JP2008229953A - 流体噴射装置および流体噴射方法 - Google Patents

流体噴射装置および流体噴射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリッジ上にインクカートリッジなどの流体貯留部を配置した、いわゆるオンキャリッジタイプの流体噴射装置において、流体貯留部から流体噴射ヘッドに流体を良好に供給する。
【解決手段】インクカートリッジ7が気密状態の収容空間73を有するように構成するとともに、インクを貯留したインクパック71が収容空間73に収容されている。そして、キャリッジ6の移動に応じてポンプ8を作動させ、収容空間73に対して空気を送り込んで収容空間73内の圧力を高める。したがって、インクパック71内のインクを確実に記録ヘッド5側に送り出すことができ、インクパック71内へのインクの残留を効果的に防止することができ、インクを無駄なく消費することができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、インクジェット式プリンタ等の流体噴射装置、特にオンキャリッジタイプの流体噴射装置における流体供給技術に関するものである。
流体を吐出可能な流体噴射ヘッドを備え、この流体噴射ヘッドから各種の流体を吐出する流体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、吐出対象物(記録媒体)としての記録紙等に対してインク滴を吐出・着弾させて記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、或いはFED(面発光ディスプレー)等のディスプレー製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して吐出するためのものとして、流体噴射装置が用いられている。
例えば特許文献1には、インクカートリッジがキャリッジから分離して配置され、該インクカートリッジ内に設けられたインクパックが、供給チューブを介して記録ヘッドに接続する、いわゆるオフキャリッジタイプの流体噴射装置が記載されている。このオフキャリッジタイプでは、インクパックを加圧することによってインクパックに貯留されているインクが供給チューブを介して記録ヘッドに向けて圧送され、これによって記録ヘッドにはインクが供給される。そして、この供給されるインクが記録ヘッドのノズル開口からインク滴として記録紙に吐出されて印字が行われる。
このようなオフキャリッジタイプでは、キャリッジの外部から供給チューブを介してインクを供給しており、供給チューブがキャリッジの負荷となってしまう。しかも、キャリッジの移動に伴い供給チューブの引き回し状態(例えば湾曲部分の曲率など)が変化し、キャリッジに対する負荷も変動する。そのため、供給チューブによるキャリッジへの負荷の変動を考慮した上で装置を制御する必要があり、これが制御性を低下させる要因のひとつとなっていた。そこで、このような問題を解消するために、キャリッジ上にインクカートリッジを搭載し、インクカートリッジから直接キャリッジにインクを供給する、いわゆるオンキャリッジ構造を採用することが考えられる。
特開2005−193482号公報(図1、図2)
しかしながら、オンキャリッジタイプの液体噴射装置では、キャリッジ直上にインクカートリッジが配置されるため、両者の間で発生する水頭差は小さく、インクカートリッジ内の圧力と記録ヘッドとの圧力との差も小さい。そのため、次のような問題が生じてしまう。まず第1点目はインク残量が比較的多くなってしまうという問題である。すなわち、印字によりインクカートリッジ内のインクが徐々に消費されるが、インクカートリッジ内のインク残量が少なくなると、インク供給が難しくなり、残留してしまうことがあった。第2点目は、単位時間当たりのインク供給量に限界があり、大量のインク供給に対応することができないという問題である。近年、印字の高速化に対応するために、記録ヘッドに形成されるノズル数を増大させる等の改良が加えられている。そして、この改良に対応するためには、各ノズルに同時にインクを確実に供給する必要があり、必然的にインクカートリッジからのインク供給量も増大させる必要がある。しかしながら、単に水頭差を利用してインク供給を行う従来装置では、このような要望に適切に対応することが困難であった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、キャリッジ上にインクカートリッジなどの流体貯留部を配置した、いわゆるオンキャリッジタイプの流体噴射装置において、流体貯留部から流体噴射ヘッドに流体を良好に供給することを目的とする。
この発明にかかる流体噴射装置は、上記目的を達成するため、気密状態の収容空間を有し、流体を貯留した流体貯留部材を収容空間に配置した流体貯留部と、流体貯留部材から供給される流体を噴射する流体噴射ヘッドと、流体噴射ヘッドが装着される装着部と、流体貯留部が着脱自在に取り付けられる着脱部と、該着脱部に取り付けられた流体貯留部の流体貯留部材から流体を受け取り流体噴射ヘッドに供給する流体供給通路が形成された本体部とを有し、所定の方向に往復移動するキャリッジと、キャリッジの移動により作動して収容空間に空気を送り込み、収容空間内の圧力を高める加圧手段とを備えたことを特徴としている。
また、この発明にかかる流体噴射方法は、上記目的を達成するため、流体を貯留する流体貯留部材を配置するために流体貯留部に設けられた、気密状態の収容空間に空気を送り込んで収容空間内の圧力を高める加圧工程と、流体噴射ヘッドを有するキャリッジに加圧工程により収容空間が加圧状態となっている流体貯留部を取り付けた状態で、該キャリッジを往復移動しながら、流体貯留部材から供給される流体を流体噴射ヘッドから噴射する流体噴射工程とを備え、加圧工程は、キャリッジの移動により加圧手段を作動させてキャリッジ周囲の空気を加圧手段から収容空間に送り込み、収容空間内の圧力を高める工程であることを特徴としている。
