JP2008236477A - 通信遅延時間推定方法、通信遅延時間推定プログラム、車載通信器 - Google Patents

通信遅延時間推定方法、通信遅延時間推定プログラム、車載通信器 Download PDF

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Abstract

【課題】CSMA方式を用いた通信において、通信遅延時間を推定する方法を得る。
【解決手段】CSMA方式における通信遅延時間を推定する方法であって、受信したパケットのパケット受信時刻、パケット長の時間換算値、及びシーケンス番号の履歴を格納する記憶手段を設け、記憶手段に格納された履歴に基づき所定の演算式により通信遅延時間を推定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、CSMA方式を用いた通信において、送信側でパケットを発信してから受信側でパケットを受信するまでに生ずる遅延時間を推定する方法、そのプログラム、及び車載通信器に関するものである。
従来、車載通信器を用いたアプリケーションの1つとして、複数の車両が自車位置や速度等の情報を一定間隔で相互に交換することにより衝突事故を回避する、安全支援アプリケーションがある。また、車載通信器に適用される代表的なアクセス制御方式として、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式がある。
CSMA方式は、キャリアセンスによってチャネルの空き状況を確認し、チャネルがアイドル(空き状態)ならパケットを送信し、チャネルがビジー(利用中)なら送信を一時見送った後、一定時間経過後に再度キャリアセンスを実行して送信を試みる、というものである。
また、『遅延変動を減少する送信装置及び関連方法を提供する。』ことを目的とした技術として、『センダーに対して許容確率を指定し、データをセンダーからレシーバーに送信する前に、許容確率に基づいてセンダーによるデータ送信が許容されたか否かを判断するステップを含む。』というものが提案されている(特許文献1)。
特開2007−13908号公報(要約)
CSMA方式を用いる車載通信器は、車両間のパケット衝突を抑制するために、(1)車両制御情報等の情報が発生してからキャリアセンスを開始するまでの時間、(2)キャリアセンスによってチャネルの使用状況を確認する合計時間、等のアクセス制御を行う時間を、各車両でランダムに変更する。
また、チャネルの通信トラフィックが変化すると、キャリアセンスによってビジーと判断し、送信を一時見送る頻度も変動する。
それらの結果、従来のCSMA方式を用いた車載通信器では、送信車両側で情報が発生してから受信車両側で受信するまでの遅延時間が発生し、その遅延時間は送信の度に変化する。
CSMA方式を用いる車載通信器により上述の安全支援アプリケーションを実現している場合、遅延時間が大きいほど安全支援機能が低下し、ドライバーの危険も増すことになるので、あらかじめ遅延時間を推定し、推定遅延時間を加味した上で、種々の安全支援機能を提供することが望ましい。
そのため、CSMA方式を用いた通信において、通信遅延時間を推定する方法、そのプログラム、及び通信遅延時間を推定することのできる車載通信器が望まれていた。
本発明に係る通信遅延時間推定方法は、
CSMA方式における通信遅延時間を推定する方法であって、
受信したパケットのパケット受信時刻、パケット長の時間換算値、及びシーケンス番号の履歴を格納する記憶手段を設け、
前記記憶手段に格納された履歴に基づき所定の演算式により通信遅延時間を推定する
ことを特徴とするものである。
本発明に係る通信遅延時間推定方法によれば、効果的に通信遅延時間を推定することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る車載通信器の機能ブロック図である。図1において、キャリアセンス部8を境にして、上側がパケット送信部、下側がパケット受信部である。
