JP2008229539A - 静電噴霧装置 - Google Patents

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衛 奥本
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Abstract

【課題】噴霧溶液を霧化して噴霧する噴霧ノズル(12)と、この噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)とを備えた静電噴霧装置(10)において、電界調整用の接地電極(14)への噴霧物質の付着を防止する。
【解決手段】接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界の不平等性を利用して噴霧ノズルの先端から噴霧溶液を噴霧する静電噴霧装置に関し、特に、電界調整用の接地電極の構造に関するものである。
従来、図8に示すように、静電噴霧において噴霧ノズル(12)の近傍の電界強度を増強させるために、電界調整用の接地電極(14)を噴霧ノズル(12)の近傍に配置することがある。この場合、帯電した噴霧粒子が、図8の矢印Aに示すようにクーロン力の作用を受けて接地電極(12)に吸引されてしまい、この接地電極(12)に付着することがある。これに対して、特許文献1には、リング状の接地電極を噴霧方向と反対側に配置することで、接地電極への噴霧溶液の付着を抑制するようにしている。
特開2006−247454号公報
このような配置にすると接地電極(12)への噴霧物質の付着速度を抑えることは可能であると考えられる。しかし、この場合でも、図9に示しているように、接地電極(14)に噴霧溶液が一旦付着して該噴霧溶液中の噴霧物質が固体として析出してしまうと電極間距離が短縮されることになるために、図10のグラフに示すように付着量が加速度的に増大してしまうおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電噴霧装置において電界調整用の接地電極に噴霧物質が付着するのを防止することである。
第1の発明は、噴霧溶液を霧化して噴霧する噴霧ノズル(12)と、該噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)とを備えた静電噴霧装置を前提としている。
そして、この静電噴霧装置は、上記接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)を備えていることを特徴としている。
この第1の発明では、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記固化抑制機構(15)が、上記接地電極(14)の表面を濡らす液供給機構(16)により構成されていることを特徴としている。
この第2の発明では、接地電極(14)の表面に水などの液体が供給されるため、接地電極(14)の表面が濡れた状態に維持される。そのため、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。
第3の発明は、第1の発明において、上記固化抑制機構(15)が、接地電極(14)に導電性液体(18)を用いて構成されたものであることを特徴としている。
この第3の発明では、接地電極(14)が導電性液体(18)により構成されているので、接地電極(14)の表面が濡れた状態に維持される。そのため、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。
第4の発明は、噴霧溶液を霧化して噴霧する噴霧ノズル(12)と、該噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)とを備えた静電噴霧装置を前提としている。
そして、この静電噴霧装置は、上記接地電極(14)の表面に付着した噴霧物質を除去する除去機構(19)を備えていることを特徴としている。
この第4の発明では、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着して噴霧物質が析出しても、除去機構(19)により噴霧物質が除去される。したがって、接地電極(14)の表面に噴霧物質が堆積するのを防止できる。
第5の発明は、第4の発明において、上記除去機構(19)を予め定められた時期に駆動する駆動機構(20)を備えていることを特徴としている。
この第5の発明では、静電噴霧装置の運転中に、除去機構(19)が予め定められたタイミングで駆動機構(20)によって駆動される。したがって、除去機構(19)の動作時に接地電極(14)の表面に噴霧物質が析出していても、除去機構(19)によって噴霧物質が除去される。
第6の発明は、第4または第5の発明において、上記駆動機構(20)が、上記接地電極(14)を回転させる回転駆動部材(21)と、該接地電極(14)に接触するように配置された噴霧物質除去部材(22)とを備えていることを特徴としている。
この第6の発明では、接地電極(14)に付着した噴霧物質は、接地電極(14)が回転することにより、該接地電極(14)に接触している噴霧物質除去部材(22)により除去される。
第7の発明は、第6の発明において、上記接地電極(14)が円盤状電極(14a)により構成されていることを特徴としている。
この第7の発明では、円盤状の接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより噴霧物質除去部材(22)によって除去される。
