JP2008229945A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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千代茂 中澤
Takashi Koyanagi
崇 小柳
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景多▲郎▼ 中野
Akio Ito
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Abstract

【課題】記録媒体上へ厚膜で印刷した場合、またはインク組成物の色材含有量が高い場合でも、インク塗膜を重合速度で十分に硬化させることができるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】記録媒体に、少なくとも色材と光重合開始剤とを含有するインク組成物Aを付着させて紫外線を照射した後、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤と重合促進剤とを含有するインク組成物Bを付着させて紫外線を照射して、紫外線硬化を行い画像を形成するインクジェット記録方法において、前記インク組成物Aを付着させた後に照射する紫外線のピーク波長が、前記インク組成物Bを付着させた後に照射する紫外線のピーク波長よりも長いことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳細には、二液のインク組成物を用いて、記録媒体上へ厚膜で印刷した場合、またはインク組成物の色材含有量が高い場合でも、インク塗膜を十分に硬化させることができるインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度、高品位な画像を、高速で印刷することができるという特徴を有するものである。インクジェット記録方法に使用されるインク組成物は、水性溶媒を主成分とし、これに着色成分および目詰まりを防止する目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
一方、水性インク組成物が浸透し難い紙、布類、または浸透しない金属、プラスチック等の素材、例えばフェノール、メラミン、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネートなどの樹脂から製造される板、フィルムなどの記録媒体に印字する場合、インク組成物や反応液には、色剤が安定して記録媒体に固着できる成分を含有することが要求される。
この様な要求に対しては、色剤、紫外線硬化剤(重合性化合物)、(光)重合開始剤等を含んでなる紫外線硬化インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このインクによれば、記録媒体へのインクの滲みを防止し、画質を向上させることができるとされている。この特許文献1に記載の紫外線硬化型インクは1液型のものであった。
しかしながら、1液型の紫外線硬化型インク組成物を記録媒体へ付着させた後紫外線を照射して該インクを硬化させる工程において、インク塗膜の外側(表面)だけが硬化し、その内部は硬化せず液体のままで残るという現象がしばしば認められた。これは紫外線がインクの塗膜表面のみで吸収されてしまい内部まで到達しない事が原因である。また逆に内部だけ硬化して表面が硬化しない場合も認められる。これは重合速度が低い場合に多く認められる現象で、表面からの酸素の浸透による重合阻害が原因と考えられる。
そこで、これを改良する為に、複数の光重合開始剤を組み合わせる方法が良く使用されている。即ち開始剤効率の高い光重合開始剤(表面硬化に適している、酸素の浸透による重合阻害の影響を抑える事が出来る)とフォトブリーチング効果(光を吸収して光重合開始剤が開裂すると、分解後の開始剤残渣は紫外線を吸収しなくなり、内部への紫外線透過を妨げなくなる)を有する内部硬化に適した光重合開始剤を組み合わせるというものである。
米国特許第5623001号明細書
しかしながら、この光重合開始剤を組み合わせた場合でも、1液型のインク組成では記録媒体上へ厚膜で印刷した場合、またはインク組成物中の色材含有量が多い場合では、紫外線が色材に吸収・反射・散乱され易くなる為、紫外線がインク塗膜内部まで透過し難いので重合反応が進行せず、硬化不十分となったりする。そこで光重合開始剤の添加量を増やすと、インク塗膜中で紫外線が吸収され過ぎ、内部まで紫外線が透過せず、硬化が不良になるという悪循環が生じる。
そこで本発明では2種類以上の紫外線硬化インク組成物を使用し、これを組み合わせる事で問題を解決している。一方のインク組成物にフォトブリーチング効果(光を吸収して光重合開始剤が開裂すると、分解後の開始剤残渣は紫外線を吸収しなくなり、内部への紫外線透過を妨げなくなる)を有する内部硬化に適した光重合開始剤を多く含むインク組成物と他方のインク組成物に開始剤効率の高い光重合開始剤(表面硬化に適している、酸素の浸透による重合阻害の影響が少ない)及び微粒子表面に重合性官能基を導入したタイプの重合促進剤(重合速度を向上させる事が出来る)を含むインク組成物を組み合わせる事で、上記硬化不良の問題を解決した。
本発明は、上記従来の技術の欠点を克服し、記録媒体上へ厚膜で印刷した場合、またはインク組成物の色材含有量が多くなった場合でも、記録媒体に形成した記録画像の表面および内部の何れも、十分に硬化させることができるインクジェット記録方法を提供しようとするものである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を採用することによって、上記目的が達成され、本発明を成すに至った。
