JP2008235232A - オーディオ用巻き回し導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オーディオ再生時における音質改善を目的とした、オーディオ用巻き回し導体を提供する。
【解決手段】 オーディオ用ケーブルに直列に接続して使用するオーディオ用巻き回し導体10であって、絶縁フィルム14aを層間に介在させて厚さ15μm以下の金属箔15aを絶縁フィルム14aの両端に露出する幅をもって多数回巻き回して形成された導体部を備える本体16と、該本体16の金属箔14aが露出している両端面に前記金属箔14aと電気的に接続して引き出し線17a、17bが接合されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はオーディオ用巻き回し導体に関し、より詳細には、オーディオ用ケーブルに接続して使用することによってオーディオの再生音質を改善することができるオーディオ用巻き回し導体に関する。
オーディオ装置では、各オーディオ機器の筐体内には配線ケーブルが、また機器を接続して音を再生するために各種の接続ケーブルが使用されているが、これらのケーブルの特性が再生音質に影響を与えることから、音質の劣化を防止するために種々のケーブルが提供されてきた。オーディオ用ケーブルとして従来提供されている製品は、1本の電線で信号を伝達する方式である単芯線によるもの、単芯線の欠点を補うために裸の細い線を多数本用いる方式である裸多芯線によるもの、裸の線のかわりに絶縁された線を使用するリッツ線によるものに大別でき、これらの方式を複合して利用するケーブルも使用されている。
上述したオーディオ用ケーブルのうち、単芯線によるものは、総断面積がこれと等しい多芯線と比較すると表面積が小さく、表皮効果(交流電流の周波数が高くなるにしたがって電流が導体表面をながれ、かつ位相が変化する作用)の影響が大きくなり、各周波数での信号の伝達状態が相違すること、太線に形成した場合には柔軟性に欠け、実用的でないという問題がある。
また、裸多芯線の場合には、表皮効果の影響は小さくなるものの、ストランドジャンプ現象によって線間を信号が飛び交ういわゆる迷走電流が発生し、信号に乱れが生じる問題がある。また、リッツ線による場合は、絶縁線を使用するため迷走電流の発生はなくなるが、線間に近接効果(近接した導体が存在している場合に、それぞれの導体に流れる交流電流が磁界の発生によって変位し、その変位量が周波数に依存する作用)が作用するために表皮効果と同様に各周波数での信号の伝達状態が相違してしまう。さらに、オーディオ用ケーブルでは、信号電流が流れる際に機械的振動が多かれ少なかれ発生し、これも音質劣化の原因となる。
オーディオ用ケーブルにおいて再生音質が問題とされるのは、このようにケーブル内を伝搬する信号の伝達経路が一定せず、複雑な経路になるためと考えられ、さらに信号電流によるケーブルの機械的振動がオーディオ再生時に音のにじみが生じたり、音像定位が不安定になったりする原因になると考えられる。本発明はこれらの従来のオーディオ用ケーブルにおける課題を解決すべくなされたものであり、オーディオ再生時における音のにじみや音像定位の不安定さを解消して音質を改善することができるオーディオ用巻き回し導体を提供することを目的とする。
また、近年のパーソナルコンピューター等のデジタル機器の普及に伴い、オーディオ機器やそのケーブルに高周波ノイズが伝播し、オーディオ再生音質を阻害しているため、その対策も再生音質の向上に寄与する。
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。すなわち、オーディオ用ケーブルに直列に接続して使用するオーディオ用巻き回し導体であって、絶縁フィルムを層間に介在させて、厚さ15μm以下の金属箔を絶縁フィルムの両端に露出する幅をもって多数回巻き回して形成された導体部を備える本体と、該本体の両端面に前記金属箔と電気的に接続して引き出し線が接合されてなることを特徴とする。
なお、導体部を形成する金属箔の巻き数、長さは適宜選択可能である。
また、前記絶縁フィルムを層間に介在させて前記金属箔を多数回巻き回した後、一旦前記金属箔を切断し、前記絶縁フィルムのみで多数回巻き回して絶縁体のみの部分を形成、その後前記金属箔を再度前記絶縁フィルムを介在させて多数回巻き回し、同軸状に2つの導体部を形成、それぞれの導体部に引き出し線が接合されていることを特徴とする。
このように、巻き回し導体を同軸状に形成することにより、2線ケーブルへの接続が1つの本体で可能であり、さらに同軸ケーブルに接続して使用するオーディオ用巻き回し導体として提供することができる。