パケット送信部は、自車両データ生成部1、自車両パケット送信情報バッファ2、自車両データ生成時刻検出部3、自車両ID生成部4、シーケンス番号生成部5、自車両パケット生成部6、パケット送信部7、送信アンテナ9を備える。
パケット受信部は、パケット受信部10、受信アンテナ11、他車両パケット分解部12、パケット受信時刻検出部13、他車両パケット受信情報バッファ14、他車両データ保存部15、遅延時間推定部16、パラメータ保存部17を備える。
これらの機能の詳細は、図2以降で説明する。
送信アンテナ9と受信アンテナ11は、CSMA方式により車両間の通信を行うためのアンテナである。
他車両データ保存部15、パラメータ保存部17は、NVRAMやFlashROM等の記憶装置により構成することができる。
その他の各機能部は、これらの機能を実現する回路デバイス等のハードウェアを用いて実現することもできるし、CPUやマイコン等の演算装置上で実行するソフトウェアとして実現することもできる。
なお、自車両パケット送信情報バッファ2、他車両パケット受信情報バッファ14に関しては、必要に応じてRAM(Random Access Memory)等の一時記憶装置にデータを格納し、又はこれら自身が一時記憶装置を備えることとする。
ここで、本発明に係る遅延時間の推定方法の説明に際し、車載通信器のパケット送受信フローを説明しておくことが、遅延時間推定方法の理解に資するため、まずパケット送受信の動作フローを説明する。
図2は、本実施の形態1に係る車載通信器のパケット送信フローを説明するものである。以下、各ステップについて説明する。
(1)自車両データ生成部1は、一定周期毎に自車両データ201を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。また、自車両データ201が生成された時点で、自車両データ生成タイミング信号202を自車両データ生成時刻検出部3へ出力する。
(2)自車両ID生成部4は、自車両ID203を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。
(3)シーケンス番号生成部5は、各自車両データ201毎に異なるシーケンス番号204を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。
(4)自車両データ生成時刻検出部3は、自車両データ生成タイミング信号202を受け取ると、受信時刻を基にして自車両データ生成時刻情報205を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。
(5)自車両パケット送信情報バッファ2は、上記各ステップで受け取った自車両ID203、自車両シーケンス番号204、自車両データ201、及び自車両データ生成時刻情報205を一時的に格納する。
それ以前に格納していた各データの送信が完了すると、自車両ID203、自車両シーケンス番号204、及び自車両データ201を自車両パケット生成部6へ出力する。また、自車両データ生成時刻情報205をパケット送信部7へ出力する。
(6)自車両パケット生成部6は、受け取った自車両ID203、自車両シーケンス番号204、及び自車両データ201から、送信パケット210を生成し、送信パケット210のサイズ(若しくはその時間換算値)に関する送信パケット長情報211とともに、パケット送信部7へ出力する。
(7)パケット送信部7は、送信パケット210を受け取り、キャリアセンス部8から送信指示があるまで待機する。
キャリアセンス部8から送信指示(パケット送信開始信号212)を受け取ると、送信パケット210に変調処理等を施し、送信パケット213を生成し、送信アンテナ9を介して他車両へ送信する。
なお、パケット送信部7は、自車両データ生成時刻から(自車両データ生成周期)−(送信パケット長の時間換算値)以上経過してもパケット送信開始信号212を受信しなかった場合は、送信パケット210の送信を見送り、次の送信パケット210の送信を試みる。
図3は、本実施の形態1に係る車載通信器のパケット受信フローを説明するものである。以下、各ステップについて説明する。
