JP2008232010A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造でベーンロータおよびハウジングの磨耗を低減し、ベーンロータの円滑な回転が図られるバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】ベーンロータ14とプーリ16との間には、進角油路60に連通する第一油溜室70が形成されている。また、ブッシュ20が設けられたベーンロータ14とキャップシール24が設けられたハウジング部材15との間には、第二油溜室80が形成されている。これにより、作動油の流入にともなってキャップシール24側の第二油溜室80の圧力が高くなり、ベーンロータ14がプーリ16側へ押し付けられても、進角作動時に第一油溜室70へ流入する作動油はベーンロータ14を第二油溜室80側へ押し返す。その結果、ベーンロータ14とプーリ16との間には所定のクリアランスが確保され、ベーンロータ14およびプーリ16の磨耗が低減される。
【選択図】図1
【解決手段】ベーンロータ14とプーリ16との間には、進角油路60に連通する第一油溜室70が形成されている。また、ブッシュ20が設けられたベーンロータ14とキャップシール24が設けられたハウジング部材15との間には、第二油溜室80が形成されている。これにより、作動油の流入にともなってキャップシール24側の第二油溜室80の圧力が高くなり、ベーンロータ14がプーリ16側へ押し付けられても、進角作動時に第一油溜室70へ流入する作動油はベーンロータ14を第二油溜室80側へ押し返す。その結果、ベーンロータ14とプーリ16との間には所定のクリアランスが確保され、ベーンロータ14およびプーリ16の磨耗が低減される。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のバルブタイミング調整装置に関する。
従来、エンジンの駆動軸であるクランクシャフトの駆動力を受けるハウジングと、ハウジング内に収容され従動軸であるカムシャフトにクランクシャフトの駆動力を伝達するベーンロータとを備えるバルブタイミング調整装置が知られている。このバルブタイミング調整装置では、ハウジングであるハウジング部材とプーリとの間にベーンロータが回転可能に収容されている。ハウジング部材、プーリおよびベーンロータは、作動油が供給される複数の遅角油圧室および進角油圧室を形成している。このバルブタイミング調整装置では、遅角油圧室および進角油圧室における作動油の圧力によりハウジングに対し遅角側または進角側へベーンロータを相対的に回転駆動している。これにより、バルブタイミング調整装置は、クランクシャフトに対するカムシャフトの位相、すなわちバルブタイミングを調整している(例えば、特許文献1参照)。
このようなバルブタイミング調整装置の場合、ベーンロータは例えばボルトなどの固定部材によってカムシャフトに固定される。ボルトなどの固定部材の端部は、ベーンロータおよびハウジングに取り付けられたキャップシールの内側に収容される。そのため、ベーンロータとハウジングに取り付けられたキャップシールとの間には空間が形成される。この空間には、例えばハウジングとベーンロータとの間を経由して作動油が流入する。作動油の流入にともなってこの空間の圧力が高くなると、ベーンロータはハウジングのプーリ側へ押し付けられる。ベーンロータがプーリに押し付けられた状態で回転すると、ベーンロータまたはプーリの少なくともいずれか一方には磨耗が生じるおそれがある。また、このとき、ベーンロータとプーリとの間に生じる摩擦抵抗によって、ベーンロータの円滑な回転が妨げられるおそれもある。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造でベーンロータおよびハウジングの磨耗を低減し、ベーンロータの円滑な回転が図られるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、ベーンロータのキャップシールとは反対側の端部に進角油路または遅角油路の一方に連通する第一油溜部を備えている。また、ベーンロータのキャップシール側には、キャップシール、ハウジングおよびベーンロータから形成され、固定部材を収容する第二油溜部を備えている。これにより、作動油の流入にともなってキャップシール側の第二油溜部の圧力が高くなり、ベーンロータがハウジングに押し付けられても、第一油溜部に流入する作動油はベーンロータを第二油溜部側へ押し返す。その結果、キャップシール側の第二油溜部の圧力が上昇しても、ベーンロータとハウジングとの間には所定のクリアランスが確保される。したがって、簡単な構造でベーンロータおよびハウジングの磨耗を低減することができ、ベーンロータの円滑な回転を図ることができる。