さらに、前記絶縁フィルムを2層とし、その層間に前記絶縁フィルムより幅の狭い厚さ15μm以下の金属箔を前記絶縁フィルムの幅方向に露出しないよう、また前記導体部と電気的に接触しないように、内周側の導体部から絶縁体のみの部分を経て外周側の導体部まで連続した巻き構造として、電気的フィルターを形成することを特徴とする。このように、電気的に絶縁された別の金属箔を本体内に形成することにより、前記導体部内ではキャパシタンス成分が、絶縁体部では巻き回しによりインダクタンス成分が発生し、LC直列共振回路が構成され、その共振周波数を適切に選択することにより、高周波成分を抑制することができる。
本発明に係るオーディオ用巻き回し導体によれば、厚さ15μm以下の金属箔を導体部として形成したことにより、導体部をオーディオ信号が伝播する際に生じる表皮効果および近接効果を抑えることができ、さらに絶縁フィルムを介して導体部が形成されているため、導体間を信号が飛び交うこともなく再生音質の改善を効果的に図ることができる。
また導体部は多数回の巻き回しにより断面積が非常に大きいため、単位部分の電流密度が小さく箔振動が少ないため、更なる音質改善効果が図れる。
さらに、本体内に形成したLC直列共振回路は、その定数を適宜選択することにより、高周波に共振周波数を設定することで、オーディオ音質に有害な高周波ノイズを抑制できる。
以下、本発明の好適な実施の形態を、添付図面にしたがって詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体の第1の実施の形態の構成を示す斜視図である。オーディオ用巻き回し導体10は、巻き芯13の周りに、層間に絶縁フィルム14aを挟んで金属箔15aを多数回巻き回して形成された本体16と、本体16の両端面に露出する金属箔15aにはんだ付け等によって接合された引き出し線17a,17bとから形成される。
図2は、巻き芯13の周りに絶縁フィルム14aを挟んで金属箔15aを巻き回した状態を断面図で示す。金属箔15aを絶縁フィルム14aを介在させて巻くことによって、金属箔15aが端面以外で電気的に接触しない。なお金属箔15aは絶縁フィルム14aよりも幅広のものを使用し、金属箔15aの両端面が絶縁フィルム14aの端縁よりも外方に露出するようにする。
本実施形態においては、金属箔15aとして、厚さ8μm、幅18mmの銅箔を使用した。表皮効果および近接効果を抑制するためには、金属箔15aはできるだけ薄いものが有効であるが、オーディオ信号の場合は周波数が200KHz付近までの信号に対して表皮効果、近接効果が抑制できればよい。このためには、金属箔15aの厚さは15μm程度よりも薄いものであれば問題はない。また、本実施形態では金属箔15aとして銅箔を使用したが、銅箔に限らず錫箔、アルミ箔等の金属箔を使用することができる。
金属箔15aの層間に介在させて使用する絶縁フィルム14aには各種絶縁材料が使用できるが、本実施形態では、厚さ12μm、幅15mmの延伸ポリプロピレンフィルムを使用した。絶縁フィルム14aは音質に影響を与える他の要因ともなるため、比誘電率および誘電損失が小さく、周波数特性の良い材料を選択する必要がある。また延伸フィルムを使用したのは、延伸フィルムの特徴として熱処理によってフィルムが収縮するため、本体を固く締め付ける効果があり、振動対策としても有効であるからである。
図3は、オーディオ用巻き回し導体を形成するために、丸棒状に形成した巻き芯13に金属箔15aと絶縁フィルム14aとを巻きつけている状態を示す。本実施形態では、2mm径のポリカーボネートの丸棒を巻芯13とし、この巻芯13に上述した絶縁フィルム14aを数回巻きつけた後、絶縁フィルム14aとともに金属箔15aを所定の巻き数巻き回した。金属箔15aは両端面が1.5mm程度、絶縁フィルム14aの端縁から露出するようにして巻き回す。本実施形態においては、金属箔15aの巻き数を100回とした。これは金属箔15aの巻き方向の長さで約1.35mであり、導体部の断面積としては3.7mmφの単線径に相当するものとなる。金属箔15aを所定の巻き数巻き付けたところで、金属箔15aを切断しさらに絶縁フィルム14aのみを数回巻き回して絶縁フィルム14aの端部を熱溶着等で接着する。
最後に、本体16から外方に延出している巻芯13の延出部分を切断除去し、本体16の両端面に露出している金属箔15aの端縁部を叩いて平坦面状に潰し処理を施した後、本体16の両端金属面に各々引き出し線17a、17bをはんだ付けしてオーディオ用巻き回し導体10を形成した。