(1)パケット受信部10は、他車両が送信した受信パケット314を、受信アンテナ11を介して受信し、復調処理等を施して受信パケット315を生成し、他車両パケット分解部12へ出力する。また、受信パケット314を受信した時点で、パケット受信タイミング信号316をパケット受信時刻検出部13へ出力する。
(2)パケット受信部10は、常に受信電力レベルを監視し、チャネルの空き状況に関するチャネル状況情報317を生成し、キャリアセンス部8へ出力する。
(3)キャリアセンス部8は、受け取ったチャネル状況情報317を基にアクセス制御を行い、パケットを送信開始するタイミングと判定すると、パケット送信開始信号212をパケット送信部7へ出力する。以後のパケット送信動作は、図2のステップ(7)以降で説明したものである。
(4)他車両パケット分解部12は、受信した受信パケット315から、他車両ID318、他車両シーケンス番号319、及び他車両データ320を生成し、他車両パケット受信情報バッファ14へ出力する。また、受信パケット315のサイズ(若しくはその時間換算値)に関する他車両パケット長情報321を生成し、他車両パケット受信情報バッファ14へ出力する。
(5)パケット受信時刻検出部13は、パケット受信タイミング信号316を受け取ると、受信時刻を基にしてパケット受信時刻情報322を生成し、他車両パケット受信情報バッファ14へ出力する。
(6)他車両パケット受信情報バッファ14は、受信した他車両ID318、他車両シーケンス番号319、他車両データ320、他車両パケット長情報321、及びパケット受信時刻情報322を、各他車両毎に最大N_BUF組格納しておく。
(7)他車両パケット受信情報バッファ14は、他車両ID318、他車両データ320を他車両データ保存部15へ出力する。
また、他車両シーケンス番号319、他車両パケット長情報321、パケット受信時刻情報322を、遅延時間推定部16へ出力する。
(8)遅延時間推定部16は、受信した他車両シーケンス番号319、他車両パケット長情報321、パケット受信時刻情報322と、パラメータ保存部17が格納しているデータ生成周期情報328及び最小パケット送信時間情報329に基づき、送信元車両が送信データを生成してから自車両が受信パケット14を受信し終えるまでに要した遅延時間を推定し、遅延時間情報330として他車両データ保存部15へ出力する。
パラメータ保存部17は、全車両で共通の、データ生成周期情報328及び最小パケット送信時間情報329を格納している。
データ生成周期情報328は、自車両データ201の生成周期を表すものであり、車載通信器を用いる上位システム、例えば安全支援アプリケーションの仕様に応じて設定される。
最小パケット送信時間情報329は、自車両データ201が生成されてから送信パケットとして送信されるまでに要する時間の最小値を表すものであり、CSMA方式におけるキャリアセンスの最小時間等から決定される。
他車両データ保存部15は、受信した他車両ID318、他車両データ320、遅延時間情報330を格納し、自車両の上位システム(例えば安全支援アプリケーション)へこれらのデータを出力する。
次に、遅延時間推定部16が遅延時間情報330を導出する方法を説明する。
図4は、遅延時間情報330の導出方法を説明するための符号を説明するものである。以下の(1)〜(4)のように各符号を設定する。なお、1≦j≦iとする。
(1)t(j):パケットjの送信データ生成時刻
(2)T(j):パケットjの受信(開始)時刻
(3)s(j):パケットjのシーケンス番号(s(i)=nとする)
(4)a:自車両データ生成周期
なお、他車両から送信されたパケットは、パケット衝突、送信見送り等のデータリンクレベルでのエラーやマルチパスの影響によるビットエラー等の物理レベルでのエラーが原因で、全てが受信できるとは限らない。
したがって、s(1)〜s(i)は、1ずつ増加するとは限らない。
図5は、パケット受信(開始)時刻の最小値の制約について説明する図である。
送信側で最初の自車両データが生成された時刻をt(1)とし、最小パケット送信時間情報329=Dとすると、当該自車両データの送信開始は、t(1)+D以降となる。