請求項2記載の発明では、第一油溜部はベーンロータと同心の略円環状に形成されている。そのため、第一油溜部へ作動油が流入すると、ベーンロータはキャップシール側へ均一に押し付けられる。したがって、ベーンロータの回転がより円滑になるとともにベーンロータとハウジングとの間における局所的な磨耗を低減することができる。
請求項3記載の発明では、第二油溜部は進角油路または遅角油路に連通している。これにより、第二油溜部には積極的に作動油が供給される。例えば第二油溜部に第一油溜部とは逆位相の作動油を供給する、すなわち例えば第一油溜部へ進角時に作動油が供給されるとき第二油溜部へ遅角時に作動油を供給することにより、ベーンロータは定期的に軸方向へ移動する。これにより、ベーンロータとハウジングとは接触および離間を繰り返す。その結果、ベーンロータとハウジングとの局所的な接触が低減される。したがって、ベーンロータおよびハウジングの磨耗を低減することができる。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置をエンジンの吸気弁に適用した例を図1および図2に示す。
バルブタイミング調整装置10は、内燃機関の駆動軸である図示しないクランクシャフトの駆動力を内燃機関の従動軸であるカムシャフト2へ伝達する駆動力伝達系に設置されている。バルブタイミング調整装置10は、ハウジング11、ベーンロータ14、ブッシュ20、ストッパピストン21およびキャップシール24などを備えている。
バルブタイミング調整装置10は、内燃機関の駆動軸である図示しないクランクシャフトの駆動力を内燃機関の従動軸であるカムシャフト2へ伝達する駆動力伝達系に設置されている。バルブタイミング調整装置10は、ハウジング11、ベーンロータ14、ブッシュ20、ストッパピストン21およびキャップシール24などを備えている。
ハウジング11は、ハウジング部材15およびプーリ16から構成されている。ハウジング部材15は、底部を有する略円筒状に形成され、周壁部12および底壁部13を有している。
ハウジング部材15の周壁部12には、径方向内側へ突出する仕切部としてのシュー121、122、123、124が設けられている。シュー121、122、123、124は、それぞれハウジング11の回転方向へ所定の間隔をあけて設けられている。シュー121、122、123、124の突出側の先端面は、ハウジング11の軸方向から見て円弧状であり、ベーンロータ14のボス部141の外周面に接する。回転方向において隣り合うシュー121、122、123、124の間には、それぞれ収容室50が形成される。各収容室50は、対応するシューの側面と周壁部12の本体の内周面とで囲まれており、ハウジング11の軸方向から見て扇状である。ハウジング部材15の底壁部13には、その内壁面131と外壁面132との間を貫通する貫通孔17が形成されている。貫通孔17は、外壁面132側よりも内壁面131側で大径となる略円筒孔状であり、この大径部分により軸受部18が形成されている。
ハウジング部材15の周壁部12には、径方向内側へ突出する仕切部としてのシュー121、122、123、124が設けられている。シュー121、122、123、124は、それぞれハウジング11の回転方向へ所定の間隔をあけて設けられている。シュー121、122、123、124の突出側の先端面は、ハウジング11の軸方向から見て円弧状であり、ベーンロータ14のボス部141の外周面に接する。回転方向において隣り合うシュー121、122、123、124の間には、それぞれ収容室50が形成される。各収容室50は、対応するシューの側面と周壁部12の本体の内周面とで囲まれており、ハウジング11の軸方向から見て扇状である。ハウジング部材15の底壁部13には、その内壁面131と外壁面132との間を貫通する貫通孔17が形成されている。貫通孔17は、外壁面132側よりも内壁面131側で大径となる略円筒孔状であり、この大径部分により軸受部18が形成されている。
プーリ16は、ハウジング部材15に対して底壁部13とは反対側において同軸にボルト固定されて、ハウジング11の一端部を構成している。プーリ16にはクランクシャフトから駆動力が伝達される。これにより、ハウジング11は、クランクシャフトと連動して回転する。なお、ハウジング11は、回転軸線Oを中心にして図2の時計方向へ回転する。