本体16の両端面に露出している金属箔15aの端縁部分を潰し処理するのは、導体内に均一に電流が流れるようにするためである。図2は、金属箔15aの端縁部分を潰し処理する前の状態を示している。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体の第2の実施の形態の構成を示す斜視図である。第1の実施の形態におけるオーディオ用巻き回し導体10は巻芯13の周りに絶縁フィルム14aを介して金属箔15aを所定の巻き数だけ巻き回したのに対して、本実施形態のオーディオ用巻き回し導体11は、層間に絶縁フィルム14aを介して金属箔15aを巻き回すことによって形成する2つの巻き回し導体18a、18bを中間に絶縁フィルム14aのみを巻き回した絶縁体部19aを設けて、同心状に配置したことを特徴とする。
図5に、オーディオ用巻き回し導体11の本体20の断面図を示す。巻芯13の外周に巻き回し導体18aが形成され、巻き回し導体18aの外周に絶縁体部19aが設けられ、絶縁体部19aの外周にさらに巻き回し導体18bが形成されている。図6は、巻芯13に絶縁フィルム14aとともに金属箔15aを巻き回してオーディオ用巻き回し導体11を形成している状態を示す。図6では、巻芯13に巻き回し導体18aを形成した後、巻き回し導体18aの外周に絶縁フィルム14aのみを巻き回して所定の厚さの絶縁体部19aを形成している状態を示す。
絶縁フィルム14aを所定の厚さに巻き回した後、絶縁フィルム14aとともに金属箔15aを巻き回すことによって外周側の巻き回し導体18bが形成される。
なお、本実施形態においては、第1の実施の形態におけると同様に、金属箔15aとして厚さ8μm、幅18mmの銅箔を使用し、絶縁フィルム14aとして厚さ12μm、幅15mmの延伸ポリプロピレンフィルムを使用した。導体部18aおよび18bの金属箔15aの長さは、それぞれ1mの長さに設定した。この場合、導体部18aおよび18bの断面積は3.2mmφの単芯線に相当するものとなる。
また、絶縁体部19aはその厚みが2mmとなるように設定した。絶縁体部19aは、同軸に配置される内周側の導体部18aと外周部18bとの間で層間容量として作用するため、厚いことが好ましい。
本実施形態のオーディオ用巻き回し導体11を作製する場合も、本体20から外方に延出している巻芯13の延出部分を切断除去し、本体20の両端面に露出している金属箔15aの端縁部を叩いて平坦面状に潰し処理を施した後、本体20の導体部18aおよび18bの両端金属面に各々引き出し線21a、21b、22a、22bをはんだ付け等によって接合する。
こうして、図4に示した,2つの巻き回し導体18a、18bが絶縁体部19aによって電気的に絶縁されて同軸に形成されたオーディオ用巻き回し導体11が得られる。
なお、図4では引き出し端子として通常の線を使用した場合を示したが、微小信号を処理する場合は、一般に同軸線が使用される。この場合は同軸線の芯線を巻き回し導体18aに、同軸線の外被線(シールド側)を18bに接続することで目的が達成される。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体の第3の実施の形態の構成を示す斜視図である。図7は第2の実施の形態の構成を示す図4の斜視図と同様であるが、本体23の内部に新しく金属箔15bが包含されていることを特徴とする。
図8に、オーディオ用巻き回し導体12の本体23の断面図を示す。これは、第2の実施の形態と同様に金属箔15aと絶縁フィルム14をもって、巻き回し導体部18a,18bおよび絶縁体部19aを構成するものであるが、この時絶縁フィルム14は14aおよび14bの2層とし、その層間に絶縁フィルム14aおよび14bより幅の狭い厚さ15μm以下の金属箔15bを、絶縁フィルム14aおよび14bの幅方向に露出しないように、また金属箔15aと電気的に接触しないようにして、内周側の導体部18cから絶縁体部19bを経て外周側の導体部18dまで連続して巻き回し、本体23を形成するものである。
図9は、巻芯13に巻きつけてから、内周側の導体部18cから絶縁体部19bまで巻き回す状態を示す。
図9は、絶縁体部19bを経て外周側の導体部18dに巻き回す状態を示す。
このように、電気的に金属箔15aから絶縁フィルム14aおよび14bによって絶縁された別の金属箔15bを本体23の内部に形成することにより、導体部18cおよび18dでは、金属箔15aと15bが相対し、キャパシタンスが発生する。また、絶縁体部19bでは、金属箔15bがコイル状に巻き回されるため、インダクタンスが発生し、結果としてLCの直列共振回路が巻き回し導体内に形成される。
導体部18cおよび導体部18dで発生するキャパシタンスは、金属箔15bの幅、絶縁体フィルム14a、14bの厚さおよび導体部1caへの金属箔15bの挿入開始位置、導体部18dでの金属箔15bの巻き付け終了位置によって、適宜にその静電容量値を決定することが可能である。