第8の発明は、第6の発明において、上記接地電極(14)が不連続に配置された複数の突状電極(14b)を備えていることを特徴としている。突条電極(14b)としては、複数の針状の電極や棒状の電極を互いに平行に配置して用いることができる。
この第8の発明では、接地電極(14)を例えば複数の針状の部材により形成することができる。そして、この接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより噴霧物質除去部材(22)によって除去される。
第9の発明は、第6から第8の発明の何れか1つにおいて、上記噴霧物質除去部材(22)が、上記接地電極(14)の回転中に該接地電極(14)を部分的に払拭するブラシ(23)により構成されていることを特徴としている。
この第9の発明では、ブラシ(23)が噴霧物質除去部材(22)として接地電極(14)に接触している。したがって、接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより噴霧物質除去部材(22)であるブラシ(23)に払拭されて除去される。
第10の発明は、第6から第8の発明の何れか1つにおいて、上記噴霧物質除去部材(22)が、上記接地電極(14)の回転中に該接地電極(14)が部分的に浸漬される溶液を貯留した洗浄タンク(24)により構成されていることを特徴としている。
この第10の発明では、接地電極(14)が部分的に浸漬される溶液を貯留した洗浄タンク(24)を噴霧物質除去部材(22)として用いている。したがって、接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより噴霧物質除去部材(22)である洗浄タンク(24)内で洗浄されて除去される。
第11の発明は、第1から第10の発明の何れか1つにおいて、噴霧ノズル(12)から噴霧される噴霧溶液には、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液から噴霧物質が析出するのを抑制する析出抑制剤が含まれていることを特徴としている。
この第11の発明では、噴霧された噴霧溶液が電界調整用の接地電極(14)に付着しても、噴霧溶液中に析出抑制剤が含まれているため、接地電極(14)上に噴霧物質が析出しないので、固化抑制機構(15)との相乗効果により接地電極(14)上での噴霧物質の析出を確実に防止できる。
第12の発明は、第11の発明において、析出抑制剤が、噴霧溶液を液体状態に維持する液状維持剤であることを特徴としている。この液状維持剤としては、沸点が水及びアルコールの沸点より高いものや、粘性が水及びアルコールの粘性より高いものを用いることができる。具体的な材料としては、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などを挙げることができる。
この第12の発明では、析出抑制剤として、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などの液状維持剤を用いたことにより、接地電極(14)上に噴霧物質が析出しないので、固化抑制機構(15)との相乗効果により接地電極(14)上での噴霧物質の析出を確実に防止できる。なお、液状維持剤を含む溶液は、沸点が水及びアルコールの沸点より高いものや、粘性が水及びアルコールの粘性より高いものを用いるとよい。そうすれば、溶液が蒸発しにくくなり、噴霧物質の析出を抑制できる。
第13の発明は、第11の発明において、析出抑制剤が、空気中の水分を吸収して該水分に潮解する吸湿剤であることを特徴としている。この吸湿剤の具体的な材料としては、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などを挙げることができる。
この第13の発明では、析出抑制剤である塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などの吸湿剤が、空気中の水分を吸収して該水分に潮解することにより噴霧溶液が液体状態に維持される。その結果、噴霧物質の析出を抑制できるので、固化抑制機構(15)との相乗効果により接地電極(14)上での噴霧物質の析出を確実に防止できる。
本発明によれば、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)を設けたことにより、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。したがって、噴霧物質が析出すると電極間距離が短縮されて付着量が加速度的に増大してしまうが、そのような問題を防止できる。
上記第2の発明によれば、固化抑制機構(15)を、接地電極(14)の表面にを濡らす液供給機構(16)により構成したことにより、接地電極(14)の表面が濡れた状態に維持されるため、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。
上記第3の発明によれば、接地電極(14)に導電性液体(18)を用いて固化抑制機構(15)を構成したことにより、接地電極(14)の表面が濡れた状態に維持されるため、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。
上記第4の発明によれば、接地電極(14)の表面に付着した噴霧物質を除去する除去機構(19)を設けたことにより、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着して噴霧物質が析出しても、除去機構(19)により噴霧物質が除去されるため、接地電極(14)の表面に噴霧物質が堆積するのを防止できる。
