JP2008231651A - 切断した形状の図柄に布帛を染色する為の染料支持体及びこの染料支持体を用いた染色方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 容易に切断可能な染料の支持体としては紙、不織布等の吸液性の優れたもの、中でも和紙は染料をよく吸収する点、繊維がよく絡まっていて全体的な強さを持っているにもかかわらず切断が容易である点で染料の塗布が実施しやすく好ましい。次いでこれら染料の支持体に染料を塗布する。
塗布はスクリーンやグラビアロールを使ってのコーティング方式やスプレー方式、含浸方式で実施する。次に染料が塗布された染料支持体を任意の形状にハサミ等で機械的に切断するか、又は手で切断する。
任意の図柄に切断した染料支持体の染料塗布面と染色する布帛とを任意な構図に接触配置する。次にアイロン等で圧着加熱処理して、布帛を染色する。
このようにして従来の染色手段では表現出来なかった任意な切断形状の図柄を任意な構図に配置した染色物を容易に得ることが出来る。特に手で切断を行った場合には切断面は繊維が絡まった状態で切断されるので、今までにない新しい優雅な型際をも表現出来る。
【選択図】なし。
Description
しかしながら、手軽に実施出来て、且つ工業製品のレベルの堅牢性、耐久性を有する染色技法は未開発の状況であった。
また、[特許文献2]特開2000−144585号の「昇華転写染色方法および昇華転写用紙」には、印刷法を用いないで、手工芸的方法により布に葉、花または羽毛等の天然物の模様を容易に形成することができる転写染色方法が記載されている。
しかし何れの引例も上記に記載した本発明の「染料が塗布された染料支持体を切断し、切断した染料支持体の染料が塗布された面を染料に染色可能な布帛に接触させ、圧着加熱処理を行って染色する方法において、切断形状に布帛を染色する、染料が塗布された染料支持体及びこの染料支持体を切断した形状で染色する染色方法」とは図柄を作成する手段において全く異なる物である。
まず染料を支持体に塗布する前に染料溶液を調整する。染料を水や溶剤に単独又は必要に応じて混合して溶解する。次いで必要な場合には塗布を容易にする為の粘度調整と支持体に強固に付着させる主たる目的の為にアルギンサンソーダやアクリル系の糊材を適宜水等で稀釈した後に添加して所定の粘度になるように調整して塗布する為の染料液を作成する。
更に予め構図が印刷された台紙を用いて切断した図柄を台紙に張付ける方法を採用する事は経験の浅い人でも構図を考える上で実行しやすくて非常に好ましい方法である。
予め印刷された台紙の作成はパソコンの印刷でも実行可能であり、写真からの図柄の取り込みも容易に可能で普及したハイテク技術手段を使って個性的な染色物の作成が容易に出来、染色物による表現が無限に広がって行く。
又染料支持体を任意な形状に切断するだけでなく、任意な構図で配置して染色を行うことが出来る為、その染色物は従来の染色布では得られない製作者の意図する表現が容易に作成可能で、個性的な図柄を配置した染色物を作りうるのも特徴の一つである。
又個性的な染色物であると共に得られた染色物は熱固着処理により染料の染色を実施するので、工業的な染色物と同様の堅牢性と耐久性をも併せ持った実用上の使用に耐える染色物が得られる。
まず、本発明の染料の支持体であるが、支持体は染料溶液、染料分散液、又は染料と糊剤等の第3成分複合体等をよく吸収し保持する能力が必要であり、その目的に最も適したものとして紙や不織布等を例示できる。又染料支持体は任意の形状に容易に切断できる必要があり、この点からも紙や不織布が好ましい。手で切断出来て、切断した場合に繊維がよく絡まっていて切断面が自然な凹凸状に切断され優雅な切断面を形成し、その結果染色した場合の型際が優雅に表現できる様にする為には洋紙や半紙、障子紙等の和紙等の紙、中でも和紙が好ましい。染料支持体が和紙で、切断を手で行った図柄を使い、この図柄を任意に配置することで、ちぎり絵風の表現の染色物が得られ、従来の染色方法では得られなかった優雅な芸術的な型際図柄の染色物が得られる。又ちぎり絵が単なる鑑賞物であったのに比べ、本発明品は優雅なちぎり絵的表現の染色物であると共に、耐久性等において実用にも耐え得る堅牢な染色物である。
