JP2008236730A - セルラー移動無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】各基地局が周辺セル情報に関する局データを自律で作成することを可能にする。
【解決手段】セルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;第1の基地局装置は、電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を送信し;複数の他の第2の基地局装置のそれぞれは、前記第1の基地局装置から受信した前記測定用無線信号の電波強度を測定し;測定した電波強度に応じて、前記第1の基地局装置が周辺セルか否かを判定し;前記第1の基地局装置を周辺セルと判定した場合、自己保有する周辺セルの第2局データに前記第1の基地局装置の識別情報を登録し;前記識別情報に基づいて、前記第1の基地局装置が保有する第1局データを取得し;前記第1の基地局装置から取得した前記第1局データを周辺セル情報として、前記自己保有する前記第2局データに反映することを順次に行う。
【選択図】図1B

Description

本発明は、セルラー移動無線通信システムに関し、特にこのセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法に関する。
従来、セルラー式の移動無線通信システムでは、基地局毎に保持する局データは、システムの運用業者(保守者)が基地局毎に作成しており、非常に手間のかかるものであった。
この局データのうちの周辺セル情報は、各基地局の周辺セルを定義するもので、その基地局に所属している移動体端末が次にハンドオーバするための移動先セルの候補を定めるものである。周辺セルは、セル同士が地理的に隣接するだけではなく、ダイバシティ環境になり得るような電波環境的にも隣接する必要がある。
ハンドオーバの必要性を考慮すると、局データとしての周辺セル情報は、移動体端末のモビリティをサポートする移動無線通信システムの基地局においては、必要不可欠である。周辺セル情報には、基地局ID(識別情報)、緯度経度情報、及び基地局能力情報(例えば、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)機能の有無)などの基地局毎の特定情報が含まれる。
システムの構築時に、基地局毎に局データを作成しなければならないのは勿論であるが、既にエリア(サービスエリア)展開された場所に新規に基地局を追加する場合、追加した基地局の局データはもとより、その周辺基地局の局データも修正しなければならない。
さらに、都市部(アーバンエリア)においては、基地局周囲の建物の建設や解体などにより、電波環境が変化した場合においても局データの変更が必要になる。
そのために、周辺セル情報に関する局データの作成や更新を外部トリガを契機にして自律で実施する技術が求められる。
特開2005−27189号公報 特開平10−191442号公報 特開平9−23474号公報
課題は、各基地局の周辺セル情報に関する局データを人為的な操作を極力伴わずに,基地局が自律的に生成することを可能にする技術を提供することにある。
他の課題は、基地局毎に備えられる周辺セル情報に関する局データについて、システム展開時や基地局増設時において、システムの運用業者の保守作業により一つ一つの基地局向けに作成することに代替して、基地局が自律で作成し管理することを可能にする技術を提供することにある。
別の課題は、基地局周囲の電波環境が変化した場合に、システム運用業者の保守作業により局データの変更を実施することに代替して、電波環境の変化に応じて基地局が自律で変更することを可能にする技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、周辺セル情報の自律生成方法は、
移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置と、これら基地局装置を配下に有する少なくとも1つの基地局制御装置とを備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
第1の基地局装置は、
電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を送信し;
複数の他の第2の基地局装置のそれぞれは、順次に、
前記第1の基地局装置から受信した前記測定用無線信号の電波強度を測定し;
測定した電波強度に応じて、前記第1の基地局装置が周辺セルか否かを判定し;
前記第1の基地局装置を周辺セルと判定した場合、自己保有する周辺セルの第2局データに前記第1の基地局装置の識別情報を登録し;
前記識別情報に基づいて、前記第1の基地局装置が保有する第1局データを取得し;
前記第1の基地局装置から取得した前記第1局データを周辺セル情報として、前記自己保有する前記第2局データに反映する。
上述した構成において、前記電波強度測定用の無線チャネルは、無線伝送方式に応じて、予め定められている。前記各第2の基地局装置は、前記測定用無線信号に含まれている前記識別情報に基づいて前記第1の基地局装置を認識する。
また、前記各第2の基地局装置は、前記第1の基地局装置を周辺セルでないと判定し、かつ現時点で自己保有している前記第2局データでは前記第1の基地局装置が周辺セルとして登録されている場合、前記第2局データから前記第1の基地局装置対応の周辺セル情報を削除する。
さらに、前記基地局制御装置は、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を指示する。前記基地局制御装置は、ある基地局装置の再開時に、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を指示する。前記基地局制御装置は、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信指示を周期的に繰り返し実施し、動的な周辺セル情報の更新を可能とする。
開示した方法によれば、セルラー移動無線通信システムの運用業者は、周波数または周波数帯域の繰り返しを考慮した複雑なシステム設計を容易にすることができる。
また、開示した方法によれば、基地局増設時においては、増設基地局の局データの個別作成が不要となり、また影響する近隣基地局の局データ更新も不要になる。
さらに、開示した方法によれば、基地局周辺の建物の建設や解体により電波環境が変化した場合においても、基地局の自律的かつ動的な局データ更新が可能である。
他の課題、特徴及び利点は、図面及び特許請求の範囲とともに取り上げられる際に、以下に記載される明細書(発明を実施するための最良の形態)を読むことにより明らかになるであろう。
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されてはならない。むしろ、これらの実施形態は、本明細
書の開示が徹底的かつ完全となり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供される。
[システムの構成例]
一実施の形態におけるセルラー移動無線通信システムは、複数の基地局(厳密には、基地局装置)と、複数の基地局制御局(厳密には、基地局制御装置)とを備える。
システム構成の一例を示す図1Aを参照すると、セルラー移動無線通信システムSYSは、互いに隣接する複数の基地局A,Bと、基地局A,Bにそれぞれ接続されているアンテナA,Bとを含む。ここでは、説明の都合上、基地局制御局の図示を省略している。現実には、1つの基地局制御局は多数(数十)の基地局を制御対象とするが、ここでは2つの基地局だけを示している。基地局A,Bにそれぞれ対応する局データA,Bは、基地局A,Bが有する各記憶装置に保存される。各局データは、各基地局の周辺セル情報に関するデータである。