即ち本発明は、以下の通りである。
(1)記録媒体に、少なくとも色材と光重合開始剤とを含有するインク組成物Aを付着させて紫外線を照射した後、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤と重合促進剤とを含有するインク組成物Bを付着させて紫外線を照射して、紫外線硬化を行い画像を形成するインクジェット記録方法において、前記インク組成物Aを付着させた後に照射する紫外線のピーク波長が、前記インク組成物Bを付着させた後に照射する紫外線のピーク波長よりも長いことを特徴とするインクジェット記録方法。
(2)前記重合促進剤が、重合性官能基を有する微粒子であることを特徴とする前記(1)のインクジェット記録方法。
(3)前記インク組成物Aに含有される光重合開始剤は、アシルフォスフィンオキサイドを主成分とすることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
(4)前記インク組成物Bに含有される光重合開始剤は、α−アミノケトンを主成分とすることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
本発明のインクジェット記録方法は、使用するインクを2液に分け、一方に色材と内部硬化に適した光重合開始剤とを含有させ(インク組成物A)、他方に重合性化合物と表面硬化に適した光重合開始剤と重合促進剤とを含有させ(インク組成物B)、インク組成物Aを記録媒体上に吐出した後に紫外線を照射し、続いてインク組成物Bを吐出し、、紫外線を照射する。これにより、インク組成物Aが記録媒体上に色材層を形成し、インク組成物Bが該色材層上に透明の保護層を形成する。色材層を形成するインク組成Aには内部硬化性に適した光重合開始剤を用い、透明の保護層を形成するインク組成物Bは、表面硬化に適した光重合開始剤を用いること、また微粒子表面に重合性官能基を導入した重合促進剤を用いる事で、重合速度を向上させ、酸素の浸透による重合阻害の影響を抑える事で速やかにインク塗膜表面を硬化させることができ、また、必要最低限の開始剤添加量で済む。
そして、照射する紫外線について、インク組成物Aを付着させた後と、インク組成物Bを付着させた後で、それぞれのインク組成物に含有される光重合開始剤に適したピーク波長を有する紫外線を照射することで、印字速度を上げても印字物の品質を維持することができる。
以下、本発明のインクジェット記録方法について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも色材と内部硬化性の光重合開始剤とを含有するインク組成物Aと、少なくとも重合性化合物と表面硬化性の光重合開始剤と重合促進剤とを含有するインク組成物Bとの、2液を用いる。
またインク組成物Aは画像形成プロセスに必要なだけ用意される。例えば、4色によりフルカラー画像を形成する記録装置であれば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色が必要となる。その他にも必要に応じて、ライトマゼンタ、ライトシアン、グレイ等の淡色インク、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、ヴァイオレット等の中間色や特色と呼ばれるインク、ホワイト、メタリック等の特殊なインクも使用可能である。
なお、インク組成物Aは色材を含んでいることから単に「インク組成物」と称し、インク組成物Bは色材を含んでいないことから「透明インク組成物」と称することもある。
本発明のインクジェット記録方法に用いるインク組成物Aは、内部硬化性が高くなるように光重合開始剤を含有し、インク組成物Bは表面硬化性が高くなるように光重合開始剤を含有するものである。
このようなインク組成物AおよびBに含まれる光重合開始剤とは、例えば、200nm〜450nm程度の領域の紫外線及び可視光を吸収しラジカルまたはイオンを生成して重合性化合物の重合を開始させるものである。
本発明のインク組成物AおよびBに用いられる光重合開始剤は、代表的なものとして、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ベンジル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ポリ塩化ポリフェニル、ヘキサクロロベンゼン等が挙げられ、好ましくは、イソブチルベンゾインエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムである。
また、Vicure10、30(Stauffer Chemical社製)、Irgacure184、651、2959、907、369、1700、1800、1850、819、Darocure1173(チバスペシャルティケミカルズ社製)、QuantacureCTX、ITX(Aceto Chemical社製)、Lucirin TPO(BASF社製)の商品名で入手可能な光重合開始剤も使用することができる。
前述の通り、本発明のインクジェット記録方法に用いるインク組成物Aの内部硬化性が高くなるように光重合開始剤を含有させるには、例えば、該インク組成物Aに含有される光重合開始剤の主成分をアシルフォスフィンオキサイドとすることが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイドとしては、365nm以上の波長に吸収を有するもので、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられ、これは、Irgacure819(チバスペシャルティケミカルズ社製)の商品名で入手可能である。