塗布後に切断線を入れるほうが染料を塗布する工程で切断等の事故をなくす意味でより好ましい。
容易に切断可能な染料支持体が予め下絵等の絵柄が印刷されたものは染料塗布後の切断をガイドする指標になり初めて行う人の手助けになるので好ましい。
スクリーンやスプレー方式で実施する方法は簡便に小規模に実施出来る。均一に塗布する場合だけでなくスクリーン紗に模様を付けることで、またスプレー時に遮蔽板を使用したりすることで不均一に塗布することも簡単に実施できて、個性的な塗布が出来ることから好ましい方法である。
このように染料の塗布は均一であっても又斑状あっても又柄に塗布しても良い。またその色は均一色であっても又多色であっても何ら差し支えない。
この組合せの場合には染色は染料支持体の染料塗布面と布帛を接触させてアイロンで加圧しながら圧着加熱処理を行って実施する方法が簡単で最良の方法である。160℃以上の温度、好ましくは180℃〜200℃が必要である。時間は20秒〜2分程度である。
また切断を機械的に打ち抜く方法で行えばシャープな図柄を再現性良く、効率よく作ることが可能であり同じ図柄を作る場合には好ましい。
更にまた切断を手で行った場合には個性的で優雅な切断面になり布帛に染色した図柄もそれに応じて個性的で優雅な型際の図柄となる。この手による切断で、特に支持体に和紙を使用した場合は一般に行われているちぎり絵風の布帛の染色物をうるのには最適の切断方法で好ましい切断方法である。
染料を含浸法で塗布した染料支持体は染料の有効利用面では劣るが、細かく切断して表裏を分別して配置できないような場合、例えば散布方式によって図柄を配置する場合には両面に染料が塗布されているので好ましく染色を実施できる。
以下実施例で本発明を説明する。
[実施例1]
白色ポリエステル平織物上には概略三角形状の赤い模様と概略円形状の黄色い模様が鮮やかに着色されていた。また三角形状や円形状の際の凹凸は優雅で複雑な通常の捺染や印刷で得られるシャープなものと全く異なるおぼろげな独特の物であった。また得られた染色物は家庭洗濯しても殆ど色相が変化しない市販の普通のプリント品と同じ位に堅牢に染色されていた。
[実施例2]
又花びら、葉の際は通常のプリント品では得られない凹凸のある優雅な型際を表現していた。この織物は通常の家庭洗濯処理を行っても殆ど色落ちがしないくらい堅牢に染色されていた。
また、染料支持体に和紙を使用した場合にはちぎり絵風の着色物がえられる。従来の趣味的、嗜好品的外観状の特徴を維持したまま実使用に耐える堅牢なちぎり絵風染色物がえられる。
ハンカチ、テーブルクロス、のれん等の絵付けにも応用可能である。
Claims (4)
- 染料が塗布された染料支持体を任意の形状に切断し、染料が塗布された染料支持体の染料塗布面が染色可能な布帛と接触する様に配置し、圧着加熱処理を行い、切断した任意の形状の図柄を布帛上に染色させることを特徴とする、切断が容易な染料が塗布された染料支持体及びこの支染料持体を切断した形状の図柄に染色することに特徴を有する染色方法
- 請求項1に記載の染料の支持体が紙であることを特徴とする請求項1に記載の染料が塗布された染料支持体及びこの染料支持体を切断した形状の図柄に請求項1に記載の方法で染色することに特徴を有する染色方法
- 請求項1、請求項2に記載の染料支持体の切断が手で行われことを特徴とする請求項1、請求項2に記載の染料が塗布された染料支持体及びこの染料支持体を切断した形状の図柄に請求項1、請求項2に記載の方法で染色することに特徴を有する染色方法
- 請求項1、請求項2、請求項3に記載の染料が分散染料で、染色可能な布帛がポリエステル繊維又はナイロン繊維を主体とする布帛で、圧着加熱処理が加熱アイロン処理であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載の染料が塗布された染料支持体及びこの染料支持体を切断した形状の図柄に請求項1、請求項2、請求項3に記載の方法で染色することに特徴を有する染色方法
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