基地局A及びアンテナAは、移動体端末に移動通信サービスを提供するための第1のエリア(サービスエリア)SA−A対応のセルを構成する。また、基地局B及びアンテナBは、移動体端末に移動通信サービスを提供するための第2のエリアSA−B対応のセルを構成する。
このセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、各基地局の周辺セル情報に関する局データを人為的な操作を極力伴わずに自律的に生成するために、各基地局及び各基地局制御局が次の機能を有する。
(1)基地局同士が互いに隣接するまたは近隣する周辺セルの構成関係であるかどうかの判断のために、基地局同士で電波の強度を測定する機能。
(2)周辺セルの構成関係であることの判断の結果を基に、周辺セル情報を管理する機能。
(3)基地局の再開後に、周辺セル情報の生成を実施する機能。
(4)周期的に周辺セル情報の生成処理を実施し、動的に周辺セル情報を更新する機能。(5)保守者の操作に応じて周辺セル情報の生成処理を起動する機能。
(6)基地局同士が通信するために、基地局制御局がタイミングを生成し、配下の基地局に通知する機能。
(7)保守者による周辺セル情報のカスタマイズを許し、それを保護する機能。
(8)GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)の地理情報を用いて、周辺セル情報を生成するための補助データを作成する機能。
(9)GPSの地理情報を用いて、地理的に周辺セルでない基地局を周辺セルの候補から除外する機能。
[システムの動作例]
次に、一実施の形態のセルラー移動無線通信システムSYSにおける各種動作例を説明する。なお、下述する各処理はその任意の複数または全てを選択し組合せて実施することもできる。
[第1の動作例]
このセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、次の手法で、基地局同士が電波強度を測定し合い、測定した電波強度から周辺セルであることの判断を行う。
図1A及び図1Bは、基地局A,B間で通信を行い、電波を測定する状態を説明するための図である。基地局Aと基地局Bとは、互いに地理的に近隣に建設された基地局である。各基地局A,Bは、周辺セル情報の自律生成の動作タイミング(開始トリガ)受信を契
機に動作を開始する。
基地局Aは、測定用の無線チャネルを使用して、電波(測定用無線信号)を送信する。基地局Bは、基地局Aからの測定用の電波を受信し、電波の強度を測定する。基地局Bは、測定した電波強度が基準レベル(閾値)aを超える場合は、基地局Aを基地局Bの周辺セルとして判定する。一方、基地局Bは、この電波強度が基準レベルa以下の場合は、周辺セルではないと判定する。また、基地局Bは、測定用電波に含まれる基地局ID(識別情報)を読み取り、基地局Aを認識する。
基地局Bは、判定の結果、基地局Aを周辺セルと認定した場合、基地局Bが管理する周辺セルの一覧(局データB)に基地局Aの基地局IDを登録する。その後、基地局Aに対して、基地局IDを基に、基地局Aの局データAを要求するためのメッセージをバックボーン(有線回線)経由で送信する。
要求を受けた基地局Aは、局データAから取得した自局情報を基地局Bに応答する。基地局Bは、基地局Aから得た情報を、周辺セル情報として、基地局Bが管理する局データBに反映する。もしくは、基地局Aが周辺セルでないと判定された場合で、かつ基地局Bが現時点で保持している局データBでは基地局Aが周辺セルとして登録されている場合、局データBより基地局Aの周辺セル情報を削除する。周辺セルとして判定する電波強度の基準レベルaはシステムパラメータとして管理される。
なお、電波強度を測定するための無線チャネルは、基地局A,B間で共通であるために、複数の基地局A,Bが同時に電波を出力すると、測定することができないことから、基地局A,B間のタイミング制御が必要である。
図1Cを参照すると、セルラー移動無線通信システムSYSの構成によっては、自局1に隣接する周辺基地局2a〜2fと、これら周辺基地局2a〜2fに隣接し自局1に隣接しない準周辺基地局3a〜3lとの局データが共に必要な場合がある。
準周辺基地局情報は、前述の周辺セル情報の収集で獲得した、周辺基地局情報より、その周辺基地局の周辺基地局である準周辺基地局の一覧を参照する。なお、局データには、その局の周辺基地局の一覧情報が含まれているものとする。その後、その準周辺基地局の一覧の情報を基に、準周辺基地局に対して局データの問い合わせを行い、準周辺基地局の局データの通知を受けて、自局の局データに準周辺基地局情報を追加して更新する。
次に、セルラー移動無線通信システムSYSにおいて、基地局同士が通信を行い、電波強度を測定するための無線チャネルの割当方法について説明する。
基地局同士が電波の強度を測定するための無線チャネルを予め定めて割り当てる。移動無線通信システムSYSの無線伝送方式に応じて、電波強度測定用の無線チャネルの割当方法が異なる。
(1)WCDMAの場合(図2A参照)
セルラー移動無線通信システムSYSの無線伝送方式が広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)の場合、CDMA拡散符号に基地局IDを用いてヌル(NULL)信号をコーディングしたものを電波強度測定用の無線チャネル(測定用チャネル)に割り当てて、各無線フレームを送信する。無線フレームを受信した相手基地局は、拡散符号から送信元の基地局IDを知ることができる。
(2)TDMAの場合(図2B参照)
セルラー移動無線通信システムSYSの無線伝送方式が時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)の場合、特定の時間スロットを測定用チャネルに確保する。この時間スロットは全ての基地局で共通の時間領域にある。したがって、順序制御に従って、いずれかの基地局が各無線フレーム毎に測定用の電波を発射(送信)する。この測定用電波には、送信元の基地局IDが送信信号として含まれる。ここで、時間スロットは測定に必要十分な長さを割り当てる。なお、各セルには、互いに異なる特定の周波数が割り当てられる。
(3)OFDMA/OFDMの場合(図2C参照)
セルラー移動無線通信システムSYSの無線伝送方式が直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)/直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の場合、特定のサブチャネル及び時間スロットで構成される固定のバーストを測定用無線チャネルとして割り当てる。このバースト領域は全ての基地局で同じ領域である。したがって、タイミング制御に従って、いずれかの基地局が測定用の電波を発射する。この測定用電波には、送信元の基地局IDが送信信号として含まれる。ここで、バーストサイズは測定に必要十分なサイズとする。また、OFDMA/OFDM方式の周波数帯域は広いので、高低の周波数による電波環境の違いを吸収するために物理キャリアは離散的にする。
上述したいずれの無線伝送方式においても、貴重な無線リソースを測定用に占有するのは効率が悪いので、他の用途(C−Plane/U−Plane)の信号チャネルと共有の領域を使用し、時間管理やモード管理により特定の期間の使用割当としてもよい。また、各基地局は、自局の測定用電波の送信タイミングでない場合は、測定用無線チャネルを受信状態にし、他の基地局からの測定用信号を受信できる状態にする。逆に、自局の送信タイミングの場合は、測定用無線チャネルを送信状態とし、測定用電波を送信する。
[第2の動作例]
セルラー移動無線通信システムSYSにおいては、次の手法で、基地局同士が電波強度を測定するタイミングを基地局制御局が通知する。