このように構成された発明(流体噴射装置および方法)では、流体の供給源である流体貯留部がキャリッジに取り付けられ、キャリッジとともに移動する。つまり、該装置はオンキャリッジ構造を有している。そして、本発明では、流体貯留部は気密状態の収容空間を有するとともに、流体を貯留した流体貯留部材を該収容空間に配置している。この収容空間に対して加圧手段から空気が送り込まれて収容空間内の圧力が高められる。したがって、流体貯留部材内の流体を確実に流体噴射ヘッド側に送り出すことができ、流体貯留部材内への流体の残留を効果的に低減することができ、流体を無駄なく消費することができる。また、収容空間内を加圧することで流体貯留部材内の圧力と流体噴射ヘッド内の圧力との差を高めることができるため、単位時間当たりの流体供給量を高めることができ、大量の流体供給にも柔軟に対応することができる。ここで、収容空間に空気が送り込み、収容空間を加圧すること(加圧処理)のみを考慮すると、電動ポンプなどを用いることも考えられる。しかしながら、本発明では、キャリッジの移動により作動して収容空間に空気が送り込まれるため、少ないエネルギーで、しかも省スペースで効率的な加圧処理を行うことができる。
加圧処理を行うための加圧手段としては、可動部の変位に応じてポンプ室の容積が変化することで空気を輸送するポンプを用いることができる。より具体的には、キャリッジ表面から可動部を突出した状態でポンプがキャリッジに取り付けられ、キャリッジの移動に応じて可動部が変位されることによってポンプ室内の容積が減少し、その容積減少に応じた量の空気がポンプ室から収容空間に送り込まれるように、加圧手段を構成することができる。このような構成を採用することは省エネルギーおよび省スペース化を大きく寄与している。
また、キャリッジの移動に応じて可動部を変位させる範囲としては、流体噴射ノズルから流体を吐出させる吐出範囲から外れた非吐出範囲を用いるのが望ましい。すなわち、可動部を変位させるために、固定部を設けることができる。すなわち、非吐出範囲を臨み、キャリッジが非吐出範囲に移動してきた際に、ポンプの可動部と係合するように固定部を固定配置することができる。そして、キャリッジの移動に伴い、可動部が固定部と係合することにより変位するように構成することができる。このように非吐出範囲で可動部を変位させて加圧処理を実行するように構成することで、吐出範囲では収容空間内の圧力変動がなく、安定した流体噴出を行うことができる。
なお、このようにキャリッジの移動を利用した加圧処理を確実に行うためには、キャリッジの本体部に、ポンプから送り出される空気を収容空間に導く空気導入通路と、該空気導入通路においてポンプから収容空間への通気を許容する一方で逆の通気を阻止する第1逆止弁とを設けるのが好ましい。一方、次の空気送り出しに備え、次のような構成を採用してもよい。すなわち、キャリッジの本体部に、キャリッジ周囲とポンプ室とを連通する吸気通路と、第2逆止弁とを設け、第2逆止弁が、キャリッジの移動に応じて可動部が変位されることによってポンプ室内の容積が増大した際に、その容積増大に応じた量の空気がキャリッジ周囲から吸気通路を介してポンプ室に吸気されるのを許容する一方で逆の通気を阻止するように構成してもよい。
また、収容空間内の圧力を調整するために、次のような構成を採用してもよい。つまり、キャリッジの本体部には、空気導入通路とキャリッジ周囲とを連通するリリース用通路と、圧力調整弁とが設けられ、圧力調整弁は、リリース用通路上での圧力が予め設定した目標圧力を超えたときにリリース用通路を介してキャリッジ周囲に空気を放出して収容空間内の圧力を目標圧力に調整するように構成してもよい。これにより、収容空間内の圧力が過剰に高まるのを防止し、該圧力を目標圧力に安定的に調整することができる。
ところで、収容空間内を加圧状態に維持し続けると、次のような問題が発生することがある。例えばユーザが加圧状態にある流体貯留部をキャリッジから取り外すと、流体貯留部材に残っている流体が流体貯留部から流出してしまうことがある。このような問題を解消するために、加圧状態となっている収容空間から空気を排気して加圧状態を解除する加圧解除手段をさらに設けてもよい。特に、空気導入通路を用いて収容空間に空気を導入する構成を採用した場合には、キャリッジの本体部に、空気導入通路とキャリッジ周囲とを連通する加圧解除用通路と、加圧解除弁とを設け、加圧解除弁を開くことによって、加圧状態にある収容空間から空気導入通路および加圧解除用通路を介して空気がキャリッジ周囲に放出されて加圧状態が解除されるように構成してもよい。
図1は本発明の流体噴射装置の一実施形態であるインクジェット式プリンタを示す斜視図である。また、図2はキャリッジの移動範囲を示す図である。また、図3は図1の流体噴射装置の部分断面図である。また、図4はリークユニット(加圧解除弁および圧力調整弁)の構成を示す図である。さらに、図5は図1に示す流体噴射装置の電気的構成を示すブロック図である。さらに、このインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という)1は、筐体2と、この筐体2内に配設されたプラテン3とを備えている。また、プリンタ1では、紙送りモータM1(図5)の駆動により回転する紙送りローラによってプラテン3上に記録紙RMが搬送されるようになっている。また、筐体2内には、プラテン3と平行にガイドロッド41とガイド板42が架設されている。このガイドロッド41に対して記録ヘッド5を装備したキャリッジ6の後方部が摺動可能に支持されている。また、このキャリッジ6の前方部には、図2に示すように、回動防止部材61が前方(同図の下方向)に突設されており、キャリッジ6の自重により回動防止部材61がガイド板42の上面と接触しながら摺動自在となっている。そして、パルスモータなどの駆動モータM2(図5)が作動することでキャリッジ6がガイドロッド41に沿って紙送り方向と直交する主走査方向Xに往復移動する。なお、この実施形態ではガイド板42を設けているが、これはキャリッジ6の往復移動時にキャリッジ6がガイドロッド41に対して回動するのを防止するためである。
