JP2008237365A - シャボン発生装置 - Google Patents

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祐司 杉山
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真治 桂川
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Abstract

【課題】製造コストが安く、かつ容易に洗剤溶液の濃度を調整できるシャボン発生装置を提供することを課題とする。
【解決手段】シャボン発生装置は、液体を流れる通路(5)と、通路(5)に連通し通路(5)を流れる液体に洗剤を供給する洗剤供給部(800)とを備える。洗剤供給部(800)は、洗剤を収容する第1洗剤収容タンク(810)と、第1洗剤収容タンク(810)より重力方向下方に位置され、第1洗剤収容タンク(810)と通路(5)とを連通し、第1洗剤収容タンク(810)から通路(5)に供給する洗剤の供給量を調節する洗剤供給量調節手段(820)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗剤溶液に溶解した気体の析出により発生する気泡を利用したシャボン発生装置に関するものである。
従来、シャボン発生装置の重要な一部分として、洗剤(洗剤原液)をシャボン発生装置に供給する洗剤供給手段の開発が注目されていた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された洗剤供給手段では、流路内の洗剤溶液の濃度を一定に保つために、流路に洗剤原液を一定量供給する専用供給ポンプを配置する方法が提案されていた。また、このような洗剤専用供給ポンプ以外にも、他の形態の洗剤供給手段が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された洗剤供給手段では、浄水管流路にベンチュリー管が設置され、ベンチュリー管の負圧を形成する部分に洗剤供給路が配置されていた。これにより、浄水がベンチュリー管を流れる際に発生する負圧にて洗剤原液が浄水管流路に吸込まれ、この吸込まれる時間を制御することにより浄水管流路内の洗剤吸入量(洗剤溶液の濃度)を一定にする方法が提案されていた。
実開平6−36567号公報(第8〜10頁、第1図) 特開平10−234598号公報(第2〜5頁、第2図)
特許文献1では、流路内の洗剤溶液の濃度を一定に保つために、洗剤原液供給用の専用供給ポンプを設ける必要があるため、シャボン発生装置が重くなると同時に、製造コストも高くなる。
また、特許文献2では、市販される洗剤原液の粘性は多様であることから、ベンチュリー管により発生する負圧で吸込まれる洗剤原液の量がばらつきやすい。このため、浄水管(流路)内の洗剤溶液の濃度を一定に保つことが困難である。さらに、ベンチュリー管で負圧を形成して洗剤原液を吸込むために、洗剤原液供給用の管路径を小さくする必要がある。これにより、粘性の高い洗剤原液が洗剤原液供給用の管路を流れるときに、管路の詰まりが発生しやすくなり、浄水管内の浄水に洗剤の供給が妨害されやすくなる。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、製造コストが安く、かつ容易に洗剤溶液の濃度を調整できるシャボン発生装置を提供することを課題とする。
本発明のシャボン発生装置は、液体を流れる通路と、通路に連通し通路を流れる液体に洗剤を供給する洗剤供給部と、を備え、洗剤供給部は、洗剤を収容する第1洗剤収容タンクと、第1洗剤収容タンクより重力方向下方に位置され、第1洗剤収容タンクと通路とを連通し、第1洗剤収容タンクから通路に供給する洗剤の供給量を調節する洗剤供給量調節手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のシャボン発生装置によれば、洗剤供給部に第1洗剤収容タンクと、第1洗剤収容タンクの重力方向下方に位置された洗剤供給量調節手段とを設けることにより、洗剤(洗剤原液)が重力によって洗剤供給量調節手段へ流れ込み、さらに洗剤供給量調節手段により洗剤の供給量が調整された後に通路を流れる液体に混入することができる。つまり、常にほぼ一定の供給量の洗剤が通路内に供給され、通路内の洗剤溶液(洗剤を混合した液体)の濃度を常にほぼ一定に保つことができる。また、洗剤が第1洗剤収容タンクから洗剤供給量調節手段へ自重により重力方向の下方向へ流れることができるので、洗剤を送給するポンプなどの輸送手段を設ける必要がなくなり、シャボン発生装置の軽量化、低コスト化に有利である。