また、絶縁体部19bで発生するインダクタンスは絶縁フィルム14a、14bの絶縁体部19bでの巻き数により、適宜にその値を決定することができ、結果として、LC直列共振回路の共振周波数を決定することができる。
本実施形態においては、第2の実施の形態におけるのと同様に、金属箔15aとして厚さ8μm5幅18mmの銅箔を使用し、絶縁フィルム14a、14bとしてそれぞれ厚さ12μm、幅15mmの延伸ポリプロピレンフィルムを使用した。さらに金属箔15bは厚さ8μm、幅9mmの銅箔を使用し、これらを巻芯13に巻き回した。
なお、内周側導体部18cは30回転巻き回し、絶縁体部19bは70回転、外周側導体部18dは16回転巻き回した。
上記巻き回し条件によって形成された本体12は、略5,000pFの静電容量と、略30μHのインダクタンスをもつLC直列共振回路を内蔵した。
計算では、この回路は約410KHzの共振周波数を有することとなり、本実施形態の本体12は、410KHzの周波数に向かってインピーダンスが低下することとなり、高周波成分の抑制に寄与する。
具体的実施例
本発明品を具体的に実施する場合、以下の条件により実施される。
1、 本発明品の機械的強度を保持するため、本発明品はプラスチックや金属等のケースに封入、あるいは樹脂等でコーティングされる。
2、 本発明品が使用される回路の電流量によって、巻き回し導体部18a、18b、18c、18dの巻き回し量は調整される。
3、 本発明品の第2および第3の実施の形態においては、本発明品が使用される回路の電圧により、絶縁体部19a、19bの厚さは調整される。
4、 本発明品を対象機器に接続するため、用途にあわせて引き出し線17a、17b、21a、21b、22a、22bの形状を決定する。形状は単線、縒り線、リボン腺、また裸線、被覆線、同軸線等さらにターミナル形状の端子であっても、巻き回し導体部18a、18b、18c、18dに電気的に接合が可能であればよい。また長さにもとらわれない。
(具体的実施例その1)
本発明の具体的実施例その1としては、第1の実施の形態の巻き回し導10を、長さ2mのスピーカーケーブルのプラス側の線に接続し、巻き回し導体10がスピーカー側に結線されるように、オーディオアンプとスピーカー間に配線した。
(具体的実施例その2)
本発明の具体的実施例その2としては、第2の実施の形態の巻き回し導体11を、長さ2mのスピーカーケーブルのプラス側に内周側の巻き回し導体部18aを、マイナス側に外周側の巻き回し導体18bを接続し、巻き回し導体11がスピーカー側に結線されるように、オーディオアンプとスピーカー間に配線した。
(具体的実施例その3)
本発明の具体的実施例その3としては、第3の実施の形態の巻き回し導体12を用いて、具体的実施例その2と同様の配線をおこなった。
(具体的実施例その4)
本発明の具体的実施例その4としては、第2の実施の形態の巻き回し導体の本体20に[0023]項にて記述した方法で、片側に1m、他方に10cmの同軸線を接合し、それぞれの同軸線の端部にRCAプラグを装着、10cmの同軸線側がアンプ側になるように、CDプレーヤーとアンプ間に配線した。
(具体的実施例その5)
本発明の具体的実施例その5としては、第3の実施の形態の巻き回し導体の本体23を用いて、具体的実施例その4と同様の配線をおこなった。
評価試験
上記具体的実施例その1の本発明品を試験試料1、実施例その2の本発明品を試験試料2、実施例その3の本発明品を試験試料3、実施例その4の本発明品を試験試料4、実施例その5の本発明品を試験試料5として評価試験をおこなった。なお、比較用として試験試料1,2,3に用いたスピーカーケーブルを2mの長さで用意し、比較用資料1とした。また試験試料4,5に用いた同軸線と同一のものを1.1m用意し、両端にRCAプラグを装着して比較用資料2とした。
上記の試験試料および比較用資料を用いて、再生される音質の評価をおこなった。
なお、ケーブルも含めてオーディオ機器の性能を評価する方法として、歪率や周波数特性を測定することは可能であるが、再生音質の差異を定性的、定量的に測定する方法がないため、人の耳によって聴感上の特徴を把握して評価するのが一般的である。そこで、本発明品の評価試験では、オーディオに造詣の深いA、B、Cの3氏に、それぞれ保有のオーディオ機器を使用しての評価試験を依頼した。
Figure 2008235232
表1がA、B、C3氏の評価試験結果を示す。いずれの評価結果も、試験試料に顕著な音質の改善がみられている。これらの評価試験結果は、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体10、11、12が、オーディオ装置の音質改善にきわめて有効に寄与することを示すものと考えられる。
