左停止図柄、中停止図柄および右停止図柄を装飾6とすることを決定したとすると、前述のS103の処理でLCD制御基板にこれらの情報を送信し、LCD制御基板226aは変動開始から13.2秒後にLCD226に装飾2−装飾2−装飾2という通常大当たりとなる図柄組合せを表示し、15.2秒後に表示している図柄組合せを一旦消去し、新たに装飾6−装飾6−装飾6という通常大当たりとなる図柄組合せを表示する。
次に、演出データの設定はLCD226に関する演出データの設定の他、環状体333の回転に関する設定も含み、図31に示した変動パターンの内容の「環状体の駆動」に従う。図31の例の場合、「環状体の駆動」として「抽選」がある。図32は環状体の駆動を抽選で定める場合のその内容の例を示す。
同図において「選択確率」は、「環状体の駆動」が「抽選」となっている変動パターン番号4、7、12に対して選択する制御内容の選択確率を示す。例えば、変動パターン番号が変動4の場合、120/128の確率で、「なし」を選択することになる。
具体的には、制御コマンドとして変動パターン番号が変動6であることを示す場合に、前述のS103の処理でLCD制御基板226aに変動パターン番号を含む所定の情報を送信し、送信した次のタイミングで開始するタイマ割り込み処理のS115の処理で環状体333を高速で左回転させるための信号をI/O50dから駆動回路基板339に出力する。
また、制御コマンドとして変動パターン番号が変動12であることを示す場合に、前述のS103の処理でLCD制御基板226aに変動パタ−ン番号を含む所定の情報を送信し、送信してから60000回目(仮に、タイマ割り込み処理の開始の周期が2ms毎のを想定しており、変動開始から30秒後)のタイミングで開始するタイマ割り込み処理のS115の処理で乱数抽選をおこない、図33の表に従って環状体333の動作態様を決定する。
ここで抽出可能な乱数の範囲が0〜127とし、所定の乱数生成部から抽出した乱数値が0〜95の場合は左低速、96〜127であれば右低速であるして、仮に抽出した乱数値が100であった場合には低速で右回転させるための信号をI/O50dから駆動回路基板339に出力する。
図31、図33の表の選択確率と環状体333の回転速度、回転方向と大当たり抽選の結果の関係を考えると、抽選結果が大当たりの場合には、回転させないよりも、回転させるを選択しやすく、また、右回転より左回転を選択しやすく、さらに低速回転よりも高速回転を選択しやすいように設定している。同様に、特別大当たりの場合は、通常大当たりの場合よりも、回転させないよりも、回転させるを選択しやすく、また右回転より左回転を選択しやすく、さらに低速回転よりも高速回転を選択しやすいように設定している。
このように大当たりか否か、大当たりの種類などによって回転させるか否か、回転方向、回転速度を選択するようにしているので、演出の幅を拡げることを可能になっている。
図27に戻り、S134では制御コマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。該当する場合はS135へ進み、該当しない場合はS136へ進む。S135ではLCD226の表示図柄の変動を停止するよう設定し、上述したS105でそのコマンドがLCD制御基板226aへ送出することになる。
S136では、その他の処理を行なう。ここではその他の種類の制御コマンドに応じた処理を行なう。以上により一単位のコマンド処理が終了する。
<遊技台Aの特徴>
以下、上述した遊技台Aの特徴を列挙する。括弧内の符号は遊技台Aの各構成の説明に使用した符号に対応する。
遊技台Aは、装飾用の環状体(333)と、前記環状体(333)の周縁に当接して前記環状体(333)を支持する複数のローラ(334a、334b)と、前記環状体(333)の周縁に当接して前記環状体(333)を回転させる駆動力を付勢する駆動力付勢手段(337)と、を備え、前記駆動力付勢手段(337)による前記環状体への前記駆動力の付勢部位の近傍に、前記複数のローラ(334a、334b)のうちの少なくとも一つの前記ローラを設けたことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)が無軸で回転するので、遊技者を驚かせる演出が実現でき、演出効果を向上することができる。また、前記付勢部位の近傍に前記ローラ(334a、334b)を設けたので、前記付勢部位周辺における前記環状体(333)の支持性能を向上し、前記駆動力付勢手段(337)の前記駆動力を前記環状体(333)により確実に伝達できる。よって、前記環状体(333)の動作の確実性を向上できる。
また、遊技台Aは、前記環状体(333)は略水平な仮想軸回りに回転し、前記付勢部位を前記仮想軸よりも下方の位置で、前記環状体(333)の周縁の外面に設定し、前記複数のローラ(334a、334b)が、前記付勢部位の、前記環状体(333)の周方向の両側にそれぞれ設けた、前記環状体の周縁の外面に当接するローラ(334b)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)の自重を前記付勢部位の両側の前記ローラ(334b)で負担できるので、前記駆動力付勢手段(337)に前記環状体(333)の自重による荷重が過剰に加わることを防止し、前記環状体(333)の動作の確実性を更に向上できる。