また、本発明のシャボン発生装置の通路は、通路を流れる液体に気体を混入させる気体混入手段と、液体を移動させかつ液体を加圧する移動加圧手段と、移動加圧手段での加圧により形成された気体溶解溶液を開放環境に吐出し、シャボンを生成する発泡手段と、を備えることが好ましい。
本発明のシャボン発生装置によれば、通路に気体混入手段と、移動加圧手段と、発泡手段とを通路に設けることにより、通路内において気体溶解溶液が形成され、さらに気体溶解溶液を減圧することにより気泡を形成することができる。つまり、通路を流れる液体に洗剤供給部から洗剤を混入させることにより洗剤溶液が形成される。また、気体混入手段により洗剤溶液に気体が混入され、さらに気体が洗剤溶液に溶解することにより、気体溶解洗剤溶液が形成される。また、発泡手段により気体溶解洗剤溶液を発泡させ、シャボンを形成することができる。
また、本発明のシャボン発生装置の洗剤供給量調節手段は、洗剤を収容する第2洗剤収容タンクと、第2洗剤収容タンクと第1洗剤収容タンクとを連通する第1洗剤流路と、第2洗剤収容タンクと通路とを連通する第2洗剤流路と、第2洗剤収容タンクに位置し、第1洗剤収容タンクから第2洗剤収容タンク内に流入され収容された洗剤の通路を流れる液体に対する供給量を調整する調整部と、を備えることが好ましい。
本発明のシャボン発生装置によれば、洗剤供給量調節手段に、第2洗剤収容タンクと、第1洗剤流路と、第2洗剤流路と、調整部とを設置することにより、第2洗剤収容タンクにおいて、第1洗剤収容タンクから自重により流入された洗剤が所定供給量に自動的に調整された後、通路へ送給することができる。これにより、通路内の液体に対して、常にほぼ一定の供給量の洗剤が供給され、形成された洗剤溶液の濃度をほぼ一定に保つことができる。また、本発明の洗剤供給量調節手段により洗剤溶液の濃度の変動が抑えられるため、発泡手段によりシャボンを生成する際、より安定した質(シャボン状態、サイズなど)のシャボンを発生することができる。
また、本発明のシャボン発生装置の調整部は、第1洗剤収容タンクから第2洗剤収容タンク内に流入される洗剤が供給量に達成する際に洗剤の液面液位の上昇により閉状態となり、洗剤が第2洗剤収容タンクから通路へ流出する際に洗剤の液面液位の下落により開状態となる第2洗剤収容タンク内の洗剤の液面液位に応じて開閉するフロート弁であることが好ましい。
本発明のシャボン発生装置によれば、調整部をフロート弁で構成することにより、容易に洗剤の供給量を自動に調整することができる。つまり、第2洗剤流路が閉じた状態で、第1洗剤流路を介して第1洗剤収容タンクから第2洗剤収容タンクに流れ込む洗剤は、第2洗剤収容タンク内に溜めることにより液面液位が上昇する。第2洗剤収容タンク内の洗剤が所定供給量に達成した際、つまり第2洗剤収容タンク内の洗剤が体積の増加により所定液面液位に達成したとき、フロート弁が浮力によって閉状態となる。これにより第2洗剤収容タンク内の圧力が増大され、第2洗剤収容タンク内に洗剤が流入できなくなる。よって、自動に洗剤の供給量(流入量)を調整することできる。また、第2洗剤流路を介して第2洗剤収容タンクから洗剤が通路へ流れるとき、第2洗剤収容タンク内の洗剤の液面液位が下がることにつれ、フロート弁が自重により落下して開状態となる。従って、フロート弁を介して第2洗剤収容タンクに外部環境と連通され、第2洗剤収容タンク内の圧力が調整される。これにより、第2洗剤収容タンク内の洗剤が第2洗剤流路を介して通路へ容易に流れることができる。このように、フロート弁を介して、第1洗剤収容タンクから自重により流入された洗剤が所定供給量に自動的に調整された後、通路へ送給することができる。これにより、通路内の液体に対して、常にほぼ一定量の洗剤が供給され、形成された洗剤溶液の濃度をほぼ一定に保つことができる。