(+X)方向側(図2の右手側)には、ホームポジションおよび加圧解除領域が設定されている。このホームポジションは非記録領域(非吐出範囲)であり、キャッピング機構が配設されている。
このキャッピング機構は、記録ヘッド5内(インク流路内)に記録動作時の数倍の流速でインク流を発生させてインクや気泡を強制的に吸引排出するクリーニング動作を行うものであり、その構成は従来装置と同様であるため、ここでは詳しい説明は省略する。また、この加圧解除領域はインクカートリッジ7内の加圧状態を解除するための領域であり、その詳細については後で詳述する。
このインクカートリッジ7は複数色(この実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色)のインクパック71を内蔵している。この実施形態では、キャリッジ6の上面がカートリッジホルダとなっており、インクカートリッジ7はカートリッジホルダに搭載される。つまり、この実施形態はいわゆるオンキャリッジ方式のプリンタ1であり、キャリッジ6の上面には、図3に示すようにインク導入針62(液体導入針)が上方に向けて立設されている。そして、インクカートリッジ7をカートリッジホルダに装着すると、各インクパック71にインク導入針が挿入される。これによってインクカートリッジ7内のインクパック71に貯留されたインクがインク導入針62を介してキャリッジ6に供給可能となる。このように本実施形態では、インクパック71が本発明の「流体貯留部材」に相当している。また、インクカートリッジ7が本発明の「流体貯留部」に相当し、キャリッジ6の上面に設けられたカートリッジホルダ(本発明の「着脱部」に相当)に対して着脱自在に取り付けられる。
なお、図3中の符号711はインクパック71のインク出口近傍に設けられた弁であり、同図のようにインク導入針62が挿入されると、該インク導入針62によりインクパック内に後退して出口からのインク流出を可能とする一方、インク導入針62の挿入前やカートリッジ取外後には出口を塞いでインク流出を防止する。また、図3では、1色分のインクパック71およびインク導入針62を図示しているが、この装置では4色分のインクパックおよびインク導入針が設けられており、図3の紙面に対して垂直な方向に並んで配置されている。また、以下の説明においては、1色のインクについて説明するが、他のインク色についても全く同様である。
インク導入針62の下方部はインク導入路63を介してインク圧調整ユニット64に接続されている。この実施形態では、インク導入路63内にフィルタ65が介挿されてインク中に含まれる異物を排除した上で該インクがインク圧調整ユニット64に供給されるように構成されている。このインク圧調整ユニット64は、内部の圧力変動に応じてバルブ(図示省略)を開閉し、記録ヘッド5へのインクの導入を制御する自己封止機能を有している。即ち、記録ヘッド5がインク滴の吐出をしない非記録状態(インクを消費しない状態)では、インク圧調整ユニット64は、バルブを閉じて記録ヘッド5側へのインク導入を規制する。一方、記録ヘッド5が記録動作(吐出動作)時にインク滴を吐出することでインクを消費してインク圧調整ユニット64内部の圧力が低下すると、このインク圧調整ユニット64はバルブを開いて記録ヘッド5側へのインク導入を可能とする。したがって、インク圧調整ユニット64は、上記のように記録ヘッド5側へのインク導入を制御することで、このインクの圧力の変化量をできるだけ小さくでき、インク滴の吐出状態を安定させることができる。即ち、インク圧調整ユニット64は記録ヘッド5側に導入されるインクの圧力を調整する機能を有している。
このインク圧調整ユニット64から流出するインクは、フィルタ66が介挿された導出孔67を介して記録ヘッド5に供給される。このキャリッジ6の本体部では、インク導入針62を介してインクパック71から流入するインクが流入し、さらにインク導入路63、フィルタ65、インク圧調整ユニット64、フィルタ66および導出孔67で構成される流体供給通路を介してインクを記録ヘッド5に供給される。また、この記録ヘッド5は、図3に示すように、キャリッジ6の下面(本発明の「装着部」に相当)に装着されており、上記した流体供給通路を介して供給されるインクをノズル面から液滴状に吐出する。
次に、インクカートリッジ7に戻って構成説明を続ける。この実施形態では、インクカートリッジ7は全インクパックの総容積よりも大きな容積を有するカートリッジ本体72を有している。そして、カートリッジ本体72の内部に気密状態の収容空間73が形成されるとともに、該収容空間73に4色のインクパック71が収容されている。なお、この実施形態では、収容空間73の気密性を確保するため、各インクパック71には上述のように弁711が設けられる一方、カートリッジ本体72の空気導入口74の近傍に弁75が設けられている。これら空気導入口74および弁75は次に説明する加圧ユニット8から圧送されてくる空気を収容空間73に導入するための構成である。