また、本発明のインクジェット記録方法に用いるインク組成物Bの表面硬化性が高くなるように光重合開始剤を含有させるには、例えば、該インク組成物Bに含有される光重合開始剤の主成分をα−アミノケトンとすることが好ましい。
α−アミノケトンとしては、365nm以上の波長に吸収を有するもので、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられ、これは、Irgacure369(チバスペシャルティケミカルズ社製)の商品名で入手可能である。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインク組成物Aに含まれる色材は、染料、顔料のいずれであってもよいが、印刷物耐久性の面から顔料の方が有利である。
本発明で使用される染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
本発明で使用される顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料は、分散剤または界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインク組成物Aに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれる分散剤および界面活性剤がインク組成物Aの分散剤および界面活性剤としても機能することは当業者に明らかであろう。
インク組成物Aにおける色材の添加量は、0.1重量%〜25重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは0.5重量%〜15重量%程度の範囲である。
本発明のインク組成物Aには、水性溶媒を含んでいてもよい。更に任意の成分として、樹脂エマルジョン、無機酸化物コロイド、湿潤剤、pH調製剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインク組成物Bに含まれる重合性化合物とは、光重合開始剤から生成するラジカルまたはイオンにより重合されるものであれば特に限定されない。
本発明のインク組成物に含まれる重合性化合物として、例えばモノマーが挙げられる。モノマーとは、高分子の基本構造の構成単位となり得る分子をいう。また本発明において用いられるモノマーは光重合性モノマーとも呼ばれ、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレートが含まれる。
本発明において用いられるモノマーは、代表的なものとして、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピオペリン酸エステルネオペンチンルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、アクロイルモルホリン、2−フェノキシエチルアクリレート、フタル酸水素−(2,2,2−トリアクロイルオキシメチル)エチル、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート、N−ビニルフォルムアミド、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセリンEO付加物トリアクリレート等が挙がられ、好ましくは、アクロイルモルホリン、2−フェノキシエチルアクリレート、フタル酸水素−(2,2,2−トリアクロイルオキシメチル)エチル、ジペンタエリストールポリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート、N−ビニルフォルムアミド、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセリンEO付加物トリアクリレートである。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインク組成物Bに含まれる重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートが挙げられ、Darocure EHA(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の商品名で入手が可能である。
また、その他の重合促進剤としては、重合性官能基を有する微粒子等が挙げられる。
重合性官能基を導入した微粒子の重合促進機構としては、明確ではないが、紫外線を吸収し、開裂した光重合開始剤により生成したラジカルが、微粒子表面にトラップされて安定化し、微粒子表面へ導入された重合性官能基及び表面に吸着されたモノマーと容易に重合反応を開始する事により重合反応を促進するものと推測される。
重合性官能基を有する微粒子とは、特に限定されないが、一般的に体質顔料と称されるもので、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化カルシウム等の無機化合物が例示され、特に、シリカ、アルミナ等の透明なものも好適に使用できる。
また、該微粒子が有する重合性官能基としては、特に限定されず、アクリロイル基、メタクリロイル基等が例示され、さらに、1つ以上の二重結合を有する重合性官能基とすることも可能である。
該微粒子の大きさとしては、特に限定されないが、粒径が10nm〜100nmのものが好ましい。
該重合性官能基を有する微粒子の調製方法は、特に限定されないが、テトラエトキシシラン等のシラン化合物のゾルゲル反応によって、水酸基等を多数有するシリカ微粒子を作製し、該水酸基に重合性官能基を付与できるような化合物(シランカップリング剤)と反応させる方法が挙げられる。
本発明のインク組成物Bにおける、該重合性官能基を有する微粒子の含有量としては、特に限定されず、使用形態、条件、インク組成物の粘度と重合性の関係等に応じて適宜選択されるべきものであるが、インク組成物全量に対し10質量%以下であることが好ましい。