本発明のシャボン発生装置によれば、洗剤供給部に第1洗剤収容タンクと、第1洗剤収容タンクの重力方向下方に位置された洗剤供給量調節手段とを設けることにより、洗剤(洗剤原液)が重力によって洗剤供給量調節手段へ流れ込み、さらに洗剤供給量調節手段により洗剤の供給量が調整された後に通路を流れる液体に混入することができる。つまり、常にほぼ一定の供給量の洗剤が通路内に供給され、通路内の洗剤溶液(洗剤を混合した液体)の濃度を常にほぼ一定に保つことができる。また、洗剤が第1洗剤収容タンクから洗剤供給量調節手段へ自重により重力方向の下方向流れることができるので、洗剤を送給するポンプなどの輸送手段を設ける必要がなくなり、シャボン発生装置の軽量化、低コスト化に有利である。
本発明のシャボン発生装置について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態例)
本実施形態例のシャボン発生装置は、図1に示される。図1は本実施形態例のシャボン発生装置の全体概念図を示す。
図1に示すように、本実施形態例のシャボン発生装置は循環通路5で接続して連通され、流路順に気体混入手段1、移動加圧手段P、気泡微細化手段2、気泡溶解促進手段3、発泡手段4、浴槽Wと、洗剤供給部800とで構成される。なお、循環通路5は連通パイプで構成される。また、シャボン消費部としての浴槽Wは大気開放とされている。
まず、本実施形態例のシャボン発生装置の特徴である洗剤供給部800について説明する。
図1に示すように、本実施形態例のシャボン発生装置の洗剤供給部800は、接続通路401に設けられた混入部827を介して、循環通路5に連通されている。なお、接続通路401は、循環通路5の一部を構成している。また、本実施形態例の循環通路5は本発明の通路を構成するものである。
洗剤供給部800は、第1洗剤収容タンク810と、洗剤供給量調節手段820とからなる。
第1洗剤収容タンク810は、タンク状の容器である。その上部には、洗剤を補充する補充口811が設けられている。また、第1洗剤収容タンク810の底部には、第1洗剤収容タンク810内に収容された洗剤(洗剤原液)を重力方向の下方へ排出する第1排出口812を備えている。
洗剤供給量調整手段820は、第2洗剤収容タンク821と、第2洗剤収容タンク821の上部に位置するフロート弁822を備えている。なお、本実施形態例のフロート弁822は本発明の調整部を構成するものである。
第2洗剤収容タンク821は、密閉構造を有するタンク状の容器である。その上部には、第2入口828が設けられている。また、第2洗剤収容タンク821の第2入口828と第1洗剤収容タンク810の第1排出口812との間に第1洗剤流路823が設けられている。また、第1洗剤流路823には、第1洗剤流路823を流れる洗剤の流量を調整する流量調整手段824が備えられている。
また、第2洗剤収容タンク821の底部には、第1洗剤収容タンク810から流れ込み、第2洗剤収容タンク821内に溜まった洗剤を排出する第2排出口829が備えられている。第2排出口829と接続通路401に設けられた混入部827との間には、第2洗剤流路825が設けられている。また、第2洗剤流路825には、第2洗剤流路825を流れる洗剤の流量を調整する流量調整手段826が設けられている。
フロート弁822は、一般に、浮力により液面上に浮かび、液面F02(図1参照)の液位H1(図1参照)の変動により上下移動できフロート(図示せず)を持つ移動部(図示せず)と、第2洗剤収容タンク821のケース部に固定される固定部(図示せず)とからなる。移動部と固定部との間に開口部(図示せず)が形成され、外部環境(大気A)が開口部を介して第2洗剤収容タンク821の内部空間と連通している(第1開放状態)。なお、移動部は、第2洗剤収容タンク821内の洗剤の液面F02の液位H1の上昇により上昇し、固定部との間に形成される開口部の開口幅(固定部と移動部との間の距離)が小さくなる。