上記第5の発明によれば、静電噴霧装置の運転中に、除去機構(19)が予め定められたタイミングで駆動機構(20)によって駆動されるため、除去機構(19)の動作時に接地電極(14)の表面に噴霧物質が析出していても、除去機構(19)によって噴霧物質が除去される。
上記第6の発明によれば、駆動機構(20)に、接地電極(14)を回転させる回転駆動部材(21)と、接地電極(14)に接触するように配置された噴霧物質除去部材(22)とを設けたことにより、接地電極(14)に付着した噴霧物質は、接地電極(14)が回転することにより、該接地電極(14)に接触している噴霧物質除去部材(22)により除去される。
上記第7の発明によれば、円盤状の接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより噴霧物質除去部材(22)によって除去される。
上記第8の発明によれば、接地電極(14)を例えば複数の針状の部材により形成した場合に、この接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより噴霧物質除去部材(22)によって除去される。
上記第9の発明によれば、ブラシ(23)が噴霧物質除去部材(22)として接地電極(14)に接触しているため、接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることによりブラシ(23)に払拭されて除去される。
上記第10の発明によれば、接地電極(14)が部分的に浸漬される溶液を貯留した洗浄タンク(24)を噴霧物質除去部材(22)として用いているため、接地電極(14)の表面に噴霧物質が付着しても、噴霧物質は接地電極(14)を回転させることにより洗浄タンク(24)内で洗浄されて除去される。
上記第11の発明によれば、噴霧された噴霧溶液が電界調整用の接地電極(14)に付着しても、噴霧溶液中に析出抑制剤が含まれているため、接地電極(14)上に噴霧物質が析出しないので、固化抑制機構(15)との相乗効果により接地電極(14)上での噴霧物質の析出を確実に防止できる。
上記第12の発明によれば、析出抑制剤として、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などの液状維持剤を用いたことにより、接地電極(14)上に噴霧物質が析出しないので、固化抑制機構(15)との相乗効果により接地電極(14)上での噴霧物質の析出を確実に防止できる。
上記第13の発明によれば、析出抑制剤である塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などの吸湿剤が、空気中の水分を吸収して該水分に潮解することにより噴霧溶液が液体状態に維持される。その結果、噴霧物質の析出を抑制できるので、固化抑制機構(15)との相乗効果により接地電極(14)上での噴霧物質の析出を確実に防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
この実施形態1の静電噴霧装置は、電界の不平等性を利用して噴霧溶液を噴霧するものである。図1に示すように、この静電噴霧装置(10)は、噴霧溶液を貯留するタンク(11)と、このタンク(11)内の空間に連通するように設けられた噴霧ノズル(12)と、この噴霧ノズル(12)に設けられている電極(図示していないノズル電極及び対向電極で、ノズル電極がプラス極側である)に高電圧を印加する電源(13)とを備えた静電噴霧器本体(13)を有している。噴霧ノズル(12)の電極に電圧を印加することにより、噴霧溶液が噴霧ノズル(12)の先端で霧化する。具体構造は省略しているが、噴霧溶液は、タンク(11)内から噴霧ノズル(12)の先端に向かって連続的に供給されるようになっている。
なお、静電噴霧器自体の構造は従来より知られたものであるため、ここでは具体構成についての説明は省略する。また、噴霧溶液は溶媒中に噴霧物質が溶解したものであり、人体に有益な物質の水溶液、例えばアミノ酸の一種であるテアニンの水溶液等を挙げることができる。
この静電噴霧装置(10)は、該噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)を備えている。上記接地電極(14)は、静電噴霧において噴霧ノズル(12)の近傍の電界強度を増強させるために用いられるものであって、噴霧ノズル(12)から溶液が噴霧される方向とは異なる方向となる位置に配置されている。
ここで、ただ単に接地電極(14)を設けると、帯電した噴霧粒子が、図8の矢印Aに示したようにクーロン力の作用を受けて電界調整用の接地電極(14)に吸引されて該接地電極(14)に付着して固化(析出)し、電極間距離が短縮するのに伴って付着量が加速度的に増大してしまう。そこで、本実施形態では、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)が設けられている。具体的には、上記固化抑制機構(15)として、接地電極(14)の表面にを濡らす液供給機構(16)が設けられている。