ベーンロータ14は、ハウジング11の内部に収容されている。ベーンロータ14は、軸部としてのボス部141と、ベーン部としてのベーン142、143、144、145とを有している。ブッシュ20は、底部を有する略円筒状に形成され、周壁部201および底壁部202を有している。
ボス部141およびブッシュ20は、カムシャフト2と同軸に配置されている。ボス部141には、底壁部13側へ向かって開口する有底の略円筒孔状の嵌合孔29が形成されている。嵌合孔29には、ブッシュ20が嵌合している。ブッシュ20およびボス部141を有するベーンロータ14は、固定部材としてのボルト30によってカムシャフト2に固定されている。ボルト30の頭部31は、カムシャフト2との間にベーンロータ14およびブッシュ20を挟持している。ボルト30によってカムシャフト2に固定されたベーンロータ14およびブッシュ20は、カムシャフト2と連動して、ハウジング11に対して相対的に回転可能である。ここで図2に示す矢印Xは、ハウジング11に対するベーンロータ14の進角側への相対的な回転方向(以下、進角方向という)を表している。また、矢印Yは、ハウジング11に対するベーンロータ14の遅角側への相対的な回転方向(以下、遅角方向という)を表している。
なお、本実施形態においてブッシュ20の嵌合孔29とは反対側は、軸受部18に対して同軸且つ相対的に回転可能に嵌合している。
ボス部141およびブッシュ20は、カムシャフト2と同軸に配置されている。ボス部141には、底壁部13側へ向かって開口する有底の略円筒孔状の嵌合孔29が形成されている。嵌合孔29には、ブッシュ20が嵌合している。ブッシュ20およびボス部141を有するベーンロータ14は、固定部材としてのボルト30によってカムシャフト2に固定されている。ボルト30の頭部31は、カムシャフト2との間にベーンロータ14およびブッシュ20を挟持している。ボルト30によってカムシャフト2に固定されたベーンロータ14およびブッシュ20は、カムシャフト2と連動して、ハウジング11に対して相対的に回転可能である。ここで図2に示す矢印Xは、ハウジング11に対するベーンロータ14の進角側への相対的な回転方向(以下、進角方向という)を表している。また、矢印Yは、ハウジング11に対するベーンロータ14の遅角側への相対的な回転方向(以下、遅角方向という)を表している。
なお、本実施形態においてブッシュ20の嵌合孔29とは反対側は、軸受部18に対して同軸且つ相対的に回転可能に嵌合している。
ベーン142、143、144、145はボス部141から径方向外側へ突出し、ボス部141の回転方向にそれぞれ所定の間隔をあけて並んでいる。ベーン142、143、144、145の突出側の先端面は、ボス部141の軸方向から見て円弧状に形成されており、周壁部12の本体の内周壁面に接する。各ベーン142、143、144、145は、それぞれ対応する収容室50内に収容されている。ベーン142、143、144、145が対応する収容室50を仕切ることによって、ベーンロータ14の回転方向の両側に進角油圧室と遅角油圧室とが形成されている。つまり、シュー124とベーン142との間に進角油圧室55、シュー121とベーン143との間に進角油圧室56、シュー122とベーン144との間に進角油圧室57、シュー123とベーン145との間に進角油圧室58が形成されている。また、シュー121とベーン142との間に遅角油圧室51、シュー122とベーン143との間に遅角油圧室52、シュー123とベーン144との間に遅角油圧室53、シュー124とベーン145との間に遅角油圧室54が形成されている。
図示しないオイルポンプから進角油路60を通じて各進角油圧室55、56、57、58へ作動油が供給されると、その作動油の圧力によりベーンロータ14がハウジング11に対して進角方向へ相対的に回転駆動される。以下、これを進角作動という。一方、オイルポンプから遅角油路61を経由して各遅角油圧室51、52、53、54へ作動油が供給されると、その作動油の圧力によりベーンロータ14がハウジング11に対して遅角方向へ相対回転駆動される。以下、これを遅角作動という。このように、バルブタイミング調整装置10は、ハウジング11とベーンロータ14とを相対的に回転させることによってクランクシャフトに対するカムシャフト2の位相を変化させる。これにより、吸気弁のバルブタイミングが調整される。