図3Aは第2の動作例におけるセルラー移動無線通信システムSYSの構成を示す。図3Bは図3Aのシステム構成におけるメッセージ交換のシーケンスを示す。図3Cは第2の動作例の変形におけるセルラー移動無線通信システムSYSの構成を示す。図3Dは図3Cのシステム構成におけるメッセージ交換のシーケンスを示す。
図3Aに示すセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、1つの基地局制御局Aが配下の3つの基地局A,B,Cを管理する構成を採っている。現実には、1つの基地局制御局は多数(数十)の基地局を制御するが、ここでは説明の都合上、3つの基地局だけを示している。
図3A及び図3Bにおいて、周辺セル情報の自律生成処理の開始トリガを受信した基地局制御局Aは配下の基地局A,B,Cに対して、順番に測定用電波の発射指示を行う。指示された基地局は、予め割り当てられた電波強度測定用の無線チャネルにおいて測定用電波(測定用無線信号)を送信する。なお、測定用に確保されている無線チャネルの使用が時刻などのタイミングで定められている場合は、指定された次のタイミングとする。
基地局Aが測定用の無線チャネルに測定用無線信号を送信中は、他の基地局B,Cは基地局Aの電波を受信して測定する。その後、各基地局B,Cは電波強度に基づいて基地局Aが周辺セルかどうかを判定する。同様に、基地局B,Cは順番に測定用無線信号を送信する。
基地局制御局Aは、配下の全ての基地局A,B,Cに対する測定用無線信号の送信指示が完了すると、配下の全基地局A,B,Cに完了通知を行う。この完了通知を受信した各基地局A〜Cは、判定結果を基に、局データの周辺セル一覧(後に、図7Bを参照して詳述)を更新し、局データを周辺基地局からバックボーン(有線回線)経由で収集して、つまり自局情報を交換して、局データとしての周辺セル情報を生成する。
図3Cに示すセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、周辺基地局Dが他の基地局制御局Bに所属する構成を採っている。基地局Aから見た場合、周辺基地局Dは自局とは異なる基地局制御局Bに所属している。基地局A及び基地局Bの周辺セル情報を収集するためには、基地局Dからの測定用電波の送信も必要である。
図3C及び図3Dにおいて、周辺セル情報の自律生成処理の開始トリガを受信した基地局制御局Aは配下の基地局A,Bの周辺セル情報を作成することを目的として、基地局Dに対しても測定用電波の発射指示を行う。ただし、基地局制御局Aは、基地局Dと直接通信が行えないために、基地局制御局Bを経由して指示メッセージを送信する必要がある。
このとき、基地局制御局Bは自制御局配下の基地局に対する周辺セル情報の作成タイミングとの競合がなければ、基地局制御局Aからの測定用無線信号の指示メッセージをそのまま基地局Dに対して転送する。しかし、基地局制御局Bは自制御局配下の基地局の周辺セル情報生成の電波送信タイミングの競合などがある場合は、基地局制御局Aに対して、実施不可のメッセージを応答する。その際は、基地局制御局Aは別のタイミングで再度、指示メッセージを送信する。
電波測定完了後の自局情報の交換についても同様に、基地局A,Bは基地局制御局B配下の基地局Dに対して、基地局制御局Bの転送機能を用いて各自局情報の通知を依頼する。
[第3の動作例]
例えば、上述した図3Aに示す構成を採るセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、次の手法で、基地局再開を契機にして周辺セル情報の生成を開始することが可能である。図4はそのシーケンスを示す。
各基地局A〜Cが自律で周辺セル情報を生成するタイミングを、ある基地局が障害復旧に伴い保守者から再起動された場合などの再開直後とする。例えば、基地局Aが再開を完了すると、基地局Aから基地局制御局Aに対して、再開が完了したことをメッセージで通知する。その後、基地局制御局Aの指示した順番に他の基地局B,Cが電波強度測定用の無線チャネルにて測定用無線信号を発射することにより、基地局Aは周辺セルを判定して、周辺セル情報を局データとして生成する。
[第4の動作例]
例えば、上述した図3Aに示す構成を採るセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、次の手法で、周期的に周辺セル情報の生成を実施し、動的に周辺セル情報を更新する。図5はそのシーケンスを示す。
セルラー移動無線通信システムSYSを構成する基地局A,B,Cは、基地局制御局Aからの指示(指示メッセージの受信)に基づいて、周期的に、自律で周辺セル情報の生成を行う。ここでは、周期は1日単位などの大きな期間とする。周期タイミングは基地局制御局A内のタイマ(時計)にて管理し、基地局制御局Aは、タイミング時刻が到来すると、配下の基地局A〜Cに対して順番に測定用電波の送信を指示する。局データの更新は基
地局の再開を伴うので、周辺セル情報の更新は夜間に行うように、周期を調整することが好ましい。
[第5の動作例]
セルラー移動無線通信システムSYSにおいては、保守者(作業者)が時刻を指示して、周辺セル情報の生成動作を開始することが可能である。
図6Aは第5の動作例におけるセルラー移動無線通信システムSYSの構成を示す。図6B及び図6Cは図6Aのシステム構成におけるメッセージ交換のシーケンスを示す。このセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、作業者は、基地局の局データを更新する際に、次の2通りの方法で指示を出すことができる。
第1の方法では、作業者Aが基地局Aの設置されている現地(局舎A)に赴き、直接、基地局Aを操作する。図6A及び図6Bに示すように、作業者Aは、局舎Aにおいて、基地局Aに対して局データ更新コマンドを投入する。基地局Aは上位の基地局制御局Aに対して、局データ更新制御要求のメッセージを送信する。
このメッセージを受信した基地局制御局Aは、配下の他の基地局B,Cに対して、周辺セル情報の生成シーケンスを起こす。配下の全ての基地局B,Cからの測定電波の送信が完了すると、基地局制御局Aより基地局Aに対して局データ更新制御完了の通知メッセージが出され、基地局Aは周辺セル情報の更新処理を行う。基地局Aは局データの更新が完了すると、作業者Aに対して、局データ更新の完了を通知する。
第2の方法では、セルラー移動無線通信システムSYSを管理する保守サーバより指示を行う。図6A及び図6Cに示すように、作業者Bは、局舎Bに設置された保守サーバBを経由して、基地局制御局Aに局データ更新コマンドを送信する。このコマンドを受信した基地局制御局Aは、配下の基地局A,B,Cに対して、周辺セル情報の更新シーケンスを起動する。基地局制御局Aは、配下の全ての基地局A〜Cによる測定用電波の送信が完了すると、保守サーバBに向けて、局データ更新完了の通知メッセージを送信する。
[第6の動作例]
セルラー移動無線通信システムSYSにおいては、保守者によってカスタマイズされた周辺セル情報を保護する。
図7Aに示す基地局Aの保守者は、周辺セル情報に関する局データAを保守動作で変更することができる。局データAの周辺セル情報のうち、自セルの周辺セルの一覧を管理する情報に対して、図7Bに示すように、周辺セル毎に自律制御による変更を許可/不許可を表す更新不可フラグ(ON/OFF)を設ける。
更新不可フラグの初期値は「OFF」となっており、保守者は、局データAを更新した際に、任意でON/OFFに設定できる。基地局Aは、周辺セル情報の自律での更新が発生した際に、更新不可フラグが「ON」となっている周辺セルに対しては、電波環境の変化により周辺セルとして必要な電力(電波強度)を下回っても、周辺セル情報を削除しない。
また、図7Cに示すように、周辺セルとして追加してはいけないセルの一覧である周辺セル追加不可一覧を局データAとして設定する。基地局Aは、電波強度の測定の結果、新規に周辺セルとして追加できると判断した場合でも、周辺セル追加不可一覧に登録されているセルは周辺セルとして追加しない。