本発明のインク組成物Bには、水性溶媒を含んでいてもよい。更に任意の成分として、多価金属塩、またはポリアリルアミン若しくはその誘導体、湿潤剤、pH調製剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
また、本発明のインク組成物AおよびBは、25℃での粘度の差が2mPa・s以下であることが、インクジェット記録における取り扱い性上好ましい。
また、本発明のインク組成物AおよびBは、双方とも有機溶剤を含まず、無溶剤型のインク組成物であることが更に好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体上にインク組成物Aを吐出し、紫外線を照射し、その後インク組成物Bを吐出し、紫外線を照射するものである。
紫外線の照射量は、10mJ/cm2以上、10,000mJ/cm2以下であり、また好ましくは50mJ/cm2以上、6,000mJ/cm2以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができる。
紫外線照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
また、本発明のインクジェック記録方法では、紫外線光照射前、同時またはその後に加熱してもよい。加熱は、記録媒体に熱源を接触させて加熱する方法、赤外線やマイクロウェーブ(2,450Mhz程度に極大波長を持つ電磁波)などを照射し、または熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触させずに加熱する方法などが挙げられる。
更に本発明によるインクジェット記録方法を実施する記録装置を説明する。
図1のインクジェット記録装置は、インク組成物Aとインク組成物Bとを記録媒体に付着させる手段と、それらを付着させる手段の駆動系と、記録媒体を移動させる手段と、記録媒体に紫外線照射と加熱する手段と、クリーニング手段と、から構成されている。
本発明の、インク組成物Aを有するインクタンク2aおよびインク組成物Bを有するインクタンク2bとチューブ3で連結された記録ヘッド1a(および1b)は、キャリッジ4に沿ってモータ5で駆動されるタイミングベルト6によって矢印A方向に移動する。その移動の間に、記録ヘッド1aのノズル面からインク組成物Aが吐出され、プラテン8およびガイド9によって記録ヘッド1aと対面する位置に置かれている記録媒体7に付着する。次に記録媒体7は、紙送り方向矢印Bに所定量移送される。その間、記録ヘッド1a(および1b)は図中で矢印Aと逆方向に移動し、記録媒体7の左端の位置に戻る。そして、すでにインク組成物Aが付着している記録媒体に記録ヘッド1bのノズル面からインク組成物Bが吐出されて、印字が行なわれる。印字された記録媒体7はさらに紙送り方向矢印Bに所定量移送されて、紫外線照射手段15による紫外線照射およびヒータ14による加熱処理を受ける。これらの処理を受けた記録媒体7の表面上では、インク組成物A及びインク組成物Bが硬化反応を起こし色材が記録媒体7上で固着する。印字処理がされた記録媒体7は紙送り方向矢印Bにさらに移送される。なお、本装置には吸引ポンプ11が連結されたキャップ10を有しており、これらの機構によりクリーニング操作が行われる。吸引されたインク組成物等はチューブ12を介して廃インクタンク13に貯められる。
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1インク組成Aの色材として使用する二酸化チタン微粒子の製法
チタン含有鉱石を硫酸で溶かして硫酸チタン溶液を得る。この硫酸チタン溶液を加水分解して得た含水酸化チタンに、TiO2の100質量部に対してリン酸アンモニウムを0.50質量部、硫酸カリウムを0.30質量部、硫酸アルミニウムを0.30質量部添加し、含水酸化チタンを生成物温度が1,020℃になるまで実験室用回転マッフル炉内で加熱した。生成した二酸化チタン微粒子を室温に冷却し、透過型電子顕微鏡写真で観測したところ、平均一次粒子径が0.13μmであるアナターゼ型であることが判った。この表面処理された二酸化チタン微粒子1500gとイソプロピルアルコール(以下、IPA)1000gを混合し、サンドミル(安川製作所製)でジルコニウムビーズ(1.0mm)をスラリーの1.5倍量を充填し、2時間分散させた後、ビーズを取り除きインクジェット用白色インクに用いる二酸化チタン微粒子の60wt%IPA分散液を
得た。
2.インク組成物Aとしての白色インク組成物(W1)
N−ビニルフォルムアミド(ビームセット770 荒川化学工業(株)製);60重量部
トリプロピレングリコールジアクリレート(アロニックスM−220 東亜合成(株)製);30重量部
Irgacure819(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株));3.0重量部
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株));1重量部
上記二酸化チタン微粒子;6重量部
3.上記白色インク組成物(W1)の製法
300mL容丸底フラスコにビームセット770 140重量部、上記二酸化チタン微粒子のIPA分散液 100重量部を加えロータリーエバポレーターを用いてIPAを留去し、二酸化チタン微粒子を30wt%含むモノマー分散液を得た。遮光性を有する容器にモノマー分散液20重量部を加え、ビームセット770 46重量部、アロニックス M−220 30重量部、Irgacure 819 3.0重量部、Darocur EHA 1重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌・混合して白色インク組成物(W1)を調製した。