また、遊技台Aは、前記複数のローラ(334a、334b)が、前記付勢部位に対向する、前記環状体(333)の周縁の内面に当接するローラ(334a)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、前記駆動力付勢手段(337)の前記駆動力を前記環状体(333)により確実に伝達することができ、前記環状体(333)の動作の確実性を更に向上できる。
また、遊技台Aは、前記複数のローラ(334a、334b)を回転自在に支持する複数の支持部材(3351、3352、3361、3362)を備え、前記複数の支持部材(3351、3352、3361、3362)は、前記ローラ(334a、334b)の移動を一定の範囲で許容する可動の可動支持部材(3361、3362)と、前記ローラの位置を固定する固定支持部材(3351、3352)と、を含み、前記付勢部位の近傍に配設した前記ローラ(334b)を前記固定支持部材(3351、3352)により支持したことを特徴とする。 この構成によれば、前記可動支持部材(3361、3362)により前記ローラ(334a、334b)が移動するので、前記環状体(333)の製造誤差による回転軌道の振れに対応しながら前記環状体(333)を支持することができ、また、前記環状体(333)の回転軌道に振れが生じることで、それ自体面白味のある動きとなって演出効果を向上できる。また、全ての前記支持部材を可動とするのではなく、前記固定支持部材(3351、3352)を備えたことにより、前記環状体(333)の支持性能も向上できる。更に、前記付勢部位の近傍に配設した前記ローラ(334a、334b)については、前記固定支持部材(3351、3352)により支持することで、前記付勢部位周辺における前記環状体(333)の支持性能を更に向上でき、前記駆動力付勢手段(337)の前記駆動力を前記環状体(333)により確実に伝達できる。
また、遊技台Aは、前記固定支持部材(3351、332)が支持する、前記付勢部位の近傍に配設した前記ローラ(334a、334b)を、前記可動支持部材(3361、3362)が支持する前記ローラ(334a、334b)よりも、強度の高い材料で構成したことを特徴とする。
この構成によれば、前記固定支持部材(3351、3352)が支持する前記ローラ(334a、334b)については相対的に強度を高めて支持力を強化する一方、全ての前記ローラ(334a、334b)について強度の高い材料で構成しないことで経済性を高められる。
また、遊技台Aは、前記複数のローラ(334a、334b)を回転自在に支持する複数の支持部材(3351、3352、3361、3362)を備え、前記複数の支持部材(3351、3352、3361、3362)は、前記ローラ(334a、334b)の移動を一定の範囲で許容する可動の可動支持部材(3361、3362)と、前記ローラ(334a、334b)の位置を固定する固定支持部材(3351、3352)と、を含み、前記複数のローラ(334a、334b)は、前記仮想軸よりも上方に設けた上部ローラ(334a、334b)と、前記仮想軸よりも下方に設けた下部ローラ(334a、334b)と、を含み、前記上部ローラ(334a、334b)を前記可動支持部材(3361、3362)により支持し、前記下部ローラ(334a、334b)を前記固定支持部材(3351、3352)により支持したことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)の自重が作用する前記下部ローラ(334a、334b)を前記固定支持部材(3351、3352)により支持して支持力を向上する一方、前記上部ローラ(334a、334b)を前記可動支持部材(3361、3362)により支持することで、前記環状体(333)の回転軌道の振れに対応しながら前記環状体(333)を支持することができる。 また、遊技台Aは、前記複数のローラ(334a、334b)を回転自在に支持する複数の支持部材(3351、3352、3361、3362)を備え、前記複数の支持部材(3351、3352、3361、3362)は、前記ローラ(334a、334b)の移動を一定の範囲で許容する可動の可動支持部材(3361、3362)と、前記ローラ(334a、334b)の位置を固定する固定支持部材(3351、3352)と、を含み、前記環状体(333)に設けた、当該環状体(333)の回転位置を検出するための被検知部(33311a)と、前記被検知部(33311a)を検出するセンサ(338)と、を備え、前記センサ(338)を前記可動支持部材(3361、3362)よりも前記固定支持部材(3351、3352)に近い位置に設けたことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)の振れが少ない位置に前記センサ(338)を配することで、前記被検知部(33311a)の検出精度を向上できる。
また、遊技台Aは、前記センサ(338)を、前記可動支持部材(3361、3362)を配設していない、2つの前記固定支持部材(3351、3352)の間の領域に設けたことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)の振れが少ない位置に前記センサ(338)を配することで、前記被検知部(33311a)の検出精度を向上できる。