また、液面F02の液位H1の上昇により移動部は固定部に接触したとき、フロート弁822の開口部の開口幅が0となり、つまり開口部は閉状態となる(閉じる状態)。従って、フロート弁822の固定部と移動部が接触する際、第2洗剤収容タンク821の内部空間が外部と連通しなくなる。また、第2洗剤収容タンク821内の洗剤は、洗剤の液面F02の上方の空間内の気圧の増大(フロート弁822が閉状態のため)により液面F02の上昇が抑えられ、洗剤の容積(供給量)が決められる。つまり、フロート弁822を洗剤供給量調節手段820に設けることにより、簡便かつ容易に第1洗剤収容タンク810から第2洗剤収容タンク821に流入される洗剤の量(供給量)を自動に調整することができる。
具体的に、図1に示すように、第2洗剤流路825が閉じた状態で、第1洗剤流路823を介して第1洗剤収容タンク810から、洗剤供給量調節手段820の第2洗剤収容タンク821に流入された洗剤は、第2洗剤収容タンク821内に溜められることにより液面F02の液位H1が上昇する。このとき、フロート弁822の移動部は固定部に接近し、開口部の開口幅は縮小しつつであるが、開状態が維持されている(第1開放状態)。つまり、第2洗剤収容タンク821の内部空間の気圧は大気(外部環境)に連通するため、大気圧となる。このため、第1洗剤収容タンク810から洗剤が第2洗剤収容タンク821に流入することができる。
また、第1洗剤収容タンク810から洗剤が第2洗剤収容タンク821内に流入されることにより、第2洗剤収容タンク821内の洗剤の量は増加する。これにより、第2洗剤収容タンク821内の洗剤の液面F02の液位H1は上限(供給量に応じた容積の上限)に達する。このとき、フロート弁822の移動部は固定部に接触することになる。このように、移動部と固定部の接触により、開口部の開口幅は0になり、フロート弁822が閉状態となる(閉じる状態)。よって、第2洗剤収容タンク821内の内部空間は外部環境(大気A)と連通しなくなり、液面F02の上昇により圧力が上昇する。よって、第1洗剤収容タンク810から洗剤が流入できなくなる。つまり、所定の洗剤の供給量に応じて第2洗剤収容タンク821の容積及び、フロート弁822(移動部、固定部)の配置を設定すれば、所定供給量の容積(液位H1の上限)になるとき、フロート弁822が自動に閉状態となり、第2洗剤収容タンク821に溜められた洗剤の量が決められる。よって、洗剤供給量調節手段820により自動に洗剤の供給量を調整することできる。
また、フロート弁822が閉状態となることにより、第1洗剤収容タンク810から第2洗剤収容タンク821に洗剤が流れなくなった後、第1流量調節手段824を介して第1洗剤流路823を閉じて、さらに第2流量調節手段826を介して第2洗剤流路825を開放する。また、混合部827(図1参照)を介して、第2洗剤流路825が接続通路401(図1参照)に連結されているので、混合部827での負圧により、洗剤が循環通路5に吸込まれる。なお、混合部827での負圧は、循環通路5(混合部827)を流れる流体の流速により発生するものである。これにより、第2洗剤収容タンク821内の洗剤が減り、液面F02の液位H1が下がる。フロート弁822の移動部は液面F02に浮いているので、自重により下方へ移動し、固定部から離れる。従って、開口部の開口幅は再び0より大きくなり、フロート弁822が開状態となる(第2開放状態)。よって、外部環境(大気A)と第2洗剤収容タンク821の内部空間が連通され、第2洗剤収容タンク821内の洗剤が自由に接続通路401へ流れることができる。つまり、フロート弁822を介して第2洗剤収容タンク821に外部の空気が入り、第2洗剤収容タンク821内の気圧調整により第2洗剤収容タンク821内の所定供給量の洗剤が第2洗剤流路825を介して接続通路401(図1参照)へ容易に流れることができる。
このように、洗剤供給量調節手段820において、第1洗剤収容タンク810から自重により第2洗剤収容タンク821内に流入された洗剤は、フロート弁822を介して所定供給量に自動的に調整された後に接続通路401へ送給することができる。これにより、接続通路401(循環通路5)内の液体(水もしくは温水)に対して、常にほぼ一定量の洗剤が供給され、形成された洗剤溶液の濃度をほぼ一定に保つことができる。