キャリッジ6の上面には、上記したインク導入針62(液体導入針)以外に空気導入針68が上方に向けて立設されている。そして、インクカートリッジ7をカートリッジホルダに装着すると、空気導入口74を介してカートリッジ本体72に空気導入針68が挿入される。これによって弁75が開成されて収容空間73と加圧ユニット8とが空気導入通路91を介して連通する。(なお、本構成においては、弁75は必ずしも必須用件ではなく、弁75が無い構成も可能である。)この空気導入通路91はキャリッジ6に設けられた空気用通路であり、その一方端が空気導入針68の先端に開口する一方、他方端が加圧ユニット8のポンプ室81に開口している。なお、図3中の符号92は空気導入通路91に介挿された第1逆止弁であり、空気導入通路91においてポンプ室81から収容空間73への通気を許容する一方で逆の通気を阻止する機能を有している。
この加圧ユニット8はいわゆる蛇腹ポンプで構成されている。すなわち、加圧ユニット8では、蛇腹状のポンプ室81がキャリッジ6の(−X)方向側部に固定されるとともに、この接続位置に上記した空気導入通路91の他方端が連結されてポンプ室81と収容空間73とが相互に連通されている。また、ポンプ室81には、空気導入通路91以外に、吸気通路93の一方端が連結されている。この吸気通路93はキャリッジ6に設けられた吸気用通路であり、その他方端がキャリッジ6の(−X)方向側面に開口しており、キャリッジ6の周囲とポンプ室81とを相互に連通している。また、この吸気通路93には、第2逆止弁94が介挿されている。この第2逆止弁94はキャリッジ周囲から吸気通路93を介してポンプ室81に吸気されるのを許容する一方で逆の通気を阻止する機能を有している。
このポンプ室81の(−X)方向端部、つまり自由端部には、可動部82が取り付けられている。この可動部82に対して外力が作用していない間、図示を省略する付勢部材からの付勢力により蛇腹状ポンプ室81は図3に示すように伸びた状態(以下「伸張状態」という)に維持されるとともに、可動部82はキャリッジ6の(−X)方向側面から突出している。このため、キャリッジ6が非記録領域(非吐出範囲)に移動してくると、可動部82は非記録領域に固定配置された固定部(押圧受部や係合部)83に係合し、付勢部材の付勢力に抗しながらポンプ室81は収縮する。そして、この収縮時にポンプ室81の容積が減少し、その容積減少に応じた量の空気がポンプ室81から空気導入通路91を介して収容空間73に送り込まれる(図6の右中段を参照)。一方、キャリッジ6が固定部83から離れる、つまり(+X)方向に移動するにしたがって、付勢部材の付勢力によりポンプ室81が伸張する。そして、この伸張時にポンプ室81の容積が増大し、その容積増大に応じた量の空気がキャリッジ6の周囲から吸気通路93を介してポンプ室81に吸気される(図6の右下段を参照)。このように、本実施形態では、キャリッジ6の移動により蛇腹ポンプ8が作動して収容空間73に空気を送り込み、収容空間73内の圧力を高めることができる。
また、キャリッジ6の本体部では、空気導入通路91の一部から通路95が分岐しており、その先端部はキャリッジ6の(+X)方向側面に固定されたリークユニット100に連通している。このリークユニット100は、図4に示すように、圧力調整弁110および加圧解除弁120を有している。
この圧力調整弁110では、ピストン収容室111が形成されている。このピストン収容室111の(+X)方向側はキャリッジ6の表面に開口しており、キャリッジ周囲に開放している。一方、ピストン収容室111の(−X)方向側が連通孔112を介して通路95と連通している。ピストン収容室111には、その連通孔112の開口部を囲む環状のシール材113が設けられている。また、ピストン収容室111にはピストン114が配置され、バネ部材115にてシール材113が連通孔112を閉鎖する。これにより、定常状態(同図(a))では、ピストン収容室111と通路95との連通が遮断されている。そして、収容空間73内の圧力が所定の目標圧力、つまりバネ部材115の付勢力を超える(同図(b)の加圧過剰時)と、バネ部材115が収縮してピストン収容室111と通路95とが連通し、収容空間73およびポンプ室81の空気が通路91、95およびピストン収容室111を介してキャリッジ6の周囲に排出されて収容空間73内の圧力が低下していく。やがて、目標圧力まで低下すると、バネ部材115の付勢力によりピストン114がシール材113を押し付けてピストン収容室111と通路95との連通が遮断される(同図(a)の定常時)。このように、本実施形態では、通路95および圧力調整弁110を設けることによって収容空間73内の圧力を簡易に目標圧力に調整することができる。なお、本実施形態では、通路95が本発明の「リリース用通路」として機能しているが、通路95を収容空間73に直接連通するように構成してもよい。また、もちろん、収容空間73の圧力を計測して該計測結果に基づき制御全体を制御する制御部30がキャリッジ6の移動を制御することでポンプ8による加圧動作を制御してもよい。