[第7の動作例]
図8に示すセルラー移動無線通信システムSYSにおいては、GPS地理情報を用いて、周辺セル情報を作成するための補助データを作成することが可能である。
各基地局A,B,Cは、建設時に、GPSを利用した既知の手法により緯度経度情報を測定され、自身の局データに位置情報として登録される。基地局制御局Aは配下の基地局A〜Cの各緯度経度情報を自身の局データとして局毎に保持する。さらに、基地局制御局Aは基地局A〜Cの各セル半径A〜Cについても局毎に保持する。
自律で周辺セル情報の生成を行う前に、基地局制御局Aは、配下の基地局A〜Cに対して、地理的に近隣である周辺セル候補の基地局一覧を通知する。基地局制御局Aは、基地局Aに対して、基地局B及び基地局Cについて基地局間の距離から、周辺セルの候補であるか否かを判定する。
基地局Aのセル半径A及び基地局Bのセル半径Bを合計した値に、マージン値bを加算した値が、基地局A,B間の地理的な距離よりも大きい場合は、基地局Bを基地局Aの周辺セル候補として判定する。また、基地局Aと基地局Cとの地理的距離が、セル半径A,Cを合計した値にマージン値bを加算した値よりも大きい場合は、周辺セル候補でないと判断する。
基地局制御局Aは、自律の周辺セル情報生成処理を実施する前に、基地局Aに対して、周辺セル候補の一覧を通知する。候補セルの一覧は、周辺セル情報を生成する際に、周辺セル候補を電波強度の測定対象とするために用いられる。基地局制御局Aはマージン値bをシステムパラメータとして管理する。
[第8の動作例]
セルラー移動無線通信システムSYSにおいては、GPS地理情報を用いて、地理的に周辺セルでない基地局を周辺セル情報から除外することが可能である。
上述した第7の動作例における周辺セル候補の判定機能を用いない場合、電波強度の測定の結果、地理的には周辺セルとは言えないが、電波環境的には周辺セルとなってしまう場合がある。例えば、岬で携帯電話端末を使用すると、対岸の岬の基地局で電波を拾い、周辺セルと判断してしまうことがある。この場合は、距離的にも遠いし、ハンドオーバ先とも成り得ない地理条件であるために、周辺セルとしてはならない。
基地局は局データの周辺セル情報を更新後に、周辺セルの地理的な距離を計算する。上述した第7の動作例と同様の条件により、周辺セルとは言えない距離にある基地局を周辺セル情報から削除する。また、局データとして周辺セル追加不可一覧(図7C参照)に登録してもよい。
[システムの第1変形構成例]
他の実施の形態におけるセルラー移動無線通信システムSYS1は複数の基地局(基地局装置)を備える。このセルラー移動無線通信システムSYS1は、上述した一実施の形態におけるセルラー移動無線通信システムSYSが有している複数の基地局制御局(基地局制御装置)としての無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)を個別配置要素として備えない。セルラー移動無線通信システムSYS1においては、各基地局がRNCの機能(例えば、ハンドオーバ制御機能など)を有し、上位装置との協働により配下の複数の移動体端末に移動通信サービスを提供する。
システム構成の一例を示す図9Aを参照すると、セルラー移動無線通信システムSYS
1は、互いに隣接するまたは近隣する複数の基地局A1,B1,B2と、基地局A1,B1,B2にそれぞれ接続されているアンテナA1,B1,B2とを含む。ここでは、説明の都合上、3つの基地局だけを示している。基地局A1,B1,B2にそれぞれ対応する局データは、基地局A1,B1,B2が有する各記憶装置に保存される。各局データは各基地局の周辺セル情報に関するデータである。
基地局A1及びアンテナA1は、移動体端末に移動通信サービスを提供するための第1のエリア(サービスエリア)SA−A1対応のセルを構成する。また、基地局B1,B2及びアンテナB1,B2は、移動体端末に移動通信サービスを提供するための第2及び第3のエリアSA−B1及びSA−B2対応のセルをそれぞれ構成する。
このセルラー移動無線通信システムSYS1においては、各基地局の周辺セル情報に関する局データを人為的な操作を極力伴わずに自律的に生成するために、各基地局が上述した一実施の形態の移動無線通信システムSYSと同様に上記機能(1)〜(5),(7)〜(9)を有すると共に、次の機能(10),(11),(12)を更に有する。
(10)基地局同士のネゴシエーションにより電波強度の測定タイミングを確定して、周辺セル情報を生成するための電波強度の測定を開始する機能。
(11)このとき、各基地局が無線チャネルを用いた基地局間通信により、測定タイミングを確定する機能。
(12)また、各基地局がバックボーン(コアネットワーク)経由の伝送チャネル(有線チャネル)を用いた基地局間通信により、測定タイミングを確定する機能。
[システムの第1変形構成における動作例(第9の動作例)]
次に、図9Aに示す構成を採るセルラー移動無線通信システムSYS1における各種動作例を説明する。なお、下述する第1変形構成における各処理は、上述した各処理の任意の複数を選択し組合せて実施することもできる。
このセルラー移動無線通信システムSYS1においては、次の手法で、基地局同士のネゴシエーションにより電波強度の測定タイミングを確定して、周辺セル情報を生成するための電波強度の測定を開始する。そして、各基地局は、他の基地局との間で電波強度を測定し合い、測定した電波強度から周辺セルであることの判断を行う。
まず、基地局間ネゴシエーションのシーケンスの一例を示す図9Bを参照すると、自局の新設などに伴い電波強度の測定を開始しようとする基地局A1は、基地局間通信のための専用チャネルαに対して、ランダムな時刻に(自局で決定した任意の測定タイミングで)測定開始要求メッセージを送信する。この要求メッセージはレイヤ3ではなくレイヤ2のプロトコルによって規定された伝送制御手順となる。ここで、基地局間通信専用チャネルαは、このセルラー移動無線通信システムSYS1における全基地局が共通に使うチャネルである。
各基地局は、上記要求メッセージを送出する時間以外は、基地局間通信専用チャネルαを受信状態にしており、他の基地局からの要求メッセージの受信が可能である。この要求メッセージには、送信元の基地局の識別情報(基地局ID)が含まれており、受信した基地局はどの基地局から送信されたものかを判別可能である。
基地局A1からの要求メッセージを受信した他の基地局B1,B2は、測定用無線チャネルβを通して測定用電波(測定用無線信号)を受信して電波強度を測定可能な状態(測定開始状態)にする。
要求メッセージを送信した基地局A1は、他の基地局B1,B2から否定メッセージが
返送されない限り、予め定めた時間(規定時間)S後に、電波強度測定用の無線チャネルβに測定用電波を発射(送信)する。
以降、各基地局は、上述した第1の動作例と同様に、他の基地局との間で電波強度を測定し合い、測定した電波強度から周辺セルであることの判断を行う。
次に、基地局間ネゴシエーションのシーケンスの他の例を示す図9Cを参照すると、自局の新設などに伴い電波強度の測定を開始しようとする2つの基地局A1及び基地局A2(基地局A2は図9Aに図示していない)は、基地局間通信専用チャネルαに対して、各局で決定したほぼ同時の測定タイミングで測定開始要求メッセージをそれぞれ送信する。しかし、この例では、基地局A1,A2が送信した測定開始要求メッセージが、他の基地局B1,B2に対する専用チャネルαにおいて衝突する。
このように、要求メッセージの衝突が発生した場合、基地局B1,B2は、電波干渉により、要求メッセージ中のパラメータである基地局IDを読み取ることができない。これにより、基地局B1,B2では、要求メッセージの衝突があったと判断する。