また、遊技台Aは、前記センサ(338)を前記固定支持部材(3351)の近傍に設けたことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)の振れが少ない位置に前記センサ(338)を配することで、前記被検知部(33311a)の検出精度を向上できる。
また、遊技台Aは、前記環状体(333)に設けた、当該環状体(333)の回転位置を検出するための被検知部(33311a)と、前記被検知部(33311a)を検出するセンサ(338)と、を備え、前記センサ(338)を前記付勢部位の近傍に設けたことを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)の振れが少ない位置に前記センサ(338)を配することで、前記被検知部(33311a)の検出精度を向上できる。
また、遊技台Aは、前記環状体(333)を遊技者の注意を向けさせる部分(221)の前方に設け、前記環状体(333)が形成する開口を通して前記部分(221)が視認可能であることを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)により前記部分(221)に遊技者の注意を向けさせることができると共に、前記部分(221)の装飾効果を高めることができる。
また、遊技台Aは、遊技球の入賞口を備えた遊技領域(221)を形成する遊技盤(220)を備え、前記環状体(333)を前記遊技盤(220)の正面前方に設け、前記環状体(333)が形成する開口を通して前記遊技領域(221)が視認可能であることを特徴とする。
この構成によれば、前記環状体(333)により前記遊技領域(221)に遊技者の注意を向けさせることができると共に、前記遊技領域(221)の装飾効果を高めることができる。
また、遊技台Aは、大当たりの抽選を行う抽選手段(10a、S39)と、図柄の組合せを変動して表示した後、前記抽選手段(10a、S39)の抽選結果に応じた図柄の組合せを表示する表示手段(226)と、前記抽選手段(10a、S39)の抽選結果に応じて、前記環状体(333)の駆動態様を決定する演出制御手段(50a、S133)と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、大当たりの抽選結果に応じて前記環状体(333)が動くので、遊技者に大当たりの成立を推測する楽しみを与えることができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、前面扉310と可動装飾ユニット330との上下方向および左右方向の大きさを略同一とした遊技台Aを例示したが、これに限定されず、可動装飾ユニット330の上下方向の大きさを前面扉310の上下方向の大きさの3/4、1/2、1/4などのように小さくしても良い。
また、可動装飾ユニット330を、例えば第1の可動装飾ユニットと第2の可動装飾ユニットの2つ設け、上下方向のそれぞれの大きさを前面扉310の上下方向の大きさの約半分とし、前面扉310の上半分に第1の可動装飾ユニット、下半分に第2の可動装飾ユニットを取り付け可能にするなど、前面扉310に複数の可動装飾ユニットを取り付け可能にしても良い。この場合、複数の可動装飾ユニットのうちの一つが別の一つに重なるように取り付ける構成でも良い。
また、左右方向の大きさについても同様に可動装飾ユニット330との左右方向の大きさを前面扉310の左右方向の大きさの3/4、1/2、1/4などのように小さくしても良い。この場合、前面扉310と可動装飾ユニット330の接合部(遊技台Aの軸部313、軸受部3312など)は前面扉310の端部に必ずしも設ける必要はなく、前面扉330の左右方向中央部などに設けるなどしても良く、同様に、固定用部材(遊技台Aのレバー部材315など)も端部に設ける必要は無い。
また、上記実施形態では、前面扉310と照明器ユニット340との上下方向および左右方向の大きさを略同一とした遊技台Aを例示したが、これに限定されず、照明器ユニット340の上下方向の大きさを前面扉の上下方向の大きさの3/4、1/2、
1/4などのように小さくしても良い。
また、照明器ユニット340を、例えば第1の照明器ユニットと第2の照明器ユニットの2つ設け、上下方向のそれぞれの大きさを前面扉310の上下方向の大きさの約半分とし、前面扉310の上半分に第1の可動装飾ユニット、下半分に第2の照明器ユニットを取り付け可能にするなど、前面扉310に複数の照明器ユニットを取り付け可能にしても良い。もちろん複数の照明器ユニットのうちの一つが別の一つに重なるように取り付ける構成でも良い。
また、左右方向の大きさについても同様に照明器ユニットとの左右方向の大きさを前面扉の左右方向の大きさの3/4、1/2、1/4などのように小さくしても良い。この場合、前面扉と照明器ユニットの接合部(遊技台Aの軸受部314、軸部3412など)は前面扉の端部に必ずしも設ける必要はなく、前面扉の左右方向中央部などに設けるなどしても良く、同様に、固定用部材(遊技台Aの係合爪3413など)も端部に設ける必要は無い。
また、上記実施形態では、可動装飾ユニット330と照明器ユニット340との上下方向および左右方向の大きさを略同一とした遊技台Aを例示したが、これに限定されず、照明器ユニット340の上下方向の大きさを可動装飾ユニット330の上下方向の大きさの3/4、1/2、1/4などのように小さくしても良い。