したがって、パケットが受信側に瞬時に到達したとしても、その受信時刻T(1)も同様にt(1)+D以降となる。
なお、時刻T(1)以降、受信側では受信パケット314の受信処理に入る。受信処理は、受信パケット314のパケット長の時間換算値L(1)だけ実行されることとなる。
図6は、パケット受信(開始)時刻の最大値の制約について説明する図である。
図5で説明したように、受信パケット314の受信処理には、受信パケット314のパケット長の時間換算値L(1)が必要である。したがって、この時間を勘案し、パケット受信中に次のパケットの送信が開始されてしまうことのないよう、余裕をもって受信パケット314の受信が開始されなければならない。
以上の図5〜図6の説明を勘案すると、パケットjの受信(開始)時刻T(j)について、次式(9)の制約条件が成立することが分かる。
t(j)+D≦T(j)≦t(j)+a−L(j) ・・・(9)
また、上記式(9)を変形すると、次式(10)が得られる。
T(j)−a+L(j)≦t(j)≦T(j)−D ・・・(10)
図7は、最終パケットiとパケットjの間のパケット数を説明するものである。
最終パケットiとパケットjの間のパケット数は、それぞれのシーケンス番号の差分より求めることができる。また、時間間隔はシーケンス番号の差分にaを乗算すればよい。
したがって、次式(11)が成立する。
t(j)=t(i)−(s(i)−s(j))a ・・・(11)
式(11)を式(10)に代入すると、次式(12)が得られる。
Figure 2008236477
1≦j≦iの全てのjで式(12)が成立するので、次式(13)が成立する。
Figure 2008236477
遅延時間の推定値dt(i)は、式(13)により、以下の(1)〜(2)のいずれかを用いて得ることができる。
(1)式(13)の左辺を用いる方法
Figure 2008236477
とし、次式(15)により遅延時間の推定値dt(i)を求める。
Figure 2008236477
(2)式(13)の右辺を用いる方法
Figure 2008236477
とし、次式(17)により遅延時間の推定値dt(i)を求める。
Figure 2008236477
図8は、本実施の形態1に係る車載通信器のパケット送信フローである。以下、各ステップについて説明する。なお、キャリアセンス部8の動作については省略する。
(S801)
自車両データ生成部1は、一定周期毎に自車両データ201を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。また、自車両データ201が生成された時点で、自車両データ生成タイミング信号202を自車両データ生成時刻検出部3へ出力する。
(S802)
自車両ID生成部4は、自車両ID203を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。また、シーケンス番号生成部5は、各自車両データ201毎に異なるシーケンス番号204を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。
(S803)
自車両データ生成時刻検出部3は、自車両データ生成タイミング信号202を受け取ると、受信時刻を基にして自車両データ生成時刻情報205を生成し、自車両パケット送信情報バッファ2へ出力する。
自車両パケット送信情報バッファ2は、上記ステップS801〜S803で受け取った自車両ID203、自車両シーケンス番号204、自車両データ201、及び自車両データ生成時刻情報205を一時的に格納する。
(S804)
自車両パケット送信情報バッファ2は、それ以前に格納していた各データの送信が完了していない場合は、完了まで待機する。
それ以前に格納していた各データの送信が完了すると、自車両ID203、自車両シーケンス番号204、及び自車両データ201を自車両パケット生成部6へ出力する。また、自車両データ生成時刻情報205をパケット送信部7へ出力する。
(S805)
自車両パケット生成部6は、受け取った自車両ID203、自車両シーケンス番号204、及び自車両データ201から、送信パケット210を生成し、送信パケット210のサイズ(若しくはその時間換算値)に関する送信パケット長情報211とともに、パケット送信部7へ出力する。