もう一方の弁、つまり加圧解除弁120においても、(+X)方向側がキャリッジ6の表面に開口するとともに(−X)方向側が通路95に連通した、ピストン収容室121が形成されている。また、ピストン収容室121の(+X)方向側には、キャリッジ6の表面に繋がる連通孔122が設けられるとともに、該連通孔122の開口部を囲む環状のシール材123が設けられている。また、ピストン収容室121にはピストン124が配置され、バネ部材125にてシール材123が連通孔122を閉鎖するとともに、ピストン124の先端部126が開口部からキャリッジ6の表面から突出している。これにより、キャリッジ6が加圧解除領域以外の領域にある場合には、ピストン収容室121とキャリッジ周囲との連通が遮断されている(同図(a)の定常状態)。一方、キャリッジ6が(+X)方向に移動して加圧解除領域に達すると、ピストン先端部126は加圧解除領域に固定配置された固定部(押圧受部や係合部)127に係合し、バネ部材125の付勢力に抗しながらピストン124を(−X)方向に押し遣る。その結果、ピストン収容室121とキャリッジ周囲とが連通し、収容空間73の空気が通路91、95およびピストン収容室121を介してキャリッジ6の周囲に排出されて収容空間73内の圧力が大気圧に戻される。このように、本実施形態では、通路95および加圧解除弁120を設けることによって加圧状態を適宜解除可能となっている。なお、本実施形態では、通路95が本発明の「加圧解除用通路」として機能しているが、通路95を収容空間73に直接連通するように構成してもよい。また、この実施形態では、通路95を「リリース用通路」および「加圧解除用通路」として兼用しているが、それぞれっ独立した通路を設けてもよい。
このような機械的構成を有する装置全体を制御するために、本実施形態にかかる装置は制御部30を有している。この制御部30は、図5に示すように、CPU31を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、後述する加圧処理や終了シーケンス(加圧解除処理)などを行うためのプログラムをはじめとする各種プログラム、各種データや各種テーブルなどを記憶したROM32と、一時的にデータを記憶するRAM33と、電気的に書き換え可能で電源を切ってもデータは保持されるフラッシュメモリ34と、プリンタ1中の作動部、操作パネル40、パソコンなどの外部装置などとの通信を可能とするインタフェース35と、操作パネル40に設けられた表示部40Aに描画すべき画像のデータを格納するグラフィックメモリ36とを備え、これらはバス37を介して互いに信号のやり取りが可能なように接続されている。また、この制御部30に対して、外部装置やメモリカードから画像ファイルなどが入力されるほか、操作パネル40の電源ボタン40Bなどのボタン群からの指令信号が入力される。さらに、制御部30は、上記プログラムにしたがって、プリンタ1の各部に配置された作動部(記録ヘッド5、紙送りモータM1、駆動モータM2など)に対して制御指令を与える。これによって、制御部30は装置各部を制御して次に説明する手順で加圧処理を実行する。
図6は図1のプリンタにおいて定期的に実行される加圧処理を示す図である。このプリンタ1では、印字を実行していくことによりインクパック71内のインクが消費されていき、収容空間73内の圧力が徐々に低下していく。その結果、「発明が解決しようとする課題」の項で説明したような問題が発生する。そこで、本実施形態では、定期的、例えば記録紙RMを100枚印字するたびに、ROM32に記憶された加圧処理プログラムにしたがってCPU31が装置各部を制御し、以下に説明する加圧処理を実行する。
このプリンタ1では、印字指令が与えられる(ステップS1)と、印字処理が実行される(ステップS2)。この印字処理を実行している間、キャリッジ6は記録領域(吐出範囲)を移動している。そして、印字後に加圧処理条件が成立したか否かが判断される(ステップS3)。この実施形態では、新品のインクカートリッジ装着後または前回の加圧処理後からの累積印字枚数が所定値(例えばA4サイズ換算で100枚)を超えると、収容空間73内の圧力が低下したと推定し、加圧処理条件に達したと判断する。ここで、「所定値」については上記した値に限定されるものではなく、印字条件などを考慮して任意に設定することができる。また、この実施形態では、累積印字枚数に基づき収容空間73内の圧力を推測しているが、他のパラメータにより収容空間73内の圧力を推測し、加圧処理条件を判断してもよい。さらに、収容空間73内の圧力を実測し、その実測値が所定値未満になると、加圧処理を実行するように構成してもよい。
このステップS3で加圧処理条件に達していないことが確認されると、キャリッジがホームポジション(図2)に移動され、停止する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻ってプリンタ1は次の印字指令の入力を待つ。一方、印字処理後に加圧処理条件は成立していることが確認されると、以下のステップS4〜S7を実行して収容空間73内の圧力を高めてインクカートリッジ7内を加圧状態に戻す。
この加圧処理を実行するために、キャリッジ6が(−X)方向に駆動され、記録領域(吐出範囲)から非記録領域(非吐出範囲)への移動が開始される(ステップS4)。こうしてキャリッジ6が非記録領域に移動してくると、やがて可動部82は非記録領域に固定配置された固定部(押圧受部や係合部)83に係合し、付勢部材の付勢力に抗しながらポンプ室81は収縮する。このとき、この収縮時にポンプ室81の容積が減少し、その容積減少に応じた量の空気がポンプ室81から空気導入通路91を介して収容空間73に送り込まれる(ステップS5;同図の右中段を参照)。なお、同図中の太線は空気の流れを示している。このようにキャリッジ6の(−X)方向への移動により蛇腹ポンプ8が作動して収容空間73に空気が送り込まれて、収容空間73内の圧力が上昇する。
そして、ポンプ室81が所定量だけ収縮されると、キャリッジ6の移動方向が反転され、(+X)方向へのキャリッジ6の移動が開始される(ステップS6)。そして、キャリッジ6が固定部83から離れるにしたがって、付勢部材の付勢力によりポンプ室81が伸張する。この伸張動作によりポンプ室81の容積が増大し、その容積増大に応じた量の空気がキャリッジ6の周囲から吸気通路93を介してポンプ室81に吸気される(ステップS7;同図の右下段を参照)。これにより、次の加圧処理に必要な空気がポンプ室81に充満されて次の加圧処理に対する準備が完了する。