また、本実施形態の噴霧溶液には、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液から噴霧物質が析出するのを抑制する析出抑制剤が含まれている。この析出抑制剤としては、噴霧溶液を液体状態に維持する液状維持剤として、沸点が水及びアルコールの沸点より高いものや、粘性が水及びアルコールの粘性より高いものを用いることができる。具体的な材料としては、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などを挙げることができる。また、析出抑制剤としては、空気中の水分を吸収して該水分に潮解することにより液体状態を維持する吸湿剤を用いてもよい。この吸湿剤の具体的な材料としては、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などを挙げることができる。これらの添加物としては、自体への付着、吸収を目的としているため、食品添加物等を用いることが好ましい。
−運転動作−
静電噴霧装置(10)の電源(13)をオンにすると、ノズル電極と対向電極との間に電位差が与えられる。その結果、噴霧ノズル(12)の先端近傍に電界が形成される。そして、噴霧ノズル(12)の先端の噴霧溶液が分極化され、噴霧ノズル(12)の先端の気液界面近傍にプラスの電荷が集まる。噴霧ノズル(12)の先端では、気液界面が引き延ばされて円錐状となり、円錐状となった気液界面の頂部から一部の噴霧溶液が引きちぎられるようにして液滴化する。以上のようにして、噴霧ノズル(12)の先端からは電荷を帯びた噴霧溶液が噴射される。この噴霧溶液は、噴霧ノズル(12)の前方へ吹き出されて、室内へ供給される。
また、上述したように、噴霧溶液は、タンク(11)内から噴霧ノズル(12)の先端に向かって連続的に供給されるようになっている。そのため、タンク(11)内の噴霧溶液が常に噴霧ノズル(12)の先端で霧化して、連続的に室内へ噴霧される。
噴霧物質は、噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)にクーロン力で引き寄せられ、該接地電極(14)に付着する。しかし、本実施形態では、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)として、接地電極(14)の表面を塗らす液供給機構(16)が設けられているので、接地電極(14)の表面が濡れた状態に維持される。そのため、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。
また、噴霧溶液中に、析出抑制剤として、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などの液状維持剤を含ませたり、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などの吸湿剤を含ませたりしているので、接地電極(14)上に噴霧物質がより析出しにくくなる。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)を設けたことにより、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを防止できる。したがって、噴霧物質が析出すると電極間距離が短縮されて付着量が加速度的に増大してしまうのに対して、そのような問題を防止できる。
また、固化抑制機構(15)として、接地電極(14)の表面を濡らす液供給機構(16)を用いたことにより、接地電極(14)の表面が濡れた状態に維持される。したがって、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着しても、噴霧溶液から噴霧物質が析出して固化することを確実に防止できる。
さらに、析出抑制剤として、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などの液状維持剤や、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などの吸湿剤を用いることにより、設置電極上に噴霧物質が析出するのを、固化抑制機構(15)との相乗効果でより確実に防止できる。
−実施形態1の変形例−
図1の例では、接地電極(14)の表面を濡らす液供給機構(16)を用いることによって設置電極上での噴霧物質の析出を防止するようにしているが、図2に示すように、接地電極(14)自体を導電性液体を用いて構成してもよい。この場合、接地電極(14)は、トレイ状の液体容器(17)と、この液体容器(17)内に貯留された導電性液体(18)とから構成することができる。
このようにしても、接地電極(14)の表面が常に濡れた状態に維持されるので、接地電極(14)に噴霧物質が引き寄せられても、接地電極(14)の表面で噴霧物質が析出してしまうことはない。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2に係る静電噴霧装置(10)は、実施形態1の固化抑制機構(15)の代わりに、図3に示すように接地電極(14)の表面に付着した噴霧物質を除去する除去機構(19)と、この除去機構(19)を予め定められた時間間隔で間欠的に駆動する駆動機構(20)とを設けたものである。静電噴霧器本体(13)の構成自体は実施形態と同じである。
上記接地電極(14)は円盤状電極(14a)により形成されている。駆動機構(20)は、回転駆動部材である電動機(21)により構成され、この電動機(21)の出力軸に円盤状の接地電極(14)が固定されている。そして、電動機(21)を起動することにより、接地電極(14)が出力軸とともに回転するようになっている。
また、この静電噴霧装置(10)には、接地電極(14)に接触するように配置された噴霧物質除去部材(22)を備えている。この噴霧物質除去部材(22)は、接地電極(14)の回転中に該接地電極(14)を部分的に払拭するブラシ(23)により構成されている。