ストッパピストン21は、ベーン142に軸平行に収容されている。ストッパピストン21は、圧縮コイルばね22の復元力を受けてハウジング部材15の嵌合リング23に嵌合することによって、ベーンロータ14をハウジング11に対して最遅角位置に拘束する。一方、ストッパピストン21は、オイルポンプから供給される作動油の圧力を受けて嵌合リング23から離脱する位置へ変位することにより、ベーンロータ14のハウジング11に対する相対的な回転を許容する。
キャップシール24は、底部を有する略円筒状に形成され、周壁部25および底壁部26を有している。ハウジング部材15の底壁部13を貫く貫通孔17は、ブッシュ20およびボルト30に対応してハウジング部材15の中心部に形成されている。キャップシール24は、ハウジング部材15の底壁部13の小径部分19にねじ止めされている。キャップシール24の底壁部26の凹部27とハウジング部材15の底壁部13の外壁面132との間にはOリング28が挟持されている。これにより、ハウジング11は、液密に密閉される。
次に、本発明の要部である第一油溜部としての第一油溜室70および第二油溜部としての第二油溜室80について説明する。
図1および図2に示すように、ベーンロータ14のプーリ側の端部には、ベーンロータ14と同心の略円環状の溝71が形成されている。この溝71とプーリ16のベーンロータ14側の端面とに囲まれることによって第一油溜室70が形成されている。すなわち、第一油溜室70は、ベーンロータ14とプーリ16との間に形成されている。第一油溜室70には、進角油路60が連通している。
図1および図2に示すように、ベーンロータ14のプーリ側の端部には、ベーンロータ14と同心の略円環状の溝71が形成されている。この溝71とプーリ16のベーンロータ14側の端面とに囲まれることによって第一油溜室70が形成されている。すなわち、第一油溜室70は、ベーンロータ14とプーリ16との間に形成されている。第一油溜室70には、進角油路60が連通している。
図1に示すように、第二油溜室80は、ブッシュ20が設けられたベーンロータ14と、キャップシール24が設けられたハウジング部材15との間に形成されている。第二油溜室80は、ブッシュ20の周壁部201、底壁部202、キャップシール24の周壁部25、底壁部26に囲まれている。また、第二油溜室80は、内部にボルト30の端部、すなわち頭部31を収容している。第二油溜室80は、途中に複数の油路を経由して遅角油路62に連通している。以下にこの複数の油路について説明する。
カムシャフト2は、内径がボルト30の外径よりも大きい。そのため、ボルト30の外周側には、カムシャフト2の内壁との間に略円環状の遅角油路63が形成される。遅角油路63は、遅角油路62に連通している。ベーンロータ14も、内径がボルト30の外径よりも大きい。そのため、ボルト30の外周側には、ベーンロータ14の内壁との間に略円環状の遅角油路64が形成される。遅角油路64は、遅角油路63に連通している。ブッシュ20も、内径がボルト30の外径よりも大きい。そのため、ボルト30の外周側には、ブッシュ20の内壁との間に略円環状の遅角油路65が形成される。遅角油路65は、遅角油路64に連通している。
また、ブッシュ20の底壁部202の端面203には、ブッシュ20の中心から径方向へ周壁部201まで伸びる溝204が形成されている。ボルト30によってブッシュ20およびベーンロータ14をカムシャフト2に固定したとき、ボルト30の頭部31は、ブッシュ20の端面203に接する。このとき、頭部31と溝204との間には遅角油路66が形成される。ブッシュ20の周壁部201の内径は、頭部31の外径よりも大きい。そのため、頭部31と溝204との間に形成される遅角油路66は、第二油溜室80に連通する。また、遅角油路66は、遅角油路65に連通している。このように、遅角油路62は、複数の油路、すなわち遅角油路63、64、65、66を経由して第二油溜室80に連通している。
次に、本実施形態の作動について説明する。
第二油溜室80には、例えばハウジング部材15とベーンロータ14との間を経由して作動油が流入する。作動油の流入にともなって第二油溜室80の圧力が高くなると、ベーンロータ14はプーリ16側へ押し付けられる。
第二油溜室80には、例えばハウジング部材15とベーンロータ14との間を経由して作動油が流入する。作動油の流入にともなって第二油溜室80の圧力が高くなると、ベーンロータ14はプーリ16側へ押し付けられる。