衝突を検出した基地局B1,B2は、専用チャネルαを用いて衝突確認メッセージを規定時間S内にそれぞれ送信する。なお、図9Cでは、基地局B2から送信される衝突確認メッセージは図示を省略している。例えば、この衝突確認メッセージはNULLデータである。
基地局A1及び基地局A2は、衝突確認メッセージを確認すると、自局からの測定開始要求メッセージが他の基地局と衝突したと判断する。衝突を確認した基地局A1及び基地局A2は、規定時間Sから更にランダムな時間が経過した後に、要求メッセージをそれぞれ再送信する。
この結果、要求メッセージを送信した基地局A1は、他の基地局B1,B2から否定メッセージが返送されない限り、規定時間S後に、電波強度測定用の無線チャネルβに測定用電波を発射する。
再び、図9Aを参照すると、上述した基地局間ネゴシエーションのシーケンスの各例においては、電波強度の測定タイミングを確定するために、基地局間通信専用チャネルαとして無線チャネルαを使用することができる。この場合、各基地局は、専用に割り当てられた無線チャネルαを使用して測定開始要求メッセージ及び衝突確認メッセージなどの信号を送受信する。
無線チャネルαは、上り下り(送信・受信)共用の物理チャネルである。そのために、採用するデュプレックス方式によっては、上り下り共用のスロットを用意するなどの考慮が必要である。
また、基地局間ネゴシエーションのための無線チャネルαは、基地局A1の最大電力を用いて信号送信することにより、可能な限り、遠くの基地局に対して測定開始要求メッセージが届くようにする。つまり、基地局A1からの測定開始要求メッセージが届く範囲の基地局B1,B2に対してネゴシエーションを実施する。
また、図9Dに示すように、上述した基地局間ネゴシエーションのシーケンスの各例においては、電波強度の測定タイミングを確定するために、基地局間通信専用チャネルαとしてコアネットワーク(例えば、IP(Internet Protocol)網、ATM(Asynchronous Transfer Mode)網)の有線チャネルαを使用することができる。この場合、各基地局は、
専用に割り当てられた有線チャネルαを使用して測定開始要求メッセージ及び衝突確認メッセージなどの信号を送受信する。
基地局間通信専用チャネルαとして有線チャネルαを使用する場合、無線チャネルαを使用する場合と異なって、基地局A1,A2によって送信された測定開始要求メッセージが電波干渉することはない。他の基地局B1,B2は、所定時間内に基地局A1,A2の双方からの測定開始要求メッセージを受信したとき、衝突があったと判断する。
基地局間ネゴシエーションにおいて、バックボーン経由の有線チャネルαを使用する場合、移動体端末に基地局間のハンドオーバを可能にするための、基地局間通信と同様のインタフェースとする。ただし、相手の基地局は指定せずに送信する必要があるために、対向する複数の基地局へのブロードキャスト通信となる。基地局間通信に他ノード(ゲートウェイ装置などの上位装置)による中継が必要な場合は、メッセージの転送機能をこのノードに設ける。
また、測定開始要求メッセージをブロードキャスト送信する対象基地局の範囲は、大きすぎると要求メッセージの衝突の確率が上がり、狭すぎるとブロードキャストである要求メッセージを送信する範囲の確定のためにこの技術によって最終的に生成されるべき周辺セル情報に近いデータが当初から必要となってしまう。そのために適度な範囲を予めシステムパラメータで規定する。
パラメータ規定のためには、次の2つの方法が考えられる。基地局に上位装置がある移動無線通信システムの場合は、上位装置の配下の(従属する)基地局を範囲とする。上位装置がない場合は、各基地局を建設時に計測してシステム運用業者(保守者)側で管理された位置情報(緯度・経度)を利用し、周辺セル情報を生成する基地局から地理的に近い対象基地局をリスト化したものを周辺セル測定の範囲とする。ここで、上位装置はコアネットワーク内のゲートウェイ装置や各種サーバなどである。
[システムの第2変形構成例]
別の実施の形態におけるセルラー移動無線通信システムSYS2は複数の基地局(基地局装置)を備える。このセルラー移動無線通信システムSYS2は、上述した一実施の形態におけるセルラー移動無線通信システムSYSが有している複数の基地局制御局(基地局制御装置)としての無線ネットワーク制御装置(RNC)を個別配置要素として備えない。セルラー移動無線通信システムSYS1においては、各基地局がRNCの機能を有し、上位装置との協働により配下の複数の移動体端末に移動通信サービスを提供する。
システム構成の一例を示す図10Aを参照すると、セルラー移動無線通信システムSYS2は、互いに隣接するまたは近隣する複数の基地局BTS1〜BTS7と、基地局BTS1〜BTS7にそれぞれ接続されているアンテナとを含む。ここでは、基地局BTS1は移動体端末MSが在圏するサービィング基地局であり、基地局BTS2〜BTS6は基地局BTS1に対する周辺基地局である。基地局BTS7は基地局BTS1に対する周辺基地局ではない。
各基地局及び各アンテナは、移動体端末に移動通信サービスを提供するための各エリア(サービスエリア)対応のセルを構成する。基地局BTS1〜BTS7にそれぞれ対応する局データは、基地局BTS1〜BTS7が有する各記憶装置に保存される。各局データは各基地局の周辺セル情報に関するデータである。
このセルラー移動無線通信システムSYS2においては、各基地局の周辺セル情報に関する局データを人為的な操作を極力伴わずに自律的に生成するために、各基地局が上述し
た一実施の形態の移動無線通信システムSYSと同様に上記機能(1)〜(5),(7)〜(9)の少なくとも1つを有すると共に、各基地局及び移動体端末が次の機能(13),(14)を更に有する。
(13)例えば、基地局BTS1のセルに在圏する移動体端末MSが、基地局BTS2〜BTS7からの測定用電波(測定用無線信号)の電波強度を測定し、基地局BTS1に対する周辺セル一覧情報を作成して、基地局BTS1に通知する機能。
このとき、移動体端末MSは制御チャネル設定中または待ち受け中(アイドル中)に電波強度の測定及び周辺セル一覧情報の通知を行う。ここで、移動体端末MSは特殊機能を持つ移動体端末または一般ユーザが使用する移動体端末である。
(14)移動体端末MSより周辺セル一覧情報を通知された基地局BTS1は、その情報を基に局データとしての周辺セル情報を生成する機能。
[システムの第2変形構成における動作例(第10の動作例)]
次に、図10Aに示す構成を採るセルラー移動無線通信システムSYS2における各種動作例を説明する。なお、下述する第2変形構成における各処理は、上述した各処理の任意の複数を選択し組合せて実施することもできる。
このセルラー移動無線通信システムSYS2においては、次の手法で、基地局BTS1のセルに在圏する移動体端末MSが、基地局BTS2〜BTS7からの測定用電波の電波強度を測定し、測定結果に応じて基地局BTS1に対する周辺セル一覧情報を作成して、基地局BTS1に通知する。
図10Aから図10Eを併せ参照すると、自局の新設などに伴い周辺セル情報を作成する必要のある基地局BTS1は、配下のセルに在圏する移動体端末MSをツールとして利用する。
移動体端末MSは、既知の技術により自動的に、あるタイミングで基地局BTS2〜BTS7が送信する測定用電波を受信して、電波強度を測定する。電波強度測定用の無線チャネルは上述した一実施の形態の移動無線通信システムSYSと同様である。つまり、電波強度測定用の無線チャネルは、上述した無線伝送方式に応じて、予め定められている。また、測定用電波には、各基地局IDが含まれている。
移動体端末MSは、電波強度がある規定値P以上の基地局を一覧データとして管理する。規定値Pは、移動体端末MSのセル間ダイバシティが可能な最低限の電力を考慮して規定され、移動体端末MSのシステムパラメータとして保存される。移動体端末MSが電波強度測定を実施した地理的場所においては、電波強度が規定値P以上の基地局はセル移動やダイバシティハンドオーバが可能であることを意味するので、電波強度が規定値P以上の基地局は移動体端末MSが在圏するセルに対して周辺セルの関係であることになる。