この実施形態では、非記録領域へのキャリッジ6の移動によって収容空間73への空気圧送が実行されて収容空間73内の圧力が高められた後、キャリッジ6がホームポジション(図2)に移動され、停止する(ステップS8)。そして、ステップS1に戻ってプリンタ1は次の印字指令の入力を待つ。
以上のように、本実施形態では、インクカートリッジ7が気密状態の収容空間73を有するように構成するとともに、インクを貯留したインクパック71が収容空間73に配置されている。そして、この収容空間73に対して本発明の「加圧手段」に相当する蛇腹ポンプ8により空気を適宜送り込んで収容空間73内の圧力を高めるように構成している。したがって、インクパック71内のインクを確実に記録ヘッド5側に送り出すことができ、インクパック71内へのインクの残留を効果的に防止することができ、インクを無駄なく消費することができる。また、収容空間73内を加圧することでインクパック71内の圧力と記録ヘッド5内の圧力との差を高めることができるため、単位時間当たりのインク供給量を高めることができ、大量のインク供給が必要となる印字に対しても柔軟に対応することができる。さらに、本実施形態では、キャリッジ6の移動を利用してポンプ8を作動させて収容空間73への空気の圧送を行っているため、空気圧送のために電動ポンプを一般的に使用しているオフキャリッジタイプのプリンタに比べ、少ないエネルギーで、しかも省スペースで効率的な加圧処理を行うことができるという作用効果も有している。
また、キャリッジ6が非記録領域(非吐出範囲)を移動することによってポンプ8から空気を収容空間73に圧送するように構成しているので、記録領域(吐出範囲)では収容空間73内の圧力変動がなく、安定したインク噴出を行うことができる。その結果、必要に応じて収容空間73内の圧力が変動するものの、それに起因する印字品質の低下を防止することができる。
また、本実施形態では、圧力調整弁110が設けられ、加圧処理の実行により収容空間73内の圧力が予め設定した目標圧力を超えそうになると、リリース用通路95を介してキャリッジ周囲に空気が放出されて収容空間73内の圧力が目標圧力に調整される。このように、圧力調整弁110を設けることによって、収容空間73内の圧力が過剰に高まるのを防止し、該圧力を目標圧力に安定的に調整することができる。もちろん、圧力調整弁110を設ける代わりに収容空間73内の圧力を検出する圧力センサを別途設け、該圧力センサによる検出結果に基づき加圧処理を制御してもよい。
なお、この実施形態では、キャリッジ6が非記録領域を1往復することで収容空間73内の圧力を目標圧力に調整しているが、複数回往復させて収容空間73内の圧力調整を行うように構成してもよい。この点に関しては、後で説明する実施形態においても全く同様である。
ところで、本実施形態では適宜加圧処理を実行して収容空間73内を加圧状態に維持している。したがって、全ての印字処理を終了し、ユーザが電源を落とした後もインクカートリッジ7内を加圧状態に維持させることも可能である。しかしながら、インクカートリッジ7内が加圧状態となっているままインクカートリッジ7の取外しをユーザが行うと、インクが流出してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、ユーザが電源ボタン40Bを押下して装置電源を落とす際には、それに先立って以下に説明する終了シーケンス(加圧解除処理)を実行することで、収容空間73を大気開放して該空間内の圧力を大気圧に戻している。以下、この終了シーケンス(加圧解除処理)について図7を参照しつつ説明する。
図7は図1のプリンタにおいて定期的に実行される終了シーケンス(加圧解除処理)を示す図である。このプリンタ1では、電源ボタン40Bの押下により電源オフ指示が操作パネル40から制御部30に与えられる(ステップS11)と、制御部30のCPU31はROM32に記憶された処理プログラムにしたがって装置各部を以下のように制御した(ステップS12〜S16)上で電源を落としている(ステップS17)。
ステップS11で電源オフ指示が確認されると、キャリッジ6が加圧解除領域に移動される(ステップS12)。すると、加圧解除弁120のピストン先端部126が加圧解除領域に固定配置された固定部(押圧受部や係合部)127に係合し、加圧解除弁120が開成される(ステップS13)。これにより、収容空間73およびポンプ室81の空気が通路91、95およびピストン収容室121を介してキャリッジ6の周囲に排出されて収容空間73内の圧力が大気圧に戻される。
そして、加圧解除弁120の開成状態が所定時間だけ維持されて収容空間73の加圧解除が確実に行われた(ステップS14でYES)後、キャリッジ6は(−X)方向に移動されてホームポジションに移動位置決めされる(ステップS15)。このキャリッジ6の移動に伴い加圧解除弁120のピストン先端部126が固定部(押圧受部や係合部)127から離れて加圧解除弁120は閉成する。そして、ホームポジション位置で記録ヘッド5へのキャッピング動作が実行される(ステップS16)。こうした一連の加圧解除処理が完了すると、装置電源が落とされる(ステップS17)。
以上のように、この加圧解除処理の実行により、電源を落とす前にインクカートリッジ7内を大気圧状態に戻しているため、ユーザがインクカートリッジ7を抜いた場合であっても、インクカートリッジ7からインクが流出するのを確実に防止することができる。なお、この実施形態では、電源を落とす場合について説明したが、ユーザがインクカートリッジ7を交換する際に、ユーザからの交換指令に応じて上記加圧解除処理を実行するようにしてもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に、インクカートリッジ7の交換作業中に使用済カートリッジからのインク流出を確実に防止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、本発明の「加圧手段」として、いわゆる蛇腹ポンプ8を用いているが、キャリッジ6の移動に応じて収容空間73に空気を圧送することができる構成であれば、特に構成および配設位置などについては限定されるものではない。例えば図8や図9に示すように、ピストンポンプ8A、8Bを用いることができる。