バルブタイミング調整装置10が進角作動を行うとき、作動油が進角油路60から第一油溜室70へ流入し、第一油溜室70の圧力が高くなる。ベーンロータ14とプーリ16との間に形成された第一油溜室70の圧力が高くなると、ベーンロータ14はハウジング部材15の底壁部13側へ押し戻される。ベーンロータ14が底壁部13側へ押し戻されると、ベーンロータ14とプーリ16との間には所定のクリアランスが形成される。これにより、収容室50内の作動油がこのクリアランスへ流入する。そのため、ベーンロータ14とプーリ16との間は、作動油によって潤滑が保持された状態となる。
一方、バルブタイミング調整装置10が遅角作動を行うとき、作動油が遅角油路62から遅角油路63、64、65、66を経由して第二油溜室80へ流入し、第二油溜室80の圧力が高くなる。ベーンロータ14とハウジング部材15との間に形成された第二油溜室80の圧力が高くなると、ベーンロータ14はプーリ16側へ押し付けられる。ベーンロータ14がプーリ16側へ押し付けられると、ベーンロータ14とハウジング部材15の底壁部13との間には所定のクリアランスが形成される。これにより、収容室50内の作動油がこのクリアランスへ流入する。そのため、ベーンロータ14とハウジング部材15の底壁部13との間は、作動油によって潤滑が保持された状態となる。
バルブタイミング調整装置10は、バルブタイミングを調整するために進角作動と遅角作動とを繰り返す。バルブタイミング調整装置10が進角作動と遅角作動とを繰り返すことによって、ベーンロータ14はハウジング部材15の底壁部13側またはプーリ16側のいずれか一方へ押し続けられることがない。そのため、ベーンロータ14のプーリ16側および底壁部13側は作動油により常に潤滑が保持された状態となる。したがって、本実施形態では、簡単な構造でベーンロータ14、ハウジング部材15およびプーリ16の磨耗を低減し、ベーンロータ14の円滑な回転を図ることができる。
本実施形態の場合、第一油溜室70は、ベーンロータ14とプーリ16との間にベーンロータ14と同心の略円環状に形成されている。そのため、バルブタイミング調整装置10の進角作動時、第一油溜室70へ流入した作動油によって第一油溜室70の圧力が上昇すると、ベーンロータ14はハウジング部材15の底壁部13側へ均一に押し付けられる。したがって、ベーンロータ14の回転がより円滑になるとともにベーンロータ14と底壁部13との間における局所的な磨耗を低減することができる。
本実施形態では、第一油溜室70は、ベーンロータ14にベーンロータ14と同心の略円環状に形成された溝71とプーリ16の端面とに囲まれることによって形成されている。しかし、第一油溜室70は、プーリ16にベーンロータ14と同心の略円環状の溝を形成し、この溝とベーンロータ14の端面とに囲まれることによって形成されてもよい。また、ベーンロータ14およびプーリ16のそれぞれにベーンロータ14と同心の略円環状の溝を形成し、これら2つの溝に囲まれることによって第一油溜室70を形成してもよい。
また、本実施形態では、第一油溜室70は略円環状に形成されている。しかし、第一油溜室70は、進角油路または遅角油路に連通していればどのような形状に形成されていてもよい。つまり、第一油溜室70は、断面が例えば多角形、円形または楕円形に形成されていてもよく、単数もしくは複数で形成されていてもよい。
また、本実施形態では、第一油溜室70は略円環状に形成されている。しかし、第一油溜室70は、進角油路または遅角油路に連通していればどのような形状に形成されていてもよい。つまり、第一油溜室70は、断面が例えば多角形、円形または楕円形に形成されていてもよく、単数もしくは複数で形成されていてもよい。
本実施形態では、第一油溜室70には進角油路が連通し、第二油溜室80には遅角油路が連通している。しかし、進角油路と遅角油路とを入れ替え、第一油溜室70に遅角油路、第二油溜室80に進角油路を連通する構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、ハウジング11がクランクシャフトに連動して回転し、ベーンロータ14がカムシャフト2と連動して回転するバルブタイミング調整装置に本発明を適用する例を示した。これに対して、ベーンロータ14がクランクシャフトに連動して回転し、ハウジング11がカムシャフト2と連動して回転するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。