移動体端末MSは、その時点で自端末の呼処理を管理しているサービィング基地局BTS1に対して、周辺セル集団の一覧情報(周辺セル一覧情報)を通知する。セル内の移動体端末MSの地理的な位置により、移動体端末MSが生成できる周辺セルの一覧は異なるために、周期的な測定を行うことで、端末移動に応じてセル内の地点における周辺セルの違いについても検出する。したがって、移動体端末MSは測定によって検出できた周辺セルの総数を一覧として保持する。
移動体端末MSは、セル移動により配下となる基地局(在圏セル)が変更となった場合は、位置登録後に、周辺基地局の電波強度を再度測定して、サービィング基地局に対して周辺セル集団の一覧情報を通知する。
移動体端末MSより周辺セル一覧情報を通知されたサービィング基地局BTS1は、その周辺セル一覧情報に含まれている基地局IDを基に周辺セルを決定(選択)する。その後、基地局BTS1は、周辺セルとして認定した基地局BTS2〜BTS6に対して、その基地局の位置(緯度経度)情報及び能力情報などを要求して、その回答を基地局BTS1内のデータベースにある周辺セル管理テーブルに反映する。
ここで、基地局BTS1は、複数の移動体端末MSからの周辺セル一覧情報の通知を受けることになる。基地局BTS1はある時間内に複数の移動体端末MSからの周辺セル一覧情報を通知された場合は、次のアルゴリズムAL1,AL2のいずれかで周辺セルの一覧を決定する。
AL1:複数の移動体端末からの通知に含まれていた全てのセル
AL2:ある一定以上数の通知に含まれていたセル
基地局BTS1は、配下の移動体端末MSが移動するたびに、周辺セル一覧情報の通知を受ける。通知を受けるたびに周辺セル情報の書き換えを行うことは無駄な処理であるために、基地局BTS1は受信した周辺セル一覧情報を期限を決めて蓄積し、周期的なタイミングで周辺セル情報の更新を行う。または、基地局BTS1は、上記アルゴリズムにより周辺セルの決定が変更されるたびに、局データとしての周辺セル情報を変更する。
上述した処理において、移動体端末MSは制御チャネル設定中または待ち受け中(アイドル中)に電波強度の測定及び周辺セル一覧情報の通知を行う。
図10C及び図10Dのシーケンスに示すように、移動体端末MSが通信を開始するための発信(発呼)手順、または着信(着呼)手順の際に、周辺セル一覧情報を基地局BTS1に通知する。
基地局BTS1に周辺セル一覧情報を通知するための無線チャネルは、移動体端末MSと基地局BTS1間の制御チャネルである個別チャネルを用いる。したがって、移動体端末MSは、発呼手順の個別チャネル設定後に、この個別チャネルを用いて周辺セル一覧情報を通知する。この場合、呼設定時に通知を行うので、あるセルに在圏中に移動体端末MSが呼設定を行わなければ、基地局BTS1への周辺セル一覧情報の通知は実施されない。なお、周辺セル一覧情報の基地局BTS1への通知は、呼設定シーケンスには影響を与えないので、制御(個別)チャネル設定後は、呼設定シーケンスと平行に実施可能である。
また、図10B及び図10Eのシーケンスに示すように、移動体端末MSの電源投入に続いて在圏セル設定(位置登録)を行った後、または移動体端末MSが移動して在圏セルが変更になりセルの位置登録の変更が完了した後、移動体端末MSは周辺セル一覧情報を通知する処理を開始する。
その後、移動体端末MSは、周辺セルの一覧を作成すると、在圏セルの基地局BTS1に対して、周辺セル一覧情報を通知する。通知メッセージはレイヤ2プロトコルの制御チャネルである共通チャネルを使用する。共通チャネルを用いるのは、移動体端末MSと基地局BTS1の間で個別チャネルが確立されていないためである。
位置登録後であれば、待ち受け中のいつでも基地局BTS1への周辺セル一覧情報の通知が可能であるので、移動体端末MSでの基地局電力(測定用電波強度)の測定が完了した後に、移動体端末MSは周辺セル一覧通知メッセージを送信する。
ここで、移動体端末MSは特殊機能を持つ移動体端末(特殊端末)または一般ユーザが使用する移動体端末(一般端末)である。
システム運用業者(保守者)によって使用される特殊端末が移動体端末MSである場合、特殊端末から基地局BTS1に周辺セル一覧情報を通知するのは、1個または少数の特定端末である。このために、基地局BTS1は特殊端末から受信した周辺セル一覧情報を必ず周辺セル情報生成の情報として使用する。
保守者は、エリア拡大や品質向上のための基地局建局の際に、基地局設置後に、特殊端末を使用して、該当の基地局の周囲を周回し、周辺セル情報の構築を基地局に対して実施させる。
一方、一般ユーザによって使用される一般端末が移動体端末MSである場合、基地局BTS1には不特定多数の端末から、不特定のタイミングで、周辺セル一覧情報が通知される。基地局BTS1は、定期的に周辺セル情報を更新することで、移動無線通信システムの運用中に、リアルタイムで電波環境の変化に対して追随した周辺セル情報の更新が可能となる。
上述した第2変形例によると、基地局BTS1は、移動体端末MSをツールとして利用することにより、一層正確に周辺セル情報を生成することができる。
[システムの第3変形例(第11の動作例)]
上述した別の実施の形態におけるセルラー移動無線通信システムSYS2は、図11に示すように、更に変形して実施することができる。
複数の基地局(アンテナを含む)BTS11〜BTS14を備えるセルラー移動無線通信システムSYS3は、既存仕様の移動体端末MS1の機能を流用して周辺セル情報を生成する。
このセルラー移動無線通信システムSYS3においては、サービィング基地局BTS11のセルに在圏する移動体端末MS1は、複数の他の基地局BTS12〜BTS14からシグナリングチャネルを通して無線信号を受信して変調コードを検出し、検出した変調コードの一覧情報を個別チャネル設定中に基地局BTS11に通知する。
移動体端末MS1から変調コードの一覧情報を通知された基地局BTS11は、変調コードの一覧情報を基地局BTS12〜BTS14のID(識別情報)に変換し、局データとしての周辺セル情報を生成する。
既存のW−CDMAの仕様では、移動体端末は、待ち受け中に基地局からシグナリングチャネルを介して無線信号を受信し、検出できた基地局のCDMA変調コードをサービィング基地局に個別チャネル設定手順中に通知している。サービィング基地局では、移動体端末から通知された変調コードの一覧を基地局IDに逆変換し、基地局IDの一覧とすることが可能である。
この機能を流用することにより、既存の移動体端末及び基地局の機能に対して、上述した別の実施の形態の移動無線通信システムSYS2における機能の一部を追加することで実現が可能である。
ただし、周辺セルとして判断する基準がシグナリングチャネルを介した無線信号の判別の可否となり、上述した別の実施の形態の移動無線通信システムSYS2における処理の結果で得られる周辺セル一覧情報とは異なる。
既存システムの基地局に追加する機能は、移動体端末毎に周辺セル一覧情報を管理するためのデータベースと、このデータベースを基に定期的に周辺セル情報を生成する機能である。
[その他]
上述した各実施の形態及び変形例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置を少なくとも備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
第1の基地局装置は、
電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を送信し;
複数の他の第2の基地局装置のそれぞれは、順次に、
前記第1の基地局装置から受信した前記測定用無線信号の電波強度を測定し;
測定した電波強度に応じて、前記第1の基地局装置が周辺セルか否かを判定し;