上述した本発明に係るオーディオ用巻き回し導体10、11、12において特徴的な構成は、層間に絶縁フィルム14aを挟んで金属箔15aを多数回巻き回して形成した本体16、20、23の構成にある。従来のオーディオ用ケーブルでは、ケーブルを信号が伝播する際に発生する表皮効果や近接効果によって、伝達経路が周波数によって相違することが音質劣化の原因になっていたと考えられるのである。表皮効果および近接効果は、導体に厚さや深さがあるために生じるもので、当然導体の厚さをできるだけ薄くすることによって抑制することが可能である。本発明に係るオーディオ用巻き回し導体10、11、12においては、本体16、20、23を構成する導体として厚さ15μm以下の金属箔15aを使用することにより、表皮効果および近接効果を抑制し、信号の伝達経路を周波数にかかわらず同一とすることが可能となる。
ただし、単に薄い導体を使用するだけでは導体の断面積を大きくすることができず、許容電流が制限されるが、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体では、金属箔15aを多数回巻き回すことによって、導体の断面積を十分に確保することが可能となっている。
なお、金属箔15aを単に巻き回しただけでは、互いに接触して単芯線と実質的に変わらなくなり、金属箔15aの層間に迷走電流が発生してしまうが、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体では、層間に絶縁フィルム14aを挟んで金属箔15aを巻き回すことで、解決している。
さらに、本発明に係るオーディオ用巻き回し導体の第3の実施の形態に記述したように、本体23の内部に別の金属箔15bを金属箔15aから絶縁された状態で包含することで、LC直列共振回路を形成することにより、オーディオ再生音質に有害な高周波を本体23に流し、次段の回路に伝播する高周波成分を抑制することが可能で、再生音質の向上に寄与することとなる。
オーディオ用巻き回し導体の第1の実施の形態の構成を示す斜視図である。 図1に示すオーディオ用巻き回し導体の本体の断面図である。 図1に示すオーディオ用巻き回し導体を作製する方法を示す説明図である。 オーディオ用巻き回し導体の第2の実施の形態の構成を示す斜視図である。 図4に示すオーディオ用巻き回し導体の本体の断面図である。 図4に示すオーディオ用巻き回し導体を作製する方法を示す説明図である。 オーディオ用巻き回し導体の第3の実施の形態の構成を示す斜視図である。 図7に示すオーディオ用巻き回し導体の本体の断面図である。 図7に示すオーディオ用巻き回し導体を作製する方法を示す説明図である。 図7に示すオーディオ用巻き回し導体を作製する方法を示す説明図である。
符号の説明
10,11,12 オーディオ用巻き回し導体
13 巻芯
14a、14b 絶縁フィルム
15a、15b 金属箔
16、20、23 本体
17a、17b、21a、21b、22a、22b 引き出し線
18a、18b、18c、18d 巻き回し導体部
19a、19b 絶縁体部

Claims (3)

  1. オーディオ用ケーブルに直列に接続して使用するオーディオ用巻き回し導体であって、絶縁フィルムを層間に介在させて、厚さ15μm以下の金属箔を絶縁フィルムの両端に露出する幅をもって多数回巻き回して形成された導体部を備える本体と、該本体の両端面に前記金属箔と電気的に接続して引き出し線が接合されてなることを特徴とするオーディオ用巻き回し導体。
  2. 前記絶縁フィルムを層間に介在させて前記金属箔を多数回巻き回した後、一旦前記金属箔を切断し、前記絶縁フィルムのみでさらに多数回巻き回し絶縁体のみの部分を形成、その後前記金属箔を、再度前記絶縁フィルムを介在させて多数回巻き回して、同軸状に2つの導体部を形成、それぞれの導体部の両端面に引き出し線が接合されてなることを特徴とする請求項1記載のオーディオ用巻き回し導体。
  3. 同軸状に2つの前記導体部を形成する構造において、前記絶縁フィルムを2層とし、その層間に前記絶縁フィルムより幅の狭い厚さ15μm以下の金属箔を前記絶縁フィルムの幅方向に露出しないよう、また前記導体部と電気的に接触しないように、内周側の導体部から絶縁体のみの部分を経て外周側の導体部まで連続した金属箔部を有する巻き構造として、本体内に電気的フィルター回路を形成することを特徴とする請求項2記載のオーディオ用巻き回し導体。
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