さらに、本実施形態では、ハウジング11がクランクシャフトに連動して回転し、ベーンロータ14がカムシャフト2と連動して回転するバルブタイミング調整装置に本発明を適用する例を示した。これに対して、ベーンロータ14がクランクシャフトに連動して回転し、ハウジング11がカムシャフト2と連動して回転するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。
加えて、本実施形態では、吸気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に本発明を適用する例を示した。これに対して、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁および排気弁のバルブタイミングを調整する装置に本発明を適用してもよい。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
2:カムシャフト(従動軸)、10:バルブタイミング調整装置、14:ベーンロータ、15:ハウジング部材(ハウジング)、16:プーリ(ハウジング)、24:キャップシール、30:ボルト(固定部材)、51、52、53、54:遅角油圧室、55、56、57、58:進角油圧室、60:進角油路、61、62、63、64、65、66:遅角油路、70:第一油溜室、80:第二油溜室
Claims (3)
- 内燃機関の駆動軸から吸気弁または排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁または前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転するハウジングと、
前記ハウジングに収容され、前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに前記ハウジングと相対的に回転可能であって、前記ハウジングとの間に周方向へ複数の進角油圧室および遅角油圧室を形成するベーンロータと、
前記駆動軸または前記従動軸の軸方向の端部から前記ベーンロータを貫いて設けられ、前記ベーンロータを前記駆動軸または前記従動軸に固定する固定部材と、
前記ハウジングおよび前記ベーンロータに収容されている前記固定部材の前記駆動軸または前記従動軸とは反対側の端部を液密に覆うキャップシールと、
前記ベーンロータの前記キャップシールとは反対側の端部と前記ハウジングとの間に設けられ、前記進角油圧室に油圧を供給する進角油路または前記遅角油圧室に油圧を供給する遅角油路の少なくとも一方に連通する第一油溜部と、
前記ハウジング、前記ベーンロータおよび前記キャップシールから形成され、前記固定部材の端部を収容する第二油溜部と、
を備えるバルブタイミング調整装置。 - 前記第一油溜部は、前記ベーンロータと同心の略円環状に形成されている請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第二油溜部は、前記進角油路または前記遅角油路に連通する請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
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JP (1) | JP2008232010A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013505388A (ja) * | 2009-09-18 | 2013-02-14 | シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | 内燃機関のガス交換弁の制御時間を可変に調整するための装置 |
JP2017075567A (ja) * | 2015-10-15 | 2017-04-20 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
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JPH10212910A (ja) * | 1997-01-29 | 1998-08-11 | Mikuni Corp | バルブタイミング調整装置 |
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- 2007-03-20 JP JP2007072256A patent/JP2008232010A/ja active Pending
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