4.インク組成物Bとしての透明インク組成物(T1)
N−ビニルフォルムアミド(ビームセット770 荒川化学工業(株)製);59重量部
トリプロピレングリコールジアクリレート(アロニックスM−220 東亜合成(株)製);20重量部
グリセリンEO付加物トリアクリレート(NKエステル A−Gly−3E 新中村化学(株)製);10重量部
Irgacure369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株));4.0重量部
Darocur EHA(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株));1.0重量部
重合性微粒子1;6.0重量部
5.上記重合性微粒子1の製法
シリカゾルIPA−ST(日産化学工業(株)製、シリカ濃度30wt%のイソプロピルアルコール(以下IPAと略す)分散液)88.1重量部を200mL三角フラスコに加え、シランカップリング剤 サイラエースS710(チッソ(株)製)7.9重量部を添加した。マグネティックスターラーで攪拌しながら0.05mol/L濃度の塩酸を4重量部添加し、室温で24時間攪拌しながら反応を行った。その結果、重合性微粒子1を含むIPA分散液を得た。
6.透明インク組成物(T1)の製法
300mL丸底フラスコにN−ビニルフォルムアミド(以下NVF) 70重量部、上記分散液 100重量部を加え、ロータリーエバポレーターを用いてIPAを留去し、重合性微粒子1を30wt%含むモノマー溶液を得た。
続いて容量100mLの遮光性サンプル瓶に、このモノマー溶液を20重量部加え、NVF 45重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート 20重量部、グリセリンEO付加物トリアクリレート 10重量部、Irgacure369 4.0重量部、Darocur EHA 1重量部を添加し、マグネティックスターラーで1時間攪拌して透明インク組成物(T1)を調製した。
7.硬化性試験
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタPM−G900を利用し、上記のインク組成物W1およびT1をそれぞれ別のノズル列に充填し、常温・常圧下にて吐出する条件でベタパターン印刷を実施した。この場合白色インク組成物W1(インク組成物A)が記録媒体に付着してから、下記照射装置1で紫外線照射をし、さらに透明インク組成物T1(インク組成物B)を付着させ下記照射装置2で紫外線を照射して画像を形成した。
記録媒体にはA4サイズのOHPフィルム(富士ゼロックス(株)製、XEROX FILM<枠なし>を用い、通常よりも速い印刷モードで印刷をした。
画像の硬化性は外観にて目視評価した。
なお実験に用いた紫外線照射装置は、以下の2種である。
照射装置1:
E1S40−0P0C6−01(豊田合成社製)
出力2mW、ピーク波長395nm
照射条件 22mW/cm2、積算光量 264mJ/cm2
照射装置2:
光源 紫外線LED UCCU033(日亜化学工業(株)製)、
出力 100mW、ピーク波長 365nm
照射条件 1.5mW/cm2、積算光量 90mJ/cm2
硬化性 評価指標
○:表面も内部も完全に硬化。
△:表面のみ硬化して内部が液状である状態、
または、内部のみ硬化して表面が硬化していない状態、
または、表面に硬化する部分と硬化しない部分が混在し、不均一な状態。
×:硬化せず、液状のまま。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 2008229945
本発明によるインクジェット記録方法の実施に好ましく用いられるインクジェット記録装置を示す図。
符号の説明
1a…記録ヘッド、1b…記録ヘッド、2a…インクタンク、2b…インクタンク、3…チューブ、4…キャリッジ、5…モータ、6…タイミングベルト、7…記録媒体、8…プラテン、9…ガイド、10…キャップ、11…吸引ポンプ、12…チューブ、13…廃インクタンク、14…ヒータ、15…紫外線照射手段。

Claims (4)

  1. 記録媒体に、少なくとも色材と光重合開始剤とを含有するインク組成物Aを付着させて紫外線を照射した後、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤と重合促進剤とを含有するインク組成物Bを付着させて紫外線を照射して、紫外線硬化を行い画像を形成するインクジェット記録方法において、前記インク組成物Aを付着させた後に照射する紫外線のピーク波長が、前記インク組成物Bを付着させた後に照射する紫外線のピーク波長よりも長いことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記重合促進剤が、重合性官能基を有する微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク組成物Aに含有される光重合開始剤は、アシルフォスフィンオキサイドを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物Bに含有される光重合開始剤は、α−アミノケトンを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019162753A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 株式会社リコー 硬化型組成物、硬化型インク、収容容器、及び液体吐出装置、及び液体吐出方法

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