前記第1の基地局装置を周辺セルと判定した場合、自己保有する周辺セルの第2局データに前記第1の基地局装置の識別情報を登録し;
前記識別情報に基づいて、前記第1の基地局装置が保有する第1局データを取得し;
前記第1の基地局装置から取得した前記第1局データを周辺セル情報として、前記自己保有する前記第2局データに反映する;
周辺セル情報の自律生成方法。
(付記2)前記電波強度測定用の無線チャネルは、無線伝送方式に応じて、予め定められている
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記3)前記各第2の基地局装置は、前記測定用無線信号に含まれている前記識別情報に基づいて前記第1の基地局装置を認識する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記4)前記各第2の基地局装置は、前記第1の基地局装置を周辺セルでないと判定し、かつ現時点で自己保有している前記第2局データでは前記第1の基地局装置が周辺セルとして登録されている場合、前記第2局データから前記第1の基地局装置対応の周辺セル情報を削除する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記5)少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
前記基地局制御装置は、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を指示する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記6)少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
前記基地局制御装置が複数存在する場合、第1の基地局制御装置は配下の前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を直接指示し、第2の基地局制御装置は前記第1の基地局制御装置からの前記測定用無線信号の送信指示を配下の他の第1の基地局装置に転送する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記7)少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
前記基地局制御装置は、ある基地局装置の再開時に、前記第1の基地局装置に前記測定
用無線信号の送信を指示する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記8)少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
前記基地局制御装置は、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信指示を周期的に繰り返し実施し、動的な周辺セル情報の更新を可能とする
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記9)少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
前記基地局制御装置は、保守者からの指示に応じて、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を指示する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記10)保護対象の周辺セル情報を保守者によりカスタマイズ可能にする
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記11)GPS(Global Positioning System)の地理情報を用いて、前記周辺セル情報を作成するための補助データを作成する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記12)GPS(Global Positioning System)の地理情報を用いて、地理的に周辺セルでない基地局装置対応の周辺セル情報を局データから除外する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記13)前記第1の基地局装置は、基地局装置間通信専用チャネルを介した前記第2の基地局装置とのネゴシエーションにより、前記電波強度の測定タイミングを確定し;
前記第2の基地局装置は、前記周辺セル情報を生成するための前記電波強度の測定を開始する
付記1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記14)前記基地局装置間通信専用チャネルは、無線チャネルまたは有線チャネルである
付記13記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記15)移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置を少なくとも備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
第1の基地局装置のセルに在圏する移動体端末は、
複数の他の第2の基地局装置から電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を受信して電波強度を測定し;
測定結果に応じて前記第1の基地局装置に対する周辺セル一覧情報を作成して、前記第1の基地局装置に通知し;
前記移動体端末から前記周辺セル一覧情報を通知された前記第1の基地局装置は、
前記周辺セル一覧情報に含まれている前記第2の基地局装置の識別情報に基づいて局データとしての周辺セル情報を生成する;
周辺セル情報の自律生成方法。
(付記16)前記移動体端末は、制御チャネル設定中または待ち受け中に前記測定用無線信号の電波強度を測定する
付記15記載の周辺セル情報の自律生成方法。
(付記17)移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置を少なくとも備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
第1の基地局装置のセルに在圏する移動体端末は、
複数の他の第2の基地局装置からシグナリングチャネルを通して無線信号を受信して変調コードを検出し;
検出した前記変調コードの一覧情報を前記第1の基地局装置に通知し;
前記移動体端末から前記変調コードの一覧情報を通知された前記第1の基地局装置は、
前記変調コードの一覧情報を前記第2の基地局装置の識別情報に変換し、局データとしての周辺セル情報を生成する;
周辺セル情報の自律生成方法。