実施形態1と同様に、噴霧溶液には、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液から噴霧物質が析出するのを抑制する析出抑制剤が含まれている。この析出抑制剤としては、噴霧溶液を液体状態に維持することにより噴霧物質の析出を防止する液状維持剤として、沸点が水及びアルコールの沸点より高いものや、粘性が水及びアルコールの粘性より高いものを用いることができる。具体的な材料としては、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などを挙げることができる。また、析出抑制剤としては、空気中の水分を吸収して該水分に潮解する吸湿剤を用いてもよい。この吸湿剤の具体的な材料としては、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などを挙げることができる。
−運転動作−
実施形態1と同様に、静電噴霧装置(10)の電源をオンにすると、ノズル電極と対向電極との間に電位差が与えられる。その結果、噴霧ノズル(12)の先端近傍に電界が形成される。そして、噴霧ノズル(12)の先端の噴霧溶液が分極化され、噴霧ノズル(12)の先端の気液界面近傍にプラスの電荷が集まる。噴霧ノズル(12)の先端では、気液界面が引き延ばされて円錐状となり、円錐状となった気液界面の頂部から一部の噴霧溶液が引きちぎられるようにして液滴化する。以上のようにして、噴霧ノズル(12)の先端からは電荷を帯びた噴霧溶液が噴射される。この噴霧溶液は、噴霧ノズル(12)の前方へ吹き出されて、室内へ供給される。
また、噴霧溶液は、タンク(11)内から噴霧ノズル(12)の先端に向かって連続的に供給されるようになっている。そのため、タンク(11)内の噴霧溶液が常に噴霧ノズル(12)の先端で霧化して、連続的に室内へ噴霧される。
噴霧物質は、噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)にクーロン力で引き寄せられ、該接地電極(14)に付着する。本実施形態では、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)として、接地電極(14)の回転時に該接地電極(14)の表面を払拭するブラシ(23)(除去機構(19))を設けている。そのため、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着して析出しても、その析出した噴霧物質を除去できる。
そして、上記除去機構(19)を間欠的に動作させるようにしているので、図4に示すように、接地電極(14)の表面上への噴霧物質の付着量が従来と比べて大幅に減少する。
また、噴霧溶液中に、析出抑制剤として、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などの液状維持剤を含ませたり、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などの吸湿剤を含ませたりすることで、接地電極(14)上に噴霧物質がより析出しにくくなる。
−実施形態2の効果−
この実施形態2によれば、接地電極(14)の表面に付着した噴霧物質を除去する除去機構(19)を設けたことにより、接地電極(14)の表面に噴霧溶液が付着して噴霧物質が析出しても、除去機構(19)により噴霧物質を除去することができる。そのため、接地電極(14)の表面に噴霧物質が堆積するのを防止できる。
また、静電噴霧装置(10)の運転中に、除去機構(19)を予め定められたタイミングで駆動機構(20)によって駆動するようにしているため、除去機構(19)の動作時に接地電極(14)の表面に噴霧物質が析出していても、除去機構(19)によって噴霧物質が除去され、付着量を大幅に低減できる。
さらに、接地電極(14)を回転させながらブラシ(23)で接地電極(14)の表面を払拭するだけで付着した噴霧物質を除去できるので、静電噴霧装置(10)の構成が複雑になるのも防止できる。
また、析出抑制剤として、プロピレングリコール、グリセリン、オリーブ油などの液状維持剤や、塩化カルシウム、炭化カリウム、L−カルニチン、クエン酸などの吸湿剤を用いることにより、設置電極上に噴霧物質が析出するのをより確実に防止できる。
−実施形態2の変形例−
(第1変形例)
図3の例では接地電極(14)を円盤状電極(14a)により形成しているが、接地電極(14)は、図5に示すように不連続に配置された複数の突状電極(14b)によって構成してもよい。この場合でも、除去機構(19)としてブラシ(23)を用い、接地電極(14)を電動機(21)で間欠的に回転させることにより、接地電極(14)に付着した噴霧物質を効率よく除去できる。
(第2変形例)
図3や図5の例では除去機構(19)としてブラシ(23)を用いた構成を説明したが、ブラシ(23)の代わりに、図6に示すように接地電極(14)が部分的に浸漬される溶液を貯留した洗浄タンク(24)を用いてもよい。このようにすると、接地電極(14)を回転させれば、表面に付着した噴霧物質を溶液中に溶かし込むことができるので、接地電極(14)の表面における噴霧物質の付着量を減少させることが可能となる。
(第3変形例)
除去機構(19)としては、ブラシ(23)や洗浄タンク(24)を用いる代わりに、図7に示すように、接地電極(14)に向かって圧力空気を吹き付けて噴霧物質を吹き飛ばすエアーノズル(25)を用いて、エアブロー方式を採用してもよい。このようにしても、接地電極(14)の表面における噴霧物質の付着量を少なくすることができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、接地電極(14)として円盤状電極(14a)や突状電極(14b)を用いた例について説明したが、接地電極(14)の形状は適宜変更してもよい。