(S806)
パケット送信部7は、送信パケット210を受け取り、キャリアセンス部8から送信指示(パケット送信開始信号212)を受け取るまで待機する。
自車両データ生成時刻から(自車両データ生成周期)−(送信パケット長の時間換算値)以上経過してもパケット送信開始信号212を受信しなかった場合は、ステップS807へ進む。受信した場合は、ステップS808へ進む。
(S807)
パケット送信部7は、送信パケット210の送信を見送り、次の送信パケット210の送信を試みる。
(S808)
パケット送信部7は、チャネルがアイドルであるか否かを確認する。アイドルであればステップS809へ進み、アイドルでなければステップS806へ戻って待機する。
(S809)
パケット送信部7は、送信パケット210に変調処理等を施し、送信パケット213を生成し、送信アンテナ9を介して他車両へ送信する。
図9は、本実施の形態1に係る車載通信器のパケット受信フローである。以下、各ステップについて説明する。なお、キャリアセンス部8の動作については省略する。
(S901)
パケット受信部10は、他車両が送信した受信パケット314を、受信アンテナ11を介して受信し、復調処理等を施して受信パケット315を生成し、他車両パケット分解部12へ出力する。また、受信パケット314を受信した時点で、パケット受信タイミング信号316をパケット受信時刻検出部13へ出力する。
(S902)
他車両パケット分解部12は、受信した受信パケット315から、他車両ID318、他車両シーケンス番号319、及び他車両データ320を生成し、他車両パケット受信情報バッファ14へ出力する。また、受信パケット315のサイズ(若しくはその時間換算値)に関する他車両パケット長情報321を生成し、他車両パケット受信情報バッファ14へ出力する。
パケット受信時刻検出部13は、パケット受信タイミング信号316を受け取ると、受信時刻を基にしてパケット受信時刻情報322を生成し、他車両パケット受信情報バッファ14へ出力する。
(S903)
他車両パケット受信情報バッファ14は、受信した他車両ID318、他車両シーケンス番号319、他車両データ320、他車両パケット長情報321、及びパケット受信時刻情報322を、各他車両毎に最大N_BUF組格納しておく。
(S904)
他車両パケット受信情報バッファ14は、他車両ID318、他車両データ320を他車両データ保存部15へ出力する。
(S905)
他車両パケット受信情報バッファ14は、他車両シーケンス番号319、他車両パケット長情報321、パケット受信時刻情報322を、遅延時間推定部16へ出力する。
(S906)
遅延時間推定部16は、受信した他車両シーケンス番号319、他車両パケット長情報321、パケット受信時刻情報322と、パラメータ保存部17が格納しているデータ生成周期情報328及び最小パケット送信時間情報329に基づき、送信元車両が送信データを生成してから自車両が受信パケット14を受信し終えるまでに要した遅延時間を推定し、遅延時間情報330として他車両データ保存部15へ出力する。
(S907)
他車両データ保存部15は、受信した他車両ID318、他車両データ320、遅延時間情報330を格納し、自車両の上位システム(例えば安全支援アプリケーション)へこれらのデータを出力する。
以上のように、本実施の形態1によれば、CSMA方式を用いて通信する際の通信遅延時間を効果的に推定することができるので、その推定結果を上位システム(例えば安全支援アプリケーション)等に通知することにより、上位システム等の品質も向上する。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、実施の形態1の式(15)(17)とは異なる推定式について説明する。
実施の形態1で説明した式(14)と(16)の平均値を取り、
Figure 2008236477
とする。次式(19)により遅延時間の推定値dt(i)を求めることができる。
Figure 2008236477
実施の形態3.