なお、第2洗剤収容タンク821が循環通路5によりも重力方向の上方に設置される場合には、第2洗剤収容タンク821内の洗剤の自重も働き、第2洗剤収容タンク821から接続通路401(循環通路5)に流れることもできる。
このように、洗剤供給部800に第1洗剤収容タンク810と、第1洗剤収容タンク810の重力方向下方に位置された洗剤供給量調節手段820とを設けることにより、洗剤(洗剤原液)が重力により洗剤供給量調節手段820へ流れ込み、洗剤供給量調節手段820により洗剤の供給量が調整された後に接続通路401を流れる液体(水、温水など)に混入することができる。つまり、常にほぼ一定量の洗剤が接続通路401内に供給され、接続通路401内の洗剤溶液(洗剤を混合した液体)の濃度を常にほぼ一定に保つことができる。また、洗剤が第1洗剤収容タンク810から洗剤供給量調節手段820へ自重により下方向流れることができるので、洗剤を送給するポンプなどの移動手段を第1洗剤流路823または第2洗剤流路825に設ける必要がなくなる。
また、洗剤供給量調節手段820に、第2洗剤収容タンク821と、第1洗剤流路823と、第2洗剤流路825と、フロート弁822とを備えることにより、第2洗剤収容タンク821において、第1洗剤収容タンク810から自重により流入された洗剤が所定供給量に自動的に調整された後、接続通路401へ送給することができる。これにより、接続通路401内の液体(水、温水など)に対して、常にほぼ一定量の洗剤が供給され、形成された洗剤溶液の濃度をほぼ一定に保つことができる。また、本実施形態例の洗剤供給量調節手段820により洗剤溶液の濃度の変動が抑えられたため、後述する発泡手段4によりシャボンP1(図1参照)を形成する際、より安定した質(状態、サイズなど)のシャボンP1を発生することができる。
また、本発明の調整部を構成するフロート弁822を洗剤供給量調節手段820に設けることにより、容易に洗剤の供給量を自動に調整することができる。つまり、フロート弁822と第1流量調節手段824と第2流量調節手段826とを連携させて自動制御することにより、容易に接続通路401に供給する洗剤の供給量を調整することができる。
本実施形態例では、発泡手段4が洗剤溶液容器40を備えている。また、洗剤溶液容器40内に貯留された洗剤溶液が循環して使用される。洗剤溶液を循環せずに使用される場合には、本実施形態例のような液体循環型でなくてもよい。また、本実施形態例で使用される洗剤溶液は、水または温水で調製したものであり、以下液体と称する場合もある。
また、本実施形態例のシャボン発生装置は循環型であるため、洗剤溶液容器40は洗剤溶液排出口41と、洗剤溶液供給口42とを備えており、循環通路5を構成する接続通路401の一端401aに接続されている。排出する洗剤溶液が循環して使用されるので、洗剤溶液排出口41は後述する液体取り込み部として機能する。洗剤溶液供給口42としては、移動加圧手段(ポンプ)Pを作動させたとき循環通路5内に生じる圧力を適度に保持しつつ、循環通路5内の液体を吐出可能な構造を有している。具体的に、吐出側(下流側)に向かって内径が小さくなる絞る構成である。このような構成により、移動加圧手段Pと洗剤溶液供給口42との間が適度に加圧されるため、気体(気泡)の液体への溶解促進が促進される。また、気体溶解溶液(気体が液体に溶解された液体)が洗剤溶液供給口42から洗剤溶液容器40内に吐出されることにより、気体溶解溶液は圧力開放(減圧)されるため、洗剤溶液容器40内において、気泡が発生する。なお、この気泡が液面まで浮上し、液面から脱出する際にシャボンP1となる。