図8は本発明にかかる流体噴射装置の他の実施形態を示す図である。このピストンポンプ8Aでは、(−X)方向側がキャリッジ6の表面に開口するとともに(+X)方向側が通路91に連通した、ピストン収容室84が形成されている。また、ピストン収容室84内には、ピストン85の先端部が(−X)方向側にキャリッジ6の表面から突出した状態で、ピストン収容室84内をX方向に往復移動可能にピストン85が収容されている。このように本実施形態では、ピストン85が本発明の「可動部」に相当している。また、このピストン85の後端とピストン収容室84とで挟まれたポンプ室81には、バネ部材86が設けられており、ピストン85を(−X)方向に付勢している。このため、キャリッジ6が(−X)方向に移動し、非記録領域に達すると、ピストン85の先端部が非記録領域に固定配置された固定部(押圧受部や係合部)83に係合し、バネ部材86の付勢力に抗しながらピストン収容室84に対して相対的にピストン85が(+X)方向に移動する。これによって、ポンプ室81の容積が減少し、その容積減少に応じた量の空気がポンプ室81から空気導入通路91を介して収容空間73に送り込まれる。一方、キャリッジ6が固定部83から離れる、つまり(+X)方向に移動するにしたがって、バネ部材86の付勢力によりピストン85がピストン収容室84に対して相対的に(−X)方向に移動する。これによって、ポンプ室81の容積が増大し、その容積増大に応じた量の空気がキャリッジ6の周囲から吸気通路93を介してポンプ室81に吸気される。このように、本実施形態では、キャリッジ6の移動によりピストンポンプ8Aが作動して収容空間73に空気を送り込み、収容空間73内の圧力を高めることができる。
図9は本発明にかかる流体噴射装置の別の実施形態を示す図である。この実施形態では、ピストン85の先端部が下方を向くようにキャリッジ6の(−X)方向下面にピストンポンプ8Bが取り付けられている。このようにピストンポンプ8A、8Bでは、配置位置が大きく相違している。しかしながら、両者の構成上の差異はピストン先端部の構成のみである。すなわち、ピストンポンプ8Bがピストンポンプ8Aと構成上大きく相違する点は、ピストン85の先端部にローラ87が取り付けられている点であり、それ以外の構成は基本的に同一である。したがって、同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
このように構成されたプリンタ1では、キャリッジ6が非記録領域に近づくと、ローラ87が本発明の「固定部」に相当する凸状カム部88に当接し、転動するように構成されている。そして、キャリッジ6が(−X)方向に移動して非記録領域に移動してくると、ローラ87が転動しながら凸状カム部88を登っていく。この動作に連動してピストン85はバネ部材86の付勢力に抗しながらピストン収容室84およびキャリッジ6に対して相対的に上方向に移動する。これによって、ポンプ室81の容積が減少し、その容積減少に応じた量の空気がポンプ室81から空気導入通路91を介して収容空間73に送り込まれる。一方、キャリッジ6が凸状カム部88を下っていくと、バネ部材86の付勢力によりピストン85がピストン収容室84およびキャリッジ6に対して相対的に下方向に移動する。これによって、ポンプ室81の容積が増大し、その容積増大に応じた量の空気がキャリッジ6の周囲から吸気通路93を介してポンプ室81に吸気される。このように、本実施形態では、ピストン85およびローラ87がいわゆるカムフォロアとして機能し、キャリッジ6の移動によりピストンポンプ8Bが作動して収容空間73に空気を送り込み、収容空間73内の圧力を高めることができる。
また、上記実施形態では、インクに混入した気体を脱気した、いわゆる脱気インクを貯留したインクパック71を収容空間73に配置したインクカートリッジ7を用いたプリンタ1に本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。インクの貯留態様としては、上記インクパック71を用いる以外に、例えば図10に示すように収容空間73内に仕切部材77を立設させ、該仕切部材77とカートリッジ本体72とで囲まれた空間にインクを貯留したプリンタがある。このようにカートリッジ本体72と仕切部材77とで本発明の「流体貯留部材」を構成し、該部材にインクを貯留した装置に対しても本発明を適用することができる。
さらに、本発明の適用対象は、上記プリンタ1に限らず、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置、マイクロピペット等の流体噴射装置にも適用することができる。つまり、オンキャリッジタイプの流体噴射装置全般に対し、本発明を適用することができる。
本発明の流体噴射装置の一実施形態であるプリンタを示す斜視図。 キャリッジの移動範囲を示す図。 図1の流体噴射装置の部分断面図。 リークユニット(加圧解除弁および圧力調整弁)の構成を示す図。 図1に示す流体噴射装置の電気的構成を示すブロック図。 図1のプリンタにおいて定期的に実行される加圧処理を示す図。 図1のプリンタにおいて定期的に実行される加圧解除処理を示す図。 本発明にかかる流体噴射装置の他の実施形態を示す図。 本発明にかかる流体噴射装置の別の実施形態を示す図。 本発明にかかる流体噴射装置のさらに別の実施形態を示す図。