また、照明器ユニット340を、例えば第1の照明器ユニットと第2の照明器ユニットの2つ設け、上下方向のそれぞれの大きさを可動装飾ユニット330の上下方向の大きさの約半分とし、可動装飾ユニット330の上半分に第1の照明器ユニット、下半分に第2の照明器ユニットを取り付け可能にするなど可動装飾ユニット330に複数の照明器ユニットを取り付け可能にしても良い。もちろん複数の照明器ユニットのうちの一つが別の一つに重なるように取り付ける構成でも良い。
また、左右方向の大きさについても同様に照明器ユニット340の左右方向の大きさを可動装飾ユニット330の左右方向の大きさの3/4、1/2、1/4などのように小さくしても良い。固定用部材(遊技台Aの係合爪3413など)も端部に設ける必要は無い。逆に可動装飾ユニット330よりも照明器ユニット340を大きくしてもよい。
また、上記実施形態では、前面扉310と下部ユニット230を別体としたがこれに限定されず、一体的に構成してもよい。
また、上記実施形態では、透明のカバー部材311aが窓部311全体を覆う構成としたが、これに限定されず、窓部311を開放する構成としてもよい。
また、センサ338を固定支持部材3351及び3352で構成する仮想的な三角形の内部に設けても良い。すなわち環状体本体の外周側に固定支持部材3351、歯車3373、および固定支持部材3351を並べて設け、環状体本体の内周側の歯車3373に対向する位置に固定支持部材3352を設け、2つの固定支持部材3351の間を通過中している環状体本体を検知するようにセンサ338を設けてもよい。このとき環状体本体の内周側に固定支持部材3352を複数配置してもよい。
また、上記実施形態では、窓部3311の略中心を通る、略水平な仮想軸回りに回転する環状体333を可動装飾ユニット330に搭載した場合を例示したが、可動装飾ユニット330に搭載する可動の装飾体を別の位置に配置することもでき、また、環状体333とは別の構成である可動の装飾体体を配置してもよい。
例えば、遊技者から見た場合に前面扉310の窓部311を除く領域に、具体的には、窓部3311の右上の位置(スピーカカバー318aを配置した箇所の背後の位置)に、可動の装飾体を配置してもよい。この場合、前面扉310にはスピーカカバー318aやスピーカ318に代えて当該可動の装飾体が前面扉310の正面側から見えるようにするための構成(開口部、透明部)を設けることになる。
そのような可動の装飾体としては、例えば、前面扉310に直交し略水平な仮想軸を回転中心として回転動作する所定のキャラクタ形状をした可動装飾体を採用できる。また、そのような可動の装飾体としては、正面−背面方向に往復移動することで、遊技者側に突出動作が可能な可動装飾体や、上下・左右に往復移動する可動装飾体も採用できる。
このように、前面扉310の窓部311を除く領域において遊技者から見えるように可動装飾体を配置することも、遊技の演出効果を高めることになる。また、そのような可動装飾体が、通常時には前面扉310に隠れており、所定の場合に窓部311に突然出没するような構成とすれば、窓部311を介して遊技領域221に注目している遊技者に驚きを与えられる新らしい演出を可能にすることができる場合がある。
窓部311に突然出没するような可動装飾体の変形例として、例えば、遊技者が前面扉310の窓部311を介して見える範囲を変化させる可動装飾体としてもよい。この構成では、遊技者が窓部311を介して視認可能な領域が変化するので、演出の幅を広げて興趣を向上できる場合がある。
また、窓部311を構成するパネル等の部材を設けて前面扉310に移動可能に設け、可動装飾ユニット330に設けた駆動手段により該パネル等の部材を移動駆動して、窓部311の位置が移動可能な構成とすることもできる。この構成の場合、例えば、遊技盤220の所定の第1の領域が窓部311を介して見える第1の位置と、遊技盤220の所定の第2の領域が窓部311を介して見える第2の位置と、の間でパネル等の部材を移動させるようにすることができる。ここで第1の領域と第2の領域がともに遊技盤220の特定の領域(例えば遊技領域221)を含み、第1の領域に含まれる所定の領域が第2の領域には含まれないといった構成でもよい。
また、上記実施形態で例示した前面扉310、可動装飾ユニット330、照明器ユニット340、およびガラスユニット350のうち1または複数の構成をパチスロ機のリールを前面から覆う前側ドアに適用してもよい。
また、上記実施形態は、上述のパチンコ遊技機やパチスロ機の実機の他、これらの遊技機の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいて適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。即ち、本発明を実施する上での具体的構成は上記実施形態に限られず、適宜設計変更可能である。尚、上記実施形態で説明した、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、上記実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。