本発明の実施の形態3では、実施の形態1の式(15)(17)、及び実施の形態2の式(19)とは異なる推定式について説明する。
実施の形態1で説明した式(14)と(16)を合算し、
Figure 2008236477
とする。上記式(20)のHと整数mを用いて、次式(21)により重み付けをして、遅延時間の推定値dt(i)を求めることができる。
Figure 2008236477
以上の実施の形態1〜3において、パケット受信時刻T(j)をパケット受信開始時刻と定義したが、受信完了時刻と定義した場合についても、同様の手法により遅延時間の推定が可能である。
また、自車両データ生成時刻検出部3は、自車両データ生成タイミング信号202を受け取って生成時刻を検出することとしたが、自車両データ201を直接受け取って検出してもよい。
また、パケット受信時刻検出部13は、パケット受信タイミング信号316を受け取って受信時刻を検出することとしたが、受信パケット314を直接受け取って検出してもよい。
図10は、上記の実施の形態3で説明した遅延時間推定方法による推定結果特性を示すものである。縦軸は「(推定した遅延時間)−(実際の遅延時間)」、横軸は「パケット受信数」を表す。
なお、各データは以下のように設定した。
(1)自車両データ生成周期a:100msec
(2)パケット長の時間換算値(全車両共通):0.2msec
(3)最小パケット送信開始時間D:0.025msec
(4)N_BUF=100
(5)パケットエラー率=0
(6)m=2
図10に示すように、少ないパケット受信数で十分に高い精度で遅延時間を推定できていることが分かる。
実施の形態1に係る車載通信器の機能ブロック図である。 実施の形態1に係る車載通信器のパケット送信フローを説明である。 実施の形態1に係る車載通信器のパケット受信フローを説明である。 遅延時間情報330の導出方法を説明するための符号説明である。 パケット受信(開始)時刻の最小値の制約について説明する図である。 パケット受信(開始)時刻の最大値の制約について説明する図である。 最終パケットiとパケットjの間のパケット数を説明するものである。 実施の形態1に係る車載通信器のパケット送信フローである。 実施の形態1に係る車載通信器のパケット受信フローである。 実施の形態3で説明した遅延時間推定方法による推定結果特性を示すものである。
符号の説明
1 自車両データ生成部、2 自車両パケット送信情報バッファ、3 自車両データ生成時刻検出部、4 自車両ID生成部、5 シーケンス番号生成部、6 自車両パケット生成部、7 パケット送信部、8 キャリアセンス部、9 送信アンテナ、10 パケット受信部、11 受信アンテナ、12 他車両パケット分解部、13 パケット受信時刻検出部、14 他車両パケット受信情報バッファ、15 他車両データ保存部、16 遅延時間推定部、17 パラメータ保存部、201 自車両データ、202 自車両データ生成タイミング信号、203 自車両ID、204 自車両シーケンス番号、205 自車両データ生成時刻情報、210 送信パケット、211 送信パケット長情報、212 パケット送信開始信号、213 送信パケット、314 受信パケット、315 受信パケット、316 パケット受信タイミング信号、318 他車両ID、319 他車両シーケンス番号、320 他車両データ、321 他車両パケット長情報、322 パケット受信時刻情報、328 データ生成周期情報、329 最小パケット送信時間情報、330 遅延時間情報。

Claims (11)

  1. CSMA方式における通信遅延時間を推定する方法であって、
    受信したパケットのパケット受信時刻、パケット長の時間換算値、及びシーケンス番号の履歴を格納する記憶手段を設け、
    前記記憶手段に格納された履歴に基づき所定の演算式により通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする通信遅延時間推定方法。
  2. 次式(1)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信遅延時間推定方法。
    Figure 2008236477
  3. 次式(2)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信遅延時間推定方法。
    Figure 2008236477
  4. 次式(3)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信遅延時間推定方法。
    Figure 2008236477
  5. 次式(4)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信遅延時間推定方法。
    Figure 2008236477
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の通信遅延時間推定方法をコンピュータに実行させることを特徴とする通信遅延時間推定プログラム。
  7. CSMA方式を用いて車両間で通信を行う通信手段と、
    前記通信手段が受信したパケットのパケット受信時刻、パケット長の時間換算値、及びシーケンス番号の履歴を格納する記憶手段と、
    前記記憶手段に格納された履歴に基づき所定の演算式により通信遅延時間を推定する通信遅延時間推定手段と、
    を備えたことを特徴とする車載通信器。
  8. 前記通信遅延時間推定手段は、
    次式(5)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車載通信器。
    Figure 2008236477
  9. 前記通信遅延時間推定手段は、
    次式(6)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車載通信器。
    Figure 2008236477
  10. 前記通信遅延時間推定手段は、
    次式(7)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車載通信器。
    Figure 2008236477
  11. 前記通信遅延時間推定手段は、
    次式(8)を用いて通信遅延時間を推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車載通信器。
    Figure 2008236477
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