図1に示すように、本実施形態例では、気体混入手段1は、内径が流路の流れ方向に沿って縮径する第1絞り部(例えば:ベンチュリー管)11と、気体導入通路101と、接続通路401、102とを備えている。気体導入通路101は気体を第1絞り部11に導入するものであり、第1絞り部11の内部に気体を混入させる。接続通路401、102は循環通路5の一部を構成している。図1に示すように、接続通路401の一端401aは洗剤溶液容器40の洗剤溶液排出口41に連通され、他端401bは気体混入手段1の第1絞り部11に連通されている。また、気体導入通路101には、導入される気体の流量などを調整する調整弁もしくは電磁バルブなどの気体量調節手段12が備えられている。一方、接続通路401及び102を介して第1絞り部11が循環通路5に接続されている。なお、接続通路401を介して気体混入手段1は洗剤溶液排出口41に連通される。このような構成により、第1絞り部11の内部を通過する液体は加速されるため、第1絞り部11の内部に生じる負圧により気体導入通路101を通じて第1絞り部11に気体が混入し気泡が形成される。なお、本実施形態例では、気体混入手段1から混入される気体として、空気が使用されているが、これに限定するものではない。
移動加圧手段Pであるポンプは、図1に示すように、気体混入手段1と気泡微細化手段2との間において、循環通路5に配置されている。移動加圧手段Pを作動させることにより、移動加圧手段Pと洗剤溶液供給口42との間に洗剤溶液が加圧された状態となる。本実施形態例では、洗剤溶液供給口42までの流体圧力は、例えば約4kgf/cmとされている。移動加圧手段Pは、接続通路102及び201に接続され、液体循環流路5に接続される。なお、移動加圧手段Pに連通する接続通路102は本発明の移動加圧手段Pの吸込側となる。また、気体混入手段1及び移動加圧手段Pは、制御手段6Aにより自動的に制御されている。
本実施形態例の気泡微細化手段2は、図1に示すように、第2絞り部29と、第2絞り部29の洗剤溶液供給口42側に連通する開放部25とにより構成された流路を備えている。気泡微細化手段2の内部には、液体取り込み部41側から洗剤溶液供給口42側に気泡含有液体が流れる流路が形成されている。
具体的に、気泡微細化手段2は、洗剤溶液供給口42側に向かって順に、液体取り込み部41側において接続通路201と連結するための連結部(図示せず)と、接続通路201から第2絞り部29に洗剤液体を誘導する誘導空間(図示せず)と、第2絞り部29と、開放部25と、洗剤溶液供給口42側において接続通路202と連結するための連結部(図示せず)とを備えている。
なお、接続通路201、202は循環通路5の一部を構成している。また、本実施形態例の小気泡とは、後述する気泡溶解促進手段3において、液体に対して十分に溶解可能なほど小さい(比表面積が大きい)気泡をいう。また、洗剤溶液供給口42から洗剤溶液容器40に吐出することにより生成される微細気泡とは、小気泡よりも小さい気泡をいう。
本実施形態例において、第2絞り部29は、気泡が含有された液体に十分な流速を付与することができるように、誘導空間の断面積と比較して十分小さい断面積を有している。
また、第2絞り部29は、洗剤溶液供給口42側に向かって断面積が小さくなる形状となっている。これにより、第2絞り部29内部を通過する気泡含有液体は十分に加速される。開放部25は、第2絞り部29の洗剤溶液供給口42側に連続して設けられている。開放部25の断面積は、第2絞り部29から移動してきた気泡に微細化可能な流速勾配を与える程度に、第2絞り部29の断面積より大きくなっている。
また、開放部25の洗剤溶液供給口42側への長さは、開放部25に到達して減速された気泡が微細化するために十分な長さを有している。
また、開放部25の断面積は、洗剤溶液供給口42側に連続する循環通路5の内部空間の断面積より大きくなっている。これにより、開放部25内における流速が、第2絞り部29内における流速及び洗剤溶液供給口42側の循環通路5における流速より十分に小さいものとなる。このため、気泡に大きな速度勾配を与えることができる。
このように、開放部25を有することにより、第2絞り部29を通過して加速された気泡は、開放部25に到達したとき減速される。この速度勾配により気泡は圧縮され微細化して小気泡が発生する。
気泡溶解促進手段3は、図1に示すように、液体が流入する流入口311と液体が流出する流出口312を備えている。流入口311には、接続通路202が連通され、流出口312には、接続通路301が連通されている。接続通路202、301は循環通路5の一部を構成している。このように、接続通路202、301を介して、気泡溶解促進手段3が循環通路5に接続されている。