一実施の形態のシステムの構成及び第1の動作例を説明するためのブロック図。 一実施の形態のシステムにおける第1の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムにおける複数の基地局の隣接関係を説明するための図。 一実施の形態のシステムにおける電波強度測定用の無線チャネルの割当方法を説明するための図。 一実施の形態のシステムにおける電波強度測定用の無線チャネルの割当方法を説明するための図。 一実施の形態のシステムにおける電波強度測定用の無線チャネルの割当方法を説明するための図。 一実施の形態のシステムの構成及び第2の動作例を説明するためのブロック図。 一実施の形態のシステムにおける第2の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムの構成及び第2の動作例の変形を説明するためのブロック図。 一実施の形態のシステムにおける第2の動作例の変形を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムにおける第3の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムにおける第4の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムの構成及び第5の動作例を説明するためのブロック図。 一実施の形態のシステムにおける第5の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムにおける第5の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 一実施の形態のシステムにおける第6の動作例を説明するための図。 一実施の形態のシステムにおける第6の動作例を説明するための図。 一実施の形態のシステムにおける第6の動作例を説明するための図。 一実施の形態のシステムにおける第7の動作例を説明するための図。 他の実施の形態のシステムの構成及び第9の動作例を説明するためのブロック図。 他の実施の形態のシステムにおける第9の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 他の実施の形態のシステムにおける第9の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 他の実施の形態のシステムにおける第9の動作例を説明するためのブロック図。 別の実施の形態のシステムの構成及び第10の動作例を説明するためのブロック図。 別の実施の形態のシステムにおける第10の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 別の実施の形態のシステムにおける第10の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 別の実施の形態のシステムにおける第10の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 別の実施の形態のシステムにおける第10の動作例を説明するためのシーケンスチャート。 別の実施の形態のシステムの変形構成及び第11の動作例を説明するためのブロック図。
符号の説明
SYS セルラー移動無線通信システム
SA−A サービスエリア
SA−B サービスエリア
1 自局
2a〜2f 周辺基地局
3a〜3l 準周辺基地局

Claims (10)

  1. 移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置を少なくとも備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
    第1の基地局装置は、
    電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を送信し;
    複数の他の第2の基地局装置のそれぞれは、順次に、
    前記第1の基地局装置から受信した前記測定用無線信号の電波強度を測定し;
    測定した電波強度に応じて、前記第1の基地局装置が周辺セルか否かを判定し;
    前記第1の基地局装置を周辺セルと判定した場合、自己保有する周辺セルの第2局データに前記第1の基地局装置の識別情報を登録し;
    前記識別情報に基づいて、前記第1の基地局装置が保有する第1局データを取得し;
    前記第1の基地局装置から取得した前記第1局データを周辺セル情報として、前記自己保有する前記第2局データに反映する;
    周辺セル情報の自律生成方法。
  2. 前記電波強度測定用の無線チャネルは、無線伝送方式に応じて、予め定められている
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  3. 前記各第2の基地局装置は、前記測定用無線信号に含まれている前記識別情報に基づいて前記第1の基地局装置を認識する
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  4. 前記各第2の基地局装置は、前記第1の基地局装置を周辺セルでないと判定し、かつ現時点で自己保有している前記第2局データでは前記第1の基地局装置が周辺セルとして登録されている場合、前記第2局データから前記第1の基地局装置対応の周辺セル情報を削除する
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  5. 少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
    前記基地局制御装置は、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を指示する
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  6. 少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
    前記基地局制御装置は、ある基地局装置の再開時に、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信を指示する
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  7. 少なくとも1つの基地局制御装置を更に備え;
    前記基地局制御装置は、前記第1の基地局装置に前記測定用無線信号の送信指示を周期的に繰り返し実施し、動的な周辺セル情報の更新を可能とする
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  8. 前記第1の基地局装置は、基地局装置間通信専用チャネルを介した前記第2の基地局装置とのネゴシエーションにより、前記電波強度の測定タイミングを確定し;
    前記第2の基地局装置は、前記周辺セル情報を生成するための前記電波強度の測定を開始する
    請求項1記載の周辺セル情報の自律生成方法。
  9. 移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置を少なくとも備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
    第1の基地局装置のセルに在圏する移動体端末は、
    複数の他の第2の基地局装置から電波強度測定用の無線チャネルを通して測定用無線信号を受信して電波強度を測定し;
    測定結果に応じて前記第1の基地局装置に対する周辺セル一覧情報を作成して、前記第1の基地局装置に通知し;
    前記移動体端末から前記周辺セル一覧情報を通知された前記第1の基地局装置は、
    前記周辺セル一覧情報に含まれている前記第2の基地局装置の識別情報に基づいて局データとしての周辺セル情報を生成する;
    周辺セル情報の自律生成方法。
  10. 移動体端末に移動通信サービスを提供するためのサービスエリア対応のセルをそれぞれ構成する複数の基地局装置を少なくとも備えるセルラー移動無線通信システムにおける周辺セル情報の自律生成方法であって;
    第1の基地局装置のセルに在圏する移動体端末は、
    複数の他の第2の基地局装置からシグナリングチャネルを通して無線信号を受信して変調コードを検出し;
    検出した前記変調コードの一覧情報を前記第1の基地局装置に通知し;
    前記移動体端末から前記変調コードの一覧情報を通知された前記第1の基地局装置は、
    前記変調コードの一覧情報を前記第2の基地局装置の識別情報に変換し、局データとしての周辺セル情報を生成する;
    周辺セル情報の自律生成方法。
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