符号の説明
1…プリンタ(流体噴射装置)、 5…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、 6…キャリッジ、 7…インクカートリッジ(流体貯留部)、 8、8A、8B…ポンプ(加圧手段)、 71…インクパック(流体貯留部材)、 73…収容空間、 81…ポンプ室、 82…可動部、 83…固定部、 85…ピストン(可動部)、 88…凸状カム部(固定部)、 91…空気導入通路、 92…第1逆止弁、 93…吸気通路、 94…第2逆止弁、 95…リリース用通路、 110…圧力調整弁、 120…加圧解除弁(加圧解除手段)、X…主走査方向

Claims (10)

  1. 気密状態の収容空間を有し、流体を貯留した流体貯留部材を前記収容空間に配置した流体貯留部と、
    前記流体貯留部材から供給される流体を噴射する流体噴射ヘッドと、
    前記流体噴射ヘッドが装着される装着部と、前記流体貯留部が着脱自在に取り付けられる着脱部と、該着脱部に取り付けられた前記流体貯留部の前記流体貯留部材から流体を受け取り前記流体噴射ヘッドに供給する流体供給通路が形成された本体部とを有し、所定の方向に往復移動するキャリッジと、
    前記キャリッジの移動により作動して前記収容空間に空気を送り込み、前記収容空間内の圧力を高める加圧手段と
    を備えたことを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記加圧手段により加圧された加圧状態となっている、前記収容空間から空気を排気して前記加圧状態を解除する加圧解除手段をさらに備えた請求項1記載の流体噴射装置。
  3. 前記加圧手段は、可動部の変位に応じてポンプ室の容積が変化することで空気を輸送するポンプであり、
    前記キャリッジ表面から前記可動部を突出した状態で前記ポンプが前記キャリッジに取り付けられ、前記キャリッジの移動に応じて前記可動部が変位されることによって前記ポンプ室内の容積が減少し、その容積減少に応じた量の空気が前記ポンプ室から前記収容空間に送り込まれる請求項1記載の流体噴射装置。
  4. 前記キャリッジは、前記流体噴射ノズルから流体を吐出させる吐出範囲と、該吐出範囲から外れた非吐出範囲とを含む移動範囲を移動する請求項3記載の流体噴射装置であって、
    前記非吐出範囲を臨み、前記キャリッジが前記非吐出範囲に移動してきた際に、前記ポンプの前記可動部と係合するように固定配置され、前記係合動作により前記可動部を変位させる固定部をさらに備えた流体噴射装置。
  5. 前記キャリッジの前記本体部には、前記ポンプから送り出される空気を前記収容空間に導く空気導入通路と、該空気導入通路において前記ポンプから前記収容空間への通気を許容する一方で逆の通気を阻止する第1逆止弁とが設けられている請求項3または4記載の流体噴射装置。
  6. 前記キャリッジの前記本体部には、前記空気導入通路と前記キャリッジ周囲とを連通するリリース用通路と、圧力調整弁とが設けられ、
    前記圧力調整弁は、前記リリース用通路上での圧力が予め設定した目標圧力を超えたときにリリース用通路を介して前記キャリッジ周囲に空気を放出して前記収容空間内の圧力を前記目標圧力に調整する請求項5記載の流体噴射装置。
  7. 前記キャリッジの前記本体部には、前記空気導入通路と前記キャリッジ周囲とを連通する加圧解除用通路と、加圧解除弁とが設けられ、
    前記加圧解除弁を開くことによって、前記加圧手段により加圧された加圧状態にある、前記収容空間から前記空気導入通路および前記加圧解除用通路を介して空気が前記キャリッジ周囲に放出されて前記加圧状態が解除される請求項5または6記載の流体噴射装置。
  8. 前記キャリッジの前記本体部には、前記キャリッジ周囲と前記ポンプ室とを連通する吸気通路と、第2逆止弁とが設けられ、
    前記第2逆止弁は、前記キャリッジの移動に応じて前記可動部が変位されることによって前記ポンプ室内の容積が増大した際に、その容積増大に応じた量の空気が前記キャリッジ周囲から前記吸気通路を介して前記ポンプ室に吸気されるのを許容する一方で逆の通気を阻止する請求項5ないし7のいずれかに記載の流体噴射装置。
  9. 流体を貯留する流体貯留部材を配置するために流体貯留部に設けられた、気密状態の収容空間に空気を送り込んで前記収容空間内の圧力を高める加圧工程と、
    流体噴射ヘッドを有するキャリッジに前記加圧工程により前記収容空間が加圧状態となっている前記流体貯留部を取り付けた状態で、該キャリッジを往復移動しながら、前記流体貯留部材から供給される流体を前記流体噴射ヘッドから噴射する流体噴射工程とを備え、
    前記加圧工程は、前記キャリッジの移動により加圧手段を作動させて前記キャリッジ周囲の空気を前記加圧手段から前記収容空間に送り込み、前記収容空間内の圧力を高める工程であることを特徴とする流体噴射方法。
  10. 前記加圧手段により加圧された加圧状態にある、前記収容空間から空気を排気して前記加圧状態を解除する加圧解除工程をさらに備えた請求項9記載の流体噴射方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014076596A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Seiko Epson Corp インクジェットプリンターのインク供給制御方法およびインクジェットプリンター

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