また、図1に示すように、気泡溶解促進手段3は、内部に(小)気泡含有液体が通過可能かつ小気泡が液体に十分に溶解する時間を与えるように、気泡溶解促進手段3内の液体を曲走させる曲走流路31と、気泡溶解促進手段3の上部に設けられ液体に溶解しない気体を収集する非溶解気体収集部32とを備えている。
曲走流路31は、遮蔽板などの部材を用いて気泡溶解促進手段3の内部を仕切りして形成されるものである。曲走流路31を介して、気泡含有液体は気泡溶解促進手段3の内部を通過する際、十分な溶解する時間を得ることができ、小気泡がさらに液体中に溶解される。
非溶解気体収集部32は、気泡溶解促進手段3の上方に設けられ、液体に含まれ溶解しない気体(溶解飽和などにより発生する余剰気体をいう)を比重差により収集するものである。また、非溶解気体収集部32で収集された非溶解気体(液体に溶解しない気体)は、気泡溶解促進手段3に設けられ非溶解気体収集部32に連通する非溶解気体排出部33を介して排出される。さらに、非溶解気体排出部33は、気泡溶解促進手段3と連通する気体排出流路331と、気体排出流路331に設けられた気体排出量を調整する流量調整手段332とを備えている。なお、流量調整手段332は、電磁バルブなどの開閉弁で構成される。
気泡溶解促進手段3で小気泡内の気体を液体に溶解させた後、気体溶解洗剤溶液(気体が液体に溶解された洗剤溶液)は接続通路301を介して発泡手段4に流れる。このように、循環通路5は接続通路401、102、201、202及び301から構成されている。
また、図1に示すように、気体溶解(洗剤)溶液は、洗剤溶液供給口42から洗剤溶液容器40に吐出される。洗剤溶液容器40には、洗剤溶液が溜められており、洗剤溶液に溶解した気体は洗剤溶液供給口42を介して洗剤溶液容器40内に噴出された際、洗剤溶液容器40が大気に開放されているため、減圧により再び微細気泡となり洗剤溶液から析出される。析出された微細気泡はシャボンP1となり、シャボン層P10を形成している。
また、洗剤溶液容器40内に形成されたシャボンP1は、シャボン供給口43(図1に示す)を介して、浴槽W(図1に示す)に流れて使用される。なお、シャボンP1の温度を調整するために、循環通路5またはシャボン供給口42においてヒータなどの加熱手段を設けることもできる。ヒータなどの加熱手段を設けることにより、循環通路5及び洗剤溶液容器40内の洗剤溶液を温めることができ、洗剤溶液により形成されたシャボンP1の温度を調整することができる。
また、本実施形態例のシャボン発生装置で発生されたシャボンのサイズは5〜100μmとすることができる。これにより、シャボン入浴や、シャボンシャワーなどに利用することができる。このようなシャボンは、微細(例えば、マイクロ単位)サイズのため、一般のシャボンよりも高い洗浄力、温度維持性、または高い液体保持率を有することができる。
(第2実施形態例)
本実施形態例は、第1実施形態例の構成とは基本的に同様である。以下、第1実施形態例と異なる部分について説明する。なお、第1実施形態例と同様な部分に関しては、同じ符号を用いて説明する。
図2は、本実施形態例のシャボン発生装置を示す。図2に示すように、本実施形態例のシャボン発生装置は、洗剤供給部800と、移動加圧手段Pと、溶解部99と、発泡手段4とを備えている。
本実施形態例のシャボン発生装置では、補充口811より、洗剤(洗剤原液)を第1洗剤収容タンク810に供給する。次に、流量調整手段824(バルブ)を開口状態にすると、第1洗剤収容タンク810に供給された洗剤原液は、洗剤原液の自重により、第1洗剤流路823を通って第2洗剤収容タンク821に流れ込む。第2洗剤収容タンク821には、フロート弁822が設けられている。なお、第2洗剤収容タンク821とフロート弁822とで本発明の洗剤供給量調節手段820が構成される。また、第1洗剤収容タンク810と洗剤供給量調節手段820とで本発明の洗剤供給部800が構成される。また、フロート弁822は本発明の調整部を構成するものである。