また、噴霧物質除去機構(19)もブラシ(23)や洗浄タンク(24)に限らず、その他の除去方式を採用したものとしてもよい。
さらに、上記各実施形態では噴霧溶液中に析出抑制剤を含ませたものを用いているが、析出抑制剤は必ずしも噴霧溶液に含ませなくてもよい。
また、噴霧溶液は、実施形態で挙げたものに限らず、γ-アミノ酪酸(GABA)の水溶液を用いるなど、適宜変更してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、電界の不平等性を利用して噴霧ノズルの先端から噴霧溶液を噴霧する静電噴霧装置であって電界調整用の接地電極を有するものについて有用である。
本発明の実施形態1に係る静電噴霧装置の構成図である。 実施形態1の変形例に係る静電噴霧装置の構成図である。 本発明の実施形態2に係る静電噴霧装置の構成図である。 噴霧物質の付着量を経時的に表すグラフである。 実施形態2の第1変形例に係る静電噴霧装置の構成図である。 実施形態2の第2変形例に係る静電噴霧蔵置の構成図である。 実施形態2の第3変形例に係る静電噴霧装置の構成図である。 従来の静電噴霧装置の構成図である。 従来の静電噴霧装置の問題を示す説明図である。 噴霧物質の付着量を経時的に表すグラフである。
符号の説明
10 静電噴霧装置
12 噴霧ノズル
14 接地電極
14a 円盤状電極
14b 突状電極
15 固化抑制機構
16 液供給機構
18 導電性液体
19 除去機構
20 駆動機構
21 回転駆動部材
22 噴霧物質除去部材
23 ブラシ
24 洗浄タンク

Claims (13)

  1. 噴霧溶液を霧化して噴霧する噴霧ノズル(12)と、該噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)とを備えた静電噴霧装置であって、
    上記接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液の固化を抑制する固化抑制機構(15)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  2. 請求項1において、
    上記固化抑制機構(15)は、上記接地電極(14)の表面を濡らす液供給機構(16)により構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
  3. 請求項1において、
    上記固化抑制機構(15)は、接地電極(14)に導電性液体(18)を用いて構成されたものであることを特徴とする静電噴霧機構。
  4. 噴霧溶液を霧化して噴霧する噴霧ノズル(12)と、該噴霧ノズル(12)の近傍に配置された電界調整用の接地電極(14)とを備えた静電噴霧装置であって、
    上記接地電極(14)の表面に付着した噴霧物質を除去する除去機構(19)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  5. 請求項4において、
    上記除去機構(19)を予め定められた時期に駆動する駆動機構(20)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  6. 請求項4または5において、
    上記駆動機構(20)は、上記接地電極(14)を回転させる回転駆動部材(21)と、該接地電極(14)に接触するように配置された噴霧物質除去部材(22)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  7. 請求項6において、
    上記接地電極(14)が円盤状電極(14a)により構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
  8. 請求項6において、
    上記接地電極(14)が不連続に配置された複数の突状電極(14b)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  9. 請求項6から8の何れか1つにおいて、
    上記噴霧物質除去部材(22)が、上記接地電極(14)の回転中に該接地電極(14)を部分的に払拭するブラシ(23)により構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
  10. 請求項6から8の何れか1つにおいて、
    上記噴霧物質除去部材(22)が、上記接地電極(14)の回転中に該接地電極(14)が部分的に浸漬される溶液を貯留した洗浄タンク(24)により構成されていることを特徴とする静電噴霧装置。
  11. 請求項1から10の何れか1つにおいて、
    噴霧ノズル(12)から噴霧される噴霧溶液には、接地電極(14)の表面に付着した噴霧溶液から噴霧物質が析出するのを抑制する析出抑制剤が含まれていることを特徴とする静電噴霧装置。
  12. 請求項11において、
    析出抑制剤は、噴霧溶液を液体状態に維持する液状維持剤であることを特徴とする静電噴霧装置。
  13. 請求項11において、
    析出抑制剤は、空気中の水分を吸収して該水分に潮解する吸湿剤であることを特徴とする静電噴霧装置。
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