洗剤原液が第2洗剤収容タンク821内に供給されると、フロート弁822は浮上し、決められた洗剤原液量(所定供給量)になると、フロート弁822は閉じられ、第1洗剤収容タンク810からの洗剤原液の供給が停止する。その後、流量調整手段824を閉口状態にする。
次に、流量調整手段826を開口状態にし、移動加圧手段としてのポンプPを作動させる。混入部827では、液体(水もしくは温水)の流速により負圧が発生し、第2洗剤収容タンク821内の洗剤原液は循環通路5へ引き込まれ、水もしくは温水と混合され、洗剤溶液となる。
また、洗剤溶液吐出口42は絞り構造になっており、ポンプPを介して、溶解部99の洗剤溶液の圧力を上昇させ、気体混入路101から引き込まれた気体を洗剤溶液内に溶けこませる。その後、十分に気体が溶け込んだ洗剤溶液は、洗剤溶液吐出口42より大気開放され、発泡手段4にて気泡を発生し、さらに浮上した気泡によりシャボンP1が生成される。なお、気体混入路101は本発明の気体混入手段を構成するものである。
また、気泡浮上後、洗剤溶液排出口41より洗剤溶液は吸込まれ、再度シャボン生成工程が繰り返される。
本発明のシャボン発生装置は、身体洗浄装置、温泡シャワー装置、温泡入浴装置などの分野に使用することができる。
本発明の第1実施形態例におけるシャボン発生装置の概念図を示すものである。 本発明の第2実施形態例におけるシャボン発生装置の概念図を示すものである。
符号の説明
1:気体混入手段 11:第1絞り部 12:気体流量調整手段
101:気体導入通路 P:移動加圧手段(ポンプ)
2:気泡微細化手段 3:気泡溶解促進手段
31:曲走流路 311:流入口 312:流出口
33:非溶解気体排出部
331:気体排出流路 332:流量調整手段
4:発泡手段 40:洗剤溶液容器
41:洗剤溶液排出口(液体取り込み部)
42:洗剤溶液吐出口 43:シャボン供給口
5:循環通路(通路) 6A:制御手段
401、102、201、202、301:接続通路
401a、401b:接続通路端部
W:浴槽 P1:シャボン
800:洗剤供給部 810:第1洗剤収容タンク 820:洗剤供給量調節手段

Claims (4)

  1. 液体が流れる通路と、前記通路に連通し該通路を流れる前記液体に洗剤を供給する洗剤供給部と、を備え、
    前記洗剤供給部は、
    前記洗剤を収容する第1洗剤収容タンクと、
    前記第1洗剤収容タンクより重力方向下方に位置され、前記第1洗剤収容タンクと前記通路とを連通し、前記第1洗剤収容タンクから前記通路に供給する前記洗剤の供給量を調節する洗剤供給量調節手段と、を備えることを特徴とするシャボン発生装置。
  2. 前記通路は、該通路を流れる前記液体に気体を混入させる気体混入手段と、前記液体を移動させかつ該液体を加圧する移動加圧手段と、前記移動加圧手段での加圧により形成された気体溶解溶液を開放環境に吐出し、シャボンを生成する発泡手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のシャボン発生装置。
  3. 前記洗剤供給量調節手段は、
    前記洗剤を収容する第2洗剤収容タンクと、
    前記第2洗剤収容タンクと前記第1洗剤収容タンクとを連通する第1洗剤流路と、
    前記第2洗剤収容タンクと前記通路とを連通する第2洗剤流路と、
    前記第2洗剤収容タンクに位置し、前記第1洗剤収容タンクから前記第2洗剤収容タンク内に流入され収容された前記洗剤の前記通路を流れる前記液体に対する前記供給量を調整する調整部と、を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のシャボン発生装置。
  4. 前記調整部は、前記第1洗剤収容タンクから前記第2洗剤収容タンク内に流入される前記洗剤が前記供給量に達成する際に前記洗剤の液面液位の上昇により閉状態となり、前記洗剤が前記第2洗剤収容タンクから前記通路へ流出する際に前記洗剤の前記液面液位の下落により開状態となる前記第2洗剤収容タンク内の前記洗剤の前記液面液位に応じて開閉するフロート弁であることを特徴とする請求項1または3のいずれか1項に記載のシャボン発生装置。
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